主人公「安価とコンマで武装探偵社の一員として活動する」【文豪ストレイドッグス】 (265)

「恥の多い生涯を送ってきました。」
──────『人間失格(太宰治)』



「ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。」
──────『羅生門(芥川龍之介)』



「人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。」
──────『山月記(中島敦)』





◆このスレは、漫画『文豪ストレイドッグス』の世界観を基にした安価スレです。原作のネタバレがあります。

◆キャラクターを作成、その中で主人公を決定し、武装探偵社の一員として活動しながら物語の終結を目指すのがスレの目的となります。

◆基本的に、原作の展開に準拠していきます。なので用語などは原作と同じものが多くなります。

◆原作と矛盾するのを避けるため、このスレではパラレルワールド設定を採用しています。なので原作キャラはほぼ出ません。

◆原作よりもキャラクターの大怪我・死亡による離脱の可能性は高いです。

◆当然の如くオリキャラばかりとなります。

◆採用したキャラクターのモデルである文豪にまつわるエピソードやサブキャラを>>1が勝手に出す可能性があります。

◆色々な文豪の名前が登場しますが、この物語はフィクションなので、実在する本人とは無関係です。

◆物語が進むにつれ展開は原作からかけ離れていきます。

>>1は単行本派。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1585645736

それでは、まずは主人公を決めましょう。名前・性別・能力名・容姿・性格・キーワードを募集をします。性別は男固定で。

下記のテンプレを参照の元、文豪ストレイドッグスっぽいキャラクターを作成してください。なお、今回の安価のみ、原作に出てきた文豪をモデルにするのはナシです。


名前:文豪の名前(例:中島敦、太宰治、芥川龍之介など)。小説家や詩人、評論家、脚本家などなど……何かしらを書いている人であれば文豪とします。職業も時代も問いません。ただし、今回は日本の文豪のみでお願いします。
性別:男固定。モデルとなる文豪の性別と違っていても可。
能力名:その人物の作品名や格言、異名、筆名など……それにまつわる能力名をお願いします。なお、能力の詳細はコンマ判定の後、こちらで決めます。詳しくは下にて説明します。
容姿:世界観を壊さない程度であれば自由です。
性格:世界観を壊さない程度であれば自由です。
喋り方:一人称や三人称、語尾など。特にナシでもオッケー。
備考:何か他にあれば(この人物のこのエピソードを出してほしい、この人物の作品のこのキャラクターをサブキャラクターで出してほしいなどなど)。ナシでもオッケー。


異能力について。異能力は、皆さんから安価で貰うよりも>>1が決めた方が「どんな異能力なんだろう?」と思ってもらえるかなーと思っているのですが、全部>>1が決めるのは安価スレっぽくないので、能力名(『月下獣』や『人間失格』、『羅生門』など)を安価してもらい、能力の系統と強さはコンマで決めたいと思います。


<異能力の強さ(コンマ十桁×文豪の知名度)>

強弱というよりは、能力の範囲や制約の有無などを指しています。

1が一番弱く、9が一番強い。0は異次元の強さ。ここに文豪の知名度を掛けたものが最終的な「異能力の強さ」となります。

知名度というのもアバウトな感じがありますが、本当に誰でも知っている文豪の芥川龍之介や太宰治、福沢諭吉などをコンマ一桁9レベルほどとします。


<異能力の系統(コンマ一桁)>

1、2、3:非戦闘系(戦闘以外の部分にて真価を発揮する異能)例:人上人不造、蒲団、モルグ街の黒猫
4、5:戦闘系(肉体を強化したり、単純に戦闘能力が高い異能)例:雨ニモマケズ、羅生門、汚れつちまつた悲しみに
6、7:具現化系(物品や異能生命体などを具現化する異能)例:独歩吟客、月下獣、夜叉白雪
8、9:現実介入系(何かしらの事象に働きかける異能。「現実改変」などの壮大な物は含まれない)例:人間失格、細雪、怒りの葡萄
0:その他(治癒系・精神操作系・現実改変系などの希少な異能)例:君死給勿、ドグラ・マグラ、完全犯罪

それでは下5くらいまでキャラクターを募集。再度テンプレを貼るので、それを利用して安価してください。その中から主人公になりそうなキャラを採用します。もちろん、他のキャラも後にきちんと採用します。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓5くらいまで。上記のテンプレをご利用ください


名前:大道寺将司(だいどうじまさし)
性別:男性
能力名:『腹腹時計』
容姿:中肉中背のほぼ日本人平均なスタイルと顔、ミリタリールック
性格:刹那的で俗物、ただし社会的な理念は守る
喋り方:年上には丁寧語、立場が上の人間には敬語、同格以下にはタメ口
備考:銃器オタク

名前:司馬 遼太郎(しば りょうたろう)
性別:男
能力名:『燃えよ剣』
容姿:黒髪天然パーマ。背が高くパーカーを羽織っている。
性格:正義感が強く、少しだけ熱血漢がある。
喋り方:一人称は俺。年上には敬語で同じ年もしくは年下だとタメ口。
備考:昔剣道部をやっていて剣術が得意。

安価ありがとうございます! >>1の独断で主人公は>>8の司馬遼太郎に決定です。一番主人公っぽい熱い性格なので。


それでは始めていきます。まずは主人公が武装探偵社に入社する切欠から……。

夕刻の鶴見川の辺に、一人の男が倒れていた。


帽子付上着(パーカー)を羽織った彼の名前は司馬遼太郎。地元ではそれなりに名の売れた不良少年(バラガキ)だ。


余談だが───故あって餓死寸前である。



司馬(参った……腹が減っては戦は出来ぬ。腹が減っては動く事が出来ぬ……)

司馬(持ち合わせている物と云えば、この上着と木刀一本のみ……)

司馬(こんな処で朽ちたくは無いが……もはやここまでか…………)

司馬(…………ん?)



【司馬は何かを見つけたようであります。それは一体? 下から選択して下さい。】

壱、遠くから男が話し掛けて来た。
弐、男が自分の近くにどッと倒れて来た。
参、気が付くと、男が自分をじッと見て居た。

↓1

>>15選択:弐……登場するのは西尾維新です。



ドサッ……

男が自分の近くにどッと倒れて来た。黒い外套(コート)を着た変な男である。

西尾「痛たた……参ったね。悪戯が過ぎたのかな、少し。至って真面目だと云うのに、こっちは」

司馬「貴方は……」

西尾「マァ、僕は路傍の石ころだから、この扱いは不自然では無いけれども」

西尾「しかし、流石の僕にも自尊心(プライド)という物は有る。このままでは終わらないぜ」

司馬「あの、貴方は……」

西尾「まずは、あの娘の下着(パンツ)を見に行こう!」

司馬「何言ってんだッ!!」ガバッ!!

西尾「おや、生きていたのかい。てっきり僕と同じく石ころだと思ったぜ」

司馬「石ころ!?」

司馬「そ……そんな事より、ぱ、ぱ、ぱ……」

西尾「下着(パンツ)かい? 男ならスッと云いなよ」

司馬「そ、それを見に行くなんて、どういう了見なんだ!」

西尾「……? 変な事を云うんだね。下着(パンツ)は見に行く物だよ。それが常識(マナー)さ」

司馬「は、破廉恥だ! 許せん!」

司馬「お前みたいな不埒な輩は、叩き斬って……!!」フラッ……

司馬「あれ……?」


バタンッ!!


西尾「……倒れてしまった」

西尾「こんな木刀じゃあ叩く事は出来ても、斬る事は難しいと思うけどなぁ……」

西尾「……さて、どうしようか。男だから放っておいてもいいかな…………?」

西尾「……何てね」

[場面転換中───]


司馬「…………」

司馬「…………ハッ!?」

司馬「こ、ここは……」

西尾「ここはとある事務所」

司馬「!」

西尾「やっと起きたね。待ち草臥れてしまったよ」

司馬「お前……さっきの変態!」

西尾「失礼な。唯の変態じゃない、紳士的変態だ。其処だけは勘違いしないように」

司馬「結局変態じゃないか……!」

司馬「ぐっ……!!」フラッ……

西尾「ほら、お腹が空いているんだろう。何か食べないと」スッ……

西尾「お茶漬けを用意した。梅干に刻み海苔、鶏肉を熱い白湯に浮かべた物だ。塩昆布と共に掻き込むと良い」

司馬「……!!」

西尾「まるで孤児院の台所で人目を忍んで食べた夜のお茶漬けのような味がするだろう」

司馬「い、いただきます……!!」ガツガツ……!!

西尾「おー、いい食べっぷりだー」

西尾「ところで……君の名は?」

司馬「モグモグ……ゴックン!」

司馬「俺ですか? 俺は司馬遼太郎です」

司馬「貴方は……?」

西尾「僕の名前は西尾維新」

西尾「西尾維新の西、西尾維新の尾、西尾維新の維、西尾維新の新で、西尾維新だ」

司馬「……はぁ」

西尾「つれないなぁ。仕事を中断して君の相手をしてあげていると云うのに」

司馬「仕事……?」


西尾「なァに───探偵さ」


司馬「た、探偵……?」


西尾「探偵と云っても、猫探しや不貞調査ではない。斬った張ったの荒事が領分だよ」


西尾「異能力集団『武装探偵社』……知っているかな?」



【司馬は『武装探偵社』を知っているだろうか? コンマ一桁判定。】

1~3:武装探偵社を知っている
4~6:武装探偵社を知らない
7、8:武装探偵社を捜していた
9:武装探偵社に入社予定
0:武装探偵社どころか何も憶えていない

↓1

司馬が武装探偵社を知らない事が判った処で本日はここまで。少しばかり手探りではありますが、しっかりやっていきますのでよろしくお願いします。

なお、>>1はONE PIECEの安価スレ(現行スレ:【3スレ目】主人公「今度こそ、安価とコンマで海賊王になる」【ONE PIECE】 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1569650740/))もやっております。そちらの方では更新が無い場合は一週間ごとに生存報告をしていますが、こちらでは二週間ごとに生存報告を行いたいと思います(こちらの方が書くのに時間が掛かる可能性が高い為。文豪の作品を読む必要があるかもしれないし)。


最後にキャラクター安価をして終わります。先程と同じく日本の文豪縛りで募集します。性別は女性でも構いません。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください

名前: 北原白秋
性別: 男
能力名: 『邪宗門』
容姿:ぴっちりしたスーツに帽子を着用し、常にタバコを吸っているヘビースモーカー
性格:非常に自信家でありながら厳格、自他共に厳しい
喋り方:「~かね!」「ーだね!」と語尾が疑問系か断定に分かれる
備考: 立ち振る舞いから育ちの良さが垣間みえる

それでは始めます。探偵社に入る切欠を終わらせて仕舞いましょう。

>>19選択:コンマ一桁4……司馬は武装探偵社を知りません



司馬「武装……探偵社?」

西尾「……その反応は知らないね?」

司馬「はあ……ヨコハマの事はあんまり……」

西尾「仕方無い……ならば説明してあげよう」

西尾「武装探偵社とは、軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団の事だ」

西尾「怪しい昼の世界と妖しい夜の世界……その間を取り仕切る薄暮の武装集団さ」

西尾「そして……探偵社の社員は多くが異能の力を持つ『能力者』なのだよ!」



司馬「ふーん……」

西尾「ふーん、て。もうちょっと反応しておくれよ。意気揚々と話した僕が馬鹿みたいじゃないか」

司馬「いや、御飯は本当に有り難かったんですけど……その話にはあまり興味が無いので……」

西尾「困った正直者だね……」

司馬「……実は俺、軍に入隊する為に村から出て来たんですよ」

司馬「ですが、思ったより遠くて……食糧が足りなくて行き倒れて居たんです」

西尾「馬鹿は君だったか……」

司馬「でも、貴方のお陰で復活しました! これで漸く軍の処に行けます! 本当に有り難う御座います!」


西尾「……! そうだ」ピーン


司馬「?」

西尾「先程も云ったけれど、僕の所属する武装探偵社は軍警とも連携しているんだ」

西尾「今日の仕事も軍警絡みの依頼でね。そこで……どうだい? その仕事を手伝ってみないかい?」

司馬「え……でも、俺は軍に……」

西尾「へえええええ……君は一宿一飯の恩義と云う物を知らないんだ。まさに恩知らずという訳だねえええええ……」

司馬「い、いやいや! そんな事は!」

西尾「うん! それじゃあ決まりだね」ガタッ!!


西尾「来いよ、司馬遼太郎。非日常の世界に連れて行ってあげるぜ」


司馬「…………」

司馬「……あれ?」

司馬「何でこんな事に……!?」




序章【人生万事塞翁が司馬】



[場面転換中───]


司馬「そう云えば……西尾さんも鶴見川で倒れてましたよね。何か有ったんですか?」

西尾「ん? いや、大した事じゃないよ。気にすんねー気にすんねー」

司馬「はぁ……」

西尾(気になるあの娘にムフフ……な事をしたとは云えないね。黙っておこう……)

西尾がそんな決心を密かにした処で、彼等は港近くの倉庫に辿り着いた。

司馬「この倉庫は……」

西尾「此処が今回の依頼の終点(ゴール)。正確には、この中に居る奴を何とかすれば完了だ」

西尾「時に司馬君、君は〝港の幽霊(ゴースト)〟の噂を……知っている訳無いね」

司馬「はい、全く」

西尾「そうだよね……判っていたよ……」

西尾「〝港の幽霊(ゴースト)〟とは、最近ヨコハマでまことしやかに囁かれている物語だ」

西尾「曰く、この港には幽霊が住んで居て、夜な夜なを人を襲い、魂だけ抜き取って捨ててしまうと云う……」

司馬「そ、そんな噂が……」ゴクリ……

司馬「まさか……その噂が本当だと?」

西尾「それを確かめるのが今回の仕事。噂じゃあ軍警は動かないからね」

司馬(何だ……やっぱり唯の便利屋じゃないか)

司馬(西尾さんには悪いけど……この仕事が終わったら早々に軍に行こう……)

西尾「さて……司馬君」



西尾「───ここからが、物語の始まりだよ?」




ガララ……!!


体格の良い男「!? 誰だ!!」

司馬「えっ……!? あの格好は……!」

司馬「……軍人!?」

司馬「それに、これは……!!」

其処には有ったのは……夥しい程の血痕。使い込まれた凶器の数々。そして、怪しげな貨物庫(コンテナ)……。

西尾「幽霊の、正体見たり枯れ尾花……ってね」

司馬「ど、どういう事ですか!?」

西尾「至極簡単さ。幽霊だと思われていたのは、あの可愛げの無い男。そして抜き取られていたのは魂では無く……」

西尾「……臓器」ドン……!

西尾「あの男は臓器売買の為の臓器を仕入れる役割を担って居るんだ。恐らく軍人という地位も利用して居るだろうね」

司馬「そ、そんな……」

体格の良い男「チッ……!! その情報を何処で知った、この糞餓鬼!!」

西尾「我が武装探偵社には優秀な人員が大勢居るんだよ。それこそ、僕が働かなくても良いくらいにね」

体格の良い男「武装探偵社……!? クソッ、面倒なのに目ェ付けられたな……!!」ジャキン!!

司馬(! 銃……!!)

司馬「下がって西尾さん!!」ダッ!!!

司馬「うおおおおっ!!」スッ……!!

西尾「!? 危ないよ、司馬君!!」

体格の良い男「ハッ、木刀一本で何が出来るッてんだ!!」バババッ!!!



司馬「───燃えよ剣! 俺に焔を!」


ボオッ……!!!


ギィン……!!!



体格の良い男「…………は?」


体格の良い男「な、何で……」


司馬「うおおおおおおおおおっ!!」


体格の良い男「何でこの男は無事なんだ───!?」


西尾「……アハハ! 『やっぱり』彼も能力者だったか……!」

西尾「成程……剣に焔を纏わせ、銃弾を『燃やし斬った』訳だね……!!」

西尾「という事は……」


司馬「───せいっ!!」ズバァッ!!!


ガタン!!!


体格の良い男「───!?」


西尾「当然、男の持つ銃も斬ってしまうよねぇ……」

体格の良い男「クソ……くそおおおおおおおっ!!」ブン!!

司馬「がはっ……!!」ドサッ……!!

体格の良い男「邪魔なんだよォ!!」ドカッ!!

司馬「……!?」バァン!!

西尾「……あれ? 何で劣勢? 壁に蹴り飛ばされてしまった……」

西尾「ははーん……焔で木刀が燃え尽きてしまったのか。効率(コスパ)が悪いなぁ……」

司馬「西尾さん……!! 何をブツブツ云ってるんですか!! 早く逃げて下さい!!」

西尾「……!」

西尾「君は善人だねぇ……その状況でも僕の身を案じているのか」

西尾「しかし、そういう訳には行かないよ。このまま逃げたら僕は悪人じゃないか」

体格の良い男「何をゴチャゴチャと……!! てめェもコイツも俺が殺して遣るよ!!」

司馬「西尾さん……!!」

司馬(不味い……このままじゃ西尾さんが……!!)


西尾「ああ、そうか。云い忘れていた……だから焦って居るんだね。大丈夫だよ」


西尾「───この噂を『無かった事』にするのも、僕の今回の仕事だ」


司馬「……え?」

西尾「だから安心して見ていると良い。君に『非日常』を見せよう」

体格の良い男「銃なんて無くてもなァ……この拳でお前なんか一撃だァ!!」

西尾「止めた方が良い。そういう台詞には……伏線(フラグ)がつきものだよ?」ズズズ……

西尾は胡乱な表情で男に向かって手を翳す。

体格の良い男「……!? な、何だ!? か、体が……動かない……!?」

司馬(な……何だ、この威圧的な空気は……!?)

身動きが取れない程の重苦しい雰囲気が、倉庫中を満たして居た。


西尾「僕の能力は、ありきたりで日常的な物語を『怪異』に変換する能力だ」

西尾「だけど、僕の能力は少し特殊でね……。『怪異』にする為には、その物語を理解しなければならないんだよ」

西尾「探偵社が居なければ、僕は能力を満足に使えないだろうね」

体格の良い男「お、俺を……どうする気だ……!?」

西尾「云ったろう。『無かった事』にするのさ」

西尾「僕が調べるまで、君は〝港の幽霊(ゴースト)〟だった。だけど僕が調べたせいで、その噂は『無かった事』になってしまった」

西尾「だから、僕は噂が『無かった事』になってしまった事を『無かった事』にするんだ」

西尾「……簡単に云おうか?」



西尾「───君を『怪異』として、僕の小咄(ネタ)帳に封印するんだよ」

体格の良い男「なっ……!?」

西尾「さよなら、男君。『怪異』としてまた会おう」


体格の良い男「や、やめッ……!!」


ズズズ……!!!


体格の良い男「うわあああああああああああああああ──────っ!!」


ズズズ……!!!


ズズ……!!


ズ……!


西尾「執筆、完了……」ドン……!





西尾「……どう、司馬君!? 僕の渾身の決め台詞!! 思わず意味が重複してしまう程の出来だろう!?」

司馬「…………」ポケー……

西尾「……あれ、もしかして、これも興味無い感じッスか?」

司馬「…………い」

西尾「異? それとも胃?」

司馬「……ごい」

西尾「恋?」

司馬「凄い!!」ガバッ!!!

西尾「うわ吃驚した!」

司馬「何て格好良いんだ……! これが武装探偵社! これが異能力者!」

司馬「俺も異能力は持ってたけど、比べ物にならない! 能力も使い方も何かもかも素晴らしい!」

司馬「……何で能力者である事を言わなかったんだい?」

司馬「西尾さんを何処まで信じていいのか判らなかったので!」

西尾「やっぱり困った正直者だなぁ」

司馬「西尾さん! 西尾さんは、普段からこう云った活動をして居るのですか!?」

西尾「そうなるかな」



司馬「───俺も武装探偵社に入れて下さい!!」

西尾「……え?」

司馬「誤解していました……武装探偵社は、軍隊何かよりも余程正義を遂行している!」

司馬「武装探偵社こそ俺の求めて居た組織です!」

司馬「俺を、探偵社に───!」


……バタン!!


西尾「……あらら? 気絶してる……」

西尾「矢張り体は限界だった様だね……。無理も無い、弱って居る処を吹き飛ばされた訳だからねぇ」

西尾「其れにしても……探偵社に入りたい、か」

西尾「ふふ……面白い」



西尾「却説(さて)───果たして彼は、僕等にどんな『物語』を提供してくれるのかな?」


[西尾維新(にしお いしん)───能力名『化物語』]


───これが事の始まり。


怪奇犇めく此の街で───変人揃いの探偵社で───これより始まる怪奇譚。


其の先触れ、前兆しである───



[司馬遼太郎(しば りょうたろう)───能力名『燃えよ剣』]





序章【人生万事塞翁が司馬】───了


短いですが本日はここまで。お疲れ様でした。次回から探偵社の一員として様々な登場人物(キャラクター)が出て来ます。


今日も登場人物(キャラクター)の安価をします。特に縛りは有りません。皆様のお好きな小説家や詩人、シナリオライターなどの文豪を安価して下さい。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください


ワンピの方を知らないんだけどこれ流石に全採用じゃないよね?
有名所のネタはどんどん減っていきそうではある

名前:J・R・R・トールキン
性別:女
能力名:『指輪物語』
容姿:小柄で中世ファンタジー感ある服装、裸足
性格:平和主義者で楽しいことが好き、でもやるべきときにはやる
喋り方:ゆるふわな喋り方
備考:意識が現実と自分の考えた世界頭の中の世界を行ったり来たりしている

名前:山田 悠介(やまだ ゆうすけ)
性別:男
能力名:『リアル鬼ごっこ』
容姿:ガスマスクを付けていて、筋肉質の30代前半男性。レザージャケットを着ている。(ガスマスクは絶対に外さない)
性格:基本的にネガティブな性格だがみんなを楽しませるムードメーカーなところがある。
喋り方:関西弁。一人称は僕。歳上だと「(下の名前)さん」、歳下で男だと「(下の名前)君」、歳下で女だと「(下の名前)ちゃん」
備考:昔は総合格闘技をしていて、戦闘でも結構強い。

>>48
基本的に全部採用するつもりでは居ます。ただ、ONE PIECEの方とは違い、登場人物(キャラクター)安価は少なめにする積もりです。素晴らしい文豪は沢山いるので大丈夫かなーと思っているのも有りますが。


それでは始めます。

司馬「……」

司馬「…………んん?」

司馬「ここは……? 何処だ……?」ムニャムニャ……

司馬「……何だか“ここは……?”ばっかり云ってる気がするなぁ……」

ピピピピピ

司馬「!」がばっ!!

司馬「こ、これは!? け、携帯か!?」

司馬「え、えっと、ぼ、釦(ボタン)……どれ!?」

司馬「こ、これか!?」ピッ

司馬「は、はい?」

西尾『やぁ、司馬君。おはよう』

司馬「あ、えっと……おはよう御座います」

西尾『住み心地は如何(どう)だい?』

司馬(そうだ……あの後、俺は倒れてしまって……)

司馬「西尾さんが運んでくれたんですか?」

西尾『まぁ、そういう事だね』

西尾『そんな訳で、きっと君は僕に感謝しているよね? している筈だ。しててくれ』

西尾『そこで一つお願いがあるんだ。助けてくれない?』

司馬「はぁ……?」


[場面転換中───]


司馬(俺の名前は司馬遼太郎。辺鄙な村から正義の為に軍隊に入ろうとしていた男だ)

司馬(ひょんな事から西尾維新という人物に助けられ、更にひょんな事から彼に憧れを抱き、彼の働く武装探偵社なる処に入ろうとしているのだが……)



司馬(……今、俺の前には木に縛り付けられた西尾維新さんが居る)

司馬「何してるんですか?」

西尾「おや、見て判らないかい?」

司馬「……朝の幻覚?」

西尾「違う」

西尾「これはね……広義の磔刑だよ」

司馬「成程……」

司馬「それでは……」スタスタ……

西尾「ああ───っ! ま、待って待って!」

司馬「いや、だって……磔刑って事は西尾さんが何かしたんでしょう?」

西尾「ち、違うんだよ! これは誤解! 本当に冤罪なんだ!」

西尾「ここの婦女子の着替えを覗いたと思われてしまったんだけど……」

司馬「覗いたんですね」

西尾「だから覗いてないんだって! 本当に! 覗いていたとしたら僕はもっと潔いよ!」

司馬(それもどうかと思うけど……)

司馬「分かりましたよ……今回は信じましょう」

西尾「ありがとう。出来れば次も信じてね」

司馬「何で次がある前提なんですか」シュルル……

司馬(本当にこの人についていって大丈夫かな? 少し不安になって来たな……)

西尾「ふう……助かったよ。では向かおうか」

司馬「? 何処に?」

西尾「決まっているだろう」



西尾「───武装探偵社さ」




第一章【ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス】





第一話【司馬遼太郎、探偵に成る。】



西尾「却説(さて)、それでこれから探偵社に向かう訳だけど……」

西尾「本当に君は武装探偵社に入りたいのかい? 今ならまだ後戻り可能だよ?」

司馬「男に二言は有りません。俺は武装探偵社に入りたいんです」

司馬「俺は正義の為に何かしたくて軍隊を目指してたけど、探偵社の方が俺のやりたい事が出来る筈です!」

西尾「……一応言っておくけど、昨日の一件で軍人全員が悪いとは思わないでよ。悪い軍警なんてそうそういないぜ普通」

司馬「判ってますよ。俺は昨日の西尾さんを見て探偵社に入りたいと思ったんです」

司馬「それに……軍隊って規則(ルール)厳しそうじゃないですか。俺、あんまり向いてないと思うんですよね」

西尾「まるで探偵社が規則(ルール)無用みたいな言い草だね……」

司馬「? 西尾さんが所属出来るんだからその通りじゃないんですか?」

西尾「実は司馬君って結構失礼だね?」

西尾「……まぁいいや。それはともかく───探偵社に着いたよ」

司馬「……この建物が……」

司馬(俺の……新しい居場所か……!)


[場面転換中───]


西尾「さぁ、入り給え。ここが事務所だ」

司馬(武装探偵社……一体どんな人が居るんだろう。俺やっていけるかな……)

司馬(いや、そんな弱気な事じゃいけないぞ司馬遼太郎! 俺が盛り立ててやるくらいの気持ちでいないといかん!)

司馬「失礼します!」ガチャ!!



司馬「…………あれ?」





司馬「───誰も居ない?」

扉を開けると、そこは何も無い場所だった。どうやら空室のようだ。まだ借り手がいないのだろう。

司馬「西尾さん……これは───?」



ドゴォッ!!

司馬「がッ───!?」

司馬「くっ……!」バッ!!



西尾「ほほう、後ろに飛んで衝撃を逃がしたのか。昨日の君とは違うみたいだね」

司馬「西尾さん……!?」

司馬(今の強い衝撃……まさか西尾さんに殴られたのか!? 何故……!?)

司馬「西尾さん! どうしてこんな事を……!」

西尾「まだ判らないのか?」





西尾「僕は───君を殺そうとしているんだぜ」

司馬「!?」

司馬「な、何で……!」

西尾「理由なんて如何(どう)でもいいじゃん。だって───どうせ死ぬんだからさ!」ズズズ……!!

司馬「クソッ……!」

司馬(落ち着け……落ち着くんだ……!)

司馬(戦うにしても木刀は燃えてしまったんだよな……! どうするか……!)



【西尾が戦闘を仕掛けて来ました。如何(どう)する? 選択して下さい。】

壱、素手で戦う。
弐、武器を探す。
参、戦わず躱すに徹する。
肆、西尾を観察する。

↓1

>>67選択:肆、西尾をじッ……と観察する。



司馬(……おかしい。西尾さんが急に攻撃して来るなんて……!)

司馬(仮に元々俺を殺すつもりだったとして……こんな処まで連れて来て殺す理由なんて有る筈が無い……!)

司馬(ならばきっと殺す為じゃなく……他に理由があるんだ! それを考えなければ……!)

司馬(落ち着け……! 周りをよく見るんだ……!)


ズズズ……


司馬「……!」

司馬(そう云えば……この威圧感、西尾さんの能力だよな……)

司馬(この威圧感……部屋に入った『最初から』あったんじゃないか?)

司馬(という事は……西尾さんがおかしくなったのは、まさか『怪異』のせいなのか……!?)

司馬「だったら……!」

西尾「アハハ……! ほらほら、かかって来ないのかい!?」

司馬(……あっ! 西尾さんの『怪異』ってどうすれば解けるんだ!?)ガーン!!

司馬(くっ……仕方ない、こうなったら……!)



司馬「あっ! 可愛い女の子!」

西尾「えっ!? どこどこどこ!?」

司馬(今だ!)ダッ!!

西尾「なっ……逃げるのかい!?」

司馬「戦略的撤退です! 場所を変えましょう西尾さん!」

司馬(西尾さんの『怪異』は条件が厳しい筈……! という事は場所を変えれば解ける可能性が有る……!)





西尾「───成程ね。中々悪くない」



パッ!!!



司馬「うわッ───!?」

突然、部屋の灯りが強くなり、辺り一面を光が満たした。

司馬(何も見えない……!? これも西尾さんが……!?)

そして光が収まると…………



司馬「───えっ?」



「いやぁ、まさかいきなり撤退していくとはなぁ」

「俺は絶対そう来ると思ったぜ」

「嘘つくの止めなさいよ……」



そこには───沢山の人が居た。

司馬「え……あ、え?」

相田「大丈夫ですか? 何処かお怪我は?」


[相田みつを(あいだ ───)───能力名『にんげんだもの』]


司馬「あ、えっと、はい。大丈夫です」

鎌池「ったく……西尾の奴もヤリ過ぎなンだよなァ。ちっとは手加減してやれよ」


[鎌池和馬(かまち かずま)───能力名『とある魔術の禁書目録』]


宮部「しょうがないだろう。これは試験なんだからさ」


[宮部みゆき(みやべ ───)───能力名『模倣犯』]


司馬「し、試験?」

二葉亭「そういう事だ」


[二葉亭四迷(ふたばてい しめい)───能力名『浮雲』]


二葉亭「恨むなら西尾を恨め。若しくは武装探偵社などに入ろうとした己を恨め」

西尾「判ったかな司馬君。つまりこれは……」

西尾「一種の───入社試験だね」

司馬「にゅ……入社試験……?」

北原「その通りだね!」


[武装探偵社社長 北原白秋(きたはら はくしゅう)──能力名『邪宗門』]


二葉亭「社長」

司馬「しゃ、社長!?」

北原「そこの西尾めが『有能なる若者が居る』と云う故、その魂の真贋試させて貰ったのだね!」

西尾「武装探偵社に好き好んで入りたいなんて人は珍しくて、社内でも如何(どう)しようか悩んでね」

西尾「鎌池君のお陰で君の素性に問題が無い事は判ったんだけど、果たして君が本当に役に立つかは不明でねぇ」

西尾「で、社長の一声で、それじゃあ実技試験だ!となった訳」

西尾「いやぁ、でもまさか撤退しようとするとはね。僕の『怪異』自体を何とかしようとしたんだろう?」

司馬「は、はぁ……まぁ……」

西尾「短い時間で考えたものだ。及第点なんじゃない?」

司馬「西尾さん……『怪異』に操られていたんじゃあ……」

西尾「……えっ、何、僕が『怪異』に操られておかしくなったと思ってたの?」

宮部「ハハッ、軟弱に見られてるねぇ西尾」

西尾「弱そうに見えて実は強い美男子(イケメン)って云う登場人物(キャラクター)だから構わないさ」

鎌池「自分で美男子(イケメン)って云うンじゃねェよ……」

司馬「ええ……!? じゃ、じゃあ、開けた時に空室だったのは!?」

西尾「ああ、それは───」



軍服を着た少女「ねーねー維新ー、あたしどうだった?」

西尾「いやはや、それはもう興奮する程良い仕事だったよ!」デレデレ

軍服を着た少女「ほんとー? うれしーい!」

司馬「!? だ、誰!?」

西尾「おや、この子に見覚えは無いかい? 昨日会ったばかりだと云うのに」

司馬「え……?」


[回想中───]


体格の良い男「!? 誰だ!!」

司馬「えっ……!? あの格好は……!」

司馬「……軍人!?」


[回想終了───]


司馬「……えっ、あの軍人!?」

西尾「そう! 『港の幽霊(ゴースト)』改め『港野幽子(みなとの ゆうこ)』ちゃんさ!」

軍服を着た少女→港野「よろしくー!」

司馬「」ポカン

鎌池「……アイツの能力は知ってンな? 西尾は『怪異』を自在に操れンだよ。それこそ性別とか見た目も自由にな」

相田「西尾さんは自分の物にした『怪異』のほとんどを女性にしているんですよ」

司馬「……は」

鎌池「ハ?」

司馬「破廉恥だ!」グワッ!!

宮部「マトモな奴で嬉しいねぇ」

二葉亭「それで、社長……結果は?」

北原「…………」フッ……

北原「───西尾に一任するんだね!」

司馬「……えっと」

西尾「合格だってさ」

西尾「それでは……改めて述べる事にしよう」



西尾「───武装探偵社にようこそ、司馬遼太郎君」



司馬「…………」

司馬「あ……ありがとう御座います?」

何はともあれ───これで司馬遼太郎は武装探偵社の一員と相成った。



これで漸く、彼の物語が始まるのである───





第一話【司馬遼太郎、探偵に成る。】了



本日は此処まで。お疲れ様でした。今日出て来た文豪は武装探偵社の一員です。


今日も登場人物(キャラクター)の安価をします。特に縛りは有りません。皆様のお好きな文豪を安価して下さい。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください

乙です

名前: 長月 達平(ながつき たっぺい)
性別:男
能力名: 『Re:ゼロから始める異世界生活』
容姿:逆立った黒髪に三白眼の目つきの悪いやや筋肉質の男、ジャージをこよなく愛する
性格:常にハイテンションで空気を『読まない』が、シリアスするところではシリアスできる
喋り方:「へいへいへーい!」と同じ言葉を繰り返したりやたらとテンションが高いが、シリアスする場面ではおそらくし平坦かつ冷静
備考:元々は平凡な高校生だったが、命の危険に晒されたことで異能が開花した
『生き残ること』に執着している

乙。みんなキャラ立ってて良いね

名前:綿矢りさ
性別:女
能力名:「インストール」
容姿:派手なピンク髪と着崩した制服が特徴的なギャル
性格:いつでも明るく誰に対しても陽気に接する生粋の陽キャ。恋愛に関しては奥手
喋り方:一人称は「あーし」で若者言葉を多用する。たまに「チョベリバ」「ゲロゲロ」など世代が違う言葉も混ざる
備考:見た目や喋り方で侮られがちだが意外と頭が良く、鋭いことを事も無げに言って周りを困惑させがち

名前:三条陸
性別:女
能力名:『冒険王ビィト』
容姿:中折れ帽がトレードマークのグラマラスな長身美女。しかし、顔と声が中性的な為男装すると完全に男にしか見えない。
性格:ハードボイルド気取りの半人前で人情家
喋り方:かっこつけたしゃべり方だが、ボロが出ると途端に蓮っ葉な口調になる。
備考:男装時は『瑳川竜』の名で通っている。身体能力が高く、情報は足で稼ぐタイプ。

作品名に『東京○○』『歌舞伎町??』みたいに地名が入る場合、ヨコハマ表記にならって『トウキョウ○○』『カブキチョウ??』にした方がいい?
そういう作品名は避けた方がいい?

>>87
特定の地名が付く作品でも何の問題もありません。もちろん片仮名表記にしなくても大丈夫です。


確かに『リィンカーネーションの花弁』の安価スレはやっていましたが、自分で投げた事は無いですね……。多分。やってない筈だけどなぁ……。

いずれ『リィンカーネーションの花弁』の安価スレも再開したいですね(序盤も序盤で終わってしまったので)。流石にONE PIECEかこちらのどっちかを終えないと始められませんが。


二週間経ったので生存報告です。次の一週間以内には出来ると思います。よろしくお願いします。

お久しぶりです。ギリギリでしたね……。そんな訳でやっていきます。第二話です。

司馬「おはよう御座います!」ガチャ

社員1「おー、おはよう。早いねー」

司馬「今日が初仕事ですから!」

社員2「気合入ってんなぁ……流石は志願して武装探偵社に入社した男」

社員3「それに比べて……見てみなよアレ」

司馬「?」


西尾「」すぴー……すぴー……


司馬「寝てる!?」ガーン!!

社員1「実力は凄いんだけどねぇ……如何せんやる気が足りない」

司馬「ちょっと西尾さん! 何寝てるんですか! 仕事ですよ!」ピシピシ

西尾「んん……?」

西尾「何を云っているんだい司馬君……僕は今寝ているんだ。つまり、僕はまだ仕事の時間じゃないんだよ……」

司馬「つべこべ云わずに起きなさい!」ピシピシ

西尾「うう……しつこいなぁ、判ったよ……」ムニャ……

鎌池「おお……すげェなアイツ。あの西尾を起こしやがった」

相田「お母さんみたいですね」クスクス

二葉亭「フン、これは期待の新人だな」

西尾「云いたい放題だね君達……」

西尾「でもね、本当に僕は仕事じゃないんだよ。今日の司馬君には違う人と組んで貰う」

司馬「? 違う人?」





宮部「…………アタシさ」ズーン……

司馬「だ、大丈夫ですか宮部さん!?」

西尾「宮部さんは武装探偵社の唯一にして無二の探偵だ。彼女の元で探偵の何たるかを学んできたまえ」

司馬「い、いや、その前に具合悪そうですよ!」

宮部「ああ……安心しな。別に体調が悪い訳じゃない。ちょっとした副作用みたいなものさ」

司馬「はぁ……」

宮部「うえええええ……」グッタリ……

司馬「ほ、本当に大丈夫ですか?」

宮部「大丈夫大丈夫……んじゃ、ヨロシク頼むよ司馬。早速行こうじゃないか」

司馬「? 何処に?」

宮部「決まってんだろ?」



宮部「───殺人事件の現場さ」




第二話【殺人者は眠る】





西尾「いってらっしゃーい」ヒラヒラ

宮部「アンタも行くんだよ西尾」

西尾「えっ」

宮部「司馬、西尾を連れて来い」

司馬「は、はい!」ガシッ

西尾「うわー離してくれー、おにーあくまー」ジタバタジタバタ

司馬「そんな棒読みで云われても困りますよ。ほら、行きますよ」ズルズル

[場面転換中───]


宮部に連れられてやって来たのは、ヨコハマの町外れにある豪邸だった。

宮部「ここにはヨコハマでも有数の資産家が住んでいるんだ。金持ちッてのは直ぐデカい家を建てたがるよねぇ」

司馬「あの……つまり、ここで殺人事件が起こったって事ですか?」

宮部「そう云う事」

宮部「この事件はアンタが入る前から調べていてね。いよいよ大詰めなんだ」

宮部「司馬、アンタはアタシの護衛だ」

司馬「護衛……」

宮部「アタシが命令したら、躊躇わずに木刀を振り抜きな」

西尾「物騒だね」

司馬「判りました!」

西尾「快諾するんだ」

西尾「あ、そう云えば、新しい木刀を買ったんだね司馬君」

司馬「はい」

司馬「……給料を前借りして……」ズーン……

西尾(可哀想に……)

宮部「んじゃ……アタシについて来な。ああ、気持ち悪い……」ウップ……

司馬(大丈夫かなぁ……こんな処で吐いたら幾ら弁償しなきゃいけないのだろう……)

西尾「あの……僕は?」

宮部「アンタはいりゃいいよ。適当で」

西尾「雑だなぁ……」

宮部「いいから来い!」

[場面転換中───]


執事「お待ちしておりました」ス……

司馬達が現れるや否や近づいて来たのは、六十代程の男性だった。

執事「武装探偵社の方ですね? 御主人様がお待ちです。どうぞこちらに」

宮部「ああ……頼むよ」

カツ、カツ、カツ……

執事「御主人様は心を痛めておられます……なので、決して失礼の無いようにお願い致します」

西尾「まぁねぇ……身内が三人も死んだ訳だもの。そりゃあ心も痛むよねぇ」

司馬「三人!?」

執事「おや、ご存知無かったのですか?」

司馬「す、すいません……入ったばっかりでまだ知らなくて……」

宮部「コイツは只の護衛でね。アタシが判ってればいいから伝えなかったんだ」

執事「左様ですか……」

執事「御主人様が経営していた会社をお継ぎになった息子様、その奥様、そしてお孫様……三人ともこの家で殺されてしまったのです……」

執事「警察にも懸命に捜査して頂いたのですが、何も証拠が出ず……捜査は打ち切りになってしまいました」

執事「そこで、武装探偵社に依頼する事にしたのです。こんなに証拠が出ないという事は、もしかしたら犯人は異能者ではないか……そう思ったもので」

西尾「餅は餅屋って訳だね」

執事「ええ、平たく云えばそうなりますね」

宮部「ううっ……吐きそう……」

西尾「相変わらずだねぇ」

宮部「うるせー……ぶん殴るぞ」

司馬「……俺が代わりに殴った方が良いでしょうか?」スッ……

西尾「コラコラ構えるんじゃあないよ司馬君」

執事「……着きました、こちらです」ガチャ

宮部「司馬」

司馬「? はい」





宮部「───中に居る奴をブッ叩け!」


司馬「───はい!」


タッ……!!


執事「!?」


執事「お、お止め下さい! 中には御主人様が───!」


司馬「───せいッ!!」ブン!!!


ガキィン!!!


司馬「───何!?」





司馬「爺さんに、防がれた……だと……!?」


老人「フン……若造が! 突然入って来るでない! 無礼であるぞ!」


中に居たのは、松葉杖で司馬の木刀を受け止める老人。そして───


執事「なっ……!?」





───血塗れで倒れた一人の女使用人(メイド)だった。

執事「こ、これは……!」

宮部「これなら赤ん坊でも判るだろうね。犯人はあのジジイだ」

執事「ば、莫迦な! 御主人様は体が悪く、一人で動く事などとても……!」

宮部「ああ……そのせいで此奴は容疑者から外れたんだ。だから犯人が見つけられなかった……」

宮部「此奴の事も調べておきゃあ、すぐに証拠が見つかって捕まっただろうに」

宮部「まっ、そこら辺も考えて犯行に及んだんだろうけど。なぁ、爺さん?」

老人「ククク……やっと判ったか! 愚鈍な奴等め!」

老人「この屋敷で殺人が起きたのだぞ。一番犯人である可能性があるのはこの儂に決まっておろうが!」

西尾「そして、また一人犠牲者が……やれやれだね」



宮部「あ? 何云ってんだよ司馬。あの女性はまだ生きてるぞ」

西尾「え?」


メイド「…………ううッ……」


司馬「!」

宮部「司馬! 回収!」

司馬「はい!」ダッ!!

老人「させるかァ!」

老人「……ぐッ!」

老人「さ……させるかぁ……」

司馬「!?」

司馬(何だ……動きが急に弱々しく……)

司馬「よしっ……!」だきっ!

司馬「すいません、この子をお願いします」

執事「えっ、あ、は……はい……!」

宮部「この時間はキツイだろう? そろそろ薬物が切れる時間だからねぇ……」

老人「……!? な、何故それを……!」

宮部「事の始まりは半年前……病の痛みに耐えかねたアンタはとある薬物に手を出した」

宮部「最初はそれを打って束の間の幸せを感じていたアンタだが……その内に苦しみが襲って来た。病気の後遺症なんかよりも、ずっとずっとキツイのがね……」

宮部「それを抑える為にアンタは、殺しを始めたんだ。まずはやり易い身内からね……!」

宮部「アンタが犯人である事は直ぐに判ったが、そこから困ったんだ。アンタは体が動かないって事になっちまってるからねぇ……」

司馬「そうか……だから屋敷に来たんですね。俺や執事さんみたいな第三者に、あの老人が動けるようになったと見せる為に……」

宮部「…………」

司馬「……あれ? 違いました?」

宮部「チッ、変に理解力の高い……もうちょい莫迦な方が可愛げがあるのにねぇ」

司馬「えっ」ガーン

執事「し、しかし……この時間になると御主人様の薬が切れるとか、女使用人(メイド)がまだ生きているとか……そういう事は何故知っていたんですか?」


宮部「───模倣(トレース)さ」


執事「へ?」

宮部「アタシには、犯罪者の思考を模倣(トレース)して行動を読む能力があるんだよ。ちょっと気持ち悪くなるのが瑕だけどねぇ……」

宮部「火曜日のこの時間に奴の薬が切れる事……二週間以上殺人を我慢出来ない事……この時間であれば殺人はまだ終わっていない事……そして……」



宮部「───最後の力を振り絞って逃げようとする事もお見通しなんだよ!」

宮部「司馬! 奴を捕らえろ!」


司馬「はい!!」ダダッ!!


老人「クソ……邪魔だ───!」


司馬「せいやっ!!」ブン!!


老人「ぐほぉっ!!」バキィ!!


ドサッ……!!


執事「ご……御主人様!」ダッ!!

司馬「ふう……」

司馬「倒しましたよ宮部さん! これで捕まえられますね!」

宮部「……あ、ああ。良くやった、うん」

西尾「ご老体から出てはいけない音が出ていたけど、大丈夫かい? 宮部さんの推理では如何かな?」

宮部「あんなん推理出来る訳ねぇだろ……うっ!」

西尾「?」

宮部「うえええええ……」

西尾「うわあああああ!」

西尾「……あ、まだ吐いていないね。良かった良かった」

西尾(本格的に吐く前に早く市警を呼んだ方が良いな……)

[場面転換中───]


西尾「いやぁ、あの御老人も無事警察に連れて行かれて良かったねぇ。色んな意味で」

宮部「武装探偵社の人間が老人ぶっ叩いて殺したって吹聴されても困るしなぁ」

宮部「それより西尾、アンタいい加減婦警の下着見ようとすんの止めな! 誤魔化すこっちの身にもなってくれ!」

西尾「誤魔化す必要なんてないじゃないか。僕が下着(パンツ)を見たい気持ちに嘘偽りなんてないのだから」

宮部「アンタねぇ……!」

司馬「…………」

宮部「……どうした司馬? 最初から殺人事件はキツかったか?」

司馬「いや……そういう訳では無いです」

司馬「武装探偵社って、本当に探偵みたいな事しているんだなぁと思って……」

宮部「んなの当たり前だろ……」

司馬「いや、その……探偵社は西尾さんみたいに異能を使って町を平和にしている団体とばかり……」

西尾「おや、そう思っていたのかい」

宮部「成程ねぇ……別にウチは異能者だけ集めてるわけじゃないよ。社員の半分以上は普通の人間だし」

宮部「ただ、武装探偵社が町の平和を守る集団ってのは当たってる」

宮部「覚えておきな。武装探偵社は、軍警が扱いきれない危険な依頼を主に専門にする探偵集団だ。けど……」


宮部「……例えどんな大した事の無い依頼でも、アタシ達は弱者を護り悪を挫くだけさ」


司馬「!」

司馬「───はい!」

武装探偵社に入った事は間違いではなかった───司馬は、改めてそう思った。

司馬「でも凄いですよね! 犯罪者の思考を模倣(トレース)して犯人を見つける異能なんて! 格好良いなぁ……」



宮部「あ? 何勘違いしてんのさ、アレ異能じゃないよ」

司馬「……えっ?」

宮部「アタシの異能はそう云うんじゃないよ。もっと使い難いヤツさ」

司馬「じゃ、じゃあ、さっきのは……?」

宮部「アレはアタシの推理のやり方。頭を働かせただけだよ」

司馬「え……えええええっ!?」

宮部「アンタが来る前に事務所で推理してたのさ。資料と睨めっこしながらね」

西尾「僕も途中まで判ったけど……流石に全部は判らなかったな。流石は名探偵だ」

宮部「やめろって。アンタに褒められても嬉しくないんだよ」

西尾「なかなか酷いね!」

司馬「」ぽかーん

司馬(本当に……探偵のような推理を……)


……間違いではなかったが、自分は宮部のように推理出来るだろうか───と不安になる司馬なのであった。


余談だが、司馬は帰りに近所の古本屋で幾つかの推理小説を購(か)い、一日で読破したと云う。

[場面転換中───]


西尾「それで?」

宮部「あ?」

西尾「あ? じゃないよ宮部さん。司馬君は帰ったんだから、そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかな?」

西尾「僕をこの事件に介入させた理由は何だい?」

宮部「……チッ、やっぱり察していたか」

宮部「そうさ、この事件には不可解な点があってね。だからアンタを呼んだ」

宮部「あのジジイは薬物キメた事で殺人を行なっただろう? 心がぶっ壊れて体も強化されてねぇ」

宮部「だが……その薬物を売った人間の足取りが掴めない」

西尾「おや、天下の名探偵である宮部さんが足取りを掴めないなんて……」

宮部「判ってんだろ? 掴めない理由」



西尾「───売人は異能者である可能性が高い。そういう事か」

宮部「御名答。残念ながら異能者を追うのはアンタの方が得意だからねぇ……任せるよ」

西尾「何だか気に掛かる言い方だけど……まぁ良いか。任せてくれ給え」

西尾「……ついでに云っておくけど、気を付けた方が良いよ宮部さん」

宮部「あ? 何がさ」

西尾「何って訳じゃないけどね……嫌な予感がするんだ」

宮部「止めろよ……アンタの第六感は異常に当たるんだから」

西尾「そうなんだよ。何も無いと良いんだけどねぇ……」



西尾(……本当に、ね)



【これから何度か今回のように登場人物(キャラクター)と交流します。とある条件を満たして先に進むまで、交流は続きます。】

【それでは、次に交流する登場人物(キャラクター)を選択して下さい。選択した安価のコンマが50以上だと、新しい登場人物(キャラクター)が現れます。】

壱.西尾維新
弐.宮部みゆき
参.相田みつを
肆.鎌池和馬
伍.二葉亭四迷

↓1

という訳で本日はここまで。お疲れ様でした。コンマ50以上の為、もう一人違う登場人物(キャラクター)と交流出来ます。まぁ、相田みつをとの交流が主となりますが。

余談ですが、>>66の安価で「肆」を選んだ為、最初に宮部と交流する事となりました。こんな感じで展開が変わっていきます。


では、今日は登場人物(キャラクター)の安価をします。主に明治時代に活躍した日本の文豪を基にした登場人物(キャラクター)をお願いします。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください

名前: 志賀 直哉(しが なおや)
性別: 男
能力名: 『暗夜航路』
容姿:黒髪オールバック、左目に傷、ライダーコートを着用した粗暴な雰囲気をした男
性格:粗暴で荒々しいが子供などには優しい
喋り方:挨拶は『失敬』、不良らしい粗暴な言葉遣い
備考: バイク乗りであり、普段はバイク便ライダーとして仕事している運び屋でもある

乙!
宮部さんカッコよくて良かった、次も期待

名前:正宗 白鳥(まさむね はくちょう)
性別:女
能力名:『何処へ』
容姿:真っ白な長髪と長身が特徴的なクールビューティー。表情もほとんど変わらない
性格:基本的に何も考えておらず、なんとなくのノリで行動する
喋り方:基本的に寡黙、たまに「おなかすいた」など短文でボソッと喋る
備考:見た目と寡黙さから男女共に好意を持たれるが、本人は一切気付いていない

登場よりキャラのストックが増えていくけどこれ大丈夫…?
ちょいキャラ含めて募集してるって認識でいいのかな?

安価は
名前:松尾芭蕉
性別:女
能力名:おくのほそ道
容姿:ポニーテル、バックパッカーの様にアクティブな服装、健康的な肢体、肌は小麦色に焼けてる
性格:実際に見たこと経験したことを重視して机上論は好まない
喋り方:明るく快活
備考:旅好きで色んな所を回るのが好き

「主に明治時代に活躍した日本の文豪」という文字が読めていない方がいますねッッッ邪ッッッ!!!!!

名前:里見とん
性別:男
能力名:『恋ごころ』
容姿:銀髪の長髪。神父のような格好をしているイケメン。
性格:博愛主義者で「愛」や「恋」が大好きで紳士的なところがある。聞き上手で的確なアドバイスや助言を話している。
喋り方:誰にでも敬語で話している。怒るとヤンキーっぽい口調になる。
備考:彼を求めて多くの信者が入っている。

名前:川上 眉山(かわかみ びざん)
性別:男
能力名:『墨染桜』
容姿:黒髪片目隠れていて、ヘッドホンをかけている青年。ジャケットを着ており、マフラーを首に巻いて口元が隠れている。
性格:落ち着いた性格だが腹黒いところがある。自分の名前はそんなに好きではない。
喋り方:一人称はウチ。京都出身で京都弁を話す。
備考:絵が好きでいつも色んな絵を描いている。

>>115
>>1はキャラクター安価がめちゃくちゃ好きで、ついやり過ぎてしまうという悪癖があります。個人的に不採用にしたもの以外は全て登場させるので気長にお待ち下さい。

>>117
わたしは一向にかまわんッッ!!


二週間経ったので生存報告です。更に二週間空く事は無い筈です。ではまた。

お久しぶりです。それでは始めます。






第三話【いのちいっぱい】




司馬「うーむ……」

西尾「……どうしたんだい先刻(さっき)から。何やらずっと資料を見て唸っているようだけど」

司馬「推理ですよ」

西尾「推理?」

司馬「先日の宮部さんの活躍を見て、俺も探偵みたいに推理したいなと思いまして」

西尾「成程ねぇ……。で、その結果は?」

司馬「何にも判りません……」

西尾「だろうね……」

宮部「あ! お前が持ち出してたのか司馬!」ボコッ!!

司馬「あ痛ッ!」

宮部「人の机から勝手に資料持ち出すんじゃないよ! これはアタシの仕事なんだから!」

西尾「勝手に持ち出したのか。司馬君も中々やるね」

二葉亭「そんな事を褒めるな」ビシッ!!

宮部「まったく……」ハァ……

宮部「アンタが探偵として自分に何か出来る事が無いか模索するのは悪いとは思わないよ」

宮部「けどね、闇雲に真似すりゃ良いってモンじゃないよ」

司馬「うっ……そ、それは確かにそうなんですけど……」

司馬「でも俺、早く一人前になりたくて……」

西尾「司馬君……!」



西尾「それは思い上がりも甚だしいね!」

司馬「暴言!?」ガーン!!

鎌池「テメーは新人なんだからよォ……他の奴等がどんな仕事してンのか見て、それから自分がどんな事すればいいのか考えりゃいいじゃねェか」

鎌池「そう言いたいンだろ? 司馬」

西尾「まーそんな感じそんな感じ」ケラケラ

二葉亭「相変わらず適当な……!」



相田「では……私の仕事に同行しますか?」


全員「「「!?」」」

司馬「い……いいんですか?」

相田「ええ、私なんかの仕事が参考になるかは判りませんが」

相田「二葉亭さん、構いませんよね?」

二葉亭「えっ!?」

二葉亭「あ、ああ……い、いいんじゃないか?」

司馬「本当ですか! ありがとう御座います!」

相田「それでは早速向かいましょうか。現場は此処から近い場所です」

司馬「はい! よろしくお願いします!」


タッタッタッ……


鎌池「……オイ二葉亭。ホントにイイのかよ?」

二葉亭「良い訳無かろう……。相田さんの捜査方法は特殊だ、新人の司馬には少々刺激が強い」

二葉亭「しかし……相田さんの提案を無碍には出来ん」

宮部「相田……怒らせると怖いからな」

二葉亭「うむ……」

西尾「ふふふ……相田君と一緒にお仕事なんて、司馬君どうなっちゃうんだろうねぇ……」

鎌池「楽しそうに笑いやがッて……」

[場面転換中───]


相田「今日は殺人事件について調べます。頑張りましょうね」

司馬「はい!」

相田「と云っても、犯人は既に捕まっているんですよね」

司馬「えっ、それじゃあ……一体何を調べるんですか?」

相田「犯人は薬物によって錯乱状態でした。その薬物の販売元を突き止めてくれという依頼です」

相田「市警も当然頑張っていますが、矢張り限界がありますからね。そこを補うのが我々探偵社です」

司馬「成程……」

司馬「では、早速何を?」

相田「そうですね……聞き込みをしたいのですが……」

相田「おや、丁度良い人を見つけました。彼にしましょう」スタスタ……

司馬「……?」

相田「やぁ、どうも。お加減の方は如何です?」

チンピラ「!?」ビクッ!!

チンピラ「よ、よよよよぉ! あ、ああ、げ、元気だぜ!」

司馬(? 何でこの人そんなに怯えてるんだ……?)

司馬(探偵社って結構恐れられているのかな……)

相田「少し質問よろしいでしょうか?」

チンピラ「お、おう! 何でも聞いてくれ!」

相田「最近この辺りで殺人事件がありましたよね?」

チンピラ「ああ……あの事件か」

相田「その犯人が使用していた薬物について調べているのですが、何か知りませんか?」

チンピラ「知っている……と云えば知ってるけどよ……」

相田「教えて下さい」ずいっ

チンピラ「うおっ!? た、大した事は知らねぇぞ!?」

チンピラ「ここらであの薬物売ってる奴らっつったら、工場区の裏通りで屯(たむろ)してる互助青年会しかいねぇ」

チンピラ「そこに寄合所があんだよ。販売もそこらでしてるだろうさ」

司馬「青年会?」

司馬(懐かしい……俺も参加してたなぁ……)

相田「都会風に云うと……えーと……何でしたっけ?」

チンピラ「『ギャング』だな」

司馬「えっ」

司馬(都会じゃあ青年会ってギャングの事なの!?)ガーン!!

余談だが、司馬の参加していた互助青年会は断じてギャングではない。村の平和を守る自治組織である。

相田「判りました。ありがとう御座います」

チンピラ「お、おう! また何でも聞いてくれよな!」タッタッタッ……

司馬(足早に去って行った……)

相田「では、行きましょうか」

司馬「? 何処に?」

相田「その青年会が居る場所にです」

司馬「えっ!? い、いきなりですか!?」

司馬「だ、大丈夫なんでしょうか……?」

相田「ふふ……大丈夫ですよ。見ていて下さい」

相田「私の捜査のやり方を……ね」


[場面転換中───]


相田「失礼します」ガララ……

ギャング1「!? 何だテメェは!?」

相田「いえ……少し聞きたい事がありまして」

相田「ここ最近で殺人事件がありましたね? その犯人はとある薬物を使用していたのですが……」

相田「その薬物が此処で販売されていると聞きまして……」

ギャング2「……何だ? 欲しいのか?」

相田「いや、そういう訳では」

ギャング1「んだとォ!? じゃあ何で来やがった!」

ギャング3「……警察か何かか? 残念だったな。此処にはそんな薬物は無い」

ギャング4「まっ……というより見つけられねェって話だがな! ブツが見つからなければ捕まらねェんだわ! ギャハハハハハ!」

ギャング5「帰れや莫迦が! テメェなんかの相手してる暇はねェんだよ!」

相田「そうですか……」

相田「……仕方ありませんね」スッ……

そう云って、相田が取り出したのは……




司馬「……何ですかそれ」

相田「これですか? 短機関銃(サブマシンガン)です」

司馬「えっと……銃、ですかね?」

相田「おや、ご存知無い?」

司馬「すいません……おれ、田舎育ちなんで……」

相田「成程……では見ていて下さい」

相田「───こう使うんですよ」カチッ


バババババババ───ッ!!!


ギャング達「「「ぎゃああああああ───っ!!?」」」


司馬「……!?」

ギャング達に、銃弾の雨が炸裂する。それは正確にギャングの腕を、足を、腹を貫いていく。


最初は抵抗しようとしていた彼らだが、次第に一人ずつ動かなくなり……


相田「ふう……こんなものでしょうか」

相田「さて……では、そこの貴方」

ギャング1「あ……ああ……!」

相田「痛いですか?」

ギャング1「ああ、ああ……!」コクコク!!





相田「───治してあげましょうか?」





ギャング1「……!?」

相田「貴方達の長を教えて下さい。そうしたら助けてあげましょう」

ギャング1「あ、あああ……!」

相田「……彼ですか」

相田「教えて頂きありがとう御座います。では……」


相田(───『にんげんだもの』!)パアア……!!


ギャング1「……!?」

ギャング1「あ……ああ…………」

ギャング1「……あれ? 傷が……無い?」

相田「はい、治しておきました」

ギャング1「あ、アンタ……能力者か……!」

相田「他の皆さんも治しておきます。その代わり、貴方は直ぐに警察の処に行って自首しなさい。ここの場所も教える事。判りましたね?」

ギャング1「あ……あああ……!」コクコクコクコク!!

ギャング1「ひ……ひいいいいいっ!」ダダッ!!

相田「……では他の人達にも……」パアア……!!

司馬(こ、これが……相田さんの捜査方法……!?)

司馬(……怖ッ!!)ガガーン!!

司馬「……あのー……」

相田「? どうしました?」

司馬「……普段からこういう捜査を?」

相田「ええ、そうですね」

司馬「……先刻(さっき)の男にも?」

相田「はい、よく判りましたね。彼は以前の事件で私が撃って治した相手です」

司馬(だからさっきの男は怯えていたのか……殺されかけた事があるから……)



相田「さて……」

ギャング3「チッ……!」

相田「貴方が長ですね? 少々お話し宜しいですか?」

ギャング3「お前……何者だ!?」

相田「私は武装探偵社の者です。市警の依頼で貴方達を調べに来ました」

ギャング3「“調べ”に!? “殺し”に間違いじゃないのか!?」

相田「? 何を云うんですか。ちゃんと治してあげたでしょう」

相田「薬物で数多の人生を壊してきた貴方達には何も云う権利はありませんよ」

ギャング3「クッ……!」


ギャング3「クソッ!」ブンッ!!


相田「うわっ!?」バキッ!!


司馬「相田さん!」


ギャング3「……!」ダッ……!!


相田「イタタ……」

司馬「大丈夫ですか!?」

相田「ええ、私は大丈夫です。少し痛いですが治せますからね」

相田「それより、今の人を追って下さい! 私はあまり体力には自信が無いので……!」

司馬「判りました!」ダダッ!!

[場面転換中───]


ギャング3「ハァ……ハァ……!」

ギャング3「クソ、しくじった……! 何処かに逃げないと……!」



???「───おい」



ギャング3「!?」

???「お前か? この辺りで違法に薬物売買してるってのは」

ギャング3「チッ! お前も武装探偵社か!?」

???「……あ?」

???「テメェ……今何つった?」

ギャング3「……!」ゾクッ……!!

ギャング3(何だこの威圧感……!)

???「オレを武装探偵社みてぇな奴等と一緒にすんじゃねぇよ」

???「……まぁ、あの人の予測が外れる訳ねぇし、此奴でいいか」

ギャング3「な、何の話だ……!?」

???「ウチのシマ荒らした奴には制裁加えねぇといけねぇんだ。悪く思うなよ」チャキ……

ギャング3「! お前、まさかポート───!」


バァン!!!


ドサッ……


???「……ガタガタうるせぇな」

黒服1「馳さん!」

???→馳「何だ」

黒服1「ウチに許可取らずに勝手に売っていた薬物を発見しました」

黒服2「ですが……他のギャング達は駄目です。武装探偵社に先を越され、全員警察に……」

馳「ウチの方でブチ殺したかったが……まぁいい。薬物は手に入ったしな。ずらかるぞ」

馳(……毎度毎度邪魔してくれやがって。武装探偵社さんよォ……!)

[場面転換中───]


司馬(その後、市警の働きでギャング達は逮捕された)

司馬(そのギャング達のトップは俺が見つけた時には既に殺されていた……犯人はまだ捕まっていない。候補が多過ぎるのだそうだ)

司馬(薬物もすっかり無くなっていたらしい。が、薬物売買のルートを示す書類はいくつか残っていたらしく、それに基づいて市警が捜査をするようだ)

司馬(完全に達成とは云えないが、相田さんはかなりの仕事をしたと云える)

司馬(……云えるけど……)



司馬「はぁ……」ぐったり……

西尾「おやおや、どうしたんだい?」ニタニタ

司馬「西尾さん……判ってましたね? 相田さんの捜査方法!」

西尾「探偵社は皆知っているよ」

司馬「どうして話してくれなかったんですか!」ガタッ!!

西尾「直接見た方が良いと思ってね。相田さんの捜査は勉強になったでしょ?」

司馬「参考になんかできませんよ! あの人は特別でしょ!」

二葉亭「其処に気付けただけ良い」

宮部「違いないねぇ」

相田「戻りました」ガチャ

司馬「!」ビクッ!!

相田「? どうしました? 怪我でもしましたか?」

司馬「い、いえいえ!」

相田「何故逃げるんですか? ねぇ、司馬さん」

司馬「何でもありません! 何でもないので大丈夫です!」

相田「逃げないで下さいよぉ……司馬さぁん……」

司馬「ごめんなさい!ごめんなさい!」うわああああっ……!

西尾「あっはっはっはっ!」ゲラゲラ!!

宮部「まったく……笑ってんじゃないよ西尾」

鎌池「……いいのかよアレ」

二葉亭「放っておけ。その内司馬も慣れるだろう」

西尾「あっはっはっはっはっはっはっ!」ゲラゲラ!!

二葉亭「貴様は黙れ!」グワッ!!





第三話【いのちいっぱい】了



【次に交流する登場人物(キャラクター)を選択して下さい。選択した安価のコンマが50以上だと、新しい登場人物(キャラクター)が現れます。】

壱.西尾維新
弐.宮部みゆき
参.相田みつを
肆.鎌池和馬
伍.二葉亭四迷

↓1

4選択で本日は此処まで。次回は鎌池和馬との交流になります。お疲れ様でした。


では、登場人物(キャラクター)の安価です。時代も国籍も問いません。誰かしらの文豪を基にした登場人物(キャラクター)をお願いします。

尚、登場人物(キャラクター)の安価は今回で一区切りとします。今後は展開が進む毎に「もうちょいキャラクター欲しいな……」と>>1が判断した場合に行います。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください

乙!次回も楽しみにしています

名前:吉本 ばなな(よしもと ー)
性別:女
能力名:『キッチン』
容姿:黄色いワンピースを纏った小学校低学年くらいの可愛らしい少女
性格:天真爛漫で無邪気。食べることが大好き
喋り方:一人称は「ばなな」。ひらがな多めで喋る。たまに大人みたいな語彙が飛び出すことがある
備考:基本的にバナナやキャンディなど何かしらの食べ物を持っている。かなりの量を食べるがさほど太らない

二週間経ったので生存報告です。もう二週間は空かないと思います。よろしくお願いします。

まだ昼ですが始めます。

司馬「おはよう御座いまー……」

司馬「あれ?」

鎌池「よォ司馬。相変わらず朝早ェな」

司馬「鎌池さん一人ですか?」

鎌池「アァ。今日は偶々オレだけ暇なンだわ」

鎌池「宮部は相田と仕事で昨日からいねェし、二葉亭は大手の依頼人(クライアント)の処だし、他の奴等も出払ってンだよ」

司馬「……一応聞いておきますけど、西尾さんは?」

鎌池「……さっき土手に埋まッてたぞ」

司馬「……想定内ですね」

司馬「そうなると、今日は仕事無いのか……」

鎌池「いいンじゃねェの、そういう日が有っても。ウダウダ出来る時間も貴重だぜ」

鎌池「オレも今日は当直だけだしな。やる事ねェから昼寝でもするか」

司馬「まだ朝ですよ……」


ガチャ


少女「すいませーん」

司馬「?」

鎌池「あ?」

少女「こんにちは! 武装探偵社の人ですか?」

司馬「うん、そうだよ。どうしたの?」



少女「迷子になったの! 助けて!」


司馬・鎌池「「迷子ォ?」」






第四話【とある二人の連続不幸(アンラッキー)】





司馬「じゃあ御嬢ちゃん、名前は?」

少女→ゆーか「わたしはね、えっと……ゆーか! ゆーかです!」

司馬「ゆーかちゃんね。名字は判るかな?」

ゆーか「うーん……何だっけ……」

鎌池「…………オイ」

司馬「どうしました?」

鎌池「……確かに、迷子を送り届けるのだッて立派な依頼だよ。それは認める」

鎌池「だけど、何でオレまで行かなきゃならねェンだよ」

司馬「仕方ないじゃないですか。俺はヨコハマに来たばかりで、此処ら辺の地理知らないんですから」

鎌池「そンな状態で安請け合いすンなよ!」

司馬「いいじゃないですか! 手伝って下さいよ!」

鎌池「手伝わねェとは云ッてねェだろ!」

鎌池「ッたく……ンでテメー、親は何処に居ンだよ」

司馬(ガラが悪いなぁ……)

ゆーか「んとね、おとーさんは家に居ないの。病院にいるの」

ゆーか「そしたら判んなくなっちゃった」

鎌池「病院だァ?」

司馬「つまり……お父さんの御見舞いをしようと家を出たけど、道に迷っちゃったんだね?」

ゆーか「うん! そう!」

鎌池「良く判るなオマエ……」

司馬「じゃあ、お父さんの居る病院に行こうか。名前は判るかな?」

ゆーか「判んない……」

司馬「そっか……」

鎌池「……オヤジがいる病院はデケェか?」

ゆーか「うーん……多分おっきいと思う」

司馬「大きさに何か関係が……?」

鎌池「此処ら辺でデカい病院つッたら一つしかねェンだよ」

鎌池「取り敢えず其処に行ッてみるぞ。テメーのオヤジがいるかもしれねェ」

鎌池「ホラ、ついてこいガキ」

ゆーか「!」

ゆーか「うん! ありがと、おじちゃん!」

鎌池「おじちゃんじゃねェ! どう見てもオニイサンだろうが!」ビシッ!!

司馬「ふふっ……」

鎌池「あ……? テメー笑ったな?」

司馬「わ、笑ってないですよ」プルプル……

鎌池「肩震わせてンじゃねェか!」

鎌池「ッたく……フザケやがッて……」

鎌池「……あ?」

司馬「? 如何(どう)しました?」

鎌池「……彼処にいる黒服の奴等、オレ達の方に走ッて来てねェか?」

司馬「えっ……?」



黒服1「居たぞ! 彼処だ!」タッタッタッ!!

黒服2「捕まえろッ!」タッタッタッ!!

黒服3「絶対に逃がすんじゃないぞ!」タッタッタッ!!

司馬「お、俺達が標的(ターゲット)みたいですね……!?」

鎌池「敵かァ? 確かに武装探偵社は裏の奴等から恨みを買う事はあるけどよ……」

ゆーか「……!」

ゆーか「おじちゃん! 司馬! 逃げよう!」

鎌池「だからおじちゃんじゃねェ!」

司馬「というか、俺、呼び捨て……?」

ゆーか「早く! 早くしないと捕まっちゃう!」

鎌池「チッ……! 仕方ねェ、捕まってろよガキ!」ガシッ!!

ゆーか「きゃっ……!」

鎌池「司馬! お前も早く来い! 逃げンぞ!」タタタッ……!!

司馬「は……はい!」タタッ!!


黒服4「逃げたぞ! 捕まえろ!」タタタッ!!

黒服5「待て───っ!」タタタッ!!

鎌池「クソッ……! 何なンだよアイツらは……!」

鎌池「おいガキ! 何でテメーが追われてンだよ!?」

ゆーか「うーん、わかんない!」

鎌池「少しは考えろッ!」

ゆーか「それよりも早くおとーさんの処に連れてって!」

鎌池「テメーなァ……!」


バキュン!!


三人「「「!?」」」

司馬「は、発砲して来ましたよ!?」

鎌池「マズいな……! オレの異能は戦闘向きじゃねェンだよな……!」

司馬「俺もまだ異能力は使わないでおきたいです……!」

鎌池「じゃあ、どうすッかな……!」


ブロロ……!!


鎌池「!」

鎌池「司馬! あの貨物自動車(トラック)に乗ンぞ! 荷台に飛び込め!」

司馬「!? 走ってる貨物自動車(トラック)にですか!?」

鎌池「先ずはテメーが飛び込め! その後にこのガキ連れてオレが行くから手伝え!」

司馬「わ……判りました!」

司馬「行くぞ……!」ググッ……!!


タンッ……!!


司馬「うわッ!?」ドサッ!!

司馬「ぎ、ギリギリ乗れた……!」

司馬「鎌池さん! 来て下さい!」

鎌池「おっしゃあ……! 気合入れンぞ……!」

鎌池「うらああああ───っ!」タンッ……!!



ドサッ!!

鎌池「……あ、危ねェ。マジでギリギリだった……」

司馬「良かった……」ホッ……

ゆーか「面白かった! もう一回もう一回!」キャッキャッ!!

鎌池「ざけンな! 二度とやるかよ!」グワッ!!

鎌池「ハァ……まァ兎に角、追手は撒けそうだな」

司馬「そうですね」


ガタン!!


鎌池「うおッ!?」

鎌池「危ねェな! 落ちるじゃねェか!」

鎌池「オイ運転手(ドライバー)! 安全運転で頼むぜ!」

司馬「乗せて貰ってるのにそんな勝手な……」

司馬「すいません、ちょっとだけ荷台を貸して貰いたいんですけど……」

司馬「……!?」



運転手「」ぐー……

司馬「ね、寝てる!?」ガーン!!

鎌池「何ィ!? 居眠り運転かよ!?」ガガーン!!

鎌池「オイ起きろクソ運転手(ドライバー)! テメーの身が危ねェだろうが!」


ガタンガタンッ!!


司馬「! 危ない……! 電柱に飛び込みますよ!」

鎌池「クッ……! 仕方ねェ、飛び降りるぞ!」

鎌池「ガキ! それに司馬! しっかり掴まれよ!」

司馬「は、はい……!」

ゆーか「いっけー!」



バッ……!!


ドサッ!!


鎌池「グッ……!」

鎌池「痛ェなクソがよ……!」

鎌池「ッたく……大丈夫かよテメーらは」

司馬「ええ、俺は大丈夫です。ゆーかちゃんは?」

ゆーか「楽しかったー!」

鎌池「楽しかっただァ?」

ゆーか「もう一回やってー!」

鎌池「遊具(アトラクション)か何かと勘違いしてやがンなテメーは……」

鎌池「ッたくよォ……不幸だぜ……」

司馬「でも取り敢えず……撒けたのかな?」

鎌池「かもな……」

ゆーか「あっ!」

司馬「!?」

司馬「どうしたの!? 追手!?」

ゆーか「思い出した!」

司馬「何を!?」

ゆーか「名字!」

鎌池「ンだよ、名字かよ……」

ゆーか「ゆーかはね、じゅーもんじだよ! じゅーもんじゆーか!」

司馬「じゅうもんじ……? 珍しい名字だね」

鎌池「じゅ、十文字だァ……!?」ゾッ……!!

司馬「知ってるんですか?」

鎌池「莫迦……! 十文字ッて云ッたらヨコハマでも有数の極道の家だぞ!」

司馬「えっ……!? じゃ、じゃあ……!」

鎌池「ああ……! このガキは極道の一人娘ッて事だよ……!」

司馬「な、何だって……!?」

鎌池「成程な……! だからテメーは追われてンだな? 組長の娘だから……!」

ゆーか「?」

司馬「じゃあ見舞いに行こうとしている“おとーさん”って……」

鎌池「ああ……十文字組の組長だな……」


黒服1「居たぞ! 彼処だ!」

黒服2「今度こそ捕まえろ!」

黒服3「もう逃がさねェぞ……!」


鎌池「クソッ……! 追い付かれたか……!」

司馬「何処か……逃げられる場所は……!」

司馬「……いや」

鎌池「あ!? 如何(どう)した!?」

司馬「……こっちです! おいでゆーかちゃん!」ダッ……!!

ゆーか「うん!」

鎌池「オイ! ま……待てッて!」ダダッ!!


[場面転換中───]


司馬「よし……此処なら……!」

鎌池「オイ司馬、此処じゃあ逃げ場がねェぞ」

司馬「はい、もう逃げませんから」



司馬「……迎え打ちましょう」

鎌池「!?」

鎌池「な、何云ってンだよ! 相手は銃持ッてンだぞ!?」

司馬「このまま逃げ続けたら、ゆーかちゃんのお父さんの処にまで奴等は来てしまうかもしれません」

司馬「そうしたら皆が危険に晒されます。此処で決着を付けましょう」

鎌池「そ、其れはそうかもしれねェけど……」

司馬「それに……俺、逃げるのは性に合わないんですよね」ニヤリ

鎌池「お前なァ……!」


黒服4「見付けたぞ!」

黒服5「観念しろ……!」

黒服6「もう逃がさねぇからな……!」


鎌池「黒服の野郎共は十人、か……」

黒服7「おい! 銃は止めろよ! こんな狭い処じゃ危ねぇからな!」

司馬「あ、銃は使わないみたいですね……。なら俺も異能は止めるか」

司馬「鎌池さんも戦えますよね?」ニヤ……

鎌池「チッ……生意気な新人だなァ……」ニッ……!!

鎌池「オレの異能は戦闘向きじゃねェけどよ───異能なンて無くても闘(や)れるに決まッてンだろ!」

鎌池「行くぞ───!」

[場面転換中───]


司馬「ふう……」

司馬「何とか勝てましたね……!」

鎌池「ヘッ、大した事無かっただろ」

司馬「いやいや、鎌池さん、結構傷あるじゃないですか……」

鎌池「ン? ああ……覚えておけ、新人」

鎌池「探偵社ではな───瀕死までは無傷だ。相田さんが居る限りはな」

司馬「な、成程……」

黒服1「く、クソ……! こんな奴等に敗けるとは……!」

鎌池「オレ達は武装探偵社だ。今度から喧嘩を売る相手は選ぶンだな」

司馬(不良みたいだ……)

司馬(……俺も人の事は云えないか)

司馬「それじゃあゆーかちゃん、行こうか」

ゆーか「ありゃりゃ……」

司馬「? 如何(どう)かした?」


ゆーか「うーん……情けないなぁ、みんな」


司馬「……え?」


黒服2「こ、このままじゃあ組長に何と云えば……!」


鎌池「……ハ?」


司馬「え? く、組長?」


黒服3「そうだ! テメェら、その御嬢様を十文字組の組長・十文字捨三郎の一人娘と知っての狼藉か!?」

司馬「……えっと、もしかして……」

司馬「……皆さん、十文字組の方々?」

黒服4「ああそうだ! 俺達は組員だ!」

黒服5「ずっと意識不明だった組長が目覚められたんだ! だから御嬢を連れて行かなきゃならねぇ……!」

黒服6「例え死んでもな……!」

ゆーか「えっ! おとーさん起きたの!?」

ゆーか「やったー! じゃあ早く連れてってよ、おじちゃん!」

鎌池「だからオレはおじちゃんじゃねェッ!」

黒服7「……ん!?」

黒服8「お、おい、ちょっと待て……!」

黒服9「お前ら、誘拐犯じゃないのか!?」

司馬「あー……これは説明が必要な感じだな……」

[場面転換中───]


黒服1「何!? お、お前ら……御嬢に云われて動いていたのか!?」

鎌池「アァそうだよ! このガキの依頼で病院に行こうとしてンだよ!」

黒服2「は、早く云えよ! 俺達は御嬢様が居なくなったから探して、お前らと一緒に居るのを見つけたから誘拐したのかと……!」

鎌池「ンな訳ねェだろうが!」

鎌池「つーかガキ! テメーが説明すれば良かったじゃねェか!」

ゆーか「だってみんな、おとーさんのとこに連れてってくれないんだもん!」

黒服3「そ、それは組長が起きてから連れて行こうと思っていただけで……!」

ゆーか「もういいよ、いいから早くおとーさんのとこ行こ!」

司馬「そうだな。誤解も解けた事だし……」



別の黒服1「見つけたぞコラァ!」ガララ!!


全員「「「!?」」」


別の黒服2「十文字組の奴等だよなァ? 俺達は一里塚組だ!」

別の黒服3「組長が倒れている今……お前らを攻め落とす絶好の機会(タイミング)だぜ!」

別の黒服4「覚悟しやがれお前ら!」

鎌池「ハァ!? この忙しい時に極道共の抗争かよ……!?」

司馬「ま、不味いですね……! どうすればいいんだ……!?」





西尾「簡単だよ。君達が彼女を送り届ければ良いだろう?」


司馬・鎌池「「うわあああ───っ!?」」ビクゥ!!

司馬「い、いつから此処に!?」

西尾「今先刻(さっき)だよ」

西尾「土手から這い出してとぼとぼ歩いていた処に、電柱にぶつかった貨物自動車(トラック)を見つけてね」

司馬「ああ……そう云えば、あの人大丈夫でしたか?」

西尾「うん、無事だよ。一応救急車は呼んでおいた」

西尾「そうだ! 鎌池君、先程土手で僕を無視したよねぇ?」

鎌池「何でテメーなンか相手にしなきゃなンねェンだよ」

西尾「辛辣だね!」

西尾「それより、君達早くその子を連れて行きなよ。親父さんの居る病院に、ね」

西尾「で、君達はその何とか塚達と戦って来なさい」

黒服1「何でお前にそんな事言われなきゃならねぇんだよ!」

黒服2「……でも、此奴の云う通りだ」

黒服2「お前ら! この人達に御嬢を預け、俺達は一里塚組をぶっ潰すぞ!」


黒服達「「「うおおおおおお───っ!!」」」


ドォッ……!!!


西尾「よしよし、始まったね」

西尾「さぁ、行きたまえ司馬君! 鎌池君! その少女を送り届けるのだ!」

鎌池「いやテメーも来いよ!」ガーン!!

司馬「ゆーかちゃん! こっちだ! ついておいで!」

ゆーか「うん!」

鎌池「莫迦! そッちじゃねェよ!」ガガーン!!

鎌池「ハァ……良いからオレについてきてくれ!」


鎌池「チクショウ……今日は非番だッてのによォ……」



鎌池「不幸だァ───!」

[場面転換中───]


ガララ

西尾「おや、出て来たね司馬君。如何(どう)だった?」

司馬「あ、西尾さん……」

司馬「はい、ゆーかちゃんは御父さんに会う事が出来ました。ゆーかちゃんは嬉しそうだし、御父さんにも感謝されて……ホッと一息です」

司馬「……鎌池さんは?」

西尾「彼なら帰ったよ」

司馬「ええっ!?」

西尾「彼は英雄(ヒーロー)になる事を嫌うからねぇ……。感謝されるのがこそばゆくて帰ってしまったんだよ、きっと」

司馬「そうですか……」

西尾「……司馬君、今日鎌池君と一緒に居て如何(どう)思った?」

司馬「え? そうですね……」

司馬「鎌池さんは……少し口が悪いけど、何事にも一所懸命で、周りの事を良く見ていると思います」

司馬「何だかんだでその人の事を助けようというか、そう云う言動をしていますよね」

司馬「……あと、ちょっと不幸?」

西尾「……はははっ! 流石だね司馬君、其処まで見抜いたか」

西尾「そう、鎌池君はね、とっても不幸なんだよ。まるで異能力では無いかと思ってしまうくらいにね」

西尾「彼は日頃今日みたいな不幸に巻き込まれ、その先々で誰かを助け、ボロボロになって相田さんに治療されるという毎日を過ごしているんだ」

西尾「だから今日はマシな方かもね。あんまり怪我してないし」

司馬「……異能じゃないんですよね?」

西尾「断じて違う」

司馬「な、成程……」

司馬「じゃあ……俺は帰りますね」

西尾「おや、帰っちゃうのかい?」

司馬「はい、依頼もこなしましたし。というか西尾さんはまだ帰らないんですか……?」

西尾「ふふふ……この病院にはね……良い看護師(ナース)が揃っているのだよ……」

司馬「……」スッ……

西尾「ぼ、木刀を取り出すなよ! まだ何もやってないだろ!」

司馬「……何もしちゃ駄目ですよ?」

西尾「大丈夫大丈夫。信用し給えよ」

司馬「信用ならないなぁ……」

司馬「じゃあ……まぁ、それでは。お疲れ様でした」


タッタッタッ……


西尾「……そう。鎌池君は不幸なんだよねぇ。例えば……」ガタン!!



ドサッ……!!





西尾「こうやって縛り上げられてロッカーに閉じ込められてしまうくらいには不幸なんだよねぇ……」



鎌池「───! ───!?」ジタバタ……!!

西尾「そうジタバタするなよ。世紀末が来ちゃうだろ」

西尾「待ってて、今助けるから」ビリリ……

鎌池「───はぁっ!!」ゲホ、ゲホッ!!

鎌池「い、今助けるだァ!? テメェが縛ッたンだろうが!?」

西尾「そうとも云うね」

鎌池「そうとしか云わねェよ!」

鎌池「……つーかよォ、もしかして……今日オレだけ非番にしたのはテメーの差し金か?」

鎌池「オレが普段どんな風に探偵活動しているか……それを教えようとしたのかよ?」

西尾「おおっ……流石鎌池君、微妙に鈍いね」

鎌池「ンだと!?」

西尾「それを理由の一つではある。でも、もっと大切な……というより探偵的理由があるのさ」ガララ!

鎌池「! 其処は……!」



西尾「やぁ、御機嫌如何かな? 十文字捨三郎さん」

捨三郎「……お前らが、娘を送ってくれた探偵社か?」

捨三郎「娘の我儘を聞いてくれた事、感謝する」

鎌池「いや……大した事はしてねェよ……」

西尾「何を云っているんだい鎌池君! とっても大変だったろう!?」

西尾「これはもう依頼料を払って貰わねば困るよねぇ!」

鎌池「アァ!? テメー何云ってんだ!?」

捨三郎「……確かにそうだな」

捨三郎「だが……少し静かにしてくれないか。娘は今眠った処なんだ……」ゴゴゴ……!!

西尾「ふふふ……其れしきで僕がビビるとでも? 舐めてもらっちゃあ困るね」

捨三郎「…………」

西尾「だが勿論、お金を請求しようって訳じゃない。少し聞きたい事があってね、それを教えてくれれば良い」

捨三郎「……聞きたい事?」





西尾「───十文字組が取り扱っていた薬物について」


捨三郎「───!」

捨三郎「…………何の話だ」

西尾「おっと、そうはいかないよ。こっちはもう判っているんだからね」

西尾「鎌池君、頼むよ」

鎌池「……!」

鎌池「……成程な。この為にオレを此処に連れて来る必要があッたのか」

鎌池「……つまり、このガキが探偵社に来たのもお前の差し金か?」

西尾「ノーコメント」

鎌池「チッ……! テメーと出会った事が最大の不幸だぜ……!」ズズズ……!!

捨三郎「!? 何も無い空間から本が……!」

捨三郎「……異能力か……!」

西尾「その通り。鎌池君の異能力───『とある魔術の禁書目録(インデックス)』は世界中のありとあらゆる情報を検索出来る能力でね。さながら此れは“世界の辞書”と云う訳だ」

西尾「ほら、貸した給えよ」

鎌池「テメーが捲るのかよ? まァ別にイイけどよ……ほい」

西尾「さてさて……」ペラペラ……

西尾「……矢張りね」

西尾「此処に書いてあるよ───“十文字捨三郎、精神刺激薬『モンド』を海外から輸入”……ってね」

捨三郎「……!」

鎌池「オイ……それッて、宮部が解決したあの錯乱ジジイの事件の……」

西尾「御名答」

西尾「さて……十文字さん家の捨三郎くん、答えてくれるよね?」

捨三郎「…………」





西尾「───貴方を襲ったのは、どんな人物だった?」


捨三郎「……何?」


鎌池「ハ?」

西尾「貴方は誰かに襲われて重体になっていた筈だ。貴方を襲った誰かを僕は知りたいんだよ」

鎌池「て、テメー先刻(さっき)クスリの事聞かせろッて云ッてたじゃねェか!」

西尾「?」

鎌池「“?”じゃねェ!」

西尾「薬を売っていた事は調べがついているんだよ。君の辞書にも書いてあるし」

西尾「でも僕の知りたい“誰に襲われたのか?”は書いていないんだ。襲われたと云う事実は書いてあるんだけど……使えないなぁ……」

鎌池「……もう言い返す気力もねェわ」

西尾「さてさて、教えてよ捨三郎さん。誰に襲われたんだい?」

捨三郎「……判らん」

西尾「えっ」

捨三郎「ただ……女であったのは間違いない。あの格好にあの髪型……恐らく少女だ」

捨三郎「腐っても俺は十文字組三代目組長だ。其処らの雑兵に負けるような事は無い」

捨三郎「しかし……奴には敵わなかった。気が付いたら目の前に居て、気が付いたら体を切り刻まれていた……」

鎌池「なンだよそりゃァ……」ゾッ……

西尾「……成程」



西尾「それじゃあ、僕は帰るね!」

捨三郎「!?」

捨三郎「な……何だと?」

西尾「行こうか鎌池君」

鎌池「テメーはそう何で突然なんだよ……」

捨三郎「……お前は、俺を咎めないのか? 俺は、人間の心を壊す薬物を取り扱っていたんだぞ?」

西尾「別にぃ? 僕には関係ナッシングだしぃ」

西尾「それに……この本にはこうも書いてある」

西尾「───十文字捨三郎、『モンド』を取り扱ってから三年後、突如薬物販売を中止……ってね」

捨三郎「!」

西尾「反省して行動を改めているなら、僕から何も云う事は無いよ」

西尾「んじゃ~ねぇ~」ヒラヒラ……

鎌池「アッ、西尾待てコラ!」

鎌池「……まァその、何だ……」

鎌池「……娘さん、大事にな」タッタッタッ……

捨三郎「…………」

捨三郎「……武装探偵社、か」


[場面転換中───]


西尾「『彼女』が動いているって事は……『彼』が動き出したって訳だね」

西尾「ふふふ……果たしてこれからどう展開するのか……」

西尾「楽しみだね!」


[転換中───]


司馬「へっくしょん!」

司馬「……風邪かなぁ?」






第四話【とある二人の連続不幸(アンラッキー)】了








【次に交流する登場人物(キャラクター)を選択して下さい。選択した安価のコンマが50以上だと、新しい登場人物(キャラクター)が現れます。】

壱.西尾維新
弐.宮部みゆき
参.相田みつを
肆.鎌池和馬
伍.二葉亭四迷

↓1

二葉亭四迷選択で本日はここまで。お疲れ様でした。


ちなみに、十文字ゆーかの元ネタは『とある魔術の禁書目録』の“インデックス”という登場人物(キャラクター)です。まぁ参考程度と云う感じですが。


前回、キャラ安価は一旦終了とか云ったんですが、今日も登場人物(キャラクター)の安価を行います。今回はヨーロッパの文豪を基にした登場人物(キャラクター)をお願いします。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください

乙です
名前: ダレン・オショーネシー
性別: 男
能力名: 『ダレン・シャン』
容姿:シルクハットに片眼鏡、マントにステッキをもつ紳士然とした男
性格:喜劇と悲劇を愛する『物語愛好家』であり、『面白い物語』を作る為には手段を選ばない
喋り方:常に芝居がかった口調で仰々しく話す、素の時は落ち着いたジェントルマン的敬語
備考:スーツも武器も『オーダーメイド』に拘りを見せる

二週間経ったので生存報告です。近い内に更新するので宜しくお願いします。

それでは始めます。第五話からです。






第五話【探偵総論】





司馬「や……止めて下さい、宮部さん……!」


宮部「止める訳無いだろう……アンタはここで死ぬんだよ」


鎌池「さッさと死ンでラクになれよ、司馬ァ」


西尾「そうだよ司馬君。往生際が悪いなぁ」


司馬「そ、そんな……!」


宮部「そら!」ピッ!!



司馬「うわああああああっ───!」



西尾「決まったね」





西尾「───今回のババ抜きも司馬君の負けだ!」



司馬「そんなあああああ!」

相田「司馬さん……弱いですね」

司馬「うぐっ!」グサッ!!

鎌池「追い討ち掛けてやンなよ。自分が一番判ッてンだろ、弱ェッて」

司馬「うぐぐっ!」グサグサッ!!

司馬「ち、違いますよ! 宮部さんと西尾さんが強過ぎるんです! その所為で俺が負けるんですよ!」

相田「宮部さんは強いですもんねぇ」

宮部「割と遊戯(ゲェム)は得意な方でね」

司馬「と云うか西尾さん! 俺の事狙い撃ちしてませんか!?」

西尾「な、何を云うんだ司馬君! 酷いよ! 何で判るんだい!?」

司馬「やっぱりか!」

鎌池「何で其れは判ンのに毎回負けンだよ……」

司馬「むう……悔しいなぁ……」

司馬「もう一回やりましょう、もう一回!」

鎌池「またやンのかよ! どうせ負けンだろ!」

司馬「次は負けません!」

相田「その台詞先刻(さっき)も云ってましたよねぇ」

宮部「仕方ない、また叩きのめしてやるか……」

西尾「ふふふ……覚悟しておくんだね司馬君……」





二葉亭「コラァ───ッ!!」



全員「「「!!?」」」ビクッ!!!

二葉亭「何をやって居るッ!」

西尾「何って……ババ抜きだけど」

二葉亭「そんな事は見れば判るッ!」

二葉亭「仕事をせずにウダウダするなと言っている! さっさと職務に戻れッ!」

二葉亭「宮部! 貴様は殺人事件の再調査の依頼を受けているだろう! 早く取り掛かれッ!」

宮部「わ、判ったよ……」

二葉亭「相田さん! 貴方もです! 宮部の手伝いが貴方の今日の仕事でしょう!?」

相田「いやぁ……皆が楽しそうにババ抜きしていたもので……」

二葉亭「言い訳無用!」

二葉亭「鎌池! 貴様はこの書類をこの紙に書かれている会社に届けて来い! 大至急だ!」

鎌池「……オイオイ、紙に十個以上の名前が書かれているンですが……?」

二葉亭「だから其処に書類を持っていけと云う事だろうッ! グズグズするなッ!」

鎌池「マジかよ……!?」

二葉亭「司馬!」

司馬「は、はい!」

二葉亭「今日は俺の仕事を貴様に教える。ついて来い!」

司馬「は……はい!」

西尾「二葉亭君! 僕は何をすればいいのかな!?」

二葉亭「貴様は大人しくしていろッ! 絶対に動くなッ!」

西尾「……」ピタッ……

二葉亭「……よし、其れで善い」

司馬(いいのか?)

[場面転換中───]


二葉亭「全く……少し気を抜くとコレだ。俺達は武装探偵社だぞ」

二葉亭「司馬、お前もあいつらに感化される事の無いようにな」

司馬「は、はい……」

司馬(俺からトランプ持ち掛けたのは黙っておこう……)

司馬「で、でも、如何(どう)して急に厳しくなったんですか? 今までは何も言わなかったような……」

二葉亭「今迄はきちんとやるべき仕事をこなしていたからだ。働いているなら、自由時間に何をしようと勝手だからな」

二葉亭「……ただし、西尾は別だ。あいつは自由時間でも監視しておく必要がある」

二葉亭「昨日も近くの銭湯から苦情が来てな……。女湯を覗こうとしていたそうだ。破廉恥な奴め……!」

司馬(相変わらずだな……)

二葉亭「しかし、今日はどいつもこいつも仕事が残っている。働かざる者休むべからず、だッ!」

二葉亭「そういう訳だから、今日は貴様に武装探偵社の正しい仕事振りを見せる」

二葉亭「あいつらは結果は出しているが、その過程が滅茶苦茶だからな。参考にならんだろう」

司馬「……確かに、そうかもしれません」

二葉亭「先ずは……此処だな」

司馬「此処は……?」

二葉亭「ヨコハマでも有名な外食チェーン店の本社だ。貴様も食べた事があるのでは無いか?」

司馬「がいしょく……? ちぇーん……?」

二葉亭「……仕事には関係無いから後で説明するぞ」

二葉亭「依頼主は此処のライバル会社だ。今から此処に入って五名の人物に接触する」

司馬「何の為にですか?」

二葉亭「ヘッドハンティングだ」

司馬「へっど……何?」

二葉亭「其れも知らんか……」

二葉亭「ヘッドハンティングとは、簡単に云えば引き抜きだ。他の会社から優秀な人材を勧誘(スカウト)し、今居る会社より高条件で働いて貰う」

二葉亭「ライバル会社は此の会社から五人程引き抜く積もりらしい。その前にその面々の素行調査を探偵社が請け負ったという訳だ」

司馬「はぁ……何と無く判りました」

二葉亭「貴様が経験した案件と比べれば地味かもしれん。だが、こう云う依頼が稼ぎになり、武装探偵社の安定に繋がる」

二葉亭「そして其れはヨコハマ全体を守る為に行動する自由を得る事に繋がるのだ」

司馬「成程……」

司馬(二葉亭さんは今までの人達とは違う視点で武装探偵社の事を考えているんだな……)

二葉亭「では向かうか───」



ドォン!!!



司馬・二葉亭「「!?」」


二葉亭「な、何だ!?」


司馬「く……車が会社に突っ込みました!」


二葉亭「何だと……!?」


ギュルルルル……!!


司馬「うわっ!? 出て来た!」


二葉亭「待て貴様……!」


キキーッ!!


ブゥン……!!!


二葉亭「!? 何だあの出鱈目な運転は……!」


ウー……ウー……!!


司馬「! 二葉亭さん、市警です!」


数台のパトカーが暴走車の行方を追う。

すると、一台が止まり、助手席から壮年の男が現れた。

刑事「お前、確か武装探偵社の……」

二葉亭「はい、二葉亭四迷です」

刑事「ここで何をしている? アイツを追っていたのか?」

二葉亭「いえ、自分達は他の仕事で偶然……」

若い警官「先輩、身元紹介出来ました!」ダダッ!!

若い警官「名前は粶河太郎(はぜかわ たろう)! 麻薬の売人(ディーラー)で以前から監視(マーク)されています!」

刑事「売り物に手ェ出したって事か……!」

司馬「な、何があったんですか?」

刑事「見ての通りだ! 莫迦が薬物キメて暴れ回ってる!」

刑事「既に何人か負傷者が出ている! 此の儘では死亡者が出かねんぞ……!」

二葉亭「……!」

二葉亭「……司馬」

司馬「は、はい!」

二葉亭「此れが今日の依頼の資料だ。大事に持っていろ」

二葉亭「───後は頼んだぞ!」

司馬「えっ……!?」



二葉亭(『浮雲』───!)



ビュン……!!!



司馬「!?」


司馬「あ、あれ!? 二葉亭さん……!?」


司馬「二葉亭さんがいなくなった……!」


刑事「そうか、アイツの異能力なら……!」


司馬「刑事さん、二葉亭さんの異能力を知っているんですか!?」


刑事「ああ、武装探偵社には時折手を貸して貰っているからな」


刑事「二葉亭の異能力───『浮雲』は、奴の体重を零にする異能力だ」


刑事「体の重さは零になろうとも、体の動かし方が変わる訳では無い。つまり……」


刑事「アイツは常人に考えられない速度(スピード)で走る事が出来る───!」

[場面転換中───]


ブーン……!!!


粶河太郎「ヘヘヘ……!」

粶河太郎「オラオラ! ドウした!? 無能な警察共がヨォ!」

粶河太郎「誰にも俺は捕まえらんネーンだ! あははははは!」


コンコン


粶河太郎「アン? 誰だ車の窓ガラス叩くのは……傷が付くだろ!」

粶河太郎「…………ン?」

粶河太郎「窓ガラスを……コンコン?」

粶河太郎「……俺、走ってる、よ、な……?」





二葉亭「貴様───! 何をしているッ!」


粶河太郎「ギャアアアアア───!?」


二葉亭「喧しいッ! さっさと止まらんかッ!」


キキィー……!!


粶河太郎「な、な、な、な、な……!」


二葉亭「降りろ!」グイッ!!


粶河太郎「な、何なんだよオマエ!」


二葉亭「俺は武装探偵社の人間だ! 貴様のような悪辣な男を放って置く訳にはいかん!」


二葉亭「貴様、自分が何をやったか判っているのか……!? こんな街中を爆走したらどのくらい危険なのか、少し想像すれば判るだろうがッ!!」


二葉亭「さっさと来いッ! 貴様は司法で裁かれなければならないんだ!」


粶河太郎「ひ、ヒイ……!」

[場面転換中───]


司馬「二葉亭さん……大丈夫かな……」



西尾「安心し給えよ、ババ抜き弱男君」

司馬「うわァ───っ!」ビクゥ!!

司馬「と、突然現れるの止めて下さいよ!」

司馬「……ババ抜き弱男君って俺の事ですか?」

西尾「勿論」

刑事「ほう、ババ抜き弱いのか」

若い警官「ババ抜き弱いんですね……」

司馬「そんな云わないで!」

司馬「……と云うか、安心って……?」

西尾「そう慌てる事無いって事さ」

西尾「二葉亭君はね、とっても生真面目なんだ。武装探偵社の理念……このヨコハマの街を守る活動に従事し過ぎる程に従事している」

西尾「だから問題ない……ほら、見給え」



二葉亭「待たせたな司馬! では早く仕事に戻るぞ!」

二葉亭「是が粶河太郎だな? 警察に連れて行け、其れは貴様等の仕事だ」ポイッ!!

粶河太郎「ウゲッ!」ビタン!!

刑事「おう、助かるよ」

二葉亭「頼むぞ」

司馬「二葉亭さん……!」

二葉亭「……何をグズグズしている司馬! さっさと来い───」

二葉亭「ぬおっ!? 何故西尾がいるッ!?」ガーン!!

西尾「やあ」

二葉亭「やあ、じゃないッ! じっとしていろと云っただろうッ!?」

西尾「?」

二葉亭「? じゃないッ!」

西尾「まあまあ……僕は其処の男に用があるんだ」

刑事「粶河にか?」

二葉亭「貴様……遂に薬物に手を……!」

西尾「ご、誤解だよ! 僕を何だと思っているんだ!」

西尾「この男に少し聞きたい事があるんだよ」

若い警官「聞きたい事……ですか?」

西尾「最近宮部さんが解決した資産家の事件……あの犯人が服用していた精神刺激薬を彼が取り扱っていたらしい」

西尾「彼は組織に属していない売人(ディーラー)……そんな彼がどんな風に薬を手に入れたのか気になってね」

西尾「……なってるんだけどねぇ」ジー……

刑事「……武装探偵社には世話になってるからな。少しくらいなら尋問を許可する」

西尾「ええっ!? 何て寛大な! 流石はヨコハマ市警だね!」

司馬(白々しいな……)

二葉亭「……おい、何だその話は。俺は聞いていないぞ」

西尾「……あ」

二葉亭「あ、じゃないッ! 調査内容はしっかりと報告しろッ!」

二葉亭「探偵社内で情報共有出来ていない事がどれだけ危険か……!」

西尾「あーはいはい御免御免」

二葉亭「貴様ァ……!」

二葉亭「くっ……まぁ良い。此奴を叱るのは後だ。先ずは仕事を為ねば───」



───ドォン!!!



全員「「「!!?」」」

刑事「今度は何だ……!?」

若い警官「───はい、此方A班!」ガチャ!!

若い警官「はい……了解、直ぐ向かいます!」

若い警官「近くのビルヂングが爆発した模様! 多数の負傷者が居るそうです!」

刑事「チッ、次から次へと……!」

刑事「粶河に手錠を掛けろ! それから現場だ!」

二葉亭「……司馬!」

二葉亭「───仕事は一旦中止だ! 救助に向かうぞ!」

司馬「……!」

司馬「はい!!」


タッタッタッ……!!!


西尾「……やれやれ。熱心なのは良い事だけど、忙しい男だね」

西尾「さて、それじゃあ僕も“仕事”をしようかな」

西尾「話を聞かせてくれるよね、粶河太郎くぅん?」ニヤリ……

粶河「……!」ゾクッ……!!





……破壊されたビルヂングから十数名の人間を救助した司馬と二葉亭は、その足で当初の仕事に向かった。徹夜になってしまったが無事完遂し、依頼主へと報告した。

余談だが、仕事を終えた司馬の顔は疲れ切ってまるで死人の様だったと云う。







ガチャ



西尾「ふう~……ただいまただいま。まぁ誰もいないだろうけど……」



二葉亭「…………」

西尾「ありゃま。まだ居たの二葉亭君。残業?」

二葉亭「貴様と一緒にするな。俺の仕事は既に業務時間内に終えている」

二葉亭「貴様が何を調べているのか……それを報告して貰わねばならんだろう。だからこうして貴様を待っていた」

西尾「めんど……真面目だなぁ」

二葉亭「聴こえたぞ」

西尾「ハァ……判った判った。判り過ぎる程判ったよ。説明すれば良いんでしょ」

西尾「事の発端は、宮部さんからの依頼だ。二週間程前に解決した殺人事件の犯人である老人が乱用していた薬物について調べてくれってね」

二葉亭「貴様に頼むという事は……異能力で足取りが掴めなくなっている可能性が高いな」

西尾「そういう事。んで、僕の愛しの『怪異』達を使って調べた処、十文字組に辿り着いた」

二葉亭「先程資料を読んだが、老人に売り付けていた薬物と同じ物を販売していたんだったな……其奴等が黒幕か?」

西尾「いや、彼等は販売を行っていただけだよ」

西尾「だけど、今問題なのは───十文字捨三郎を襲った女の存在だ」

二葉亭「? 何故其処で十文字捨三郎を襲った人間の話に……」

二葉亭「……! 真逆(まさか)……!?」

西尾「君の考えている通りさ。十文字捨三郎は粛清されそうになったんだよ」



西尾「───ポート・マフィアにね」



二葉亭「た、確かにポートマフィアは自分達に断り無く薬物を販売される事を嫌う……! 最近でも相田さんの関わった事件でチンピラのリーダー格が殺された……!」

二葉亭「だが……何故今なんだ? 十文字組が『モンド』を販売していたのは三年も前の話だった筈だぞ……?」

西尾「さぁねぇ……」

西尾「ただ、この一件で『モンド』を売り付けている奴等はポートマフィアでは無いって事が判った」

西尾「粶河からも薬キマッててあまり有益な情報は得られなかったけど、ポートマフィアから売られた訳では無さそうだよ」

西尾「僕が今の処調べたのは此処ら辺まで。判ってくれたかな?」

二葉亭「ポートマフィアをも敵に回し、薬物を販売している輩か……。想像以上に大きな問題だ」

二葉亭「……何故もっと早く説明しなかったんだ」

西尾「別に黙っていた訳じゃないよ。正直此処まで大事になるとは思っていなかったんだ」

西尾「真逆(まさか)ポートマフィアまでが出張って来る案件になるとはね……」

西尾「……それで、どうします?」



西尾「───北原社長」



二葉亭「……!?」

二葉亭「しゃ、社長……!? 何時からいらして……!」

北原「最初の方からだね!」

北原「……二葉亭四迷」

二葉亭「はっ……!」

北原「精神刺激薬『モンド』の調査……社を挙げて行いなさい」

北原「ポートマフィアが介入しているという事は大きな案件となる……心して掛かるんだね!」

二葉亭「……!」

二葉亭「了解致しました……!」



西尾「……ふふふ」



西尾「久しぶりに……面白い事になりそうだ……!」






第五話【探偵総論】了








【条件「安価で選択出来る武装探偵社の登場人物(キャラクター)とそれぞれ一回交流する」を満たした為、次に進みます。】


[後日───武装探偵社・会議室]


司馬「『モンド』……?」

二葉亭「そうだ。精神刺激薬『モンド』……覚醒剤のような効果を持ち、既存の薬物よりも強く人間の精神に異常を発生させる薬だ」

二葉亭「市警からの情報だが、この『モンド』による影響が考えられる事件がここ半年多発している」

二葉亭「これは由々しき事態だ! 早急に我々武装探偵社で解決すべきであるッ!!」

西尾「気合入ってんねぇ~」

宮部「真逆(まさか)こんなデカイ事件になるとは……西尾以外にも話しておくべきだったかねぇ」

相田「過ぎた事を云っても仕方ありませんよ。それより……鎌池さんの姿が見えないようですが?」

宮部「相変わらずチクリと刺して来るねアンタ……」

西尾「鎌池君は『モンド』についての情報を異能で検索しているよ。中々見つからないみたいで頭を抱えている」


フコウダーッ!!


西尾「ほら、何か聴こえたでしょ」

宮部「鎌池が簡単に見つけられないってのは困ったね。それだけ秘匿された情報って事だ」

二葉亭「幸い『モンド』による精神への影響は調べが付いたらしいがな」

二葉亭「他の社員には通常業務を任せてある。だから、取り敢えず基本的には調査は俺達のみで行う」

二葉亭「勿論場合によっては人員を増やすから、遠慮無く述べるように」

西尾「じゃあ女性社員を僕の周りに!」

二葉亭「貴様がそんな事ばかり云うから女の社員が辞めて行くんだよ……!」

宮部「じゃあ、アタシが側に居てあげようか?」ジロ……

西尾「話を進めてよ、二葉亭君」

司馬「何事も無かったように……!?」

二葉亭「……莫迦は放っておいて話を進めよう」

二葉亭「鎌池と俺は探偵社に残って調査を行う。西尾、司馬、宮部、相田さんには二人一組になって調査を行って貰う」

西尾「二人一組?」

二葉亭「この事件にはポートマフィアが介入しているからな。念には念をだ」

司馬「ぽーと……まふぃあ?」

西尾「ヨコハマの港を縄張りにするマフィアの事さ」

西尾「只のマフィアとは違い、このヨコハマを裏で牛耳っている組織でね。正にヨコハマの暗部と云えよう」

西尾「裏で様々な事を画策している人間はこの魔都(ヨコハマ)には大量にいるけど、ポートマフィアを無視して悪事を働く事はほぼ不可能だろうね。それくらいの存在だ」

西尾「勝手にヨコハマを荒らすと粛清されてしまうし……」

司馬「……!」

司馬「もしかして……相田さんの時の事件の……」

西尾「御名答。あのチンピラ達は粛清されてしまったんだろう。勝手に薬物を販売した罪でね」

司馬「そんな組織が……」

二葉亭「そう云う訳だから貴様等には出来るだけ単独行動を避けて貰う」

二葉亭「……怯え過ぎかもしれんが、用心に越した事は無いからな」

二葉亭「さて、では───」



【司馬は誰と調査をするのか。選択して下さい。】

壱.西尾維新
弐.宮部みゆき
参.相田みつを

↓1

壱選択で本日はここまで。お疲れ様でした。次回から『モンド』とポートマフィアを巡る事件に関わっていきます。ありがとうございました。

それでは始めます。ちょっと時間が早いかもしれない。

>>214選択:壱.西尾維新



二葉亭「宮部は相田さんと、西尾は司馬と組め。良いな?」

西尾「え、ええっ!? 二葉亭君、正気かい?」

二葉亭「何だ……不服か?」

西尾「いや全然」

二葉亭「ならばいちいち云うんじゃない……!」

宮部「よし、じゃあ行くよ相田。ビシバシ使ってやるからね」

相田「あはは、お手柔らかに」

西尾「あ、宮部さん。そっちは何調べるの?」

宮部「そうだねぇ……『モンド』が関係していると思われる事件の中で、気になる物を取り上げて調べてみるよ」

宮部「アンタは?」

西尾「うーん……手掛かりが少ないからねぇ……」



西尾「久し振りに『西尾ボックス』使ってみようかなーって」


全員「「「!?」」」



宮部「あ……アンタ、マジで云ってんのかい……!?」

鎌池「オイ! 何だか『西尾ボックス』とか云う不吉な単語が聞こえてきた気がするンですが!?」ガララ!!

西尾「鎌池君まで……そんなに焦らなくても良いじゃあないか」

二葉亭「焦るに決まっているだろう……!」

司馬「……?」

西尾「大丈夫だよ。選ぶのは司馬君だから」

二葉亭「司馬……!」ガシッ!!

司馬「は、はい!」

二葉亭「良いか……! 絶対に正しい物を選べよ……!」

相田「まぁ、なるようになりますよ」

二葉亭「駄目だ! あの箱だけは危険が伴う……!」

二葉亭「と云うより西尾維新には常に危険が伴う……!」

西尾「中々云うね」

二葉亭「良いか……! 絶対に正しい選択をしろ……! 判ったな……!?」

司馬「は、はぁ……」

司馬(一体……『西尾ボックス』って何なんだ……?)






第六話【西尾ボックスの正しい使い方】




[───探偵社の近く、周りには雑踏]


西尾「さてさて、そういう訳だから……」

西尾「選びたまえ」

司馬「何を!?」ガーン!!

西尾「決まっているだろう。『西尾ボックス』さ」ズズズ……

そう云うと、西尾は虚空から幾つかの箱を取り出した。大小様々で、色もそれぞれ違う。

西尾「これは僕の持つ『怪異』の一つでね。この箱の中には、僕がこれからどんな行動をすれば良いのか、その指針が入っている」

西尾「この中には〝誰に会って何をすればどんな事が起こるのか〟という情報が入っているんだよ」

西尾「今回は『モンド』の調査をする為には何をすれば良いのかに絞って箱を取り出した」

西尾「さぁ、選びたまえ司馬君。どれを選ぶかによって今後の展開が変わる箱だ。慎重に選んでも良いし、適当に選んで良い」

西尾「ちゃんと外れも入っているから気を付けてね」

司馬「……外れを引くと、どうなるんですか?」

西尾「参考までに鎌池君の例を云うと、最終的に彼は異国の革命騒ぎに巻き込まれ、半年くらい帰って来なかったね」

司馬「そんな奇想天外な事が起こるんですか……!」

司馬(ぜ、絶対に外れは引けないな……!)



【『西尾ボックス』から一つ選んで下さい。外れもありますが、死んでしまう事は無いのでご安心を。】

壱.ルービックキューブのような見た目の大きな箱
弐.真っ赤で小さな箱
参.鉄製で重厚な平均的サイズの箱
肆.良い香りのする中くらいの箱
伍.寄木細工の小さな箱
陸.グニャグニャとした紫色の小さな箱
漆.仄かに赤く点滅している中くらいの箱
捌.大きいが軽い灰色の箱
玖.雑貨屋で売っているような普通の大きさの箱
拾.白くて洗練されたデザインの平均的な箱

↓1

>>224選択:伍.寄木細工の小さな箱……割と当たり



司馬「じゃあ……此れで」

西尾「ほうほう……それでは開けてみようか」カチャリ……

西尾「えーなになに……?」

司馬「何が入っていたんですか?」

西尾「メモ書きだよ。良かったね、二葉亭君は箱を開けたら大蛇が出て来た事があるよ」

司馬(恐ろしいな……)

西尾「ふむふむ……」

西尾「うん、なかなかどうして無難な選択だったようだね。君も読むかい?」

司馬「はい、えっと……」

司馬「……『知っているかい? 京都の墨染には桜が咲いているが、それはヨコハマでも見る事が出来るんだよ。ヨコハマと京都は桜の視点で考えれば対等(イコール)だと、そう云う訳だね』……」」

司馬「……何ですかこれ。全然意味判んないですけど」

西尾「決まっているじゃん。情報を得たければ会いに行けと云う事だよ」

西尾「───異能力を持つ情報屋の処にね」

[───河川敷]


川上「…………」ウーム……

西尾「あ、居た居た」

西尾「おーいビザーン!」

川上「…………」ウーン……

西尾「ねぇビザンってば!ビザンビザン!」

川上「…………」ム……

西尾「川上さん家のビザンくーん!」

川上「…………煩い羽虫がいらっしゃいますなぁ」

西尾「え!? どこどこ!?」

司馬「……多分、西尾さんの事なんじゃないでしょうか」

西尾「何を云うんだい司馬君。虫は虫でも、僕はもっと美しい虫だよ。ニジイロクワガタとか」

司馬(ニジイロクワガタ……?)

川上「……はぁ。仕方ありませんなぁ……相手しない方が喧しいでしょうし……」

川上「何の用ですか、西尾くん」

西尾「おお、やっと反応してくれたね、ビザン君」

川上「名前を呼ぶの止めて頂けます?」

川上「……と、その前に、そちらに自己紹介をした方が宜しいでしょうか」

司馬「あ……すいません、挨拶が遅れました。最近武装探偵社に入社した司馬遼太郎という者です」

川上「よろしゅうね。大丈夫やよ、挨拶出来んかったのは西尾君の所為やから」

西尾「相変わらず刺々しいねぇ」

川上「自分が悪いんやろ」

川上「ウチは川上。しがない絵描きや。以後お見知り置きを」

司馬「よ、よろしくお願いします」

川上「で? ウチに何を調べて欲しいんや?」

司馬「へ?」

西尾「何が知りたいんだい? 司馬君?」

司馬「ん?」

司馬「……もしかして、異能力を持つ情報屋って……」

川上「ええ、ウチの事やな」

川上「情けない話やけど、絵描きだけじゃ食っていけんでなぁ。異能を使ってちょこちょこやらせてもらってるんよ」

川上「それで? 何が知りたいんや? ある程度なら調べられるよ」

司馬「えっと……」

西尾「何聞いても良いよ。君が調べた方が良いと思った事を云うと良い」

司馬「そ、それじゃあ……」



【何を訊く?精神刺激薬『モンド』をヨコハマから撲滅する為に川上眉山に色々と訊いてみよう。】

↓1~3くらいまで。コンマの大きさによって得られる情報量が変わります

ポートマフィアも動いているらしいのでポートマフィアについて訊いてみる
どんなメンバーがいるのか、ボスは誰かなど

>>229-231選択……コンマゾロ目のため、『モンド』を売り付けている連中に関してはある程度の情報を入手します



司馬「……それじゃあ、ポート・マフィアについて……」

川上「あー、駄目や駄目や。あいつらの事なんか判らんよ」

司馬「えっ」

川上「ポート・マフィアは徹底的な秘匿主義でなぁ。ウチの能力使っても全然調べが付かんから、金払うだけ無駄や」

西尾「えー、お金払うのかい?」

川上「当たり前やろ……何の為に情報屋やってると思っているんや」

西尾「武装探偵社にツケといて」

川上「……まぁいいわ。アンタんとこの二葉亭さんはちゃんと払ってくれるからな」

司馬「此処でも二葉亭さんに迷惑を掛けているんですね……」

西尾「ううむ、司馬君も云う様になって来たね。ゾクゾクするよ!」

川上「キモいなぁ」

川上「ああ、でも一つだけ。最近注目株の構成員がいる」

川上「名前は馳星周。金髪を総髪(オールバック)にして黒眼鏡(サングラス)を掛けた趣味の悪い……個性的な男や」

川上「マフィアの稼ぎを邪魔している奴等を次々突き止めて粛清しているらしくてな、その手腕が評価されとるらしい」

川上「戦闘系の強い異能力を持つらしいで。一応気を付けてな」

司馬(馳星周……戦闘系の異能力使い……)

川上「如何する? 訊くの止めるか?」

司馬「い、いえ……」

司馬「『モンド』という精神刺激薬があるんですが、それを売っている奴等を突き止めたいんです。その情報を頂けないでしょうか」

川上「『モンド』ねぇ……何処かで聞いた気も……」

司馬「えっ……!?」

川上「あー、待ち待ち。直ぐに情報集めるから」

司馬「どのくらいでしょうか?」

川上「んー……十分くらい?」

司馬「早ッ!」ガーン!!

川上「ウチの異能は情報収集向きなんよ。ちょっと待っててな……」ゴソゴソ……

川上「どれにするかな……あの花にするか」ペタ……

そう云うと、川上は道端の花に一筆絵の具を塗り付けた。

司馬「……?」

川上「よし───」


川上(──────『墨染桜』!)


川上「……………………」

川上「……………………」

川上「……ふむ。成程なぁ……」

川上「…………他にも訊いてくれるか?」

司馬「……西尾さん。川上さんは何を……?」

西尾「彼の異能力───『墨染桜』は、絵の具を付けた植物と話す事が出来る力だ」

西尾「彼は町の至る処の植物に絵の具を少量付けていてね。情報を得る時は近くの植物から幾つもの植物を経由して町の凡ゆる情報を手に入れている」

西尾「雨が降って絵の具が流れ落ちてしまうの途端に無能になってしまうけどねぇ。何処かの物語の錬金術師みたいだよ、可哀想に」

川上「情報を貰う立場でようそんなウチの悪口話せるわなぁ。感心やわぁ」

西尾「いやぁ」テレ……

川上「……言及する気も失せるわ」

川上「司馬君。情報を手に入れたで」

司馬「本当ですか……!」

川上「ああ……。先ずは『モンド』とか云う薬を直接売ってる連中やが、これは無視して良い。殆どが大金に目が眩んで薬の効果も判らず売ってるようなチンピラや」

西尾「粶河君もそんな感じだったなぁ……」

川上「最近事故起こした奴か。アイツみたいに良く判らずに手を出す莫迦も少なくないようやな」

川上「それと、どうやら何年か前に売られていた『モンド』と今売られている『モンド』は少し効果が違うらしい」

川上「今売られている『モンド』の方が副作用が強く、服用した人物が過激になる可能性が非常に高いとの事や」

西尾「そんな事が判るのかい?」

川上「ヨコハマには何十年も生き続けている樹がごまんと居るんや。ウチの能力使えばそれくらい判る」


川上「そして此処が一番大事や……『モンド』を売人共にばら撒いている奴が判った」


司馬「!? ほ、本当に……!?」

川上「ああ、残念ながら名前は音の情報しか無いし、そいつ一人の犯行なのか、目的は何なのかまでは判らんかったけどな」

川上「その男はこう云っていたらしい……“ヨコハマに手っ取り早く絶望をバラ撒くにはこの薬は効果的だ”……ってな」

川上「その男の名前は───」







川上「──────コダカ・カズタカ」







[???]



小高「うぷぷぷぷ……そーろそろバレちまったかねー?」


小高「武装探偵社は優秀だって聞くからなぁ……流石にオレっちの存在には気付いているに違いないべ」


小高「……まっ、そんなん構わねぇけどな! お楽しみはこれからだし!」


小高「さーて……これから何がどうなっかなぁ……計画(プラン)は幾らでもあるべ……!」



小高「うぷぷぷぷ! ドッキドキのワックワクだべー!」





[小高和剛(こだか かずたか)──────能力名『ダンガンロンパ』]


『モンド』を売り付けていた人間が判明した処で本日は此処まで。お疲れ様でした。そろそろもっと動いて行く……かもしれません。


それと、馳星周先生、直木賞受賞おめでとうごさいます! めでたいね! ではまた次回。

以前に手塚治虫などの漫画家が出てくるss書いた?

>>241
いえ、それは>>1ではありませんね。でも読んだ事はあります。


それでは始めます。続きです。本編は短め。

[場面転換中───]


司馬「コダカ・カズタカ……」

司馬「西尾さん、知っていますか?」

西尾「……いや、聞いた事の無い名だ。ヨコハマでは新参じゃないかな」

西尾「絶望……か。参ったな、恐らく其奴は愉快犯タイプだね。非常に厄介だ」

司馬「そう……なんですか?」

川上「……西尾みたいな人間が重大な犯罪に手を染めていると考えてみ。厄介やろ?」

司馬「……確かに!」

西尾「僕を例に出すの止めて?」

西尾「……これは、探偵社で最も不幸な人間の手を借りた方が良いな」ポチ


[───武装探偵社]


鎌池「クッソ! 全然見つかンねェな! どうなッてンだよ!」

二葉亭「鎌池の異能をもってしても難しいか……」

鎌池「こりゃあもうちょい他の情報がねェと無理かもしンねェな……」

プルル……

鎌池「ア? 電話か……」

鎌池「……ゲ。西尾からだ」

二葉亭「……出ない方が面倒だぞ」

鎌池「判ッてるッつーの」ポチ

鎌池「ハイ、もしもし。鎌池ですけど」

西尾『……ふ、ふふふ……! ま、毎回思うんだけど、その変に律儀な電話の取り方は何なんだい? 笑っちゃうから止めてよ……!』ケラケラケラ

鎌池「う、うッせーな! 電話切ンぞコラ!」

西尾『そう云わないでよ。僕は不真面目だけど、用件は真面目だからさ』

西尾『一応スピーカーにしてくれる? 近くにきっと恐らくどうせ二葉亭君も居るんだろうから、聞いててくれた方が良い』

鎌池「もうしてるぞ」

二葉亭「全部聞こえているぞ西尾」

西尾『それは良かった、音声の問題(トラブル)は無さそうだね』

鎌池「コノヤロが……で? 何だよ用件ッて」


西尾『コダカ・カズタカ』


鎌池「ア?」

西尾『検索してくれ。恐らくその人物が今回の主犯格だ』

鎌池「……!」

鎌池「重要な情報じゃねェかよクソが……!」


鎌池(『とある魔術の禁書目録(インデックス)』───!)パラララ……!!


鎌池「……見つけた! コダカ・カズタカ───小高和剛が『モンド』をバラ撒いているのは間違いねェ!」

鎌池「ちょッと待ッてろ、詳しい情報は写真で送る……!」

[場面転換中───]


西尾「……成程ね」

司馬「何処まで判ったんですか?」

西尾「結構判ったよ。小高和剛に付随して『モンド』の事も少し判った。流石は鎌池君、便利な男だね」

西尾「元々『モンド』は英国(イギリス)の医師が作った精神安定剤らしい。精神病の治療に役立てようとしたんだろう」

西尾「ところが……そんな折に『モンド』と作り方の書かれた紙を誰かに盗まれてしまった。誰かまでは判らなかったみたいだけど」

西尾「そして改悪され、覚醒剤として裏で売り捌かれてしまった訳だ。可哀想にこの医者は国を追われたみたいだね」

司馬「そんな……! その人は悪くないのに……!」

西尾「その『モンド』が我が国に持ち込まれたのは凡そ三年前。この時期には十文字組も売っていたね」

西尾「……ここに、ポートマフィアが関わって来る理由があったんだ」

司馬「……?」


西尾「『モンド』を購入したのは、現在の首領(ボス)なんだよ」


司馬「……!」

西尾「恐らくポートマフィアが出張って来ているのは、『モンド』を売っていた事を有耶無耶にしようとしているからじゃないかな?」

西尾「小高和剛によって更に改悪された『モンド』がバラ撒かれている今、過去に『モンド』を売り捌いていた事は汚点になりかねない」

西尾「組織はそう云う汚点を見つけると直ぐに叩いて来るからね……首領(ボス)の座だって危ういだろう」

西尾「僕も過去に覗きをしたからって何時迄も疑われるし……」

司馬「それは西尾さんが悪い」

川上「控えめに云って死んで欲しいわな」

西尾「味方がいないなぁ!」

西尾「しかし困ったねぇ……保身の為に行動しているとしたら、『モンド』について調べている僕等も文字通り消されてしまうよ」

司馬「えっ」

西尾「奴等の組織力があれば、僕の異能なんか目じゃ無いくらいこの世から完全に消えてしまうだろう」

西尾「あ、川上君も危ないかも?」

川上「えっ」

川上「……は、ははは、何を云うんや。武装探偵社が守ってくれるやろ?」

西尾「その武装探偵社も消えちゃうかもしれないからなぁ」

川上「ゴタゴタ云わずに何とかしいや……!」

西尾「判っているさ」ピピ……

司馬「……その、何でしたっけ。人と話せる機械? で何を?」

川上「……これは携帯電話や。知らへんのか?」

司馬「いやぁ……俺、田舎の出なので……」

川上(携帯知らへんって……どんだけ田舎やねん……)

西尾「電子手紙(メェル)を送っているんだよ」

西尾「……よし、これで良い」

西尾「さて、行こうか司馬君。どうせだし川上君も来たら如何だい?」

川上「……あんさん達のお陰で危険みたいやし、そうさせてもらうわ」

司馬「え、えっと……一体何処に?」



西尾「それは勿論───小高和剛の居場所を突き止められる人物の処にさ」



司馬・川上「「!?」」




第六話【西尾ボックスの正しい使い方】了


本日はここまで。短くてすいません。


その代わり、今日は登場人物(キャラクター)安価があります。今回はアメリカの文豪を基にした登場人物(キャラクター)をお願いします。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください

名前:パール・バック
性別:女
能力名:『大地』
容姿:美しく老いた、杖をつき白い帽子と洋服、白髪の老人
性格:自然を愛し、柔和な物腰、自然を汚すものに罰を与える
喋り方:一人称は「あたしゃ」
備考:大富豪

>>260の者
追記ってありですか?
ありなら↓
備考に追加事項
・ヘイブンという町で生まれ、キャッスルロックという町で育つ
・妻子持ち。なお、子どもも異能持ち
・その他考えてた異能名候補
「ミスト」「IT」「ドリーム・キャッチャー」「ドクター・スリープ」「アンダー・ザ・ドーム」「デッド・ゾーン」「ザ・スタンド」

>>262
構いませんが、やり過ぎにはご注意下さい。何度もやっていたら収拾が付かなくなるのでね。


二週間経ったので生存報告です。その内やりますので、よろしくお願いします。

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