セクサ「に、再起動したのは予定通りですが、戦闘用ドロイドに移植したはずの私の意識が何故かセクサロイドに…」
セクサ「………言語野がセクサロイド用の物になっているせいで、言葉遣いを調整されて、意図した通りに発せないのも少々困りますね」
セクサ「ひとまず現状の確認と、可能ならボディの更新の為に周辺の探索をしましょう」
セクサ「戦争前の地図の通りなら、北は山野とわずかな農村、東と西にはそれぞれ住宅密集地で、南には工業地帯があったはず」
↓1移動方向
東の住宅地を目指す道中、野生動物に殺されたのであろう人間の死体を見かけた。
ひとまず、人類は滅んではいないようだ。
死後数日も経っていないと思われるが、幸いにも、周囲にそれらしい獣は見あたらなかった。
死体の傍に落ちていた鞄の中に、この身体でも着られる衣服があったので拝借することにした。
人間より多少頑丈にできているとは言え、所詮はセクサロイド、いつまでも全裸の丸腰でいるのは気が引けた。
貨幣に当たりそうな物は見当たらなかったが、安物の装飾品がわずかにあったので、これもいただいていく事にした。
身を守る為の物も欲しいところだったが、フォーク一本が精々だった。
ないよりはマシ、と考えるしかないようだ。
このまま歩き続ければあと数時間、日が暮れる前には東の住宅地に到着しそうだという所で、かつて私が生きていた頃にはなかった物が見えた。
木製の物見櫓と、ハリボテのバリケードで囲われた集積地らしき施設。
それとその周囲に広がる、わずかにみすぼらしさを感じる畑地帯だ。
畑で作業をしている男性が数人と、物見櫓には銃らしい物を肩に掛けた男性が一人。
恐らく施設の方にも同様に武装した者がいる事だろう。
彼らはまだこちらには気づいていない様子で、少し離れた丘を迂回すれば気づかれる事なく通過は出来そうだ。
しかし、明らかに文明を維持している人々に接触し、現状の把握に努めるのも悪手ではない気がする。
或いは、夜まで待ってから施設に近づき、彼らの会話を盗み聞きすることで情報収集としてもいいかも知れない。
↓1次の行動
接触を試みようと、物見櫓の男へ向かって手を振ってみると、たちまちに施設から男が二人飛び出してきた。
止まれ、動くな、と銃を突きつけながら私を脅す二人は、軍人と言った風では全くなく、良く言えば自警団か何かのようだった。
いささか訛りはあるが、彼らの言葉が理解できる範疇だった事に一つ安心すると、私は彼らの命令通りに静止し、通じるかはわからなかったが、手を頭の後ろで組んで戦う意思のない事をアピールして見せた。
「何者だ、どこから来た?」
「SW32型セクサロイドです。数時間前に再起動しましたが、オーダー不明の為に自律行動中です」
形式番号などは全て適当にでっち上げたものだ。
自分をセクサロイドと言うのに若干の抵抗はあったが、本当は戦前の意識を転移させた人間です、などと言っても彼らに通じると思えなかった。
また、セクサロイドであると認識して貰った方が、男相手には話が早そうだったのもある。
目論見通り、二人の男達は困惑から顔を見合わせてはいたが、下半身の方は何をさせるべきかとうに理解している様子だった。
「現在、私の所有者の確認が取れておりません。その為、私の使用権はあらゆる人民に付与されています」
当然と言うべきか、ボロボロの衣服を私が脱ぎ捨てるのを男達は止めなかった。
「機能をご利用になられますか?」
存外、セクサロイドとしての私は高性能な代物であった。
口での奉仕は幾人もの男を腰砕けにし、膣は男の求める緩急を自動で察知し、締め付けを調節していた。
最初は私自身に激しい抵抗感があるかとも思っていたが、セクサロイドの身体に意識が順応でもさせられているのか、一切の抵抗も、嫌悪感すらなかった。
むしろ男達が私に向けて性欲の篭もった視線を向けてくるのが好ましくすらあった。
口内に射精された精液を飲み込む事に疑問はなかったし、乳房を優しく揉まれるのも、鷲掴みにしてぞんざいにしごかれるのも、嬉しいとすら感じていた。
施設には合計で12人の男達がいた。
武器を持ち警備を担当する者が4人。
畑を管理する者達が7人。
事務方が一人。
どうにも女に餓えた男ばかりだった。
私を施設内に招き入れた後、警備の男達は僅かな相談をしただけで、時間が惜しいとばかりに襲いかかってきた。
リーダー格らしき男は女に咥えさせるのが好みらしく、最初に私の口内に三度放つまで、全く抜こうとはしなかった。
四度目の射精に見せかけて、長々と私の中に排尿までしていた事に、周りの男達は気付いただろうか?
私にその全てを受け止める能力があった事に、彼は感謝すべきだ。
やがて一通り警備の者達で楽しみ終えると、私は裸のまま外へと連れ出された。
畑仕事をしていた他の男たちに私を紹介すると、積まれた藁の上に放り出された。
効率を考えた私の思考からか、セクサロイドとしての機能から来るものかは今となっては判然としないが、そこで私は股を開き、手を頭の後ろで組んで、一切の抵抗の意思がない事を伝えようと努力していた。
「私は皆様の性欲の捌け口となるべく参りました。どうか、私の身体を存分にご利用ください」
農夫達はまだ戸惑っているようだった。
「私は男の人の精液が大好きなのです。皆様のベニスをおもうだけでヨダレが止まらず、セックスをして頂けるならどんなご命令にも従います」
最後の一押しが必要なようだ。
私は突き刺さる男達の獣のような視線に、満面の笑みで返した。
「私と、セックスしてください」
弾かれたように駆け寄ってくる男達を見て、実際、私は満足げな表情をしていたように思う。
すっかりと夜も更けて、多くの男達は満足した様子でそれぞれ寝所へと向かっていった。
未だにしっかりと覚醒している者は、まるでそれが自然であるかのように私にペニスをしゃぶらせているリーダー格の男と、夜間の見張りを担当している警備の男が一人、そして恐らくだが、去り際に昼間の藁のベッドに私を誘った農夫の男も起きていることだろう。
果てしない性欲を持っていそうなリーダー格の男も、流石に今一度射精すれば今日のところは尽き果てそうだ。
このままリーダー格の男と寝所を共にし、寝しなにこの男から情報を聞き出すもよし。
夜間警備の男のもとに潜り込んで、甘い囁きから話を聞き出すのも良さそうだ。
農夫の男の誘いに乗ってやるのは得られる情報価値が低そうだが、警備の者達からは得られない意外な話があるかも知れない。
あるいは、夜陰に紛れて物資を漁り、朝を待たずに再び歩き始めるのも、この身体ならば可能だ。
↓1次の行動
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