【艦これ】 カレーを食べさせたい比叡vs逃げる雪風 (75)




比叡「……」ドキドキ

金剛「……」ソワソワ

間宮「……」モグモグ



間宮「ッ!」クワッ

比叡「!!」






間宮「71点です!」

比叡「や……」



比叡「やった~!お姉さま、やりましたぁ~ッ!」

比叡「私の作ったカレーが、ついに70点を越えましたよ!」

比叡「長きに渡った日々の努力が、ついに実を結びましたぁ~っ!」

金剛「イエース!比叡の71点は過去最高のスコアネー!」

金剛「こんなにも頑張り屋さんな妹が居て、私もベリー誇らしいヨー!」

比叡「お姉さま~!」ギュ

金剛「比叡~!」ギュ






比叡「あ……あの!間宮さんも、私の修行に付き合って下さって……」

比叡「本当に、ありがとうございました!」

間宮「うふふ、そんな……お礼なんて」

間宮「ここまで熱心にお勉強に励んでくれた生徒も、あの伊良湖ちゃん以来で……」

間宮「私もなんだか、嬉しくなっちゃいましたから♪」

比叡「間宮さ~ん!」ウルッ


間宮「ふふふ。これまでに私がお教えした、料理のさしすせそ……」

間宮「それから、素材(市販のルー)の味に手を加えないということ」

間宮「そして、ローリエは野菜の代わりにならないということ」

間宮「これらの鉄則をしっかりと守って、これからもがんばってくださいね」ニコ

比叡「はいっ!」グッ






金剛「そもそも、比叡はもっと料理の腕に自信を持たなきゃノーデースっ」

比叡「お姉さま……」

金剛「だって、比叡は“御召艦”に選ばれた回数が……」

金剛「皆の中でもイチバン多かったからネー!」

比叡「え……」


比叡「そ、そうだったんですかお姉さま」

比叡「私って、そんなに凄い艦だったのですか?」

金剛「え……えぇぇぇ!?」

金剛「い、今まで知らなかったノー!?」

比叡「はぁ」


……
…………
………………





――戦史資料室前


金剛「たしかに艦娘化したとき、私たちは大戦時の記憶が一度はリセットされマース」

金剛「ケド、それでも比叡はもう少し、自分のヒストリーをしっかり思い出す努力をしておくべきだと思うネー」ハァ

比叡「ご、ごめんなさい……」



雪風「……」ペラッ

時津風「……」ジッ

天津風「……」ペラ



金剛「普通はあの子たちのように、自分が過去にどんな位置づけをされて、どんな戦いをしたのか」

金剛「そして、自分がどのようなラストを迎えたのか……艦娘たる者、それを知っておくことは常識デース」

比叡「うぅ……」






金剛「比叡のように、未来に向かってひたむきな姿勢は私も好きヨ」

金剛「それに、アナタは本当の意味で何も知らないというわけでもありまセーン」

金剛「ケド……だからといってお勉強をサボタージュするのは、ノーなんだから!」

比叡「面目ありません……」シュン



金剛「……とまぁ、お説教はこのくらいにして」コホン

比叡「?」

金剛「あの子たちのお勉強が終わったら、ぜひ比叡のカレーを振舞ってあげるといいネー!」

金剛「集中してお腹ペコペコでショウから、きっと喜んでもらえるヨー!」ニコッ

比叡「お姉さまぁ……」



比叡「はいっ!」ニコッ


……
…………
………………

今夜はここまでです
朝、続きかきます



雪風「……」トボトボ



金剛「どうやら終わったみたいデース!」

比叡「そのようですね!」



比叡「カレーの温め直しは良し、一升分のご飯もバッチリ!」

比叡「比叡カレー(笑)だなんて、メディアの印象操作には負けません!」

比叡「気合い!入れて!誘いますッ!」






比叡「雪風ーっ!!」

雪風「きゃっ!?」バサッ

比叡「お勉強、お疲れさま!」

比叡「実はこれからお姉さまたちと一緒に、カレーでお昼を取る所なんだけどっ」

比叡「雪風と、あとの二人も是非食べにきてくれると嬉しいなーって……」

雪風「あ……あわ、あわわっ」

比叡「思っちゃったりして……」

比叡「?」



雪風「比叡さん……」

雪風「ご、ごめんなさぁ~いっ!」ダッ

比叡「え……えぇぇぇ!?」ガーン


タッタッタッ……


比叡「逃げられた……」

比叡「……」


比叡「ま、待って~ッ!!」ダッ

比叡「逃げないでぇ!」

比叡「せめて、一口だけでも~っ!!」


タッタッタッ……





金剛「……」ジーッ

金剛「比叡、これもひとつの試練ネー」フフッ

金剛「一度植えついたイメージというのは、やはりそうそう覆らないという……ン?」



金剛「この本は……さっき雪風が持っていたものデース?」

金剛「……」

金剛「……アー、これは……」




タッタッタッ

雪風「うわぁ~ん……!」



比叡「はぁっ、はぁっ」

比叡「さすがは奇跡の駆逐艦……足の早さは……伊達じゃ……っ」

比叡「でもっ、私だってお姉さま譲りの高速性では……!」

比叡「負けないんだからぁぁっ!」


……
…………
………………




――執務室前



グラーフ・ツェッペリン「うぅむ……」ウロウロ



響「……彼女、さっきからずっと執務室の周囲をうろうろしているね」

暁「悩みのひとつやふたつ、レディならあって当然よっ」

暁「そっとしておきましょう!」

響「……うん」



グラーフ「ぐぬぬ……」ウロウロ





グラーフ(今朝は迂闊だった……)

グラーフ(これもすべて、この国の……春の陽気が悪いのだ!)

グラーフ(このぽかぽかで、得も言えぬ空気のせいでっ)

グラーフ(よりにもよって本人の前で、“アトミラールもいい……”などと漏らしてしまうなど!)

グラーフ(私は一体、どのような顔をしてアトミラールに会えばよいのだ……)ガクッ



グラーフ(……だめだ、一先ず冷静にならねば)

グラーフ(大切なのは……そうだ、話題だ)

グラーフ(先の失態を塗り替えるような、話の種を……!)




タッタッタッ……


雪風「はぁ、はぁ……ひゃっ!」

グラーフ「む、おっと……」ヒョイ

雪風「よ、避けてくれて、ありがとうございますっ」


タッタッタッ……


グラーフ「な、なんだ今のは……?」クルッ


ガンッ!


比叡「ひえぇ~!」 バタッ

グラーフ「!?」

グラーフ「わ、私のカタパルトに額を……っ」オロオロ




グラーフ「す、すまない……ヒエイ」

グラーフ「怪我はないか……?」

比叡「いえっ、こちらこそぶつかっちゃって!」

比叡「ごめんなさい、ごめんなさいっ!」ペコペコ

グラーフ「そ、そんなに謝らないでくれ……」


グラーフ「……そうだ。二人ともあんなに急いで、一体何があった?」

比叡「そ……そうだった!私、雪風を追いかけなきゃ!」

グラーフ(ふむ、急ぎの様子だな……あまり詮索はしない方がよかろう)




グラーフ「ヒエイ、邪魔をしてしまったな」

グラーフ「この償いはいつか必ず」ペコ

比叡「つ、償いだなんてそんな!」


比叡「……そうだ、よかったら貴女もカレーを食べに来てください!」

比叡「カレーはたくさんありますから!」

比叡「それと食堂には今、お姉さまがいらっしゃいますから~!」

比叡「それではっ!」


タッタッタッ……


グラーフ「……ふふっ」

グラーフ「まるで、嵐のようだったな」




グラーフ「それにしても……ふむ、カレーか」

グラーフ「私の祖国でもカレー粉を用いた料理はあるが」

グラーフ「この国ではたしかシチウのように煮込んで、ライスと共に食すのだったな」

グラーフ「なんでも、日本の海軍食で多様される形態であり、また家庭の味としても普及しているとか」


グラーフ「家庭の……味……」




グラーフ「……まぁ、話題逸らしには丁度いい」

グラーフ「アトミラールも誘い、共に席につくべきか?」

グラーフ「ちょうど昼食の時間でもあるし」

グラーフ「味の好みを確かめることもできれば、いつかはその……ハッ!」



グラーフ(わ、私は一体何を考えているのだ!)カァーッ


……
…………
………………


一旦ここまでです
続きは今日中にかきます

あと、今さらながらこのスレは非R版に立てようとしてできなかったssですので、エロとかそういうのはありません。
ご了承ください

>>20の訂正です、すみません!



グラーフ「……話題逸らしには丁度いい」

グラーフ「アトミラールも誘い、共に席につくべきか?」

グラーフ「ちょうど昼食の時間でもあるし」

グラーフ「アトミラールの味の好みを確かめることもできれば、いつかは私が……ハッ!」



グラーフ(わ、私は一体何を考えているのだ!)カァーッ


……
…………
………………




――鎮守府場内 遊歩道


雪風「はぁっ、はぁっ」

雪風 「どうしましょう、どうすれば……!」

雪風「うぅ……こうなっては、仕方ありませんねっ」


ヨジヨジ……


比叡「!」

比叡「うっそぉ……あの子、とうとう木にまで登りはじめた……」

比叡「……長らく木登りなんてしてなかったけど! 」

比叡「こうなったら私も!いきますッ!」


ヨジ ヨジ




山城「……」スタ スタ

扶桑「……」スタ スタ



山城「……姉様」

扶桑「どうしたの、山城……?」



山城「桜並木……花びらも散って、すっかり緑を湛えていますね……」

扶桑「えぇ……そうね……」




山城「不幸だわ……」

山城「せっかくこうして、姉様と花見をする時間を作ったのに……」

山城「まさかその前夜に、記録的大雨が降ってくるなんて……」ガクッ



扶桑「あらあら……不幸だなんて」

扶桑「そんなことはないわ、山城……」フフッ

扶桑「たとえ桜の花は散っていたとしても」

扶桑「あなたとこうして無事に、穏やかなひとときを過ごすことができるだけで……私はとても幸せ」

山城「姉様……」




扶桑「……山城、あまり道の脇を歩かない方がいいわ」

扶桑「昨夜の雨で、とても滑りやすくなっているみたいだから……」

山城「は、はい……ありがとうございま」スッ


バキッ

「ひえぇ――――――――ッ」



扶桑・山城「!?」




ガシッ


山城「はぁ、はぁ……!」

比叡「山城さん!?」

比叡「……う、受け止めてくれて……」ドキドキ

比叡「ありがとう……ございます……!」ドキドキ

扶桑「あら……あなたは比叡……」


扶桑「桜の木の上で、一体何を……?」

比叡「それは……話せば長くなるというか、なんというか……あははっ」


山城「重いぃぃはやくおりてぇぇぇ!」




比叡「はぁ~、助かりました!」

比叡「ところで雪風は……!?」キョロキョロ


比叡「あぁ、あんなところに!」

扶桑「まぁ……木から木へ、あんなに器用に」

扶桑「まるで、お猿さんね」フフッ

山城「……」


山城 (お猿さんというより……モモンガじゃ……)ボソッ






比叡「比叡は行きます!本当にありがとうございました!」

比叡「お礼といってはなんですが、食堂に私の作ったカレーがありますのでっ」

比叡「よかったら召し上がってください!それでは!」ダッ

扶桑「はい……お気をつけて」

山城「もう、転んで落ちないようにね」


タッタッタッ……


山城「……姉様」

山城「比叡のカレーって……たしか……」ゲッソリ

扶桑「山城……人の好意をそのように言っては……」チラッ

扶桑「あら?」




扶桑「山城、見て……」ヒョイ

山城「姉様?」

扶桑「これ、比叡と一緒に落ちてきた桜の枝よ」

扶桑「残った桜の花が、一本の枝にこんなにも……」

山城「……」



山城「……えぇ、とても綺麗です!」ニコッ

扶桑「私たちだけの、満開の桜ね」ニコ


……
…………
………………

一旦ここまでです

読み返してみると、>>18が結構日本語でおkだったので訂正版です
本当にすみません





グラーフ「ヒエイ、邪魔をしてしまったようだな」

グラーフ「この償いはいつか必ず」ペコ

比叡「つ、償いだなんてそんな!」


比叡「……そうだ!」

比叡「もしよかったらあなたも、食堂までカレーを食べに来てください!」

グラーフ「カレー?」

比叡「私が作ったカレーなんです!たくさんあるので遠慮はいりませんよ!」ニコ

比叡「それではっ!」


タッタッタッ……


グラーフ「……ふふっ」

グラーフ「まるで、嵐のように去っていったな」





――鎮守府 埠頭


ザザーン…… ザザーン……



比叡「か、完全に見失っちゃった……」ガクッ


比叡「雪風、どこ行っちゃったのかなぁ~」

比叡「……」

比叡「はぁ……」



比叡「私のカレーって、そんなに嫌なのかなぁ」グスッ




比叡「……はっ!」

比叡「だめだめ、こんなところで心折れてちゃ!」


比叡「間宮さんも、金剛お姉様も……」

比叡「あんなに褒めてくれたカレーですもの!」

比叡「絶対、美味しいに決まってますッ!」

比叡「もう……後には引きませんッ」グッ






――埠頭 廃灯台


ギィ……バタン


雪風「はぁ……」

雪風 (ここなら、しばらく見つかることはないと思います)


雪風「……」

雪風「……ぐすっ」








雪風「本当は……逃げたくなんか、ありません……」


雪風「比叡さんに……ちゃんと……」


雪風「謝りたい、のに……」ポロ…ポロ…







「……誰?」

雪風「ひゃっ……!?」



ギィ……バタン



島風「な~んだ、雪風かぁ」ピョン

雪風「島風……さん?」

雪風「」ゴシゴシ






島風「むぅ~」プク-

島風「この灯台はね、しまかぜの秘密の場所だったんだよー」

島風「それなのに、私より早くにここに来てる子がいるなんて……」

島風「ちょっとびっくりしちゃった!」

雪風「ご、ごめんなさいっ」

雪風「すぐにでていきますから!」

島風「あーううん、別にいいのっ」


島風「そんなことより、雪風も上に登ろうよ!」

雪風「上、ですか?」

島風「ほら、きてきて!はやくはーやーくー!」

雪風「??」






――廃灯台 頂部


ザザーン…… ザザーン……


雪風「わぁ……!」

島風「どう?ここ、海の眺めがとってもいいでしょ~!」ピョン ピョン

雪風「はい!雪風、とても気に入りました!」

島風「でしょでしょー!」






島風「しまかぜはね、いつもは走ってばっかりだけどー!」

島風「たまに、じっとしながら考えごとをしたい時もあるの」



島風「そんな時……わたしはいつも一人でここに来るんだけど」

島風「もしかして、雪風もそんな気分?」

雪風「……」

雪風「じつは……」


……
…………
………………



島風「……そっかー、じゃあ」

島風「雪風も本で、自分の昔のことを知っちゃったんだ」

雪風「はい…」

島風「それで比叡から逃げてきちゃったんだね」






雪風「……昔の比叡さんを、最後に魚雷で沈めちゃったのは……」

雪風「実は、雪風だったかもしれないんです」

島風「……」

雪風「だから、ちゃんと比叡さんに謝らないといけないのに……雪風は……」


島風「……そっかー……」

島風「まぁ、あのできごとは事情も事情だし……」

島風「しまかぜは、雪風が悪いだなんて全然思わないよ!」


島風「……でも比叡に嫌われちゃったらって思うと、苦しくて仕方ないんだよね」

雪風「……」コク






雪風「……あのっ」

雪風「……島風さんは、どんな考えごとを?」

島風「わたしー?」

島風「わたしはー……うん、雪風とは真逆のパターンだね~」


島風「本をいくら読んでも、活躍の話とか……ほとんどなかったの!」

島風「せっかく速く……とっても速く作ってもらったのに、戦争では全然役に立てなかったんだって!」


島風「だから、しまかぜは時々ね」

島風「こんなわたしが、過去にすごい戦いを経験してきた皆と一緒にいて、本当にいいの?」

島風「……って思っちゃうことがあるのっ」

雪風「……」






雪風「雪風は、島風さんがいなくなっちゃったら……とてもかなしいです!」

島風「!」


島風「……ほ、ほんと?」

雪風「はい!」

雪風「だって、島風さんは皆の前では明るくて、いつも元気をくれます!」

島風「……っ」テレテレ


雪風「それに、一緒に戦ってる時の島風さんは……」

雪風「装備も速さもすごくて、とっても頼りになりますから!」

島風「むぅ~……それはこっちの台詞だよー!」






島風「しまかぜは知ってるよ!」

島風「雪風は皆と同じ機関で動いてるのに、わたしと同じくらい速い動きができるって!」


雪風「うぅ……でも、島風さんには最新の電探がありますよね!」

雪風「霧の中でも目が見えるなんて、尊敬しちゃいます!」


島風「そ、そんなこと言ったら、雪風にだって スゴい対空レーダーが備わってるもん!」

島風「対空機銃もたくさん持ってるし、なんだかずるーい!」


雪風「でもでも、島風さんには皆よりいい無線まわりが!」

雪風「遠くでもしれぇとお話できるなんて、うらやましいです!」


島風「それじゃあ、雪風には――――」

雪風「島風さんには――――」


……
…………
………………





島風「雪風には、すっご~い幸運が!」

雪風「島風さんには、すごい速さがっ!」


島風「はぁ……はぁ……」

雪風「はぁ……はぁ……」

島風「…………ぷっ」


「「あははははっ!」」


島風「何この言い合い!意味わかんなーい!」クスクス

雪風「なんだかよくわかりませんけど、熱中しちゃいました!」


島風「ふふふ……あー、おかしい!」

島風「二人でいっぱい笑っちゃったぁ」

雪風「でも……なんだかとても、楽しかったです!」






島風「……」

雪風「……」

島風「……ねぇ、雪風」

雪風「はい、なんでしょう?」



島風「やっぱりね、比叡にちゃんと……謝ろ?」

雪風「!」






島風「たしかに、許してもらえるかは分からないよ」

島風「それが怖いのも、よーくわかるもん!」

雪風「……」コク


島風「でも……わたし達には、すごい所がこんなにたくさんある」

島風「雪風が昔、守れなかった比叡もね」

島風「今度は守れるように……なってるかもしれないじゃん!」

雪風「……!」






島風「しまかぜはね、雪風のおかげで……」

島風「ダメダメだった過去は、これから取り返せる気がしたの!」


島風「だから、雪風も昔のことを乗り越えて、次に進まなきゃ」

島風「そうじゃないと、その“今度”すらやってこなくなっちゃうよっ!」


雪風「島風……さん……」


……
…………
………………


今夜はここまでです
次の更新で締められるとおもいます

書いてる時はそんなつもりはなかったのですが、>>54の一部文章が先人に対する配慮に欠けていると感じたので、三度目の訂正です
許してください!ナン






島風「しまかぜはね、雪風のおかげで……」

島風「悔しい思いをした過去のことは、これから取り返せる気がしたの!」


島風「だから、雪風も昔のことを乗り越えて、次に進まなきゃ」

島風「そうじゃないと、その“今度”すらやってこなくなっちゃうよっ!」


雪風「島風……さん……」


……
…………
………………





――食堂


わいわい ガヤガヤ


山城「あぁ……本当に比叡のカレーを食べにやってきてしまったわ……」

山城「姉様と綺麗な桜が見られて、せっかく幸せな気持ちだったのに……」

扶桑「もう……山城ったら、頂く前からそんな失礼なことを言うなんて」

扶桑「せっかくお誘い頂いたのに……めっ」

山城「!」


山城 (姉様の“めっ”が聞けるなんて……なんて幸せ!)キラキラ






天津風「雪風、おっそいじゃない……もう夕食時よ?」

時津風「あぅ~お腹すいた~……」

時津風「あ、でもでも……はうぅ……」

天津風「……まぁ、言いたいことはなんとなく分かるけど……」


天津風「ま、案外悪いようにはならないんじゃない?」

天津風「だって、雪風が来るんだし」

時津風「……そかそか、それもそうだね~」






暁「こ、こんなのレディーの扱いじゃないわ!」

暁「たまたま執務室の近くにいたってだけで、連れてくるなんて……」

響「響は知ってるよ」

響「司令官は道連れがほしかったのさ」

暁「うぅ……電と雷はあの場にいなくてラッキーね」


ガチャ


電「あ、二人とも見つけたのですっ」

雷「あら、カレーのにおい!誰が作ったの?」

暁・響「あっ」






グラーフ「重ねて言うがアトミラール、私は決して……」

グラーフ「貴官のカレーに対する嗜好を知りたくて、此度の哨戒(食事)に誘ったのではない」

提督「ワタシハ カゴノナカノトリ…」ガタガタ

グラーフ「だが、貴官がどうしてもと申すのであれば、此方も要望を聞き入れる用意はできている」

提督「ハハヨ ワガスクイヲモトメル コエヲ…」ガタガタ

グラーフ「私はビスマルクとは違い、料理の心得もあるのだからな」フフン

提督「アァ…ウチュウガ ウチュウガワタシノナカニ…!」ガタガタ

グラーフ「ふふっ……アトミラールともあろう者が、いったい何に怯えているのだ?」






グツグツ


金剛「シィット!お邪魔虫のドイツ艦が、提督の隣にィ!」ギリギリ

金剛「あぅ……鍋の火から離れられないのが悔しすぎるネー……」


金剛「それにしても……何故かは知りまセンが、とても大所帯になってきてるデース!」

金剛「比叡も雪風、いったい何処へ行ってしまったんデショ?」

金剛「雪風が落としたブックを見るに、今ごろは……」

金剛「……」

金剛「……デモ」クスッ



金剛「あの二人ならきっと、大丈夫デース!」ニコ


……
…………
………………





――鎮守府 埠頭


比叡「はぁ……はぁ……!」

比叡「大変、もうすぐ夜になっちゃう!」

比叡「雪風~!どこに隠れてるの~っ!?」



「おーい!こっちこっち~!」



比叡「!」

比叡「この声……島風がいるの!?」







島風「もぉ~!見つけるのおっそ~い!」プンプン

雪風「……っ」モジモジ



比叡「雪風!」

比叡「よかったぁ……やっと見つけられた……!」


……
…………
………………





雪風「雪風は……本当は、謝らなきゃいけなかったんです」

雪風「でも、いざ比叡さんを前にしたら、怖くなっちゃって……」

雪風「……」グッ

雪風「比叡さん、本当に……ごめんなさい!」



比叡「……そっか」

比叡「そうだったんだね」


比叡 (雪風、カレーのことで逃げてたんじゃなかったんだ)

比叡 (私の最期のことを……気にしてくれてたんだ……) ニコ





島風「……ねぇ比叡、雪風もこうして謝ってるしさー!」

島風「ね、許してあげて?しまかぜからもお願いだよー!」

雪風「……」フルフル

比叡「えぇ!?も、もちろん!」

比叡「そんなの、許すに決まって……はっ」ピコーン



比叡「……うぅん、比叡はちょっぴり怒っちゃったぞぉ~(棒)」

島風「そんなぁ~!」

雪風「うぅ…… 」シュン






比叡「ふふん、ただし……」

比叡「今から言うお願いを、二人がちゃんと聞いてくれたら許してあげます!」

雪風「!」

雪風「そ、それはなんでしょう?」

雪風「雪風、なんでもします!」

島風「わたしもするの?」

島風「いいよ、なんでも言って!」







比叡「それは……」

比叡「私の作ったカレーを食べて、感想を聞かせてくれること!」

比叡「笑顔でッ!!」ニコ



島風「!」ガーン

雪風「ふぇ?」







こうして……比叡のカレーは無事、皆に振る舞われることとなった。


「ちゃんとS&○のカレーの味がします!」

「ご飯はべちゃべちゃだけど、思ってたよりカレーは普通ー!」


――等といった高い評価の数々は、食堂に居合わせた大勢のギャラリーの知るところとなり

比叡は御召艦としての誇りを取り戻す……大いなる一歩を踏み出したのであったとさ


―――――完



艦これ六周年、おめでとう!

ここまで楽しく書かせて頂き、ありがとうございました。

途中、訂正を差し込んで読みにくくしてしまい、本当に申し訳ありませんでした……

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