あかつき大付属と帝王実業の親睦を深めるために行われた合同文化祭。
野球部の出し物はあかつき大附属の伝統に則って喫茶店をすることになったのだが一つ問題点があった。
「なんで僕が女装しなきゃいけないんですか!」
部員の1人が女装をしなければならなかったのだ。
「仕方ないだろ、あかつき大附属の伝統なんだから」
「だからってなんで僕が……」
「それも投票で決まったことだから仕方ない。1人1票ずつ公平に投票した結果だ」
あかつき大附属では伝統として文化祭の出し物で喫茶店を出すのだがもう1つ伝統があった。
それは1年生の部員で最もかっこいい部員がウエイトレスになることだった。
「なんでよりにもよって僕が1年生の時に合同文化祭なんて……」
「運が悪かったな。ただ名誉なことだろ、ウチの1年部員でみんながお前のことを1番かっこいいって思ったってことなんだから」
「だからって女装しなきゃいけないなんて嬉しくないですよ!それにこの格好は……」
ウエイトレスの衣装はピンクを基調としたスカートに白いフリルのついたエプロン、頭にはカチューシャをつけるなどかなり本格的な女装となっている。
その格好は犬河の羞恥心を駆り立てる。
「恥ずかしい……」
「似合ってるよ、凄く」
「そんな風に言われたって……!」
犬河が不満な声を挙げると共にパワプロは犬河の頬を触り自分に向き直させる。そして一言
「嬉しくない?」
犬河に問う。
「……全く嬉しくないわけではないですけど」
再び顔を背けるがその顔は少し朱が差していた。
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