【FE新紋章】カタリナ「クリス好き好き大好き超愛してます」 (72)

【序章 クリスについて】

カタリナ(魔王ガーネフを打ち破り、冥竜メディウスをも打ち破り、この世界は平和を迎えました)

カタリナ(マルス様とシーダ様が正式にご結婚をなさり、マルス様はアカネイア連合王国の王としてこのアカネイア大陸を治めることになりました)

カタリナ(そしてマルス様の近衛騎士であるクリスは・・・・・・その名を歴史に残されることを拒否しました)

カタリナ(彼の言い分もわかります。この広い大陸を治めるためには英雄が必要であると)

カタリナ(確かにあんなに強くてかっこよくて優しくて気概があって聡明でハンサムで男らしくてかっこよくて賢明で努力家で男前で少し抜けたところもカワイくてかっこいいクリスのことが世間に知られてしまうのは危険です)

カタリナ(もしかしたら大陸全土に彼の隠れファンができてしまうかもしれない)

カタリナ(ガーネフを打ち倒す戦いの最中でも、クリスに心を奪われた女性は数多くいました)

カタリナ(クリスの存在を世に知らしめてしまうとこの大陸はマルス様推しとクリス推しで分断してしまうかもしれない)

カタリナ(折角平和になり、アカネイア大陸が一つにまとまったというのにそんな状況になるのは好ましくありません)

カタリナ(だからこそ、クリスのことは一部の者だけが知っていればいいのだと思っています)

カタリナ(特に私がクリスの事を知って理解すべきだと思います)

カタリナ(まずは・・・・・・味からでしょうか)

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夜から一章はじめます

【1章 呼び名】

カタリナ「クリス、少しいいでしょうか」

クリス「カタリナ、用事か?」

カタリナ「はい。少し相談がありまして」

クリス「ああ、なんだ?」

カタリナ「クリスはマルス様に名を残さないように頼んだと聞きました。それはアカネイア大陸の平和のためであることは理解しています」

クリス「カタリナ・・・・・・お前の言いたいことはなんとなく想像できる。だが、おれは意志を曲げるつもりはない」

カタリナ「いえ、それに関してはいいのですが」

クリス「そ、そうか?」

カタリナ「・・・・・・裏切り者である私の名も語られてしまうことについてです」

クリス「カタリナ。もしお前の事をまだ裏切り者と呼ぶようなやつがいるならおれが許さない。いや、おれだけじゃない。おれたち第七小隊や、マルス様たちも同じだ」

カタリナ「はい、ありがとうございます。まあそれはそれとして」

クリス(思ったより淡白だな)

カタリナ「実際に一部の人から見れば私が裏切り者であることは事実です。そこだけは覆しようがありません。それについては私の罪として受け入れています」

クリス「・・・・・・ああ」

カタリナ「ですが、例えばクリスが外で私の名を呼んだとしましょう。私を裏切り者だと知っている者からすれば、あなたも同様の存在として見られるかもしれない」

クリス「ひいてはマルス様の名声にもかかわる、か」

カタリナ「はい。ですから私の呼び方についてなんですが」

クリス「なにかいい案があるのか?」

カタリナ「はい。つまりは私がカタリナ、あとはアイネとさえ呼ばれなければ問題はないわけです。なので、仲間内で通じるニックネームを用意すればいいのではと」

クリス「なるほどな。さすが我らが第七小隊の軍師様だ」

カタリナ「いえ、それほどでもありますよ」

クリス「あるのか」

カタリナ「そういうわけで、私の事は今後雌豚と呼んでいただけると嬉しいです」

クリス「そうか、カタリナの事は雌豚と・・・・・・ん?」

クリス「待ってくれ」

カタリナ「はい、なんでしょうか」

クリス「その、他に候補はないのか?」

カタリナ「そうですね、確かに私もいろいろと考えました。雌犬、ゴミ屑、家畜などいろいろ考えました」

クリス「待ってくれ。候補の時点ですでにおかしい」

カタリナ「ですが、最終的に雌豚が一番興奮することに気付いたのです」

クリス「こう、ふん?」

カタリナ「さあ、クリス。高らかに叫んでください、私のニックネームを。罵ったり嘲ったりする感じだとなおよしです」

クリス「あ、ああ・・・・・・ま、また今度な」

カタリナ「はぅっ、お預けですか。クリスは焦らすのがとてもうまいですね。興奮します」

クリス(・・・・・・カタリナはきっと疲れてるんだ。裏切ったという事実は覆せない。だからこそ、その罪の意識にさいなまれておかしくなってしまったんだ。そうに違いない。そうであってくれ)

―後日―

カタリナ「クリスに誘われて待ち合わせ場所に来ましたけれども・・・・・・」

セシル「あっ、来たわね」

ルーク「よう、カタリナ!」

カタリナ「あれ、みなさん?どうして?」

セシル「クリスに誘われてさ。第七小隊で一回同窓会みたいな感じで集まろうって」

ロディ「あとはそのクリスだけか」

ライアン「クリスさん、また道に迷ってるのかな」

カタリナ「この場所はクリスが指定したのではないのですか?」

ロディ「そのはずだが、クリスならやりかねない」

セシル「ないって言えないのがまたなんとも」

カタリナ「私、少し探してきます!」

クリス「すまない、遅くなった」

ロディ「大丈夫、わかっている」

セシル「いつものことでしょ、わかってるって」

ルーク「相変わらずだなー、ふつうクリスも」

ライアン「クリスさんが道に迷うのはいつものことですし」

クリス「本当にすまなかったと思っている」

ロディ「しかし、どうしたんだ?わざわざルークまで呼び出して。本当にただの同窓会なのか?」

クリス「ああいや、カタリナが疲れているようだったから少し羽休めしてもらいたくてな。折角だから第七小隊のみんなで集まれないかと思っただけなんだ」

セシル「疲れてるって、どうしたのカタリナ?なにか悩みでもあるの?」

カタリナ「え?私別にそんなことはありませんけど」

クリス「カタリナ。もしかしたらお前はそう思っているかもしれない。だが以前のやり取りでおれはそう感じ取ったんだ」

ライアン「どんなことがあったんですか?」

クリス「その、だな」

カタリナ「あ、もしかして雌豚と呼んでほしいと言った件ですか?」

全員「!?」

セシル「ど、どうしたのカタリナ!?肩とか揉もうか!?」

カタリナ「いえ」

ロディ「もし、罪の意識に苛まれているというのならばいつでも相談してくれ。私たちは仲間じゃないか」

カタリナ「その」

ルーク「そうだぜ!なんなら全部忘れてパーッと遊んでもいいんだぜ!オレみたいにな!」

カタリナ「みなさん」

ライアン「ぼくもできることはなんでもしますから!」

カタリナ「そうじゃなくて」

クリス「カタリナ、わかっただろう。おれたちは同じ第七小隊の仲間だ。たとえ立場や所属が変わってもそれは変わらない。いつだってお前の味方だ。だから」

カタリナ「違います、待って、おねがい」

セシル「はっ!も、もしかしてまだカタリナのことを悪く言うやつがいるっていうの!?どこの誰!?ぶっとばしてやる!」

カタリナ「話を聞いてください!」

カタリナ「いいですか、私は別に罪の意識に苛まれているわけでも極度の疲労状態にあるわけでもありません」

クリス「しかしだな」

カタリナ「私はただ純粋に雌豚と呼んでほしいだけなのです」

セシル「どうして!」

カタリナ「興奮するからに決まっているじゃないですか!」

ロディ「・・・・・・は?」

ルーク「・・・・・・えーと、すまん。オレバカだからよくわかんねぇわ」

ライアン「ルークさん、ぼくもわかりません。ぼくもバカなんでしょうか」

クリス「大丈夫。多分ここにいるのはカタリナ以外全員バカだ」

セシル「そ、そうね。頭のいいカタリナが言ってることがわからないんだもの。もー、私たちったら本当にバカ!」

カタリナ「みなさんがバカなのはいいとして、できれば今後は私の事を雌豚と呼んでいただきたいのですが」

クリス「すまん、バカだからよくわからない」

カタリナ「お願いします。せめて1回だけでいいんです。1回だけで」

ルーク「えー・・・・・・仕方ねぇな。雌豚!」

ロディ「おい、叫ぶな。・・・・・・雌豚」

ライアン「えーっと、め、雌豚さん」

セシル「こ、この1回だけだからね!カタリナ!・・・・・・じゃなくて雌豚!」

カタリナ「・・・・・・?」

クリス「いや、なんで首をかしげてるんだ」

カタリナ「いえ、思ったよりも興奮しなくて・・・・・・おかしいですね」

セシル「ってことはやっぱりカタリナは疲れてたんだって!」

カタリナ「雌豚と呼ばれることを考えただけで倒れてしまうほど興奮したのに・・・・・・」

ロディ「やはり疲れていただけだろう」

カタリナ「そうなんでしょうか・・・・・・」

ルーク「そうだって!ほら、オレいろいろ遊べるとこ知ってるからさ!今日はパーッとやって疲れを吹き飛ばそうぜ!」

ライアン「それがいいですよ!」

カタリナ「そうですか・・・・・・ではクリス、最後に1度だけ呼んでもらっていいですか?」

クリス「え、もういいだろう」

カタリナ「おねがいします。まだクリスには呼んでもらっていないので」

クリス「・・・・・・一回きりだぞ?」

カタリナ「はい」

クリス「・・・・・・雌豚」

カタリナ「はぅぁっ」パタッ

カタリナ「・・・・・・あれ、ここは」

セシル「起きたのね、カタリナ」

カタリナ「セシルさん?あの、私はいったい・・・・・・」

セシル「ほら、忘れちゃった?みんなで遊びに行こうってなったのにカタリナったら突然倒れちゃって。多分疲れてたんだと思うけど」

カタリナ「そうでしたっけ?」

セシル(さすがにクリスに呼びかけられただけで倒れたなんて言えない)

カタリナ「ええっと、確かクリスを迎えに行って、臭いをたどって見つけて」

セシル(聞こえない。何も聞こえない)

カタリナ「クリスをつれてみなさんと合流して、そこから」

セシル「ほ、ほら!今日はもう疲れたでしょ?自分の部屋に戻って休んだ方がいいって!」

カタリナ「・・・・・・そうですね。えーっと、あのあとは確かみなさんに順に雌豚と呼んでもらって、そのあとクリスにも・・・・・・はぅぁっ」パタッ

セシル「カタリナーーーー!!!!!」

カタリナ(あの一件から、私を雌豚と呼ぶのは禁止されました。特にクリスからは)

カタリナ(惜しかったですね。もう少しで合法的に雌豚と呼んでもらえることができたのに。特にクリスから)

カタリナ(しかし第七小隊のみなさんに心配をかけてしまったのは事実です。またお詫びをしないといけません。特にクリスには)

カタリナ(みなさんわざわざ予定を空けて集まってくれたというのにそれも潰してしまって申し訳ないです。特にクリス)

カタリナ(セシルさんには部屋にまで運んでもらってしまいましたし、これは菓子折りの1つでも持っていかないと示しがつかないでしょう)

カタリナ(ロディさん、ルークさん、ライアンさんにも改めてお詫びと、やっぱり菓子折りですね)

カタリナ(クリスには・・・・・・そうですね。やはり身体でお詫びするのが一番でしょう)

カタリナ(そしてその時にはぜひとも雌豚と呼んでもらいながら・・・・・・)

カタリナ「はぅぁっ」パタッ

【次回予告】

平和となったアリティアで過ごす日常

ノルン(よしっ!これってつまりデートだよね!そうなるよね!)

ノルン「臭っ!!!」

揺れる想い

カタリナ「どうですか、このまま入りますか?それともここで引き返しますか?」

カタリナ「だから、他の女性を好きになってもいい。ただ、たまに声をかけてくれるだけでも私は幸せになれるんです。クリス自身に迷惑をかけたくない」

震えるからだ

マリーシア「んっ、クリス、クリス、王子様・・・・・・」モゾモゾ

マリーシア「クリスは!フリー!」

新たな道が今拓かれる

リンダ「ええっ!?」

リンダ「それに、マルス様も妾を取るわけだしクリスが取ってもいいと思わない?」

現在作成中!

おつおつ

まさかあなたはRであの病気な暗夜一家を書いていた……

ヒーローズにクリスが来てくれた記念に書き始めました。
とりあえずカタリナとクリス(男)に支援を組ませました。二人とも赤なのはちょっと辛いところ。
多分序章から1章に入るまでの間にカタリナはクリスを五感全てで記憶した。カタリナなら多分できる。
もっとクリス×カタリナ増えてほしい。絵もSSもその他も。ノルンもいいぞ!
今書いてるのは多分明日投稿できます。
マリーシアをわからせたい。

>>17
ごめんなさい別人です

【2章 研究】

ノルン「あっ、クリスー!」

クリス「ああ、ノルン。久しぶりだな」

ノルン「久しぶり!よかった、元気そうで」

クリス「そっちも元気そうで何よりだ。今日はどうしたんだ?何か用事か?」

ノルン「いや、特に何か用事があったわけじゃないんだけど・・・・・・」

ノルン(街に出たらクリスに会えるかもって思って来たなんて言えない!)

クリス「そうか。もし暇なんだったらちょっと買い物に付き合ってくれないか?」

ノルン「えっ!?う、うん!暇!すっごく暇!メチャクチャ暇!」

ノルン(よしっ!これってつまりデートだよね!そうなるよね!)

クリス「助かる。女が喜ぶものがおれにはよくわからないから」

ノルン「・・・・・・え?」

ノルン「え、えーっと、も、もしかして、そ、その、好きな人ができた、とか?」

クリス「いや、そんなことはないんだが」

ノルン(セーッフ!)

クリス「カタリナに日ごろの礼をしたくてな」

ノルン「カタリナさんに?」

クリス「ああ。ここ最近、おれの身の回りの雑用なんかをやってくれてるんだ」

ノルン「どうしてカタリナさんがそれを?」

クリス「この前元第七小隊で遊びに出かけようとしたときに、カタリナが突然倒れてしまって」

ノルン「えっ、ど、どうして?」

クリス「疲れていたんだと思う。そうに違いない」

ノルン(カタリナさん、やっぱり気にしてることがいろいろあるんだろうな・・・・・・頭もいいだろうし、考えることもいっぱいだろうから)

クリス「せっかく集まったのに台無しにしたお詫びといって、身体で返すと言ってくれたんだが」

ノルン(うん?)

クリス「それに甘えて訓練の雑用なんかを頼んだんだ。それで、ここしばらくはずっとそれが続いていて」

ノルン「ああっ、そ、そういうことだね」

クリス「ああ。流石に毎日は申し訳なくてな。洗濯するからとあずけた服はまるで新品のようになって返ってくるし、本当に助かってるから」

ノルン「それでお礼を、だね。うんうん、それなら私もがんばってカタリナさんが喜びそうなものを選ぼうかな!」

クリス「ああ、頼む」

クリス「ありがとう、おかげでいいものがいろいろ買えたよ。わざわざ城まで付いてきてもらえて助かった」

ノルン「ううん、こっちこそありがとう!」

クリス「それじゃあ後はカタリナに持っていくだけだが・・・・・・」

ノルン「せっかくだし、私もカタリナさんに会っていこうかな。他の人にも会えるかもしれないし」

クリス「そうだな。それじゃあ」

ジェイガン「クリス、ここにいたか」

クリス「ジェイガン様。どうなされましたか」

ジェイガン「すまんが、少し緊急の話があるのだ。来てくれるか?」

クリス「大丈夫です。急ぎでしたらしかたありません」

ジェイガン「ノルンもすまんな。折角来てくれたというのに」

ノルン「い、いえ、とんでもないです!じゃあクリス、私はこれをカタリナに渡しに行ってくるね」

クリス「すまん、頼む。あ、待った!」

ノルン「はい?」

クリス「これ、今日のお礼だ。よかったらもらってくれ」

ノルン「え?」

クリス「ジェイガン様、行きましょう」

ジェイガン「うむ」

ノルン「あ・・・・・・行っちゃった。・・・・・・えへへ」

ノルン(カタリナさんの部屋ってどこだったっけ?近くにいる人に聞いてみよう)

ノルン「あ、すいません」

マリーシア「なに?」

ノルン「あの、カタリナさんの部屋って・・・・・・って、マリーシアさん?」

マリーシア「あ、ノルン。カタリナに会いに来たの?」

ノルン「うん、ちょっと用事があって」

マリーシア「ふーん。じゃあこっち」

ノルン「え?あの、マリーシア?しばらく姿が見えなかったって聞いたけどいったいどこに行ってたの?」

マリーシア「王子様を探す旅よ!」

ノルン「へぇー。どうだった?見つかった?」

マリーシア「ううん。探すまでもなかったの」

ノルン「え?」

マリーシア「ほら、こっちこっち!」

ノルン(どういうことだろう?)

マリーシア「カタリナー!」

カタリナ「マリーシアさん、とノルンさん?」

ノルン「お久しぶりです、カタリナさん」

カタリナ「お久しぶりです。その、カタリナでいいですよ。クリスと同じように多分年は近いですし。敬語も大丈夫です」

ノルン「あ、じゃあそうさせてもらおうかな。じゃあカタリナも」

カタリナ「私のこれはアイデンティティなので」

ノルン「あ、うん」

カタリナ「ノルンさんはどうしてここに?」

ノルン「えっと、話せば長くなるんだけど、簡単に言うとクリスからカタリナ宛の荷物を預かってて」

カタリナ「クリスから?」

ノルン「日ごろのお礼だって。一緒に街で買ってきたの」

カタリナ「なるほど・・・・・・」

マリーシア「カタリナ、ねえはやくー」

カタリナ「ああ、ごめんなさい。では部屋にどうぞ」

ノルン(そういえばマリーシアさんは何しに来たんだろ)

カタリナ「ノルンさんもよければ」

ノルン「あ、じゃあお邪魔しようかな」

ノルン(カタリナの部屋っていったいどんな)

ノルン「臭っ!!!」

カタリナ「えっと?」

ノルン「あ、ご、ごめんね!で、でも、なんかすごく、なんていうか、汗臭いよ!?」

カタリナ「ああ、ごめんなさい。でも、本当に臭いですか?」

ノルン「え?えーっと、そう言われてみると、なんかちょっと癖になるような、どこかで嗅いだことあるような・・・・・・」

カタリナ「これはクリスの匂いですよ」

ノルン「なるほど、道理で・・・・・・はい?」

カタリナ「どうですか、このまま入りますか?それともここで引き返しますか?」

ノルン「え?え?え?えーっと、は、入る!」

カタリナ「わかりました。ようこそ、女の世界へ」

ノルン(クリスの匂い・・・・・・そう言われると、ちょっと安心しちゃうかも)

ノルン(・・・・・・なんでカタリナの部屋でクリスの匂いがするのかは疑問だけど)

カタリナ「さて。ようこそ、私の研究室へ」

ノルン「研究室?」

カタリナ「はい。ここではクリスに関する研究を行っているんです」

ノルン「クリスの研究って・・・・・・」

カタリナ「例えばですね、これ。これはクリスの日課の訓練メニューです」

ノルン「そういえば、あの戦いのときもずっとこなしてたね」

カタリナ「この訓練メニューの効果を項目ごとに分けて分析し、可能であれば改善を提案しています。無駄な訓練はないかもしれませんが、身体を壊さないのも大切ですから」

ノルン「なるほど・・・・・・さすがカタリナ」

カタリナ「こちらはクリスの食事についてですね。好みの食べ物や苦手な食べ物、普段の食事の栄養バランスなどを細かく記録しています」

ノルン「わっ、ほんとだ。へぇ、クリスってこれが好きなんだ・・・・・・」

カタリナ「こっちにあるのがクリスが使って壊してしまった武器や防具ですね。傷や破損具合、破損場所から戦う時の癖などを分析しています」

ノルン「どれもボロボロだけど・・・・・・よく見ると細かい所は違うんだ」

カタリナ「はい。武器や防具はクリスの身体を守ってくれる大事なものですから。使い方を分析すればまた新たな戦い方を模索したり危険な戦い方を辞めさせたりすることができます」

ノルン「なるほど。正にクリスのための研究って感じだね」

ノルン(それじゃあこの匂いとかも武器や防具からきてるのかな。ずっと使ってたら臭いも染みつくだろうし)

カタリナ「そしてこれがクリスの訓練後のシャツですね」

ノルン「へぇ、クリスの・・・・・・え?」

カタリナ「最近、クリスの身の回りの雑用を任されていまして。上質なものが手に入るようになりました」

ノルン「あ、えっと、カタリナ?シャツって洗濯して返してるんじゃないの?」

カタリナ「いえ、同じものを買って返していますが」

ノルン(そりゃ新品同然になって返ってくるよ!新品だもん!)

カタリナ「最近は少しずつ暑くなってきていますし、香りもだんだんときつくなってきて・・・・・・」

ノルン「うっ」

ノルン(あ、汗臭い!で、でも、なんかやっぱり、こう、なんだろう・・・・・・体の奥が熱くなるような)

カタリナ「ベッドのシーツや枕も確保していますけど・・・・・・マリーシアさんが独占してしまっていますね」

ノルン「・・・・・・マリーシアさん?」

マリーシア「すぅー、はぁー、すぅー、はぁー・・・・・・んっ」モゾモゾ

カタリナ「ではですね」

ノルン「待って!?今とっても見過ごせない光景があったんだけど!?」

カタリナ「なにかおかしいところでも?」

ノルン「いやだってマリーシアさんが、ほら、今なんか恍惚の表情で・・・・・・なんかもぞもぞしてるし」

マリーシア「んっ、クリス、クリス、王子様・・・・・・」モゾモゾ

ノルン「なんかつぶやいてるし!これ大丈夫なの!?何か変な薬とか」

カタリナ「人は寝ているときに沢山汗をかきますからね。その分が染みついているのでしかたないです」

ノルン(なにがしかたないんだろう)

カタリナ「最近はシャツも増えてきましたので、こういうものも作っているんです」コトッ

ノルン「・・・・・・水?」

カタリナ「これを飲むと人によっては能力が上がるんです」

ノルン「えっと、それって本当に?」

カタリナ「はい。セシルさんは全能力+2になっていました」

ノルン(セシルさんが飲んだなら大丈夫かな)

カタリナ「ユミナ王女は+1でしたね」

ノルン「人によって効果が変わるんだ」

カタリナ「はい。ノルンさんもどうぞ」

ノルン「じゃあ試しに・・・・・・」

ノルン「あれっ?確かに、なんだか体が軽くなったような気がする!」全能力+10

カタリナ「ノルンさんは+10ですか。ちなみにマリーシアさんは+8でした」

ノルン「へぇー。これって一体何なの?」

カタリナ「クリスの汗や諸々がしみ込んだものから抽出したエキスです」

ノルン「」

カタリナ「恐らくですが、クリスのことを想っていれば想っているほど能力が上がるのだと思われます」

ノルン「え、あ、え?」

カタリナ「シーダ様やチキさんの能力は上がりませんでしたし、おそらくクリスに興奮できる者だけに効果があるのだと思われます」

ノルン「あ、そ、それじゃあまるで私が」

カタリナ「ノルンさん。大丈夫です。私は全能力+25ですから」

ノルン「!?!?!?!?」

カタリナ「今の私なら竜にだって殴り勝てます」

ノルン「ち、違う!私は、そんな変態じゃない!純粋にクリスのことを――」

マリーシア「はふぅ・・・・・・あれ、どうしたの?」

ノルン「マリーシアさん!だめ!その道に進んだらだめ!その道を進んだら真人間になれなくなる!」

マリーシア「え、なに?なんのはなし?」

ノルン「そもそも、マリーシアさんはマルス様のことが・・・・・・」

マリーシア「いや、マルス様は結婚してるし」

ノルン「そうだけど!」

カタリナ「カチュアさんを妾に取るとかどうとかいう話も出てるみたいですね。今日はその話をまとめようとしているみたいです」

ノルン「クリスが呼ばれたのってそんな話だったの!?だ、だったらなおさら」

マリーシア「違う違う!マルス様は浮気になっちゃうでしょ」

ノルン「まさかあなたから真っ当な意見が出てくるとは思わなかったわ」

マリーシア「クリスは!フリー!」

ノルン「そ、そうだけど・・・・・・」

マリーシア「マリーシアね、気付いたの。王子様を探す旅に出たのはいいけど、理想の王子様はどこにもいなかった。そして旅の中で、どこかでクリスのことを基準にしてたの」

マリーシア「つまり!私の王子様はクリスなの!確かにマルス様もかっこいいし優しいけど、クリスも同じぐらいかっこいいし優しいんだから!」

ノルン「はぅっ!」

カタリナ「ノルンさん、自分を認めましょう。自分の中にある性癖を受け入れるんです」

ノルン「違う違う違う!私は、そんなのじゃない!」

カタリナ「受け入れてしまえば、新たな世界が見えてきます」

ノルン「違う!そんなのはまやかしだもん!」

カタリナ「私も、あなたも。クリスの事が好き。そこに違いはないはずです」

ノルン「私は、もっと純粋にクリスの事が好きなの!だから、だから・・・・・・」

カタリナ「・・・・・・私だって、好きです。毎日お話したいと思っていますし、少しでも多く見つめていたいです」

ノルン「・・・・・・」

カタリナ「許されるならば、ずっとクリスの隣にいたい。だけど、それは私みたいなものが許されることではありませんから・・・・・・」

ノルン「カタリナ・・・・・・」

カタリナ「だから、他の女性を好きになってもいい。ただ、たまに声をかけてくれるだけでも私は幸せになれるんです。クリス自身に迷惑をかけたくない」

カタリナ「都合のいい女でいいんです。クリスに無関心にさえなられなければそれで・・・・・・だからせめて、これぐらいはと」

ノルン「・・・・・・だめ、だよ」

カタリナ「え?」

ノルン「好きなんでしょ!じゃあ、諦めちゃダメ!立ち止まっちゃダメだよ!人を好きになるのに許すも許されるもないの!」

カタリナ「ノルンさん・・・・・・」

ノルン「私も、カタリナも。クリスの事が好き。そこに違いはないんでしょ?だったら、私だって許されなくなる」

カタリナ「そんなことありません。ノルンさんは私と違ってずっとアリティアのために戦って来たじゃないですか」

ノルン「カタリナだってマルス様やクリスのために戦ったでしょ!」

カタリナ「ですが・・・・・・」

ノルン「だったら!私たちは同じだけ人を好きになる権利がある!同じだけ側にいる権利がある!」

カタリナ「・・・・・・」

コンコン

リンダ「カタリナさん、ちょっと」

ノルン「今良い所だから邪魔しないで!」

リンダ「ええっ!?」

リンダ「えっと、つまりはクリスのことで言い争っていたのよね?」

ノルン「まあそういうことになるのかな」←勢いのまま敬語が抜けた

カタリナ「私は都合のいい女でいいと言ったのですが、それがダメだと」

マリーシア「zzz」

リンダ「あそこで眠ってるマリーシアは?」

カタリナ「興奮しすぎて疲れて眠っただけです」

リンダ「ああ、なるほど。はしゃいじゃったの?」

ノルン(まあそうなるよね。うん、普通は)

リンダ「ノルンの言い分もわかるわ。カタリナが誰よりもクリスのことを想っているのは傍から見ててわかるもの。それを押し殺すのは辛いだけよ」

ノルン(なんだか言葉に重みを感じる)

カタリナ「ですが・・・・・・」

リンダ「それに、マルス様も妾を取るわけだしクリスが取ってもいいと思わない?」

ノルン「・・・・・・はい?」

カタリナ「リンダさん、今日来てたのはもしかして」

リンダ「その件で呼ばれてきたの。女性の意見も聞きたいって。あと機会があればカチュアのこともそれとなく探ってほしいって」

ノルン「ああ、なるほど」

ノルン(さらっと想いを暴露されるカチュアさん)

リンダ「パオラとエストもアベルと2人まとめて仲良くしてるって話だし」

ノルン(世の中同じ人を好きになる人が多いんだなぁ)

カタリナ「・・・・・・ですが、やはり私の想いは明かせません。クリスにとって重荷になってしまうのは確実ですから」

ノルン「なら!私もクリスに何も言わない!」

カタリナ「え?」

ノルン「カタリナで重荷になるんだったら、私なんかなおさらだもん!」

リンダ「そうね。クリスに一番尽くしているって言っても過言ではないカタリナがそうなら、他もそうでしょうし」

カタリナ「ノルンさん、リンダさん・・・・・・」

マリーシア「ふわぁぁぁ・・・・・・あれ、なんのはなしぃ・・・・・・?」

カタリナ「ああいえ、なにも」

マリーシア「そう?じゃあ私クリスのとこに行ってくるね」

ノルン「えっ?」

マリーシア「やっぱりクリスのシーツだけじゃなくてベッドもクリスのがいいし・・・・・・」

ノルン「・・・・・・ずるい!」

マリーシア「えっ?」

カタリナ「く、クリスのベッドで眠っているんですか!?」

マリーシア「けっこう何度も・・・・・・」

リンダ「・・・・・・そういえば、マリーシアって度々マルス様の部屋に忍び込もうとして怒られてたって聞いたわ。クリスの部屋には特に見張りもいないから入り放題ってこと?」

カタリナ「ええ。ちなみに鍵は私も持っていますが」

ノルン「・・・・・・あ、これ行く流れだね、うん。流石にもう後には引けないから行くよ、うん」

リンダ(これは、止めた方がいいの?いやでも他人の恋路を邪魔する者は馬に蹴られて死ぬって言うし。それに、これがうまくいったらマリクも・・・・・・)

カタリナ(結局、クリスに想いを伝えることはありませんでした。とりあえずはマルス様の方の様子をうかがうことに)

カタリナ(しかし、私がくすぶっていては他の人も動かないと宣言されてしまった以上このままではいけません)

カタリナ(どこかのタイミングでクリスに伝わるように愛の告白をしないといけません)

カタリナ(やはり服を脱いでベッドの中で私をどうぞが一番でしょうか。それとも私自身がベッドになるとか)

カタリナ(ベッドもいいですけどペットもいいですね。首輪をつけてもらうと多分ものすごく興奮します)

カタリナ(そういえば、クリスから日ごろのお礼をもらっていましたね。次に買う服とシーツの質はワンランク上げないと)

カタリナ(さて、中身は・・・・・・可愛い髪飾り)

カタリナ(・・・・・・ふふっ。こんなものでも幸せになってしまうのですから、私は単純ですね)

カタリナ(そして、こうしてクリスの匂いに包まれていると・・・・・・)

カタリナ(はぅぁっ)パタッ

クリス「・・・・・・カタリナが俺のベッドで寝ている。シーツを取り替えに来てくれたんだろうか」

クリス「疲れているのにいろいろと任せ過ぎたか・・・・・・もっと労ってやらないと。とりあえず自分の身の回りの事は自分でやろう、うん」

【次回予告】

忍び寄る新たな影

女「どうしてあなたは生きているの?」

カタリナ「・・・・・・え?」

突然のアーマーナイト

通りすがりのロジャー(な...何を言っているかわからねーと思うがおれも何が起こったのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった...)

涙目のチキ

チキ「わーん!クリスのおにいちゃーん!マルスのおにいちゃーん!たすけてー!」

クリス「チキー!すぐ降ろすからなー!変身するなよー!」

カタリナは果たしてどうなってしまうのか

カタリナ「いや確かにクリスが望むのならば私はいつでもそれを受け入れる覚悟であってそういう関係になるのも吝かではなくむしろ大歓迎ではあるのですがそれはそれで私の身が持たない可能性もありむしろ私なんかがクリスに選ばれるというのもおこがましいことでいやでもクリスがそれでもというのならはぅぁっ」パタッ

現在作成中!

多分このSSで明確にクリスに恋心があるのはカタリナとノルンとマリーシアだけ。セシルは微妙、ユミナはまだ子供。
新紋章本編で明確にクリスを好きって言ったのってカタリナとマリーシアだけだよね?マリーシアの結婚云々はラブ判定にしてる。
ウチの部隊の主力はカタリナとノルンとマリーシアとセシルとクリスとチキでした。あとシーダとパオラおねえちゃん。
ペガサス三姉妹を幸せにしたかった。これで多分みんな幸せになってくれるんじゃないかなって思う。
クリスに変身してカタリナにボコられるチェイニーとかも話の流れさえあえば書きたい。
マリーシアを餌付けしたい。

【3章 異界からの来訪者】

カタリナ(今日もクリスと会話をすることができました。これで1週間は持ちますね)

カタリナ(しかし、最近何故だかクリスに避けられているような気がしないでもありません)

カタリナ(もし仮にそうだとしたら私は今から死にます)

カタリナ(セシルさんはやたらと甘いものを差し入れてくれますしロディさんは会うたびに調子はどうかと聞いてきますが特に関連はなさそうですね)

カタリナ(最近は洗濯も任せてもらえないから濃厚なクリス液を確保できませんし・・・・・・そろそろ出涸らしになってきてて辛いです)

女「・・・・・・」スタスタ

カタリナ「クリス?」

女「っ!?」

カタリナ(一瞬クリスとすれ違ったのかと思いましたが、全くの別人でした。女性ですし)

カタリナ「・・・・・・ああ、ごめんなさい。人違いでした」

カタリナ(匂いや雰囲気はそっくりなのですが。しかしそっくりなだけでよく感じ取ると若干女性らしさがありますね)

女「カタ、リナ?カタリナ、なの?」

カタリナ「え?え、ええ。カタリナですが」

カタリナ(はて、こんな知り合いいましたっけ)

女「クリス、クリスよ」

カタリナ「え?」

女「私はクリス!あってるわ!」

カタリナ(おかしな人に絡まれてしまいました)

カタリナ(少し話をしてみたところ、この女性は出身地や育った環境、育て親等いろいろとクリスと一致していました)

カタリナ(つまりは自分の事をクリスと思いこんでいる異常者という感じでしょうか)

女「ねぇ、カタリナ。一つ聞いてもいい?」

カタリナ「あ、はい。なんでしょうか。答えられることなら」

カタリナ(しかしなぜでしょう。彼女の言うことは妙に信頼できる自分がいます。まるで本物のクリスから言われているかのような)

女「どうしてあなたは生きているの?」

カタリナ「・・・・・・え?」

女「だってカタリナは、私が、殺して・・・・・・」

カタリナ「・・・・・・私は、クリスに説得されてここにいます。3回も、彼は武器も持たずに私からの攻撃を受け続けました」

女「彼・・・・・・?」

カタリナ「・・・・・・はっきりいいますね。私の知っているクリスは男性です。あなたではありません」

女「っ!そん、な・・・・・・」

カタリナ(何故か胸が苦しいです。なんでしょうこの違和感は。まるでクリスに向かって攻撃をしたあの時のように苦しい)

女「そう、よね・・・・・・やっぱりここは・・・・・・」

カタリナ「・・・・・・失礼します」ペロッ

女「!?」

カタリナ「この味は・・・・・・まさか、本物のクリス?」

女「!?!?!?!?」

通りすがりのロジャー(あ...ありのまま今起こった事を話すぜ!「カタリナとクリスに似た女性が話していると思ったらカタリナが突然もう一人の頬を舐めた」)

通りすがりのロジャー(な...何を言っているかわからねーと思うがおれも何が起こったのかわからなかった。頭がどうにかなりそうだった...)

通りすがりのロジャー(ほっぺにちゅーだとか桜Trickだとかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ。もっと素敵な百合の片鱗を味わったぜ...)

女「え、えっと?」

カタリナ「この味、そして汗をなめとったあとのこの体の軽さ・・・・・・間違いありません。あなたはクリスです」

女(カタリナがおかしくなった)

カタリナ「さて、総合的に判断しますと・・・・・・あなたはおそらく異界から来たクリスです」

クリス(女)「異界?」

カタリナ「はい。おそらくですが」

クリス(女)(異界・・・・・・ってことは別の世界ってことよね?カタリナ疲れてるのかしら)

カタリナ「簡単に説明しますと、まず私とあなたの話の食い違いです」

クリス(女)「っ、そ、そうね。私が知っているカタリナは・・・・・・もう・・・・・・」

カタリナ「そして私が知っているクリスは男性です。容姿ももっと男性らしく、筋肉質で男らしくてかっこいいです」

クリス(女)(惚気?ってことはカタリナはこっちの私と恋人か、もしくは結婚か・・・・・・それだったらさっきのもわからなくはないかも)

クリス(女)(いややっぱりわからないわ)

カタリナ「そして、異界の存在は文献で見たことがあります。なんでも拳から炎を出しながら昼食に麺をすする仮面の男が存在するとか」

クリス(女)「なんだかレーサーをやっていながら賞金稼ぎもやっていそうな男ね」

カタリナ「他にも両手剣を片手で振るう神殺しの大男や、伝説のカレーを見つけて咆哮を挙げる方もいるそうです」

クリス(女)「へぇ、ぜひとも手合わせしてみたいわね。カレーはともかく」

カタリナ「その文献は創作にしてはあまりにも中身が出来過ぎていた。だからこそ信用に値するものだと思っていましたが・・・・・・まさかこんなところで役に立つとは」

クリス(女)(断片的に得た情報だけだと楽しいおとぎ話にしか聞こえないんだけどね)

カタリナ「さて、クリス。あなたにこれから行くところはありますか?」

クリス(女)「え?いや、多分ないけど・・・・・・まあなんとかなるわよ」

カタリナ「それでしたら、一度アリティア城へ来ませんか?」

クリス(女)「えっ!?それは、でも」

カタリナ「私もあなたからまだまだ話を聞きたいですし・・・・・・それに」

クリス(女)「それに?」

カタリナ「私は、世界は違えどクリスに救われた身です。だからたとえ異界のクリスであろうとも私は助けたい。そう思っています」

クリス(女)「カタリナ・・・・・・」

カタリナ「どうでしょうか。どうしても嫌なら仕方ありませんが」

クリス(女)「・・・・・・ううん、そんなことない。むしろこっちからお願いできる?」

カタリナ「もちろんです」

カタリナ「しかし、仮に私の友人としたとしてもアリティア城に入れることは簡単ではありません。特に私は裏切り者ですから」

クリス(女)「そう、ね。カタリナ自身が足を洗ったと言っても、過去の人間までは・・・・・・」

カタリナ「ですから、設定を作りましょう」

クリス(女)「設定?」

カタリナ「いいですか。あなたは私と生き別れた姉妹です」

クリス(女)「いきなりぶっ飛んだわね」

カタリナ「ここで私の孤児が生きてきます。あの暗殺施設で育った者は皆兄弟姉妹ですから」

クリス(女)「なるほど。血のつながりは無いけどってやつね」

カタリナ「そしてあなたは暗殺に失敗し、始末されかけたものの奇跡的に逃げ延びたこととします」

クリス(女)「そして何年も彷徨った末、カタリナに再会した」

カタリナ「はい。そして、名前も少し変えましょう。・・・・・・そうですね、クリスチーヌなんかはどうでしょうか」

クリス(女)「なんだか考古学を専攻している大学生見たいな名前になったわね」

カタリナ「愛称はクリス。これでクリスという名に反応しても誤魔化せます」

クリス(女)「なるほどね。さすがはカタリナ。潜入に関してはお手の物ね」

カタリナ「それほどでもあります」

クリス(女)(・・・・・・カタリナが冗談を言ってる。いつ以来だっけ、こんなの)

クリス(女)「・・・・・・あっさり門は通れたわね」

カタリナ「まあ今の世の中マルス様を狙う刺客も中々いませんし。いたとしてもクリスや私が始末するのがオチです」

クリス(女)「あなたも?」

カタリナ「もちろんです。私が普段通るルートにはいくつも仕掛けを用意しています。侵入者がいた場合すぐにわかるように」

クリス(女)「な、なるほど」

カタリナ「この城で普通に生活しているものならひっかることは――」

チキ「わーん!クリスのおにいちゃーん!マルスのおにいちゃーん!たすけてー!」

クリス「チキー!すぐ降ろすからなー!変身するなよー!」

クリス(女)「・・・・・・」

カタリナ「私の仕掛けが作動していますね!ごめんなさい!」ダッ

カタリナ「すいません、まさかチキさんが侵入者用のトラップに引っかかるとは」

チキ「びっくりした!」

クリス「おれたちは事前に知らされていたから大丈夫だったが、盲点だったな」

クリス(女)「あ、あはは」

クリス「それで、そっちの人は?」

クリス(女)「えっと、私はクリス・・・チーヌ。えっと」

カタリナ「私の妹です」

クリス「えっ?」

カタリナ「クライネと同じような感じだと思ってもらえれば」

クリス「あ、ああ。確かお前と同じ・・・・・・ということは彼女も?」

カタリナ「はい。クリスチーヌは暗殺に失敗し、始末されかけたところをなんとか逃れたようで・・・・かれこれ何年ぶりの再会でしょうか。よく生きていてくれました」

クリス(女)「そ、そうなの。カタリナこそ、随分と出世?っていうかなんていうか・・・・」

チキ「・・・・?クリスのおねえちゃん?」

クリス(女)「ああいや、それだとそっちのクリスさんと被っちゃうから」

クリス「・・・・待ってくれ。カタリナ、何か事情があるのはわかった」

カタリナ「え?」

クリス「一度俺の部屋に行こう。チキはマルス様に会いに来たんだろう?送り届けるから一緒に来てくれ。カタリナたちは先に向かってくれるか?」

チキ「はーい!」

カタリナ「あ、はい」

クリス(女)(・・・・気付かれた?)

クリス「さて、カタリナ。改めて、彼女は誰だ?」

カタリナ「ですから」

クリス「さっきのが嘘だということはわかった」

カタリナ「!」

クリス(女)「え、ど、どうして?」

クリス「いろいろとあるが・・・・・・まあそれは置いておこう」

クリス「カタリナ、お前が何か悪だくみをして彼女を連れてきたわけじゃないのはわかっている。だから、教えてくれないか」

カタリナ「・・・・・・わかりました。いいですか、クリス。今から言うことは嘘でも眉唾でも物語でもありません。これは現実の話です」

クリス「・・・・・・なるほど?つまり?彼女は?異界のおれということか?」

カタリナ「総合的に判断した結果、ですが」

クリス「なるほど・・・・・・たしかにさっきの問答でも俺と同じ育て方をされていたしな」

クリス(女)「性別が変わろうとも生き方は変わらないのね」

カタリナ「今度は私からの質問です。どうして私が言っていることが嘘だとわかったのですか?」

クリス「ん、そうだな。まず、暗殺者から逃げ延びたってことは今までずっと逃げ続けていたはずだろう?それにしては身なりがやけにきれいだ」

クリス(女)「あ、確かに」

クリス「あと、カタリナと同じ施設の出身ならカタリナと呼ぶことにも違和感がある。カタリナはここに来るときの偽名で、向こうでは確か、アイネ、だったか?」

カタリナ「あ、そうでした。すっかり忘れていました」

クリス「あとは微妙に態度がおかしいところとか、まあ本当にいろいろだ」

カタリナ「私もまだまだですね」

クリス(一番はカタリナがなんだか苦しそうな顔をしてたからだが)

クリス(女)「むしろ、あなたこそよくそこまで気づいたわね。流石はカタリナの恋人って感じかしら」

カタリナ「こいっ!?」

クリス「いや、ちが」

クリス(女)「あ、もしかしてもう夫婦だった?」

クリス「そういうわけじゃ」

カタリナ「いや確かにクリスが望むのならば私はいつでもそれを受け入れる覚悟であってそういう関係になるのも吝かではなくむしろ大歓迎ではあるのですがそれはそれで私の身が持たない可能性もありむしろ私なんかがクリスに選ばれるというのもおこがましいことでいやでもクリスがそれでもというのならはぅぁっ」パタッ

クリス(女)「カタリナ!?」

クリス「また倒れたか・・・・・・」

クリス(女)「また!?カタリナになにをしてるの!?何をさせてるの!?」

クリス「誓って何もしてな・・・・・・いや、雌豚と呼んだりはしたが」

クリス(女)「あなたたちどういう関係なの!?」

クリス「なるほど。5つのオーブがそろわなかったのか」

クリス(女)「ええ。どうしても星のオーブが完成させられなくて・・・・・・その後、世界は・・・・・・」

クリス「そうだったか・・・・・・辛いことを思い出させたな」

クリス(女)「いや、いいの。むしろ、あれは私の戒めだから。私は、マルス様をお守りすることができなかった。それに、カタリナまでこの手で・・・・・・」

クリス「気になっていたんだが、こっちのカタリナは説得に応じてくれたぞ?3回目で」

クリス(女)「えっと、私も1回は話しかけたんだけれども・・・・・・向こうからの攻撃で反撃しちゃって」

クリス「・・・・・・武器は?」

クリス(女)「ちょうど手槍を・・・・・・」

クリス「・・・・・・」

クリス(女)「・・・・・・」

カタリナ(起きたらなんだか重そうな話をしていますが・・・・・・多分世界が違うとはいえ私の事ですから)

カタリナ(向こう)『私からクリスに攻撃を仕掛ければクリスにいたぶってもらえるのでは?最悪殺されてもよし!むしろフェイバリット!』

カタリナ(とか思っていたに違いありません。だって私もクリスに斬られたかったですし。クリスはなぜか司祭の格好で武器も持たずに来てしまいましたけど)

カタリナ(ということはあちらの私はクリスの槍に貫かれたのですね。私もクリスの槍(意味深)に貫かれたいです)

カタリナ「はぅぁっ」パタッ

クリス「カタリナ!?」

クリス(女)「今一瞬起きてまた倒れた!?」

カタリナ(その後、マルス様とシーダ様には事情を嘘偽りなく説明することになりました。お二人なら穏便に事を済ませてくれるでしょうし)

マルス「なるほど。それは・・・・・・」

シーダ「でも、不思議ね。姿や性別は違うとはいえ、同じ人が二人もいるだなんて」

クリス「信じられないのも無理はありません。ですから、証明できるものを持ってきました」

カタリナ「えっ?」

マルス「そんなものが?」

カタリナ「クリス、私何も聞いていないのですが」

クリス「ああ。クリスが今作ってくれている」

シーダ「作っている・・・・・・?」

クリス(女)「お待たせしました!シーダ様!シーダ様に教わったシチューです!」

シーダ「えっ」

クリス「おれ自身もシーダ様にお教えいただきましたが、彼女もそうだったようで」

マルス「シーダが教えた通りの味なら確かに本物だということは証明できるね」

シーダ(でも、クリスの料理って・・・・・・)

クリス(女)「さあどうぞ、シーダ様!」

チキ「ちゃんとみはりしてたよ!へんなのはいれてなかった!」

シーダ(普通の食材から鋼の味を作り出すのがクリスなの!・・・・・・だけど!)

シーダ「これも、クリスのため!シーダ、いきます!」

カチュア「ふんふふんふふーん♪」

カチュア(きょっうはー♪マルスさまとー♪よっとぎっのひー♪)

カチュア「まっるすっさまー♪」ガチャッ

マルス「シーダ!しっかりするんだ!シーダ!」

シーダ「ま、間違い、ありま、せん。この、鋼の味は、クリ、ス・・・・・・」

カタリナ「こ、これがクリスの味だというのなら、私はたとえ身体が壊れようとも・・・・・・!」

チキ「まずーい!」

クリス「ああ。この味は間違いなくおれだ」

クリス(女)「やっぱり、世界が違っても私たちは同じみたいね」

カチュア(え、なにこの状況)

カタリナ(まあ私は私で念のため別の方法で確認をしましたけど)

ノルン「なんだか、身体が軽い」

セシル「あれ、ノルン?どうして全能力が+10されてるの?」

ノルン「えっ」

マリーシア「ふんふふんふふーん♪わったしのー♪おっうじっさまー♪くっりすー♪」

セシル「マリーシアも+8だし・・・・・・」

ノルン「えっ」

セシル「なにか特別な薬とかでもあるの?七色の薬じゃこうはならないと思うけど」

ノルン「な、なんだろうねー!あ、あはは」

セシル(私もカタリナから渡された栄養ドリンクを飲んだら能力アップしたし、それ?)

カタリナ(向こうのクリスはとりあえずアリティア城で過ごすことになりました。同じクリスだけあって腕は確かですし、人柄も信用できます)

カタリナ(・・・・・・というか、クリスが二人に増えたということはクリス成分の補充がいつもより捗るのでは?)

カタリナ(向こうのクリスは女性ですし、少々過激なスキンシップをしても大丈夫)

カタリナ(つまりこれは夏のクリス2倍キャンペーンなのでは?神様がくださった私へのご褒美なのでは?)

カタリナ(つまりこれはあれですね。クリス二人のカタリナハーレムを作れという思し召しですね)

カタリナ(同士たちは向こうのクリスにはあまり反応を見せなかったので、まあ友人レベルで留まるでしょう)

カタリナ(つまりこれは私大勝利のパターンが来たのでは)

カタリナ(とりあえずクリスとクリスにこれ以上虫が寄り付かないようにしないといけません。カタリナハーレムを成立させるためにも)

カタリナ(ゆくゆくはクリスとクリスのダブルアタックで私を・・・・・・)

カタリナ「はぅぁっ」パタッ

クリス(女)「カタリナ!?どうしたの!?カタリナーーーー!!!!!」

チキ「やっぱりいっしょだよね・・・・・・クリスのおにいちゃんとクリスのおねえちゃん」

【次回予告】

巻き起こる風評被害

フィーナ「クリスが新しい女を侍らせてる!」

宿る新たな命

カタリナ「あの、フィーナさん。そのお腹、もしかして・・・・・・」

巻き込まれるカタリナ

カタリナ「はうぅー」

果たしてクリスたちはこの先生き残ることができるのか

クリス「・・・・・・ここは、どこだ?」

クリス(女)「えーっと、地図だと・・・・・・このあたりかしら。カタリナ?」

カタリナ「その地図間違ってますよ」

現在作成中!

今回の女クリスはオーブを集めきれなかった世界線から来た子。
星のオーブを完成させられなくて泣く泣く最初からやり直した人は自分だけじゃないはず。
カタリナを倒した時の台詞が辛い。でもあれを見ないとカタリナがどう思ってあの日々を過ごしてたのかがわからないから見ないといけない。辛い。
今回の女クリスはヒーローズに合わせて槍を持たせてたけど、実機でやったときは魔法使いでした。魔法使いなのに壁になってました。
マリーシアに全員で無視するドッキリしかけたい。

【4章 幸福の絶頂】

カタリナ(クリス(女)が来てからしばらく経ちました)

カタリナ(ただでさえ強いクリスが二人に増えたことでもうヤバいです)

カタリナ(だいたいの敵を二人で片づけてしまいます。山賊50人ほどを2人で壊滅させて帰ってきたときはセシルさんが引いてました)

カタリナ(厄介なのが同一人物同士で競い合っているということ。お互いの実力はほぼ同じなので毎回拮抗してしまいます)

カタリナ(そしてなぜか料理でも競い合っているということ。シーダ様がかわいそうです)

カタリナ(・・・・・・私も毎回食べていますが。おかげで今となっては鉄の剣もおいしく食べられそうです。貧血の時に便利ですね)

カタリナ(ただ、クリスたちにすべてを任せようとすると確実に道に迷うので誰かが付いていかないといけないわけです)

カタリナ(ええ、もちろん私が行っています。そうなると必然的に3人で行動することが多くなるわけです)

カタリナ(私とクリスとクリス。なんですかこれ。私人生の絶頂期にいるんですか。幸せですか。幸せです)

カタリナ(っと、そろそろ次の場所に着きますね)

クリス「ここが目的地の山賊のアジトか」

クリス(女)「ここに近く・・・・・・ってほどでもないけど近隣の村を襲った山賊がいるっていう話だったけど・・・・・・」

カタリナ「・・・・・・いませんね」

カタリナ(少なくとも外から見る分にはわかりませんね。入口付近にとりあえず魔法を1発打って確認しますか)

クリス「まて、カタリナ!人影だ!」

クリス(女)「あれは・・・・・・もしかして、ナバール殿?」

クリス「まさか、彼が山賊だというのか?いや、そんなはずはない」

カタリナ「あるいはナバールさんが一人で乗り込んで片付けたところに我々が到着したとか」

クリス「・・・・・・ありえるな」

カタリナ「あ、奥からさらにもう1人出てきました」

クリス「あれはフィーナか。あの二人、どこへ行ったのかわからなかったが・・・・・・一緒にいたんだな」

クリス(女)(・・・・・・よく見ると、フィーナのお腹が若干大きいような)

カタリナ「警戒しつつ一度近づいてみましょう。彼らに接触するのもありです」

クリス(女)「そうね。このまま報告をするのにも調査は必要だし」

クリス「ナバール殿!」

ナバール「・・・・・・」

フィーナ「あ、クリス・・・!?」

カタリナ「フィーナさん、どうしました?」

フィーナ「クリスが新しい女を侍らせてる!」

クリス「誤解だ!」

フィーナ「しかも見たことない人!カタリナ、いいの!?」

カタリナ「何故私に同意を求めるのですか」

クリス(女)「えっと、私はクリスチーヌって言って」

フィーナ「ふーん」

クリス(女)「あ、私の素性には興味がない感じなのね」

クリス「フィーナとナバール殿はなぜここに?」

フィーナ「あ、それね。聞いちゃう?聞いちゃう?そんな大事なこと聞いちゃう?」

クリス「ここは山賊のアジトだと聞いておれたちが来たんだが」

ナバール「・・・・・・そいつらなら追い出した」

クリス「・・・・・・はい?」

フィーナ「もー、この人ったらちゃんとした家に住もうって言ったのに面倒だって言って山賊のアジトを奪っちゃうの!ねえ酷いと思わない?」

クリス(女)「えっと、待ってね。追い出したってことは、捕らえてどこかに突き出したわけでも始末したわけでもないのよね?」

カタリナ「あの、フィーナさん。そのお腹、もしかして・・・・・・」

フィーナ「あ、わかっちゃう?わかっちゃうかー。まあそうだよねー。ごめんね、クリス」

クリス「なんでおれは謝られたんだ」

フィーナ「まあ見ての通り私が妊娠してさ。流浪の身だとよろしくないからってことで定住の場所を探しててね」

カタリナ「それで山賊のアジトを乗っ取ったわけですか。豪快ですね」

クリス(女)「まあ、もともと生活設備が整っていると考えたら妥当・・・・・・なのかしら?」

クリス「だとしたら、近隣の村を襲った山賊っていうのは・・・・・・」

ナバール「知らん」

カタリナ「・・・・・・もしかしたら私たちは時系列を誤解していたのかもしれません」

クリス「え?」

カタリナ「私たちは村を襲った山賊がここにいると思っていましたが、そうではなくて山賊たちはここを追い出されてから村を襲ったのではと」

クリス(女)「まあ山賊が狙うにしては微妙に遠い村だったことはみんな怪しんでたけれども」

クリス「と、いうことは。ナバール殿!」

ナバール「知らんな」

クリス(女)「フィーナ?」

フィーナ「し、しーらなーい」

カタリナ「仕方ありません。とりあえず被害に遭った村を中心に捜索してみますか」

カタリナ(あのあとたまたま村の近くの森に入ったところで山賊の軍団と鉢合わせて片付けたのでよかったですが・・・・・・)

クリス「・・・・・・ここは、どこだ?」

クリス(女)「えーっと、地図だと・・・・・・このあたりかしら。カタリナ?」

カタリナ「その地図間違ってますよ」

クリス(女)「えっ?」

クリス「おかしいな。確かに今回の行軍(3人)に備えて持って来たものなんだが」

クリス(女)「まあ進めばいずれどこかに行きつくでしょ」

カタリナ「はうぅー」

カタリナ(この二人と予定にない場所を行動するのは愚かでした。二人ともなぜか自信をもって謎の方向に突き進んでいくので止まってくれない・・・・・・)

カタリナ(生活品がはクリス(男)が全部持ってくれているから置いていかれるわけにもいきませんし)

クリス(女)「とりあえず・・・・・・こっちね!」

カタリナ(申し訳ありませんマルス様。私たちはここで野垂れ時ぬかもしれません)

クリス「・・・・・・これは」

クリス(女)「神殿?」

カタリナ「どうして森の中にこんなものがあるのでしょうか」

カタリナ(もし中に人がいるならアリティア城への道を尋ねたいところですが)

ポツッ

クリス「っと、雨か」

クリス(女)「折角だから雨宿りさせてもらいましょう」

カタリナ「そうですね」

カタリナ(だいたいこういうパターンって中に知り合いがいるんですよね。話しかけやすい人だといいんですが)

クリス「・・・・・・一通り探索してみたが、誰も居なさそうだ」

クリス(女)「こっちもね。カタリナ、そっちはどうだった?」

カタリナ「人はいませんでしたけれども・・・・・・」

クリス「も?」

カタリナ「なぜかおあつらえ向きに整えられたベッドが3つ並んでいました」

クリス(女)「えっと?」

カタリナ「しかもなぜか連結されていて外すことができませんでした」

クリス「聞くよりも見た方が早そうだな。カタリナ、案内してくれ」

カタリナ「わかりました」

クリス(女)(不可解な点はあるのよね。人がいないにしてはやけにきれいだし。もっと埃っぽくていいと思ったけど)

クリス(用心するに越したことはない。慎重に周囲を探ろう)

クリス「・・・・・・ベッドが3つ」

クリス(女)「連結されていてとれない」グッグッ

カタリナ「そしてなぜか用意されているお酒」

クリス「さっき見た時はあったのか?」

カタリナ「いえ、ありませんでした」

クリス「これは、おれたちが酒に酔って動けなくなることを期待しているのか?」

クリス(女)「だとしたら私たちそうとうのバカだと思われてるけど」

カタリナ「そしてなんでしょう。この部屋だけやけにピンク色な理由は」

クリス(女)「ん?これは・・・・・・」ガラッ

クリス「なにかあったか?」

クリス(女)「・・・・・・なにこれ?小瓶?」

クリス「えっと・・・・・・お酒によく混ぜてお飲みください?」

カタリナ「ますます怪しいですね」

クリス「ここにいて襲われでもしたらたまらないな。残念だが、外に出よう」

クリス(女)「そうね」

ナギ「待って」

クリス「あなたは、ナギ殿?」

クリス(女)(え、誰?)

カタリナ「ナギさん、どうしてここに?」

ナギ「ここは・・・わたしの住処」

クリス「住みか?」

ナギ「わたしはあの後、永い眠りにつくつもりだった・・・だけど、まだ役目がある・・・」

カタリナ「役目ですか?」

ナギ「でも、わからない・・・わたしの役目・・・だからせめて、おもてなしを・・・」

カタリナ「あのお酒やベッドはもしかしてナギさんが?」

ナギ「ええ・・・人はああいうものを好むと聞いて・・・人の営みは、ああいう場で行われると聞いた」

カタリナ「い、営みですか?」

ナギ「ええ・・・人の営み・・・つまりセッ」

カタリナ「ここR18板じゃないのでその言葉は禁句です」

カタリナ(なんだかんだ押し切られて同じ部屋で3人で眠ることになりましたけど)

クリス「zzz」

クリス(女)「・・・・・・」

カタリナ(何ですかこの状況!?私なんで真ん中なんですか!?天国なんですけど!?)

クリス「zzz」ゴロン

カタリナ(ふわぁぁぁぁぁぁ!!!!クリスがこっちに!クリスの寝息が!吐息が!呼気が!私の首に!ふわぁぁぁぁぁぁ!!!!)

カタリナ(このままでは私、幸せ過ぎて死んでしまいます。なんとか戻ってもらわなくては)

カタリナ「クリス、あの・・・・・・」

クリス「zzz」

カタリナ「・・・・・・クリス、起きてたらクリスを元の態勢に戻していただけると」

クリス(女)「・・・・・・」

カタリナ(ダメみたいですね)

カタリナ(しかしよくよく考えてみましょう。この状態は私にとってはむしろ好機なのでは)

カタリナ(クリスのことを調べるのに二人のクリスが眠っている、こんなに好都合なことが他にあるでしょうか)

カタリナ(・・・・・・よし)

カタリナ「クリスー、起きていますかー?」ポンポン

カタリナ(念のため再確認です。起きていませんね。ヨシ)

カタリナ「ではさっそく・・・・・・まずは味をみておきましょうか」ペロッ

クリス(女)(!?)

カタリナ「汗の味に大きな違いはありませんね。すこしクリス(女)の方が薄めな感じがするのは性別のせいでしょうか」

クリス(女)(えっ、カタリナはいったいなにをはじめたの?正直いろいろと気になって寝たふりしてたけどカタリナはいったいどうなってるの?)

カタリナ「毛髪は・・・・・・クリス(男)の方が固いですね。クリス(女)が柔らかくて細いのはやはり性別のせいでしょうか」モグモグ

クリス(女)(え?今私の髪をちぎって食べた?髪の毛って料理に入ってたらとって捨てるぐらい食べ物とは相性が悪いわよね?え、なんで食べたの?)

カタリナ「・・・・・・さすがに陰部はやめておきますか」

クリス(女)(助けて)

カタリナ「次は香り・・・・・・クリス(女)は少しいい香りがしますね。どこかで嗅いだことあるような」クンクン

クリス(女)(そのあたり無頓着だったらパオラさんとかシーダ様に怒られたっていうのは内緒)

カタリナ「クリス(男)はやはり少し汗臭いというか、興奮しますね」

クリス(女)(わからない)

カタリナ「さて、次は・・・・・・」フニッ

クリス(女)(!?)

カタリナ「・・・・・・」フニフニ

クリス(女)(え、今私胸を触られてる?カタリナに執拗に胸を触られてるの?)

カタリナ「私の方が大きいですね」

クリス(女)(余計なお世話よ!)

カタリナ「次はお腹回り・・・・・・」サスサス

クリス(女)「んっ」

クリス(女)(く、くすぐったい)

カタリナ「・・・・・・私の方が大きいですね。そして私の方がやわらかい。・・・・・・いえこれは最近平和で油断をしていたとかそういうわけではなく」

クリス(女)(魔法使いと兵士だとどうしても動く量に差があるからしかたないわ)

カタリナ「最後はお尻を」サワサワ

クリス(女)(なんで私同性の友達に痴漢されてるんだろ)

カタリナ「・・・・・・同じくらい、でしょうか。でもクリス(女)の方が少し固いかも?」

クリス(女)(単純に筋肉量の差ね)

カタリナ「ふむ・・・・・・」ヌプッ

クリス(女)(!?)

カタリナ「・・・・・・クリス(女)の唾液はこんな感じですか」

クリス(女)(え、い、今、私の口に指をつっこんでそのまま舐めた?え、本当にわけがわからなくなってきた。この世界のカタリナはいったいどうしちゃってるの?)

カタリナ「次は・・・・・・クリス(男)のを」

クリス(女)(これは止めた方がいいのかしら。ここで止めるのが友情ってものなんじゃないかしら)

カタリナ「クリス、のを」

クリス(女)(・・・・・・?)

カタリナ「・・・・・・ダメ、できない・・・・・・」

クリス(女)(あら?)

カタリナ「わざわざ研究のためと自分で踏ん切りをつけたはずなのに、私にはクリスの口に触れることができない」

クリス(女)(これは・・・・・・)

カタリナ「眠っているからなにしてもバレないというのはわかっているのに、私は、口づけの1つもできない」

クリス(女)(・・・・・・)

カタリナ「好き、です。好きなんです、クリス。あなたのことが。もっとあなたのことを求めたい。もっと私の事を求めて欲しい」

カタリナ「・・・・・・でも、それは私には過ぎた願い。たとえ誰が許しても、私自身が私を許せない」

カタリナ「・・・・・・いや、違いますね。こんなのただの言い訳です。本当はきっと、勇気がないだけ。今の関係が変わってしまうことがたまらなく怖い」

カタリナ「どれだけ口実を作ろうとしても、結局私はあなたに想いを伝えることができない。眠っている最中でしか、こんなことを伝えられない」

カタリナ「こんなに好きなのに、私はあなたに近づくことができない。あなたと触れ合うことができない」

カタリナ「クリス・・・」

クリス(女)(カタリナ・・・・・・あなたは・・・・・・)

クリス(女)(翌日、ナギさんのおかげでなんとかアリティアに帰還することができた。いや、ほんと助かった)

クリス(女)(山賊被害の報告も終えて、私たちは休暇をもらえたのだけれども)

カタリナ「クリス、以前の呼び名の件ですが」

クリス「もう呼ばんぞ」

カタリナ「いえ、雌豚と呼んでもらうのは諦めました。ただ他にもいろいろと候補がありまして」

クリス「カタリナ」

カタリナ「やはり外で呼んでもはずかしくないものにすべきだとセシルさんに怒られたんです。それで」

クリス「カタリナ。おれはお前のことをこのままカタリナと呼びたい」

カタリナ「ふぇ?」

クリス「あの後、おれもいろいろと考えたんだ。だが、やはりおれにとってカタリナはカタリナなんだ。たとえ本名でなくとも、これからもそう呼んでいきたい。それじゃあだめだろうか」

カタリナ「あ、いえ、その・・・・・・ダメじゃ、ないです」

クリス(女)(カタリナったら顔が真っ赤じゃない。さすがにそういうのに疎い私でもこれはわかるわよ)

クリス「よし。この話はこれで終わりだな。折角の休暇だし、どこかに出かけるか?」

カタリナ「え、あ、はい!クリスが行きたいところならどこへでも!」

クリス(女)(うん、イイ感じね。私があれこれ口を出さなくても、クリスがカタリナを引っ張ってくれるわ)

クリス「そういえば、ノルンにまた村を訪ねてくれって言われてたな。折角だから一緒に行こうか」

カタリナ「えっ」

クリス(女)(えっ)

クリス「どうした?疲れてるのか?だったら後日にでも」

カタリナ「え、いえ、大丈夫です。行きましょう」

クリス(女)(・・・・・・やっぱり前途多難かも)

【次回予告】

再び集まる同士たち

ノルン「なんか思ってたのと違う」

カタリナ「私もです」

迫りくる修道女

マリーシア「子供かどうか、確かめてみる?」

決断の時が迫る

クリス(女)「元の世界に・・・・・・帰れるの?」

現在作成中!

急にリアルが忙しくなってしばらく更新できませんでした。5時半起きとかふざけんな。二度と朝シフトとか入れねぇ。
ヒーローズでノルンの星5レベル40のときにクリスの話してるのにシャロンちゃん話題に出してくれなくてかわいそう。
次回が多分ラストになると思います。スケジュールがきついからいつになるかわからないですけど気長に待ってもらえれば。
とつぜん「カタリナは告らせたい」とかいう電波が降ってきた。かぐや様風にカタリナとクリスの話を広げようとすると藤原枠に困るという。
マリーシアの目の前で敵の攻撃から庇って杖で治りきらない大きな傷を負って一生の心の傷を残したい。

ネタが思いつかないのでここで終わります。ごめんなさい。

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