ぐだ「サーヴァントを庇ったら怒られた」 (53)
(※男鯖はぐだ子、女鯖はぐだ男、両生類は適当に)
ぐだ「いたた……」
マシュ「先輩! 何を考えているんですか! あんな事をして!」ポンポン
ぐだ「ごめん、もうちょっと上手くやるつもりだったんだけどさ」
マシュ「本当に心配したんですよ!? 先輩に何かあったら私……!」
ぐだ「うん、ごめん。気を付ける」
マシュ「二度としないと誓ってください! サーヴァントを庇うマスターなんて、自殺行為ですよ!」
ぐだ「う、うん。そうだね」
マシュ「……本当に……やめてください……」グスッ
ぐだ「わっ! ご、ごめんマシュ!」
↓1 誰を庇った?
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1594592395
ウィーン
ドスッ、ドスッ
ぐだ男「あ、ジャン」
パンッ!!!!!
マシュ「お、オルタさん!」
ジャルタ「…………」
ぐだ男「痛い」
ジャルタ「良かったですね。生きている証拠ですわ」
マシュ「先輩は怪我をしているので、どうかお手柔らかに……」
ジャルタ「いいこと、マシュ。こういう馬鹿は口で言っても伝わらないの。じゃあ殴るしかないでしょう?」
ぐだ男「怒ってる?」
ジャルタ「いいえ? あなたがどうなろうと私の知った事じゃないですし。というか? 私の事を庇ってこんな大怪我する馬鹿マスターとか? 意味分からないですし?」
ぐだ男「そっか、良かった」
ジャルタ「このっ……!」グッ
マシュ「落ち着いてください!」バッ
ジャルタ「馬鹿じゃないの!? あと数センチ外れてたら死んでたのよ!?」
ぐだ男「そうなんだ。まぁでも、生きてるから……」
ジャルタ「そういう問題じゃない! 放しなさいマシュ! こいつは燃やされないと分からない馬鹿よ!」ジタバタ
マシュ「お願いですから口で! 口でお願いします!」
ぐだ男「怒るのは分かるけど、あそこでジャンヌがやられてたら一気に形勢が悪くなってたから。僕が怪我する程度で勝てるなら、それでよかったと思うんだ」
ジャルタ「…………本当に、あなたという人は……」
マシュ「先輩……そんな風にご自分を軽く見るのは止めてください」
ぐだ男「うーん、そういうつもりじゃないんだけどなぁ……」
ジャルタ「……分かってるの? あんたが死んだら、終わりなのよ?」
ぐだ男「それは理解してる。それでも」
ジャルタ「でももだっても無い。あんたが死んだら終わりなの。だからこそ、あんたを守るために私たちは召喚された」
ぐだ男「うん」
ジャルタ「盾を守って持ち主が怪我をした、そんな話があると思います?」
ぐだ男「みんなは盾なんかじゃないよ」
ジャルタ「あんたがどう思おうと、私たちはあんたを守る為にここにいる。それなのにあんたは庇って怪我をした。あんたは私を……いえ、ここに集った全ての英雄を愚弄したのよ」
ぐだ男「……」
ジャルタ「サーヴァントを【守らないといけないもの】に貶めた。あんたにそういう意図がなかろうと、少なくとも私はそう考えるわ」
ぐだ男「……そんなつもりは」
ジャルタ「なかったとしてもよ」
ぐだ男「……ごめん。本当にそういうつもりじゃなかったんだ。でも……うん、今後は控えるよ」
ジャルタ「そうしてください。……貴方が本当に、心の底から私たちを仲間と思ってくれているのなら、私たちの気持ちも考えてください」
ぐだ男「うん……ごめん」
ジャルタ「……いえ」
マシュ「先輩が私たちを守りたいと考えてくれるのは、本当に嬉しいんです。でも、私たちは先輩を失いたくありません。だから、自分を大切にしてください。元気に生きてくれるだけで、私たちは嬉しいんですから」
ごめん昨日寝てしまった
全部ifの話で、短編集です
飽きるまではチマチマ続けます
↓1 誰を庇った?
関係ない安価は↓で
再安価↓1
赤い血が空を舞う。その光景が強く目に焼き付いた。
生前に散々見慣れていたがどうしたことか、その鮮血は記憶にあるどれよりも真赤に見えた。
若い女の血では無いのに本当に、心の底から綺麗だと思った。
マシュ「せ………先輩ッッッ!!!」
私はどうにもならない程に目を奪われていた。
手を伸ばす。指が濡れた。
ああ、ずるいわ。マスター。自分だけこんなに綺麗に着飾って。
私もすぐに……。
ガァアアアアアアア!!!
マシュ「カーミラさん!!」
ヒュッ
カーミラ「死になさい」
ドォン!! ……ポタ……ポタ
ああ……駄目、全然駄目。濁っていてまるで汚泥。
これじゃまったく釣り合わないわ。
だからもっと……もっと。
この地を奴らの血で染めてあげれば、少しはマシになるかしら。
マシュ「……先輩」
ダヴィンチ「マシュ、彼なら大丈夫さ。命に別状は無い。だからそろそろ君も休みたまえ」
マシュ「はい……」
ダヴィンチ「君はー……ずっとそこにいるつもりかい?」
カーミラ「…………」
ダヴィンチ「うん、好きにするといい。気が済んだら帰るようにね」
ウィーン
カーミラ「…………いつまでそうしてるつもり?」
ぐだ男「……おはようございます」
カーミラ「三日も寝ていておはようも何もないでしょう」
ぐだ男「三日……そんなに?」
カーミラ「……私、貴方を甘く見ていたわ。出会った頃からとんでもない馬鹿者だと思っていたのだけれど、私の想像以上に愚か者だったのね」
ぐだ男「えーと……怒ってます?」
カーミラ「別に怒る理由は無いわね。貴方が勝手に動いて勝手に怪我をしただけだから。呆れているだけよ」
ぐだ男「怒られるよりキツイですね、それ」
ガタッ、スタスタ
スッ……チクッ
ぐだ男「いたっ」
カーミラ「……赤いのね」
ぐだ男「そりゃ血ですからね……?」
カーミラ「でもこれじゃないわ」
ぐだ男「えーと……どうしたんですか?」
カーミラ「同じ貴方の血なのに、どうして違うのかしら? 不思議ね」
ぐだ男「怖いんですが……」
カーミラ「ま、いいわ。良いかしら、マスター。別に貴方がどこで死のうと勝手にすれば良いし、その時はいつか来るかもしれない」
カーミラ「でも今日貴方が私を庇って死んで、それは果たして褒められる事かしら? 誰かに「やりきった」って思ってもらえる?」
ぐだ男「……思ってもらえない、と思います」
カーミラ「そうでしょうね。だって本当に無駄死にですもの。だからマスター、例え貴方自身が納得のできない事でも、それがどんなに貴方の心を傷つける事でも、何を犠牲にしてでも生きて生き延びて、最期に胸を張って死ねるようにしなさい」
ぐだ男「胸を張って……」
カーミラ「自己満足で終えたいのならいくらでも誰かを庇い続ければいいわ。でもそんな貴方は、本当に「尊敬できる先輩」?」
ぐだ男「……滅茶苦茶痛い事言いますね……」
カーミラ「当然でしょう。私を誰だと思っているのかしら」
ぐだ男「すいません。軽率なことは控えます……」
カーミラ「ええ、そうしてちょうだい」
ぐだ男「でも……ごめんなさい。多分俺……目の前で誰かが死にそうになってたら、また飛び出しちゃうと思います」
カーミラ「そうでしょうね」
ぐだ男「だから、もっともっと頑張ります。あの程度の攻撃くらい、ちゃんと避けれるようになります」
カーミラ「……マシュも苦労するわね」
笑顔でそう告げるマスターにため息を吐いた。
ただ、何故かはわからないけど、それで良いような気がした。
この男は哀れで愚か。それに自分で気づいているからたちが悪い。
それでもこの男は虫のように地べたを這いつくばりながら、ゆっくりと前に進むことを止めようとしない。
あ……。そうだ、思い出した。先ほどの光景だ。
あの時は何が起こったのか分からなかったが、そうだ。
ワイバーンの爪がマスターの肩を抉り、血が空を舞った。
常人ならそんな傷を受ければ、激痛で地をのたうち回るだろうに。
あの時のマスターは、私を見て笑っていた。
そうだ。マスターの顔についた血が、とても綺麗―――
ぐだ男「カーミラさん? どうかしましたか?」
カーミラ「あまり調子に乗らないことね」
ぐだ男「……は、はい……?」
……危ないわね。もう生前のような事はしないでおくつもりだったのに。
つい気分が盛り上がりかけたわ。
フフフ……もう少しこの男で楽しめそうね……。
この後「触らないの?」とか言うカーミラさんになるよ
あとまったり進行でやっていくよ
↓1 誰を庇った?
すまんな、歯が痛くて。ちょっと続き書くよ
あとぐだ子は男鯖、ぐだ男は女鯖じゃないとモチベ無いからすまんな
色々とうるさい昨今だが、あんまり同性愛は個人的には好きじゃないんだ
ぐだ男「ん……んん…?」
槍トリア「……おや? 起きましたか」
ぐだ男「あれ……ここ、僕の部屋?」
槍トリア「記憶は確かですか? 身体は痛みますか?」
ぐだ男「……あ。そうだ、僕……」
槍トリア「思い出したようですね。それでは言わせてもらいますが……」
槍トリア「なんという無茶をしたのですか! 貴方は!」
ぐだ男「うおっ!?」
槍トリア「咄嗟に私が敵を倒さなければ、貴方は腕を失っていたのかもしれないのですよ!」
ぐだ男「ご、ごめんなさい!」
槍トリア「……ふぅ。本当はもっと色々と言いたい事があったのですが、貴方の顔を見ていたら忘れてしまいましたので、説教はしないでおきますが……」
ぐだ男「いや、その……本当ごめん。無茶なのは分かっていたんだけど、もう本当に体が勝手に動いちゃって……」
槍トリア「私が頼りないのは理解していますが、それでも私は騎士です。マスターに守られなければいけないほど脆弱ではありません」
ぐだ男「頼りないなんて思った事ないよ! でも……騎士の誇りを傷付けるような真似をしたのは理解してる。本当にごめん」
槍トリア「おや? 貴方の事ですから「僕よりもアルトリアが万全でいてくれた方が戦況が有利になる」などと言うと思っていましたが、多少は成長したようですね」
ぐだ男「うっ……いや、そういう風に考えている所はあるけど、僕の命は僕だけのものじゃないから……」
槍トリア「その自覚を持っているのなら、無茶はしないようにしてください」
ぐだ男「気を付ける」
槍トリア「……でも、何事も無くて本当に良かったです。マスターが敵サーヴァントに斬られた時は、血の気が引きました」
ぐだ男「一応急所は外れるように避けたつもりだったんだけど、やっぱりサーヴァント相手だと無力だね……」
槍トリア「ええ、当然です。軽傷で済んだのは奇跡みたいなものなのですから、過信はしないように」
ぐだ男「しないしない。ナメて相手にできるような敵なんて、今まで一度も無かったよ」
槍トリア「……ええ、そうでしたね。貴方はいつも全力で」
ぐだ男「やれることは全部やる。全部やって死ぬんなら、笑って死ぬ。それが僕の信条だからね」
槍トリア「ふふ。なら、もっと強くなってできる事を増やしていきましょうか。怪我が完治したら、今まで以上に厳しくいきますよ」
ぐだ男「その前に、みんなの説教をやり過ごさないとなぁ……」
槍トリア「それは自業自得ですので、甘んじて受けるように」
ぐだ男「はーい」
なんかイメージで勝手に絆3くらいで書いてるけど、これ絆5とかもっとイチャイチャさせた方が良い気がしてきた
次くらいからそんな感じでいくよ
↓1 誰を庇った?
ぐだ子「ん……んん……」
ぐだ子「うわぁ!!」バッ
ティーチ「お? 大丈夫かマスター?」
ぐだ子「はぁ、はぁ……! あれ、私……?」
ティーチ「ほれ、水飲んでとりあえず落ち着け。腹は痛むか?」
ぐだ子「お腹……? あ、ありがとう……」ゴクッ
ティーチ「おう」
ぐだ子「……あっ! 私、銃で!」
ティーチ「思い出したか。ああそうだ、俺を庇って銃で撃たれたんだよ、お前さんは」
ぐだ子「ああ……だからくろひー怒ってるのか……」
ティーチ「当たり前だろうが! ったく、俺ぁ泣く子も黙る大海賊だぜ。撃たれるのも斬られるのも慣れてるってのに」
ぐだ子「うん……ごめん」
ティーチ「俺達がなんのために戦ってるか知らねぇみたいだから、この際ハッキリと言っておくが、お前の為だマスター。お前を宝を守るみたいにして戦ってやってんのに、その宝が勝手に動き出して敵に奪われるとかよぉ、やってらんねぇっての」ドカッ
ぐだ子「心配かけてごめん。避けたらくろひーに当たるって思ったら、避けられなくて」
ティーチ「…………あー……なんだ、その。別に、なんだ。いや、怒ってるんだがよ。……悪い気分じゃねぇんだ。船の上じゃ、仲間も常に俺の命を狙ってやがった。わざわざ守ってくれるような奴なんていなかったからよ」
ぐだ子「くろひー」
ティーチ「だがそれとこれは別! 良いかマスター、俺達は使い捨ての駒なんだ。お前さんの命さえ無事ならそれでいいんだ。頼む、俺達の戦いを無駄にしないでくれ」
ぐだ子「うん。ごめん。ごめんね、くろひー」
ティーチ「……デュフフフ! さてさて、あんまり暗い話ばっかりじゃつまりませんからな。ほれほれ、マスターも落ち込んでばかりいないで! これから頑張ればいいのですぞー!」
ぐだ子「うん……そうだね」
ティーチ「マスターは難しく考えすぎなのですぞ! サーヴァントを必要以上に個人として扱う! ゲームやアニメの世界ならそこから始まるロマンスもありましょうが、ここは現実。生きるか死ぬかの際の際! 隙を見せたら即お陀仏!」
ぐだ子「分かってはいるんだけどね。頭では理解してても、それでもみんな大切な仲間なんだって思うとさ」
ティーチ「仲間だと思ってくれるのは大歓迎ー! ですが、もう少し割り切るのが肝心ですな。マスターが生きる! 拙者達も生きられる! 死んでも復活! 簡単な話ですぞ!」
ぐだ子「アハハ……そうだね。うん、そうなんだよ。そうなんだけどさ……そうなんだけど……」グスッ
ティーチ「あーあー! 乙女の涙はこんな男には勿体無いなー!」
ぐだ子「私、馬鹿だけど……でも、怖いんだよ、くろひー……目の前でくろひーが血まみれになって、消えるって思ったら……」グスッ……
ティーチ「……分かった。ああ、そうだな、そうだ。お前はただの一般人だったな。なら約束してやる。良いか、マスター。俺は死なねぇ」
ぐだ子「え?」
ティーチ「何度死んでも生き返ってお前を守ってやる。例え首を刎ねられようと、起き上ってきてやる。約束だ」
ぐだ子「……くろひー」
ティーチ「どんだけ傷つこうと、お前だけは傷つけない。これは海賊黒髭として誓う。だからお前も誓ってくれ。俺を信じると」
ぐだ子「……うん。ずっと信じてるよ、くろひー」
ティーチ「その言葉だけで俺は、拙者は戦えるでござるよ」ニッコリ
ティーチの声付きのセリフ少なすぎて泣いた
今日は終わる。またそのうち
↓1 誰を庇った?
ウィーン
蘭陵王「マスター!!!」
ぐだ子「お? おはよう蘭陵王。どしたの?」
蘭陵王「…………」ジッ
ぐだ子「ん?」
蘭陵王「…………」ホッ
蘭陵王「何を考えているのですか貴女はッッッッ!!!!!!」
キィイイーーーン
ぐだ子「うへっ!」
蘭陵王「私を庇ってこんな大怪我を負うなど!!!」
ぐだ子「ちょ、待って待って! 冷静に話し合おう! というかアレは私が悪いから、蘭陵王が気にすることじゃないよ!」
蘭陵王「なっ……あ……ぐ」
ぐだ子「いや本当、相手の情報を見落としてて編成ミスするとか、まだまだだなぁ……」
蘭陵王「貴女は……もう!」ズカズカ
ぐだ子「怪我だって全然平気だよー。一か月くらいで治るってさ」
スッ
蘭陵王「マスター。そういう問題ではありません。マスターはわが主ではありますが、貴女が普通の人間であることも理解しています。貴女は人類最後のマスターであって、ただの普通の少女なのです。そんな貴女に一生残る傷を負わせるなど……」
ぐだ子「私気にしてないよ? 戦うって決めた時からそんなの覚悟してるし」
蘭陵王「マスターが気にせずとも私が気にするのです! しかもその怪我は私を守って受けたもの……一生の恥です……」
ぐだ子「んーーー……でもさ、あそこで蘭陵王を守らなかったら蘭陵王はやられてて、陣形が崩れてそのまま全滅してた可能性もあるよね? なら気にする必要なくない?」
蘭陵王「ですから……! マスター、貴女はご自分の命をなんだと思っているんですか!?」
ぐだ子「そりゃあ、大事なものですよ? でも大事だからって後生大事にしようとして、結果失われるようなことがあっても意味ないしなぁ。あの時はあれが正解だった、無茶だし本当はいけないことだけど結果的に助かった、それじゃダメ?」
蘭陵王「それは……」
ぐだ子「怪我だってするよ。傷だって残るよ。苦しいよ。辛いよ。でも私は勝つ為にできる事はなんでもする。知ってるでしょ?」
蘭陵王「……はい。そんな貴女をお支えしたいと」
ぐだ子「最後に笑う為に戦うんだもん。蘭陵王はその為に一緒にいてくれてると信じてる。だからさ、私が傷ついたくらいで悲しまないでほしい。私が苦しんでいるときに一緒にいてくれて、私が泣きそうになった時に慰めてくれて、私が危ない時に助けてくれて、一緒に最後まで悔い無く戦う。そんな蘭陵王でいてほしいな。すっごいワガママ言ってるとは思うけどさ」
蘭陵王「……そう、ですか。でも、それは……いえ。分かりました。マスターがそう望まれるのでしたら、この蘭陵王の全てを賭して尽くしましょう。ですが……」スッ
ぐだ子「おふ。いきなりイケメンフラッシュは厳しいのですが……」サッ
蘭陵王「どうか、目をそらさないでください。マスター、私は貴女をお守りします。ですが、私は……貴女を心よりお慕いしております」
ぐだ子「……………………へあ?」
蘭陵王「分かりませんか? でしたら言い方を変えましょう。私は貴女を愛しています。わが身の全てを捧げても惜しくないと思うほどに」絆10
ぐだ子「え、ええええええ!? ちょ、えええ!?」
蘭陵王「そんな愛する女性が私のせいで怪我をするなど、人から我慢強いと言われる私でも耐えられることではありません」ガタッ
ぐだ子「ちょ、近い近い近い顔が良いよぉおお!」
蘭陵王「お願いします……自分を大切にしてください……貴女が傷つくことが何より悲しいのです……」
ぐだ子「分かりました! 分かりましたから! あんまり無茶しないようにしますのでぇ!」ヒエエエ
蘭陵王「…………それならよかったです」チュッ
ぐだ子「ほああああ!」
蘭陵王「では私はこの辺で。ゆっくりとお休みください、マスター」
ウィーン
ぐだ子「…………こ、これが男すらも惑わすという魔性の蘭陵王……」ドキドキ
乙女ゲーみたいなの
またそのうちにー
↓1 誰を庇った?
ウィーン
秦良玉「マスター……」
ぐだ男「ん? あ、良さん。おはよう」
秦良玉「…………お目覚めになったと聞いて来ました。ご無事のようで、何よりです」
ぐだ男「う、うん。えーと……大丈夫? 顔が真っ青だけど」
秦良玉「私は……私は……!」バッ
秦良玉「申し訳ありませんでしたっっっ!」ドゲザァ
ぐだ男「ええええええっ!? ちょ、何事で!?」
秦良玉「この身はマスターの盾であり矛……にも関わらず務めを全うできないどころか、敵からの攻撃に反応できずにマスターに庇われる始末……どうか、どうか私になんなりと罰をお与えください……」
ぐだ男「罰って……いや、あれは僕が勝手に」
秦良玉「そこにどんな理由があろうと! マスターをお守りできずにそんな怪我を負わせたのは事実です!」
ぐだ男「うーんと……とりあえず顔をあげてほしい。僕は良さんになんの落ち度も無かったと思うよ。あの時、孔明を守ろうとしたのは当然の判断だし、それで奇襲の対応が遅れて僕だけが動ける状況だったんだから。うん、僕は良さんを責める気は無いし、無事に生きて帰ってこれたから上々じゃない?」
秦良玉「そんな……それでは私の気が」
ぐだ男「僕と良さんは確かにマスターとサーヴァントだけど、でも良さんと僕は仲間だよ。仲間を守ってなんでその仲間を罰しなきゃいけないの? すごい変じゃない?」
秦良玉「そ、それは……そうですが……」
ぐだ男「ね? だから良いの。こんな怪我なんともないし、戦闘には勝てたし、なんの問題も無いよね」
秦良玉「…………うう……」
ぐだ男「だからもう謝らないでほしいな。ほら、いつまでもそんな土下座なんてしてないで」
秦良玉「は、はい……」シュン
ぐだ男「こっち来て、良さん」
秦良玉「え? あ、はい」スッ
ぐだ男「手、借りるね」ギュッ
秦良玉「マスター? なにを」
なでなで
ぐだ男「謝罪じゃなくて、こうして欲しいなーって。僕が勝手にやった事だから感謝するような事でも無いんだけどね」
秦良玉「マスター……」キュン
ぐだ男「もっとかっこよく助けられれば良かったんだけどね……ごめんね、心配かけて」
秦良玉「…………いえ」ナデナデ
ぐだ男「一応鍛えてるからそこそこ動けるかなーって思ったんだけど、ほんと全然動けなくてさ。やっぱりサーヴァントってすごいなぁ」
秦良玉「…………」ナデナデ
ぐだ男「えーと……良さん? あの、そんなに撫でなくてもほんと、僕全然平気だから。ごめん、そんなに心配かけちゃった?」
秦良玉「……私は……もっと、もっと強くなります。マスターに余計な心配をかけないくらい強くなりますから、お願いします。貴方をずっと、守らせてください」
ぐだ男「う、うん。むしろ僕の方がお願いしたいくらいなんだけど、是非。これからもよろしくね」
スッ……チュッ
ぐだ男「ほ!? デコチュー!?」
秦良玉「貴方は私が守ります。貴方が平和な世界で生きていけるように、全霊をかけて戦います。ですから……」
ぐだ男「あのあの! 良さんこれはいったいどういうアレなんです!?」
秦良玉「私の前からいなくならないでくださいね」
チュッ
ぐだ男「~~~~~~~!?」
秦良玉「~~~!!!!!!!!! し、失礼しました!! その、マスターがその! あまりに可愛らしく見えっ!? いえそのアレ……私はこの辺で失礼します!!! おやすみなさいマスター!!!」
ビュンッ
ぐだ男「……キス、されたけど……え? そういう事、なの? いやでも可愛いって、弟的なあれ? ど、どういうことなんだぁ!?」ガバッ
秦良玉ってすごいエロいお姉さん風だけど絶対ヤンデレだよね
解釈違いは認める
バサスロはまたそのうち書くけど、Arrrrrrrrrrrしか言わないのになにを書けば良いんだろう
いやすまん、コロナの疑い+新イベ+マイクラブームのトリプルパンチ食らってた
バサスロみたいに書きにくいサーヴァントは短めになるってことだけは断っておく
狂気。決して外れる事の無い仮面。戦場。飽くなき闘争。
初め、これを己の罰とした。幾度もの戦闘に傷つくたびに、狂った思考の内に喜びを見出していた。
しかしそれはすぐに過ちであると思い知らされる。
正常な思考の出来ない我が身だと思っていたが、カルデアにいる己はただ「狂ったフリをしていなければ己を保てないランスロット」でしかなかった。
ここは異常だ。
我が王がいた。一人ではない。我が王のようで我が王ならざる者や、我が王に限りなく近い者、私の知らない我が王の未来や過去、そして宇宙から来たとかいうほぼ我が王。
我が友がいた。皆私の知る者たちだ。この環境に完全に適応し、日々面白おかしく過ごしている。
狂う前の己がいた。私を見て苦しそうな顔をしたと思えば、水着だなんだと日々を謳歌していた。
我が罪の証がいた。彼女は……私を憐れんでいた。
何よりも異常なのは、新しい主が女性で、心底から善良であったことだ。
理不尽に未来を奪われながら、笑いながら未来を語る少女。
彼女はどんなサーヴァントであろうと分け隔てなく接し、どんな困難を前にしても笑顔であった。
贖罪の為に戦っていた我が身は、いつからかその罪を見失っていた。
これがその罰か?
騎士を捨てたこの身への罰ならば、甘んじて受けよう。
我が主を守る為の騎士は、もういない。
ここにいるのは、我が主の敵を殲滅する獣なれば。
我が身に許された答えはただ一つ。
敵を殺す。殺す。殺すのだ。
「Arrrrrrrrrrrrthurrrrrrrrrrrrrrrrr!!!」
敵がいなくなるその日まで。
バサスロって茶化しにくい雰囲気あるけど、円卓の騎士のせいで台無しだよ
今日は終わる。またそのうち
↓1 誰を庇った?
しまった間違えてsageちった
モードレッド「……退けよランスロット。テメェに用はねぇ」
ランスロット「マスターはまだ治療中だ。今の卿を通す訳にはいかないな」
モードレッド「あ? 喧嘩売ってんのか?」
ランスロット「冷静になれと言っているんだ。それほどに殺気を放っている者をマスターに近づけるとでも?」
モードレッド「冷静になれ……だぁ? ふざけんなよ。お前なら冷静でいられるか?」
ランスロット「無理、だろうな。守るべき者に守られるなどという汚名……うっ」ガンッ
マシュ「…………」
モードレッド「んだよ、マシュもいんのか……チッ、めんどくせぇ」
マシュ「申し訳ありません。今回の事は先輩が悪いです。ですが、今のモードレッドさんを先輩に近づけるのは危険と判断しました。これは他の円卓の皆さんの同意も得ています。後日、正式に謝罪に行きますので今はどうかお引き取りを」
モードレッド「……あー……」ワシワシ
モードレッド「別になんもしねぇよ、ちょっと顔見に来ただけだ。そりゃムカついてるけどよ……いやスゲームカついてるけど、それであの馬鹿に手なんか出さねぇっての」
マシュ「モードレッドさんのことは信用しています。ですが、今は」
「いいよ、マシュ。ありがとう。モードレッドでしょ? どうぞ、入って」
マシュ「先輩!?」タタッ
ウィーン
マシュ「先輩、意識が……良かった……」
ぐだ男「心配かけてごめん。今起きたばっかでまだ頭混乱してるんだけど……うん、モーさんの顔見たら思い出してきた」
アスクレピオス「騒々しい連中だ。命に別状は無いと伝えておいただろうが。仮に命の危機であったとしても、僕がいて何の不安があるというんだ?」
アスクレピオス「まったく、刀傷なんていうつまらない怪我程度で大騒ぎするな。患者は安静に、用がある人間は夜が明けてからにしろ」
マシュ「も、申し訳ありませんアスクレピオスさん……先輩、本当に無事でよかったです。ですが、あのような無茶は」
アスクレピオス「明日にしろ」グイッ
マシュ「わわっ! おやすみなさい先輩!」
アスクレピオス「お前もだ」
モードレッド「……5分くれ。すぐ終わらせる」
アスクレピオス「…………それ以上は待たんぞ」
マシュ「あっ、ちょ」
ウィーン
ぐだ男「こんなことになってごめん。ギリギリ間に合うと思ったんだけど、無理だったみたい」
モードレッド「…………」
ぐだ男「皆に鍛えられてるから、イケるかと思ってたけど全然。情けない」
モードレッド「…………」
ぐだ男「一瞬で意識失ったみたいでどうなったのかは殆ど覚えてないんだけど、僕斬られたんだね。なんか強めの薬使われてるっぽくて、全然体の感覚なくてさ」
モードレッド「…………」
ぐだ男「あの、モーさん?」
モードレッド「ぶん殴って二度と同じ事しねーように言いに来たんだけど、お前の顔見てるとなんか、色々どうでもよくなってきたわ」
ぐだ男「ええと……僕の顔、お得だね?」
モードレッド「うるせぇ。あー、そうか。まぁあれだ。次やったら俺が直々にたたき斬ってやるから覚悟しろよ」
ぐだ男「善処するけど、必要があればまたやるかも」
モードレッド「あのな。……や、いいわ。同じことが無いようにオレが守れば良いって話だよな」
ぐだ男「あの……怒りメーター振り切れて逆に優しくなっちゃった?」
モードレッド「人に怒られると分かってる事はやんじゃねぇよ」
ぐだ男「ごめん」
モードレッド「……マスター。オレ、さっきまで滅茶苦茶ブチギレてたんだよ」
ぐだ男「うん……?」
モードレッド「でも、お前の顔見たらさ……なんかわかんねぇけど、ほっとしちまった。ワケわかんねぇ……なんだこれ?」
ぐだ男「……うん」
モードレッド「……お前の腹、斬られてさ。滅茶苦茶血が出て、内臓見えてて、オレ……」ポロッ
ぐだ男「モーさん!?」
モードレッド「ワケわかんねぇ……わかんねぇけど、お前が悪いんだ……お前が心配させるから……」グスッ、グスッ
ぐだ男「心配かけてごめん、本当。反省する」
モードレッド「目覚まさないってガウェインの野郎が言ってて、ずっと気分悪くて、ガウェインの野郎ぶちのめして……ヒック……全然気分晴れなくて……」グスッ
ぐだ男「ガウェインもごめん……!」
モードレッド「……お前は傷ついちゃダメなんだ。オレが守ってやるから、二度と傷つくな。約束しろ」ゴシゴシ
ぐだ男「……分かった」
モードレッド「……あー! なんだよこれ! クソッ! ここに来てから意味わかんねぇことばっかだ! 全部お前のせいだからな!」
ぐだ男「なるほど?」
モードレッド「この貸しは高くつくからな! 覚えとけよ! とっとと寝やがれ!」ガンッ
ウィーン
ぐだ男「…………。モーさんも泣くんだなぁ……なんか胸が痛い」
オレには何もなかった。誰も何も与えてくれず、自分の居場所は自分で手に入れるしかなかった。
奪ってやる。自分に居場所がないなら、奪い取って勝ち取って何がなんでも居場所を手に入れてやる。
そんな想いを抱きながら、結局何も得られずに生を終えた。
こんなオレを召喚するなんて、相当なロクデナシだと思ってた。
なのにあいつはオレに言った。
「お願い、力を貸してほしい。僕には貴方の力が必要なんだ」
まっすぐ見つめられて、その瞳にくぎ付けになってしまったのを今でも覚えている。
澄んだ瞳には熱い感情が籠められていて、本当の本気でオレを必要としていて、何が何でも勝ってやるという気持ちが伝わってきた。
つまんねー奴ならぶん殴って帰ってやろうかと思ってたのに、向けられた感情が心地よくてこいつの為に戦ってやる気になれた。
ここでの生活は楽しかった。生前では考えられないような毎日。
楽しくて楽しくて楽しくて楽しくて……失う訳にはいかない大切なものになっていた。
その象徴たるマスターを、目の前で失いそうになった。
このオレが。反逆の騎士モードレッド様が。
ひ弱なマスターを失なったと思った瞬間、恐怖した。絶望した。怖くて怖くて何も考えられなくなっていた。
マスター。弱い癖に前向きで臆病者の癖に勇気があって何も持ってないのに周りに幸福を振りまく馬鹿野郎。
いつからオレは、あいつを特別視していたんだ?
自分の事だっていうのに、気づきもしなかった。失いかけて初めて気づいた。
あいつの顔を見た途端、何もかもどうでもよくなって、嬉しくなって抱きしめたくなった。
…………まさか、このオレが。
何度否定しようとしても、結論は一緒だった。
ならばどうだというんだ? 別に何も変わらない。
……守る。誰の為でもなく己の為に。
この剣にかけて、二度とは繰り返さない事を誓う。
オレの居場所を、誰にも奪わせてたまるか。
四人の推しの一人が出てしまったようだね。あとの三人来たら終わりにするよ
モーさんって生前が生前なだけに、依存しそうだなっていう妄想。解釈違いの人にはすまんな
今日は終わる。またそのうち
↓1 誰を庇った?
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