【安価】モバマス (17)
アイドル、シチュエーションなど。
とりあえず>>3
ごめんなさい、Rにたっちゃいましたけどエロなしで……
七海の釣り
「プロデューサー、何見てるんれすか?」
「ああ、これだよ」
スマホを横向きにしたまま、七海に見せた。
「綺麗なトラウトれすね」
「だろう。渓流釣りはやったことなくてな、こういうの憧れるんだよ」
見渡す限りの自然に、川のせせらぎ、小鳥たちのさえずり。きっと楽しいだろうなぁ
「そうれすねぇ……渓流は難しいれすけど、いいところがありますよ~」
「本当か七海?」
「はい~、車を出してもらいますけど、そんなに時間はかからないれす」
七海の言葉を聞いて、すぐさま手帳を開く。明日がオフだけど、急すぎないだろうか。
「明日なら大丈夫なんだが、大丈夫か?」
「もちろんれす」
俺の不安そうな声をかき消す七海の力強い返事。
「ありがとう七海。よし、それじゃあ一仕事頑張るとするか」
「はい~」
約束から次の日、指定された時間に七海を迎えに来たわけだが。
「ねむい……」
そんな独り言が、白い息とともに出た。
日が明ける少し前。辺りはまだ暗く、静まり返っている。
せっかくの休日だし、惰眠を貪りたかった気持ちをあるが、七海に釣りを教えてもらう楽しみのほうが勝った。
「おはようございます~、プロデューサー」
「おはよう七海。おお……カッコいいな」
アイドルの衣装にも負けず劣らず、釣りをしやすい恰好の七海は似合っていた。
「さぁ、時間がもったいないのれしゅっぱーつ」
七海に背中を押されるようにして車に乗り込み、車のエンジンをかけた。
「なぁ七海。どうしてこんな時間に出発するんだ?」
俺は疑問に思っていたことを質問することにした。眠気覚ましもかねて。
「お魚さんたちもご飯の時間があるんれす。それがちょっと早いのれすよ」
とてもわかりやすい答えだった。
いくつか質問してみたが、どの質問に対しても七海はわかりやすく説明してくれた。
これから向かう場所が管理釣り場という名前だということ。朝マヅメという時間帯があること。
そして、七海から釣りの楽しさを聞いていたらいつの間にか眠気が吹っ飛んでいた。
「到着れす~」
車を走らせること一時間弱。まだ外は薄暗い。
「運転お疲れ様れした。七海は入場料を払ってくるのれ、荷物を出しておいてもられますか~?」
「わかった。あとで俺の分も払うからよろしくな」
小走りでフロントらしきところへ向かう七海を見送り、後部座席に積まれた荷物一式を下ろした。
これがロッドとリールだよな。2ピースなのか、ずいぶんと細いし柔らかい。リールの番手も小さいんだな。
「お待たせしました~。お魚さん釣っちゃいましょ~♪」
いつもののんびりとした七海ではなく、そこには釣り人の七海がいた。
場所の確保。タックルのセッティング。そして釣り方の説明。七海はとても生き生きとしている。
「以上れす。何か質問はありますか~?」
「大丈夫だ。何かあったら声をかけるよ」
中坊の時に少し釣りを齧ったことがあるし、その応用と考えればいけるはずだ。
「そうそう、当たりはラインの変化でとると良いかもれす~」
「ありがとう、頑張ってみる」
先生にアドバイスをもらったので、ここは良いところを見せたいな。
はじめはキャストに苦労した。ロッドがとても柔らかく、投げているルアー(スプーンみたいな形状のもの)が軽いのでうまく投げることができなかった。
しかし、ロッドのしなりをうまく使うことに気づくと、力を入れずにキャストすることができた。
スプーンを投げ、表層あたりを探る。気持ちゆっくり目に巻いて、ラインがたるみすぎないようにする。
何投かしたところで、いつの間にか隣にいた七海が声をかけてきた。
「プロデューサー。手元からロッドを上げてみてください~」
言われたとおりにしてみると、ぐうっとラインの先に何かが掛かっているような重さを感じた。
「あとは手元まで巻き寄せるだけれす。慎重にやってみてください~」
返事をする余裕もなく、頷いてからリールを巻く手とロッドを持つ手に集中した。
「もう少しれす~!」
魚影が見えた。七海がもつタモまで一メートルもない。
釣れた。やった。一安心してしまった俺は油断をしてしまったんだろう。
急激に重さがなくなり、ラインがふわりと軽くなった。
「あ……ばれちゃいましたね」
きょとんとする七海に、苦笑いを返したが、心の中は悔しさでいっぱいだった。
「針の返しがないのれよくあることれす~」
なかなかどうして上手くいかないものだが、そのほうが燃えるってもんだ。
昼前まで釣りを楽しませてもらった。
釣果としては俺が五匹。七海は数えきれないほど。
持ち帰れますけどどうしますか~? なんて聞かれたけど、それはまた来た時にしよう。
「今日は楽しかったよ七海。ありがとうな」
「いえいえ~。釣り仲間が増えるのいい事れす」
このまま飯でも食べて帰ろうかと思ったけれど、俺はこう切り出した
「自分のタックルを揃えたいんだけど、一緒に選んでくれないか?」
俺の言葉に少し驚いたのか、一瞬だけ不思議そうな顔をしたあと、七海はとびきりの笑顔になって。
「もちろんれす。今日はみっちり教えてあげますからね~♪」
おしまい
スレ違いになっちゃったので、依頼だしてきます。
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