【シャニマス】P「にへへ……」 (24)
「大変! 大変だよプロデューサーさん!」
「おはよう、甘奈。朝早くからそんなに慌てて一体どうしたんだ?」
「甜花ちゃんとプロデューサーさんが入れ替わっちゃったの!!」
「ははは、いくら書き慣れてないギャグssだからってそんな雑な導入があるわけ」
「ほら鏡見て!」
「俺が甜花になってるーっ!?」
「ねっ!」
「え、じゃあ本当の甜花は一体どこに」
「あっちのソファーだよ!」
「にへへ……もう食べられない……」
「マジか」
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「えへへ、プロデューサーさんの寝顔可愛いねー」
「恥ずかしいからあんまり見ないでくれ」
「むにゃ……プロデューサーさん……」
「ね、寝言か?」
「甜花……お昼寝をいっぱいしたくて……」
「うん今まさにお昼寝の真っ只中なんだけども」
「だめ……かな……?」
「い、いいよ!」
「にへへ……うれしい……」
よし、楽しく話せたな!(てってれ↑)
「いや、こんなことやってる場合じゃないだろ! どうすんだこれ!」
「なんだか騒がしいですね~。どうされたんですか?」
「あ! はづきさん」
「えっ? 甜花ちゃん?」
「あ、いや、俺です俺」
「……振り込め詐欺?」
「違います」
「えっ? まさか、プロデューサーさんですか?」
「はい、信じられないかもしれませんが……」
「なんとー」
「そしてあっちでよだれを垂らして眠っている俺が甜花です」
「あらあら、これは貴重な姿ですねー」(パシャパシャ)
「あのー、はづきさん?」
「プロデューサーさんのこんな可愛らしい姿なかなか見られませんからー」
「もー、そんな写真、後でちゃんと消しといてくださいね」
「もう283グループラインに共有してしまいましたよー?」
「はづきさん!?」
(ピロン、ピロン、ピロン……)
「どうしようプロデューサーさん! みんなからの通知が止まらないよ!」
「ひぃん……」
「それで、曲がり角でぶつかって入れ替わってしまいましたーみたいな展開なんでしょうか?」
「いえ、気が付いた時にはこうなっていて……」
「それは大変ですねー」
「もしこのまま元に戻れなかったらどうしましょう」
「その時はプロデューサーさんがステージに立つしかないですねー」
「うっ、それはちょっと……」
「うふふ、冗談ですよ」
「はぁ……」
「そんなに落ち込むことありませんよー」
「と言われましても……」
「これ、私の夢ですからー♪」
「って、こんな序盤にオチ言っちゃって大丈夫なんですか? あ、ほら作者もこの後の展開どうしようってめっちゃ困ってます」
「うふふ、弱ってるプロデューサーさんが可愛かったのでうっかり口をすべらせてしまいました」
「もーはづきさんったら」
「うふふー」
「で、この夢いつ覚めるんです?」
「さぁどうでしょうか」
「どうでしょうかって……早く起きてくださいよ」
「昨日は遅くまでステージ衣装の整理をしていたので」
「あ、そうだったんですね。いつもすみません……」
「プロデューサーさんにばかり無理をさせられませんから」
「はづきさん……」(キュン)
「わ、わたしだって! 心配、するんですからね?」
「はづきさん……」(トゥンク)
「むーっ!!」
「あ、甘奈? いきなりどうした?」
「べっつにー」(プクー)
「……?」
「それはそうと眠り姫は王子様のキスで目覚めるのがお約束ですよ」
「て、ててて甜花ちゃんとキス!!? あっでも今の甜花ちゃんはプロデューサーさんでううんでもその方がもっと」
「甘奈落ち着いて」
「……むにゃむにゃ……あれ……? わたし……」
「お、目が覚めたか。おはよう甜花」
「……おはよう……え、なーちゃんが二人……いる?」
「あ、いやいや、俺は甜花なんだよ」
「……えっと……意味が……よく分からない」
「うん、ごめん。いま自分でも頭のおかしい台詞だなって思った」
「甜花と……プロデューサーさんが入れ替わり……?」
「つまりはそういうことなんだ」
「す、すごい……! この前なーちゃんと一緒に見た映画みたい……!」
「うん! 甘奈、最後泣いちゃったよー」
「確かに名作だけども」
「うふふー、やっと目を覚ましたかい♪」
「はづきさんが一番目を覚ましてください」
「ってもうこんな時間! 甜花ちゃん学校に行かなきゃ!」
「いやまぁとりあえず今日はお休みってことで先生に連絡を……」
「だめだよ! 甜花ちゃん今日の補修受けなかったら進級できなくなっちゃうよ?」
「ええっ? そうなのか?」
「あぅ……ごめんなさい」
「と言っても俺も仕事あるしなぁ」
「じゃあじゃあ! 今日は私がプロデューサー……じゃなかった、甜花ちゃんのお手伝いをするよ!」
「甘奈が?」
「うん!」
「確かに甘奈がいてくれれば心強いけど……」
「うん! 甘奈たちに任せてプロデューサーさんは学校行ってきて!」
「そういうことなら仕方ないか。俺が代わりに学校に行こう」
「プロデューサーさん! 『俺』じゃなくて『甜花』だよっ!」
「お、おう! あっ、いや、う、うん……! 甜花……頑張るね!」
「さすがプロデューサーさん! ばっちりだよー☆」
「にへへ……そ、そう……かな?」
「うふふ、何だか楽しくなってきましたねー」
「はづきさんはマジで早く目を覚ましてください」
「さて、学校に着いたのはいいけど、甜花はどのクラスって言ってたっけ」
「あ、甜花ちゃん! おはよー!」
「(甜花のクラスメイトかな?)おはよう……」
「あれ? 今日は甘奈ちゃんは一緒じゃないんだ? 珍しいねー」
「う、うん。なーちゃんは……今日はお仕事が入ってて……」
「さっすがー! アイドルって忙しいんだね!」
「にへへ……」
「ちょっと大崎さん!」
「ひゃっ」
「ホームルーム開始五分前です! まったく、どうしてあなたはいつもいつも時間ギリギリなのですか!?」
「えっ、えっと……ごめんなさい……」
「お仕事が忙しいのは分かりますが、学校のルールもきちんと守ってくれないと困ります!」
「もー委員長ってば固いよー。どうしていつもそんなに甜花ちゃんにばっかり厳しいのー?」
「わっ、わたしはただクラスの学級委員として!」(グラッ)
「きゃあっ」
「危ない!」(ダキッ)
「……」
「怪我はない?」
「……う、うん」
「よかった。気をつけてね」
「(キュン)」
(事務所)
「は、はい……はい……よろしくお願い、します……!」(ガチャ)
「お疲れさま、甜花ちゃん! これで午前のお仕事はひと段落だね!」
「うん……なーちゃんが……いっぱい手伝ってくれたおかげ」
「ううん! 甜花ちゃんが頑張ったからだよ」
「にへへ……甜花……頑張った!」
「うん! お疲れさま、甜花ちゃん!」
「だから……」(ポフッ)
「ててて、甜花ちゃん!?」
「にへへ……なーちゃんの膝で……ちょっと休憩」
「ぷ、プロデューサーさんの顔が、膝の上に……っ!」
「なーちゃん」
「な、なあにっ? 甜花ちゃん?」
「甜花……頑張ったらお腹すいちゃったから……」
「う、うん」
「おかし……食べたい……」
「そ、そうだね!」
「あーん」
「ててて、甜花ちゃん!?」
「……? いつもみたいに食べさせて……?」
「あ、あーん」
「あーん」(パクッ)
「にへへ……美味しい……」
「よ、よかったー」(ドキドキ)
「あ……なーちゃん……指にチョコレート付いてる……」
「えっ、う、うん! あとでちゃんと洗うから大丈」
「あむっ」(パクッ)
「…………!??!」
「にへへ……なーちゃんの指……甘くて美味しい……」
「……うう……甘奈、もうだめかも……」
「……?」
キーンコーンカーンコーン(お昼休み)
「ねーねー、今日の大崎さんってなんだかいつもと雰囲気が違くない?」(ヒソヒソ)
「あたしも思った! なんかかっこいいよね」
「分かる! イケメンオーラが溢れてるっていうか」
「普段は守ってあげなきゃって気持ちが掻き立てられるのに」
「そういえばさっき階段で落ちそうになった女の子を助けてたって後輩の子が」
「ええーっ!」(キャーキャー)
「……なぁ、今日の大崎っていつもと雰囲気違くないか?」(ヒソヒソ)
「ああ、いつもは可愛さ全振りって感じなのに、何というか今日は」
「ふふっ、これは間違いないな」
「なんだよ佐藤、一体どういうことだよ」
「……男だろうな」(あながち間違いじゃない)
「は……ははは! いいいも妹の方ならとももともかくおおお大崎に限ってそんなわわわけけ」(カタカタカタ)
「麦茶めっちゃ零れてるから」
「嘘だ……大崎に男なんて……」
「俺は信じねぇぞ! うわぁぁん!」
「うーん……なんだかさっきからすごく見られてる気がする。やっぱり演じるのって難しいなぁ……っ?」(ブルッ)
「うっ、まずい……一番恐れていたことが……」
そう、尿意である。(突然のナレーション)
(事務所)
「なーちゃん……」
「なあに、甜花ちゃん」(なでなで)
「甜花、おトイレ……行きたい……」
「いいよー! じゃあ一緒に……あっ!?」
「うん……甜花……今プロデューサーさんだから……」
「ど、どうしよう!」
「お疲れさまです」
「あっ! 千雪さん! お願い助けて!」
「甘奈ちゃんにプロデューサーさん? どうしたの?」
「千雪さん……おトイレ……一緒に行こう……?」
「 」
「あっ、違うの千雪さん! このプロデューサーさんはプロデューサーさんじゃなくて甜花ちゃんなの!」
「えっと……甘奈ちゃん、どういうことか説明してもらえる?」
かくかくしかじかてんてんかちゃん
「ええっと……甜花ちゃんとプロデューサーさんが入れ替わって……」
「そうなの! それでお仕事の方はなんとか出来たんだけど」
「甜花……おトイレ行きたい……」
「というわけなんだー」
「えっと……それでどうして私に?」
「うん! 私たち、男の人のおトイレの仕方って分からなくて。千雪さんなら分かるんじゃないかと思って」
「……えっ、えええ!?」
「お願い! 千雪さん!」
「お願い……千雪さん……」
「ちょっ、ちょっと待って二人とも。えっとそれって、だってプロデューサーさんの……」(プシュー)
「千雪さん!?」
「なーちゃん……甜花、そろそろ……限界かも……」
「ど、どうしよう~!」
「待って! 甘奈ちゃん!」
「千雪さん……?」
「そうよね……プロデューサーさんのピンチだもの……こんなところで恥ずかしがってちゃダメよね……」
「千雪……さん……?」
「甘奈ちゃん、甜花ちゃん。私やるわ。プロデューサーさんのために」
「……そうだよね! 甘奈も、プロデューサーさんのためだもん!」
「甜花も……頑張る……!」
「ええ、私たちならきっと大丈夫……!」
(教室)
「ああああまずいもう限界だ! だがいくら夢の中とはいえ担当アイドルの無防備な姿を見るわけにはいかない!」
「ん、まてよ……そうか、これがはづきさんの夢ならはづきさんのほっぺをつねることが出来れば……!」
「念じろ……信じるんだ。これは夢だ。願えば叶う。この扉の向こうは事務所……大丈夫! 俺ならできる!」
バァン(事務所のドアを開ける音)
「やった! 事務所だ!」
「プ、プロデューサーさん!?」
「あ、千雪さん、お疲れ様です。はづきさんどこにいるか知りませんか?」
「あ……はづきならつい先ほどコーヒー豆を買いに外へ……」
「入れ違いか~! すみません、またちょっと出てきます!」
「……あ、はい」
「甜花も甘奈も留守番ありがとな!」
「……う、うん!」
「……///」
「……? なんだか三人とも顔が赤くないか?」
「そ、そんなことないですよ!!」
「う……うん!!」
「あ、甘奈たちは大丈夫だから!!」
「そうか? もし体調が悪いなら無理しないで早めに帰るんだぞ」
(バタン)
「~~っ!!」
「はぁはぁ……はづきさんは一体どっちに……!」
「くそっ! ただでさえはづきさんの序盤のネタバレのおかげで当初の構想と全く違う展開になってるっていうのに、こんな脈絡のないSSにどうやってオチを付ければいいんだ……!」
「ふふふ……何やらお困りのようだな」
「だ、誰だ!」
「わしじゃよ」
「……いやほんとに誰だよ」
「ぽっと出の仙人じゃ」
「せめて社長とかを登場させればよかったのに」
「確かにお前の探しておるおなごはこの道の先におる」
「本当ですか!?」
「頑張れ青年よ……」(スゥー)
「はい! このくだりマジで本当に全く要らないと思いますけどありがとうございます!」
「はぁはぁ……はづきさん! はづきさん……!」
「はづきさん……どこにいるんだはづきさん……!」
「って、うわっ! どうしてこんな道路の真ん中に大きな泉があるんだ?」
「……はっ! これははづきさんがいつも使っているアイマスク! はづきさん、まさかこの泉に落ちて……」
「(ブクブク……)」
「中から何か出てくる!?」
「うふふ……私は泉の女神ハヅキです」
「……それ何のコスプレですか、はづきさん」
「はづき? 知らない名前ですねぇ」
「そんな……はづきさん……」
「うふふ、あなたの知るはづきはもういません」
「お願い……目を覚まして……っ!」
「そこまで言うならひとつだけチャンスをあげましょう」
「意外に聞き分けいいなこの女神様」
「あなたが探しているのは金のはづきですか? それとも銀のはづきですか?」
「ええっと、色で言うなら……緑のはづき、ですかね?」
「そんな曖昧な答えじゃ返してあげません」(ツーン)
「違います! 俺は、金でも銀でもなくて、そのままのはづきさんがいいんです!」
「……」
「確かに、はづきさんはいつもふんわりマイペースで、ときどきちょっといじわるなところもありますけど」
「……ふーん」(プイッ)
「可愛くて綺麗でとっても素敵な女性です!」
「……!」
「仕事で辛い時にはいつも励ましてくれて、貴女の笑顔に俺はいつも元気をもらっていて! はづきさんは俺の、俺の……!」
「プロデューサーさん……」
「俺のとても大切な人なんです!」
「……っ///」
(見つめ合う二人)
(ラ○ストーリーは突然に的なBGM)
「ふふっ、わたしの負け、ですね……」
「はづきさん……」
「正直者の貴方には、金のはづきでも銀のはづきでもなく、こちらをあげましょう」
「こ、これはっ!?」
「緑のたぬきです」
「えっ要らない」
【完】
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