中野「って仙狐さんの尻尾と耳が、、な、な、ない…無くなってる！」

中野「仙狐さん起きてください！大変ですよ！」

仙狐「なんじゃおぬし帰ってきたのか…なんじゃそんな声をだして」

中野「鏡、鏡を見てください！」

仙狐「なんじゃ騒々しい…ってうぎゃん！尻尾と耳がなくなっとる！？」

仙狐「もしや、……」

中野「どうしたんです仙狐さん…」

仙狐「狐火が出ぬ、神通力の類も全く使えん」

中野「ええ…」

仙狐「なぜこのようなことが…」

中野「……モフモフが…」

仙狐「そこまで落ち込まんでもよいじゃろう…あ」

仙狐「(そうか…こやつ、わらわの尻尾と耳が目当てで…いやそれはいつも通りなんじゃが)」

仙狐「(このモヤモヤ感はなんなのじゃろう)」

中野「き、今日はもう寝ます、明日も仕事ですし」

仙狐「そうじゃな、存分に寝るがよい」

仙狐「…寝坊してしまったのじゃ、あやつは…もう仕事にいってしまったか」

仙狐「しかし、最近疲労とやらがすぐ溜まるのう、耳と尻尾が無くなったこととなにか関係が」

シロ「セン！遊びに来たわよ！ってなによその姿は」

仙狐「見たままの姿じゃよ、丁度困っておるのじゃ」

シロ「セン、本当にそんなことも分からないの？」

シロ「そんなの人間界に滞留しすぎたからに決まってるじゃない」

仙狐「！そうか、簡単なことじゃったな、なぜわらわは…」

シロ「…？それはそうと、こんな姿中野がみたらショック死しそうね、なんせあの特殊性癖だし」

仙狐「もうみられたんじゃよ…」

シロ「そうなの？そりゃ大変ね」

シロ「(露骨に落ち込んでるわね…図星だったのかしら)」

シロ「(…そうだわ！)」

シロ「まぁ一先ずその身体を元に戻してきなさいよ、ナカノには私が言っておくわ」

仙狐「…うむ、わかったのじゃ」

中野「はぁ、やっと帰れるよ」

中野「でも、ちょっと帰りたくないな、昨日露骨に落ち込んでしまったし、本心バレてるよなぁ」

中野「い、いや本心って訳ではないんだけど、あの時は特に疲れてたからつい」

中野「…はぁ」

シロ「なに一人でぶつぶつ言ってるのよ」

中野「うわ！急に出てこないでくださいよ」

中野「しかもなんでここにいるんですか」

シロ「センはあの身体を戻しにむこうへ帰ったわよ、そのことを伝えに」

中野「そうか、人間界にいすぎて力を失ってたんですね、良かった…」

シロ「それはそうと、あんた、センを傷つけたわね」

中野「うっ…」

シロ「まさかとは思ってたけど、あんたがセンではなくあのモフモフの尻尾と耳しか興味がないとはね」

中野「あ、あの時は俺も仕事で疲れててそれであんなことになっててついその…すいません…」

シロ「それはセンに言うべき台詞でしょ？」

シロ「まぁあんたが悪い人間じゃないことくらい私にも分かるわよ」

中野「あ、ありがとうございます…で、その、仙狐さんはいつ帰ってくるかわかりますか？」

シロ「さぁね、そもそも帰ってくるかも分からないんじゃない？」

中野「え？」

シロ「あんたも分かってるんじゃないの？センがあんたじゃなくてセンが昔お世話になったっていうあんたの先祖しか見ていないことに」

中野「そういえば、前に仙狐さんが言っていましたね、僕の先祖がどうたらって」

中野「詳しくは教えてくれませんでしたが」

シロ「あんたと同じように、センもあんた自身のことは見ていないのかもしれないわ」

シロ「あんたそれでもいいの」

シロ「こんな良く分からない中途半端な関係が続いてもいいわけ？」

中野「それは…」

シロ「(ちょっと言い過ぎたわね)」

シロ「まぁ、そこらへんはセンがもし帰ってきた時に話せばいいんじゃないの」

シロ「ワタシはジャスコとゲームするからお暇するわ、じゃあね」

中野「はぁ…どうしよう、いろいろ」


～天界～
夜空「こりゃ、面白い姿になっておるのうセン」

仙狐「御託はよい、ここにある程度いればじきに力も姿も思い出す」

夜空「まぁそやね、で、あちらさんのところへは戻るのかえ？」

仙狐「それはそうじゃ、わらわはあやつと一緒にいたいのじゃ、お世話は勿論じゃが」

夜空「おや、シロになにか吹き込まれて多少は同様しているのかと思ったが」

夜空「杞憂だったかの」