アスカ・ラングレーは告らせたい 破 (84)

アホノリのエヴァ短編を思いついた端からいくつか書いてく
一応これ↓の続き。でもこっちは若干シリアス
別に読まなくても理解出来るよ

特務機関NERV。
エヴァンゲリオンを複数保有する超法規的組織である。
その経済力・政治力・軍事力はすさまじく、世界中の国家をまとめて相手どっても余りあるとすらささやかれている。

これはそんなNERVの中核をなす少年・少女たちをめぐる物語である!

リツコ「ーーシンジくんとアスカの話?」

ミサト「ええ、そうよ。ちょっち問題があってね。相談したいのよ」

リツコ「……」ゴクッ

リツコ「ーーフゥ。三日前の検査では、二人の心身に異常は見られなかったはずだけど」

ミサト「心身というより、人間関係の話よ」

リツコ「……はぁ、だと思った。正直勘弁して欲しいわ。その手の話は苦手だから」

ミサト「嘘おっしゃい。あんたそういうの得意じゃない」

リツコ「苦手よ。ーーロジックじゃないもの、人の心は」

リツコ「それで、何が問題なの?」

ミサト「なんだかアスカとシンジくんがギクしゃくしてるみたいなのよ」

リツコ「ギクシャク、ねぇ。……いつからそうなったの?」

ミサト「二日前からよ」

リツコ「二日前といえば。仲良く二人して門限過ぎてからあなたの家に帰って来た日よね」

ミサト「よく覚えてたわね」

リツコ「あれだけ愚痴に付き合わされたら嫌でも記憶に残るわよ」

ミサト「だって心配するじゃない」

リツコ「過保護ね」

リツコ「その日に何かがあったと見るべきね」

ミサト「うーん、どうかしら。分からないわ」

リツコ「……ギクシャクって。具体的にはどんな感じなの?」

ミサト「アスカがあからさまにシンジくんを避けてる。シンジくんもアスカに声を掛けられないみたい」

リツコ「……喧嘩かしら」

ミサト「いえ、どうもそういう感じでもないのよ」

リツコ「というと?」

ミサト「アスカは怒ってると顔に出るのよ。シンジくんもアスカが怒ってる時はたいてい縮こまってる。でも今回、アスカの機嫌はむしろいいし、シンジくんもアスカをただ気遣っている風なのよ」

リツコ「……他に変わってる様子はなかった?」

ミサト「そういえば、アスカがシンジくんの動きをよく目で追ってるわね。シンジくんは気がついていないようだけど。そうしてしばらくジーッと眺めてると、一人でニヤケ出すの。なんというか、こう、ニヘラッて感じで」

リツコ「ずっと見つめていたら目が合うんじゃないの?」

ミサト「それがシンジ君と目があった途端、アスカったら目をそらしちゃうのよ。プイッ、て」

リツコ「……」


リツコ(誰がどう見ても好き避けじゃないっ)
 

好き避けっ!
好きな相手を、恥ずかしさ故に避けてしまう現象!
主に恋愛初心者のティーンエイジャーに多く見られるといわれているっ!

リツコ(ミサトは鋭い時と、鈍い時の差が激しすぎるのよね)

リツコ(ミサトに事実をありのままに伝えるのも手だけど……) チラッ

ミサト「?」

リツコ(この恋愛音痴は、むしろ事態を悪化させてしまうでしょう)

リツコ(ここは適当に、煙に巻くのが上策ね)

リツコ(何より)

リツコ(毎日毎日、くだらない相談で仕事の邪魔をしてくる友人を凝らしめたってバチは当たらないわよね?) フフッ

赤木リツコ。
ネルフ技術開発部技術第一課所属。
エヴァの開発と、MAGIの管理を一手に引き受ける『天才』である。
与えられる責任・仕事量は尋常ではなく、常人なら過労死すること必定であるっ。

ありていにいうと、赤木リツコはストレス解消法に飢えていたのだっ!

リツコ「……まずいわね」

ミサト「えっ、これってマズイの?」

リツコ「ええ。まずいわね。とてもマズいわ」

ミサト「ちょ、ちょっと。不安を煽るようなことばっか言わないでよ。ちゃんと説明して」

リツコ「最悪の場合、事件に発展する恐れがあるわ」

ミサト「事っーー!?」

リツコ「落ち着いて。ミサト、あなたがしっかりしないと。殺傷沙汰が起きてからでは遅いのよ」

ミサト「殺っーー!?」

リツコ「そうなったらアナタ、間違いなくクビよ」

ミサト「クっーー!?」

ミサト「いや。いやいや。いやいやいやいや。あの二人に限ってそれはないでしょ!?」

リツコ「『まさかあの子たちが……』まさにニュースインタビューの定型句よね。今のうちに取材の練習でもしておいたら?」

ミサト「あの子たちが殺っ……何かやらかす前提で話を進めないで!」

リツコ「あら。これでもあの子たちが殺っ……しないための相談にのってるつもりなんだけど?」

ミサト「相談になってない! あと真似しないでっ!」

リツコ「いい? あの子たちの喧嘩はあなたが思ってるよりずっと深刻なの。対応を誤ると行くところまで行ってしまうわ」

ミサト「行くところってどこよっ。アンタの中であの子たちはどこに向かってるのよ!」

リツコ「アスカがシンジくんの動きを追うのはね。隙を探っているの」

ミサト「そんなん探ってどうするの!?」

リツコ「シンジくんが落ち着いてるのは、腹を括ったからね。ヤラレる前にもヤル気何だわ」

ミサト「だから何をヤルつもりなのよっっ」

リツコ「あの子たちの暴走を止められるのはあなただけよ、ミサト。さもないととんでもないことになるわ」

ミサト「さっきから目的語をはっきりしろって言ってるでしょおっ!?」




ミサト「もういい、かえる……。もうあてにしない……」

リツコ(からかい過ぎたかしら)



ーー自宅前

ミサト(からかわれたわねぇ)

ミサト(シンジくんとアスカが、殺っ……なんて悪い冗談にもほどがあるっての)

ミサト(まあいいわ。気を取り直してーー)


ミサト「ただいまー」ガチャ

アスカ「おかえりミサト。今日は遅かったわね」

ミサト「それを言うなら今日も、でしょ。大人は仕事で大変なの」

アスカ「はいはい、お疲れさま」

ミサト「おざなりねぇ。ちょっとは家主を敬いなさいな」

アスカ「へいへい」

ミサト「ところでアスカ、一つ聞いてもいいかしら?」

アスカ「なによ改まって」

ミサト「…………その手に持ってる包丁はナニ?」

アスカ「? 見たら分かるでしょ」

ミサト「……えぇ、そうね」

ミサト(お料理していたのかしら。でもシンジ君は……今日は疲れてたのね。きっとそうだわ、ええ)

アスカ「じゃ、私は引き続き肉を切り刻んで来るから。アルコールに手ぇつける前に手を洗いなさいよ」

ミサト「はいは~い」

ミサト「……」

ミサト(さて。ビールビールっと) トテトテ…ゴクッ

ミサト「くぅ~、やっぱり帰宅直後の一杯は最高ねっ」

ミサト「……」

ミサト(ーーって肉を切り刻むっ!? 引き続き!?)

ミサト「ねぇアスカ。あなた今だれ……なんの肉を斬ってるの」

アスカ「えっ。えっと、それは見てからのお楽しみね。うん」

ミサト「…………どうしても教えられないの?」

アスカ「そ、そうよ。だからキッチンの方には来ないでね。さ、サプライズなんだからっ」

ミサト(見たらサプライズするような肉を斬ってるの!?)

ミサト「……わかったわ。ところでアスカ、もう一つ質問してもいい?」

アスカ「さっきから何よ。聞きたいことがあるならふつうに聞けばいいじゃない」

ミサト「シンジ君はどこなの?」

アスカ「……シンジなら眠りについたわよ。深い眠りにね」

ミサト(言い方が不穏っっ!!)

ミサト(えっ、ちょっと待って、なにこれ)

ミサト(ーーどゆこと?)


ミサト(二人が本当にもう行くところまで行っちゃったというの!?)

ミサト(殺みってるの!?)


ミサト(……落ち着きなさい、ミサト)

ミサト(リツコに妙なこと吹き込まれたせいで思考まで妙になってるわ)

ミサト(冷静に、冷静になるのよ……)

ミサト(アスカがシンジくんを殺っ……するはずがないじゃないっ)

アスカ「そういえばミサト、ヤンデレって知ってる?」

ミサト「? ええ、知ってるわよ」

ミサト(大学時代に加持くんと一緒に観たことがあるわね)

ミサト(その主人公はヒロインに包丁で刺されて死んでたけど……)

アスカ「あれってけっこう共感出来ない?」

ミサト「あんたやっぱりシンジくんをどうにかしたでしょっ!?」

アスカ「なっ、なななな、何を言ってるのよばか。こ、この私がバカシンジをどうにかするわけないじゃないっ! ミサトは私を信じられないの!?」

ミサト「そのリアクションを聞くまでは信じてたし、信じたかったわよっ」

アスカ「私はシンジに何もしてない!」

ミサト「じゃあ今からそっちに行っても問題ないわね!?」

アスカ「いいわけないでしょっ!? こっち来ないで!」

ミサト「ならシンジ君の無事を確認させなさいっ」

アスカ「なんなのよ、もうっ。じゃあ間をとって私がシンジをどうにかしたってことは認めてあげてもいいから、こっちに来るのはやめてっ!」

ミサト「アホかっっ」バッ

アスカ「いやぁ!?」



ミサト「…………なに、これ」

ああ、もしかしてSS速報RってR-18って意味か
気がつかなかった
このスレ特にエロ要素ないんだけど、HTML化して普通のSS速報に建て直した方がいいのかな

この板R18じゃないスレも結構立ってるしここでもいいんじゃない
HTML化も依頼しても全くされてないし

>>18
なるほど、ありがとう
それならここで続行する

アスカ「……見れば分かるでしょ。焦げた天ぷらよ」ムスッ


ミサト「いくらなんでも失敗し過ぎじゃない? 台所が焦げた天ぷらの山になってるわよ」

アスカ「…………だから見たら驚くって言ったのに。見せたくなかったのに」ブツブツ

ミサト「ご、ごめんなさい」

ミサト(……なんだ。ただ天ぷらを作っていただけか)

ミサト(包丁も天ぷらをつくるためのものだったのね)

アスカ「誤解は解けた? なにを誤解してたのかは知らないけど」

ミサト「……ええ、そうね。勘違いでよかったわ」

アスカ「そっ。用が済んだなら、さっさと向こう行きなさいよ。天ぷらが出来たら呼んであげーー」


ミサト「で、シンジ君は?」

アスカ「!」ギクッ

アスカ「ど、どうしてシンジのことなんか気するのよ?」

ミサト「だってあなた、シンジ君をどうにかしたって認めたでしょ」

アスカ「あれは言葉の綾よっ」

ミサト「じゃあ、今からシンジ君の部屋に行って様子見て来てもいい?」

アスカ「ダメ」

ミサト「……」

アスカ「……」

ミサト「……様子見てくるわ」

アスカ「待って!」

ミサト「待たない」

アスカ「……い、いくら欲しいの?」フルフル

ミサト「そういうの、よくないと思うわ」

ミサト「さて、シンジくんの部屋はーーっと」ト

アスカ「ま、待ってミサトっ。そこだけはほんとにっ……!」








ミサト「…………なに、これ」


ミサト「なんでーー」

ミサト「なんでシンジくんの部屋が突っ張り棒で封鎖されてるの!?」

ミサト「なにやってんのよ、アスカっ! これじゃシンちゃんが部屋から出られないじゃないっ!」

アスカ「うっ……」

アスカ「に、日本の襖って鍵がないでしょ。だから私が代わりのものをつけてあげたのよ」

ミサト「ふつうの鍵は外からの侵入を防ぐためのものであって、内に閉じ込めるためのものではないのよっ!」

アスカ「な、中にシンジがいるとも限らないじゃないっ!」

ミサト「え、シンジ君あの部屋にいないの?」

アスカ「いえ、いるわ。今ごろ中でぐっすり眠ってると思うわよ」

ミサト「なんなのあなたっ!?」バンッ

アスカ「なによっ、ほんの遊びじゃないっ」

ミサト「突っ張り棒の両端をネルフの特殊手錠で椅子の足に繋げてガチガチに固定してるのも遊び?」

アスカ「そうよ、遊びよ。私ってば凝り性だからっ」

ミサト「どう見てもこれは監禁とか幽閉の類でしょうがっ」バンッバンッ

ミサト「どういうことなの、ちゃんと説明して」

アスカ「くっ……」

ミサト「正直に白状なさい」

アスカ「……ストックホルム症候群って知ってる?」

ミサト「知ってるわ。誘拐犯とかDV夫を好きになっちゃう精神状態よね」

アスカ「あと好意の返報性って知ってる?」

ミサト「好意を向けてくれる相手を好きになってしまう心理効果よね」

アスカ「つまり相手を惚れさせるには拉致監禁して恐怖を与えつつ、好意的に接するのが最適解だと思うのよ」

ミサト「どうしてそうなったの!?」

アスカ「帰納法的に考えた結果よ」

ミサト「あんた帰納法の意味分かってる!?」

アスカ「つまりこれはれっきとした学術的な実験なの。ヤンデレが恋愛テクニックとして成立するのか否か、確かめてるのよ。あくまで学術的に」

ミサト「学術的なのにアカデミックな要素がカケラもないっ!」

ミサト(え、なにこれ、こわい)

ミサト(まさかアスカがシンジ君にこんなにもベタ惚れしてたなんて)

ミサト(ーーとか驚くポイントはいくらでもあったけど、そんなのどうでもよくなるくらいアスカの思考回路が怖くて重いっ)

ミサト(この子の恋愛観は一体どうなってるの……?)

ミサト(と、とにかくシンジ君を助けないとっ)

ミサト「ね、ねぇ、アスカ。いくらシンジ君が好きとはいえ、さすがにこれは……」

アスカ「はぁ? ちょっと待ちなさいよ。何で私がバカシンジに惚れなきゃならないのよ。ありえないわ」

ミサト「ここまでしておいて、そこ気にするのっ!?」

アスカ「なんなら嫌いよ、あんなやつ。私が怒るとすぐにあたふたするし、私がちょっとでもショゲてると気を回そうとしてくれるし人の顔色伺ってばっかりでああもう、キモいったらないわ」ニヘラッ

ミサト「ツンケンするならせめて今日一幸せそうな顔で語るのやめなさいっ!」

ミサト「いいからシンジ君を出したげなさい。ほら、手錠の鍵出して」

アスカ「いや」

ミサト「ふざけないで。いい加減にしないと怒るわよ」

アスカ「むり」

ミサト「じゃあ、いつまでシンちゃんを監禁するつもりなのよ」

アスカ「シンジを恐怖のどん底に叩き落とすまで」

ミサト「あなたねぇっ……!」

ミサト(……ん?)

ミサト(ちょっと待てよ)

ミサト「ねぇ、アスカ。あなたにシンジくんを追いつめることが出来るの?」

アスカ「あっったり前よ。この私がシンジごときに情けをかけるわけないじゃない」

ミサト「そうじゃなくて。あなた今シンちゃんと口きいてないんでしょ?」

アスカ「そうよ」

ミサト「意思の疎通すら出来ないのに、シンジくんを追い詰めるなんて無理よね?」

アスカ「えっ」

ミサト「さっ。大人しく手錠の鍵を渡しなさい」

アスカ「……」

ミサト「今ならシンジくんには黙っててあげるから」

アスカ「……仕方がない、か」

ミサト「ああ、やっと観念ーー」


アスカ「私の代わりにミサトがシンジを追い詰めて」

ミサト「出来るかぁっ!」

ミサト「あなた馬鹿でしょ!? 馬鹿なんでしょ!?」

アスカ「失礼ね。紛うことなき天才よ」

ミサト「じゃあ私が拒否することくらい分かるでしょっ!」

アスカ「別にやらなくても構わないけど、その場合ミサトのやらかした不祥事100選をリスト化して碇司令に送り付けるわ」

ミサト「!?」

アスカ「これ、証拠」ペラッ

ミサト「ーー!?!?!?!!?」



アスカ「協力、してくれるわよね?」

ミサト「………………はい」

今日はこれだけです
明日には申し訳程度の頭脳戦がちゃんと入る、かもわからない

ーー数分後

襖「……ガタッ」

シンジ『あ、あれ?』

襖「ーーガタッ。ガタッガタッ」

シンジ『なんだこれ……どうして開かないんだよっ』

襖「ガタガタガタガタ、ガタッッッーーーー!!」

シンジ『動け動け動けっ。動けっ、動いてよっっーー!』



アスカ「出番よーーミサトっ!」ヒソヒソ

ミサト(……ごめんなさい、シンジくん)

ミサト「シンジくん? どうかしたの」

シンジ『み、ミサトさんですか? 助けてください。襖が開かなくなっちゃたんです』

ミサト「……ありゃ、襖の間に何か挟まってるわね」

シンジ『取れませんか?』

ミサト「ちょっち待ってね。よいしょっーーとっ! …………ダメね、取れそうにないわ」

シンジ『そ、そんなぁ』

ミサト「……申し訳ないんだけど。私、今からネルフに再出勤しなくちゃいけないの」

シンジ『み、ミサトさん? ぼ、僕を見捨てるんですか?』

ミサト「ごめんなさい。でも、大きなトラブルが起きてしまったみたいで。責任者の私がいかないと……」

シンジ『うぅ……』



アスカ「……っ」ズキンッ

ミサト(何これ、たのしーっ)

シンジ『ーーわ、分かりました。ミサトさん、行ってください』

ミサト「えっ、行ってもいいの」

シンジ『はい。ミサトさんの仕事は、普通の仕事じゃないですし。こんなことで邪魔するわけにはいきませんよ』

ミサト「分かったわ。明日のお昼には帰って来るから」

シンジ『昼!? そんなにっ!?』

ミサト「大丈夫? 我慢できる?」

シンジ『……だ、大丈夫です、問題ありませんよ』

ミサト「ならよかった」

シンジ『あの、アスカは……どうしてるんですか?』

アスカ「!」

ミサト「どうも見当たらないのよねぇ。……どこほっつき歩いてるのかしら」

シンジ『そう、ですか……』シュン


アスカ「……」ズキズキッ

ミサト「~~♪」

ミサト「じゃ、行ってくるわね」

シンジ『……っ』

ミサト「シンジくん? 大丈夫?」

シンジ『だ、大丈夫です。行ってらっしゃい』

ミサト「えぇ。あなたも頑張って」

ミサト(……玄関の方に向かって) トコトコ

ミサト(扉を開けて) ガチャッ

ミサト(そのまま閉める) ガチャンッ

ミサト(……そのまま音を立てずに戻って) スススッ


ミサト「どう? シンジくんの様子は?」

アスカ「……」


シンジ『うぅ……』

ーー10分経過

シンジ『……暇だな』

ーー20分後

シンジ『……お腹が空いた。喉も、乾いた』

ーー30分後

シンジ『……っ』

ーー1時間後

シンジ『なんでだよっ……!』

シンジ『なんで僕がこんな目に会わなきゃいけないんだよっっ!』

シンジ『トウジ、ケンスケ、ミサトさん、綾波っ、アスカっっ!』

シンジ『誰かいないのっ!? ねぇ!?』

シンジ『僕を見てよっ!!』

シンジ『僕に優しくしてよっ!!』

シンジ『やだよっ……もう、限界なんだよ……助けてよっ』

シンジ『誰か……誰でもいいから僕を、助けてよぉ』



アスカ「……ちょっと鍵取ってくる」

ミサト「えっ、これからがいいところなのに」



アスカ「……」

ミサト「あれ、鍵はどうしたのよ。アスカ」

アスカ「ど、どうしよう……。か、鍵がーー」

アスカ「部屋に置いておいたはずの鍵が、なくなっちゃったのよっ!」オロオロ

ミサト「な、なんですってぇ!?」

シンジ『うぐっ……ひぐっ……グスンっ』

アスカ「どうしよう……どうしようっ」オロオロ

ミサト「ちゃんと探したの?」

アスカ「探したわよっ。でもいくら探しても見つからない……見つからないのよっ」


シンジ『うっ、う。ぅぅぅ』

アスカ「わ、私。シンジになんて謝ったら……」オロオロ

ミサト「大丈夫よ。もっとよく探したら見つかるわよ」

アスカ「で、でも……」

アスカ「もしシンジが一生部屋から出られなくなっちゃったらどうしよう!?」オロオロ

ミサト「いやさっきから何言ってんの、あんた」


シンジ『うぁぁ……もう、ぼく……』

アスカ「……っ」ギリッ

アスカ「ーーシンジっっ!!」

シンジ『あ、アスカ!?』

シンジ『い、いつの間に帰って、来てたのさ』

アスカ「ごめんっ、ごめんなさい。私が悪いのっ」

シンジ『突然どうしたんだよ、アスカ。落ち着いて』

アスカ「ごめんなさい。ごめんなさいっ。ごめんなさいっ。ごめんなさいっっ」

シンジ『……アスカ?』

アスカ「ごめんなさい。許して。私を見捨てないでっ」

シンジ『……よく、分からないけど。いいよ、気にしないでよ』

アスカ「でも、でもぉっ」

シンジ「いいよ、アスカのすることなら大抵許せるから」

アスカ「し、シンジぃ。う、ぅぅぅ……うっ」フラッ…バタンッ


ミサト「ア、アスカ!? なんで倒れたの!? なんなのよ、もぉ!」

シンジ『……』

ミサト「ほんとにどうしちゃったのよアスカっ。きゅ、救急車呼ばないとーー」


シンジ『心配しないでも大丈夫ですよ、ミサトさん』


シンジ『アスカはただ、酔っ払ってただけなんですから』


ミサト「…………はい?」



ミサト「ど、どういうこと? いやそれより、なんでシンジ君……そんなに落ち着いてるの?」

シンジ『そりゃあ、全部聞こえてましたからね。ミサトさんたちのやり取り』

ミサト「えっ」

シンジ『ミサトさんがアスカに買収されるところも、ちゃんと聞いてましたよ』

ミサト「…………ごめんなさい」

シンジ『いいですよ、気にしないで』

ミサト「でも、アスカが酔ってるって、どういう……」

シンジ『ほら。今日のアスカ、言動がおかしくありませんでした?』

ミサト「言われてみれば……」

ミサト「ちょっち、支離滅裂というか。やることなすこと大げさだったわね」

シンジ『でしょ?』

シンジ『実は僕、見てたんです。ミサトさん帰ってくる前に、アスカが自分の部屋で、缶ビールを飲んでるところ』

シンジ『缶ビール6本ーーえらく豪快に飲んでましたね』

ミサト「……なにやってんだか。飲み慣れてない中坊にしちゃあ、飲みすぎよ」

シンジ『ええ。でも振り返ってみれば予兆は見えてたはずですよ?』

シンジ『アスカって元々料理が苦手なわけではないんです。たまに自分でお弁当を作るくらいですしね』

シンジ『……それなのに天ぷら作るのに何度も失敗した』

ミサト「なるほど。酔ってたから、お料理に失敗していたってわけ」

シンジ『そういうことです』

ミサト「でも、そんなに呑んでたんなら私だって匂いで察せる思うわ。ビールって匂うのよ?」

シンジ『……それはミサトさん自身がお酒臭かったからじゃないかな。どうせ帰って来てすぐビールでも飲んだんじゃないですか?』

ミサト「…………ご名答です」

ミサト「まあいいわ。実はアスカが酔っ払っていたーーここまでは納得した」

シンジ『はい』

ミサト「でもね、それはそれで引っかかる点があるのよ」

シンジ『なんですか?』

ミサト「どうしてアスカはお酒を飲んだのかしら」

シンジ『お酒に興味があった、とか?』

ミサト「たしかにあの子は背伸びしがちな節があるけど、形だけ真似て満足するほど馬鹿でもないわ」

シンジ『……』

シンジ『ミサトさん、二日前から僕とアスカが口をきいていないことには気がついてましたよね』

ミサト「? ええ、知ってたわ」

シンジ『どうやらアスカは先に声を掛けた方が”負け”と考えていたようなんです』

ミサト「負け、か。アスカの嫌いそうな言葉ね」

シンジ『僕から声を掛ければよかったんですけど……タイミングを見失っちゃって。二日も冷戦状態が続いてしまったんです』

シンジ『ーーだからお酒の勢いに頼った』

ミサト「ん? なんでそこでお酒が出てくるの?」

シンジ『考えてもみてくださいよ』




シンジ『僕を部屋に閉じ込めて』

シンジ『精神的に不安定にする』

シンジ『頃合いを見計らって僕を解放し』

シンジ『僕から声をかけさせる』

シンジ『以上がアスカの作戦だったんです』

ミサト「あっ、そういうことだったんだ」

シンジ『ええ。でもこれって、とてもシラフで実行できる作戦じゃないでしょう?』

ミサト「……まあ、無理よね」

シンジ『特にアスカはプライドが高いですから。お酒の勢いに頼る”必要がある”と判断して、意図的に理性を飛ばしたんです』

シンジ『やっぱりそうでもしないと、ここまでおもいきった行動はとれないでしょう?』

ミサト「……私はいくら酔ってても人を監禁しようだなんて思わないけどねぇ。たぶん」

ミサト「それに、アスカはヤンデレに共感するからシンジくんを監禁するとかなんとか言ってたわよ?」

シンジ『ただの建前だと思いますよ』

ミサト「……ふぅん。でもちょっとは本音が混ざってるんじゃない?」

シンジ『それは…………どう、なんでしょう』

ミサト「いいこと教えたげる、シンちゃん。酔った時にでてくる言動ってのはね、だいたい本音よ」

シンジ『あはは……だとしたらちょっと、怖いかもですね』

シンジ『ともあれ、今回はアスカの負けです』

ミサト「……負け?」

シンジ『だって先に声を掛けて来たのは、アスカだったでしょう?』

ミサト「あっ、先に声をかけたら負けとかいう、変てこな勝負の話か。意外ね、気にしてたんだ」

シンジ『別に気にしてたわけじゃないけど……ただ、鍵をなくしたアスカが焦って僕に声をかけたのは事実です』

ミサト「…………鍵?」

ミサト「……すっかり忘れてた。このままだとシンジくんが部屋から出られないじゃないっ。どうしましょ。スペアキーは」

シンジ『あっ、それなら問題ありませんよ』ガサゴソ

ミサト「?」

『……』

ミサト「シンジ君?」

『……』

ミサト「えっ、ちょっと。何してるの。聞こえてるなら返事を」

シンジ「はい、僕ならここにいますよミサトさん」ガララッ

ミサト「!?」

ミサト「し、シンジくん!? なんでアスカの部屋から出てきたの?」

シンジ「なんでだと思います?」

ミサト「も、もしかして元々アスカの部屋にいたの?」

シンジ「はずれです」


シンジ「ベランダ越しにつたって来たんですよ。僕とアスカのベランダの間には仕切り板がありますけど、それも手すりごしに渡ってこれますからね」

ミサト「……もう。部屋から抜け出せるなら、抜け出せるって言ってくれればいいのに」

シンジ「ごめんなさい、ミサトさんを驚かせたくって」

ミサト「もういいわ。ベランダの手すりを越えるというのも、危険だけど……状況が状況だったしね」

ミサト「さて、残る問題は……」

アスカ「……Zzz」スピー,スピー

ミサト「この子をどうするか、ね」

シンジ「ミサトさん、アスカを部屋に運んで貰ってもいいですか?」

ミサト「あれぇ? シンちゃんが運ばなくていいの?」クスッ

シンジ「ぼ、僕が運んだなんてあとで知られたらアスカに怒られるよ……」

ミサト「そんなことはないと思うけど、分かったわ」フフッ

シンジ「お願いします」


アスカ「……Zzz」スピー,スピー




ミサト「よいしょっと」ダキッ

アスカ「……Zzz」スピー,スピー

ミサト「重いわねぇ」

ミサト「アスカー、勝手に部屋入っちゃうわよー?」

アスカ「……Zzz」スピー,スピー

ミサト「はい入ったわよ。あともう少しで布団……って、きゃあッ!?」トコトコ…グラッ


アスカ「……Zzz」スピー,ス…ウグッ

ミサト「いててて。何よ。何につまずいたってのよ」

アスカ「……Zzz」スピー,スピー

ミサト「……これっ、私の缶ビール24本セットの段ボールじゃない」

ミサト「空き缶もこんなに散らばして」

ミサト「ビールも安くないってのにまったく……」

ミサト(あれ?)

ミサト(少し妙ね、これ)

ミサト「……」


ミサト「……なるほどね。そういうことか」



シンジ「お疲れ様です。大きな音がしたけど大丈夫でしたか」

ミサト「気にしないで、大したことなかったわ。それよりシンジくん」

ミサト「手に持ってるそれは……鍵、よね?」

シンジ「はい。たぶん、アスカが失くした手錠の鍵でしょう。台所に落ちてました」

ミサト「よかった。これで紛失届を書かずに済むわ。教えてくれてありがとう」

シンジ「いえ、たまたま見つけられただけですし」

ミサト「謙遜しないでいいのよ」

シンジ「いえいーー」


ミサト「たまたま見つけただけなんて、嘘つかなくてもいいの。元々持ってたんでしょ、その鍵」

シンジ「い、いきなり何を言い出すんですか」

ミサト「ほんとのことを言ったまでよ?」


シンジ「だって僕は部屋に閉じ込められてたんですよ?」

シンジ「僕が鍵を持ってたら、鍵をかけるかことも出来ないじゃないですか。矛盾してますよ」

ミサト「そうかしら?」

ミサト「アスカは『自分の部屋に鍵を隠した』と言っていたわ」

ミサト「でもしばらくするとアスカの部屋から鍵が消えていた」

ミサト「シンジくんがアスカの部屋に出入り出来たことを鑑みるに」

ミサト「シンジくんが鍵を盗ったと考えるのが自然じゃない?」

シンジ「……言いがかりだよ、ミサトさん。酔ったアスカが、適当なことを口走っただけですよ」

ミサト「でもね、シンジくんがアスカの部屋に出入りしていた証拠がちゃんとあるのよ?」

シンジ「証拠、ですか?」

ミサト「アスカの部屋に空き缶は7本あった」

シンジ「!」

ミサト「あなた、アスカはビールを6本飲んだと言っていたわよね? じゃあ、最後の1本は誰が飲んだのかしら」

シンジ「ぼ、僕が見た時は、6本だったんだ。その後アスカが何本飲んだのかなんて、知らないよっ」

ミサト「へぇ、まだ認めないんだ」クスッ

シンジ「当たり前でしょ。心当たりがないんですからっ」

ミサト「じゃあシンジくん、プルトップオープナーって知ってる?」

シンジ「プル……なんですか?」

ミサト「要は缶のプルタブを開けるための道具よ。私も普段は使わないけど、酔って手元が覚束なくなって来た時のためにもってるわ」

ミサト「それでね、うちのオープナーは百均で買った年季入りのものだから……開けた後、缶に傷が付くの」

シンジ「!」

ミサト「不思議なことに。7缶中6缶には傷がついていたけど、1缶だけ傷がなかった」

ミサト「アスカはおそらく、爪を痛めるのが嫌だったんでしょうね。そういう女の子、意外に多いのよ」

ミサト「そしてシンジくんは、オープナーの存在そのものを知らなかった、と」

ミサト「……何か弁明はある、シンジくん?」

シンジ「……」

 
 
 
 
 

シンジ「……はは、ばれちゃいましたね」

 
 
 
 
 

ミサト「ふふっ、何ならビールを飲んだ動機まで当ててあげましょうか?」

シンジ「……いえ。もう、自分でいいますよ。アスカと同じです。お酒の勢いが欲しかったんです」

ミサト「鍵を盗んだ理由も何となく予想はつくけど、この際だから順を追って話してくれる?」

シンジ「……分かりました」

シンジ「僕が帰宅した時、アスカは既にへべれけになっていたんです」

シンジ「すぐにピンと来ました」

シンジ「『また何か悪いことを企んでいるな』って」

シンジ「この二日間、アスカはあの手この手で僕の口を開かせようとしてきましたからね」

シンジ「だから僕は自分の部屋に逃げ込みました」

シンジ「それならアスカも手出し出来ないと思ったからです」

シンジ「でもしばらくすると、扉の外から妙な物音が聞こえてきてーー」

ミサト「襖をつっかえ棒で封をする音ね?」

シンジ「ええ」

シンジ「最初は外で何が起きているのか、分からなかった」

シンジ「でも、その時にはアスカはもう相当酔っていたみたいでーー楽しそうに独り言をつぶやき始めたんです」

シンジ「アスカの独り言に耳を傾けていると、アスカが僕を閉じ込めようとしていることが分かりました」

シンジ「アスカが鍵を自分の部屋に隠していることも、その時知ったんです」

シンジ「あとは……ミサトさんのご存知の通りです」


ミサト「鍵を盗むことでアスカを動揺させて、逆にアスカの方から声を掛けさせようとしたわけか」

ミサト「……こう聞くと、なんだか小学生の喧嘩みたいね」

シンジ「えぇ、僕もそう思います。だから恥ずかしかったんです。言いたくなかったんですよ」

ミサト「わっかんないわねぇ」

ミサト「アスカはともかく、どうしてシンちゃんまで意地を張ってるのよ? らしくないじゃない」

シンジ「僕だって、最初は意地なんて張るつもりはなかったんです。でも」

ミサト「でも?」

シンジ「……でも、無視してくる相手に自分から話しかけに行くなんて、まるで媚びてるみたいじゃないですか」

ミサト「媚び?」

シンジ「ええ、そうですよ。媚びです。それって相手に主導権を譲るってことでしょう?」

シンジ「嫌じゃないですか、そういうの」

ミサト「……へぇ」

ミサト(……積極的に我を主張しようとしている。こんなこと、はじめてね)

ミサト「ふふっ。あんたたち、二人して愉快なことしてたのねぇ。心配して損したわ」ニコニコ

シンジ「や、やめてくださいよ。ほんとに恥ずかしいんですから」

ミサト「で、どうなのよ? アスカに勝った感想は」

シンジ「……よく分かりません」ニッコリ

ミサト「満更でもなさそうじゃない。でも残念ね」

ミサト「シンジくん、あなた負けてるわよ」

シンジ「僕の、負け?」

ミサト「ええ。だってあなた、アスカより先に声をかけてるもの」

シンジ「う、嘘だっ。適当なこと言わないでよ、ミサトさんっ。僕はたしかにーー」

ミサト「いいえ。あなたたしかに」



シンジ『トウジ、ケンスケ、ミサトさん、綾波っ、アスカっっ!』



ミサト「ーーって、言ってたもの」

シンジ「あっ」

シンジ「……そう、ですね。なんで名前、呼んじゃったんだろ」

ミサト「どうして名前呼んじゃったのか、気になる?」

シンジ「……いえ。僕がうっかりしてただけですし」

ミサト「うっかり、ねぇ?」クスクス

シンジ「?」



ミサト「言ったでしょう? お酒の力を借りると本音が出やすくなるのよ、シンジくん」

シンジ「? それって、どういう……」

ミサト「あと、これは予想だけどね。アスカは元々、自分からアンタに話しかけるためにビールを飲んでたんだと思うわよ?」

シンジ「どういう、ことですか?」

ミサト「シンジくんが言ってたじゃない、『ビールを飲むのは何かを企んでいたからだ』って。でも、シンジくんが部屋に逃げ込んだのはアスカに予想出来ることじゃないでしょう? ならアスカには元々別の目的があったわけね」

ミサト「つまりアスカはシンジくんに自分から話しかけるつもりだった。話しかけて、謝るつもりだったんじゃないかしら」

ミサト「ーーだけどシンジ君が部屋の中に引きこもっちゃったから、話しかけるきっかけがなくなった」

ミサト「部屋に閉じ込めたのはあくまで仕方なく……逃げたシンジくんへの不満もあったのかもね。完全に逆ギレだけど」クスクス

シンジ「ま、待ってくださいよ。たしかに筋は通ってるけど、どうしてミサトさんにそんなことが分かるんですかっ!?」

ミサト「女の勘よ、決まってるでしょう」

シンジ「じゃあ、僕が部屋に逃げさえしなければ……」

ミサト「たぶんふつうに勝てたわよ、あなた」

シンジ「ははっ、なんだ。……これじゃ僕、馬鹿みたいだ」

ミサト「で、負けた気分はどう?」

シンジ「……悪くない、です」

ミサト「それはよかった」ニッコリ

ミサト「さて、色々スッキリしたところで寝ましょうか? 夜も遅いし」

シンジ「晩御飯は食べなくてもいいんですか?」

ミサト「えぇ。なんだかそんな気分じゃないわ。むしろご馳走様、って感じ」

シンジ「?」

ミサト「分からないならいいわ。なんだか疲れた。おやすみシンジくん」

シンジ「…………あの、ミサトさん」

ミサト「ん、どしたの?」

シンジ「……その、今日は、ありがとう。心配かけてごめんなさい」

ミサト「えっ」

シンジ「あとやっぱりミサトさんはすごいや……なんて。言ってみたくなっただけです」

シンジ「おやすみなさい」ニコッ


ミサト「え、えっ? ちょ、ちょっと待ってシンジくーー」

ミサト「……部屋、入っちゃった」

ミサト「……シンジ君があんな風に笑いかけてきたのも、はじめてね」

ミサト「何よ、急に来られたらびっくりするじゃない」

ミサト「まったく」

ミサト「アスカもシンジくんも、素直じゃないわねぇ」ニヘラッ

ミサト「……それに」


シンジ『僕を見てっ』

アスカ『私を見捨てないでっ』


ミサト(二人揃って同じようなことを言っちゃって)

ミサト「……ほんと、お可愛い二人だこと」フフッ


本日の勝敗

アスカの勝ちっ!(自覚なし)


アスカ「……Zzz」スピー,スピー



【アスカ・ラングレーは喋りたい】

終劇

今日はここまでです
実は裏で頭脳戦(?)を繰り広げていたというお話でした
そうしようと思ってたのにシンジVSミサトさんみたいになってました

次の話も書け次第投下する

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