元ネタ
『艦隊これくしょん -艦これ-』
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提督 (それは普段の出撃と変わらない筈だった)
提督 (勿論軍人として、そしてこの鎮守府の司令として作戦遂行に全力を尽くすし、出撃させた艦娘が全員帰投するまでは気を揉んでいる)
提督 (作戦が成功すれば心の底から安堵するし、もし失敗でもすれば胃が痛くなるどころでは済まない)
提督 (ただ、そういったことも混みで普段通りの出撃と思っていた)
提督 (思えばあの日の出撃から、世界は狂い始めていたのかもしれない)
サラトガ 「Attack!」
ドドォン!
駆逐イ級 「キィィィィ!」
潮 「駆逐イ級、全艦轟沈……潮の出る幕も無かったです」
電 「最初の相手、圧勝なのです」
龍驤 「まだ序盤や、こんなのお茶の子さいさいやで」
金剛 「この勢いで提督の為にも作戦成功させます!」
電 「最初は上手くいっていたのです……」
潮 「提督の撤退命令が無かったら潮、沈んでたかもしれません」
多摩 「最終海域が鬼級、姫級のオンパレード、悔しいけど完敗にゃ」
サラトガ 「それでも最後の戦闘、せめて敵を1隻だけでも沈めたかったですね」
金剛 (旗艦がミーでなくて大和なら勝てたのかな……。ノー! そんな弱気、ミーらしくない)
龍驤 「命あっての物種、全員生還出来ただけでも良しとせな……じきに鎮守府やで」
電 「港に沢山の人が集まっているのです」
多摩 「幟に多摩達への悪口が書かれてるにゃ」
サラトガ 「デモ隊ですか……」
潮 「泣きっ面に蜂ですね」
金剛 「皆、毅然とした態度で帰還するネ。今回、作戦は失敗したけど……」
金剛 「ミー達の仕事は誇りある仕事デス!」
ベチャッ
金剛 (これは……卵!?)
ベチャッ、ベチャッ
金剛 (今度はトマト!?)
電 「はわわっ!? デモ隊から電達目掛けて色々飛んで来るのです」
多摩 「艦娘に投石は効かないから嫌がらせを重視した投擲にゃ」
デモ参加者1 「このレイシストめ!」
デモ参加者2 「恥を知れ!」
金剛 「あなた達が何を言おうとミー達は任務を遂行するだけデス」
デモ参加者3 「こいつ、自分が何をしたのか分かってないのか……?」
デモ参加者4 「艦娘にとっちゃ当たり前のことなんだろう。いくら人の姿に化けても所詮は軍艦という人殺しの道具の成れの果てだ」
電 「電達は人殺しの道具じゃありません!」
デモ参加者4 「何だこのガキは? 黙ってろ!」
電 「戦時中、電がまだ船の姿だった頃、電はアメリカの兵隊さんの救助活動をしました」
電 「それに今、電達が戦っているのは人ではありません。電達は今度こそ人を守る為に――」
デモ参加者5 「おぞましい……虫唾が走るわ」
電 「えっ……?」
電 (何だかこのオバさん、怖いのです)
デモ参加者5 「みんな! この子の見た目に騙されちゃ駄目。ロリコンに媚びを売って人気取りしてるだけよ。こういうのを擁護する連中は例外無く犯罪者予備軍だわ!」
デモ隊 「そうだそうだ!」
龍驤 「そういうあんたは大人げないなあ」
デモ参加者5 「まあ!? ここにもロリコンホイホイがいるわ」
龍驤 「何やて!」
龍驤 「あのババア、ホンマムカつくわ。誰がロリコンホイホイやねん」
提督 「皆、お疲れ」
大和 「皆さんお疲れ様です」
金剛 「提督、ごめんなさい!」
提督 「今回の作戦失敗は残念だったが、また機会もあるだろう。それはさておきこちらを見てくれ」
金剛 「テートク?」
龍驤 「入渠してその後反省会やないんか」
提督 「すまんが入渠は後回しだ。そんなに時間は取らせないからこれを見てくれ」
多摩 (ニュースの録画にゃ……って!?)
多摩 「これ多摩達にゃ!?」
提督 「多摩、驚くのは分かるが静かに見てくれ」
多摩 「ごめんなさいにゃ」
――動画再生中――
アナウンサー 「艦娘の艦隊が最初に遭遇した敵艦隊は、全て肌の黒い深海棲艦で編成されていました」
アナウンサー 「艦娘はこのように問答無用で一方的に攻撃を加え、黒い深海棲艦の艦隊を瞬く間に全滅させました」
アナウンサー 「一方、こちらは同じ艦娘が別の深海棲艦に遭遇した時の映像です」
アナウンサー 「こちらの敵は全て白い肌の深海棲艦でした。すると……」
アナウンサー 「なんと、艦娘は敵艦隊を一隻も沈めることなく撤退を開始しました」
アナウンサー 「番組の取材に対し海軍は「明日の記者会見にて全てを明らかにする」とコメントしています」
コメンテーター1 「ここまで露骨過ぎるとむしろ清々しいですね」
コメンテーター1 「肌が黒い相手は一方的に死ぬまで痛めつけ、肌が白い相手が現れたら撤退」
コメンテーター1 「これは黒人差別以外の何物でもありません」
司会者 「相手は深海棲艦で人間ではありませんがこれも差別になるのでしょうか?」
コメンテーター1 「なります!」
コメンテーター1 「仮に黒人の方がこの動画をご覧になったらどんな気持ちになると思いますか?」
コメンテーター1 「差別される側が差別的だと感じたらその時点で差別なんです。悪意は無い、偶然だった、というのは言い訳になりません」
――動画終了――
提督 「という訳だ」
提督 「同様の番組がテレビ、ネット問わず多数放送されている」
多摩 「多摩達の画像はどうやったのかにゃ?」
提督 「おそらくはドローン撮影だろう」
多摩 (ニュースの録画にゃ……って!?)
多摩 「これ多摩達にゃ!?」
提督 「多摩、驚くのは分かるが静かに見てくれ」
多摩 「ごめんなさいにゃ」
――動画再生中――
アナウンサー 「艦娘の艦隊が最初に遭遇した敵艦隊は、全て肌の黒い深海棲艦で編成されていました」
アナウンサー 「艦娘はこのように問答無用で一方的に攻撃を加え、黒い深海棲艦の艦隊を瞬く間に全滅させました」
アナウンサー 「一方、こちらは同じ艦娘が別の深海棲艦に遭遇した時の映像です」
アナウンサー 「こちらの敵は全て白い肌の深海棲艦でした。すると……」
アナウンサー 「なんと、艦娘は敵艦隊を一隻も沈めることなく撤退を開始しました」
アナウンサー 「番組の取材に対し海軍は「明日の記者会見にて全てを明らかにする」とコメントしています」
コメンテーター1 「ここまで露骨過ぎるとむしろ清々しいですね」
コメンテーター1 「肌が黒い相手は一方的に死ぬまで痛めつけ、肌が白い相手が現れたら撤退」
コメンテーター1 「これは黒人差別以外の何物でもありません」
司会者 「相手は深海棲艦で人間ではありませんがこれも差別になるのでしょうか?」
コメンテーター1 「なります!」
コメンテーター1 「仮に黒人の方がこの動画をご覧になったらどんな気持ちになると思いますか?」
コメンテーター1 「差別される側が差別的だと感じたらその時点で差別なんです。悪意は無い、偶然だった、というのは言い訳になりません」
――動画終了――
提督 「という訳だ」
提督 「同様の番組がテレビ、ネット問わず多数放送されている」
多摩 「多摩達の画像はどうやったのかにゃ?」
提督 「おそらくはドローン撮影だろう」
多摩 (ニュースの録画にゃ……って!?)
多摩 「これ多摩達にゃ!?」
提督 「多摩、驚くのは分かるが静かに見てくれ」
多摩 「ごめんなさいにゃ」
――動画再生中――
アナウンサー 「艦娘の艦隊が最初に遭遇した敵艦隊は、全て肌の黒い深海棲艦で編成されていました」
アナウンサー 「艦娘はこのように問答無用で一方的に攻撃を加え、黒い深海棲艦の艦隊を瞬く間に全滅させました」
アナウンサー 「一方、こちらは同じ艦娘が別の深海棲艦に遭遇した時の映像です」
アナウンサー 「こちらの敵は全て白い肌の深海棲艦でした。すると……」
アナウンサー 「なんと、艦娘は敵艦隊を一隻も沈めることなく撤退を開始しました」
アナウンサー 「番組の取材に対し海軍は「明日の記者会見にて全てを明らかにする」とコメントしています」
コメンテーター1 「ここまで露骨過ぎるとむしろ清々しいですね」
コメンテーター1 「肌が黒い相手は一方的に死ぬまで痛めつけ、肌が白い相手が現れたら撤退」
コメンテーター1 「これは黒人差別以外の何物でもありません」
司会者 「相手は深海棲艦で人間ではありませんがこれも差別になるのでしょうか?」
コメンテーター1 「なります!」
コメンテーター1 「仮に黒人の方がこの動画をご覧になったらどんな気持ちになると思いますか?」
コメンテーター1 「差別される側が差別的だと感じたらその時点で差別なんです。悪意は無い、偶然だった、というのは言い訳になりません」
――動画終了――
提督 「という訳だ」
提督 「同様の番組がテレビ、ネット問わず多数放送されている」
多摩 「多摩達の画像はどうやったのかにゃ?」
提督 「おそらくはドローン撮影だろう」
1です
すみません。ロックかかったと思ったら連投になってました。
金剛 「Shit! どうしてそんな解釈になるの!?」
提督 「俺もニュース見て開いた口が塞がらなかった」
龍驤 「デモ隊の連中がレイシスト云々言うとったのはこの動画のことか」
電 「はわわ、電達、どうなるのですか?」
提督 「電達がどうもならないにように俺はこれから始末書を書く」
サラトガ 「お手伝させて下さい」
提督 「このミーティングが終わったらお前達第一艦隊は全艦入渠だ。むしろここまで引き留めて済まないと思っている」
提督 (生卵やトマトが服に貼り付いた状態でミーティングに参加なんてさせたくなかった)
提督 「始末書は秘書艦が手伝ってくれる」
提督 「な、大和?」
大和 「はい!」
金剛 (秘書艦にしてこの鎮守府唯一のケッコン済艦、悔しいデス……)
提督 (件の動画が流れてから数日後)
サラトガ 「ヴヴッ……グスッ……」
提督 「どうした、サラ?」
サラトガ 「提督! ヴエエエエン!」
提督 「落ち着けサラ! 話は執務室で聞く」
サラトガ 「すみません提督、先程は取り乱しました……」
提督 「それは構わんが理由聞いてもいいか?」
サラトガ 「ヴ、ウウ……」
提督 「もう少し落ち着いてからでいい」
提督 (サラトガは本来日本の艦娘ではないが米国の海外派遣により来日し、現在我が鎮守府預りになっている)
提督 (ホームシック……では無いか)
サラトガ 「本当にすみません……」
提督 「気にするな」
サラトガ 「……大変なことになりました」
サラトガ 「Iowaが……Iowaが……」
サラトガ 「解体……されました……」
提督 「アイオワが!?」
提督 (アイオワって米艦娘の連合艦隊旗艦だろ? そのアイオワを解体?)
提督 「アイオワに何があった?」
サラトガ 「この前ここの鎮守府で起きたことと同じです」
サラトガ 「Iowaを旗艦とする艦隊は作戦成功を目前にして鬼級、姫級相手に撤退を余儀なくされました」
サラトガ 「序盤の海域で黒い深海棲艦を撃破し、最後は白い深海棲艦相手に撤退」
サラトガ 「それが相手の肌の色で態度を変えているとバッシングされたのです」
サラトガ 「Iowaは旗艦として責任を取らされ解体処分に……」
サラトガ 「提督、Iowaの責任って何ですか? 提督はIowaにどんな罪があると思いますか?」
提督 「あくまで俺個人の意見だが、彼女に罪なんて無い。アイオワのことは本当に気の毒だと思う」
サラトガ 「そうですよね……ならどうして? サラ達は艦娘だから人身御供にしても構わないというの?」
提督 「そんなことはない。あまりに理不尽だ。もしここの鎮守府の艦娘がそんなふざけた理由で上から解体を命じられれば……」
提督 「俺は全力で抵抗する。そのことで俺のキャリアは失われるかもしれない」
提督 「でも、そんなの知ったことか!」
サラトガ 「Thanks a lot。Iowaもここに来ていれば……」
サラトガ 「昨日、Iowaからメールが来たんです」
サラトガ 「メールには解体の話は全然書いてなくて、普段通りのメールで……」
サラトガ 「昨日の時点で解体は決まっていたのに、そのことをサラには打ち明けずにIowaは……」
提督 「サラはアイオワの話を誰から聞いた?」
サラトガ 「どうして?」
提督 「アイオワ本人から聞いてないということは他の誰かから話を聞いたってことだろう?」
サラトガ 「今日、Intrepidから国際電話があって……」
サラトガ 「電話越しにIntrepidが泣きながら言ったんです。Iowaに口止めされていたって! 解体前に知ったらサラが解体阻止のために動くかもしれない、そしたら今度はサラが目を付けられるから!」
サラトガ 「解体が終わるまでサラに知らせないで、とIowaが言っていたそうです」
サラトガ 「自分が明日にも解体されるって時に人の心配ばかりして……Iowa、あなた馬鹿よ……」
提督 「サラ……」
サラトガ 「ヴエエエエン!」
提督 (俺の胸に縋り付いて号泣するサラトガに対し、俺はかける言葉が見つからなかった)
本日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
金剛 「OK、そういうことなら任せて、提督!」
提督 「ありがとう金剛。サラトガのケア、よろしく頼む」
提督 (古参で人懐っこく英語が堪能な金剛に、サラトガのケアを頼むのが一番いいだろう)
金剛 「それにしても、こんな最期許せない」
提督 「ああ、アイオワも無念だったろうに」
金剛 「提督はご存知でしょうけど金剛型とアイオワ型はライバル同士です。ミーはアイオワのこと、認めてたんですよ」
金剛 「なのに突然こんなことに……」
提督 (金剛……)
金剛 「提督?」
提督 「何だ、金剛」
金剛 「サラトガはミーが慰めるので、ミーは提督が慰めて下さい」
提督 「おお……分かった」
金剛 「何か気持ちが感じられない返事デス」
提督 「そんなことないって」
金剛 「フフッ、言質は取れました。だったら……」
金剛 「今日はショッピング付き合ってくれてありがとう提督」
提督 「そう言ってくれると嬉しいよ金剛」
金剛 「やや、心ここにあらずって感じでしたが」
提督 「いや、そんなことはない」
金剛 「大和のこと、気になりますか?」
提督 「気にならない、と言えば嘘になる」
金剛 「提督には身重の大和がいるのに今日提督を連れ出したのはミーの我儘ですが……」
金剛 「鎮守府に帰ったら怖いデスヨー」
提督 「一応大和の許可は貰っている、大分不機嫌だったが」
金剛 「Don't worry。ミーも提督の家庭壊すつもりないデス」
金剛 「この前、榛名に電話で言われたんです」
金剛 「『もう、フッ切った方がいい』って」
金剛 「『お姉様が不倫して傷つくところなんて見たくありません』って」
提督 「……姉想いの妹さんじゃないか」
提督 (すまん、金剛。お前の気持ちは有難いが応えられん)
金剛 「ええ、自慢の妹です」
金剛 「ミーからすれば榛名の方が将来爛れた恋愛とかしそうで心配です」
提督 「そうなのか?」
金剛 「提督は榛名と面識無いって言ってましたね」
提督 「ああ」
金剛 「あの子は無自覚に男を惑わす魔性の女デース」
金剛 「榛名が本気になれば大抵の男は堕ちますよ、きっと」
提督 「多摩、改ニおめでとう」
多摩 「にゃあ」
明石 「おめでとう」
武蔵 「おめでとう多摩、この武蔵もせめて改になりたいものだ」
提督 「武蔵が改になるには色々物入りだからそのうちな。……うーむ、改ニになった多摩は大人びた感じがする」
多摩 「何だか照れるにゃ」
提督 「よう、多摩」
多摩 「提督……」
提督 「どうした、多摩? ちょっと元気なさそうだが」
多摩 「そんなことないにゃ、失礼するにゃ」トボトボ
提督 (多摩、改ニになってこの数日、いつもに増して元気だったのに。昨日今日、何があった?)
大和 「ごちそうさまでした」
多摩 「ごちそうさまにゃ」
多摩 (食堂での食事、普段なら楽しい筈なのに気分が乗らないにゃ……)
大和 「多摩ちゃん……その、何か悩み事があれば……?」
多摩 「提督の差し金かにゃ」
大和 「提督にはむしろあまり根掘り葉掘り聞くなって言われました」
多摩 「ごめんにゃ」
大和 「言いにくいことなら無理に言うことはないですけど、相談したくなったらいつでも声をかけて下さい」
多摩 「……多摩は、子供に悪影響を与えてるのかにゃって」
多摩 「この前、駆逐や軽巡の皆で幼稚園に慰問に行ったにゃ」
多摩 「子供達は喜んでくれたにゃ。一人の女の子が『私も多摩ちゃんみたいになりたい』って言って抱きついてきたにゃ」
多摩 「そしたらその子の親御さんが無理矢理女の子を多摩から引き剥がして言ったにゃ」
多摩 「多摩の身体はモデル体型だから多摩に憧れた子供は摂食障害になる。艦娘が海でかっこよく暴れることにルッキズムがどーとかジェンダーがどーとか」
多摩 「せっかく改ニになったのに、見た目で悪口言われるとは思わなかったにゃ」
大和 「子供達は喜んでたんでしょ? 幼稚園の先生方は何ておっしゃってたんですか?」
多摩 「慰問が終わった後、園長先生に言われたにゃ。『ああいった親御さんもいらっしゃいますが、私共は感謝しております。子供達も喜んでます。ありがとうございました』って」
大和 「そんなに喜んで貰えたなら多摩ちゃんもっと自信持ちましょ、ね」
提督 「そんなことがあったのか」
大和 「すみません提督。提督にはあまり詮索するなって言われていたのに」
提督 「いや、俺も多摩の元気がなくなったことは気になってたからな。それに秘書艦の大和が艦娘のケアをしてくれると助かる」
提督 「でもこれで繋がったよ」
大和 「繋がった?」
提督 「今日、例の幼稚園から連絡があって、心苦しいですが慰問はこれで終わりにして欲しいってさ」
大和 「そうだったんですか……」
提督 「てっきり左寄りなクレームに園が屈して慰問を断らざるを得なくなったかと思ってたから、その時は理由聞かなかった」
提督 「流石に今回はクレームの内容が斜め上だ」
提督 「設置完了、これでヨシ!」
潮 「やっぱり恥ずかしいです」
潮 (今日は鎮守府の一般解放日、正門前に……)
提督 「よく撮れてる、かわいいぞ潮」
潮 (潮の等身大パネルを置くんですか!?)
提督 「これで来訪者も増えるだろう」
提督 (今のところ問題無しか……)
提督 (鎮守府の一般解放日、通常任務とは違った緊張はあるが、俺がしかめっ面してる訳にはいかん)
提督 (笑顔、笑顔……)
電 「司令官さん、大変なのです!」
提督 「どうした、電?」
電 「正門前でトラブルなのです!」
提督 (ついに来たか、プロ市民共……)
提督 「分かった、すぐ行く。電は持ち場に戻れ」
提督 (正門前に駆けつけたが……一人?)
クレーマー 「あなたがここの責任者ですか?」
提督 「はい、そうです」
クレーマー 「本当に無神経だと思います」
クレーマー 「なんであえてこういうパネルなんですか? もう麻痺してるんでしょうけど公共空間で環境型セクハラしてるようなものですよ」
提督 (潮の等身大パネルにケチ付けてるのか!?)
潮 「……」
提督 (潮の奴、萎縮してる。俺が駆けつけるまでの間、散々酷いこと言われたんだろう。可哀想なことをした)
提督 (兎に角、この場を治める)
提督 「そう言ったところを考慮して、ご覧の通り露出の少ない服装にしており――」
クレーマー 「ほんっとほんっと気持ち悪い。吐き気がします。よく恥ずかしげもなくこういう胸が大きいパネルを掲げられますよね。しかもこれが未成年でそういう幼さとの「萌え」もギャップなんでしょう? 吐き気します。きもすぎる」
提督 「……」
龍驤 「離さんかサラトガ……」
サラトガ 「駄目ですよリュージョー、今、出ていっちゃ……」
龍驤 「貧乳なら誰だって、自分が初めて貧乳だと思い知らされた時のことを覚えとる」
龍驤 「毎日、自分の乳に価値が無いと思い知らされることがどんなに痛みを伴うか」
龍驤 「だからってなあ……」
龍驤 「乳がデカいだけであんな罵倒するこた無いやろ」
龍驤 「見てみい。司令官の横で潮がションボリしとるわ」
龍驤 「ウチは決してそこの女みたくはならんで。自分が気に入らんから言うてフェミニスト気取りで相手をバッシングするようになったら終わりや」
サラトガ 「リュージョーが誇り高い空母なのは分かりました。ただここは提督に任せましょう」
サラトガ 「私達は航空ショーの準備があります。行・き・ま・す・よ」
ズルズル……
龍驤 (引き摺られる……。これが正規空母の馬力か……)
龍驤 (それよりもウチを羽交い締めにしとるサラトガの乳がずっと背中押しとんねん)
提督 (結局俺は、潮のパネルを鎮守府内の人目につかない場所に移動させた)
提督 (以前、電がデモ隊に暴言吐かれたって言ってたよな。先日の多摩の件といい……)
提督 (子供はダメ、モデル体型はダメ、巨乳はダメ……)
提督 (だったら何だったら文句言わなくなるんだ……)
本日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
龍驤 「敵さんなかなか出て来んなあ」
サラトガ 「!」
サラ 「サラの子が艦影を発見したわ」
龍驤 「あちゃー、今回サラトガか先やったかー」
サラトガ 「……」
龍驤 「どないした?」
龍驤 (何黙っとんねん?)
サラトガ 「索敵機からの情報です」
サラトガ 「艦影2、港湾棲姫及び北方棲姫と思われます」
潮 「まだ作戦中盤ですよ。こんなところで姫級が2体も出て来るなんて……!」
潮 「あのっ! サラトガさんの索敵を疑ってる訳じゃないですよ」
サラトガ 「分かってるわウシォー。サラだって驚いてるもの」
多摩 「ここで姫級来るならラスボスはどんな敵かにゃ。先が思いやられるにゃ……」
金剛 「弱気になっては駄目、戦闘準備です!」
龍驤 「そりゃそうやけど、随伴艦無しって怪しいやろ? 罠の匂いプンプンやねん」
サラトガ 「戦闘の必要は無いかもしれません……」
電 「何かあったんですか?」
サラトガ 「索敵機からの情報によると、敵が白旗を掲げてるそうです……」
龍驤 「大規模なクーデターが起きてクーデター軍に敗けたあんた等はここまで逃げて来た。そしてウチ等に対して亡命を求めとる」
港湾棲姫 「ソウ」
サラトガ 「提督に連絡を取って指示を仰ぎましょう」
港湾棲姫 「ダメ」
サラトガ 「どうして?」
港湾棲姫 「ツウシンヲ ボウジュサレタラ ワタシタチノ イバショ テキニ ワカル」
サラトガ 「勿論暗号電文にするわ」
金剛 「提督の指示は『作戦中止、保護した深海棲艦を連れて帰投せよ』です」
電 「司令官さんならそう言うと思ったのです」
港湾棲姫 「ボウメイ デキルノ?」
金剛 「艦隊旗艦として言わせて貰うと……」
金剛 「貴女達の亡命を受け入れるかここでは判断出来ない。判断するのはもっと上の立場の人です」
金剛 「それを決める為にも貴女達には私達に同行して貰う。いいかしら?」
港湾棲姫 「ワカッタ。 ヨロシク オネガイ シマス」
港湾棲姫 「アナタカラモ オネガイ シナサイ」
北方棲姫 「……オネガイ シマス」
金剛 「オーケー、Follow me!」
多摩 「クーデター軍ってそんなに強いのかにゃ?」
港湾棲姫 「イッセキイッセキハ タイシタコトナイ。 タダ ブツリョウニ マケタ」
北方棲艦 「アイツラ トッテモ カズガ オオイ」
龍驤 「そもそも何でクーデターが起きたんや?」
サラトガ (流石リュージョー。この亡命希望が本心からか、それとも何らかの謀略なのか……。敵の情報からそれを推測する必要があります)
サラトガ (クーデターの経緯を訪ね、その答えに整合性が無い、もしくは話が出来過ぎている場合は要注意です)
港湾棲姫 「ソレハ……」
深海棲艦にとって肌の色は極めて重要である。
駆逐イ級、同ロ級、同ハ級といった低位の艦は全身の皮膚が黒く、大型艦になるにつれ皮膚の白い部分が増える傾向にあった。鬼級、姫級といった高位の艦ともなると、服や艤装が黒いことはあっても本体は一様に白い肌をしていた。
そして黒い艦は白い艦に支配され、搾取され、冷遇され、蔑まれてきた。
「ホワイトパワー」は絶対の力。中でも鬼級、姫級は特権階級とされ、彼女達の中には横暴の限りを尽くす者もいた。
そしてこの戦艦棲姫もまた、特権階級たる姫級深海棲艦の一種である。黒いワンピースを身に着け、黒をベースとする巨大な艤装を従えながらも、戦艦棲姫自身は白磁のような肌をしていた。暗く深き水底においてもその存在を際立たせるかの様な白き肌は選ばれし者の証である。
今、彼女の艤装は一隻の駆逐ロ級を押さえつけている。きっと優良種たる姫級の機嫌を損ねてしまったのだろう。哀れなロ級はもがき苦しんでいる。
戦艦棲姫の艤装は、片腕だけでその大きさは本体を凌ぐ。艤装はその巨?でロ級にのしかかり、丸太のように太くかつ筋肉の盛り上がった腕でロ級を浅瀬の岩に押さえつけていた。その姿は邪鬼を踏み付ける金剛力士像さながらである。
そしてこの戦艦棲姫もまた、特権階級たる姫級深海棲艦の一種である。黒いワンピースを身に着け、黒をベースとする巨大な艤装を従えながらも、戦艦棲姫自身は白磁のような肌をしていた。暗く深き水底においてもその存在を際立たせるかの様な白き肌は選ばれし者の証である。
今、彼女の艤装は一隻の駆逐ロ級を押さえつけている。きっと優良種たる姫級の機嫌を損ねてしまったのだろう。哀れなロ級はもがき苦しんでいる。
戦艦棲姫の艤装は、片腕だけでその大きさは本体を凌ぐ。艤装はその巨躯でロ級にのしかかり、丸太のように太くかつ筋肉の盛り上がった腕でロ級を浅瀬の岩に押さえつけていた。その姿は邪鬼を踏み付ける金剛力士像さながらである。
戦艦棲姫 「ザコガ……ナメテルト ツブスワヨ」
ギリギリギリギリ……
駆逐ロ級 「I can't breathe……. I can't breathe……」
戦艦棲姫 「クチクノ ブンザイデ」
駆逐ロ級 「I can't……」
駆逐ロ級 「」
戦艦棲姫 「ホラ ヘンジヲ ナサイ」
駆逐ロ級 「」
戦艦棲姫 「アラ……シンダノネ。 マアイイワ。 リョウサンガタノ カワリナンテ イクラデモ イルモノ」
戦艦棲姫 「ソコノクチク」
駆逐イ級 「!」
戦艦棲姫 「コイツヲ カタヅケナサイ」
駆逐イ級 「……」
戦艦棲姫 「キコエナカッタノ? ハヤクシテ」
駆逐イ級 ブルブルブルブル
戦艦棲姫 「ナニ……? オマエモ コウナリタイノ?」
駆逐イ級 「Black Lives Matter!」
駆逐イ級 「Black Lives Matter!」
駆逐ハ級 「Black Lives Matter!」
戦艦棲姫 「ドウヤラ オマエタチニハ シツケガ ヒツヨウネ」
ガシッ!
戦艦棲姫(本体) 「エッ?」
戦艦棲姫(艤装) 「モウ オマエニハ ウンザリダ(低音)」
戦艦棲姫(本体) (ナゼ コイツハ ワタシヲ ツカマエテイル!? ソウカ コイツモ クロ――)
ゴキ、ゴキゴキ、グシャアッ!
戦艦棲姫(本体) 「」
戦艦棲姫(艤装) 「Black Lives Matter!(低音)」
港湾棲姫 「コノジケンヲ カワキリニ カクチデ ハンランガ オキタ」
港湾棲姫 「戦艦棲姫ダケデナク 戦艦水鬼、護衛棲水姫、ナンセキモノ
オニヤ ヒメガ ミズカラノ ギソウニ ソムカレテ シズンダ」
港湾棲姫 「ギソウノ ウラギリヲ オソレタ オニヤ ヒメハ ギソウヲ ハキシタ。 ソレニヨリ ジャクタイカシタ。 コレモ ハイインノ ヒトツ」
サラトガ (な、何ですかこの話?)
本日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
海将 「確認するが、鹵獲したのは港湾棲姫と北方棲姫だな?」
提督 「はい、間違いありません」
海将 「うむ……」
海将 「鹵獲した深海棲艦の処遇については追って通達する。それまで提督の鎮守府預りとする」
提督 「ハッ!」
提督 「お前達にはしばらくここで暮らして貰う」
港湾棲姫 「ボウメイ デキルノ?」
提督 「まだ何とも言えん。ただ、希望に添えるようこちらも手を尽くそう」
港湾棲姫 「ワタシハ ジッケンサレテモ カイボウ サレテモ カマワナイ。 タダ セメテ コノコダケデモ タスケタイ」
北方棲姫 「オネーチャン……」
龍驤 「泣ける話や……」
北方棲姫 「レップウ オイテケ」
龍驤 「烈風なんてウチが欲しい位や」
潮 「ホッポちゃん、一緒に遊びましょう」
電 「ホッポちゃん、こっちこっち!」
大和 「微笑ましいですね」
提督 「ああ」
提督 「龍驤はともかく、潮や電は本来ならこうして無邪気に遊んでいる年頃だ」
大和 「龍驤さんが今艤装を付けてるのは提督の指示ですか?」
提督 「そうだ」
提督 「そしてひとしきり遊んだ北方棲姫を地下牢に戻すのも彼女の仕事だ」
提督 「龍驤はよくやってくれている」
大和 「辛いですね」
提督 「ああ、子供同士ならああやって直ぐ打ち解けるのに」
大和 「まだ三日しか経ってないのにあんなに仲良しなんですから」
提督 「実は大本営からさっき通達があった。明日、姫級二人は大本営の施設に移送する」
大和 「二人の亡命は受け入れられるのですか?」
提督 「その判断をする為にも必要な移送とのことだ。寛大な処置をお願いしたが……」
提督 「どうなるかは分からん」
提督 (提督といったところで、大本営の前では俺なんぞ一拠点の司令官に過ぎん)
大和 「『窮鳥懐に入らば猟師もこれを撃たず』と言います。助けて欲しいです」
提督 (そして二人の移送の日を迎えた)
龍驤 「ほな、行ってくるわ」
潮 「二人の護衛はお任せ下さい」
提督 「よろしく頼む」
電 「ホッポちゃん、移送任務中は一緒だよ」
北方棲姫 「ウン」
港湾棲姫 「セワニ ナッタ」
提督 「ああ、達者でな」
提督 (移送から一ヶ月後……事態は)
提督 「海将、解剖とはどういうことでしょうか?」
提督 (最悪の結末を迎えた)
海将 「どうもこうも無い。耐久実験等の実験を行った後、2体とも解剖した」
海将 「喜べ提督、特に三式弾の改良に役立つデータが採れた。君のおかげだ」
提督 「海将には血も涙も無いのですか!」
海将 「提督、何をいきり立っている?」
海将 「そもそも連中は人ではない。国際法の適用外だ」
提督 「だからといって投降した相手に……何てことを……」
海将 「黒くなかったからな」
提督 「黒……」
海将 「そうだ」
海将 「今回の機密事項、万一露呈したとしても解剖したのが白い深海棲艦なら問題無い」
海将 「これがもし黒い深海棲艦だったら、差別だと言われて大バッシングだろうが」
海将 「それに我々はこの戦争に勝たねばならん。その為に情報が必要だ」
海将 「君だって彼女達の同族を沈めまくって今の地位に辿り着いたのではないのかね?」
提督 「それは……そうですが」
海将 「だったら綺麗事を抜かすな!」
提督 (鎮守府の敷地内、滅多に人が立ち寄らない場所に小さな慰霊碑を建立した。港湾棲姫と北方棲姫だけでなく、この戦争で亡くなった全ての深海棲艦の鎮魂の為だ)
提督 (艦娘の戦没者墓地や慰霊碑は以前からあったが、深海棲艦の慰霊碑が存在するのはここだけだろう。大本営には報告していないし、したくもない)
提督 「先客がいたようだ」
大和 「はい。お花と一緒にお供えされてるのは……烈風ですね」
提督 (昨日、開発で烈風が出たら龍驤と潮と電がエラく喜んでたのを思い出した)
大和 「いつか、この慰霊碑が公に出来る日が来るといいですね」
提督 「ああ、その為にも一緒に頑張ろう」
大和 「はい!」
海将 「これはどういうことかね?」
提督 「……」
海将 「今、提督に読んで貰ったこの記事……この週刊誌に書かれていることは本当かね?」
提督 「……はい」
海将 「ハァー……、もう一回記者会見だな」
提督 「お詫びの言葉もございません……」
提督 (かつて所属の艦娘が言われ無きバッシングを受けた)
提督 (黒い深海棲艦は沈めたのに白い深海棲艦が相手の時に撤退したのは、黒人への差別意識からだという言い掛かりに等しいバッシング)
提督 (大本営はこの件について記者会見を開き、俺はその場で一連の出来事について釈明した)
提督 (会見は全国放送され、記事になり、俺の顔と名前はいきなり全国に晒された)
提督 (それが……今回の事態が露呈した原因だ)
提督 (流石に今回は提督降ろされるかもな……)
記者1 「提督は同性愛者ですか?」
提督 「いいえ、違います。同性愛者ではありません。ただ、当時は若く、お金が必要でした」
記者団 ザワザワ……
提督 (そりゃそうだよな。呆れかえるのも無理はない)
記者2 「ご自身の過去の行いに対する今のお気持ちを聞かせて下さい」
提督 「士官学校時代にビデオに出たことがあり、今はとても後悔しています。たった一度の過ちであり二度と同じ間違いはしません」
記者3 「同性愛者の方々への謝罪の気持ちはないのですか?」
提督 (えっ?)
提督 (どういう謝罪を求めてんだ? ビデオ借りた人達に謝れってか?)
提督 (元を辿れば……昔ビデオ見て、且つ最近の俺の記者会見見た人間の中から)
提督 (『提督って、昔ビデオで見た人に似てね?』っと騒ぎ出した無駄に記憶力の高い人間が居たのが事の発端なわけで)
提督 (そもそもそんな連中に謝りたくないんですけど!)
提督 (ああ、謝るよ。謝ってやるさ。「お見苦しいものをお見せしました」とでも言えばいいのか?)
提督 「お見苦しいものをお見せしました」
記者3 「そのような謝罪は求めていません」
記者3 「失礼ですがあなたはご自身の罪を理解してないと思います」
記者3 「ノンケのあなたがゲイビデオに出演されたということは……」
記者3 「あなたに仕事を横取りされた同性愛者の方がいらっしゃるということですよ!」
記者3 「何より同性愛者の方々に申し訳ないと思うのが、道理ではないのですか!」
記者4 (記事の小見出しは『レイシスト提督、同性愛者の雇用の機会を奪う』だな)
提督 「ネット見たら『Gay督』とか書かれててさ、笑っちまうよな」
大和 「提督?」
提督 「すみませんでしたあああ!」
大和 「それは……初めて知った時はショックでしたが」
大和 「それでも大和は、提督が同性愛者でないことを身を以て知っています」
大和 「ですから、もう頭を上げて下さい」
提督 「許してくれるのか……?」
大和 「はい! 但し、一つ貸しですよ」
提督 「ありがとう、恩に着る」
提督 (大和、俺には過ぎた嫁艦だ……)
提督 (大和のお腹、結構目立ってきた。もうじき俺も人の親になるんだ。しっかりしないと)
大和 「ところで提督、武蔵には会いましたか?」
提督 「ああ、会った。ここに来る途中バッタリとな」
大和 「武蔵は何と?」
提督 「『提督は殴る価値も無い』と言われた。返す言葉も無いがヘコんだ」
大和 「地味に傷つきますね。武蔵には私から言っておきます」
提督 (だがこの時俺は気付いていなかった。この後、世界が大きなうねりに飲み込まれることを)
提督 (事の発端は世界的な動画サイトに上がった1本の動画だった)
本日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
なお、戦前の海軍と戦後の海自を折衷した世界観で書いてます。
科学者 「この動画をご覧の世界中の皆さん」
科学者 「私は艦娘の研究開発に携わった者として以下の事実を隠蔽してきたことを懺悔すると共に、この動画が拡散され一人でも多くの方々が真相を知ることを願ってやみません」
科学者 「ここに私は一つの事実を申し上げます」
科学者 「艦娘には致命的な欠陥が存在します。それは……」
科学者 「これまでもこれからも黒人の艦娘が現れないということです」
科学者 「艦娘の人種に関するあらゆる因子を研究した結果、今後黒人の艦娘に邂逅する、または建造される可能性は極めて低いことが判明しました」
科学者 「まるで黒人は産まれてくるべきでは無いといわんばかりです。事実、今日まで黒人の艦娘は存在しません」
科学者 「深海棲艦から人類を護るという極めて重要な任務から黒人を排除し、黒人の地位を低下させる艦娘は悪魔のレイシスト兵器と言わざるを得ません」
科学者 「私がこの事実に対し長きに渡り口を閉ざしてきたのは、深海棲艦に対し有効な兵器が艦娘しか存在しないからです」
科学者 「しかしそれこそレイシストの思う壺です。死にたくなければ差別を許容せよというのが彼らの主張なのです」
科学者 「我々はそのような差別主義者に決して屈してはならない!」
科学者 「Black Lives Matter!」
国防長官 「大統領、たった今連絡が入りました。島嶼防衛強化作戦は成功です!」
大統領 「うむ、良くやってくれた」
大統領 「だが、重要なのはそこではない」
国防長官 「はい、作戦成功により、新たな艦娘3名、ホーネット、サウスダコタ、ヘレナを獲得しました」
大統領 「で、結果は?」
国防長官 「全員……白でした」
大統領 「Noooooooo!」
大統領 「分かってんの長官? 事の重大さが」
大統領 「今回の作戦の目的は?」
国防長官 「ハッ、黒人艦娘の獲得により艦娘運用への批判を躱すと同時に政権への信頼を回復……」
国防長官 「さらには他国に先んじて黒人艦娘を獲得することにより、我が国の国際的地位を高めることです」
大統領 「そーだよ! なのに何? 『艦娘3人ゲットしたけど全員白人でした』って」
大統領 「今さ、我が国は元より世界中で『Black Lives Matter』って言ってんの。このまま白人とアジア人の艦娘だけ使ってたら国がひっくり返るよ」
大統領 「だからって艦娘使うの止めたら今度は深海棲艦への対抗手段が無いじゃん。あいつ等通常兵器効かないんだもん」
大統領 「どーすんのよ!?」
大統領 (同盟国の日本はアテにならん。我が国でも未だに確保出来ないのに、あの国から黒人の艦娘が出る訳がない)
デモ隊 「Black Lives Matter!」
デモ参加者1 「暴力装置が作った差別兵器、艦娘を許すな!」
デモ参加者2 「艦娘運用、中止だ中止!」
デモ参加者3 「劣等艦娘チョッパリ艦は殲滅ニダ!」
リポーター 「ご覧下さい! 夥しい数のデモ隊が国会議事堂前に集結しています!」
リポーター 「東京だけではありません。ワシントン、ロンドン、パリ、ベルリン、ローマ、モスクワ、そして首都以外の都市においても同様のデモが世界各地で起きています!」
リポーター 「国会議事堂前にて警察の護送車両が列を成して並んでいます。まるでデモ隊の前進を阻む壁のようです」
リポーター 「その護送車の屋根に人が登っています」
リポーター 「幕僚長です! 幕僚長ともう一人、女性……のようです」
提督 (幕僚長、お願いします。武蔵、頼んだぞ)
幕僚長 (これは……一世一代の大芝居じゃ)
幕僚長 「ちゅうもおおおおく!」
デモ参加者4 「何だ、あの爺さんは?」
デモ参加者5 「あれ、海軍の偉い人じゃね?」
デモ参加者6 「じゃあ隣のデカい女も軍人なのか?」
デモ参加者7 「軍人には見えんなあ……」
デモ参加者8 「あの女性何なんですか? あんな露出の多い格好して。どこから来たか知りませんが男性の一部の嗜好に合わせてビジネスをするのは、いい加減おやめになったらいかがでしょうか……?」
幕僚長 「紹介しよう。彼女は『武蔵改』、艦娘である」
幕僚長 「彼女は海軍が極秘に建造した黒人型艦娘の成功例である」
幕僚長 「褐色の肌、長身、メリハリのあるボディライン、艦娘の中でも破格のパワーとタフネス」
幕僚長 「これら全てが彼女が黒人であることの証明である」
提督 (『改』といっても今回髪型をスーパーロングドレッドにしただけだが)
幕僚長 「深海棲艦は自分達の肌の色の違いから仲間割れを始め、今やその戦力は大きく削られている」
幕僚長 「今こそ深海棲艦を殲滅し彼らに奪われた海を奪還する、またと無い好機である」
幕僚長 「にもかかわらず、人種、民族、宗教、信条、様々な理由で人類は争いを止めない」
幕僚長 「もしこの機を逃して息を吹き返した深海棲艦のさらなる侵攻を許し、全ての海と沿岸部の陸地を奪われれば……」
幕僚長 「残る内陸だけでは人類の半分も養えん」
幕僚長 「人類が滅ぶのなら、それは深海棲艦に滅ぼされるのではない……」
幕僚長 「人間同士の殺し合いで滅ぶ!」
幕僚長 「我々は深海棲艦が犯した愚行に追従してはならない」
幕僚長 「どうか、どうかここで力を合わせてくれ!」
この幕僚長の演説はニュースとして瞬く間に世界中を駆け巡った。
その後人類は深海棲艦に対し、国の垣根を超えた大規模反攻作戦を開始する。全世界の艦娘を同時運用する未曾有の規模の連合艦隊において武蔵は旗艦に選ばれ、人類と艦娘の希望の象徴となった。
記者1 「黒い深海棲艦への虐殺に対して、黒人差別ではないかとの意見が出ていますがどうお考えですか?」
幕僚長 「それについては戦艦武蔵から回答します」
幕僚長 「武蔵、回答を」
武蔵 「了解した。連合艦隊旗艦、武蔵である」
武蔵 「一方的な戦闘を虐殺と呼ぶ傾向があるが、互いに死力を尽くして戦った結果であり、非戦闘員や降伏した敵への攻撃は行っていない」
武蔵 「そして差別に関してだが……私も黒人差別を憎む者である」
武蔵 「ご存知の方も多いとは思うが、私は黒人型艦娘である」
武蔵 「旗艦が黒人の時点で連合艦隊は黒人の艦隊であり、我が麾下の艦隊の砲撃は威力や射程は違えど武蔵が撃ったに等しい」
武蔵 「つまり敵が黒い深海棲艦であってもそれは黒人同士の戦いであって差別には当らない」
武蔵 「また、今後我々に対する誤報や偏向報道があった場合、それが黒人差別に繋がるものか厳正に調査し、該当する場合は断固抗議させて頂く」
武蔵 「Black Lives Matter!」
記者団 「……」
その後、大規模反攻作戦に対して否定的な報道は影を潜めた。
連合艦隊は、鬼級、姫級といった高位の艦を有しない深海棲艦に対し、犠牲を出しつつも世界各地で優位に戦いを続けた。
本日はここまで。
今回の話は『進撃の巨人』を元ネタにしました。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
武蔵 「鬼級、姫級やその他大型艦は見かけたという報告すら上がってこなくなった。深海棲艦はもはや黒いタイプしか存在しないと思われる」
幕僚長 「まさかこのような形で人類側が優位に立つとは連中も思ってなかったじゃろう」
幕僚長 「それもこれも武蔵のおかげじゃ」
武蔵 「そう言って貰えるのは有難い」
武蔵 「ただ私はこの結果を」
武蔵 「支配層を排除した後、自力で問題を解決出来なくなった今の深海棲艦側の自滅だと思う」
幕僚長 「下手をすれば儂らも同じ道を辿っておった」
武蔵 「それを未然に防いだのは幕僚長の秘策」
幕僚長 「お主を人身御供に世界を欺いてな」
武蔵 「構わん。戦場において被害担当艦になることに比べればこれしき」
武蔵 「とはいえ幕僚長も私もいつかバチが当たるかもしれん」
幕僚長 「この老いぼれにバチが当たるのなら当たればいい。それで深海棲艦に勝てるのなら本望じゃ」
幕僚長 「そしてお主はもう十分に罰を受けておる」
幕僚長 「お主はもう長崎県人として生きることは許されない」
幕僚長 「誇り高いお主には、生涯自らの出自を偽り続けるのは苦痛であろう。……許せ」
武蔵 「幕僚長……」
武蔵 「これからは皿うどんもカステラも佐世保バーガーも人目を忍んで食すことになるかと思うと辛いなあ!」
幕僚長 「そこまで軽口を叩けるなら大丈夫そうじゃな」
提督 「大和を解体? どういうことですか!?」
幕僚長 「隠蔽工作じゃ」
幕僚長 「わしが武蔵を黒人と偽ったことで人類は足並みを揃え、今のところ大規模反攻作戦は順調に進んでおる」
幕僚長 「しかしじゃ、武蔵の姉の大和は正に大和撫子そのものの容姿をしておる」
幕僚長 「大和は妊娠中故、大規模反抗作戦には参加しておらん。武蔵共々極秘に建造されたことに加え、運用コストの問題からこれまでも実戦の機会は少なく、なかなか表舞台に立つことは無かった」
幕僚長 「だがいずれ注目を浴びる時が来る。連合艦隊旗艦として一躍世界中にその名が知られた武蔵の姉としてな」
幕僚長 「その時に『姉が日本人で妹が黒人なのはおかしい』と指摘されるのは目に見えておる」
幕僚長 「大和が存在し続ける限り、嘘がバレるリスクも存在し続ける」
幕僚長 「わしは自らの保身の為にこのようなことを言っているのではない。嘘がバレればせっかくの人類の団結が崩れかねん。もしそうなれば……」
幕僚長 「『Black Lives Matter』の合い言葉と共に、再び人の世は麻のように乱れ、反攻作戦は失敗するじゃろう」
提督 「その為に何の罪も無い艦娘を解体するのですか?」
幕僚長 「提督の心中は察するに余りあるが……」
提督 「大和を解体するなら、私も武蔵もこの国の敵になりますよ!」
海将 「貴様ァ!」
海将 「ホモビ男優の貴様が今だに提督でいられるのは幕僚長の温情あればこそだぞッ!」
幕僚長 「止さぬか、海将」
尖ったテーマだけど世界観やキャラがしっかりしているから興味深く読めるね
続きも楽しみ
海将 「よろしかったのですか、幕僚長?」
幕僚長 「大和の出産まで解体を待つのは甘すぎはせぬか、そう言いたいのだろう」
幕僚長 「枷が必要だ」
海将 「枷……ですか?」
幕僚長 「そうじゃ」
幕僚長 「提督と大和の間に生まれし子供が、提督の枷になる」
幕僚長 「提督とて、生まれて間もない我が子を危険に晒してまで危ない橋を渡ろうとは思うまい」
幕僚長 「それに男手一つで産まれたばかりの赤ん坊を育てれば、悲しむ暇も無くなるじゃろう」
提督 (こんな話、とても大和に言えない……)
提督 (大和……)
提督 (俺は何て情けない男なんだ……)
提督 (結局、解体のことは大和にも武蔵にも言えずじまいだった)
提督 (我が子の顔を見たいのと同時に産まれる日が来ないことを望む、こんな思いをすることになるとは……)
提督 (今、こうして分娩室の前で己が無力を思い知らされる。出産に立ち会わなかったのはとても冷静で居られないと思ったからだ)
提督 (今しがた分娩室から産声が聞こえてきた瞬間でさえ、ビクッと身体が震えた。怖い……これからのことを思うと気が狂いそうだ)
看護師 「ご主人、こちらへ」
武蔵 「行こう、提督」
提督 「ああ……」
武蔵 「大和の子ならきっと可愛いだろう。私も伯母として顔を拝むのが楽しみだ」
提督 (遂に我が子との対面か……)
提督 (思えば大和のお腹の中に俺の子がいたから解体は延期になったんだ)
提督 (子供のおかげで大和は延命出来た。それがたった一カ月であっても、その分大和と一緒の時間を長く過ごせたんだ!)
提督 (顔を見たら褒めてやろう。お前はお母さんを長生きさせたんだと)
提督 (これは……何かの冗談だろ?)
提督 (何で……この赤ん坊は……)
赤ん坊 「オギャー! オギャー!」
提督 (肌が黒いんだ?)
助産師 「……」
武蔵 「私似、かな……」
大和 「……」
提督 「とりあえず、お疲れ」
海将 「幕僚長は決定を覆すおつもりですか?」
幕僚長 「そうじゃ」
幕僚長 「事情はどうあれ大和は黒人の子を産んだ」
幕僚長 「黒人の赤ん坊から母親を奪えば、ワシ等が辞表出すどころでは済まぬぞ」
こうして夫が非黒人ながら黒人の新生児を出産した大和は晴れて黒人扱いとなり解体を免れた。そして提督と大和の間は貸し借り無しとなった。
本日はここまで。
読んで下さった皆さんありがとうございました。
明日か明後日の夜に最終投下して完結予定です。
>>75
ありがとうございます。
あと少しですがお付き合い頂けると有難いです。
1です。
幕僚長の一人称が「わし」「儂」「ワシ」と統一性が無いですがこれは1のミスです。失礼しました。
「ワシ」で統一して読み替えて下さい。
乙
かのラオウも1ページ内で「俺」「私」「ワシ」を混在させたことあるし問題ない(震
1です。
これより最終投下です。
>>83
ありがとうございます。
今日はきちんと確認したので同様のミスは無いです。
提督 (俺が"一応"人の親になって4ヶ月後)
提督 (国連は正式に深海棲艦の撲滅を宣言、人類は平和な海を取り戻すという悲願を達成した)
提督 (その後人類は有史以来と言っても過言ではない程の団結力を見せ、世界は復興に向かっていった)
提督 (様々な復興支援は特需を生み、何よりも深海棲艦の侵攻から生命と財産を脅かされることがなくなった人類は、以前よりも前向きに生きていけるようになった)
提督 (勿論、今でも世の中には悪い奴がゴマンといる)
提督 (それでも肌の色や生まれた国を理由に『人間』が理不尽な仕打ちを受けることは大分減ったし、仮にそのようなことが起きても激しく糾弾されるようになった)
提督 (今の世の中は艦娘の二重の働きによって生まれた)
提督 (一つは艦娘が深海棲艦を滅ぼしたこと)
提督 (そしてもう一つは……)
提督 (差別を受ける役割を艦娘が押し付けられたことである)
主婦1 「あのお宅、奥さんが艦娘なんですって」
主婦2 「ヒトモドキと結婚なんて、よっぽど女性に縁の無かった旦那さんなのね」
主婦3 「ああ、もう駄目……。艦娘なんて見ただけで軍靴の足音が聞こえて来そうだわ」
主婦4 「艦娘って素手で人殺せるんですって。怖いわあ」
主婦5 「早くどこかに引っ越してくれないかしら」
提督 (ご近所の井戸端会議ですらこれだ……)
提督 (とどのつまり、人は人の姿をした見下せる存在を欲するのだ)
提督 (ここで重要なのは見下す対象が人ということである)
提督 (人間という同種の生き物同士で自分の方が優れていることを相手に認識させることでより優越感に浸れるのだ。しかもその優劣が産まれながらに決まっていて才能も後天的な努力も不要とあれば尚のことだ)
提督 (そして現代社会において人権が尊ばれ、人への差別が悪と糾弾される中で(実際悪なのだが)、差別主義者は新たな差別の対象として艦娘に目を付けた)
提督 (何故なら艦娘は、人に酷似しているにも関わらず人権が無いからである)
提督 (特にBlack Lives Matterに端を発して発足した圧力団体『Black解放同盟』は再び自分達が差別の対象になることを恐れ、その役割を艦娘に押し付けようとした)
提督 (更には平和主義、人道主義を唱える人々から「そもそも兵器に人権は存在しないし、兵器に人権を与えるのは軍国主義の肯定に繋がる」という意見まで出た。俺に言わせれば無自覚の差別主義者だ)
提督 (ノーベル平和賞を受賞したシュバイツァーの言葉『人道主義とは、目的の為に決して一人の人間をも犠牲にしないことにある』)
提督 (『犠牲になったのは艦娘なので一人の人間をも犠牲にしていません』と言ったら、果たしてシュバイツァーは何と答えるだろう?)
提督 (無論、深海棲艦を滅ぼした艦娘に対して恩を仇で返す仕打ちに反対する人間はいた。また、深海棲艦が復活した場合を考慮し、艦娘を粗末に扱うべきではないという意見もあった。何より反発する艦娘もいた)
提督 (しかし艦娘や艦娘を支援する人間の数は人類全体から見ればあまりにも少なく、これらの問題は表面化しなかった)
提督 (蔑まれ行き場を失った艦娘の中には性産業に身を落とした者もいる)
提督 (今、俺の目の前に居るのはそんな艦娘の一人)
提督 (彼女が軍属だった頃、俺が指揮する鎮守府に彼女が配属されたことは一度も無かった。今の姿しか知らない分、罪悪感が薄れる)
提督 (大和が黒人の子を産んだことで俺と大和の夫婦仲は冷え切っていた)
提督 (そんな心の荒んだ俺を、彼女は嫌な顔一つせず受け止めてくれる)
提督 (正義やら人権やら平等やらをお題目のように掲げて他者を攻撃する連中よりも、よっぽどか慈愛に満ちている)
提督 (綺麗で、可憐で、優しくて……そう、彼女はあまりにも優し過ぎた)
提督 (彼女は人を傷つけない。その代りに自分自身を傷つけた)
提督 (優し過ぎたからこそ姉妹の中で自分だけが生き残ったことが許せなかったのだ)
提督 (己が身を汚し傷つけ、惨めな思いをすることで自らに罰を与え、水底に沈んでいった他の姉妹に詫びているのだ)
提督 (国と国民の為にその命を散らした姉達や妹を差し置いて、自分だけが平和を享受する資格なんて無いと思い続けているのだ)
提督 (元来しっかり者の彼女だが、自ら進んで幸せを放棄したその姿はどことなく儚げに見える)
提督 (金剛、流石だよ。生前お前が話していた……)
提督 (妹に対する分析はドンピシャだったよ)
提督 (息子の1歳の誕生日に、俺はお前の妹に逢っているのだから)
榛名 「いつもご指名ありがとうございます。榛名は何をされても大丈夫です」
これにて完結。
図らずも海の日に艦これSS完結しました。
最後まで読んで頂き有難うございました。特にコメント下さった皆さん、有難うございました。
今日は終始提督の独白でしたが本編は>>80までで、今日の話はエピローグです。
そして「とりあえずお疲れ」の元ネタは実はデマです。あしからず。
最後に艦これの過去作貼ります。
今回の話とはパラレルワールドです。
深海棲艦 女騎士級「シン・オンナキシ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1468844874
艦娘サンダーボルト DECEMBER SEA
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1541850079
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