【鯖鱒wiki】どうやら坂松市で聖杯戦争が行われるようです【AA不使用】 (994)



【掲示板が落ちたので初投稿です】

【このスレは文章メイン。鯖鱒wiki既出サーヴァントと募集していただいた一騎のサーヴァント】

【及び募集マスターで聖杯戦争しようというスレです】


【本来はハーメルンでやる予定でしたが、急遽こちらにルートチェンジ】

【なんで掲示板でスレ立てした当日に掲示板が落ちるんですか(憤怒)】


【何がなんだか。という人も多いでしょうし、現状の説明】

【文章メインでスレ立てしようと掲示板で準備をしていたら、翌日に掲示板が死んでいた】

【訳がわからねーとは思うが(ry】


【閑話休題。皆様には主人公のサーヴァント。及び参加するマスターを募集してもらいます】

【決まっているのは、貴方の設定と御三家だけ】

【以下に、その情報を出していきます】


『今回の貴方』

【来歴】
……貴方は、坂松高等学校の学生だ

生徒会庶務の任についており、主に雑務や汚れ仕事を引き受けている
生粋の【人の良さ】も合間って、教師や生徒会長は彼を便利屋の様にこき使われていた
その姿は、他の生徒に奴隷(【スレイブ】)と影で嘲笑われる程忠実
その事に気付いてはいるものの、【我慢強い】性格がかえって災いして、黙々と上の人間の指示に従って日々を暮らしている
何故、彼はそこまで誰かに尽くす?……その理由は、かつて【飼い犬】に逃げられた過去。離れ離れになってしまった事が起因している

……もっと尽くしていれば、見限られなかったと強く後悔しているから
余談だが、貴方の家系はかつて使い魔を主軸とした魔術体系だったらしい
その為か、平均と比べて【魔力が多い】。その事も聖杯に選ばれた理由だろう



『今回の御三家』


『禍門家』
 坂松市土着の魔術体系。その歴史は町の歴史とほぼ同じ
 言葉を媒介とした呪術を修めた家系で、聖杯戦争ではマキリと同じく、令呪などのシステム面を担当した
 簡単な日常会話から即座に呪う事も可能だが、みだりに相手を警戒させないために
 一族の人間は、親しい相手柄には単語をぶつ切りにして意思の疎通を図る


『エーデルワイス家』
 通称『天使に恋した一族』。坂松市に聖杯を持ち込んだのもこの一派
 元来はオーソドックスな降霊術を長い年月扱っていた大家であったが、その恋によってかつての研鑽は捻れ狂い
 根源に至るという一族の悲願は、恋を叶えるという一人の妄執に塗り潰された
 御三家としてはかつての降霊術師としての知識を頼られ、霊体(サーヴァント)の召喚を担当する


『ガイスロギヴァテス家』
 時計塔の新霊地開発事業により送りこまれた管理者。所詮雇われであり土地に愛着はない
 戦争屋と呼ばれた傭兵一族がルーツの魔術師であり、戦闘に特化した魔術や火の属性を持つ魔術。またトラップ作成技能も高い
 御三家としての役割は治安の維持。とはいえ前述の通り愛着は皆無である為、他二家からは全く信用されていない



【以上が、今回の貴方と御三家です。貴方と外来以外のマスターはこの中から参戦します】




【それでは、マスターの募集を開始します】

【今回も来いよチートマスター!スキル効果なんか捨ててかかってこい!】

【という姿勢です。何故なら文章ならそこまで暴れないでしょうからね】

【テンプレはパスタイム様のものを魔改造して使用。作者様には感謝の意をここで伝えます】

【アドレス:0sf3z226729429r☆ezweb.ne.jp】
【☆→@】
【サーヴァントは主人公用の一騎のみなので一人に一つだけ。テンプレートは鯖鱒wikiのものを使用してください】


【以下マスターのテンプレート】



【名前】(必須項目。あまり直球で版権モノだと困ります)

【所属】

【属性】

【AA】(無くてもいいですが、描写等で役立つので出来れば)

【ステータス】(フレーバーですが一応。最高値は9で2つまで可。0は未知数で9と同様に扱います)
【体】
【知】
【心】
【質】
【運】

【スキル】(最低一つ。最大値は設けませんが腐る場合もあります)
 ◆

【来歴】


【性格】


【聖杯への願い】






【とりあえずはここまで。雑談所が死んだのでどうしましょうか】

【鯖鱒wikiの雑談所で宣伝してきます。それでは】

なぜアドレスが?


>>7
【募集用のアドレスです。ここにテンプレートに沿ってキャラを作成して、それを此方で文章で動かす。というのがだいたいの流れ】

【本来は別だったんですが、急遽この様な形になりました】


【マジですか?結構前からあるやり方だと思ったんですが…】

【多分言い方が悪かったですね。募集系って書いておけば良かったです】


【まあ、詳しい事は以下のページを見ればわかるでしょう】

【サーヴァントのテンプレもここに乗ってます】

鯖鱒wiki
https://w.atwiki.jp/ssfate/

早いものがち?


>>14
【いや、サーヴァントは一週間を目処に募集して、その中から自分が絞って安価で選んで貰おうかと】

【マスターは自分が選ぶ形で。恐らくほとんど採用されるとは思いますが……】


【一応、雑談所のリンクだけ。今は落ちてますが……】


送れたのか不安になってくるなこれ

>>20

【現在、女性マスターと魔が一つづつ来ています】

【流石にAAは言えませんが……もし違うのであれば、ご一報ください】

たぶん他の企画に流用されたりする可能性があるのでAAは付けようと思うんですが、どれくらいあるのが目安ですか?
AAスレ詳しくないから倉庫とかで調べてるけど、変わった見た目のキャラ出そうと思うと少ないのばかりなので

>>22
【サーヴァントなら他のスレでも動かされる可能性があるので、表情や行動等が一通りあればよろしいかと】

【逆に、マスターは完全に此方でしか使わないので少なくても構いません。好きなキャラを使うのが正義】

名前は直球で版権モノはだめとありますけど、wikiを見ると例が版権系をちょっといじったようなマスターしかいないんですが、
同じ感じで、オリジナルのマスターでなく版権モノそのままからちょっと変えたようなのを送ってほしいという了解でいいですか?

↓を埋めて>>5に送ればおK?
【名前】
【所属】
【属性】
【AA】
【ステータス】
【体】
【知】
【心】
【質】
【運】
【スキル】
◆×n
【来歴】
【性格】
【聖杯への願い】

鯖側
┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┓
  【真名】:           【属性】:・
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  【筋力】:     【耐久】:      【敏捷】:      【魔翌力】:      【幸運】:      【宝具】:
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫
 代理AA:
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
 【クラススキル】
 ◆
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
 【保有スキル】
 ◆ ×n
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
 【宝具】
 ◆ 『』×n
 ランク: 種別: レンジ:~ 最大捕捉:

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
 【Weapon】

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
 【来歴】

┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
 【能力】

 【性格】

 【聖杯への願い】

 【コンセプト】

 【その他コメント】


【コメントを見てみると、やっぱり懐かしいという声が多いですね】

【ほとんどの方はシェルターに移住。そこでもFGO系がメインで、聖杯戦争はほぼ動いてませんからね……】

>>28
【鯖鱒wikiに乗っているのはあくまでも例です。鱒はかなり昔のものですからね……】

【なので、例えですがAAが剣士だから剣士のキャラを作るのはアリですがその版権とダダ被りしてるのはNGですね】

【出来ればオリジナルが好ましいですが……そこまでは細かく言いません】


>>29
【そうですね。最低限そこが埋まっていれば支障はありません】

【登録の兼ね合いで、出来れば本来のテンプレに沿っていただけると嬉しいですが…そこら辺はまあなんとかなるでしょう】

捨てアドとか使っても長いキャラシートしっかり埋めたり出来ないだろうし面倒だしやらなそう
型月の知識とかそんなに無さそうだし
複数送ったとしても適当な似たようなキャラだったりしそうだし、採用はされないはず

俺は原作の設定を解説してるwikiとか読んでそれなりに考えて送る予定
1週間あるとマスターも結構応募されて、採用されないのも多くなりそうだな
マスターはこのスレ用なら、採用されなかったら他で流用おkかな?次回作とかで使うからだめ?

したらば掲示板復活しましたね
進行はこっちのままですか?
応募が届いてるかどうか確認するのは応募メールに返信するのがいいと思いますが、1日限定の捨てアドとかだと受け取れない問題も一応ありますね

質問 鯖鱒wikiとかに投稿済みのやつも
採用してほしかったら改めて送ったほうが良いのかな?

御三家と外来は今それぞれどれくらい集まってます?
参加できない御三家がいたりしてもそれはそれで話作り的には困らないと思うけれど


【さっくり掲示板が復活して焦っている奴はどこだあっ!】

【冗談はおいておいて、コメントの返信を。皆様鯖鱒スレは懐かしいようで…】

>>36
【大丈夫ですよー。死蔵してしまうより、他で動かしてもらう方がいいでしょう】

【次回あるかわかりませんし……(小声)】


>>37
【規約違反に引っ掛かるので、今回は此方での進行をメインにします】

【応募が届いているかは……そうですね。今来ているデータのAA一覧でも貼っておきます】

【どのみち開示しますし、AAだけならセーフだと思うのですが……どうでしょう?】


>>39
【既に鯖鱒wikiに登録済みでも、未出であるなら投稿でOK。別所に出演済みでも、wikiに登録されてなければOKです】

【別所出演の場合は、どこのスレに登場したのかを明記して下さいね】


>>41
【詳しい数字は言えませんが、御三家は全部0名なのは確かです】


【では、現在届いているデータの使用AA一覧を出しておきます】

【サーヴァント、マスターはごちゃ混ぜ。具体的な投稿数は伏せておきます】

【また、実際に書かれていた作品名の表記はバラバラですがここでは統一して書いています】


『AA一覧』
 やらない夫(2ch)
 Weiss Schnee(RWBY)
 黒子テツヤ(黒子のバスケ)
 西住まほ(ガールズ&パンツァー)
 ニンジャスレイヤー(ニンジャスレイヤー)
 イーブイ+その進化系(ポケットモンスター)
 グソクムシャ(ポケットモンスター)
 武内P(アイドルマスターシンデレラガールズ)
 黒埼ちとせ(アイドルマスターシンデレラガールズ)
 白雪千夜(アイドルマスターシンデレラガールズ)


【それと、掲示板にもあった質問ですが……】

【サーヴァントとマスターの投稿数はイコールではありません。鯖1、御三家2、外来1も可能です。とだけお伝えしておきます】

サーヴァントが主人公のだけ募集ってことは、相性良さそうなのを考案したほうがいいかな?
対立して詰んだりしたら嫌だし

サーヴァントは1騎、マスターはいくらでも送っていいのかな?



【今日もコメント返信。忘れられんうちに早く動かしたいのう…】

>>45
【極端に勝ち筋が見えない……例えば出てきた瞬間爆発!死亡!みたいな能力でもなければ大概は大丈夫です】

【巻き込まれ系ですが、相性無視でやべーのが出てきちゃった……でわたわたするのも一興】

【最終的に幾つか候補を出して、軽く採用理由を言ったあと投票で決め手もらおうかなと】

【最悪こちらで何とかして協力する理由を取り付けます。ちなみに現在来ているサーヴァントの理由付けは完了してます】


>>47
【そうですね。マスターも一つだけだと確実に足りなくてカツカツになるでしょうし……】

【サーヴァントが一つだけなのは、採用枠も一つだからですね】



【マスター作成のテンプレも兼ねて、今回の貴方を当てはめるとこうなります】

【皆様のキャラクター作成の参考にどうぞ。ちなみにAAはあくまで参考程度にお願いします】

『今回の貴方』

【名前】貴方(これは便宜上の名前なので、キャラクターの名前を入れてください)
【所属】外来
【属性】秩序・中庸
【AA】
 宝生永夢(仮面ライダーエグゼイド)

【ステータス】
【体】4
【知】6
【心】4
【質】8
【運】5

【スキル】
 ◆生徒会役員庶務
  貴方は坂松高等学校の生徒会役員である
  言い換えてしまえば雑用係であり、学校をくまなく回る都合、時として生徒会長すら凌ぐ情報量を入手出来る場合もある

 ◆忠義の犬
  人が良く、我慢強い。悪い意味で
  他者と何らかの約束を交わした場合、それが達成するまで他の行動を取れなくなる
  また、約束は重複する場合もあるので適度に切り上げないと延々と動き回り続ける

【来歴】
 ……貴方は、坂松高等学校の学生だ

 生徒会庶務の任についており、主に雑務や汚れ仕事を引き受けている
 生粋の【人の良さ】も合間って、教師や生徒会長は彼を便利屋の様にこき使われていた
 その姿は、他の生徒に奴隷(【スレイブ】)と影で嘲笑われる程忠実
 その事に気付いてはいるものの、【我慢強い】性格がかえって災いして、黙々と上の人間の指示に従って日々を暮らしている
 何故、彼はそこまで誰かに尽くす?……その理由は、かつて【飼い犬】に逃げられた過去。離れ離れになってしまった事が起因している

 ……もっと尽くしていれば、見限られなかったと強く後悔しているから
 余談だが、貴方の家系はかつて使い魔を主軸とした魔術体系だったらしい
 その為か、平均と比べて【魔力が多い】。その事も聖杯に選ばれた理由だろう

【性格】
 パッと見では優しく思いやりのある青年
 しかしその実態は教師や生徒会に言いように利用されている奴隷同然の待遇を受け入れている盲目な犬
 一応は善良な性格だが、強気で出られると悪事すら見逃しかねない危うさがある

【聖杯への願い】
 巻き込まれなので、現時点では聖杯すら知らない


ガイスロギヴァテス家は魔術師と書いてあるということは根源目指してるってことでいいの?
魔術使いっぽい印象を受けたけど

>>50
【切嗣の様に、傭兵や殺し屋が魔術を使っている家だと思ってくれれば間違いありません】

【根源を目指すかは人それぞれ。大体は魔術協会に雇われたから聖杯戦争に参加しています】

聖杯戦争は御三家が勝手にやっているわけじゃなく魔術協会が主催なの?

聖堂教会の方から参加者は居るですか?

>>52
【御三家の内のエーデルワイスが禍門と組んで聖杯戦争を起こす→魔術協会直属のガイスロギヴァテスに取ってこいと命じるという流れです】

>>53
【現時点ではいません。そういう設定のマスターがくれば。といった感じでしょうか】

【それと、このスレはガチガチの型月設定ではなくある程度の自己解釈等を含んだパラレルだと思ってください】

【FGO等で新たに設定が追加される可能性もありますし……】


【今日はお休み。……貴方のサーヴァントどう決めましょう】

【データはまあまあ集まってます。恐らく明日と明後日で結構来るかな。と予想】

昔別所に送ったサーヴァントは避けた方がいいかな

>>56
【鯖鱒wikiの既出枠に無ければ大丈夫ですよ】

【既出だと今回出す予定の面子と被る場合があるので……】


【ミス。途中送信失礼】

【結局の所、採用するかは自分の判断です。そこに何処で出てたからとかはありません】


【取り急ぎ、現時点まで届いた分のAAを】


『AA一覧ver2』
 ブラック/絶叫王(血界戦線)
 エンリコ・プッチ(ジョジョの奇妙な冒険)
 狛枝凪斗(スーパーダンガンロンパ2)
 古明地さとり(東方project)
 ヴィルフレッド・エレミア(魔法少女リリカルなのは)
 エーデルガルド=フォン=フレスベルグ(ファイアーエムブレム)
 グリムジョー・ジャガージャック(BLEACH)
 チャリオット(BLACK★ROCK SHOOTER)
 ブルック(ONE PIECE)

【例によってサーヴァントとマスターはミックス。もし漏れがあればご一報お願い致します】



【あっ誤字発見。修正します】
 絶叫王→絶望王



【本日はお休み。……そういや、貴方こと主人公の名前どうしましょう?】

【最初は貴方でごり押すつもりでしたけど、必要なら何か挙げてくれれば】




【ぐだにしちゃうと半強制的に特異点になっちゃうじゃないですかやだー!】

【まあ、貴方は貴方でいいでしょう。名無し主人公なんてごまんといますしね】

データの受付は今週末まで?


【本日分のAA一覧】


『AA一覧ver3』
 牧瀬紅莉栖(STEINS;GATE)
 薙切薊(食戟のソーマ)
 サバタ・ヴァンクリフ(ジャバウォッキー)
 ルーファウス神羅(FINAL FANTASY VII)
 レノ(FINAL FANTASY VII)
 都城王土(めだかボックス)
 パピ(モンスター娘のいる日常)


【Q.どうしてAA不使用を謳っているのにAA募集しているの?】

【A.途中で気が変わったりするかもしれないからだよ】

>>70
【今週日曜日の12~13日までとします。当日中にプロローグを投げたい所存】



【いよいよ、明日の12時で募集を締め切ります】

【ここからラストスパート、滑り込みもOK。でも流石に募集切りますと言った後はダメです】

【自分でも正直緊張してますが……頑張ってください】



【それでは、最後のAA一覧。長いようで短い、そんな期間でした】

【様々なキャラクター。色々な組み合わせを考えました。なので後悔はしません】

【今回、募集落ちしたデータは他所で使用してもOK。ありがとうございました!】


『AA一覧FINAL』
 砂塚あきら(アイドルマスターシンデレラガールズ)
 新条アカネ(SSSS.GRIDMAN)
 鈴園沙衣(カガクチョップ)
 アンチョビ(ガールズ&パンツァー)
 西住みほ(ガールズ&パンツァー)
 彼我木輪廻(刀語)
 かばんちゃん(けものフレンズ)
 マタムネ(シャーマンキング)
 豪鬼(ストリートファイター)
 シオニー・レジス(スーパーロボット大戦)
 ソフィー・トワイライト(となりの吸血鬼さん)
 心(ドロヘドロ)
 羽川翼(化物語)
 タオカカ(BLAZBLUE)
 ジャギ(北斗の拳)
 ニバス(メギド72)
 桜田ジュン(ローゼンメイデン)
 ドール薔薇水晶以外全員(ローゼンメイデン)


【恐らく漏れは無い……はず。もしあればご連絡ください】




【これにて、全ての募集を締め切ります】

【様々な方から、様々なデータを戴く事が出来ました。本当にありがとうございます】

【今から、貴方のサーヴァントを選んできます】

【幾つか候補をあげ、その中から多数決で決めてもらおうかと】

【では、決まり次第連絡します。それでは……】


【そうですね。流石に量が多いので……】

【では、候補を用意してきました。以下が今回の貴方のサーヴァント候補です】


『貴方のサーヴァント候補』

候補:1
女性。全体的な印象は悲劇のヒロイン、貴方が救えるかどうかはまだ未定
性能的にも扱いやすく、貴方でも安定した運用が可能。しっかりとコミュを取ってあげよう


候補:2
男性。強い超強い。どんくらいかって?ギルガメッシュクラスの大物だよ!
なので基本的に負けはないです。まあ文章スレだから鯖同士の強弱はあまり意味ないですが


候補:3
女性。ある意味ではシステム系統のスレに出せない系統のサーヴァント
グイグイと引っ張っていくアグレッシブなタイプ。貴方を導いてくれる存在になりうる……はず


候補:4
男性。この中では最弱、しかしこの男、策略家
戦闘ではほぼ勝てませんが、あの手この手で有利になるよう動く黒幕タイプ



【ざっくり言ってしまうとこんな感じでしょうか。クラス被りは気にしてません】

【ちなみに、一つwikiに登録されているものもあります】

【何か質問はありますか?無い様でしたら投票を開始いたします】


各サーヴァントのマスターに対する態度とか行動方針とか?

大体>>88と同じ意見だわ
AAがわかればより想像しやすくなるけど、そうするとAAで選ばれる可能性も出てくるしなあ

組み合わせも鯖決めと共に自動的に決まるのかな?

投票のシステムは?後安価あるならそのシステムも
この板は荒らしが常駐してるからあらかじめ点呼からの投票でないとたぶん荒らされると思う

本当はスレ主が一番使いたいのを動かしてもらいたいが

あ、安価系なのかもしかして
書き溜め系だと勝手に思い込んでたけどコミュとか書いてあるし


>>90
【1は貴方の意見を尊重し、付き従う印象。少なくとも裏切るような事はありません】
【逆に、それ以外の面々は我が強く、何人かは貴方の意思を離れて勝手に動き回ります】
【とはいえ、それでも貴方を殺して鞍替えまで考える奴はいませんが】

>>91
【そうなんですよね。AA使わないのも見た瞬間データの中身割れを防ぐ意味もありますし】

>>92
【ある程度は全てこちらで決めてます。……再度言いますが、今回貴方以外のサーヴァントは鯖鱒wikiにあるものを使用しています】

>>93 >>95
【投票は時間指定からの多数決、安価はどれ選んでもシナリオに影響は無いstay night式】
【好感度によって他のマスターの動きに違いが出る程度。周りの動きや話の取っ掛かりに利用するくらいです】
【なので、書き溜めと安価を半々くらいにしていく予定です】



【もう質問は大丈夫でしょうか?】

一つはwikiに登録されてるってのは既出ってこと?


>>94
【動かしたいもの……ですか。自分が書きやすいという意味なら1と3。シナリオ的には2と4と言った所でしょうか】


>>100
【未出枠に登録されているそうです。どれか言うと投票で差が出そうなので伏せておきます】


【安価の際には、点呼を取って一つしかレスの無いものは安価外として扱う……というのはどうでしょう】
【これならID替えを防止できるはず】


【では、そろそろ点呼を始めておきましょう】

【今から十分間、点呼に反応していないIDは投票出来ませんので気を付けてください……】

【それでは、参加してくださる方はいますか?】



【ここまで、では投票に移りたいと思います】

【この人数なら五票先取で良さそうですね。選ばれたサーヴァントが貴方と契約します】

【1、2、3、4の何れか一つを選び、投票してください】
 ↓1から決まるまで


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候補:3

【試しにAA貼ろうとしたら字数制限に引っ掛かった。スマホしか無いからチクショウ!】

【性格だけなら、この中では一番正統派なサーヴァント。性能はうん……】

【では、これよりプロローグの書き溜めしてきます。本日中には終わる予定】

【皆様ご協力ありがとうございました。それでは後程……】


【それではプロローグを始めます】

【プロローグにら安価はありませんのでごゆっくりどうぞ】



『プロローグ』


「……ようこそ、お出でくださりました」


薄暗く重苦しい空間の中。低く、されどもよく通る声が響く。それは、神父服に身を包んだ男によるものだった
発言者は神妙な面持ちで頭を垂れる。祈るかの様に、跪く様に、微動だにせず
……暫しの沈黙。発言した男は肯定と受け取ったのか、面を上げ流暢に語り出した

「お初にお目にかかる方もいるでしょう。私は今回、この戦争の監督役を務めさせていただくロベルト・L……」
「エーデルワイス」

鋭い声が入り込む。それ以上は聞く必要無しと言わんばかりのスピードで
対する男……ロベルト・L・エーデルワイスは、意外。という面持ちで青年を見やる
派手で仕立ての良いスーツにサングラス。いかにもやり手といった青年が男性に食いかかった

「……ご存知、でしたか」
「知らない訳が無いだろう?貴様ら狂人一族がやって来た事、忘れたとは言わせない……」
「それは、誤解です。我々はただ……」


「『愛する人に会いたいだけさ』……だろ!」


「……化け物が」
「水臭いなあ!こーゆー大事な場面で、オレを呼ばないとか悲しいぜ?ロベルトぉ」
「当主。今は退くのです。今は……」
「やーだねー!エーデルワイス当代当主、シュヴァルツ・エーデルワイス!外様にとやかく言われたら黙っていられないね!」

ケタケタと嗤う少年。その口から放たれる当主という単語に眉を潜める青年
その表情を知ってか、それともわざとか。睨み付ける青年に、シュヴァルツは言葉を紡ぐ

「そんな顔すんなよドミトリイ。色男が台無しだぜ?」
「……ッ」「貴様!」

ドミトリイ。そう呼ばれた青年が睨む
が、その背後から突如として乱入してきた少女がシュヴァルツに向けて斧を突き付けた

「えーっと、どちら様?いきなり凶器ブン回すとか、お里が知れるよ?」
「黙れ!このおぞましい吸血鬼が!」

吼える少女、嗤う少年。一触即発。どちらかが動けばどちらも殺しにかかるであろう状況
ロベルトは逡巡する。この危機的空間を打破するにはどうすべきか───


……その答えは、第三者の口から発せられた




『降ろせ』

「……っ」「おやおや……サンキュー、禍門」


放たれた言葉に、双方従うかの様に腕を下げる
その表情は憎々しげに燃え盛る。本意ではないと言外に伝えるように

「出会い頭に凶器を突きつけるとは……成る程、誇りも恥も無い。ガイスロギヴァテス」
「黙れ!黙れ黙れ黙れ!!こいつらは悪魔だ。天使だの何だのと狂った言い訳を」
『黙れ』

再度、男が言葉を告げる。少女の口がむっ。と一文字に硬直した
もごもごと口を動かしながら倒れる少女。男は意に介さず、ロベルトに説明を促した

「申し訳ありませんな。エーデルワイス」
「此方こそ。憂午様の評判は、我々の耳にもよく届いております」


男、憂午の謝罪に、恭しく礼を取る。……その姿を憎々しげに睨むドミトリイを余所にして


「……で、わざわざ我等御三家をかき集めて何の用だ?まさかこの茶番を見せたかったのか?」
「どの口が。ガイスロギヴァテスの家等、この町の異物……癌でしかない」
「おー怖い怖い」


吐き捨てる禍門 憂午
睨むドミトリイ・ガイスロギヴァテス
それを眺めるシュヴァルツ・エーデルワイス


斯くして、この場に三つの家が集結した。ロベルトは意を決して言葉を紡ぐ




「───“聖杯戦争”をご存知でしょうか」







「……うんしょっと!」
「悪い悪い!お前以外に暇なヤツいなくてさ」
「大丈夫!俺も時間あったし」
「マキちゃん。あんまり人頼みはダメだよ?」
「ユキの言う通りだぞマキの字。だらけていると牛になると聞いた事は無いかね?」
「うっせー!こちとら坂松新聞部の筆頭エースだぞ!部長だぞ!暇じゃねーんだぞ!」


手荷物を降ろして椅子に座る。少しだけ休憩しても許されるだろう
事の発端は、放課後にクラスメイトの一人……この新聞部部長が突如言い出したある事が原因だ

『今度の学級新聞には付録つけようぜ!』

当然、そんな予定は無いしそもそもの材料すらどこにもない。即却下されるはずだったけど……

『なー頼むよー何とかしてガラクタ集めてきてくんね?生徒会なんて暇だろ?どうせ』
『まあいいけど……』『いいの!?断っちゃってもいいんだからね!?』

まあ、そんなこんなで学校中のありとあらゆる場所で使えそうな物をこの部室に運んでいた。という訳だ


「庶務。アレの無茶振りを引き受けてくれた事には感謝する……が、いいのか?」
「いいって。俺、誰かの役に立ちたいから」
「いや、そうではなく……後ろだ。後ろ」
「後ろ……?」



「……我が崇高なる生徒会役員が、学校内でゴミ漁りをしていると聞き、まさかとは思っていたが、いやはや本当に」
「……生徒会長!?」




部室前で腕を組み、仁王立ちする人……生徒会長
こんな事を言うのはなんだけど、黙っていれば綺麗な人だと思う。黙っていれば
その顔は笑顔を浮かべている。けど、明らかに怒っている……!

「す、すみません!少し頼まれた事が」
「頼まれた事ぉ?お前は頼まれたらハイエナの様に地べたを這いつくばりハゲタカの様にゴミを喰らうのかこのハダカデバネズミが!」

「す、すみま」


「謝れば済む問題だと思っているのか?それとも頭を下げれば許されるとでも思ったのか!?甘ったれるなよこの猿が!」
「そ も そ も?崇高かつ生徒の見本になるべき我等が生徒会役員ともあろう人間があろうことか無様にゴミをえっちらおっちらと運ぶ姿を他の生徒に見せつける等の恥知らずな行動を取る等本来はあり得ないよなぁ?」
「お前には恥の概念が無いのか?無いんだろうなこの恥晒し!生き恥晒す前に腹でもかっ捌く事をオススメするぞ?ゴミクズが!」


……言いたい放題言われて、正直メンタルがヤバい。泣きたい
生徒会長……潮 ニケーさん。何でも将来はいい大学に進学したいとかで、自分の内申が非常に気になっているそうで
部下……要するに俺、生徒会庶務をこき使って何とか評判を上げたい心積もりなんだろう

「フン。まあいい、コレは返して貰うぞ」
「お、おう……。大変だな、頑張れよ」
「ありがとな、部ちょ……」
「誰が無駄口叩いていいって言った!?貴様は本当に馬鹿だな!そんなので生きていて楽しいのか?ええ!?」



「いや~相変わらずおっかねえな潮会長!庶務もよくやってられんな」
「あの二人は校内でも有名人だからな。一部では二人は恋人同士だの言われているが」
「そうは見えないよねえ……なんだか可哀想」
「いいんだよ!ああいうヤツは、使い潰すだけ使ってやった方が本望だろ」
「まるで会長の犬だな。奴隷と言っても差し支えないか」
「おっ!いいねえ、今度の一面はそれに決まりだ!『鬼の生徒会長、その家来に迫る!』次号の完成が楽しみだぜ!」



「……ところでマキちゃん。肝心の付録って、何をつけるの?」
「……考えてなかった…………」





「……しょ、書類の整理終わりました…………」
「三分遅れか。まあいい、帰っていいぞ」
「あの、言いにくいんですけど書記と会計の人はどうしたんです?」
「知るか!どうせいつものサボりだろう。何の為にわざわざ声をかけたと思っている!?」


……だと思った。二人ともいい奴なんだけど、どうにもサボり癖があるのが難点だ
いや、でも書記は今日学校来ていたっけ……?


「おい、何をボーッと突っ立っている!?早く帰れと言ったんだ。とっとと帰れ!」
「あ、すみません!けど、別にまだいたって」
「何だそれは私に対する口答えか!?私の視界に映るなと言ったんだこのノータリン。さっさと荷物をまとめて何処へなりと消え失せろ!」
「わかりました……」

……滅茶苦茶言われた。悲しい。けど、それでも従ってしまうから、もう諦めよう

「それじゃ、お疲れ様でしたー」
「フン!」

なんか、今日はやけに殺気立ってるな……ま、触らぬ神になんとやら。さっさと帰ろうか
幸い、まだ日は落ちたばかり。今から帰ってもゆっくりとする時間くらいは残るだろう
足早に荷物をまとめて、生徒会室を出る。夕暮れの名残が、空を紫に染めていた





「はい、わかっています。手筈通りに」
「………………聖杯戦争…………」




「ふー……そろそろ終業式か」


肌寒さが色濃く残る道路。自販機で買った味噌汁を飲みながら思いを馳せる
生徒会に入った事、生徒会長に怒鳴られた事、生徒会長に踏まれた事、生徒会長に……

「……ろくな思い出が無いな。うん」

苦笑する。俺はどうにも、あの生徒会長に嫌われているみたいだ
それでも、俺が庶務になったのは誰も候補がいなかったから。クラスメイトが書記に立候補して、推薦されたんだっけ


『ねえ、一緒に生徒会やらない?庶務が空いてるし、どうかな……?』


……別に、その子が気になっているから引き受けた訳じゃない。その子がやろうって言ったから受けたんだ

あの子が俺の手を引いてくれたから、今の俺がある訳で
だとしたら、俺はそれに答えないといけないだろう。嫌だと言って傷つける方が嫌だから
……まあ、あの生徒会長を怒らせるのは別の意味で嫌なんだけどな
なんて考えてたら、スマホに着信の文字が。その主は……潮会長!?!?


「……うわっ!?っとと、生徒会長!?」
『貴様何で直ぐに出なかった!?この私の連絡よりも遥かに重要な事があるなら先に言え。許すつもりは全然無いがな!!』
「すみませんちょっと今道路なんで静かに……何の用ですか?」
『はあ!?つまり何か、貴様生徒会の任を終えた後バカスカと買い食いして無意味に時間を浪費したという事か!?貴様という奴は本当に』
「あ、充電切れそうなんで切りまーす」
『待て貴様!まだ話は』


「……ふう、何だったんだいったい」
ツーッ、ツーッという音が虚しく響く。リダイヤルされても困るから、家に着くまではスマホの電源を落としておくか
にしても、何の用事でかけてきたんだ?やり残しなんて無かったはずなんだけどな……


……思えば、この時の俺は少し好奇心が高まっていた。だから、あんな事をしたんだと思う





「……聞きに行くか」


……ああなった会長は、目的が達成されるまであのままだ
つまり、明日俺は朝イチで生徒会室に拉致され説教コースになるだろう
どうせなら、こっちから出向いておこう。仮に今電話をかけたとしても、烈火の如く怒られるのは目に見えてる

「まだいるよな?走れば間に合うか……」「おい小僧」
「…………ん?」

「学校に行くのかぁ?止めとけ止めとけ……ま、命が惜しくなきゃ見物してもいいかもなぁ」 

いつの間にか、背後に女の子が立っていた
けど、何かおかしい。いや夜になりかけている今の時間にいる事そのものがおかしいんだけど
何だか……この世の住人じゃないみたいだ

「君、もしかして迷子?俺が交番まで連れていこうか?」
「いっひひ、迷子はお前さんだろぉ。何をすべきかまだ悩んでいる」
「ま、それもアリだ。禍福は糾える縄の如し。迷いも答えもおんなじ事」
「そんじゃあな。好きに生きろよ。若い小僧」

「……変な子どもだな」


ああいう子って本当にいるんだな……いや、悪い意味では言ってないけど
……そうだ、もうこんな時間だ!早くしないと生徒会長に夜通し説教されるぞ!?

「ああクソッ……何だったんだあの子!」



「おうおう、運命が動き出したか。……いや、いつ見てもこの瞬間はたまんないねぇ!死ぬにせよ、生きるにせよ!」







「はぁ、はぁ……間に合ったか?」


何とか十分以内に学校についた……
聞いた話だと、生徒会長は普段から夜遅くまで校内にいるらしい。ならまだ……

「……ん?何か、音がする?」

校庭の方で、何かがぶつかり合う様な音が聞こえてきた。ここまでって事は相当デカイぞ
まさか、不良が校内で遊んでいるとか?けど、あの生徒会長が放っておくとは思えないし……

「ああ、会長帰っちゃったか……」

会長が不良如きに負ける訳がない。つまり、今はこの場にいないんだろう
仕方無い、帰ろう……。かといってあのまま放置して後で怒られるのは俺なんだよなあ

「はあ、注意しに行くか」

ここで帰ると本当に俺が来た意味が無くなってしまう。ならせめて、少しくらい役立ちたい
ほら、俺って生徒会の庶務だしな。このくらいはお安いご用さ
それじゃあとっとと注意しよう。もし殴られそうになったら全速力で逃げればいいし



「さて、暴れてるどんな奴、か、な……!?」

校庭を覗き込む。……いや、校庭『だった』ものを覗き込む
そこは、既に……俺の知っている、坂松高校校庭では無くなっていた







「うおおぉおっ!渾身のぉ右ストレェートっ!」
「……何?外してる?マスター、俺の事より自分の心配をしろ。危ないだろ?」

「……ああもう!硬いったらありゃしない!」
「気を抜くなランサー。奴の動きは大振りだ。付け入る隙はある」
「じゃあアンタがやって!」「無茶を言うな」



「な、何なんだ?アイツら……」

広い地面の上、二つの影が舞い踊る。一つは赤毛の少女。もう一つは鋼鉄の男
先程の音は、二人の槍が、拳が打ち合う事で起きていたなんて、見れば誰でもわかる事だ
彼方に此方に華麗に舞う少女。対する男は堂々と構え、的確に拳を打ち込み対応している
それは明らかに人の為せる動きではなくて……俺は、つい逃げる事も、連絡する事も忘れていた



「…………ランサー。もういい」
「ハァ?アンタが言ったんじゃない。ここで目障りな奴を潰すって!」
「逃げんのか?逃げんのかこのトカゲ女!」
「トカゲちゃうわ!」

「アタシはアイツとの相性がいい!話にも聞いてるし、なんなら弱点だって!」
「ネズミが入った。始末しろ」
「ネズミ?…………はぁーい」

ぐるり。少女ともう一人の男が振り向く
そしてゆっくり、確実に俺の方へと歩みを進めていく……マズい、バレた!

「う……うぁあああ!!」
「あははっ!逃げなさい。足の動く限り、手の動く限りにね!」
「遊ぶな。速やかに捕まえ、焼き尽くせ」




「何だ?もう止めんのか?……まあいいか、マスター。……マスター?」
「……何ィ!?あのランサーを追え!?無茶を言うな!いや出来ないという意味ではなくて」





「はぁ、はぁ……何だよアレ……何だよアレ!」


走った。走った。走って走った。辿り着いた先は校舎裏。誰も来ない様な隠れた場所
あの不審者は明らかにバケモノだ。早く警察に連絡しないと……って、そうだ、スマホの電源を切ってたんだった!?

「クソ、早くしないとアイツらに……」
「残念だが、タイムリミットだ」

闇の中に閃光が迸る。暗闇に慣れた目にとってその光は凶器にも等しい
思わず、目を瞑る。ざく、ざくと歩く音から、あの二人が此方に向かっている事は明白だった

「ねえ、どうするの?頭から潰す?それとも足をバラバラにしちゃおうか」
「事故に見せかけ始末する。退いていろ」
「はーい。ドミトリイ」


男が、懐から火を放つ。それは、意思を持つ様に絡み付いて……!

「あ……!あ゛あぁあ゛ぁ゛あ゛あっ!!」
「うーわ痛そ……ま、アタシも似たようなものだけどさ」
「静かにしていろ。息の根が止まるまで終わらせはしない」

熱い痛い熱い熱い!身体中の神経が焼けていく感覚。脳内でアラートが響き渡る
もう引きちぎる感覚すらわからない。いや、既に腕は焼けているのかもしれない


それでも、俺は足掻き続けた。理由はわからないけれど、でも


「うっ……!あぁあああーっ!!」
「……何だと?」






「うっ……ぐ……!」

「ちょっとー、やられてんじゃない」
「魔力を通して弾いたか。油断したな、俺も」


痛い。熱い。身体を焼かれて立っているなんて生まれて始めての体験だ
けどよく見たら大した怪我はしていなさそうなのが幸いだ。男は憎々しげに俺を睨んでいる


「これ以上の失態は避ける……ランサー、確実に殺せ」
「全く!結局アタシが殺るんじゃない。ま、簡単には死なないでよね!」


ブンブンと赤熱を帯びた槍。恐ろしい武器を振り回しながら近づいてくる少女
その歩きは遅い。けど、逃がさないという意思を感じる程、逃げ道を的確に塞いでくる
ドクドクと心臓がうるさい、吐きそうだ。対称的に、少女の口元には嗜虐の笑みが


「アハハッ、ねえ、アンタは今から死ぬ。けどどう殺されたい?」
「心臓を一撃?それともバラバラ?いっその事口に突っ込んで窒息させてあげよっか!」


殺し方をリクエストしてきた。冗談じゃない。俺はこんな所で死にたくなんて無い
……どうする?逃げる事なんて出来ない。許してくれる訳がない。なら、俺は…………



「……戦うしか、無いのか?」
「やれ、ランサー!ガイスロギヴァテスの名の元に!ネズミを屠殺しろ!」
「はいはい。それ、じゃ……、死んじゃえ!」


目の前に穂先が迫り来る。恐怖でその場にへたり込む
駄目だ、戦いにすらならない。このまま俺は、あの槍で喉を潰されるだろう



……嫌だ!力さえあれば、力さえあれば!
こんな奴らを振り払って、逃げ出せるのに!
誰でもいい!俺に!俺に───!!

「俺に……力をおぉおおおおおおッッッ!!!」





「……その言葉、確かに聞き入れました」




「……は?」「何?今の……」「……まさかッ!」

虚空の中に声が響く。力強い意思を感じ、慈愛に満ちた、優しい声が



「ドミトリイ!どういう……ドミトリイ!」
「そんな馬鹿な……!こんな、こんな誰とも知れぬ馬の骨から……!」

……どうやら、向こうに取っても計算外の出来事の様だ。迫る槍は止まり、主である男の指示を待機している


「力が欲しい。ならば、私が貴方の剣となりましょう。貴方の意思が砕けぬ限り、私は貴方を守りましょう」
光の中から声がする。……恐らく、俺に向けて
自然と、俺は頭を下げていた。光が弱く、その姿が漠然と見えてくる


「ランサーッ!早く奴を殺……いや、一度退き、状況を把握する」
「な、何でよ?ここでアイツを殺せば……」
「それどころではない……!マズい事になった。戻らねば……!」
「……わかったわよ!」


「……では、一つだけ聞かせて貰いますわ」
声が遠ざかる。目の前の声は高らかに宣言する

……そこにいたのは、白銀の少女だった。美しく、凛とした佇まいに目と心を奪われる

彼女は俺に、こう言った



「──問いましょう。貴方が、私のマスターか」



……マスター?その単語に耳を疑う
どういう意味だ。そう聞こうと前に出た瞬間、地面に倒れ伏す
そうだ、俺……全力疾走してるし、全身火傷してるんだった……

気を失っていく俺。視界の端では、表れた少女が目を見開き、わたわたと慌てている姿が───




「マスター?……マスター!しっかりなさい!ここで倒れてどうするんですのーーー!?」




『謎の少女……貴方のサーヴァントのステータスを開示します』


┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:バーサーカー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┓
  【真名】:???              【属性】:混沌・善
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  【筋力】:D     【耐久】:D      【敏捷】:D      【魔力】:C      【幸運】:B      【宝具】:B
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫


【余裕があれば少しやりますが、無理ならば連絡します】



今確認出来てるサーヴァント
ランサー
赤毛の少女、トカゲ女
マスターはガイスロギヴァテス
クラス不明
鋼鉄の男、武器は素手、動きは大振り?
マスターは所属不明
バーサーカー
自サーヴァント
ステータス低め

まとめありがたい
鱒もまとめとこう

◆禍門家
・憂午 マスターオブバベルっぽい

◆エーデルワイス家
・ロベルト 監督役
・シュバルツ 当主

◆ガイスロギヴァテス家
・ドミトリィ ランサーのマスター、色男?
・斧持ち少女 エーデルワイス家を嫌っている?

◆その他
・ユキ・マキ・? 穂群原学園の某三人組っぽい雰囲気
・潮 ニケー 生徒会長、罵詈雑言
・生徒会書記 扱い的に多分なんかある
・この世の住人じゃないみたいな女の子 ロリババみある


>>179 >>180 
【わーいまとめありがとうございます!マスターはあんまり簡単にはばらさないつもりですので結構ポンポン出てきます】

【こう見てみるとランサーこれエリちゃんじゃん!】

【多分一人称が被ってたのが悪い。すまない……】


【少しだけ進めます。点呼しますが大丈夫ですか?】





「……痛っ」

鋭い痛みで目が覚める。気付くと、俺は部屋のリビングで大の字で転がっていた
ふと、腕を見ると赤々とした怪我の跡。それは昨日の出来事が夢でないという事で……

「目覚めましたか。マスター」
「君は」

あの時、光の中から救いに来た少女。白の清廉な衣装を纏い、腰には綺麗な剣を下げ
その瞳には───強い意思が燃えていた

「安静にしてなさい。あれだけの火傷を負い、その上で英霊の召喚を行ったのですから」
「マスター。貴方は自分が思っているよりも、遥かに重体なのです」
「頭を働かせるには、まずは身体です。自分の健康に注意しないと駄目ですわよ?」

「……ごめん、ごめんな」
「な、泣かずとも良いでしょう!?」

怒られた。いや、怒られる事そのものは慣れているんだけど
なんか、こう……本当に俺の事を思っての怒りは久しぶりだ。泣く


「こ、こほん!それはそうと、マスター、私を召喚したという事は、聖杯戦争に参加する。という事でいいですわね?」
「……それだ。その、さっきから言っているマスターって俺の事だよな?」
「ええ、そうですわ」
「えっと、俺、聖杯戦争?とか、よくわかんないんだけど。それに、マスターってどういう事なんだ?」


さっきから……というか、昨晩からずっと頭の中にあった疑問をぶつける
少女はやっぱり。と顔を伏せ、少しずつ語りを切り出し始め出した



「……これから話す事は、信じがたい事実かもしれません。ですが、紛れもない真実」
「わかった。聞かせてほしい」
「ふふっ、まるで講師ですわね。こういうの、結構好きなんですの」

嬉しそうに話し出す少女。その話は俺の想像を越えた壮大な話だった……





「……どういう事だ!?中途でサーヴァントが召喚される等、聞いた事が無い!」
「それは、私にもわかりません。ですが、それもまた運命」
「神はその少年に、慈悲を示したのでしょう」
「ふざけるな!」


薄暗い協会。その中で怒号が爆発する
それを静かな態度で受け流しているのが今回の監督役、ロベルト
胸倉を掴みかかり叫ぶ女性。遠巻きに眺める男はドミトリイだ

「……もういい。止めろ、ルシフェル」
「ドミトリイ様!何を、この様な事はあり得ない!この男はエーデルワイスの」
「私は、エーデルワイスとは関係を断っています。故に、彼等の手助けをする事は」
「嘘をつくな!この腐った背信者が!」
「ルシフェル!」

女性……ルシフェルは、乱暴に腕を離す
解放されたロベルトは意にも返さず、丁寧に襟を整える

「……私に言える事はただ一つ。聖杯に選ばれたのならば、その少年にもまた資格があるという事のみ」
「それを、どうしても呑み込めぬというのなら仕方はありませぬ」
「……いいだろう」「………………」
「この事は、追って他の家にも知らせます。無論、他の参加者にも」
「……何れ、その血を持って贖う時が来る。覚悟しておけ狂人一族……!」


二人が荒い音を立てて去る。残されたロベルトは聖堂に跪き、目の前の神像に祈りを捧ぐ


「おお、神よ……。貴女のお考えになさる事、未だ理解するに及びません」
「しかし、これだけはわかります。“神の祝福に光あれ”」


ふふ、と満足げに笑うロベルト。先程までの緊迫した空気を清める様に、聖壇を磨き始めた






「……聖杯、戦争…………」
「ええ。それこそがこの町で行われている儀式の名前ですわ」

……過去の英雄を呼び出し、願いを叶える聖杯を巡って殺し合う
英雄は七つのクラスに当て嵌められ、それに応じた特徴を与えられる

……何て話だ。漫画やアニメの世界じゃないか
けど、こうして目の前にいる少女やあの赤毛の槍使い……ランサーを見た後なら信じるしかない

「……で、君は何のクラスなの?」
「バーサーカーですわ。マスターは特別に、そのままクラス名でお呼びなさいな」
「そっか、バーサーカー……バーサーカー?」

あれ、おかしいな。聞き間違えたかな?うん、きっとそうだ
この少女の教え方は本当に聞き取りやすかったしわかりやすかった。俺が間違えたんだ。うん

「……ねえ、バーサーカーって何て字で書くんだっけ」「狂う戦士と書きます」
「バーサーカーのクラス特性って」「理性を奪われ思考能力が低下する代わりにステータスが上昇しますわ」



「……ごめん。俺、からかわれてる?」
「からかってませんっ!貴方、私の話を聞いていたんですの!?」


ぷくっ。と頬を膨らませる少女……バーサーカー
正直、今の話と目の前の彼女は全くと言っていいくらいに結び付かないんだけど……?

うーん、少し話を聞いてみようか。彼女も教えてくれるかもしれないし


「ねえ、バーサーカー、質問してもいいかな」
「構いませんわ。私の事、何でも……とは言いませんが、話して差し上げます。……けど」
「けど?」
「全ては言いません。貴方はマスターとしては非力。簡単に全てを教えては」
「足手まといになる?」

こくんと頷くバーサーカー。……最初から全部は教えてくれないか
けど、全部を隠す様な事はしないはずだ。何を聞いてみようかな……



ファーストコンタクト。何を話しますか?
↓1~3


【あー、考える時間は確かに必要でしたね。すみません……】

【至らぬ>>1で申し訳無い。9:30から↓3まででお願いします】


【先に挙げてくださった方も、やっぱり変えるという場合は大丈夫。不慣れですみません】



「……そう言えば、ランサー達は?俺を付け狙っていた、あの二人」


脳裏に過るのは、校庭で出会った赤毛の少女。ランサーのサーヴァント
……思い出すだけで怖気が走る。もし、バーサーカーが来なければ、今こうして話すことすら出来なかっただろう

「恐らくは、何かイレギュラーな事があったのでしょう。あの後からは見ていませんわ」
「後から再度奇襲をかけてくる可能性はありますが……今の所は安心と見て良いと思います」

そっか……。いや、安心は出来ない。あの二人は平気で人を殺せる奴等だ
危険な相手には変わらない……

「じゃあさ、バーサーカーは何が出来る?俺もそれを知っていれば、何か動けるかも知れないしさ」
「普通、マスターは戦わなくても良いのですが……そうですわね」


12345:上のスキル見せてくれる
67890:下のスキル見せてくれる
↓1



「……では、これを見せましょう。はっ!」
「うわっ……炎!?」

バーサーカーが空に文字を刻む。その瞬間、空間から突然炎が吹き出した……!
得意気に鼻を鳴らすバーサーカー。その顔付きはどこか誇らしげだ

「ま、魔法……!?早く火を消して、火災報知器に引っ掛かるから!」
「これはルーン。ルーン魔術と呼ばれる魔術の一つですわ。その成り立ちは……」
「それは後で聞くから!早く!」

自慢話を切られたからか、あるいは自分の話を聞いてくれなかったからか。やや不機嫌になりながら火を消すバーサーカー
……なんか悪い事しちゃったかな?けど火災報知器で朝シャンなんて勘弁してほしかったから仕方ない


「……とにかく、私はルーン魔術を修めております。これを使う事で、様々な状況に対応出来ますわ」
「……つまり、オールラウンダーって事?」
「そうですわ!他にも剣術、射撃、一通りの事は出来るという自負は持っていますの」

『バーサーカーのスキルを一部開示します』

 ◆ルーン魔術:C   
  ????????に伝わるルーンの魔術。   
  ルーンの使い分けにより、多彩な効果を使いこなす。   
  バーサーカーの????は??????????、??????、????????を????した????????の????である。   
  しかし、彼女は『以下閲覧不可能』



「成る程……ふーん……へえ……」
「マスター、わかっていないでしょう!?」

うん、正直サッパリわからない。ルーンって何だよいったい……
そう言えば、バーサーカーにも願いはあるんだよな?聞いてみようか

「バーサーカー、君の願いは?皆持っているから呼ばれるってさっき言ってたよね」
「うぐっ、言いましたわね……けど、今は秘密としておきます」
「何でさ!?」「乙女の秘密に土足で踏み込むなんて、マスターは最低ですわ!」「何でさ!?」


顔を真っ赤にしながら嫌々と首を降る。……まだ教えてくれなさそうだな。しょうがないか





「はぁ……じゃあさ、バーサーカーはして欲しくない事とかあるかな?」
「一緒に戦うんだから互いのされたら嫌な事、知らないと困ると思うんだけど」
「俺は……特に無いかな。強いて言うなら俺の家のものを壊さないでくれると嬉しいけど」

ひとしきり最低と何でさの応酬を繰り広げた。真面目な話、相互理解は大切だと思う
バーサーカーも理解したのか、先程の雰囲気から一転して凛とした表情に変化した

「……私を、縛り付けなければそれで」
「縛り付ける?」
「例えば、令呪。その絶対命令権で、私の自由を奪わないでください」

いつの間にか手に表れていた刻印……令呪を指差して、そう告げた
この令呪を使えば、サーヴァントに対してどんな命令でも下せるらしいけど……
……そうされたくない。って事か?なら、それを信じるしかないか


「……それと!私は貴方を指揮官としては期待していません。最悪、死ななければ儲けもの」
「貴方は私の言う事を聞いて……いや、それは、うむむ……」
「……?どうかした?」
「な、何でもありませんわ!」


……とにかく、俺の意見をバーサーカーに通すには信頼関係を組まないといけないのか?
だとしたら、どうすればいいんだろうな……?





「おっぱい揉んでもいいですか?」
「……はい?」
「先生、おっぱい揉んでもいいですか」


「……マスター?正気ですの?」

何故か言わないといけない気がした……


※初回特典で許されているだけで本来ならタイガー道場行き案件です。次回からは普通に弾くので悪しからず

123456789:キレる
0:???
↓1




「……ごめん。本当にごめん」
「全く……次にその様な事を言ったら、本当に首を撥ね飛ばしますわ」

本当に何であんな事言ったんだろうな……すぐに撤回したからいいものの、少しでも遅れていたら本気で殺されていた
バーサーカーの方も冗談だとわかっていたんだろう。けど、あの剣先はランサーかそれ以上に殺気が籠ってましたけど?

「え、えーっと……これから、どうしようか?」
「まず、マスターは聖杯戦争の詳しい事情を知りません。情報が圧倒的に欠落している」
「ここならば教会に向かえば、監督役という調停者に出会えるかもしれませんわ」
「じゃあ、情報集めに向かうべきって事?」
「はい。……ですが、下手に動けばランサーと出会うリスクもあります。あの陣営は私達を潰す事に抵抗が無い」

……そうか。もしまた出会ったら、その時俺達はランサーに勝てるのか?
バーサーカーの実力が未知数な今、安易な行動は取りにくい……

「その事を踏まえると、マスターには普段通りの事を行うべきと進言しますわ」
「えーっと……つまり、学校?」
「あのマスターが学園の関係者ならば兎も角、そうでは無いのなら学校はある意味では安全と呼べます」
「流石に白昼堂々、ランサーをけしかける様なマネはしないでしょう」

確かに、バーサーカーの発言には一理ある
あんなのが学校内にいたら、それこそ不審人物として逆に目立つだろう


「……マスター、どうします?私はどちらでも構いませんわ。貴方の指事、見せてもらいます」
「聞かないんじゃ無かったの?」

そうだな、じゃあ、俺は……


※どちらを選んでも物語に支障はありません。出てくる人物が変わるだけです
1:学校に行くよ
2:教会に行くよ
 ↓23:00から1~3まで多数決


【学校に行く選択で本日はここまで】

【お付き合いありがとうございました】


【どうやら、バーサーカーに解釈違いが起きていたもよう】

【おっぱい揉んでって言ってもそんなに怒んないらしい。でも殺しちゃったものは仕方ないし(他人事)】

【ゆっくりやりましょう。人はいますか?】



「学校に行くよ。ほら、教会は逃げないし」
「……まあ、言い出したのは私ですわ。その指事には従います」

あれ、若干不機嫌になった?けど、行った方がいいって言ったのはバーサーカーだし
……よし、ここは一つ

「じゃあ、放課後に教会行こうか。そのくらいなら時間も取れると思うしさ」
「! そ、そうですわね、マスター。ですが、勉学も大事ですわ。お気遣いは不要です」
「そんな事は気にしないでよ。俺、こう見えても成績はいい方からさ」
「ふふっ、私、家庭教師をつけて一日の半分以上も勉学に励んだ事がありますのよ?」
「う、そこまでは……嫌だな」


どうやら、バーサーカーは勉強が好きらしい。俺にはよく理解出来ない……
あの精錬された丁寧な言動は、この勤勉な性格から来ているのかもな


「……よし、ギリギリ遅刻しないな。朝飯は購買で買う!バーサーカーは……あれ?いない?」
『マスター、サーヴァントには霊体化という力があります。周囲に私の事は見えませんわ』
「それならいいか……じゃ、行ってきます!」



「……そういえば、俺大怪我してたんじゃ」
「治癒のルーンはかけてありますわ。後は貴方の努力次第」
「せめて完治はしといてくれよ!」







「……………………」

……ここは坂松高校の屋上。そこに、常人とはかけ離れた異様な圧を放つ者がいた
艶の無い黒衣をはためかせ、普段は吹かぬ突風に吹かれながら、眼下に広がる街を眺めている
その表情は暗い。かつて自分のいた場所よりも目覚ましく発展した人の営みを観察していた


……突如、足元の弦が騒がしく鳴り響く。それを足で踏みつけ黙らせると、男は背後にいる人影に向けて振り向いた


「何の用だ?俺は貴様の言う事全てを聞いてやる。しかし、意思を封じる権利は無い」
「疾く失せろ。用がある時のみ呼べと、確かにそう語ったはずだが?」


不機嫌そうに吐き捨てる青年。その目には隠そうともしない不快感がありありと

「……もう時間、か。そうか、貴様には俺がいるとわかると困るんだったか」
「良いだろう、聞いてやる。だが……」
「……いや、何でもない。此方の話さ。好きに命令するといい」


黒衣の青年は、屋上から飛び降りる。すると、激しい気流に巻かれて、その体は宙に踊る
そのまま、遠くに。豆粒かの様に小さくなっていくと……既に、空に青年は消えていた


その様子を確認した人物……マスターは校舎へと戻り、カチャリと鍵を閉め直した







「貴様ぁ!よくも、よくも私からの連絡をブッチした挙げ句に遅刻までしたなあ!?!?」
「いや、まだ遅刻じゃ」
「我々生徒会役員は常に十五分前行動を心掛けている!つまり十分前は充分遅刻だろうが!」


「いやその理屈はおかしいよ!?」
「止めろユキ。下手にあの状態の生徒会長に触れてみろ。新聞部ごと我々が消される」
「カナの言う通りだぜー。朝イチであたしらのクラスに陣取って庶務を待ち続けるとか並みの根性じゃ無理だろ!」


……おかしいな?何で教室のドアを開けたら目の前に生徒会長がいるんだ?
ていうか、そもそもまだ遅刻じゃないし。説教の間に五分くらい経っているけど


『……何者ですの?この騒がしい方は』
「生徒会長。俺の上司だよ」
『こんな者が……?』

「なぁにをブツブツ喋っている!?私の話に文句でもあるのか、このノータリン!人の話もろくに聞けないような耳に価値なんてあるのか?無いに決まってるだろうが!削ぐぞ!」
「ひとえにこの私の寛大な心で、貴様如き無能を生徒会に在席させてやっている事がまだ理解出来ていないのか?それなのに貴様は私の足を引っ張る事しか出来ないのか!役立たずめ!死んでしまえ!」


「……すみません」
『マスター!こんな奴に頭を下げる必要など』
「でも、俺が謝らなきゃどうしようもないし」


黙って頭を下げる俺に、憤るバーサーカーの声が痛い
本当は、こんな事ダメなんだってわかってる。けどそれでも俺は言う事を聞いてしまう
これでいいんだ。これで……




「あれ?生徒会長。どうしたんですか?」







「え?庶務くんどうしたの!?何かやった?」
「……新重」
「新重……昨日は休みだったか。言ってみろ」
「あははー……ちょっと風邪ひいちゃって」


にへらと笑う女子生徒……新重 茜。俺のクラスメイトにして、生徒会の書記を務めている
そして、俺を庶務に立候補させたある意味では俺をこんな目に元凶であり、恩人でもある


「で、会長はどうしてここに?ここ、私達二年生の教室ですよ?」
「フン、この無能が遅刻したから説教しに」
「じゃあ、私も説教ですね。私、今来たばっかりですから」
「……!そ、そうだ!貴様ら、生徒会としての自覚というものが」
「ところで、その手どうしたんですか?包帯を巻いてますけれど」
「これは!コイツが私の電話を急に切ったから驚いて転んだ時に手を打っただけだ!」
「それが原因で怒ってたんじゃないですか?」

ハッ。と核心を突かれた表情になる会長。ぐぬぬと新重と睨み合い……チャイムが鳴った

「あ、予鈴……」
「このままだと、会長が遅刻になっちゃいますよ?」
「……フン!無能同士、仲良くしていろ!」


先に根負けしたのは潮会長。捨て台詞を残してダッシュで廊下を走っていく
……廊下を走るのは校則違反じゃ?


「おっはよー!あれ?何かあった?生徒会長さんとすれ違ったけど」
「何もありませーん!早く座ろ、庶務くん」
「お、おう」


手を引かれる。その感触と笑顔にドキッとしたのは別におかしな事じゃ無いよな……


『……マスター、顔が緩んでますが』
「緩んでない!」






「茜ちゃーん!」「千呼ちゃん、抱き着かないでよー」
「寂しかったよー!昨日ずーっと静かだったんだもん!」


授業が終わり、放課後になる。真っ先に新重に駆け寄る少女がいた
あいつは禍門 千呼。親戚がなんかでかい会社をやっているらしく、動画サイトで幾つか動画を配信しているらしい
新重とは波長が合うらしく、しょっちゅうつるんでいる姿が確認できる


「早いモンだぜ!新重が欠席したのが、まるで昨日の事の様に感じるぜ!」
「実際、昨日だからな……。しかし、新重嬢がいない昨日は確かに物静かだったな」
「本当に心配してたんだよ~!大丈夫?」
「大袈裟だってば……ほら、もう元気!」


『……あの少女、人気があるんですの?』
「そうだな……可愛いし、性格もいいしな」


それにおっぱいも大き……ってそれは関係無いか
新重の周りから人が途切れた事なんか見た事が無い。それくらい、新重の持つカリスマは凄いからな


「あ、庶務くん。ちょっと言いかな……?」
「ああんデートか!?あんな冴えない奴と新重となんて釣り合わねーぞ!洗脳したな!?」
「ええええ!?二人とも付き合ってたの!?」
「落ち着け、その様な事実は無い。私の調べた限り、あの二人に異性の影は無いはずだ」


……なんか凄い言われようだな。いや、俺と新重が釣り合わない事くらいはわかってるけど
けど、ワンチャンくらいは。……ダメだ。バーサーカーとの約束がある。だから今だけは違う用事であってくれ……!


『……何というか、意外と俗物ですねマスター』





「えっと……今朝、私のせいで怒られてたんだよね?昨日休んだから」
「それとこれとは多分関係無いと思うけど……」

あの会長の事だ。休もうが休まなかろうが俺に仕事を押し付けてキレていただろう

「だからさ……庶務くん。今日、放課後暇?街に新しいカフェが出来てたから、お詫びも兼ねて一緒に行きたいなー……なんて」
「ああ……」

最悪だ。どうしてこういう時に限って……

「そら見ろお前らー!やっぱりデートじゃねえかー!」
「意外だな。庶務と新重嬢がその様な仲だとは気づかないものだ」
「が、頑張ってー!」
「庶務くんいいなー。わたしも行きたい!」


「……ゴメン。今日はちょっと無理」「……そう、なんだ」


……空気が凍る。この白けた雰囲気、辛い
周りに人が散らばる。その視線はやけに冷たい


『……マスター、同情はしますが、今はチャンスでは?』
『今ならば生徒達の話を聞く絶好の機会。なるべく多くの人物に聞きましょう』
「バーサーカー?この空気でそれ言う?」


……はあ、けど今から教会に行っても時間はかなり余る。それなら誰かに話を聞いてみるか


21:45から、話す相手と内容
選択可能相手:新重、千呼、マキユキカナ、その他
↓1~3

【あ、質問があればどうぞー】

質問
校庭って破壊痕とか残ってる?

>>243
【完璧に消されてます。魔術協会が一晩ちょっとでやってくれました】

質問
現状聖杯戦争というイベントに参加してるって情報だけで御三家とかその辺の付随情報は無いって考えていいんだよね?

>>245
【はい。現状貴方は聖杯戦争の概要は知ってるけど御三家?何それ状態です】


【新聞部トリオ、新重、バーサーカー確認】

【新聞部トリオは学校内外の噂を仕入れてくれる便利キャラ。精度は微妙】

【それではしばらくお待ちを】

鯖鱒まとめ、鯖は>>179から流用
多分聖杯戦争には関係ないけど、書記さんはなんで生徒会長やってないんですかね?


◆禍門家
・憂午 マスターオブバベルっぽい
・千呼 動画配信者、親戚に大企業

◆エーデルワイス家
・ロベルト 監督役
・シュバルツ 当主

◆ガイスロギヴァテス家
・ドミトリィ ランサーのマスター、色男?
・ランサー 赤毛の少女、トカゲ女

・ルシフェル 斧持ち少女 エーデルワイス家を嫌っている?

◆その他
・ユキ・マキ・? 穂群原学園の某三人組っぽい雰囲気
・潮 ニケー 生徒会長、罵詈雑言
・新重 茜 生徒会書記、貴方をデートに誘う、カリスマ持ち
・この世の住人じゃないみたいな女の子 ロリババみある
・クラス不明のサーヴァント 鋼鉄の男、武器は素手、動きは大振り?


>>252
【単なる年功序列です。潮は三年、貴方と新重は二年生】
【時期は冬くらいを想定しています。時系列は気にするな!】


「なあ三人とも、ちょっと聞きたいんだけど」
「あ?んだよ、新重の誘いを断ったクセに……」
「ハッ……!まさか、あたしか!?あたしが本命だったのか!?」
「阿呆。そんな奴はこの世に二つとしか存在しない。アライグマとゴライアスガエルだ」
「ゴライアス!?」

……こいつらは。けど、新聞部なら噂とかにか強いはずだ。多分

「お前達新聞部だろ?何か怪しい事とか変な奴とか知らないか?」
「えっ、どうして庶務くんが知りたいの?」
「それは……まあ、生徒会として把握しとくべきだと思うからな」
「一理あるな。あの生徒会長が君を酷使する事は容易に想像できる」

「けどタダって訳には行かねーよなー?ここは今度の購買で」「昨日手伝ってやっただろ!」
「そうだった!!!」


……こういう時に便利だよな。庶務って立場は

「はぁ、しゃーねーなー……なあ、何か知ってるか?」


1234:カス当たり
567:そこそこ
89:大当たり
0:???
↓3


【それもそうだ。今後は気を付けますね……】
【実際募集学生キャラは全員女子。ギャルゲー出来そうなくらいにはいます】



「……特には無いな」
「私もだヨー……」
「つー訳だ!帰れ!庶務!」
「ふざけんな!このポンコツ新聞部!」

首を横に降るカナとユキにふんぞり返るマキ。なんでそんなに偉そうなんだお前は

「しかし、このままでは坂松高校新聞部の名が折れる。今後も是非我々を頼ってくれ」
「わ、私も頑張るよ!庶務くん!」
「えー面倒臭え……。……わーったわーった!やりますよ!」

……どうやら今回は失敗したが、今後はこの三人が協力してくれるみたいだ。精度は別として
三人と連絡先を交換する。……なんで今までしていなかったんだ?気にしたら負けか


『やりましたわマスター。これで情報源は確保しました』
「いや、頼りになるのか?こいつら……」

「あれ?庶務くん、誰と話しているの?」
「何でもない!」




「庶務くん」
「あ、その……新重」
「ごめんね。急にあんな事言って」
「当然だよね……お礼とか言って迷惑かけちゃうなんて、本当、最悪」
「い、いや!そう言うんじゃなくて、偶々用事があっただけで嬉しかったって言うか」

「え、本当に?」「あ、うん……」
『マスター。早く用件だけ言ってください』

後ろでバーサーカーが急かしてくる。明らかに早くしろ。と圧がかかってる
……名残惜しいけど仕方無い。新重に話を聞いて終わらせよう


「なあ、新重は昨日何で休んでたんだ?」
「体調不良だよ。ちょっと貧血気味だったし」
「そうか……お大事にな」「もう大丈夫だよー」


『マスター、早く』


「……新重は休む前何か見なかったか、変な奴とか、怪しいものとか」
「うーん、そうだなあ」


12345:ごめん、わかんないや
6789:そういえば……
0:???
↓1



「ごめんね、わかんないや」
「あ……いや、ゴメン。急に変な事聞いて」

「そういうのは千呼ちゃんに聞いてみたらどうかな?動画やってるし、色々知ってるかも」
「新聞部の三人は千呼を見習わないとな」


<コラー!あたし達をバカにすんなー!
<うるさいぞマキの字。我々は敗北したんだ


「……じゃ、俺はこれで。気を付けろよ」
「ん。じゃあね、庶務くん。バイバイ」 




【本日はここまで。次回はバーサーカーとの会話から】

【もしかしたら今月は更新頻度が下がるやも。始めたばかりなのに。おのれ繁忙期!】

【皆さん、お疲れさまでした】

乙デース

学生マスターだけど学校に出てこないってことは、不採用かな、残念

>>266
【単に学年が違ったりするパターンもあります。後は下級生に二人ほど】


【ちまっとやります】

【そんなに更新はしませんが……人はいますか?】




「……バーサーカー、怒ってる?」
『いいえ、ちっとも?マスターは女を侍らす事が趣味みたいですし』
「誤解だ。新重はそんな奴じゃない!」


どうだか。とでも言いたげにふんと溜め息をつくバーサーカー
そんな俺が女好きみたいに……いや嫌いでは無いぞ。嫌いでは


「そういえば、バーサーカーとしてはどうなんだ?何か気になる事とかある?」
『そうですわね……とりあえず、この学校に陣地を張っている様子は見られませんわ』
『キャスターのクラスは時間をかければかける程手に終えなくなる相手。なるべく早く叩きたいですわね』
「魔術師のクラス……だよな。キャスターは」


『それと、現時点ではアサシンに奇襲をかけられる心配もありません』
『アサシン側からしても、貴方がマスターだと知るよしも無いでしょうから』
「……暗殺者か。あの気配を消して殺しに来るっていう」『その通り。マスターも理解が早くて何よりですわ』


キャスター、アサシン。どれもバーサーカーから叩き込まれた知識だ
けど、その理屈だとバーサーカーに理性があるのはおかしい気がするんだが?


『……ああ、それと一つ気になる事が』
『マスター。貴方は何故魔術師で無いのに英霊を召喚したんですの?』




「え?」
『先日申し上げた様に、聖杯戦争とは儀式。決して自然発生するものではない』
『当然。サーヴァント……英霊の召喚も、人為的な技術を要します』

……考えてみたら当たり前だ。あのランサーの様なバケモノがポンポン世の中に表れていたら一大事だろうし

「……それって、結構な複雑なものなのか?」
『魔方陣だけならば書き移されている可能性があるので素人でも不可能ではありません』
『魔方陣は血液で描かなければなりませんが』
「血……っ!?」
『……その反応でわかりました。単語だけで臆する人間に、面白半分で召喚なんて出来る訳がありませんもの』


くつくつと笑うバーサーカー。その声には明らかに嘲笑が含んでいる
……なんかムカつくぞ。助けてもらったとはいえ


「じゃあ、何でバーサーカーは召喚に応じたんだよ。願いを叶えたいからか?」


『それもあります。が……』
『一番の理由は面白そうだったからですわね』
「はい?俺の助けを聞いたからではなく?」
『ええ!古今東西の英雄がしのぎを削る。武勇伝の様で心が踊りません事?』
『誰がそうしたからではありません。私がやりたかったからやった……それだけですわ』


……そんな面白半分で助けられたのか。俺



『そう不安な顔をなさらないで。貴方の剣となる誓い、それを違うつもりはありませんので』
「不安だ……物凄く不安だ……」



「お、着いた着いた。それじゃあ行くぞ」
『ええ。……しかし、プロテスタント式ですか。嫌な事を思い出しますわ……』







「……ようこそ。新たなるマスターよ」
「な!?」


聖堂の中に立っていたのは、一人の浅黒い肌の神父
まるで来る事がわかっていたかの様に、俺達を教会内に迎え入れた
……なんで俺がマスターだと知っている?


「ガイスロギヴァテス。彼等から話は聞きました。土壇場で英霊と契約した者がいる。と」
「──それは私の事ですわ」「バーサーカー、いつの間に……」

「申し遅れた。私の名はロベルト・L・エーデルワイス」
「此度の監督役にして、坂松市に根付く御三家が一角。エーデルワイスの者です」
「……エーデルワイス?確か、後輩にそんな名前の奴がいたような」


少し前に話した事があるんだよな。本を探すのを手伝ったんだっけか


「おや、アーディーをご存知でしたか。いや、流石は生徒会の役員ですな」
「そんなでも……。そう言えば、御三家って何の事っすか?」

「知らなくとも無理は無い。坂松市には以前より、魔術師の家が散財している」
「その中でも最も巨大な力を持つ三つの家。それこそが、この聖杯戦争の立役者」
「聖杯戦争……」


ゾクリ、と自然に身震いする。この一大儀式を始めた家。その言葉に体が固まる……






「……その家とは?」
「エーデルワイス、ガイスロギヴァテス、そして禍門。その家こそ……」
「ちょっと待て!今、禍門って言ったか!?」
「ああ、言ったとも。呪術、それも言語を操る土着の魔術師、それこそが禍門の一族だ」
「嘘だろ……」


脳裏に浮かぶのはクラスメイト。それに……
そいつらが、魔術師?あんなに近くにいたのに俺はそんな事微塵も気付かなかった


「無理はありませんわ。神秘の秘匿は魔術師の基本。仮に見ていたとしたら……」
「貴方は今頃、ランサーに殺されるまでもなくこの世にはいなかったでしょう」
「…………」

「……そんな怯えた顔をしないで下さい。今は私が護ってあげます」
「遊び半分じゃないよな……?」
「ふむ……どうにも、君は魔術師としての知識が足りていない様だ。それでは戦争では……」

「……あっ、すみません。ちょっと連絡が」
「差出人はあの生徒会長ですわね。『七時半に学校に集合』……?」
「マスター、出る意義を感じませんわ。ここは無視して……」
「……いや、寧ろチャンスかもしれない」


一度、校舎裏を調べておきたかったんだ。夜なら人目につきにくい
……おまけに、その御三家のメンバーも生徒会にいるんだからな


「……ありがとうございました。ロベルトさん」
「気にする事は無い。……君に、神の慈悲があらん事を」







「……ふう、一番乗りか?」
『マスターは足が速いのですわね。まるで駿馬の様ですわ』
「……褒めてるんだよな?」


「お、庶務か。お前も会長に呼ばれたのか?」
「副会長」
「はっはっは!この寒空の中ご苦労だった、少しばかりだが、俺からのご褒美だ。飲むか?」
「ありがとうございます!」


林道副会長。この坂松高校生徒会の副会長にして一の良心
文武両道、才色兼備、それに先程俺にコーヒーをプレゼントしてくれるいい人だ
……何で副会長なんだ?この人

「あ、庶務くん、副会長。こんばんはー」
「書記!寒かったろう。コーヒーはいるか?」
「わ、嬉しい!ありがとうございます!」
「ははは!俺としても、庶務に書記。二人も優秀だからな。これくらいはしてやらねば!」



「……あ、あの」
「む、会計か!コーヒーは飲むか?温かいぞ」
「え……遠慮します、デス。喉、弱いんで」
「そうか……いや、会計の事を考えられなかった俺の責任か。すまぬ!」
「いや、副会長は、悪くない……です」


「……よ、禍門。こんばんは」
「あ、庶務先輩。こんばんは……」

ぺこ、とお辞儀する黒髪の生徒。ツインテールなのは姉譲りか
こいつは、禍門 アキラ。我が生徒会役員では最年少で、内外から妹の様に可愛がられている
そしてクラスメイトの禍門 千呼の妹でもある。活発な姉と比べると、大人しいけどな


「……な、なんデスか、先輩。じろじろ、見て」
「あ、悪い!」





「……諸君!集まったか!」
「おお、会長!この通り全員揃っているぞ!」
「馬鹿者。そんな事は知っている!というよりも私が呼んだのだ。無視などさせるものか!」
「……庶務くん。言われてるけど」
「気のせいだ。気のせい……」

実際は俺の事なんだろう。けど名指しされていないならセーフだ、多分

「貴様等に悲しい知らせがある。昨晩、何者かが学園に侵入し、校庭で暴れまわったという報告が私の耳に入った!」
「ぐっ!?」
「どしたの?」「何でもない」

「む、そうなのか?俺の目には特に変わった様には見えなかったが」
「貴様の目が曇っているだけだ!」
「そうだったのか……俺もまだまだだな!」
「そういう、問題、なのです?」

「……そこでだ!我々生徒会としてはこの様な事態を引き起こした事は非常に許しがたい。そこで、今夜は我々で夜間パトロールを行う!」
「お、おー?」
「流石は会長!学校の事を真剣に考えているんだな!」
「うえぇ……寒い、デス……」


「……まあ、そうなるよな」
『成る程。パトロールが終わり次第、校舎裏の捜査に向かう。と』


「ごちゃごちゃとうるさいぞ!私の命令を聞けないのか!?さっさとペアを組め!早急にだ!!!」


22:22から、ペア相手。質問があればどうぞ
選択可能相手:潮、林道、新重、アキラ
↓2

【わーこんなにいっぱい……現時点では大丈夫ですが、もしやりづらかったら雑談所でお願いしますね】


……ペアは厳正なジャンケンによって決定された
結果、会長と副会長が一年生のアキラを保護する形になった
つまり

「えっと……私。とだね」
「そ、うだな」
『……マスター。貴方、この女とやたら縁がありますね』
「別にそんな事……」


「よし、俺達はそろそろ行こう!二人とも、気を付けるんだ!」
「とっとといくぞ凡夫共!くれぐれと私の足を引っ張る様な事だけはするなよ!」
「あぅ。二人とも、苦手……デス」
「いってらっしゃーい」

二人に引きずられていくアキラ。……副会長がなんとかしてくれる事を祈ろう
残されたのは、俺と新重だけ。さっきの事も相まって、気まずい空気が流れ出す

『マスター?早く行ってきてください。私、人の恋愛を見るのは嫌いなので』
「だから俺は」「どうした?」「何でもない」


「じゃ、じゃあ行こうか……鍵、持ってるか?」
「うん。学校内の鍵は全部生徒会室にあるからね。会長が先に渡してくれたよ」
「なら心配ないな。行こうか」「うん」





「……………………」


【ちょっと安価だけとって本日はここまで】



「……何も無い。よな?」
「うーん。そうだよね、ていうか、不審者は学校内には入れないんじゃない?」

新重の尤もな意見に同意する。何で会長は急にこんな事を……

「……でもさあ、ドキドキするよね」
「えっ!?」『貴方の事ではありませんわよ』
「夜の学校ってさ、普段来ないじゃん?だから普段通っているのに何だか別の道みたい」
「こういうのもあるなら、またやってもいいかなー……なんて」
「そ、そうか?俺はそんなに」
「その時は、また庶務くんと一緒にやりたい。かな?」


『……もう告白してしまえばいいのでは?どうでもいいですけれど』


バーサーカー。お願いだから水を差すのは止めてくれ。今、俺は凄く嬉しいんだ
あのクラスのアイドル的存在の、俺を生徒会に誘ってくれた新重から、また俺と……

「あ、でも二人だけだと暇になるかな。アキラちゃんと千呼ちゃんも一緒にね!」
「うん……そうだな……」


そりゃそうか。うん。早く終わらせて調べに行こう

『せっかくですし、何か聞きたい事があるなら聞いたらどうです?役に立つかは知りませんけれど』

……じゃあ聞いてみるか。俺も、新重とはもう少し話したかったしな


新重に何か話しますか?無しならば無し
22:55から
↓3

ksk
安価なら、どうして俺なんかに目をかけてくれてるの?


>>296
【うーん、自由安価で↓3は遠かったかな。今回はこれで】 

【では本日ここまで、次回バーサーカー対???。お付き合いありがとうございました】


【ちょっとだけ更新】

【安価はシナリオの方向決めや作中好感度上げが主な用途】

【出来ればサーヴァント戦までやりたいかな……人はいますか?】




……暗い校舎の中、二人きり
新重の微笑みが、非日常的な雰囲気と重なってどこか妖しく映って見える……


『マスター』
「わかってるよ!ええと、その」
「どうかした?」

……首をかしげる動きもかわいいな

『マスタぁ!?』
「新重!どうして俺なんかを気にかけてくれるんだ!」
「わ、どうしたの?急に大声出して」
「ご、ごめん……」

とっさに口をついて出た言葉。無理矢理吐き出したせいで、不自然になってないか?

「んー……どうしてって言われても。気になるからじゃダメ?」
『良かったですわね。気になるそうで』
(バーサーカー。お願いだから黙ってて!)
『霊体化を解いて仲睦まじく腕でも絡ませて差し上げようか』(ごめんなさい!)


「でも、何だか不思議なんだよね。庶務くんは私と近い人なのかも」
「ほら、人って自分と似ている人の近くに来たがるっていうでしょ?」
「……千呼ならともかく、俺は新重とは全然近くないだろ。寧ろ真逆じゃないか?」
「そうかな……」


『貴様等!何をグズグズとしている!?とっとと降りてこい!間抜け共が!!』
「あ、会長が怒ってる。……行こっか」
「あ……。ああ」
『……ふんっ』




「あ、先輩。どう、デスか?」
「何もなかった。……そっちもか?アキラ」
「はい、何も、見つけられなかった……デス」
「……では、今回のパトロールで不審な物は発見されませんでした。という事で!」
「良かった良かった!ではこれにて今晩はお開きという事で宜しいか?会長」
「ああそうだな。貴様等ご苦労もう帰っていいぞ……。だが!貴様は駄目だ!庶務!」
「なんでっすか!?」

会長が名指ししたのは俺だった。何でだよ!?

「この腕の怪我を見ろ!貴様が急に電話を切ったせいでこんな目にあったんだ!本来ならば慰謝料を払わせる所だ。この程度にしてやった私に感謝しろ!」
「あ、あの、そもそも、何で先輩に、電話……」「それは!……いや、お前には関係無いだろうが会計!貴様もこいつと居残りするか!?!?」
「遠慮、したい……デス……」
「アキラ……」


会長に威圧されてきゅっと縮こまる。その姿はまるで子犬みたいだ
……逆に、会長の方はどんどん大きくなってら、比喩的な意味で


「そういう事だ庶務……とっとと校内一周してこい!!!」
「わかりました……」「お疲れ様ー」「お疲れ、デス……」





「……もう皆帰ったよな?」
『その様ですわね。では参りましょう』


人気の完全に無くなった頃。俺達は校舎裏へと足を運ぶ
草木の手入れは一切入っていない、荒れ果てた裏地。ここで俺とバーサーカーは出会ったんだ
……正直、初めの印象とは結構違ったけど


『む、失礼な事を考えていません事?』
「失礼って程じゃないだろ。最初に合った時のバーサーカーは、なんかお姫様っぽかったし」
『では、今はそうではない。と?』
「そうではない。というか……結構お転婆な所があるよな。バーサーカー」
『お転婆。って……』


声がいきなり渋くなる。きっと苦虫を噛み潰したような表情を浮かべているんだろう
ぐぬぬと唸るバーサーカー。その姿からは豊かな感情を感じさせる


「……ここだ。ここで、俺はバーサーカーを呼んだんだ」
「ええ、そうですわね。俺に力を~」
「止めてくれないか!?必死だったんだぞ!」


「……で、どうだ?何か気になる事はあるか?」
「ふむ。これは……魔法陣の残滓があります」
「残滓?」

「これは私の見解ですが……この学園で、何者かが英霊の召喚を行ったのだと思います」
「その残滓が、マスターの血液に反応して……即席の召喚術式が組み上がったのかと」
「……ちょっと待て。この学園で召喚を?」
「ええ。そうでなければ召喚すら出来ないはずですから」
「それって、この学園内には既にマスターがいるって事か……?」


千呼、アキラ。それにアーディー
この学園には御三家の人間もいる。ならあり得ない話ではない……のか?
バーサーカーも逡巡する。……背後に迫る驚異にすら気付かないで



12345:割と不味い
67890:まだ大丈夫
↓1





「……風、吹いてきたな」

ごうごうと唸る風。考えるのには少しうるさい
もう戻ろうか。そうバーサーカーに告げようと後ろを振り向くと

──黒い影が、俺を目掛けて突進していた


「……! マスター!離れろ!」「うぐっ!?」
「バーサーカー……?腹蹴飛ばすのはやり過ぎだと思うんだ……」
「貴様……何者だ!私を何者か、それを存じての蛮行か!」

叫ぶバーサーカー。それに答えるかの様に、男は放つ


「……避けたか。煩わしい、そこで消えておけばよかったものを」
「本当に」


ぐるり、と此方を向く男。その目は酷く虚ろで感情が映っていない
影が動いたか。そう直感で思わせる程、男の纏う装束は黒で満ちている

「……貴様、サーヴァントか!」「如何にも。俺はライダー。貴様と同様戦争の兵器」


名乗る男……ライダー。にやりと笑うその顔は、酷薄な笑みを浮かべていた



『黒衣の青年のステータスを開示します』

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:ライダー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┓
  【真名】:???                 【属性】:混沌・善
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  【筋力】:B(40)   【耐久】:A(50)   【敏捷】:C(30)   【魔力】:A(50)   【幸運】:E(10)    【宝具】:C
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫





「……な!?」

ライダー。その自信に満ちた態度は、この高いステータスにあるんだろう
何せこっちのバーサーカーのほぼ全てのステータスを上回っている。まともに打ち合えばほぼ押し負ける……
おまけに相手はあの速さで迫ってきた。機動力では相手に部がある……明らかに不利だ


「マスター。ここで仕留める!魔力を!」
「待った!こっちは不利だ、ここは引くしか」
「そんな及び腰では勝ち抜けない!相手が出て来たここが好機。奴を叩く!」
「無茶だ!ステータスで負けているんだぞ!」
「此方には宝具がある。それを使えば!」

……宝具。英雄の象徴である切り札、相手によっては一発逆転も狙えるジョーカー

「いや、こんな早くに使うのは……」
「ここで決める!『バ……』」「もういい」
「……何だと?」

バーサーカーが宝具を開帳せんとしたその瞬間に、ライダーは背を向ける
まるで、役目は終わりだと言わんように

「俺の目的はもう済んだ。これ以上はそれこそ無駄でしかない」
「戦場に立ち、その上で敵に背を向ける気か!腰抜けの臆病者が!」
「俺は既に勇者でも何でもない。好きに謗るがいいだろう」


去ろうとするライダー。それを追いかける為、抜剣して駆け寄るバーサーカーに……突風が阻害した

「な、この風は……!」
「さらば、狂犬よ。貴様の事は『俺のマスターに伝えるとしよう』」
「……!まさか、俺がマスターかどうか確かめる為に来たのか!?」

ご名答。と言いたげに顔を歪ませる
そのままバーサーカーを置き去りにして……風がライダーを巻き込んで、空へ空へと飛び上がった



……バーサーカーとの邂逅が終わり、ライダーは地面に着地する
途端に騒がしく鳴り響く弦。それを煩わしげに睨むと、徐に掴み、地に叩きつけた


「……これでいいだろう」
「貴様の見立て通り、奴はマスターだ」


暗い路地裏の端。ライダーは誰かに向けて話している
誰か……ライダーのマスターは、その報告に顔を綻ばせる


「何を笑っている?……ふん、言わなくてもいい。これで奴と貴様は敵同士」
「狩る時には手を貸してやる。それくらいの命令は聞いてやるさ」

獰猛な言葉を残し、暗闇に消える。残されたのはライダーのマスターだけだ

……実の所、本当は期待し、確信していた。【貴方】が聖杯戦争に関わっている事を

自然と満面の笑みになる。まるで、新しいオモチャを与えられた子供のように





【という訳でライダーのマスターに貴方のバーサーカーが割れた所で本日はここまで】

【少しだけでしたが、本日はありがとうございました】


【因みにあのまま戦っていたら、全部の手札切ってようやくライダーに勝てるかな?といった具合】

【しかも、そうなると今後勝ち抜く事はそれこそ聖杯に願わないと無理なくらいに絶望的になっていました】


【ちょっとだけ更新したいです】

【しょっぱなから自由安価ですが、人はいますか?】





「マスター!さっきのはなんなんですの!?」
「敵に襲われた事は許します。しかし逃げ腰でもたついた挙げ句逃がしてしまうとは!」

夜。家に戻ったバーサーカーは、開口一番俺に不満を叩きつけた
曰く、俺がモタモタしていたせいでライダーを取り逃がした。どうするんだ。と
けど、正直バーサーカーではライダーに勝ち目は無いと思う。ステータスも差があるし……


「無茶言うな。あのまま戦っても、返り討ちに逢うだけだろ!」
「確かに、ステータスだけを鑑みれば私はあのライダーには不利。しかし、私の宝具はあの男に肉薄するやもしれませんわ」
「……そんなに凄い宝具なら俺に教えてくれよ」
「嫌ですわ。宝具はまさに私の生き様。それを軽々しく教えられる訳ありませんもの」


にべもなく断る彼女。
どうも、バーサーカーは俺を信用していない節がある
このままだと押し問答だ。どうするか……


「……ふう。ではいい機会です。何か話しましょうか。マスター」
「私の事をある程度知っておいた方が、貴方も不安は無いでしょう。……ある程度は。ですが」
「深くは教えない。と」


バーサーカーは満足げにうむ。と頷く
教えてくれる事はありがたいが、深く踏み込む様な事は教えてくれなさそうだ
さて、どうするか……?



バーサーカーに質問タイム。ただし答えるかは彼女の気分次第
21:40から
↓1、2。無ければ無しで


【えーいなら21:50まで延長!↓2で!】


【来てた……ではここまでで。書いてきます】


【ごもっともです。今後から気を付けます】


「……じゃあ、宝具や真名の事は避けて聞かせて貰うけどさ」
「バーサーカー、あのライダー相手にどう戦うつもりだったんだよ!勝算あったのか!?」
「ありましたわ!宝具さえ開帳していれば!」

……言い切ったな。そんなにその宝具を信用しているのか?

「……その宝具って、どんな宝具なんだ?大雑把に、でいいから教えてくれないか?」
「ふふ。気になるのも無理はありませんわ。私の宝具は『どんな不可能も可能にする』宝具」
「私の“狂化”を断ち切ったのも、私の強い意志の賜物ですわ」


『バーサーカーのスキルを開示します』
 ◆狂化:-
  理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
  しかし、彼女の意志が狂乱の鎖を打ち破ったため、このスキルは失われている。


「……じゃあ、どういう戦い方が好きなんだ。正面からやるのかとか」
「私の持つルーン魔術。それはかなり応用が効きますの。自己強化をして斬りかかっても、魔術で攻めてもいいでしょう」
「あー魔法剣士……」

もうそれでいいや。と言いたそうな顔をする。大分バーサーカーの事をわかってきた……のか?
後は、そうだな……これだけは聞いておきたい


「……バーサーカーは、俺に何を求めているんだ?マスターとして、どうあればいい?」
「前にも言った様に、貴方に指揮官としての役は期待していませんわ。ライダーとの接触で、それが浮き彫りになりましたもの」
「ですので、まずは死なない事。そして束縛をしない事。これだけを守って下さればいい」


「何、私のマスターなのです。決して悪いようにはしませんわ」
「…………そっか」




「……さて、話が過ぎましたわね。少し小腹でも空きません事?」

話を終え、席を立とうとするとバーサーカーにそう声をかけられた
……急にどうした?

「うーん。確かに腹は減ってるかな」
「それは好都合ですわ!今夜は、私の手料理を振る舞って差し上げます」
「マジで!?」

サーヴァントとはいえ、俺が女の子に手料理を作って貰える日が来るなんて……!
……けど本当に大丈夫か?どこの国の人間か知らないぞ?変な料理を出されないよな

「ご心配は無用です。聖杯からの知識でこの国の料理くらいはわかってますわ!」
「マジかよ聖杯凄え!」


お任せください。といそいそと眺望へ入っていくバーサーカー
……あれ、レシピは聖杯の知識に入ってるのか?



1ほどマズイ、9ほど美味しい。0は料理ですらない代物を持ってくる
↓1




9:滅茶苦茶美味しい



「ふふん。どうです?マスター」
「お見それしました……」


俺の不安が嘘のように、バーサーカーは完璧な和食を持ってきてくれた
普通の高校生の、有り合わせの食材だけでこんなに美味しい料理が作れるんだな……


「いや、でも本当に美味しいぞ。昔から練習とかしてたのか?」
「晩年には。……時間だけはありましたもの。本当に振る舞いたい人には食べさせられませんでしたが」
「……それ、聖杯にかける願いだったりする?」
「ノーコメントとさせていただきますわ」

少しだけ、バーサーカーに陰りが入る。それもすぐに普段通りの顔で、微笑みかけた

「それと、明日から私達の味方……即ち、同盟相手の捜索を提案します」
「私はともかく、マスターは非力。それに、私としても味方は多い方がいい」
「……マスターも、心細いでしょうしね」
「大丈夫。とは言えないか」


同盟。俺達と組む相手を探る
ランサーとライダーは不可能だろう。だとしたら心当たりは……


「禍門、そしてエーデルワイス。この二つの家はサーヴァントを所有している可能性が高い」
「明日はその二つの家に探りを入れてみよう。もしかしたら……」

明日の方針をバーサーカーに告げる。心無し、満足気になった気がした


【という訳で本日はここまで。次回は禍門、エーデルワイスとの会話が出来たら】

【後、外来も出せたら……皆様、ありがとうございました】



【ちょっと週末で疲れたので更新は明日に】



【更新します。ゆっくりと】

【少し早いですが、人はいますか?】




夜も更け、草木も眠る暗闇の中、二つの女性が闊歩する
一人はルシフェル。エーデルワイスへの憎悪を滾らせ、街を踏みしめる

「……ルシフェル、マジでやんの?」
「ああ。ここでエーデルワイスを消し去り、我等の悲願を叶える時!」
「その為にランサー、貴様を連れて来たのだ。貴様も戦いたかったのだろう?」
「まぁねー。ドミトリイの奴、あんな弱っちいバーサーカーなんかで日和って。情けない」
「……ドミトリイ様を馬鹿にするな」

もう一人……ランサーはケラケラと笑いながら槍を振る。退屈だったのか、その口は嬉しそうに弓を描く
ルシフェルはそれを諌め、空を見やる。月は雲に隠れて、姿を隠していた

「ドミトリイ様は私の恩人だ。あの方は……」
「……ルシフェル、ちょっと黙ってて」

「……どうした?敵か、ランサー」
「うん。ほら、来た来た……!」
「……!サーヴァントか!」


「……ぅ、うぅ、あぁあ」


虚ろな目と呻き声。フラフラと足元おぼつかず歩いている
獲物を見つけて喜悦に歪む。……その顔は、途端に萎えていった

「なんだ、雑魚か……」
「そう気を落とすな。お前の実力なら簡単に仕留められるだろう?」
「はいはい。それじゃ……」


「──う゛ぅ゛う゛あ゛あ゛あ゛!!!」


突如、目の前のサーヴァント……バーサーカーが天に吠える
初老のその姿からは想像しにくい程の野性的な咆哮。その目からは理性が消えていた

「……奴が本来の狂戦士か」
「狼じゃあるまいし……あの爺、ぶっ飛ばしてやるんだから!」

ランサーが走る。その槍で老人を貫かんと振りかぶり……老人は、闇に消えた


「……令呪を切ったか」
「ああもう!いい加減暴れたい!あーばーれーたーいーーー!!!」


じたばたと荒れるランサーに、こめかみを押さえるルシフェル
聖杯戦争は始まったばかり。彼女の望む闘争はまだ先の話の様だ





「おはよ。バーサーカー」
「おはようございます。では、本日は同盟相手の打診をお願いしますわ」
「わかってるって」


今日は、俺達の仲間……つまり、同盟を組んでくれる相手を探す事が目的だ
候補は禍門、そしてエーデルワイス。坂松市の御三家であり聖杯戦争を始めた元凶
当然、サーヴァントを召喚して聖杯戦争に参加しているだろう。他のマスターとの交流が無い以上、俺達が頼れるのは二つの家だけだ


「それで、先ずはどちらに話を?」
「エーデルワイスはロベルトさんの家だよな。いきなり襲われる事は無さそうだけど……」

「監督役が家との関係を断っているなら、無論私達の事も敵としか見なさないでしょう」
「寧ろ、倒しやすいと判断され襲われるかも」
「けど、それは禍門だって同じだろ?」
「そうですわ。だからこそ、相手を見極めて話を切り出しましょう」


バーサーカーの意見は当然だ。此方から同盟を提案する以上、リスクは双方の家にある
けど、俺のよく知る二人……千呼とアキラの性格でいきなり戦闘を仕掛けてくるとは思えない


「仮に、マスターが受諾してもサーヴァントが反発する可能性もありますわ」
「げ。そうか……」
「安心なさい。いざとなれば、私が交渉の席に立ち発言して差し上げます」

「……大丈夫か?」「貴方よりはマシですわ!」


ぷんすこと怒るバーサーカー。そんなこんなでもう時間だ
少なくとも二人は学校にいるだろう。普段通りに見えても、あの姉妹は英霊を従えている……
慎重に行動しないとな







「おはよー」「おはよ」
「ねえねえ茜ちゃん。今度の動画なんだけど、ダンスと歌どっちがいいかなあ?」
「歌の方がいいんじゃない?アキラちゃん、声可愛いし」
「あーちゃんあんまり目立つの嫌いだもん。出てくれるかなあ……」
「今日もリボン変えてみたらって言ったけど、恥ずかしいからってシンプルなのにしてたし」
「あはは。シャイだもんね」


……千呼はいるな。あの口ぶりからアキラも来ているだろう
エーデルワイスの子はどうだろう。下級生だしアキラなら知ってるかもな


「よう!何ボーッと新重と禍門見てんだよ!」
「我が学園の二大アイドルにお熱かね?」
「うおっ!?新聞部!?」
「動画いいナァ!私もやりたいヨ!」
「ユキはアニメ好きだからなァ」
「紙に絵を描いてそれを繋げて流せば、それだけで立派な動画だぞ?」
「紙芝居じゃねえか!!」

……相変わらず騒がしいなこの三人組

「ふふふ、庶務。我々が何も用が無く話しかけたと思ったのかね?」
「今日は情報を仕入れてきたぜ!あたしの足で聞き取ったから信憑性はバツグンだ!」
「……ホントかよ」


「よーし、よく聞け!こいつが今回の特ダネだ!」



123:「珍しい動物特集だ!」
456:「地域を活性化させる企業特集だよ!」
789:「街に通り魔が出ているそうだ」
↓1





「……地域を活性化させる企業特集?」
「応よ!時代は地産地消!坂松市に拠点を構える企業にあたし達が取材してきたぜ!」

……さらっととんでもない事言ってないか?

「禍門さんの叔母さんが、大企業の社長さんなのは知ってるよね?」
「ああ。何やってるかまでは知らないけど」
「その人が、私達に宣伝してほしいからって取材させてくれたんだよ!」
「禍門は私達のクラスメイトだ。話はトントン拍子で進んでいたぞ」
「ふーん……」

禍門の社長さんか。その人も、この聖杯戦争に関わっているのか……?

「あ、後新しい人を雇ったんだって。なんとかアドバイザー……だっけ?」
「そうだっけ?なんちゃら『キャスター』だった気がすんだけどなー」
「ぶっ!?」
「わわ、どうしたの!?」


『……マスター、これは有益な情報では?禍門はキャスター。魔術師の英霊を召喚したと』
「た、確かに……」
「いや待て。件のアドバイザーが連れてきたのがそのキャスターだ、話が混ざっているぞ」
「そうだっけ、ごめん……勘違いしちゃった」
「……その、キャスターって人の事は調べてあるのか?」
「いや、流石にそこまでは。私達も話を少し聞いただけだからな」
「何だよーせっかく集めて来てやったのに」


……つまり、禍門はキャスターを召喚した訳じゃなくて、キャスターを召喚した人を引き込んだのか
これじゃあ俺達も同盟に混ぜてくれるか怪しいどころか、最悪2対1で襲撃されるかも……



『……方針を変更しましょう。エーデルワイスの少女、彼女に話を持ちかければ、あるいは』
「そうだな、放課後行ってみよう。……新聞部の三人も、ありがとうな」






「なあ、いい加減こっちの要求も通して欲しいんだが」


新都に聳えるビル郡の中、一番大きなビルの中で、流れる様な銀髪の女性が嘯く
明らかに不満げな表情は幼げで。しかしその声は艶やかに成長した女性の色香を含んでいた

「ダメに決まってるでしょ、アンタには、まだ死ぬ気で働いて貰うんだから」
「もう死んでるんだけどなあ。過労で死ねない事が悔やまれるよ」

それを一刀両断する女性……禍門 みとり。この坂松で有数の大企業の主であり、そして……


「──姉さん!この街に死徒がいるとは真の話なのですか!」
「憂午、うるさい。姉さんって呼ぶな。せめてみとり社長と呼びなさい。社長と」
「ああ、また煩いのが……」


禍門家の魔術師にして次期当主、禍門憂午の姉である。本人は並ばれるのが嫌いだが

「……その女が、キャスターの?」
「そうよ、街中の警備カメラ総出で取っ捕まえたわ。一応私達へ協力してくれるそうだけど」
「報酬は血液パック一袋だけどな。全く泣けてくる。せめて三匁ほど上乗せしてくれ」
「もんめ?」


「……ところで、アンタがマスターなのか?」
「いや、マスターは俺の娘だ」
「薄情な親もいたものね。自分の娘に死んでこいなんて」
「……これは試練だ。娘達にはこれを乗り越え、更に強くなってほしい」
「それを薄情って言うのよ。娘の気持ちもわからないから離婚するの」
「そういうアンタはどうなんだ?結婚とか」
「報酬を聖水に変えましょうか」


冗談だ、と一言。マリアは坂松新都を見下ろす
そこに潜む自分の獲物……死徒を駆らんと闘志を燃やしながら





『さて、放課後ですわね』
「ああ……さて、エーデルワイスの子に話をつけに行くんだっけ?」
『ええ。禍門は恐らく現在二騎の英霊を従え、外来は不明。ガイスロギヴァテスは論外』


そうなると、エーデルワイス以外に候補はいなくなりますわ。と語るバーサーカー。……しかし


『ですが、禍門に探りを入れてみても良いかもしれません。貴方と彼女達は仲がよろしいですものね』
「……なんか、言い方に含みが無いか?」
『学校外ならともかく、校内に二騎も英霊を呼び出すとは思えない。最低でも一騎と考えれば条件はイーブン』
「戦わないよな?話を聞くだけだよな?」
『当たり前ですわ!私をなんだと思っているのですの!?』


……ここは敢えて流そう。うん
さて、どうしようか?誰の所に行こうか……?



1:エーデルワイス
2:禍門
3:その他(場合によっては無効)
↓20:7から3

2007から3つ目のレス?3つまで多数決?3個先取?

なんでガイスロギヴァテスは論外なんだろほかとも最後は殺し合いになるのに

>>388
【下から3で合っています。多数決の場合には事前にそう申告します】
>>389
【色々ありますがランサーが主な原因ですね。確実にぶっ刺しに来ます】
【それと、貴方は殺されかけた因縁があるのでやり辛いだろうというバーサーカーの考えです。実際やり辛い】


「よしバーサーカー!ここはバーサーカーの演説を聞いて一番先に来た奴と組もう!」
「わかった!聞くがいい、凡百の英霊共よ。我が偉大なる声が聞こえるならば、疾く馳せ参じる栄誉を与えよう!」
「尤も、ここまで来る事の出来る英霊がいるとは思えないがな!ハッハハハハハ!!」






ライダー「よう」
貴方&バーサーカー「……………………」


※この後はタイガー道場なので割愛。あんまり頻繁に起こると弾くので悪しからず
※もしかしたら点呼時か安価前に書き込みの無いIDは弾くかも。お気をつけください



「……ここはエーデルワイスにしよう」
『わかりましたわ。貴方の判断を、心から信用しましょう』
「さて、エーデルワイスの子……確かアーディーだったかな。名簿を見てクラスは確認した」


……正直、どんな子だったかはよく覚えていないんだよな。変な子だったらどうするか

けど、行動しないと何も始まらない。当たって砕けてもいいじゃないか──


『無謀と勇気は違いますわ。ですが、私はその心意気を買いましょう』
「ありがとう。けど、俺の事も信じてくれよ」
『それは今後の頑張り次第。ですわ』



笑うバーサーカーが脳裏に浮かぶ。悪戯っぽい表情に苦笑しながら、アーディーの教室へと歩いていった


あ、単発弾くなら真面目に安価を近くした方が良いと思うよ
↓3とかだとそのうち進まなくなる


>>394
【まあ、あくまで頻繁に発生するならな~って話です。此方で弾くなどやり方は幾らでもありますしね】



「んしょ、んしょ……」
「……ふう!終わった終わったー!綺麗になったなあ!」

既に全員が帰宅した教室。そこでは一人の少女が机を片付けながら手を叩いている
清掃の時間はあった。が、彼女はそれ以上に、拭き残しや細かな部分を丁寧に掃除していた
少女……アーディー・エーデルワイス。彼女こそがこの学園にいる、御三家の一員

「……っ」
『戦く事はありません。いざとなれば』
「その必要は無い。……といいなあ」

そうだ。バーサーカーの言う通り、怯える理由なんて無い
ただ、一歩踏み出すだけ。一言声をかけるだけだ!

「ごめん。君がアーディー……だよね?」
「えっ……?あ、せ、センパイ!?」
「いや、そんな驚かなくても……」
「お、驚くだろ!センパイは生徒会の中でも、色々と頑張ってる。それなのにわざわざ……」
「あ、今回は生徒会関係無いんだ」
「今日は、その、アーディーに話があって……」
「えっ……?じゃ、じゃあその、私に何か!?」


『……さて、どう話を進めますの?私の所見ではそうそう交戦にはならないと思いますが』


20:51から自由安価。どう話を持ち掛けるか
↓3


【ごめんなさい↓3“まで”でした。これは安価に含まれません】




「……ふーっ」
「えっと……センパイ?その、もしかして……」

目の前の女の子に、どう告げるべきか……正直、緊張する
下手したらここで戦闘になる可能性だってあるし、そうならなくても同盟が組めるか……
……ええい!バーサーカーも付いている。ここは正直に言うんだ!

「アーディー!これを見てくれ!」
「せ、センパイ!?いきなり、何、を……」

手をアーディーの目の前にかざす。ほんの一瞬だけ驚いた素振りを見せたが、直ぐにその表情は硬くなる

「……センパイ。マスター、だったのか」
「ああ。不本意だけど……」

俺は、アーディーに全てを話した。偶然英霊の戦闘を目撃した事、バーサーカーを召喚した事
聖杯戦争の事も……

「俺は、エーデルワイスのマスターと話がしたい。マスターである事を明かすだけじゃ足りないと思うけど……」
「頼む。アーディー」


頭を下げる。これだけで足りるとは思わない。けど、それしか今は出来ないから
アーディーの表情は読めない。どんな顔で俺を見ているのか……それを見るのが怖かった


『……………………』


6以下で……
↓1


【0は考えていなかった。どうするか】

【特殊で流れが崩壊すると纏める自信がないので、今回は再度安価にします】
↓1が奇数なら奇数扱い。偶数なら偶数扱い。0は偶数とする


【ってこれじゃ訳がわからないわ。10か0かって事でしたすみません】

【これは安価外】

奇数なら10、偶数なら0って事でおk?


【また0か(諦め)。では10として今回はセーフ】

【書いてきます】


>>414
【そのつもりだったんですがちょっと慌てちゃったので今回はセーフにしました】




「……顔を上げてくれ。センパイ」

手が差し出される。女の子らしい、小さな手だ
その手を掴み、凝視する。……そこに、刻まれていた令呪を


「な、アーディー!」
「驚かないでよ。……あーもう!本当にセンパイは人がいいんだからさあ!」
「普通、私が御三家だって知ってて、その上でマスターだって明かすなんて事やらないよ」

明るく笑うアーディー。その姿からは、今まで疑っていた事を申し訳無く思う程に目映かった

「俺の話、聞いてくれるのか?」
「まあね。セイバーも今はいないし……ここで、ゆっくりと話をしようか」
「……ほう、自らサーヴァントを連れていないと明言するとは」
「アンタがセンパイのサーヴァントか」

バーサーカーも姿を表す。アーディーは話し合いに応じる姿勢を見せている。……ここからだ

「……正直、俺はアーディーと戦いたくない。千呼やアキラもそうだけど」
「けど、俺は生徒会だから。生徒と戦う事は、出来るだけ避けたいんだ」
「だから……頼む。俺と同盟を結んでほしい」

「何か要求があるならば聞いてやろう。無論、私も全てを通すつもりは無いが」
「そんなものは無いよ。けど、同盟か……」



【補正】+2
123:お断り
456:条件ありで承諾
789:無条件で受諾
↓1

>>420
おっぱい大きいの?


9:快諾



暫し、悩む素振りを見せるアーディー。緊張感で心臓が破裂しそうだ
幾つ時間が経っただろう。彼女はニッと笑顔を見せ、俺の手を握り締めた


「……わかった!センパイ、貴方と共に!」
「本当に!?」
「待った。持ち掛けた我々が言うのもおかしな話だが、幾らなんでも話が良すぎる」
「何の条件も無く同盟を組む等、普通はあり得る事ではない。裏があるのではないか?」

トントン拍子に進む話に、バーサーカーが制止をかける
……確かにおかしな話だ。俺を騙そうとしていると言われても頷くだろう

「そんなんじゃないって。ただ……」
「ただ?」
「セイバー、凄く気難しいんだ。だから嫌がるかもしれない」
「勿論、私も説得はする。けどセイバーを戦力として扱うのは無理かもしれない」
「成る程、アーディー個人としては力を貸すけれど、セイバーはわからない。か」

頷くアーディー。どうやら、セイバーはかなり性格に難があるらしい。渋い顔も納得だ


「同盟を締結するにせよ、そうでないにせよ、そのセイバーに一度会う必要がある」
「マスター、今日はそのセイバーに話をつけに行こう」
「え!?そそそ、それって私の家に来る……って事ですか!?センパイ!?」
「……?駄目なら、後日別の場所にしようか」
「え、えっと、それは、その……」

……?どうしたんだろうか、何か用事でもあったりするのか?



123:よりによって当主が来る予定
456:セイバー、現る
789:「い、いいぞ!どうせならセンパイも一緒に住もう!(混乱)」
↓1



【まーた特殊かあ、どうしようか】

【あまり超展開で整合性破綻しても困りますし、0は安価下でもいいですか?何にせよ今回は最良の結果なので】





「~~~~~!!」
「あ、アーディー?どうした?」
「あ~!わかった!センパイ、もうこうなったら一緒に住もう!」
「いやどうなったら!?」

唐突に同棲しようと持ち掛けられた。何が起きているのか俺にもわからない
バーサーカーも意表を突かれたのか、目を白黒させて驚いている。そりゃそうだろ!

「だって、センパイは魔術師じゃない。家に押し入られたら一巻の終わりだろ?」
「だったら私と一緒に住んだ方が安全だ!私がセンパイを守るからな!」
「……セイバーは」
「何とか説得する!」


キッパリと言い切るアーディー。なんかもう目がグルグルしてるぞ、大丈夫か?
けど同盟を組む以上近くにいた方が都合がいい面もある。ここはお言葉に甘えて……


「って異性での同棲は如何なものか!?」
「ふふふ。それは私を異性として見ていないという意味ですわね?」
「怒るポイントはそこ!?」
「そうだ。センパイの両親って……」
「親父は単身赴任で暫く帰って来ない。お袋は昔に死んだよ」

俺としては別に隠す事じゃない。だけど、それを聞いたバーサーカーは表情を曇らせ


「ご両親とは、離れ離れなのですね」
「ん。でももう慣れた。だからそんな顔しないでよ」
「……よし、それじゃあ話は決まりだ!センパイは荷物を纏めたら私の家に来てくれ、セイバーはそれまで説得しておく!」
「わかった!ありがとう、アーディー!」
「こ……このくらいは当然だ!」


アーディーの家ってどんな感じ?
1ほどボロくて共用スペースのみ。9ほど豪華で部屋もいっぱい。0は安価下
↓1


5:普通の一軒家

追加判定。アーディーの同居人は……

12345:いないよ
67890:1人だけ
↓1


5:一人暮らしだよ

【という訳で本日はここまで。次回セイバーとの対話】 

【最悪セイバーが拒否してもアーディーから呼び掛けたので家から追い出させる事はされませんのでお気楽に】

>>421
【せっかくなので判定してみましょうか。1ほどちっぱい、9ほど隠れ巨乳】
↓1


4:どっちかと言うと小さい
【という訳で本当にここまで。参加ありがとうございました】



【いつ忙しくなるかわかんないので今日は早めに更新したい】

【参加出来るよ。という人はいますか?】




「……ここか、アーディーの家は」
「普通……ですわね。一人増えるくらいでは問題ない程度には」

連絡先を書かれた紙に従って、アーディーの家に向かう
そこにあったのは一軒家。住宅街の一つの中に佇んでいた

「見た所、罠の類いは無さそうですわね。本当に招き入れてくれるとは思いませんでしたわ」
「正直、俺も少しだけ疑ってた。……けど、俺はアーディーを信じる事にするよ」
「あの少女のサーヴァントはセイバー。近接戦での実力は高いと見ていいでしょう」
「もっとも、どの様な相手であろうと私が遅れを取るとは思いませんわ。安心して席に座ってください」

とんと胸を叩く。その仕草は可愛らしく、また頼もしい
セイバー……アーディー曰く気難しい性格らしいが、どうなるか
チャイムを鳴らす。とたとたと歩く音が響くとアーディーが飛び出してきた

「せ、センパイ!ようこそ我が家に!」
「前置きは結構ですわ。早速ですが、その件のセイバーと合わせて貰えます?」
「……わかった、セイバーは居間にいる。交渉に応じるつもりはあるみたいだ」
「案内するよ。センパイ、早く上がって!」


急かされるままに手を引かれる。二重の意味でドキドキするけれど、今はそんな事言ってる場合じゃない
アーディーのセイバー。そいつに認められないと同盟を組む事は難しい……気合い入れないと!







「反対だ。今すぐ消えろ」
「セイバー!何度も言っただろ、センパイ達と組む事はメリットの方が大きい!」

「デメリットの方が。の間違いだろう?右も左もわからない素人を抱え込む方が余程問題だ」
「そもそも、どうしてこんな奴等を味方にする意味がある?それも、断り無しに、だ。常識を勉強した方がいい」


「言われてんなあ、俺達」
「………………」「……バーサーカー?」
「いえ。何でも……あの子がセイバーでしょう」


青い髪の綺麗な少女。明らかに不機嫌に顔を歪ませ、アーディーを批難している
負けじと反論するアーディー。その態度から、この二人があまり仲良くない事は明白だ


「……じゃあ!セイバーに確認取ってたら同盟に承諾してたのか!?」
「するわけないだろう。そんな、どこの馬の骨ともわからない男となど」
「マスターの事だ。どうせ下らない目的の為に違いない」

ぐっと言葉に詰まる。直ぐ様セイバーに反論を

「そ、そういうセイバーはどうして信用出来ないんだ!?センパイが何したって言うんだ!」
「初対面の、しかも女性を連れた男を信用しろと?そっちの方が難しいだろう!」


声を荒げるセイバー。……このまま二人だけで話をしていても、一向に進まないだろう
その惨状を見かねたのか、ため息をつきながらバーサーカーが口を挟んだ



「……ならば、我々はどうすれば貴公の信用を勝ち取れる?此方が望むのは対等な同盟。一方的に利益を得る事は、私としても本意ではない」
「答えるがいい、剣の英霊よ!我々に望む事、余す所無く示してみろ!」




『セイバーのステータスを開示します』

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:セイバー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┓
  【真名】:???             【属性】:中立・悪
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  【筋力】:C+     【耐久】:A      【敏捷】:C      【魔力】:D     【幸運】:C      【宝具】:A
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫





「答えろ、だと?ならば、答えは一つ」
「今すぐにここから出ていけ。私は貴様と組む答えは持ち得ない」

……けんもほろろとはこの事か。睨むセイバーをバーサーカーは一瞥する

「セイバー、いい加減にしてくれ……せめて断るにしても、理由を話さず嫌がる事がお前のやり方なのか?」
「理由なら最初から言っているだろう。そいつは信用出来ない。それ以上の理由等無い!」
「どうしてだ?センパイは信用するに値する人だ。今会ったばかりのセイバーより、私の方がセンパイには詳しいぞ!」
「……恥ずかしい事、言わないでくれよ」


「令呪を使うとは言わない。けど、同盟の検討すらせずに、私的な感情で拒絶して勝ち目がある程聖杯戦争は甘くない」
「セイバー、せめて同盟の条件くらいは二人に提示しろ。相手は話し合いに応じている。お前だけがワガママを言ってるんだ」

……押し黙るセイバー。少し考え込んだ後、俺達に改めて向き直った



【???】-2
123:かなり無茶苦茶
456:それなりに厳しい
789:寛容な条件
↓1



7:寛容



「……互いの持つ陣営の情報の共有を行う事」
「それと、お互いの倒すべき陣営に対して可能な限りの支援をする」
「この条件でなら、同盟を結ぼう」

「え?その程度でいいのか?」

セイバーの提示した条件は、俺ですら簡単だと感じるほどに甘いもの
さっきまで徹底的に拒絶していたのに。俺だけでなく、バーサーカーも、アーディーも驚いていた

「せ、セイバー?急にどうしたんだ?」
「同盟を組む為の条件を出せと言ったのはマスターの方だろう。何か問題が?」
「いや、さっきまで嫌がってたし……」


「……私からも聞かせて貰おう。その心変わりの理由はなんだ?」
「私には、先程までの拒絶が嘘とは思えない。答えてみよ、セイバー」


バーサーカーからも質問される。幾らなんでも条件が緩すぎると感じたのだろう
セイバーの返答は……



1234:ぶっちゃけ舐めてる
567:相手が予想以上に強大だった
89:心の贅肉
↓1



1:舐めプレイ



「……フ、その二人はいつでも切り捨てられる」
「ならば私の役に立たせ、用済みになった時点で消せばいい」
「どうせ放置していても、他の陣営に倒される事は目に見えている。なら保険として、戦力として手元に置くべきだ」
「…………何だと?」


「……要するに、倒せる相手を取っておきたいって事か」
「そうとも。そうでなければ貴様らと組む必要すら感じない。私に不利な相手ならば、ここで追い出し別の陣営と組んで始末していた」
「………………」


……セイバーは俺達を舐めている。いつでも俺達を倒せるから、敢えて味方に引き込んだ。と
アーディーもセイバーに叱責する。当の本人は涼しそうな顔もしているが
バーサーカーも、きっとセイバーの発言に怒りを感じている……


「……では、その条件で同盟を結ぼう。私からは異論は無い」
「バーサーカー、いいのか?」
「相手の考えがどうであれ、相手の提示した条件は私達にも有利。受けない理由は無い」

穏やかに答えるバーサーカー。その表情からは争おうという意思は無い

「……何、私もマスターを信頼しよう。というだけだ。彼女は信じられる人間だと、貴方が判断したんだろう?」

……ありがとう

「では、これで同盟を締結する!双方、異論は無いか!」
「モチロン!よろしくな、センパイ!」
「ああ、こっちこそ」


手を繋ぐ。どうも本来は細かい契約があるそうだが、一般人の俺では無理だからこれだけだ

……さて、これで同盟は結ばれた。何か話しておく事はあるか?



自由安価。同盟に関して確認しておきたい事
20:30から
↓3まで


【あ、無しなら無しでいいですよ】


【ここまで。では今回はセイバーの情報を引けるかどうかで】





「……なあ、アーディー」
「ん、どうかした?センパイ」


同盟を組むに当たって、不安なのはアーディーのセイバーだ
もし、暗殺や裏切りの逸話が……アサシンで呼ばれてもおかしくない様な人物なら尚更だ
バーサーカーの情報を見せる前に、まずはセイバーの事を知っておきたい

「もしかして、セイバーとは険悪なのか?」
「……昨日まではそうでもなかったんだけど、多分同盟の提案を出したからかな」
「セイバーには無断だったし……」

……普通、険悪じゃなければ無断で同盟を組むなんて考えないと思うんだが

「……セイバー、何だか人を信用していない感じなんだ。だから、同盟を組むにはセイバーの目が無い方がよかった」
「ごめん、センパイ。正直センパイから同盟を持ちかえられた時は嬉しかったんだ」

「禍門も、ガイスロギヴァテスも……多分、一人じゃ絶対に勝てない相手だったから……」
「アーディー……」


さっきまでの元気な姿から、嘘みたいにしゅんとする

「マスター、いい加減に席に付け。このままだと交渉すら出来ない」
「……さて!話し合いを始めようか、センパイも言って!」
「わかった!」


セイバーに呼ばれて、席に付く。さて、ここからが話し合いだ……



「双方、意見を言って欲しい。その上で同盟案を煮詰めよう」

バーサーカーが温度を取り、話し合いが進められる。口を開いたのはアーディーだ

「センパイはランサーを倒したいんだよな?」
「私達もなんだ。と言うより、ガイスロギヴァテスがやたらと突っ掛かってくるんだよな」


深い溜め息を吐く。確かガイスロギヴァテスとエーデルワイスは同じ御三家だ
それなのに仲が悪いなんて、おかしな話だが……


「正確にはガイスロギヴァテスは外の家の魔術師なんだ。この土地の霊脈に目を付けて、外来からやってきた寄生虫」
「禍門はもっと酷いよ。あの二つの家はいつも争っているから」
「なら、禍門となら同じ目的で同盟が組めるかもしれない」
「それは無理だマスター。禍門にはキャスターが付いている。我々と組むメリットが薄い」
「キャスター……?何故、それを貴様らが知っている?」
「新聞部が教えてくれたんだよ」

あの新聞部が……?と不思議そうな顔を浮かべるアーディー。疑う気持ちはよーくわかるぞ

「では、ランサーの情報を渡して欲しい。我々も彼女とは因縁がある」
「討伐に協力する為にも、私達に教えるべきではないか?」


バーサーカーに指摘される。ランサーの情報、それは俺達も知りたいからな



123:ステータスだけ
456:↑にランサーのスキル情報
789:↑に禍門のサーヴァントの情報
↓1


5:ランサーのステータス+スキル



「……私達が調べた所だと、ステータスとスキルを少しわかったんだ」
「流石に、ランサーの真名や宝具まではわからなかったけど……」
「いや、充分だよ。ありがとう」

ランサーのスキル。そしてステータス……それがわかれば戦いやすくなる


『ランサーの一部スキルを開示します』
 ◆怪力:B
 一時的に筋力を増幅させる。魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性。
 使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。

 ◆火炎耐性:A
  火山の化身としての能力。炎、及び高熱によるダメージを無効化する。
  また火神系の英霊に対して高い防御力を得る。


「……魔物?魔獣?けど、あいつ人間の姿をしていたぞ」
「恐らく、何か姿を変化させるスキルか宝具を所有しているのだろう」
「それに炎や高熱に高い耐性を持っている……相手によっては厳しくなるだろう」

バーサーカーの指摘に頷く。ルーン魔術の炎は聞かなくても、自己強化で切りかかれば……


「それと、これがランサーのステータスだな」


『ランサーのステータスを開示します』

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:ランサー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┓
  【真名】:???             【コスト】:3or4        【属性】:混沌・中庸
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┓
  【筋力】:C(30)    【耐久】:B(40)    【敏捷】:C(30)   【魔力】:B(40)    【幸運】:E(10)  .【宝具】:A(50)
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━



「……全体的に高めだな」
「けど、ずば抜けて高い訳じゃない。これなら二人で攻めれば勝機はあるでしょう」
「私一人でも勝ち目はある。が、確実を求めるならば貴様らの力は必要だ」

バーサーカーの意見に同意するセイバー。確かにセイバーとの差はそこまでない
逆にバーサーカーは水を開けられている。ここで同盟を組めた事は俺達にとってもラッキーだ

「じゃあセンパイと私達は同じランサーを……」
「いや、待て。我々としては、ライダーの方を追っておきたい」
「……ライダー?」

きょとんとした顔。どうやらアーディーはライダーの事については知らないらしいな

「学校で襲われたんだ。黒い衣服を着た、風に乗るライダー」
「校舎裏に描かれた召喚の魔方陣。それを調べている最中に」

「……ちょっと待て。学校に召喚用の魔方陣が描かれていたって事!?」
「あれ、言ってなかったっけ」
「学校で召喚した。とは聞いたけど、それが魔方陣が原因なんて私聞いてない!」

ぷんぷんと怒るアーディー。すぐに表情を改めると、こう切り出した

「……ハッキリ言って、そんな事をする必要性を感じない。あそこは別に霊地じゃないし」
「それは私も感じていましたわ。あの場所で英霊を呼ぶ等、余程の酔狂者でしょう」
「それに、そのライダーの出方もおかしい。まるで、センパイが来る事を知っていたみたいなタイミングで……」

「おい!まさか、生徒会の誰かがマスターだって言いたいのか!?」
「落ち着きなさい。まだそこまでは言っていません。あそこに侵入者が来る事を見越して罠を張っていた可能性もあります」
「……そっか。バーサーカー」

「よし!じゃあ、今夜は二人でその魔方陣を見に行こう」
「確認すれば、マスターが誰かわかるかもしれない……いいよな?センパイ」
「ああ!」


学校の魔方陣。それを調べる事が俺達の第一歩だ
あの時は何も出来なかった……けど、今は味方がいる。絶対に大丈夫だ

「それじゃ、少し休んでいてよ。夜、二人で学校に行こう!」




【本日はここまで、ちょっと進みが遅いので次回サーヴァント戦】

【という訳で、次回は誰が出てくるか】


12345:ランサー
67890:ライダー
↓1


【という訳で、次回バーサーカー、セイバーVSランサー】

【これで本当に終了です。皆様お疲れさまでした】


【ちょっと書き溜めておきたいので本日はお休み】


【書かない日が続くのは避けたいので描写だけ~】





「……ドミトリイ様、どうか、許可を」
「どうか、私にエーデルワイスを討ち取らせて欲しいのです」


郊外に居を構えるガイスロギヴァテス邸。その前でルシフェルは頭を下げる
地に座り、額を擦り付け、ただただ深く礼をする……土下座をして、ドミトリイに懇願していた
ドミトリイは見下ろしながらサングラスをかけ直す。そして、彼女に淡々と言葉をかけた


「ルシフェル、何度も言ったはずだ。俺達の目的は聖杯の奪取。そして威信を取り戻す事」
「雑兵ごときにかまけている暇は無い。ここは堪え、消耗してきた所を叩き潰す」
「ですが……!もう、もう私は我慢する事ができません!」
「目の前に一族の仇がいるのです!狂った思想に潰された者もいるのです!私は……!」
「これは戦争だ、私闘じゃない。認める訳にはいかない」

毅然とした態度の拒絶。それは、ルシフェルを絶望させるのには充分過ぎて

「……いーじゃん。やろうよ、殲滅戦」
「ランサー、これは我々の問題だ。部外の者は黙っていろ」
「アタシのマスターはアンタでしょ?ならもうアタシだって関係者だっての」
「それに……いい加減、暴れたいっての!」


「……仕方がない。エーデルワイスを襲撃する、出撃の準備をしろ、ルシフェル」
「ドミトリイ様!……ありがとうございます!」
「勘違いするな。これはランサーのガス抜きも兼ねて、だ。使い魔を放ち、捕捉する」


「……すまない、ランサー」
「別にアンタの為じゃないしぃー」

それだけを呟いて、ガイスロギヴァテス邸を後にする三人
目を光らせた狩人は、今まさに天使を落とさんと動き出した






「……やっぱり。これ素人が描いたものだ」
「わかるんですの?魔方陣を見ただけで」
「これだけ雑ならね。センパイがバーサーカーを呼べたのも納得だよ」

地面を弄くりながら、ブツブツと話し合う女性二人
もう一人のセイバーは、俺の見張りと言って、その中には加わらなかった

「描き方が杜撰過ぎて、ほんのちょっとの魔力でも反応しちゃう。今は聖杯の魔力が減ってるから大丈夫だけど」
「万一。という事も有り得ますわ。消しておかねばなりませんわね」
「要するに、適当に描かれた召喚陣だったから俺が偶然呼んじゃった。って事か?」
「そういう事!にしても、いったい誰が……」

思案するアーディーの隣で、合点がいった様に手を合わせるバーサーカー

「偶然にせよ、私としては都合のいい事でしたので。それだけは感謝致しますわ」
「バーサーカー、あまり褒められた事じゃないからな」




「……ああ。全く以てその通りだ。こんな茶番で我がガイスロギヴァテスの名が汚されたとは」
「覚悟しろ、エーデルワイス。その狂った妄念の罪を贖わせてやる……!」








「……な!」
「やっほー、死に損ない。まだ生きてたの?」
「ドミトリイ……ルシフェル!」
「下がっていろ、マスター……こうも早く、また会う事になるとはな。ランサー」
「こっちの台詞だっての、バーサーカー。雑魚は雑魚らしく、狩られるのがお似合いよ」


鼻で嗤うランサーを、軽くいなすバーサーカー
後ろの二人……ドミトリイとルシフェルも、得物を取り出す。ここで俺達を仕留める気か!

「……ここは地形的に不利だ。狭く浅いから武器を振るうだけで互いに当たる」
「相手はランサー……槍の使い手。この場面では数の有利は意味をなさない……」

セイバーとバーサーカーの分析に、思わず冷や汗が出る。向こうは数の利すら差にならない程地形が味方していると
おまけに、後ろの二人は間違いなく戦闘のプロだ。俺は勿論、恐らくアーディーもあの二人に勝つ事は困難だろう

……また、同じなのか?追い詰められ、またここで殺されるのか?
一歩一歩絶望が歩いてくる。血の気がどんどん引いていく


「マスター。最悪でも貴方だけは助けよう」
「私は、貴方の剣なのだから」


……ああクソ、バーサーカーの言葉に上手く返答できない
『そんな心配なんていらない』の一言すら、俺はまともに答えられない──!





「……仕方がない。三人とも、伏せろ!」
「──『砲撃、用意《カルヴァリン》!』」





「え?……うぉっ!?」
「ば、爆発!?……いや、砲撃!?」
「マスター、アーディー!セイバー、何を!」


セイバーが吼える。すると、どこからともなく砲台が表れ、ランサー達を撃ち抜いた
ランサーは火炎に耐性がある。これが有効な手にはならない事はセイバーもわかるのに……


「これは牽制、足止めだ!奴等が硬直している隙に、この場から逃げるぞ!」
「オッケー!センパイ、早く!」
「わかってるよ!」


ガイスロギヴァテス一行を横に、サーヴァント達は俺達を担いで屋根に上る
咄嗟の一時凌ぎだが、少しだけなら行動に余裕が持たせられる。どうする……?


「今ランサーの相手は出来ない。一度退くぞ」
「駄目だ!ここで奴等を倒す。居場所を突き止められた以上、また襲われるぞ!」
「けど、相手の二人はかなりの手練れだ。私はあの二人には勝てない……」
「センパイもいる以上、危険な目は合わせられない。撤退しよう、バーサーカー!」


どうも、セイバー陣営とバーサーカーの意見は食い違っている。ここで逃げるか、戦うか
戦うとなるとリスクがある。ここで俺達が殺されれば、芋づる式に二人も消える
かといって、逃げ続けるにも限度がある。奴等は目的の為ならば、最悪この学校を吹き飛ばすくらいはやりかねない
……俺の、答えは



「迎え撃とう。……ランサーと戦うんだ!」
「……マスター!」






「……正気か、貴様っ!」
「ああ。このまま鬼ごっこを続けても、いずれは捕まって殺される」
「鬼は鬼でも鬼退治の方が好きなんだ。桃太郎みたいに……わかるかな?」「わかるかっ!」

セイバーの反応は尤もだ。明らかに不利なのはわかりきっている

「センパイ、相手は手練れの魔術師だ。命のやり取りに長けている。……手加減なんてしない」
「わかってる。けど、このまま逃げ続けちゃ駄目だ。いつかは相手になる連中なら、今相手になろう」
「死んじゃうかもしれないんだぞ!センパイが死んだら、私……!」

アーディーの心配もわかっている。けど、俺には自信もあるんだ

「絶対に死なない。俺には、バーサーカーがついている」
「だから……信じてくれ。俺達を」

強く頷き、バーサーカーに視線を移す。彼女は笑顔を向けて、強く肩を叩いてきた

「そう、私は負けない。私が私である限り、私の目の前に障害は無い!」
「だが、私は貴様等の意見には反対した。しかし二人の主張する権利は──」



「──命を懸けて守る。か」
「……知っているのか、セイバー」
「昔、そんな事を聞いた気がするんだ」
「なら、わかるだろう?私の言いたい事が」
「ああ。守って貰おうか。不遜なる女剣士よ」


不敵に笑う二人。そこには互いに対する信頼と覚悟が
それに応じるように、アーディーは指示を出す


「……よし!なら、なるべく広い場所……校庭に行こう!そこなら迎え撃つ事が出来る」
「わかった!頼んだぞ、バーサーカー!」



返事は無く、ただただ強い感触が伝わるだけ
俺は、もう逃げない……!





「げほっ、ごほっ!アンタ達、死んでない?」
「案ずるな、無事だ。しかし、まさか不覚をとるとはな……慢心したつもりは無いが」
「くっ、これしきの事!すぐに追いましょう、ドミトリイ様。まだ近くにいるはずです!」

いきり立つルシフェルの声に、ドミトリイは目を伏せる
それは呆れからではなく、寧ろ彼女に呼応するかの様に

「……その様だな。奴等、校庭で陣取っている。我々を打倒する算段だろう」
「ハッ、舐めてくれんじゃない。数じゃないって事をわからせてやるわ」
「それをお前が言うのか、ランサー」
「アタシはいいのよ、アタシは!」

ランサーのきゃんきゃんと吠える姿。それを流し、ドミトリイは確認をとる

「……ルシフェルはエーデルワイスの小娘を、俺は小僧を仕留める」
「ランサー、宝具の開帳を許す。……盛大に暴れるがいい」


「……やーっと暴れられるのね。相手が鼠二匹だけってのは少し残念だけど」
「そう言うな、これは仕事だ。遊び無く、的確に屠るがいい」
「はいはい!……それじゃ、今度はアタシが狩る側って訳ね。面白くなってきたわ!」


狩人は高らかに笑う。追い詰めた得物を仕留める為に、二人を連れて空に駆けた




【ここまで。次回には安価入れたいな……】


あれ、ヴォルテール以降の人間なのか?


>>506
【ごめんなさい。今確認したら別の人と勘違いしていたという致命的なミスでした】

【そして使う言葉も間違えていたというね。なんかそれっぽい事を聞いた事がある。と解釈していただければ】

【なので、真名とはなんも関係がないと思ってください。申し訳ありませんでした……】




【本日も書き溜めしたいのでお休み~】


【ちらっと更新。最後に安価があります】








──“なんだい、アンタが女王かい?この萎びた魚みたいな目をしたヤツが”





……嵐が来たか。初めて出会った印象は、そんな荒々しいモノだった


男かと見違う程の大胆さ、女とは見違えない程の豪快さ。大口を開けて笑う姿は、“僕”には男にしか見えなかった


……けど、だからだろうか。僕は、どうにも彼女が気になって、気になって仕方がなかった


だから、ちょっとだけ試してみたかったんだ




──“何?アタシにアンタの替え玉をやれって?無理言うんじゃないよ!第一、アタシがアンタに似せたとしても、似るワケないじゃないか”


──“こちとら世界を回る準備があるんだ。お遊戯なら他を当たんな!”




……わかっている。けど、僕にとっては顔の傷は最大のタブーだ


特に、“顎の回りの傷”だけは何がなんでも隠し通さなければならない、秘中の秘


……それに、今を逃せば、きっとこんな事は頼めなくなる。そんな予感めいた感覚が僕にはある




──“……はぁ、仕方ないねぇ。一回だけだよ?それが終わったら楽しい船旅のプランを考えなくちゃならない”


──“待てよ?いっそ、アタシがアンタの代わりに『女王』になってやろうか?……なんてな!”




……貴女はわからないだろう。僕の胸に燻り続ける苦しみは


僕は、そもそも『女王ですらない』事を……







「……来たっ!」

アーディーの鋭い声が刺さる。覚悟は決めた筈なのに、否応にもなく体が固まる
歩み寄ってくる二つの影に視線を向ける。悠々と進む姿からは、俺達を警戒する様子は無い


「まさか、真正面から来るとはな」
「丁度いい。ここで始末してくれる!」
「二人とも、なんか悪役っぽいぞ」

「……いいや、始末されるのは貴様等だ」
「俺は自らの油断でガイスロギヴァテスの誇りを穢した……その罪、ここで清算する!」
「ドミトリイ……アンタ一人だけで私達に勝てると思ってるのか!」


一人、男が前に進む。その目に宿る決意の炎で俺達を焼き尽くさんと手を伸ばす
爆発。閃光。轟音。暴力的なまでの感覚に身を捩らせる……その一瞬が命取りだった
手や体を締め上げられて、肉を焼かれる。苦痛が多過ぎて、思考が出来ない……!



「ここからは俺も本気だ……完膚なきまでに焼き尽くす!」
ドミトリイの目が光る。ここで終わらせる覚悟を放ちながら─!



 ◆灼牙の蛇
  ヴァイパー。ドミトリイ自身と彼独自の戦術を指す異名。
  煙幕やフラッシュなどの目くらましと高速で展開されるワイヤーで相手の行動を妨害する  そこから身動きが出来ない相手に火炎を投げつけたり、ワイヤーを発火させ蒸し焼きに、   爆薬を仕込んでの撤退など。さまざまな戦法に展開が可能。   
  今回は対サーヴァントを想定した、霊体に効果が高いワイヤーを用意している。






「あっ……!」
「アー、ディー……っ!」
「あ、熱い……っ。痛ぁ……!」


見ると、アーディーにも燃えるワイヤーが絡み付いて締め付けている
キツく身体に食い込む紐に、苦悶の表情を浮かべながら、額から汗を垂らす
俺も、身体から嫌な音が軋み始めた。このままだと二人とも……

「セン、パイ……。私は大丈夫、だから……!」
「だから、バー、サーカー……っ!センパイを、お願い……!」

「マスターを狙うとは卑怯な手を……!待っていろ。すぐにワイヤーを」「させるかぁっ!」
「ランサー!貴様、伏せていたか!」
「当然でしょ?アタシはアンタ達の相手。遊んでよ、イケてるお二人さん!」
「くっ、厄介な……!」

「……ドミトリイ様が奴等を始末する間、貴様等は黙って見ているがいい」
「そして、エーデルワイスの小娘……貴様は、私が手ずから殺してやる」
「ふざ、けんなっ。こんな、所、で……!」


ランサーと対峙するセイバーとバーサーカー。アーディーに向け斧を構えるルシフェル
行動したのはルシフェルだった。斧を振りかぶり、アーディーの首に向けて……!



「覚悟しろ、エーデルワイス……『天使に恋した一族』よ!その穢れた血で……」
「今まで犯してきた罪を、贖うがいい──!」






「……させるか!」
「バーサーカー!……ランサー!取り零すな!」
「無茶言わないでよ。ニ対一なんだし少しは見逃してっての!」

間一髪。バーサーカーがランサーをすり抜け、首に迫った斧を弾く
アーディーを庇う様に立つバーサーカー。彼女は俺に視線を向けると、文字を書いてワイヤーを切った
ルーン魔術の応用だろうか。隣のアーディーのワイヤーを解除する

「……ありがとう!バーサーカー」
「マスター、下がっていてくれ。こんな奴等に傷付けさせる訳にはいかない……!」

「…………」
「セイバー、ゴメン!……セイバー?」
「何でもない!油断するな!」

「ドミトリイ様……!すみません!私のせいで、私の……!」
「……いや、俺が仕留め損ねたせいだ。気に病む必要は無い」
「ランサー、宝具を開帳しろ。次こそは確実に殺し切る」




冷たい死刑宣告が肌を走る
ドミトリイの声を受けたランサーは、獰猛な笑みを浮かべながら槍を掲げた





「了解。命乞いなんて聞かない、嬲り殺しにしてくれる……」

「此は赤熱、蝕む鎖……鉛の穂先よ、外敵の口を封じるがいい!」

「『他者拘束・灼熱流鉛《カウンタークロス・メタルハイドラ》』!!」







ランサーが槍を振るう。先端の穂先がどろりと溶け、宙に舞う
散った鉛は雨の様に降り注ぐ。……粘土の高い、高熱の雨となって

「熱っ、熱い!なんだコレ!」
「……!マスター!離れろ!」「ぐえっ!」


俺とアーディーが蹴飛ばされ、端に吹き飛ぶ
起き上がった目の前にあったのは、鉛で身体中を縛り上げられたバーサーカーとセイバー
ジクジクと嫌な音を立て、二人を焼いていた


「……拘束か。しかも、高熱によってダメージを蓄積させる性質の」
「アハハっ、いい気味ね!偉そうにしてるその面歪むの、サイッコーの気分だわ!」
「これで、アンタ達は手も足も出ない。思う存分痛め付けてあげる……!」

「セイバー!今助けに」「向かわせると思っているのか?」
「……ドミトリイ!」
「貴様等如きにランサーを差し向ける必要は無い。……ルシフェル!」


立ち塞がるドミトリイが腕を向け、ルシフェルが突進してくる
ランサーは槍を揺らしながら、セイバーとバーサーカーに歩み寄る。……ここで、その命を潰さんと


「さぁて、どっちを先に殺そうかなぁ~?うん決めた。そこの白い方にするわ」
「くっ……!この私を易々と殺せると思うな!ケダモノが!」
「アハハハ!バーサーカーの癖にペラペラ喋るのは面白かったけど、そろそろ幕引きね」
「バーサーカー……」
「……私は」


ケタケタと笑うランサーを睨む。けど、俺には何も出来る事が無い……


「───死ね」


冷たい、氷の様な声。その一言で槍が落ちる
俯くセイバーの横で、目を閉じる。まるで……







「私は、まだ死ぬつもりは無い」
「──は?」


一瞬だった。鉛の鎖が引き千切れ、ランサーの腕を、剣が切り落とす
ガランと音を立てて落ちる槍。それを蹴飛ばし立ち上がったのは……バーサーカーだった
さっきとは逆に、ランサーに剣を突きつける。勝ち誇った顔ではなく、冷静に


「形勢逆転だ。ランサー」
「バ、カな……!何で、あの鎖を……!」
「愚問だな。知性の始まりは疑う事から……と、言いたい所だが、教えてやろう」


風が吹く。白銀の少女は目の前の怪物へと語りかける


「私は何者にも縛られない。それが猛る炎の中であろうと、凍む氷の壁であろうと」
「それが、私の生きた道……生き様。誰が、何であれ、私の歩みを止める枷にはなり得ない!」
「刮目せよ。私の生き様、見せてやる!!」


凛。強い意思を迸らせて、宣言する
英霊とは過去に足跡を遺した英雄の魂。な、ば彼女は正しく生粋の英雄だ
言葉一つの重みが違う。バーサーカーの声は、俺に……俺達に、立ち上がる勇気をくれる……!


「立て!勝負はここからだ。恐れるモノは何も無い、お前達には私がついている」
「貴方には彼の偉大なる大英雄の娘……この私がいるのだから!」


『バーサーカーのスキルを開示します』
 ◆■■■の娘:B

  ■■の■■■の娘である彼女が持つ固有スキル。   
  彼女が本来持つカリスマが更に強化されたもの。   
  自軍の能力を向上させる上に、自身を除く味方全体に戦闘続行のスキルを付与する。  
  死してなお■■■■■■■■■■■■が遺した影響を現すスキル。




「ふざ……けるなぁ……!ふざけるなあぁああああーーーっ!」
「……バーサーカー。僕は」


各々の意志が揺れ動く。バーサーカーの言う様に、ここからが本当の勝負
絶対に、生き残ってやる……!




【本編はここまで】

【次は??してくるサーヴァントだけ】
 12345:アーチャー
 67890:キャスター
 ↓1


9:社畜のキャスター

【という訳で本日はここまで】

【次回決着。お疲れさまでした~】


【本日も書き溜めてるのでお休み】

【戦闘シーンに一週間かけるとか幾らなんでも無能過ぎるので何かしらの対策は考えます】



【予想以上に書き溜めが進んでしまったので初投稿です】

【安価はありますがそんなに急ぎでもないのでお気楽にどうぞ】






「喜べキャスター。お前の願いはようやく叶う」
「ホント!?やったあ!」


……セイバー、バーサーカー、ランサーの三騎が激突する数刻前
禍門みとりの所有するマンションの一角。最上階の部屋で、女性がぴょこぴょこと飛び跳ねた
小柄な肉体に相反した胸の膨らみは、跳ねる度に連動して、激しく大きく躍動する
キャスターのマスター……マリアは彼女に向けて冷ややかな視線を浴びせる。とっとと止めろと

「じゃあ、さっそくセッ」「自害コマンドって知ってるか?」

言わせないと言わんばかりに令呪を見せる。やる気満々のキャスターは面食らって抗議した


「あれ!?叶えてくれるんじゃないの!?」
「当たり前だ色ボケ露出狂。召喚して早々小学校に性教育と称して乗り込んだバカに好き勝手やらせられる訳ないだろうが」
「私はサーヴァントを呼んだのであって、デリヘル嬢を呼んだんじゃない。仕事しろ、仕事」
「ぶー。ケチ、喪女、一万年独身」
「失敬な。まだそんなに生きていないぞ」


不貞腐れた様に拗ねる女性……キャスター
胸元を大きくはだけさせたその姿は扇情的とも呼べる大胆さ
その反対、顔立ちは容姿と相反する様に幼く、そのアンバランスな姿が艶かしい
もっとも、今は叱られた子供の様にむすっと頬を膨らませているのだが


「……そもそも、どうしてボク達なのさ。禍門にだってアーチャーがいるじゃん」
「アイツを出すと否応無く警戒されるだろう。事実、私達も消されると思った」
「おっきかったもんね……やっぱりアソコも」
「“汝がマスター、マリアが命ず……”」「ごめんなさい調子に乗り過ぎました!」
「……はぁ。さっさと支度しろ。夜の学校は幽霊が運動会するらしいからな」
「それ間違って……いや、合ってる……?」


土下座を決めるキャスター。それを養豚場の雌豚を見る様な目付きで凄むマリア

そんな事等露知らず。夜の戦いは混迷を増していた……






「ふふ、ふふふ……許さない。命乞いしても絶対に殺す……!」
「知性どころか理性すら消し飛んだか。卑しいケダモノが」

相対するランサーとバーサーカー。その瞳に宿る光は真逆のもの
知性を感じさせる怜悧な少女。髪を振り乱し、殺意を滾らせる少女

「あの程度……あの程度ですって?」
「なら……あの程度に殺されたアタシは……」
「何だって言いたいのよおおおおおっ!!!」


ぐにゃり。とランサーの姿が歪む。ヒトの姿から“破る”様に
少女の身体から頭や尾が飛び出す。たちまち、獅子の頭に、蛇の尾を持つ怪物へと“戻った”


『ランサーのスキルを開示します』
 ◆変容:B
  肉体変貌。能力値を一定の総合値から状況に応じて振り分け直す。
  総合値は現在のステータスの合計値であり、各能力値の上限はAランクである。

 ◆自己改造:A
  自身の肉体を、まったく別の肉体に組み替える適性。
  このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。


「……ランサー!誰がそこまでやれと言った!」
「黙っててよドミトリイ。アタシは今、そこの小娘をブチ殺したい気分なの……!」


「あ、あの姿って……!」
「聞き覚えがあるな。数多くの動物が混じった怪物が神話の世界にいる。と」
「じゃあ、あいつの本当の名前って……!」


「覚悟しなさい、小娘。英雄の資格があるか、このアタシが直々に試してやる──!」
「来るがいい怪物。英雄の血を引く私が、父の娘として相応しい事を証明してくれる──!」


剣と顎が交錯する。これはただの殺し合いではない。己のプライドを賭けた、しのぎ合い






「はあっ──!」


バーサーカーの握る流麗なる剣先が、ランサーの異形の身を斬りつける
刀身が首を切り落とす。ボトリと嫌な音を立てて沈む、獅子のあぎと
意外な程にあっさりと決まった勝負。怪物の身が大地へ堕ちた

「やったか!?バーサーカー!」
「……手応えが無い。気を付けろ、マスター!」


「ク、フフフ……ハハハハハ!」


……いや、まだ終わりじゃない。
寸断したあぎとと身体が泥の様に溶け出す。それはくっつき、混ざり合い……一つの塊となった
塊は徐々に肉体を形成していく。先程と同じ、化け物の姿へと


「泥の肉体という訳か。……厄介な」
「これで終わり?……なら、次はアタシの番よ」
「我が肉体は火山の化身。炎の瀑布にいつまで耐えられるかしら!?」


一転攻勢。ランサーが襲いかかる
爪、牙、蛇の尾。どれをとっても致死の攻撃。バーサーカーはいなすだけでも手一杯だ
文字通り違う手数の差。それは、ゆっくりと、確実にバーサーカーを追い詰めていく……







「………………」
「セイバー!バーサーカーの援護を……」
「させるものか!ここで沈むがいい、エーデルワイス!」

激を飛ばすアーディーに迫る、鈍色の刃。ぐおんと空を切る音が、やけに耳にこびりつく

「また来た……!?何で私達をつけ狙う?私達の一族が、アンタに何をしたって言うんだ!」
「語る必要は無い、邪悪なる一族が。死こそが貴様等の為せる唯一の赦しと知るがいい!」


女性のか細い腕から、重量に満ちた凶器を振り回す。当たれば成人男性でも致命傷だ
鈍い音を鳴らしながら追うルシフェル。撃退の手段を持たないアーディーは、ただただ逃げて惑うしかない
しかし、それにも限度はある。今、まさに追い詰められて、首を落とされようとしていた


「く……う……」
「天使に恋した一族よ……呪うならば、その身に流れる穢れた血を恨むがいい」
「アーディー!ぐっ……!」
「貴様の相手は俺だ。黙って見ていろ、直に、お前も連れていってやろう」


身体を縛られる。首を落とされる。身を削られていく──全員が、死の直前に迫っていた

……ただ、一人だけを除いて


「…………僕は」






──“騎士ぃ!?アタシがぁ?おい、この女王頭でも打ったのかい?”

──“でも、ま、有り難く頂戴するとするさね。ほら、騎士様ってのは高給取りだって相場は決まってる”

──“だったら受け取らない理由は無い。要は、アンタはアタシを雇いたい。って事なんだろ?”




「……そんなつもりじゃ、無かったんだけどな」


……本当は、貴女の姿が騎士の様に見えたから
自分には無い、天性の輝きを見初めたから……


「聞け!我が光を知らぬ者よ!」


セイバー。剣士の英霊が、苦笑を浮かべ、立ち上がる
三者三様の絶体絶命。それを救わんと、自らが本物の騎士にならんと声を張りあげる
その背後に、一つ。また一つと集う艦。満ちていくのは輝く?


「この名を刻んで逝くがいい……《テメロッソ・エル・ドラゴ》!」
「《太陽を落とした女》と──!!」


砲が火を噴く。ドミトリイの炎も、ランサーの炎も掻き消す程の嵐が吹き荒れる
瞬く間に砲撃の雨が戦場を覆い尽くす。その様はまるで、嵐の夜……


「うおっ!?」
「くっ……!まさか、これ程とは……!」
「セイバー!此方にも頼む!」
「心得た。……全く、あいつは本当に似てるな。自分勝手な所が、特に」



【文字化けしてる……】
【?→焔】


「ハ、馬鹿の一つ覚えじゃあるまいし……」
「こんなの、痛くも痒くも無いわ!」


しかし、砲撃の雨霰を受けても平然としている存在もいる
ランサーの肉体は火山の泥。人の手で造られた火など、毛ほども障らない

「たかだか火の噴く木箱程度で、アタシを倒せると思っていたの?そんなもの……ッ!?」



「油断大敵、だ。その人を甘く見過ぎ、自分を過信する癖を調教し直した方がいい」

……が、迎撃せんとしたランサーの身体を細剣が貫く
その理由は至極単純。巨躯を誇る肉体は、砲撃によってその大半を消し飛ばされていたからだ
ここまで削り取られれば、粘土の肉体とはいえダメージは免れない。今のランサーには、肉体の優位性すら無くなっていた


「最初から効かない事はわかっていた。しかしその身を吹き飛ばすには充分過ぎる」
「───私の勝ちだ」

「あ……ア、アァアァアアァァアアア!?!?」

叫ぶ。錯乱した様に、獣の慟哭が響く
剣を身体から引き抜き、振るう。刃についた泥が、足元に落ちた
そのまま、頭を切り捨てんと……





「“ランサーよ。汝がマスター、ドミトリイ・ガイスロギヴァテスが令呪を以て命ず”」

「“潮時だ……我等を連れて、撤退せよ”」


目を焼く程の、深紅の魔力が光り輝く。その光はランサーを包み、空へと消えた
先程までいたドミトリイ、ルシフェルの姿は既に無い。命令通り、何処かに撤退したのだろう


「マスター。この戦い……我々の勝利だ!」
「僕は……騎士として戦えたのなら満足だよ」


バーサーカーとセイバーの、勝利を伝える声が響く
途端に沸き上がる歓声が、初陣の戦果を雄弁に物語っていた





【???判定。どうなっても大丈夫なやつ】

123:特に無し
456:セイバー
789:貴方
↓1


7:「うん!ボク、あの子が気に入ったよ!」「確か、禍門のマスターの知り合いだったな」


【という訳で昼の部はここまで。続きは夜に】


【鯖鱒wikiに自作のデータを登録させていただきました】

【お暇でしたら、見ていただいて貰えると嬉しいです】

【それでは夜の部。人はいますか?】

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「やっ……たああああ!!」
「センパイ!やった!あのガイスロギヴァテスの連中に勝ったあああ!!」
「わ、落ち着けって。アーディー」

「大義である、セイバー。私からの労いの言葉は必要か?」
「要らない。……それにしても、予想以上に派手にやってしまったかな」

貴方の首に抱き付くアーディー。ぐいっと強く抱きしめられ、軽く呻く
バーサーカーとセイバーは目の前のクレーターを横目に談笑を始める始末

「……緊張感が無いな。一応戦場だぞ、ここ」
「まあいいじゃん。……うへへへ、あの男の子、可愛い顔してるなぁ」
「止めろ。本気で外交問題になる」
「痛たたた!?!?髪引っ張らないで!?」


それを横目で眺めるマリアとキャスター
奇妙な声を上げるキャスターを睨み付け、行くぞとぐいっと髪を引っ張り上げる
二つに結った片方の束がピンと伸びる。涙目を浮かべながら、四人の元へ歩いていった




「──失礼。少年少女、少し話は如何かな?」
「……!新手か!?」
「警戒する必要は無い。私のサーヴァントは塵芥並にか弱いものでね」
「ちょっとそれは言い過ぎじゃない!?」

突如表れたサーヴァント。そしてマスター
流れ落ちる様な銀髪に、ルビーを思わせる赤の瞳。その姿はまるで、お伽噺の魔女だ
キャスターの容姿は更に特徴的。水着の様な薄い服に、ざっくりと切り取られた胸元が、どうしても目を引いてしまう
今も微かにぽよぽよと動いている、豊満で、柔らかそうな二つの双丘……

「セーンーパーイー?」「どこを見ている?」
「あだだだだ!?耳、耳が千切れる!?!?」
「だから言ったんだ。その痴女の様な服装は止めろとな」

両方の耳を引っ張られる貴方。両端の少女の顔は笑っているが、目は冷たい
自分のサーヴァントをげしげしと蹴るマリア。キャスターは微妙そうな顔でそれを受け入れる
こほん。と咳払いをすると、マリアは話を切り出した

「さて、私が言いたいのは」
「そこの君!ちょっとボクと寝てみない?」
「……それ、俺の事か?」
「ニヤニヤするな、マスター」「してない!」

……仕方がないだろう。巨乳の美女に誘われれば男なら逆らえない。三大欲求にも書いてある



※ちなみに、キャスターは貴方の事をどのくらい気に入ってるのか.
123:顔が好みというだけ
456:頼まれれば一晩くらいOK
789:即お持ち帰りしたいくらい
↓1


2:顔だけ



「いい加減にしろ、キャスター。男を誘惑するなと言ったはずだが」
「はーい、ごめんなさーい。ボク好みの可愛い顔なんだけどなあ……」
「それってつまり、センパイの事は顔だけ好きだって事でいいんだよな?」
「うん。だってボク、その子の事知らないし」
「……売女が」

あっさりと。まるでスナック菓子と同じ感覚で男を選ぶキャスター
その返答に、反吐が出ると言いたげに酷く顔を歪めるバーサーカー
セイバーも同様に顔をしかめる。キャスターの男を漁る嗜好は、来歴上理解し難いのだろう

「失礼だなー、ボクは単なる男好きじゃない。これも職業病ってやつだよ」
「梅毒か?」「性病じゃないか!」


「……話とはなんだ。低俗な話をしたいだけなら今すぐにでも切り捨ててやろう」
「わ、怖いなぁ。でも、さっきランサーと戦ってたよね?そんな状態でボクとやるの?」


バチバチと火花が散る。女と女の戦い程恐ろしいものは無いと先程とくと堪能した
一触即発。バーサーカーとキャスターの仲裁に入るのは、少なくとも貴方には無理である


(……どうすっかなぁ、これ)






「あー、おほん!キャスターのマスター、話とはなんの事だ?」


女と女の戦いを唯一止められるのは、やっぱり同じ女の子だ
アーディーが咳払いをして無理矢理断ち切る。二人の女傑は武器を下ろした

(……ごめん、アーディー)
(気にしないでよ。センパイは、人が良すぎる所があるからさ)

ウインクを決め、微笑むアーディー。自分の不甲斐なさにうちひしがれるだけだった
場が収まってた事を確認するマリア。ようやく本題へと進むのだった

「……すまないな。其方のバーサーカー」
「ご覧の通り、私のキャスターは性病で脳味噌がやられているんだ。許してほしい」
「そんな逸話は無いから!?デタラメ言うのは止めてよ、もう!」


「……それで、話とは?」
「ああ。それはな」


1:死ぬがよい
234:禍門からの忠告
567:バケモノの目撃談
89:???に気を付けろ
↓1



7:「なんかバケモノがうろついているぞ」 



「……この学校に通う生徒が、バケモノに襲われたらしい」
「な……っ!?本当か!?」


神妙な面持ちで語る。一番早く反応したのは、生徒会役員である貴方だ
当然だろう。彼の人の良さは筋金入り、生徒会長に奴隷の如く酷使されても、決してへこたれる事はない
隣にいるアーディーも息を呑む。まさか、聖杯戦争に関わらない生徒が犠牲になるなんて……


「それで、怪我の具合は……」
「酷い有り様だ。顔や腕は食いちぎられ、半年は入院せざるをえないだろうな」
「そんな……」
「ふざけんな……っ、何で、……っ!」


怒りに震える少年法少女。隣にいる二人の英霊も、同様に静かな怒りを漲らせ


「……一般人すら手にかける事も厭わぬ外道か。さぞ腐った人間なのだろう」
「そうだな、バーサーカー。俺もそいつは許す事は出来ない……!」
「ふむ、そう言うだろうと禍門の姉妹も言っていた。お前は人が良いそうだからな」
「俺、どんな風に皆から言われてるんだ……」


くすくすと笑うマリアに、苦い笑いを浮かべる貴方
少しの間、穏やかな空気が流れる。用は済んだのか、マリアはくるりと背を向ける


「ではな、若人。なるべく死ぬなよ」
「ばいばーい!今度セ……あいたぁ!?」

ごつんと鈍い音が響く。少女魔術師達は、新たな敵の存在を告げて去っていった









「──お疲れ様ですわ。マスター」
「まずは一勝。……勿論、消滅した訳では無いので油断は出来ませんが」
「それでも、非力な貴方にとっては大きな前進と呼べるでしょう。……本当に」

「ありがと、バーサーカー」


バーサーカーに労われて、横になる
学校からの戦闘を終え、帰路に着いた貴方達
一度、お互いにしっかりとした休息を取ろう。そう話し合った二人は、今日の所は各自で情報交換を行う事にした
特に、ほんの数日前まで戦争のせの字も関わらなかった貴方の負担は大きい。休息は願ったり叶ったりであった


「さて、本日は様々な事がありました。同盟の成功。敵との戦闘。新たに討伐すべき陣営……」
「あのバケモノの事は明日にしよう。気になるけれど、俺達は、まだ情報が足りていないし」
「同意見ですわ。……マスター、貴方も指揮官が板に着いてきましたわね」
「そ、そうか?」
「ええ。少なくとも、あの苛烈な戦闘に怯まずに立ち向かった事は誉めて差し上げます」

思った以上に直球な賛辞。なんだか照れ臭くて顔を背ける
気まずくなったのか、先に話を切り出したのは貴方だった

「そ、そうだ。バーサーカー、何か話す事とかあるか?」
「そうですわね。……やはり、サーヴァントの真名についてでしょう」


……真名。クラスで呼称し合うサーヴァントが、最も隠すべき存在
何せ、生前の全ての情報を知られる可能性があるのだ。そこには自分の弱点も含まれる……


「では、マスターに問いましょう。ランサー、そしてセイバーの真名は?」

思案する。あの二騎は、今回でかなりの情報を吐き出していた
ならば、真名を特定するキーワードも残されているはずだ。セイバー、ランサーの真の名は……



【セイバー、ランサーの真名は?】
23:25から↓3。どれか一つでも合っていれば正解とします


【そんな真名知ったらSAN値減るような事はしませんから……】

【なので安心して当ててください。23:30まで延長】




セイバー:エリザベス一世 【正解】
ランサー:リキュアのキマイラ 【正解】



「……ランサーは、キマイラだろう」
「あんな有名な怪物なら、神話に詳しくなくても知ってる人は多いはずだ」

脳裏に映る異形の怪物。獅子の頭に山羊の胴、極めつけは蛇の尻尾……
これだけの条件が重なれば、どこにも疑う余地は無い。ランサーはギリシャ神話の怪物、キマイラだと

「私も同じものを想定していました。あれは、リキュア火山に生息していた怪物だろうと」 
「でも、あの怪物の死因って何なんだ?名前は知っているけど、死因までは……」
「それなら私が知っています。キマイラの死は鉛を飲まされ、気道を全て潰された窒息死」
「ですが、今回のキマイラはその鉛の槍を宝具として持ち込んでいる。……同じ手が使えるかは疑問ですわね」


顎に手を当て、思案するバーサーカー
まさか、自ら死因を自分の宝具にしてしまうとは思ってもいなかったんだろう
反英霊とは倒される事で人の善を肯定する存在だと言っていた。ならば、死因すらもその英霊を象徴する武器になる……


「ランサーについては、後日改めて対策を考えましょう。では、セイバーはどうですか?」
「セイバー……」




セイバーはアーディーのサーヴァント。勝手に真名を暴くのは気が引ける
しかし、バーサーカーにそんな事を言えば何をされるかわからない。先の戦闘を思い返す……

特徴的なのは、あの軍艦だろう。あれだけの数を所有しているとなると、生半可な力の英雄では無い


「そう言えば何か言ってたな……確か、て……」
「テメロッソ・エル・ドラゴ。スペイン語で、恐ろしい悪魔。という意味ですわ」
「スペイン語……?という事は、セイバーはスペインの英霊なのか?」

「そうでは無いでしょう。セイバーはこうとも言っていました……『太陽を落とした女』」

「スペインとは太陽の国。それを落としたと言うのならば、セイバーは寧ろスペイン側の敵と言えるのでは?」
「主観混じってないか?それ」

バーサーカーの結構な偏見に苦笑しつつ、条件に合う人物を探る
スペインの敵……軍艦を用いる、それに女性。これら全てに合致する人物は……


「もしかして、スペインは無敵艦隊か?それを倒した人物は……」
「フランシス・ドレイク。ですが、彼は男性。女性では無いので条件からは外れます」

 ……なら、答えは一つ。直接的に倒したのでは無いのなら、それを指揮した人物こそ……

「……エリザベス一世。この人物なら、全ての条件を満たす」


 無敵艦隊を撃破し、一躍イギリスを列強国へと押し上げた、処女皇帝とすら呼ばれた純潔の女王
 それこそが、セイバーの真名。……実は、この時途轍もない思い違いをしていたのだが、それはまた別の話である……




【という訳で、本日はここまで。お疲れ様でした】

【どこら辺で二騎の真名がわかったのかは気になる所。既出なのでごり押せばわかるのですが……】


【「フランシス・ドレイク。ですが、彼は男性。女性では無いので条件からは外れます」】

【に、誰も突っ込まなくて私は悲しい……】

【今日は初手自由安価なのですが、人はいますか?】








「……やっぱり、ランサーはキマイラか」
「神話の怪物が相手とはな。……やり辛いが、手はあるだろう」
「身体が粘土みたいなのが厄介なんだよなー。首を落としてもケロッとしてるし」


およそ朝の食卓に似つかわしくない、血生臭い話題で目玉焼きをつつくアーディー
バーサーカー陣営だけではなく、セイバー陣営もランサーの正体に気付いたのだらう
苦い顔を浮かべながら朝食を食べる二人。それよりも貴方が気になる事が


「……なあ、セイバー。どうして急にスーツを着始めたんだ?」
「失礼を承知で申し上げますが、私達は貴公の真名を既に暴いています」

セイバーの服装だ。昨日までは高価なドレスを身につけていた彼女が、今ではシンプルなメンズスーツに身を包んでいる

「ああ、その事か……。真名についてはもう隠すつもりは無い」
「私が家に注文したんだ。セイバーの為に男用のスーツを持ってきてって」
「いや、だからもう……」「僕は男だ」


「隠す必要は……は?」「今、なんと?」
「僕は男だ。女王じゃない」


愕然。貴方とバーサーカーは思わず持っていた箸を落とす
そんな様子を気にする事無くアーディーは味噌汁をすする


「……な、なあ。セイバーの真名って」
「エリザベス一世。間違いないはずですわ」
「そうとも。我が名はエリザベス。日の落ちる事の無い国を落とした国の王」
「おかしいだろ!?本当に男なのか?お前」
「失礼な!僕が嘘をついていると言うのか!」
「じゃあここで脱いでみろ!」
「ふざけるな!止めろ!うわぁああ……」



「……知っていたのですか。アーディー」
「そりゃ、自分のサーヴァントだし」
「なら、何故教えてくれなかったのです?」
「聞かれなかったし……なら、別に言わなくてもいいかなって」





「本当だ、男だ……」
「うぅ……ぐすっ。酷い目にあった……」

一通り服を剥かれ、涙目のセイバー
貴方もようやく納得したのか、再度席に座る

「でも、なんで女王が男に……バーサーカー、まさかとは思うけど」
「言っておきますが、私は女ですわ!歴史の上でも、現在でも!」
「でもバーサーカーって結構勇ましいというかたくましいっていうか」
「イケメンだよな!」「そうそう!」

「二人とも、何か言い残す事は?」
「止めてくれ……朝から喧嘩は頭に響く」

額にビキビキと青筋を立てるバーサーカーを、やんわりと諌めるセイバー
セイバーに免じたのか、矛を収める。……それはそれとしてマスターを睨んではいるが


「けど、どうして男が女王に……?」
「それは、まあ深い訳が……話すと長くなる。今は止めておこう」
「よく露見しませんでしたわね。確か、晩年まで玉座に君臨したはずですが」
「なにも民衆の前で裸体を見せた訳ではない。肌さえ見せなければ誰も気付かない」

「ですがこうも言っていたではありませんか。太陽を落とした女。と」
「それは彼女の事を言ったんだ。……サー・ドレイク。僕が騎士勲章を授けた女性」
「ん?」


セイバーの発言に、アーディー含めた全員が首をかしげる
当の本人はきょとんとした顔。何がおかしいのか理解していないようだ


「……ちょっと待ってください。今、なんと?」
「だから、サー・ドレイクは女性だ。……知らなかったのか?彼女を」
「「知るかーーー!!!」」


アーディーとバーサーカーの絶叫が響き渡る
……この世の中、デタラメばかりだと痛感する貴方なのであった






「なァ聞いたか!?隣のクラスの奴が、野良犬に襲われたってよ!」
「聞いたよ!怖いよね~。大怪我して暫く入院するって聞いたけれど……」
「私の耳にも入っているぞ。顔や腕といった部分が食いちぎられ、スプラッタもかくやと言う有り様!」
「特に、顔は整形せねばならぬ程の悲惨な状況らしい。命があるだけ儲け物かもしれんがな」

「やけに詳しいなオメェ!さては犯人だな!」
「失礼な。私には独自の情報網があってだな」
「具体的には禍門の家のアドバイザーの方に、交渉に交渉を重ね私にも情報を回してくれる事になったのだ」
「わぁ!そうなんだ、凄いねえカナちゃん!」
「何だよソレ!いつもカナばっかりいい情報が行ってるじゃねーか!」
「そうは言うがなマキの字。汝、あの時のインタビュー中はずっと会社の収益の事ばかり聞いていたじゃないか!」
「将を射止めんとするならまず……という事だ。これを期に周囲に気を配る事を覚える事だ!」

「あーチャクラとか水見式でやる的な?」
「違うそっちの気じゃない!!」


……クラスの中はてんやわんや。昨晩のバケモノの話で持ち切りだ
情報源は新聞部の三人だ。既にスクープとして全校内にばら蒔いているのだろう


混乱もあるが、話をする事は出来そうだ。誰かに話を聞いてみよう



選択可能メンバー 20:55から
クラスメイト(新重、千呼、新聞部トリオ)
生徒会(潮、林道、アキラ)
その他(アーディー)
↓3まで内容含めて





「よ、随分元気そうだな」
「庶務か。酷い言い種だな。我々は何も誰かの悲劇を嬉しがっている訳ではない」
「そうだぜ~。あくまでも新聞部として、ネタを提供しているだけだって」
「私も本当に心配しているんだよ~。野良犬に噛まれて大怪我なんて、怖いもん」


新聞部の三人は普段通りだ。とはいえ、その顔には焦りの色が多々残っている
恐らく野良犬ではない……何か別の存在に襲われたという事実を、この三人は意図せずして隠している


「それで、我々に話しかけたという事は何か情報が欲しいんだろう?」
「いや、まあ、くれるなら……」
「いいんだヨ!私達も色々調べているもん」
「大変だよなー物騒な世の中になったモンだぜホント!」


三人の意見は様々。けれど、どれも新聞部としての誇りはあるようで
ならば遠慮せず。と聞いてみる。結果は……




1234:ダメでした
567:襲われた生徒について
89:???
↓1





「……よ、アーディー。話、聞いたか?」
「聞いた聞いた。……センパイの所の新聞部ってなんか凄いよね」
「同感」

授業の合間、一年生の教室へ向かいアーディーと接触する
幸い、一年生は教室の移動はしていなかった。彼女はクラスの中で、他の生徒と談笑していた

「なんかゴメンな、友達と話してたんだろ?」
「……いや、いいんだ。で、やっぱり昨日のバケモノについてだろ?」
「ああ。やっぱりそっちでも話題になってるのか?」
「うん。何でも二年生の女子生徒みたい」
「マジか。あいつらプライバシーだのなんだのでろくに教えてくれなかったぞ」


無駄に守秘義務を守る辺り、彼女らもジャーナリストの鏡である
そんな事は置いておいて、話を進め出した


「で、アーディーの家は御三家だろ?何か手を打っていたりするのか?」
「ううん。神秘の秘匿さえ守られているなら何してもいいっていうのが大方の見解みたい」
「これが頻発するようなら考えものだけど……」

「……大丈夫だって!私だって考えはあるから」
「考え?」



123:こう、外出は自粛して貰うとか
456:ロベルトに頼んで保護して貰おう
789:私の仲間を呼んだんだ!
↓1





「……こう、外を歩くのを自粛して貰うとか」
「それ、根本的な解決にはならないんじゃ……」


もじもじと指を弄りながら、そっぽを向いて答えるアーディー
微妙そうな表情を浮かべる貴方。アーディーはむっと反論する


「し、仕方無いだろ!犯人やどんな相手かわからないのに手の打ち様も無いし!」
「そうだよな……」
「あ、けど大丈夫!仲間を呼んでおいたから」
「あいつ、頭は悪いけど機動力はあるし……センパイとも仲良くなれるよ!」
「へえ……それで、いつ来るんだ?」


123:「……道に迷った?」
456:ちょっとよくわかんない
789:明日の夜には
↓1


2:「ねぇ、今どこ?」「地球ん中」



「えーっと待ってて!今連絡してみるから」


スマホを取り出し、連絡用のアプリを起動する
ちょうど連絡が来ていたらしく、ぱっと顔が明るくなる……
……と、同時に苦い表情へと変わっていく


「どうした?アーディー」
「道に迷った、今どこにいるかわからない、とりあえず近くにいたシーサーに聞いてみる……」
「最南端!?」


……どうやら、その援軍は相当に頭が悪いらしい
何をどうしたら、日本の最南端に行ってしまうのか……


「……ごめん。また連絡する」
「お、おう」







「……ふぁ~!おっきいねこさん!さばますしに行きたいんだけど!どうすればいい!?」
「お嬢ちゃん、それ獅子舞だぜ?」




そんなこんなで、本日の授業は終わり放課後に
今日は週末……明日からは二日間の休みである
生徒達は皆どこか浮き足立ち、狂犬騒ぎはどこ吹く風。休日に向けてはしゃいでいた

「あ、庶務君。少しだけいいかな?」
「新重!どうかしたか?」

そして、ここにもそんな二人が。新重のどこかそわそわとした雰囲気は、貴方も否応無く意識してしまう

「早く帰った方がいいぞ?なんか、野良犬が出てるみたいだし」
「ここの所、物騒だしな。新重も何かあったら心配するぞ。俺」
「あ、それなんだけど、ね……」


「お願い!今日、私と一緒に帰ってくれないかな?」「えっ!?」

唐突なお願い。それは貴方の心を揺さぶるには充分すぎる
目の前の女子は手を合わせてお願いのポーズ。上目遣いで頼む仕草は、男子の心を鷲掴みだ
前屈みになる事で、その豊かな胸は重力で更に主張し……


「って新重!どうして俺に!?」
「だって君しか仲のいい男の子いないし……」
「それに、生徒会で一番仲がいいって思うんだよね。私と庶務君」


「だから、ね?お願い!一緒に帰って!」



22:25から一緒に帰るかどうか。台詞もあればお好みで
↓3




「……わかった。少し待っててくれるか?」
「本当!?ありがとう!」


……なんにせよ、クラスメイトである新重の安全は貴方も気にしている事
ならば、断る理由等は無いだろう。気になっている女子からの頼みなら尚更に


「取り敢えずアーディーに連絡いれとくか。それと後は……」
『………………』
「バーサーカー。違うんだこれは。俺はただクラスメイトの安全をだな」
『はぁ……まあいいでしょう。見ている私としては面白くありませんが』


その後、アーディーから了承の連絡が届く。なるべく早く帰ってこい。とも
ともかくこれで準備は万端。新重も準備を終えた様で、校舎の外で待っていた



「ごめん!遅くなった」
「いいよいいよ!それじゃ、行こ!」




123:チンピラに絡まれる
45:何もなく終わり
67:妙なウワサ
89:???
↓1


5:何も起こらずおしまい


【という訳で本日ここまで。お付き合いありがとうございました】


【可愛い女の子を連れていると絡んできません?チンピラ(偏見)】

【それでは、本日は更新する前にどうでもいい安価を】

【色々いるけど、結局貴方の女の子のタイプって?】

1:プロローグで絡んできた謎の少女
2:アキラ
3:バーサーカー
4:アーディー
5:千呼
6:マリア
7:ルシフェル
8:キャスター
9:新重
0:セイバーが男じゃなかったらなあ
↓1


3:「バーサーカーかな……いや、理由はわからないけど」

【ありがとうございました。それでは本編をどうぞ】





「……あ!あそこのクレープ美味しいんだあ」
「ねえ、庶務君も一緒に食べよ?ね!」
「それ、俺に奢らせたいだけじゃないか?」
「えへ。……バレちゃった」

「ここのゲーセン、クレーンゲームが簡単だって聞いたんだよね」
「ねぇ……少しやってみようよ」
「いや、早く帰らないと……」
「…………ダメ?」「少しだけなら……」


中睦まじく二人で話す高校生。傍目から見れば恋人同士に映るかもしれない程に仲良く歩く
日も暮れ始め、空が紫に染まり始めた頃、新重はある一つの家を指差して立ち止まった


「ここ、私の家だよ。……今日はありがとう」
「大丈夫だって。このくらい」
「そうだ。お茶してかない?悪いしさ」
「いやいいって。最近なんか危ないし……」
「ほら、野良犬だっけ?あれも外をうろついているしさ」
「……わかったよ」

拗ねた様に頬を膨らませる新重。思わずドキッとするが、流石に長居する事は出来ない
手を降りながらさようなら。新重は目を伏せ、家の中に


『……マスター。貴方、あの女に心を許し過ぎではありませんか?』
「そうか?クラスメイトだし、当然だろ」
『まあ、貴方の交遊関係に口を出すつもりはありませんが……覚悟はしておいてください』
『貴方には、自らの願いすらないのですから』


願い。その単語にびくりと体を震わせる
夜はまだ始まったばかり。貴方の悩みは解決するのか……







……夜の帳が町に落ちる。戦争がまた始動する
貴方とアーディーは外を歩く。一般人を襲った凶行を行った犯人を突き止める為に
ある一角で立ち止まる。そこは、夕方に貴方が通った道だ


「さて、襲われたのはだいたいこの辺りだって聞いたぞ!」
「……ここ、新重の帰り道だ」
「新重センパイも今後襲われる可能性があるって事だよな……気を付ける様言っといて!」

「では、私がルーンで捜索してみます。何か手がかりがあるかもしれませんわ」

バーサーカーが空に文字を描き、光が飛び散り霧散する
セイバーも剣を構え、冷静に周囲を警戒する様に守りを固めた




1234:何も得られず
56:サーヴァント強襲
78:成果あり
9:???
↓1


9:“心臓を、寄越せ”



「……ダメですわね。何も残されていませんわ」
「こっちもだ。完全に証拠が消されてる」


バーサーカーが首を降り、成果が無かった事を周囲に伝える
どうやら本日の結果は空振りの様だ。早々に切り上げ、退散する素振りを見せる

「もう帰ろうか。ここにいても何も無いし」
「そうだな……そろそろ戻……」


“──お前、達”


「……?センパイ、何か言った?」
「いや、何も……っ!?」

振り向く貴方。彼が見たのは道に佇む異形の男
身体中は返り血で真っ赤に染まり、顔に付けるは鉄の仮面
それ以上に、あの男からは……危険だと、頭の中の警報が叫んでいた

「マスター!下がっていろ、こいつ、明らかに異常だ!」
「貴様、何者だ!要件だけは聞いてやる、話すがいい!」

バーサーカーの問いに、怪物は唸る。まるで、月に吼えるかの様に



「心臓を、寄越せ……!!!」



123:初手奇襲
456:普通に真正面から
789:連れてきてなかった
↓1


4:正面から出てきてくれる



「バーサーカー、頼む!」
「わかっている!下がっていろ、マスター!」

バーサーカーの指示で背後に下がる。セイバーも同様に、アーディーを自らの背後へ
二人は正面に呻く怪物を見やる。どうやら身体に異常をきたしたらしく、小刻みに震えながら壁にもたれ掛かる
弱々しく、びくりと跳ねる。その姿を好機と見なした二人は、剣を怪物に向け──


「あら、虐めるの?こんなに、こんなに可哀想なのに」
「な……アサシン!?」
「アサシン?それは私の事?失礼ね、私にも名前はあるのよ?もう忘れてしまったけれど」


虚空から現れ、降り立つ少女。
恐らくバーサーカーよりも年若いであろう少女は、あろう事か怪物の前に立ちふさがった

「貴方達、もしかして貴族?だとしたら酷い事をするのね。ノブレス・オブリージュ。教えられた覚えがあるの」
「だとしたら、何だと言うのだ?」
「そうね。けれども、私は私じゃない。なら、私は守らなくてもいいのかしら?」
「なんだ……話が噛み合ってない……?」

セイバーは目の前の少女に怪訝な顔をする。目はどこか遠くを見つめ、話は全く通じていない
そんな、どこかちぐはぐな印象のサーヴァントを与えるアサシン。突如怪物に歩み寄ると、その身体に腕を突っ込んだ


「あ、があ、あぁあぁぁ……!」
「いい子、いい子。よーしよーし」
「うっ……!気持ち悪い、センパイ……」

ぐじゅりぐじゅりと肉をかき回す音。それが否応無く不快感を煽る
アサシンは満足したのか、血濡れた手を引き抜き血を啜った


「それじゃあ、貴方達には死んで貰わないとね?気持ち良く死んでくれると嬉しいけれど」


澄んだ目で告げる死刑宣告。今、ここで新たな戦闘の火蓋が切って落とされた





『アサシンのステータスを開示します』

┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:アサシン
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┓
  【真名】:???                【属性】:混沌・悪
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━┳━━━━━━━┓
  【筋力】:E(10)   【耐久】:B(40)   【敏捷】:E(10)   【魔力】:A(50)   【幸運】:E(10)    【宝具】:A
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫



【それでは本日ここまで。次回アサシン戦】

【お付き合いありがとうございました】


【少し気分が優れないので本日はお休み】

【明日は必ずやりますので、お待ちください…】


【本日は更新。少しだけ……】

【人はいますか?】




「それじゃあ、死んでね。なるべく痛くならない様に頑張るわ」


アサシンの背中から生える奇怪な翼。小柄な体躯に反し、身の丈を越えて飛び上がる
月を背にして空を舞う。その姿からは幻想的と言うよりも、非現実的な気味悪さを感じさせた

「セイバー!あの砲撃で」
「無茶を言うな!こんな場所で撃てるか!」

現在時点は民家の近く。ここで大砲を撃てば、周囲に被害が出るのは火を見るより明らかだ
知ってか知らずか、セイバーは不利になる場所で襲われた事になる。周りの被害を無視出来るならば簡単に落とせるのだが……


「ここは私が……《氷結(イス)!》」
「あら?冷たいわ、まるで私の身体みたい」


まごついているセイバーを横に、バーサーカーがルーンを飛ばす
たちまちアサシンの翼は凍てつき、動きが鈍くなる……が、それでも止めるには至らない
フラフラと浮き、此方を観察する。攻撃するにも逃げるにも中途半端な行動だ

「く、ボウフラ女が……セイバー!奴のマスターを叩け!」「わかった!」
「気をつけて!アイツ、普通じゃない!」

業を煮やしたバーサーカー。アサシンを狙う事を諦め、マスター……仮面の怪物を倒そうとする
セイバーが剣を構え、首を切り落とそうと……


「う……ぐ、あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!?!?」
「っ!?」


絶叫した。まだ首どころか、一歩進んだだけであるにも関わらず
苦しそうにのたうち回る。その姿に何か思う事でもあったのか、アサシンは降りてくる


「もう。だから早く死になさいって言っているのに、仕方ないんだから」
「ぁ……あ、さ、し」
「はいはい。帰るわよ、朝が来たら困るもの」

「逃がすものか!」「待て!深追いするな!」


「……心、臓を」「はいはい。お腹が空いても我慢しましょうね」


四人を残し、アサシンと怪物は闇夜へ消える
血生臭い匂いは、いつの間にか消えていた





【その頃他の人達は】

123:反撃のガイスロギヴァテス
456:ライダー、街を往く
789:禍門家家族会議
↓1




……貴方達が怪物と戦って数時間後
喧騒が響く雑踏に、黒衣の青年が歩いていた
夜も更けて微睡みにつく頃。未だ眠らぬ人々へと冷めた視線を向け、歩く

「……わからないな。人間は」

ぽつりと独り言。かつて生きていた時より遥か先に生きる人間は、不可解な事ばかりだ
それでも、考える頭と足は止めない。それだけを為すべきと示すかの様に
……わからないと言えば、自らのマスターもだ。アレは理解しようとして、早々に諦めた
不可能。というより、不必要。という意味で


「フ、まあいい。好きにやらせておくか」
「だが、後二回……それ以上は……」


人気に当たり多少気分が高揚したのか、青年は普段よりも饒舌に語る
その背後に迫る影を、知ってか知らずか……



123:アーチャー
456:マリア&キャスター
789:自分のマスター
↓1



7:マスターだった



「……貴様か」

弦が鳴る。その喧しさに眉を潜めて振り替えると、そこには件のマスターが
蹴飛ばして黙らせると、黒衣の青年……ライダーはマスターへと冷たい視線をぶつけた


「言ったはずだ。俺は俺のやりたい様に、貴様は貴様のやりたい様にする……」
「何の用も無いならば、俺の名を呼ぶな」


あろう事か、自らのマスターへの不快感を隠さずに吐き捨てる
ライダーとそのマスターは、陣営ですらない。互いが互いを利用し合う殺伐とした関係だ
当のマスター本人は嫌悪感等どこ吹く風。ただ自分の伝えたい事だけを話す


「……下らないな。それを俺にやらせるか」
「ああ、いいとも。その非礼、免じてやろう」
「それで……いつやるつもりだ?」

問い掛ける。その声は、先程よりも冷えていた



123:割りとすぐ
456:まあそのうち
789:決めてなかった
↓1


8:やるという事だけ



「……決めていない。か、そうか」
「いや、何。怒っている訳ではないさ」
「だが……。いや、何でもない。俺は戻ろう」


「くれぐれも……いや、好きにするがいい」


言いたい事だけを伝え、突風に乗り天に向かう
残されたのはマスターだけ。自分も戻ろうと踵を返すと……


『……?……!…………!』
『……!…………?』


後ろには複数の男性が。どの目も欲望に光り、ギラギラと淀んでいる
肩を掴まれ、無理矢理に路地裏へと連れていかれる。そして……悲鳴


ぽんぽんと手を叩き、出てきたのはライダーのマスター
その日、路地裏から人が出てくる事は無かったらしい





「センパイ、おはよー」
「おはよ。今日は土曜日だけど、どうする?」
「そうだなあ……私は一度、本家へ連絡してみようかな。何かあるかもしれないし」
「僕は陣を構えるとしよう。ここに敵が来ないという保証は無い」


学校の無い土曜と日曜。アーディーとセイバーは独自に行動を起こしていた


「マスター、貴方はどうするんですの?まさか日がな一日のんびりしている訳は……」
「そんな訳無いだろ!ちゃんとやるよ」

そして、貴方とバーサーカーも……
自らの願いを勝ち取る為に、動き始めた



22:15から自由安価
クラスメイト(新重、千呼、新聞部トリオ)
生徒会(潮、林道、アキラ)
その他(アーディー)
↓3


【アーディー、潮、一つ下がって新重でここまで】

【本日はここまで。お付き合いありがとうございました】


メタ的に考えると林道は募集キャラじゃないから(募集で学生男子いないし)、マスターはまずない
募集キャラじゃないから死なせたりしやすいというのも確かっぽい…?
たぶん募集キャラは最初から死にそうなキャラか自業自得的な悪人以外死ななそうなんだよな


【念願のwikiメンバー登録。やったぜ】

【本日はデータを読み漁りたいのでお休み。明日はやります】

【それと、三連休は少しごたついているので更新は通常運行となります】

>>683
【はははそんな馬鹿な()。……実際死にそうな人って誰がいるのか】


【本日もちまっと更新】

【大丈夫ですかー?】




「……では、まずは何をするおつもりで?」
「それなんだけど……俺達はアーディーと同盟を組んでいるだろ?」
「だから、その連携を取るべきだと思うんだ。ワンチームって訳じゃないけどさ」

「マスター……貴方、どうかしたんですの?急に真面目な事を言って」
「俺、そんな変な事ばっかやってるか!?」
「冗談ですわ。仮にも、貴方は生徒の前に立つ存在ですもの……ふふふ」
「なんだよその笑い……」


軽口を叩き合い、アーディーの連絡を待つ
坂松の御三家、エーデルワイス。彼女の家の力を借りる事が出来れば心強いだろう
その為に、まずは家の事を知る必要がある。確か、ルシフェルは『天使に恋した一族』と呼んでいたが……


「……え?家の事を教えて欲しい?」

連絡を終えたアーディーに話しかける。彼女は少し考えると……



【個人の問題じゃない】-1
123:ゴメン!言えない!
456:遅れてる子の事まで
789:詳しい面子まで
↓1


3:どんな家かだけ



「……ゴメン!それは言えない!」
「私だけの事だったらいいんだけど、勝手に他の人の事を話したら当主様が何をするか……」
「当然ですわね。敵に内部の情報を話すなんて背信と思われても仕方がありませんもの」

アーディーは両手を合わせて、頭を下げる
家の事は教えられない……本当に申し訳無さげな態度には、此方としても引くしかない
……背信。と言うバーサーカーの顔が少し哀しそうに見えたのは、気のせいだろうか


「でも、エーデルワイスの家自体なら教えても問題ないかな……セイバー?」
「僕に振らないでくれ……いいんじゃないか?」
「なら大丈夫か!……エーデルワイスは、天使と会う事を目的にした魔術師の集まりなんだ」
「降霊術とか……それに特化した魔術師の家を取り込んで、どんどん大きくなっていったんだ」
「全ては、天使に会う為……天使と結ばれる為」

「……天使と?その、貴女の家を悪く言う事をしたくはないのですが」
「貴女達の家の人間は……それに、疑問を抱かないのですか?」
「うん。それが全てだから」


遠い目。遥か遠くを見つめるアーディー
昔からそう決まっていたから。それだけの理由で天使と結ばれる人間がいる
それでいい……


「……ふざけるな!本気で、それでいいと言っているのか!?」
「バーサーカー!?止めろ!」
「答えろ、アーディー!本当に、そんな望まぬ婚姻を……」
「…………バーサーカー」
「すまない、バーサーカーのマスター。少し、外に出ていて欲しい」
「……わかった。行こう」「…………ええ」








セイバーに促され、外に出る
幸いまだ日は高く、出歩く時間には丁度いい
とはいえ、当てがないのも確かで……ブラブラと歩いていた

「どうしたんだよバーサーカー。らしくない」
「失礼しました……。私とした事が、あの程度でカチンときてしまうとは……」
「その要素あったか?」
「いえ。まあ私的な感情で……」
「……お、メールだ。アーディーからか?」

話の最中に、震える携帯。その画面には『潮会長』と映っていた

「会長からか……なんだ?急に」
「あのいけ好かない女からですか……無視しません事?どうせろくでもない案件でしょう」
「そうもいかないんだよ……もしもし?」


『ああ、貴様か……。……どうだ?元気か?』
「え、何か悪いものでも食いました?」
『貴様こっちが心配してやったのになんだその口の聞き方は!?次会った時には縫い付けてやろうか!』


電話口から聞こえてきた心配の声。通常の二人の関係性を知る者が聞けば、耳を疑うだろう
とはいえ、それはすぐに元通りになるが……


「そうそう。最近野良犬が出ているみたいっすから、会長も気をつけてくださいね」
『フン、貴様こそ。精々件の野犬に噛まれん様に注意を払う事だな!』
「それと、何かやって欲しい事とかあります?暇ですし少しくらいならやれますよ」



123:『黙れ!余計な世話だ!』
456:『なら生徒会の連中と連携をとれ!』
789:???
↓1





3:全体的に出目が低い



……人の心は複雑なもので
よかれと思って言った事でも、言われた当人には全く響かなかったりする場合もある
そして、酷い時には……侮辱として捉えられる事すらあるのだ


『黙れ!余計な世話だ!貴様如きが心配だと?馬鹿にしているのか!?』
『この唐変木の低能が!この私が』


「おっと、手が滑ってしまいましたわ」
「バーサーカーーーー!?!?」

携帯を奪い、電源を落とす。慌てて取り上げて起動させようとして……止めた

「……今からかけ直しても怒るだけだよなあ」
「そうですわね。また次回に回しましょう」


ニコニコと微笑むバーサーカー。彼女に逆らうと何をされるか……
実際の所、そこまで凶暴ではないのだが……貴方の知るよしではないだろう


「さて、もう少し歩いてみるか。バーサーカーも来るか?」
「お供させて頂きます。上手くエスコートしてくださいね?」
「大袈裟だな……」


二人並んで、街並みを行く。来るべき戦争を、今は忘れる様に……



【本当にちょっとだけで本日はここまで】

【少しだけですが、お付き合いありがとうございました】



【本日はお休み。けど明日は早くからやる予定】



【早くやる(三十分)】

【人はいますか?】




さて、時は夕刻頃
貴方とバーサーカーは、帰路へとつく為に、足早に家を目指していた

「バーサーカー。無理に、とは言わない」
「けど、もうちょっと節約してくれよ……」
「な、失礼な!これでも私は自重しています。マスターこそ手持ちが少な過ぎですわ!」
「普通の男子高校生の平均だと思うけどな……」


「あ、庶務君。女の人連れて、どうかした?」
「げっ、新重!?」「あらあら、まあ」

ばったりと。意図しないタイミングで出会ってしまった……という顔を浮かべる貴方
バーサーカーはきょとんとした顔をする新重と見比べると、意地の悪い笑みを浮かべ

「あら、ご機嫌よう。貴女が彼の話す可愛らしいお嬢さん?」
「ちょ、おま「え?そんな風に私の事を話してたの?」
「いやまあ……」
「えー……なんか照れちゃうな。ありがと、庶務君」「お、おう」
「ええ。それはもう本当に。特に胸の部「止めないか!?」


余計な事まで口にする前に、慌てて口を封じる
それよりも。と話を変える為に、貴方は新重に声をかけた

「新重。なにかあったか?昨日の事もあるし」
「デートのお誘いなら、もっと洒落た言い回しをオススメしますわ」
「黙ってて!?」



123:特には無い
456:街の噂話
789:実は……
↓1


2:特にはない



「え、平和だよ?怖い人とか見ないし」

ほわんとした顔で、何て事無いように答える
本当に、街に驚異は無いという表情で、彼女はけろりと言った

「そうか……ならよかった」
「残念そうですわね。マスター」
「あはは。変なのー」
「笑わないでくれ。事情が……」

貴方とバーサーカーの言葉に、ケラケラと無垢に笑う新重
いたたまれなくなった貴方。バーサーカーの手前、下手に声をかけると茶化されるだろう
真っ赤になる貴方を笑う。それも見かねたのか助け船を出してきた

「……ですが、万一何かあっても困ります。入り用であれば、是非ともお声かけ下さいね」
「あ、どうもー。じゃあね、庶務君」


手をふりふり、去っていく
気恥ずかしい様な、ほっとした様な……奇妙な感覚が包んでいた





【ちょっと試しにランダム行動を取り入れてみたいと思います】

【酉に陣営が書かれてますので、1~7まで、好きな数字を書いてください】

↓1、2


#剣+狂暗弓騎狂魔槍



【という訳で、貴方達とライダー】

【次はイベント。何があるか】


123:当主が来る
456:情報収集しよう
789:なんかサーヴァントを見かけるよ
↓1


2:当主が来る



「ごめん、アーディー。ただい……っ!?」
「しっ!センパイ、早く二階に!」
「わ、何だ急に!?」「いいから、早く!」
「……わかった、行くよ」

貴方が散策から帰って早々、手を引かれる
アーディーの顔は危機迫ったもので。だから、貴方は反論もせず、素直に二階へと向かった
……しかし、ここに納得の行っていない者が存在する


「……怪しいですわね。唐突に二階へ行けとは」
「いいじゃないか。何かあるんだろ、多分」

「そんなものがあるなら、最初から家に来いだなんて言わないはずではなくって?」
「恐らく、私達に隠しておきたい何かがある。もしくは会わせたくない誰か……」
「仮に、セイバーと別の陣営が影で結託し、私達を陥れる算段が……」
「そんな事するなら、最初から同盟なんて組まないだろ。見つけた時に倒せばいいんだから」

キッパリと否定する。その感情は強めに
毅然と返す貴方の言葉に、ふむと少し考え込む


「……では、こうしましょう。私が様子を見てきます。何か不審な事があれば報告しますわ」
「大丈夫か?セイバーに気づかれるんじゃ」
「ルーンで誤魔化しますわ」
「本当にルーンって万能だなぁ……」


感心する貴方を他所に、バーサーカーが部屋を出る。淡々とスパイの様に、光の漏れる部屋を目指して






「……いや、凄いねぇ!あのガイスロギヴァテスのボンボンを叩きのめすなんてさあ!」
「えーっと、ドミトリイだっけ?ボクとしても本当に助かるよ。キミは天才だ!」
「はい!お褒めの言葉、光栄です!」


……部屋ではアーディーと少年が談笑していた
足を降りながら嗤う少年。その無邪気な表情と相反する禍々しいオーラに、思わずひっそりと顔をしかめる
そして、それを意に介していないかの様に話すアーディー。その姿からは、崇拝に近いものを感じられた


(……あの男、何者だ?おおよそまともな人間とは思えない)


バーサーカーは思案する。目の前の男と、自らのマスターが組む相手の関係を
事と次第によっては、マスターに同盟の解消を提言しよう。そう心に決めながら

「流石はアーディーだ。ボクの見込んだ子供なだけはある」
「キミの天使に対する想いは、ボクらの中でも随一だ。信用しているよ、アーディー!」

 ◆狂愛C
 彼女自身は見たことすらない、先祖から受け継がれエーデルワイス家を代々蝕む、天使への狂った愛。
 天使への愛が失われない限り、彼女は決して折れることがないが、その愛を成就するために手段を選ばず、また天使第一の思考や行動が他者から推測されやすくなる。
 しかし、彼女は同時に天使の伴侶に相応しくない振る舞いは取るべきでないという思考も持っており、デメリットが緩和されている。

「はい!私は天使の伴侶となるべく日々研鑽を重ねております!当主様、何なりとご申し付けください!」
(……当主!?)

目の前の少年に跪くアーディー。その光景は、明らかに異様だ
戦慄するバーサーカー。その事を知らずに、当主は彼女に勅命を下す

「ん?今何でもって言ったね。なら……」



123:イレギュラーのガキ殺してくんない?
456:禍門の姉妹消しといて?
789:これからも頑張ってねー
↓1


4:狙われた千呼とアキラ



「実はさあ……禍門の連中がウザくてさあ」
「なーんか強い英霊を引き当てて調子に乗ってるって言うかあ……」
「徒党を組んで、増長してるって言うかさあ」

ふんふんと鼻唄を歌いながら、当主は語る
態度とは裏腹に顔は歪んでいく。心底嫌な事を話さなければならない様に

「だからさ、正直な話、真正面で相手したくは無いんだよね」
「つまり、マスターを狙え。と?」
「そう!ボクの予想だと、多分憂午や社長、当主はマスターやらないと思うんだよ」
「だからさ……学校に禍門の姉妹がいるだろう?どっちかがマスターのはずだ」
「あいつらの事だ。学校であのバケモノを呼び出す事はしないだろう」
「そこでアーディーの出番だ!校内なら幾らでも接触出来るだろ?」
「パパッと消しといてくれないかな?」

打って変わって、あっけらかんと。まるで宿題の変わりを頼むかの様に
いとも簡単に、姉妹を殺してこいと命じたのだ


「ですが、リスクもあります。私も御三家の人間であると向こうも承知しているはず」
「うん!だから、片方だけ仕留めて、そいつを餌に禍門と交渉しようと思う。娘の命を切り捨てる様な連中じゃないからね」
「……ま!どっちにせよあの姉妹は有用だ。生け贄は多い方がいいからね!」


「……わかりました!このアーディー・エーデルワイス、必ずや達成してみせましょう!」
「その息だ!ようし、ボクは帰るよ。これからも戦争、頑張ってねー!」


その答えに満足がいったのか、当主はご機嫌に去っていく
残されたアーディーは、貴方に伝える為に部屋へ向かおうと

「……外道が」
「バー、サーカー……っ!?」
「いつの間に……!下がっていろ、マスター!」

軽蔑した様に吐き捨てる。その気迫に立ち向かう様に、セイバーが前に立つ
一触即発。先に引いたのはバーサーカーで、剣を納め


「心底見下げた女だ。汚らわしい」
「………………」
「その腐った性根、よくわかった。……ではな」

霊体化し、目の前から消える
俯くアーディー。その姿に同情する様に、セイバーは彼女の肩に手を起く
まるで、慰めるかのように……




【本日はここまで。最近書くペースが落ちている……】

【お付き合いありがとうございました。それではまた】



【ごめんなさい。今日はちょっと予定が入ってしまったのでおやすみ。明日には必ずや】

【それと、アーディーは貴方を消せと言われていたら即答していました。どちらにとは言いませんが……】


【それでは更新】

【早速安価ですが人はいますか?】


【ようし再開しちゃおう】

【結局、ライダー何してるの?】
123:町ブラ
456:過去の事を思い返す
789:なんかサーヴァントとやりあってるよ
↓1


1:町ブラ

【入れておいてアレですがこれだとシナリオ進まないので再度安価】

【ライダーの町ブラの目的は?】
123:本当にただの暇潰し
456:過去と今を比べてうんぬん
789:実は……
↓1


6:過去の人間も今の人間も変わらんな



「………………」

黒衣をはためかせ、闇夜を行くライダー
彼の眼に映る人間は、どれもこれもが同じ風に見える
姿ではなく、在り方が。どの人間にも、欲望の澱が醜く溢れる

実に醜悪。実に劣悪。己の事しか考えていないそのおぞましさに怖気が走る
それでも、彼は考える。人間とは何ぞやと

「らしくない。当に理解したつもりでいたが、まだまだ甘いという事か」

かつて人に裏切られ、人に葬られた黒王は苦笑する。自分も嘗ては同じ存在であった事に
考えても答えは無く。だからこそ、彼は考えを止める事は無いのだろう


風が吹く。その一陣に周囲の人々は微かにその方向を振り向くも、既に何もなく
気紛れかとまた動き出す。その営みは、何も変わらずに







「千呼と、アキラを……!?」

エーデルワイスの当主が離れた数分後。貴方は相棒たる女性により、事の顛末を聞かされた
禍門の姉妹であり、貴方の親愛なる友人である千呼とアキラを始末しろ。と語った事
そして、何よりも驚いたのは……それを即答し、受け入れたアーディーの対応だった


「なんでそんな事を!そんなの!」

「これは戦争だ、決闘じゃない。卑怯卑劣な手を使おうと、批難される謂われは無い」
「そして、同じ様に批判する道理もない。……僕は彼女の剣。命じられれば、従うのみ」
「相手もその事は理解しているはずだ。故に、彼女を誹謗する資格は無いと知れ」

淡々と返すセイバー。その言葉には、さしものバーサーカーすら何も言い返さず
戦争という場がどの様なものかを知っているが故の沈黙。それを許さない程彼女は甘くはない
貴方もそれを理解してはいる。感情を勘定に入れなければ。の話だが

「……センパイに迷惑はかけないよ、絶対に。私が、全部やる」
「だから、センパイは何も気にせず……」
「気にしない訳無いだろ!アーディーも、千呼も、アキラも……」
「全員、俺の大切な人なんだよ……」

絞り出す様に。その言葉がどれだけ薄っぺらいものだとしても……

「マスター。私はこの二人を信用できません。当主が我々を始末しろ。と言えば、直ぐ様後ろから刺すでしょう」
「狂信は得てして最悪の結果をもたらすもの。地雷を抱えながら戦争なんてごめんですわ」

「けど、ランサーの時は一緒に……」
「それは向こうにも利があっただけの事。いざとなれば切られるのは当然と思っております」
「しかし、そのタイミングは完全に相手に握られています。我々は都合のいい駒と何が違うと言うのでしょう?」

バーサーカーの剣幕に何も言えず押し黙る
アーディーが反論しないのはそれが正しいからなのだろう。俯き、暗い顔を浮かべて沈む

……状況は最悪と言っても過言ではない。何かを言わなければ、打開する事は出来ないだろう



22:15から自由安価。発言内容
無ければ無しで
↓1~3


【安価確認。少々お待ちを】





「マスター。貴方はどうお考えで?」
「このまま泥舟に乗り沈むのを待つか。直ぐに降りて道を探すか」
「選ぶのは、自分自身に他ならない」

バーサーカーは冷たく言い放つ。自らに選択を迫らんと
彼女の言っている事は、『このまま関係を維持して、破綻するまで待つつもりか』
『今すぐこの同盟関係を切り上げて、新たな道を模索するか』
貴方は今まで、流されるままでいた。今、自らの意思で動くべきだと突き付けていた


「……アーディー。本当に、天使に会う為に二人を手にかけるつもりなのか?」
「それは当主に言われたからであって、自分の意思とは違うだろ!?」

「俺は誰も犠牲にしたくない……傷ついて欲しくない。犠牲の出ない方法は無いのか……?」
「それなら、俺も協力する。だから……」


声は震える。か細く途切れる様な声は、まるで蝋燭の煙の様
二人のサーヴァントからの視線は極めて無情。特に、彼女の表情からは“お前が言うな”と言いたげなのは明らかだ

アーディーは黙って下を向く。その表情から、思考を読み取る事は出来なかった



【当主と家の宿命】-2
123:センパイにはわからないよ
456:無言
789:……何とかしてみる
↓1


2:バッサリ

【という訳で長くなりそうなので本日はここまで】

【明日はお休み。皆さんお疲れさまでした】



【ごめんなさい、本日もお休み……】


【それでは再開】

【人はいますか?】





「……センパイに」
「センパイに……何がわかるんだよ!」
「ついこの間まで戦争どころか、何もわからなかった癖にっ!」


だが、彼女は叫ぶ。何もわかってはいないと。貴方を弾劾する様に
本心だった。犠牲を出したくない。その為ならば何でも協力する。……嘘は無かった
しかし、アーディーにはそれが刃の様に自分の身を切り刻む凶器になってしまったのだ
貴方の純粋さを……人の良さを、知ってるが故に


「犠牲を出さない方法なんて、皆考えてる!皆そう願ってるに決まってる!」
「けど、無理なんだ。誰がどうやったって犠牲は生まれる。仕方がない事なんだ!」
「センパイが優しい人だってわかってる。けど簡単にそんな事を言うのは許せない!」


「エーデルワイスのマスターとして……その答えを、受け入れる事は出来ない」

「………………」

毅然と言い放つ。そこにいたのは純粋な後輩ではなく、坂松を司る、御三家のマスターの姿
きっぱりとした言葉は彼女の強い意思を伝えてくる。何も言わせない有無をぶつけてくる

……貴方は、それに返す言葉を持ち合わせていなかった







「ええ、ええ。そうでしょうとも。貴女がそうしたいならご自由に」

「では、これにて同盟は棄却という事で。これからは自由に動かせて貰いますわ」
「……私は、貴様等の狗ではない」


冷酷な言葉を突きつける。それは、明確な決別の意思に他ならない
そのまま霊体化して、姿を消す。これ以上の話は無いと示していた


「バーサーカー……っ!」
「……荷物を纏めて、帰るといい。君も、ここに残るのは辛いだろう」
「……襲わないのか?俺を」
「一戦、共に戦った恩義がある。故にこの場は見逃そう」
「僕らの事よりも……バーサーカーを追わなくていいのか?君のサーヴァントだろう」


セイバーが助け船を出す。早くここから出て、彼女を追うべきだ。と
彼のマスターであるアーディーは、さっきから一言も話さない。彼の言葉に異は無さそうだ


「……ごめん。本当にごめん」

零れ落ちる様にそれだけを告げる
アーディーが顔をあげると……そこには既に、誰もいなかった





【他のサーヴァント行動】

【一週間経つのに誰もドンパチしないと困るので強制的に戦ってもらいます】

【ただし、一部は例外】


12:ライダー
3:キャスター
45:アーチャー
67:アサシン
8:ランサー
9:バーサーカー


【すみません書き忘れてました】

【下1と下2です。なのでライダーは確定】
↓1


【ライダーVSバーサーカー】

【……なんですが、今回バーサーカーは二人います】

【という訳で、どっちのバーサーカーとマッチするか】

12345:貴方の方
67890:別の方
↓1






「………………」
「う、うぅ、ふぅあぁあぁああ!!」
「愚かな。……いや、哀れと言おうか」

早朝。人気の無い歩道で二騎の英霊が対峙した
清廉な風が黒衣をはためかせる。ライダーは目の前で呻く老人に憐憫の視線を向けている
老人……本来のバーサーカーは、頭を抱えて何かを叫ぶ。しかし内容はモゴモゴと口ごもり聞き取れない

「狂戦士は貴様の他にもいたが……奴の目は曇る事は無かった。だが貴様はどうだ?」
「志も、技術も、思想も消え失せた。貴様は既に人ではない。……獣と何が違うという」
「ふぅらあぁああああ!!!」


答えは無い。そもそも返答等出来る訳がない
その変わりと言わんばかりに、腰に下げた剣を抜き、構える。
狂っていてもこれはやれる。と見せるかの様に


「耄碌したか。……いいだろう。遊んでやる」
「精々、死に物狂いの人間の強さとやらを……俺に見せて貰おう──!」


ライダーも剣を振りかぶり、突撃する
人の強さ。人の想念の強さを確認せんと……!




剣戟の音が響き渡る。一撃、二撃。二人の剣が重なり合う度に衝撃が走る
意外な事に、状況は驚く程に拮抗していた。力量のあるライダーに、バーサーカーは技巧の差で食らい付く

「ふぅ!らぁあ!んんぅうぅううん!」
「……成る程、貴様はかつて、剣の達人だったと見える。……いや」
「違う、そうではない。貴様、……俺の剣筋を見切っているな?」

苦々しく吐き捨てる。まさか、狂戦士に技術で劣るとは露程も考えていなかったのだろう
しかし、ライダーの推測は半分間違っている。元来、狂戦士とは理性を失う。故に技術、知識等のスキルは意味を為さなくなる
が、今のバーサーカーは“あるもの”をマスターに奪われていた。その奪われた分を補わんと、失われた技能を微弱ながら取り返していたのだ


『バーサーカーのスキルを開示します』
 ◆高速分割思考:×
  狂化により、失われている。


 ◆心眼(真):×
  狂化により、失われている。


「ふぅらぁあああああああん!!」
「厄介な奴だ。本来ならばこの屈辱を返す所だが……潮時か」

先に退いたのはライダーの方だった。雷を放ち怯ませると、直ぐ様上空へと飛び立つ
残されたのは、状況を把握出来ていないバーサーカーだけだった


「…………フラン、どこ?ここ?」


【少ないですが、本日ここまで】

【だいたい、今ので2クール目の半分くらい。ありがとうございました】


【本日おやすみ。明日は多くやれるといいなあ……】


【今日はちょっと早めに更新】

【少し変則的な時刻ですが、お時間大丈夫ですか?】




「………………」
「………………」



アーディーの家から遠く離れ、貴方の自宅へと逃げる様に戻ってきた二人
互いに眼を合わせない硬直状態が続く。彼女の表情は見えないが、ムードは最悪だ
沈黙だけが流れている。動かしたのは、貴方の方だった

「……バーサーカー。俺は本当に誰の犠牲も出したくないんだ」
「アーディーも、千呼にアキラも、どっちも俺の大切な……」


「何だと言うんですの?さっきから理想ばかりを口にして、何一つ打開策を出さない」
「貴方の言葉は薄っぺら過ぎる。それで誰かの心を打つ事等、不可能だと知りなさい」

にべもない返答。貴方の絞る様な声を一蹴し、冷たい瞳が睨みつける
その表情からは、人としての暖かみは感じられない。ただ拒絶するだけの氷壁の様

「……私には、貴方のその人の好さが理解出来ませんわ。無私というのも少し違う」
「そこまで、他者に尽くす理由は何ですの?」


バーサーカーが問い掛ける。貴方の原点はなんなのか。と
少しの逡巡を経て、貴方は語り出す。自らの、記憶の足跡を……






「俺さ、昔、犬飼ってたんだ」
「柴犬でさ。目のところに星形の模様が出来てた可愛い子犬で……」
「そいつと俺は、ずっと一緒にいたんだ」


ぽつぽつと過去を話し始める貴方。その口調は少しだけ軽やかだ
普段から話を合わせる側になる事が多い貴方が自らの事を語るのは極めて珍しい
だからこそ、滅多にないこの状況に心を踊らせているのだろう


「けど……いなくなったんだ。俺が少し目を離した隙に、何処かへ消えたんだ」
「……俺がもっとしっかりしてたら、きっと逃げなかったはずだから……。だから、俺は」

吐き出す様に言葉を出す。それは過去の懺悔であり呪い
自らの不手際だからと責め続け、今に至るまで縛り続ける縄のように


「……だから、誰かの助けになりたい。と」
「ああ。俺は……」










「貴方、私が思っていたよりも……遥かに馬鹿なんですのね」







「……は?」



「先程から聞いていれば、そんなどうでもいい事をいちいちと悩み続けていたとは」

「下らない事で無駄に時間を費やすな。お前のやっている事は単なる代償行為でしかない」

「寧ろ、私はその逃げた子犬の勇気を褒めてやりたいくらいだ」

「こんな無能に飼い殺される位なら、逃げようとしても何らおかしくないだろう」



彼女は無造作に吐き捨てる。彼の過去を下らないと一笑に付す
せせら笑うその表情は、極めて冷酷で非情。思いやりとは無縁の冷笑
呆然とする貴方。それを見るや否や、憮然と吐き捨てる

「はぁ……聞いて損しましたわ。こんな阿呆な事で延々と悩んでいたとは」

「ですがまあ、今後からは間抜けな事でウジウジと悩む必要はありませんわ」

「貴方のその人の好さは、理由はどうあれ美徳と言えるでしょう。愚かですが、無能ではありません」

「今からはそんな事は忘れ、これからの戦争をどう動くかを考えましょう」






【メンタルやられてる】-3
123:ブチギレ
456:……そんな言い方は無いだろ
789:ぐっと我慢
↓1


2:ブチギレ




「……なんだよ、それ」


震える声で反駁する。揺らぐ目は目の前の女性を睨んでいた
普段の貴方ならば、バーサーカーの言葉も平気で堪えられた事だろう
しかし、今の状況は最悪に近かった。突如告げられた同盟の解消にアーディーからの拒絶
これらの条件が揃った……いや、最初から、何かがあれば倒れていたのだろう


「どうでもいいってなんだよ!俺にとっては、本当に辛かったんだ!」
「……だからそれが愚かだと言うのです。逃げられたという被害者意識は人の好さ以前の問題」
「貴方の本質は、自分の事しか考えていない。その癖、他人に手綱を握らせている」
「これを、愚かと言わずに何と言う!?」


ぴしゃりと切り捨てる。貴方の行いは愚かだと断定し、その浅はかさを批難する
自分の半生を馬鹿にされた貴方も、いつも通り黙ってはいられない。既に冷静な思考は消し飛んでいた


「好き勝手言うなよ!俺の気持ちなんてわからない癖に!」
「ええ、わかりません。ですが貴方の愚かしさや無能ぶりはしかと理解致しました」
「だからこそ、貴方には大して期待をかけていないのです。何故なら貴方は怯え、恐れているのだから!」


「ふざけるな……お前みたいな自分勝手な奴に、俺の事なんて理解出来る訳ないだろ!?」





【失望】-3
123:「さようなら」
456:一発ブン殴る
789:「違うのです」
↓1



【※貴方のバーサーカーに令呪自害は無効】
【※ついでに、“俺に従え”という系統の命令も完全に無効です】


1:「さようなら。精々足掻けばいい」




しん。と場が静まり返る。二人の間に流れる空気が凍りつく
貴方はハッとした表情を浮かべる。怒りに任せたとはいえ、流石に言い過ぎたと思い返す
三たび、無言が支配する。話し出したのはバーサーカーだった


「ええ、どうやら貴方の言う通り。私は理解が足りていませんでしたわ」
「多少の情をかけていた、自分の愚かさに断罪したくなる。本当に時間の浪費でした」

その表情には何も浮かんでいない。怒りも、失望も、何もかも
腰に下げた剣を引き抜いて、貴方の顔前に突きつける。そのまま振りかぶり……


「……貴方は、私を従えるのには不適格でした。これにてお別れです」
「私は勝ち残る為に来たのです。泥舟に乗り、沈むまで待つ趣味はない」
「さようなら。……精々、死なない様に気を付ける事です」


下げた。切る価値も無いと言いたげに、また腰に吊り直す
代わりに突きつけたのは、明確な決別の意思。それだけを告げると、その姿は透明に


……独り、残された貴方は床に倒れ込む
仲間も、相棒も……たった一日で、いなくなってしまったのだ




【他陣営行動】

【またドンパチやってもらいますがやはり一部は例外】

1:バーサーカー(老)
23:ランサー
45:アーチャー
6:キャスター
7:アサシン
8:セイバー
9:ライダー
↓1、2


【アサシンは確定。もう一回】
 ↓1


【あっ来てました。アサシンVSキャスターで】

【描写はもうちょいお待ちを】




廃屋に二人、異形の影が蠢いている
アサシン、そしてそのマスター。街が夜に包まれた今こそ、彼らの活動期間だった

「う、ぐ、うぐぅあぁ……!」
「もう、だから言ったのに。貴方は生きているから辛いのよ?」
「ア、サ、シン……お前、は」
「貴方のサーヴァントよ?だからこそ言うの。死ねば楽よ?」
「ぐぅうあああ……っ!?」

ぞぶり。と肉が沈む音。男はあまりの痛みに、のたうち回る事すら出来ない
アサシンはマスターの様子もどこ吹く風。腕を動かし、汚肉をかき混ぜて弄ぶ

「悲しい?痛い?でもね、死ねば全てが無くなるの。生きているから辛いのよ」
「ね?マスターはわかってくれるでしょう?もう、諦めてもいいんじゃないかしら?」


耳元で囁く声は甘く、心を侵す様に染み込んで

「まだ、だ……。俺は、俺は、まだ……」




「いいや。お前には地獄に堕ちてもらう」





「…………!!」
「久々だなあ、“心臓喰らい”。てっきり消えたと思ったが」
「あら?お客さんだわ。埃っぽくてごめんなさいね。紅茶はいるかしら」
「要らないよ!どうせ誰かの生き血だろ?」
「そう?なら角砂糖を入れましょうか。甘くて美味しいわよ」
「要らないって言ってるだろ!?」


窓を蹴破り入ってくるのは、キャスターとそのマスター、マリア
おおよそ並の成人女性を遥かに凌駕した身体能力を発揮する。その理由は……

「貴、様……吸血鬼、か……!」
「ご名答。まあ同胞だな。同業では無いが」

さらりと答える。そう、彼女は吸血鬼。遠く昔に覚醒し、今まで生きてきた存在
とはいえ彼女に人を害するつもりはさらさら無く、寧ろ……

「貴様ガァアア!ォオオオオ!!」
「珍しいわね、貴方がやる気なんて。私も少しは手伝うわ」
「うわぁ二人で突っ込んで来た!?マスター、なんとかしてぇ!」
「やれやれ。お前みたいな奴がいるから、私も生き辛くて困っているというに……」


暗闇の中で四つの影が交錯する。どれもが命を狙わんと躍動しながら。……一人を除いて


「ボクもう工房に帰りたーい!!」






「……!…………!」
「よっ。と……中々やるな。いったいどれだけの人間を食らってきた?」
「なんて、今までに食べたパンの数を数える奴もいないか」

心臓喰らいは、的確にマリアを追い詰めていく
明らかに並の死徒を越える膂力に舌打ち、いなして避けていく
マリアの推測通り、その異名が示す殺戮が、彼の力を底上げする

数多の人間を襲い、心臓を喰らい、蠢く死徒。……“心臓喰らい”


 ◆"心臓喰い"  
 心臓を補食することで対象の魔術回路・特性の一部を自身に取り込む異能。

 これにより彼の魔術回路は出力の安定しないピーキーな性能となったが、  
 時に格上の相手すら打ち倒す実力を手に入れた。  

 【戦闘時、質のステータスがランダムに変動する】  
 【倒した相手の心臓を捕食することでランダムでプラス効果を得る】


「ぎゃああ!?コイツメンドくさい!」
「ワガママはダメよ?痛くても我慢してね」
「予防接種かな!?」

ふわふわと浮きながら、時折手に持つ鎌を振り落とすアサシン
キャスターは魔力の弾を放ち、迎撃する事で手一杯。ぐるぐると回る度に、遠心力で転びそうになるのは気のせいか
とにもかくにも、キャスターはアサシンに対して有効打の無い状況が続いていた


「マスター!退こう!?ちょっとここは本当に苦手っていうかボクと相性悪いっていうか!」
「頑張れ」「マスターーー!?!?」
「仕方ないわね、遊びましょう?お人形遊びはお好みかしら」


……とはいえ、マリアにとっても不利なのは代わり無い。そもそもの地力が違うのだ
このままではジリ貧か。そう判断したマリアはキャスターに指示を


(……よし、逃げるぞ。用意はいいな?)
(オッケー!)


瞬間、閃光が迸る。暗闇の住人である心臓喰らいには焼けるような痛みであり
視界が開けた頃には、既に二人は消えていた






【本日ここまで。ありがとうございました】

【某45%さんとバーサーカーは似て非なるもの。向こうは悪意で動いている節があるので……】





【本日はお休み。少し練っておきたいのがあるので……】

>>846
【あくまで本人ではない。という注釈はつきますが、所業に眉を潜めど裏切る事は無いかと】

【一番相性が悪いのは3号の人。貴方とは違って自分の意思が全然無いのがダメ】

【一番相性がいいのは主役の人。一貫して主張がブレず、その為に行動する事が出来ているのはいいこと】

【再三ですがあくまで本人では無いですからね!】


【本日もお休み。明日には必ずや】

【2号の人とは貴方よりは相性がいいけれど最良には一歩届かない感じ】


【今日更新するを嘘にするのはマズいので更新します】

【人はいますか?】





そこは、まるで牢屋だった
息苦しくて閉塞的。唯一の光は、部屋の中心にある蝋燭だけ

真っ黒の布で覆い尽くされた一室の中で、二人の人間が何かを話している
その内の一人。幼い少女には見覚えがあった。美しく伸びた銀の髪。そして透き通っていて、何よりも強く輝く瞳の持ち主には


(……バーサーカー?)


まるで映画を見ている様な定点視点。貴方の目に写る情景は酷く非現実的で、狂気的
その原因に貴方が気づくまで、そう長くの時間はかからなかった

「ふふふ、貴方ったら可愛いんだから……。ね?私、頑張ったでしょ?」
「毎日毎日毎日毎日、しっかりとお勉強させてるわ。あなたの願った通りに育つわ。きっと」

もう一人の女性は、バーサーカーに似た少女を全く以て見ていない
手元に持つ箱の中。そこだけに意識の、神経の全てを注ぐかの様に覗いている
濁り、淀み、腐り落ちたかの様な瞳。娘である少女とは似ても似つかない、狂った両目


「……ええ!そうよ!私、貴方に相応しい奥さんになれたの。もう、ずっと一緒なんだから!」


母親の無邪気な声。まるで意に返さず、少女は前を見据えている
折れず、枯れず、燃え尽きる事無い意志を輝かせる娘に苛立ちを隠せなくなったのか、母親は憎々しげに睨み付け

「……その目、その目よ。本当に虫酸が走る。気に入らないわ」
「だから私は早く殺せって言ったのよ!こんな気味の悪い怪物、本当に二度と見たくない!」

「ね?貴方もそう思うでしょ?ね?」


確認するかの様に箱の中を此方に向ける
入っていたのは……かつては生きていた、人間の臓器。心臓だった




(っ!?)


あまりの酸鼻な光景に吐き気を耐える
胃の中に何もなかった事が幸いして、なんとか堪える事が出来た
そんな状況の渦中にいる少女は、まるで慣れたかの様に顔色一つ変えていない

「本当に薄気味悪いわ。三年半も経つのに、どうして少しも変わらないのかしら」
(さ、三年半……!?)

再三、貴方の顔に驚愕が浮かぶ
この少女は、こんな暗い闇の中。しかも心臓に話しかける女性と……なんと、三年以上も一緒にいたと言うのだから当然だ
自分ならば三年どころか三日も耐えられない。と確信する貴方。しかし、目の前の少女は何て事は無さそうだ

慣れ。と言ってしまえばそれまでだが、彼女はどうしてこの光景の中にあっても……
自分を、自我を失わずにいられるのだろうか?


「あは、あはは!そろそろよ。そろそろ先生の来る時間だわ。説教して貰いましょう」
「本当にいい気味ね。どうして、あの人に好かれたのか理解できないわ」


せせら笑う母親にすら無関心を貫く少女
闇の中に光が差し込む。そこに立っているのは大きな影───





「───暗幕を除けよ。ここはどうにも、息苦しくて仕方がない」








「……?貴方、は」
「久しいな。そして、貴様も退けて貰おう。既に王妃の資格は無いと知れ!」


一喝され、表情が強張る女性……少女の母親
窓から光が差してその顔が露になる。濁った瞳すらその美貌を際立たせる程、美しい女だった
彼女は促させる様に、部屋を出ていく。……手に誰かの心臓を持ちながら

男性は少女の手を取りかしずく。さながら王に謁見を果たす忠臣の様に……


「……いい目だ。国を率い、勇猛に戦った、君の父とよく似た光をしているよ」
「これから、君の肩には途轍もなく大きなモノが乗るだろう。それを避ける事は出来ない」
「しかし、ゆめ忘れるな。君の父は国の為に、まさに獅子奮迅の如く戦い抜いた事を」

「そして、君もそうなるべくして産まれたのだという事を」

男性の言葉からは、この少女に対しての信頼がありありと伝わってくる
……いや、それだけじゃない。他の、何かを彼女に重ねている様な……

「だが、忘れないで欲しい。君の生きる道は、君だけのものではない」



「君が触れた、全てが変わり──」
「君が変えた全てのものが──」


(……なんだ、よく聞き取れない……)
(ダメだ、意識が……)



流れに押し潰さてしまうかの様に、景色がどんどん遠くに消えていく

とうとう果てに到達して……消えてしまった






「……あれ?」
「今の、夢……だよな。けど……」


背中の痛みで目が覚める
ふと周りを見渡すと、そこで自分が寝転がっていたのが床である事に気がついた
フラッシュバックするかの様に昨夜の出来事を思い出す。バーサーカーに拒絶され、決別を言い渡された事を

「……学校、行かなきゃな」

それでも、貴方のルーチンワークは変わらない
今日もまた一週間が始まる。いつも通りに……




123:イベント起きず
456:生徒会長、召集をかける
789:「千呼が来ていない?」
↓1





「うーっす」「おはよ」


教室に入ると、挨拶を投げ掛けられる。貴方もそれに返事をして、机に鞄を置いた
普段通りの学校。毎度おなじみの教室。いつも通りのクラスメート……ではなかった

「……あれ、千呼は?」
「それが来てないんだよなー。風邪か?」
「もももしかして、千呼ちゃん野良犬に襲われちゃったんじゃ……!」
「落ち着けユキ。そんな話は聞いていないぞ」

御三家、禍門に属するクラスメイトの不在
普段ならば病欠だと切り捨てるであろうが、今は聖杯戦争の真っ只中。嫌な予感が背筋を走る

「……なあ、他に欠席した生徒はいるか?」
「調べれば簡単にわかるが。それがどうかしたのか?」
「いや、別に……」


ゾクゾクとした悪寒を抑え、平静を装う貴方
新聞部三人娘の返答は……




123:アキラとアーディー
456:アーディーのみ
789:いないよ?
↓1


5:アーディーだけ




「これが今日の欠席者の名簿だ。庶務」
「恐るべしカナ……全生徒の健康状態を管理しているとは……」
「まさか!?カナはこの学校を裏で牛耳る影の皇帝ダークプロフェッサー……」
「なら真っ先に汝を消してやろうか?」
「カナちゃん顔が怖いヨ!?」

カナのスマホに映し出される名簿を目で追う。その中にはアーディーの名前のみがあった
少しだけ、安堵の表情が浮かぶ。禍門の姉妹を狙うと言っていたアーディーがいないという事は、アキラはまだ無事という事だから
……千呼が無事だという保証は何もないが

「いや、まあ流石に冗談だが。しかし汝が欠席者の心配もするとはな」
「え、いや、俺は……」
「庶務くんってば優しいんだね!皆の事を大切に思ってるもん」
「本当にお人好しだよなー。何でそんな事してんだ?金貰えんのか?」


(そうだ。俺、何で心配してるんだ?)
(バーサーカーのいない今、アーディーを止める事なんて出来ないのに)


内心で驚愕する貴方。それを知ってか知らずかはしゃぐ三人
今日は何事もなく、一日が過ぎていく



22:00から自由安価
クラスメイト(新重、新聞部トリオ)
生徒会(潮、林道、アキラ)
↓1~3






「……なあ。何か事件とか起きてないか?」
「あ?どうしたよ、急に」
「頼む!情報が欲しいんだ。この通り!」

手を合わせて頼み込む貴方に、新聞部の三人はやや困惑の色を見せる
貴方も貴方で必死過ぎたかと反省する。でも、動かなければならないと確信もしていた
それが何故なのか、自分でもわからないまま……

「まあそこまで言うんなら……」
「フム、どうやら、ようやく我が情報網をフル活動する時が来たか?」
「わ、私も頑張ってきたよ!」

その要請を受けて張り切り出す。その成果は……



1:ダメだったよ……
234:アーディーと千呼の会話
567:野良犬騒動の真相に少しだけ
89:ようやく出てくるアーチャーの情報
↓1



6:野良犬騒動の真相が少しだけ



「……マキの字!ビンゴだ!」
「どうした?何か見つかったか?」
「野良犬騒動の目撃情報だが……」

三人が輪になり議論する。ああでもない、こうでもない。情報を出し合い話し合う
そして結論が出たのか、興奮気味にカナが前に出る。その顔は少し青ざめていた

「……どうも、件の野良犬は人間を優先して襲撃しているらしい」
「その証拠に、散歩中の近くのペットを無視して飼い主の方を攻撃したという情報がある」
「え、ワンちゃんなら犬の方を襲うんじゃないのかな?」
「だとしたら、この野良犬には知性があるって事か?それとも人間を襲う理由があるか……」

ユキ、マキの発言に同調する様に頷くカナ。そして手元に出すのは新たな資料

「その理由なら、恐らくはわかるやもしれん」
「この写真を見て貰いたいのだが……」
「え?これ……私達の制服?ちらっとしか見えてないけど……」
「それに、この形は女子の制服じゃないか?」
「どうも我が坂松高校の生徒の目撃情報が多発している。関連があるかまではわからぬが……」


(……大丈夫、だよな。きっと)

不安な気持ちを抑え、礼を言う。いつも通りの日常に、苦い色が染み込んでいた





【本日はここまで。ありがとうございました】



【ちょっとだけ再開】

【大丈夫ですか?】




「あ、庶務くん。今帰り?」
「新重こそ」

今朝の情報が頭をグルグルと回り、授業も頭に入らない
学校も終わり帰宅する生徒もちらほらと。その中には貴方も入っている
そんな帰り際に新重に話しかけられる。どこか嬉しそうに話しかけてきた

「ねえねえ、また一緒に帰ろうよ。いいクレープ屋さん見つけたんだ」
「いや、今日はちょっと……」
「あれ?もしかして用事あった?ごめんね」
「こっちこそ……そうだ、千呼の事、何か聞いているか?」
「千呼ちゃん?うーん、聞いてないかな」

どうしてそんな事を。と言いたげな新重。貴女はその答えに更に上層を掻き立てられる

(大丈夫、だよな……)

「ねえ。もしかして野良犬の事?」
「あ、ああ。うん」
「今どのくらい情報があるの?よければ教えて欲しいかな」
「ほら、私達って生徒会だしさ。知っといて損は無いかなーなんて」



1:持ってる情報を全て教える
2:ぼかして教える
3:その他(あれば再度安価)
21:50から↓1


2:ぼかして教える



「あ、ああ……それが、あんまり……」
「ふーん。じゃあまだわかってないんだ」


……実の所、貴女の中にはある程度の情報が手元にあった
それを新重に教えなかった理由は……

(……この学校の、女子生徒……)

その情報が、新重を信用する事を躊躇わせた
無論、この学校に在籍している女子生徒は新重だけじゃない。
そもそも、新聞部の三人だって該当するのだ。彼女のみを弾く理由にはなり得ない

……それでも。貴方は新重を聖杯戦争に近づけさせたくはなかったのだ


「悪い。力になれなくて」
「ううんこっちこそ。庶務くん、頑張ってね」
「野良犬探しをか……?」


手を振って廊下を走り去っていく新重。その背中を横目に、貴方も学校の中を進む。目指すのは一階、一年生の教室だ

アキラには連絡網で伝えてある。貴方は足早に進んでいった


【ごめんなさい。予想以上に時間が掛かってしまった為本日はここまで】



【今日はちょっと早めに更新する予定】

【そのついでに、幾つか安価を投げときます】


【同学年のアーディーとアキラの仲は?】
123:あんまり良くない
456:顔見知り程度
789:良好
↓1

【アキラは貴方の事をどう思っているか】
1ほど普通、9にいくほど好感度が高い
↓2


5:顔見知り

9:かなり強い好意


【なんか聖杯戦争中に一人だけギャルゲーやってる奴がいるぞ()】

【とりあえず方向性は決まりました。それではまた後程……】




【はーいそれじゃゆるゆる更新します】

【人はいますか?】






「アキラ!待たせてごめん」
「……あ、せ、先輩。な、何か用、デス?」


一年生の空き教室に入る貴方。そこには言った通りにアキラが待っていた
貴方が入ってきた事を確認すると、弄っていたスマホをポケットにしまう
別にいいのに。と笑うが、結局また出す事はしなかった

「あの、話したい事、って……」
「そうだ。千呼の事なんだけど、大丈夫か?」
「普段から凄く元気だからさ、何かあったのか心配になってさ」
「え……あ、そう、デスか。お姉ちゃんの事は、大丈夫……デス」

自分の姉の名前を出された途端、どこかしょげた様に顔を反らす
その反応を見逃せる程、貴方はぼうっとしてはいない。すぐにアキラへ話しかけた

「えっと……アキラ、もしかして千呼と何かあったのか?なんか暗いぞ」
「別に、そんな事……暗いの、いつもデスから」
「でも普段はそんな風じゃないぞ。何かあったなら相談くらいには乗るけど」
「本当に、大丈夫なんで……いいんで」

そっけなく返される。どこか不貞腐れた様に見えたのは気のせいか

「……わかった。何かあったら相談してくれよ」
「俺にもさ、何かやれる事はあるかもしれないから」
「……了解、デス。それじゃ、また」




「……お姉ちゃん、ばっかり。いいなあ」「…………?」





【早速他陣営行動】

【今回もまたドンパチしてもらいますが例によって例外あり】


1:ライダー
2:ランサー
3:セイバー
4:アサシン
5:バーサーカー(どちらかは再度安価)
6:キャスター
789:アーチャー
↓1、2





「では、今日の定例会議を始める……」
「……が、千呼。お前は今日学校もいかずに何をしていた?」

……ここは禍門邸。坂松の御三家でも有数の土地を所有する管理者
ここまでの地脈を押さえているのは、ひとえに現当主の腕。そして、みとりの経済戦略の賜物だろう
そんな中、禍門憂午は青筋を立てて娘を睨む。睨まれた方の娘……千呼は、けろっと答えた

「ごめーんパパ!機材の調整とか今度の企画何しよっかなって考えてたら忘れちゃった!」
「忘れちゃったで済むか!このバカモンが!」
「うえーごめんなさい!」


「そこまでにしときなさい憂午。あんただって締め切り誤魔化してんじゃない」
「な、姉貴、なんでその事を……」
「ここら辺の企業で私の力の及ばない所は無いわ。娘を叱る前に、自分の身を正しなさい」
「そーだそーだ!パパは私の事怒れないよ!」
「調子に乗るんじゃない!姉貴も、千呼を甘やかさないでくれ!」
「甘やかしてないわよ。単にあんたを苛めているだけだもの」「なお悪い!」

みとりと千呼の茶々に、苦い顔を浮かべる憂午
会議とは名ばかり。実のところ、家族の交流の為にと現当主が考案したものなのだから
この場にいる人間は、大小差はあれど笑顔を浮かべていた。二人を除いて


「……あの、アーチャーが、何か言いたいそう、デス」

「あーじゃあ言わせてもらうわ」
「お前らさぁ~本気で戦争勝ちたいワケ!?」





大声に怯えたアキラはきゅうっと縮こまる
声の主は、天井に付かんとする身体を体育座りでなんとか納めている、極めて大きな巨人
サーヴァント・アーチャー。禍門の召喚した英霊にして、最強の防衛システム
彼は今、怒れる態度をギリギリ押し込めつつ最大限の疑問を叩きつける。やる気あんのか?と

「失礼な事を言わないで頂戴。我々は今大切な話をしているの」
「ドコガ!?俺にはふざけてる様にしか見えませんでしたケドぉ!?」
「その面でその態度の方がふざけてるわよ」

みとりのにべもない態度。それに若干イラつきながらも、アーチャーは反論を投げつける

「じゃあ言わせてもらいますぅー!さっきからピーチクパーチクお喋りして何の役になるんですかねぇー?」
「もー!役に立つ立たないじゃないの!やりたいからやるの!アーチャー!」
「ウワァー!抱きつくなァー!アイツを思い出すゥー!そしてそこから離れろウワァー!」


千呼はアーチャーの足元に抱きつく、それを振り払う事は物理的に不可能なので甘んじている
頭を抱える憂午に、にやにやと笑うみとり。更に活気の増す会議を、アキラはどこか寂しげに見ていた

アーチャーのマスターである自分は、ここにいてもいいのか。と





厳格な父。聡明な伯母。……明るく人気者の姉
アキラは家族の中では浮いた存在だった。地味で、根暗で、陰気な自分を自覚しているから
アキラを邪険にする者はいない。けれど、自分の居場所が無いと感じる事はいつもの事だった

今日だってそうだった。同じ委員会に入ってる先輩にすら、姉の方を優先したと感じていた
姉は、先輩のクラスメイトだから。彼女も理由は頭で理解できていたのだが……それでも

ずっと追いかけていた男性は、そもそも自分を見ていなかったという事が、より惨めな気分を引き立てていた



「……待て、敵だ。あれは……」
「アサシン!?どうしよう。マリアさん達まだ帰ってきていないよ!」
「そういう時こそ俺の出番じゃあーん?吹っ飛ばして来てやるから見とけよオラァ!」

霊体化し、敷地内へと移動するアーチャー。通路は通れないので窓から直接飛び降りた
アキラもその後を追い、外へ出ようとして…… 


「アキラ、どこに行くつもりだ!?奴等は危険だ。ここにいなさい!」
「けど、私は、マスター……」
「アサシン相手に身を晒すのは自殺行為だと前に言っただろう!マリアさんが来るまで待つんだ。いいな!」
「…………はい」

「わあわあ!戦闘だね!?見に行こうよ、みとりさん!」
「そうね。この映像を他の陣営に叩きつければ今後に有利になるかもしれないもの」


「………………」








「グゥウ……アァアァァ……!」
「もう。お腹が空いたからって吠えないの」
「あーあ、宝具を使えれば楽なのだけれど。それは嫌なのよね」

アサシンに連れられながら、心臓喰らいは禍門邸へと足を進める
最早、彼にあるのは生存本能と食欲。そして他の語れない何かしら
兎に角全てを満たす為。アサシン陣営は禍門を強襲しようとしていた


「……待ちな!そこのキモい肉塊とステキなお嬢さん!」
「そこから先は……このアーーチャーーが行かせない……ぜッ!!!」


言うが早いか、アサシン達の目の前に投石がブチ込まれ、着弾した箇所からは炎が燃える
炎の明かりに巨体が映える。そこに立つのは、鋼鉄の巨人


「まあ、あれは何?見ればわかるわ。あの血はさぞかしマズいって」
「そんなモン食ってから判断しろヤぁーー!」

鉄の腕を振り回し、アサシンを迎撃せんと殴りかかる。それを軽々と避け、鎌を突き立てんとして……



「……止めましょう。こいつは好みじゃないわ」
「さようなら。ロボットさん、出来れば二度と会いたくはないけれど」
「ふざけるなァー!オァアーーッ!!」

逃げようとするアサシンに向けてもう一度岩を放り投げる
それを縫うように避けると、心臓喰らいを連れて闇の中へと消えていった……




【本日はここまで。ありがとうございました……】

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【どうやらAA貼ると強制的にアウトなもよう】

【更新します。人はいますか?】







「──正気ですか、王女よ!」
「何故、今になって戦争を止めるのです。この戦争がどれほど国にとって利益をもたらすか、考え及ばなかった訳ではあるまい!」

「臆病風にでも吹かれたのか!彼の王ならば、必ずや征服するまで戦ったであろうに!」
「我々は、貴女の父親に顔向け出来ない……!」


(……また、か)


大声を挙げて、誰かを批難する老人達。程近い位置にいる貴方には目もくれない
誰かの記憶を覗いている。貴方はただの観客、エキストラにすら及ばない部外者だ
故に、貴方が何をしても気づかれる事はない。それが例え、紛糾の場だとしても……

数多くの老人に囲まれ、批難される女性。その姿は、昨晩見た時よりも遥かに成長していた
そして、その目に湛える光りも、また強く

「何をどう言われようと、私は意思をねじ曲げるつもりは無い。直ちに戦争は終わらせろ」
「そして、彼等にこう伝えろ。“我々は寛大なる処置によって、譲歩しよう”と」

「ふざけるな!それは奴等の信仰を受け入れろと言っているに等しい!」
「そもそも、その様な事をすれば我が国の戦果が減ってしまう!国が衰退するぞ!」
「何故、我が国があの様な異端宗教なんぞに屈せねばならない……!」



「…………下らない。その様な事で無駄にして」
「古臭く、カビの生えた信仰等、さっさと捨てておけばいいものを」

見下す様に吐き捨てる。そこで、一度視界が途切れた






……どこかの港でバーサーカーが話している風がとても寒い。その中で彼女は事も無げな顔を浮かべていた
隣にいるのは誰だろうか?わかるのは、その男性と彼女はとても親しいという事だけ
先程とはうって変わって、楽しげに話す二人。その表情はとてと嬉しそうで


「■■■!聞いたよ。条約を締結すると」
「ええ、こうする他はありませんわ。カール、何か言いたい事があって?」
「まさか。君に文句なんて言わないさ。僕も君の事は理解しているつもりだからね」


「もう、カールったら……」
「あはは……」


(……なんか、面白くないぞ)

仲睦まじく笑顔で話す、カールという名の青年とバーサーカー
貴方には見せない表情にモヤモヤした感情を覚えながら、彼等の話を見守る事にした



「……君に初めて会った時、僕が言った事を覚えているかい」
「覚えてますとも。『君の父の仇は必ずとる』子供心に、感動しました」
「はは、恥ずかしいな……けど、僕はそれを果たせそうなんだ」

バーサーカーの手を取る。青年の顔は興奮気味に紅潮し、決意を秘めていた

「僕は必ず、使命を果たす!それが終えた時には、僕と……!」
「それ以上はいけませんわ。カール」






「……どうして」

「私は……貴方の希望は奪いません。しかし、与える事も無いでしょう」
「ですが、もし私が結ばれるならば貴方以外の何者とも結ばれない事を誓います」
「そして、誰とも結ばれないならば……貴方に、この国を託します。国の安寧の為に」
「これ以上の約束は出来ません。それが例え、貴方が相手だとしても」


「……僕は、君と共に歩みたい。君のいないこの国にいたくはない!」
「それは違いますわ!私と結ばれる事。それは貴方の最も崇高な使命ではありません」
「………………」


どうやら、青年の告白はバーサーカーにフラれてしまった様だ。唇を噛み、泣き出しそうな顔を浮かべている
しかし、どうもバーサーカーも彼に好意が無いようには見えなかった。寧ろバーサーカーの方が彼に……


「……わかった。それじゃあ」
「ええ。ご武運を」


立ち去る青年。それを目で追うバーサーカー
その顔は、やはり青年に対しての情をありありと映していて……









「……また、か」


覗き見た記憶。それは明らかにバーサーカーのもので
彼女と決別したあの日以来、一度も姿を表さない。今、何をしているかも不透明
聖杯戦争に勝ち抜くと言っていた。令呪もまだ腕にある。しかし、これで呼び出そうとは思えなかった


とにもかくにも、今日も学校に向かわねばならない。貴方は準備を……

「……?誰だ?」

する前に、チャイムが鳴る。朝も早くから、来訪者が来るとは。貴方は仕度を一時止め、玄関へと向かっていった



123:生徒会長
456:アキラ
789:???
↓1


2:生徒会長




「……貴様、私を無視とはいい了見だな?」
「あ、おはよっす」


玄関を開けるとビキビキと青筋を立てた会長が
その顔は笑顔を取り繕っているが、どう見てもキレている。正直怖い


「あの、なんすか?こんな朝っぱらから」
「なんすかだと?このマヌケ!そんなのもわからないのか!?貴様の脳には何が入っているんだ。腐った豆か!?脳味噌すら出来損ないとは本当に哀れな奴だな!死ね!」
「本当になんなんすか……」


朝からこの罵倒は頭に響く。流石の貴方もげんなりとした表情に

「あの、俺に何か用っすか?こんな早くから」
「なんだこの役立たずが。そんなもの……」



123:特にはない
456:最近だらしねぇなお前!
789:野良犬騒動について
↓1


【貴方のバーサーカーの真名はこの人かな?と思ったら言っても大丈夫】
【真名解析も募集スレの醍醐味だと思ってますので。楽しんでくれるのが一番です】

4:たるんでるぞ!シャッキリしろ!



「貴様……最近の態度はどういう事だ?」
「普段にも増して腑抜けている。そんなクラゲの様な表情を浮かべられると迷惑だと理解が出来ないのか?」
「……そうっすか?俺、そんな顔してました?」
「当たり前だゴミめ。自分のマヌケ面を見たくないという気持ちは痛い程わかるが、洗顔の時くらいには鏡を見ろ。無能」

呆然とした様に顔を撫でる。自分がそんな顔をしていたとは思わなかったかの様に
潮は呆れた様にため息をつくと腕時計を確認する。その手に包帯は巻かれていない

「……そういや、会長腕の怪我治ったんすね」
「当たり前だ馬鹿者が。何日経ったと思っている?当然治るだろうがボンクラ」
「そもそも、貴様が電話を……!」「ああもう遅刻する!急ぎますよ!」


また説教が始まってしまっては敵わない。貴方は荷物を手早くまとめると、すぐに外へと走っていった





「ふー間に合った間に合った」
「全員いるみたいだな。よかった……」


周りを確認すると、クラスメイトに欠員は見当たらなかった
その事実に安堵する。自分でも自覚の無いままに



20:05から自由安価
選択メンバーは以下の通り
クラスメイト(新重、新聞部トリオ、千呼)
生徒会(潮、林道、アキラ)
↓1~3


【んー、自由安価は難しいですかね……】

【では今回は安価で決めましょう。どう反応するかも安価でやりましょう】


選択メンバーは>>915から
↓1、2


【ありゃ、来てた……】

【安価ここまで。描いてきます】





「ようマキ。いつもので」
「あいよ庶務、採れたてのがあるぜ」

馴染みのバーの常連が如く、貴方は新聞部に情報を頼む
マキもマキでノリノリだ。いそいそと手帳を取り出し、パラパラと捲っていく


「……ああは言っているが、本当にあるのか?」
「わからないよぉ……」



12:無いゾ
345:坂松市の噂話(弱い)
678:坂松市の噂話(しっかり)
9:どんどん真相に迫っていく
↓1


9:有能新聞部




「おーそうそう、野良犬の写真撮ってきたぜ」
「「「721!?!?!?」」」


朝っぱらから絶叫するユキ、カナ、貴方。その叫び声はクラスを震わせて視線を集める
誤魔化しつつ、なんとか撒くと、マキは手元のメモから一枚の写真を取り出した


「ほいよ。キモい見た目だろ?」
「む、これは……なんとも奇特な」
「これ本当に犬なの……?なんか怖い」

そこに映っていたのは複数の怪物。まるで肉が獣の姿を取り繕っている様な不気味な姿
こんなものが街中にうろついているとは考えたく無い。貴方の体に怖気が走る


「ところでマキの字よ。肝心の汝は何故襲われなかったのか?」
「んあ?そんなモンダッシュで逃げたに決まってんだろ!B!B!B!」
「ああ……マキちゃん、陸上選手だったもんね」

「そんでよー、聞き込みとかしてみたんだけどやっぱウチの学校の生徒をよく見かけんだと」
「でだ!今度目撃者のクレープ屋のねーちゃんに生徒名簿を持っていこうと思うんだよ!」
「そっか!その人に聞けば、誰が近くにいたのかわかるよ!」
「だが危険ではないか?自然的なものにせよ、人為的なものにせよ、怪物紛いの獣と相対する可能性があるぞ?」


「そーなんだよなー……なあ庶務、ボディーガードやってくんね?」
「え、俺?」

「なんだよーいいだろいいだろー!どうせ暇だろ?犬好きそうな顔してるからいいだろ!」
「無茶苦茶な……」

マキの無秩序な要望に、苦い顔をする貴方
しかしこの三人を放置するのも心苦しい。万一何かあれば、それこそ心が折れるだろう



【ボディーガード、受けますか?】
↓1~3まで多数決





「あーもうわかった。受けるよ」

……自身の労力と彼女達の危険を天秤にかける
勝ったのは、三人の身を守る方だった

「よっしゃ!それでこそ生徒会役員!」
「無理はするなよ庶務。汝の身に何かあれば、それこそ我々の活動に支障が出る」
「大丈夫だよ。もし、三人に何かあったら俺が不安だからさ」
「ごめんね……庶務君、ありがとう」

礼を言われる事はしてない。と頭を下げるユキへ笑顔を向ける
それでも、まだ不安げな表情を浮かべるユキに優しく話しかける


「いいって……俺が、やりたいだけだから」


その言葉に嘘はない。純然たる自分の為の行動だと慰めた
……自分でも不思議だが、どうしてなのかは理解出来なかったが


「んじゃ決行は今日の夜な!待ち合わせは駅前で!遅れんなよオメーら!」
「そういう汝が遅れるフラグだぞそれは……」




【ちなみにこの騒動、どれだけ広まってる?】
123:ちっとも
456:教室全部
789:校内全部
↓1






「お姉、ちゃん」
「ん?どーしたの?アキラちゃん」

「私、もう……マスター、辞めたい……デス」
「……どうして?アキラちゃん、アーチャーと何かあった?」
「私でいいなら相談に乗るよ?何でもいいから言って言って!」

放課後、千呼とアキラは二人きりで話し合う
姉妹なのだから家で話そうよ。と言った千呼を制止してここで話したいと持ちかけたアキラ
その態度に何か察したのか……千呼はその提案を受け、話す事にしたのだった

明るい千呼に対して、アキラの表情は暗い
私でよければ相談に乗る。……先輩と姉。二人の言う言葉が重なって見えて
被害妄想である。と断ずる事が出来るからこそ自分の性格が更に嫌いになっていった

「……あ、ここにいたのか。アキラ」
「庶務君!やっほー!」
「っと、千呼も一緒か?昨日は心配したぞ、大丈夫か?」

その先輩……貴方が二人を見つけたのか、教室に入ってきた
最初は自分の名前を挙げた事に内心喜ぶが、姉と親しげに話す姿を見て、更に自己嫌悪に拍車がかかる
そんな空気を察したのかそうでないのか。そうそうと貴方が話を変える


「今夜、新聞部の連中と一緒に野良犬の捜査する事になったんだ」
「何事も無いとは思うけど……もし、何も見つからなかったら気を付けてくれよな」
「うん!ね、アキラちゃん」「あ、は、ハイ」

「せ、先輩、その、いいんデスか?無理、してないデス、よね……?」
「ん?大丈夫だって。平気平気」

「あ、あの!……頑張って、ください」
「応援……して、ますから」
「了解!もし何かあったら……その時は、アキラが生徒会を守ってくれよ」
「ひっ!は、ハイ!頑張ります、デス!」
「それだと庶務君死んじゃうよー」


少しだけの会話を交わし、貴方は帰路につく
それはどこかざわついていて、今夜は何かあるかもしれない。そんな期待に胸を踊らせていた











【全てのフラグが満たされた為、夜行動が確定しました】

【という訳で書き貯めたいので本日はここまで、お疲れさまでした】



【本日はお休み。申し訳ありません……】



【本日お休み。しばらくは書き留めやデータ作成にあてちゃうかも……すみません】



【本日もお休み……なるべく土日には戻ってきます……】


【本日もお休み。書き貯めはしてるのでお許しください……】


【本日も……お休み……】


【本日はお休み】

【ですが鯖は終わったので明日からは更新したいと思います】


【今日は描写だけ】







「よっ、ユキ、カナ」
「庶務君!こんばんは!」
「やはり最後はマキか……嫌な予感がする……」


「おーっす!お待たせー!」
「「うわぁ何だその物騒なモノは!?!?」」

夜の駅前、新聞部の二人と貴方は時間ぴったりに落ち合う。最後のメンバーを待ちながら
結局、約束の十分後に到着したマキ。その手に握っている長物に三人とも驚愕する

「何って……木刀だよ木刀!野良犬退治用の!」
「野犬とはいえ、動物を殴るのは動物虐待法に引っ掛からないか……?」
「他にも色々あるぜ!踏むとシビレる罠とか、麻酔玉とか!」
「罠は先に仕掛けないと意味がないし麻酔を動物に使うのも虐待だろうが!」「うわぁあ!」

マキの持ってきたものをポイポイとゴミ箱に放り込んでいく
結局、手元に残ったのは木刀だけだった

「せっかくだし木刀は持っていこうよ!護身用にはなるし!」
「そうだな……いざって時には使わせて貰うよ」
「おーし、電車はそろそろだな?遅くなる前にケリつけて帰ろうぜ!」
「お前が言うなァアア!」






夜をそぞろ歩く四人衆。ぽつぽつと談義をしながら、目的地へと進んでいく

「ところで、そのクレープ屋ってどうやって見つけたんだ?」
「えっと、まずは野良犬の目撃情報や被害情報を集めてまとめて……」
「それで集中していた付近に聞き込みしてみたんだよー」

まるで警察だな、とユキに笑いかける。それと同時に下手な事はしないと心に誓う貴方だった
そんな心配も露知らず、夜の坂松市をゆっくり歩いていく一行。……望んでいたモノは、唐突に現れた

「しっかし暇だなー、こんな事なら明日にでもしときゃ良かったぜ」
「そうだマキの字。汝が件の野良犬を見たのはどの辺りかね?」
「ああ、だいたいこの辺りかな?もしかしたら探せばいたりしてな!」

「どんな特徴があるのカナ?」
「なんか変な唸り声あげてたから、それを目安にするか!」
「■■■■…………」
「そうそう、例えばこんな感じ……」


三人の顔がひきつるのと、獣が飛び掛かってくるのは同時だった
牙を向けて、貴方に噛みつかんとする。直ぐ様マキから木刀をひったくり、応戦する
幸いにも獣は貴方を狙っている様で。三人に襲う気配は感じられなかった


「「「うわああああ出たああああ!!」」」
「皆逃げろ!ここは俺が!」
「それ死んじゃうフラグだヨ!?」
「言ってる場合か!?」


三人を庇い、前に出る貴方。ちゃんと逃げ出した事を確認すると、獣を前に木刀を向ける
敵対を察して牙を向く獣。貴方は剣を構え、獣に立ち向かっていった


 





「はあっ!」

貴方が上段から木刀を振り落とす。獣はひょいと避けると、貴方に噛みつきかかってくる
からがら避けて距離をとる。獣は逃さぬかの様に、此方を睨み付けていた

「■■■■……!」
「くそ、しつこい……!」

人気が無い事が幸いしてか、貴方と獣の方へは誰も来ない
とはいえ、相手は獣。筋力はおろか、持久力も向こうに分がある
このままでは嬲り殺されるだけ。貴方にそれを打開できる地力は無かった


(……バーサーカーがいれば)


なら、バーサーカーは?英霊である彼女なら、この様な獣は容易い相手だ

ふと、手元に残る令呪を見やる。未だに貴方の元にある、バーサーカーとの契約の証を
令呪があるという事は、彼女は、まだ自分との契約を完全に断ち切ってはいない
サーヴァントに対して行使出来る絶対命令権。これを使えば、例え離れている、決別したバーサーカーにも届く……






───“その絶対命令権で、私の自由を奪わないでください”

「…………っ!」






すんでの所で、頭を振る
バーサーカーと交わした約束を、まさに破ろうとした弱さを振り払う様に
確かに令呪を切ればバーサーカーに伝わるのは間違いないだろう
けど、彼女を縛る事はしたくない。それに、一度命じたが最後、本当にこの契約は断ち切られるだろう


「……呼ばないのか、バーサーカーを」
「それとも捨てられたか?……笑わせる。飼い犬の手綱くらい、しっかりと握っておけ」

貴方と獣の間を声が遮る。嘲りとも、哀れみともとれる色を含ませる
声の主は闇夜を背に歩み寄る。獣もその姿に感じ入るものがあったのか、唸りつつも後退して
発言の主……ライダーは、夜の帳を切り裂く様に前に出た


「ライダー……!?お前がこの獣を街中に放ってたのか!?」
「そうだとしたら?」


悪びれる様子もなく返される。自分だとしたらどうだ。と試すかの様に
貴方は叫ぶ。怒りをライダーに叩きつけるかの様に、声高く


「決まってるだろ……お前を倒す!」
「……ふ」











「残念だが、ハズレだ」




バーサーカーはどうやって魔翌力補給してるんだろう
魂食いかな




「……は?」
「おーい、庶務君。こんばんはー」


ライダーからの返答は貴方の思考を完全に停止させる
“自分じゃない”。そう告げたライダーは、どこか同情するかの様な視線を向ける
しかし、貴方はそれを直視していない。その目はライダーの隣、後ろから表れた人物へと向けられていた


「……新重?どうしてここに」
「え?だって、ここ私の帰り道だし」


きょとんとした顔で返される。ヘンな事を聞くんだね。と笑いながら
そうだ。貴方は一度、ここを通った事がある。誰でもない、彼女と一緒に
そもそも、貴方は既に目的地のクレープ屋にも足を運んでいたのだ。……目の前の彼女、新重と共に


「ヘンなのー。庶務君、大丈夫?」
「あ、ああ……って新重!早く離れるんだ!そいつは……」
「あ、庶務君には言ってなかったね」



「これね、ライダーって言うんだって。えい、れい?だっけ……なんだってさ」
「…………新、重?」
「凄いでしょ!私、こんなに強いのを持ってるんだよ!庶務君!」



熱に浮かされた様に自らのサーヴァントを自慢する新重
それは、最新のオモチャを見せびらかすみたいに明るく楽しげに
しかし、それとは対称的に……貴方の顔は、どんどん凍りついていった


【本日はここまで。途切れ途切れですみません……】

>>954
【一応、単に呼び掛けに応じなくなっているだけで契約そのものは切っていません。なのでパスもそのまんま】


【これより更新。描写だけですが……】





目の前の少女は、何を言っている?
頭が理解を拒んでいる。目の前の事実と言葉を
ライダーが、自分のサーヴァント?なら、新重は……


「待ってくれ……それ、どういう……」
「ねえねえ庶務君も持ってるんでしょ?」
「何、を……」

「英霊!あの前に会った銀髪の女の人、庶務君のものだよね?」
「遊ぼうよー。私のライダーと庶務君の英霊、どっちが強いか戦わせててみない?」


ケラケラと無邪気に笑う新重。戦わせてみようと口にする態度からは戦争の危険さ等、微塵も感じられない
ゲームで対戦を申し込むかの様にあっさりと。サーヴァント同士を戦わせようと言ったのだ


「待て……待ってくれ!どうして、新重が……」
「ライダー!お前、新重に何をした!?」

「何も。俺がどうこうする事等する以前より、この女の在り方は変わらない」
「わからないのか?貴様の見ていたこの女は、最初から“こうだった”んだよ」


突き放す様に告げるライダー。その言葉は貴方の心に楔を打ち込む
ずっと近くにいたつもりなのに、何もわかっていなかった。その事実が痛い程に染み入った

しかし、知ってしまった以上は見過ごせない。聞かねばならない事は沢山ある




「……新重、どうして、どうして英霊を」
「面白そうだったから!」







あっけらかんと笑いながら新重は答える
理由も何もない。単なる好奇心だけで聖杯戦争へと参加したのだ。と

「それだけで……!英霊がどれだけ危険な存在かわかるだろ!?」
「えー、だってつまらないんだもん。毎日毎日優等生やってるとさ」
「だったら、ちょっとくらいハメを外してもいいじゃん。タバコやお酒と同じだよ」

それくらいいいでしょ?と不貞腐れる様に頬を膨らませる
何で自分が怒られているのか。さっぱりわからないという風に

「それに……令呪は!令呪はどうした!?」
「ああ。それは不必要なものだからな。“適当に使って貰った”」

次に答えたのはライダー。その返答は、貴方を動揺させるに充分過ぎるもので

「て……適当に?」
「うん。だって、アレってずっと残しておくとダメだってライダーが言ってたよ?」
「ああ、そうだとも。令呪という存在は我々にとって百害はあれど一利も無い」
「早々に捨てて貰う他はない。そうだろう?」


……なんて事だ。このライダーは自らのマスターを騙し、自らの鎖を放棄させている
いや……もしも、新重にちゃんとした聖杯戦争の知識があればそんな事はしないはずだ
わざわざ自らの首を絞める、自殺行為等……



「私、庶務君が英霊持ってるって知って、嬉しかったんだ」
「君は私と同じだよ。ずーっとつまらなさそうな顔をしてた」
「だから、君ともっと遊びたい!わざわざバケモノを放ったりしたりしたんだもん!」

「…………今、何て言った?」

今日で、何度目かもわからない程言った言葉。相手の意思を確認する問い掛け
それに対して呆れたのか、新重は何言ってるのと言いたげに、口を開く


「うん。そのバケモノは私が造ったんだよ」








ちょいちょいと手を招くジェスチャーをする
それに呼応するかの様に、貴方から視線を外し新重の元へと走っていく
足元へ、お座り。のポーズをして待つ獣。それはご主人に対してご褒美をねだる犬と重なった

それを見て、微笑みながら……足を振り落とし、頭を踏み砕いた
血飛沫すら、呻き声すら出さず倒れる獣。その姿はたちまち地面へと消えていく


「な……」
「ごめんねー。本当はあの三人を襲う様に躾をしたはずなんだけどさ」
「なんか知らないけど、庶務君の方行っちゃった。……このバカ犬!えいっ!」

怒りながら、先程までそこにいた地面を蹴る。どこか子供染みた、愛らしさすら感じる動作
しかし、貴方は違う。まるでその目は、怪物を見たあの時と同じ様な眼で……


『新重 茜のスキルを開示します』

 ◆怪獣母胎   
 神話に語られる反英雄の紛い物である怪物を使い魔として世に生み出す魔術。   
 怪物を模している為に使い魔しては非常に攻撃的であり、餌となる魔力を保有する生物を無差別に襲撃する。   
 ある程度は操ることが出来るが、正式な魔術師でないため指向性を持たせるのにも一苦労。



「ねえねえ!早く、早くっ!私とバトらせようよ!庶務君っ!」

興奮を隠しきれなくなったのか、ワクワクと体を動かして催促する
……貴方は、前を見据えて、毅然と言葉を



「……ごめん。バーサーカーは呼べない」









「……どうして?」

ピタリ。と新重の動きが止まる
確認するその目からは感情が消え失せ、どろりとした淀みすら感じさせる
少女の豹変に、貴方は怯まない。強い態度で、言葉を叩きつける

「俺は……バーサーカーを呼ぶつもりはない」

ハッキリと新重に突きつける。“お前と遊ぶつもりは無い”。という、明確な拒絶を


「わからんな。二つ、貴様は間違えている」
「呼ばない。ではなく……呼べない。だろう?」
「……ああ」
「そして、二つ。貴様には令呪を残しているはずだ。どうして使わない?」

冷静な指摘に、少しだけたじろぐ。
それと共に、貴方に令呪はあれどそれを使わないのは不自然だと、確かめる様に


「もしかして、別の英霊にやられちゃってもういないとか……?」
「……似たようなものだよ」


怪訝そうに聞き返され、含みを持たせて答える
貴方の答えを確認するや否や、新重はむっとした顔を浮かべて、地団駄を踏んだ


「えーーー!?つまんないつまんないつまんない!つーまーんーなーいーーー!!」










「……ライダー。庶務君、殺しちゃっていいよ」






「……っ!」
「私と遊んでくれないなら、庶務君なんていらなーい」
「ちゃっちゃと死んじゃってよ。庶務君」


クラスメイトからの死の宣告。処刑人は笑みを浮かべ、貴方へと歩いていく
その姿はどこか勇壮に。まるで勇者の如く堂々とした歩みで

「……理解出来んな。この状況で、まだあの女を呼ぼうとしないとは」
「本当に消されたか?……いや、その手の令呪は真なるもの。ならばこそ、ここで呼ばぬ理由等無いだろうよ」


ライダーは語る。貴方の不合理さを
貴方は語る。ライダーへ、自分の意思を


「俺は……あいつの事をよくわからない。正直、俺がマスターで良かったのか、今でも思う」

「けど、俺はバーサーカーをただの兵器として使いたくない。誰かを傷つける為に動かしたくないんだ!」

叫ぶ。叫ぶ。喉が痛む。それでも、強く!





「これは……俺の意思だ!誰でもない、俺の願いなんだ!」

「俺は戦いたい。……いや!戦う!誰かが笑ってくれていると、俺は前を向けるから!」







「……なんだ、それは」


「それは……ただの独善。偽善だ……そんなものの為に、戦うというのか……!」



「……ああ。それが俺の願い。俺の意思」

「俺は戦う!戦えない、他の人の代わりとしてこの聖杯戦争を勝ち抜いてみせる!」

「それで……!」





「……もういい、語るな。本当に理解出来ない。他人を自分の欲にする等と」

「理解不能、解析不可、こんなもの、到底納得出来るものか……!」

怒りを滲ませ、剣を執る。その顔には、理解の範疇を越えた感情が



「ラーイーダーー!はーやーくぅーーー!!」

「疾く消えろ。貴様に生きる価値は無い……!」


剣が迫り来る。貴方は想う。故に、目は剣から反らさずに




“……俺は、ずっと他人の顔を見てきた。けど、それは間違っていたんだ”

“本当は俺の為だった。ずっと目を逸らしてた。だから、もう止める”

“俺は、俺の為に……皆の為に戦いたいんだ”

“だから───!”











「“令呪を使う。力を貸してくれ、バーサーカー”」








【本日はここまで。描写オンリー回ばかりで申し訳ががが】


【本日はお休み】

【ところで、そろそろ次スレの用意をするのですが】

【何書けばいいんでしょうね……三行あらすじだけじゃ寂しいですか?】


【本日もお休み】

【一行説明……現在でも相当数あるので、多分厳しい。かなあ……】



【本日もお休み。明日には必ず……必ずや……!】



【遅くなりました。更新します】

【一個だけ安価あり。ゆっくりやりましょう】








───我思う、故に我あり。とは、いったい誰の言葉だったか




そう。あれは思索の海に囚われた時、我が師が教えてくださった言葉だった
全てにおいて疑うべし。しかし、現在思考している自分は見失うな。という意味だった様な

……その点において、あの青年はどう擁護をしても落第点と言えるだろう



“力を貸してくれ、バーサーカー”



……身体に漲る。令呪を使ったか、そうでも無ければ、彼はここまでの魔力を回せない
さて、どうしたものか。ここで放置すれば、彼はまず間違いなくライダーに殺されるだろう
それもまた彼の甘さが招いた結果。自分が批難される謂れは無い


幸い、バーサーカーにありがちな魔力の乱暴な食い潰しによる自滅の可能性は、自分には無い
このまま彼を捨て置き、新たな契約者を探すのもいいか……




……数刻前の自分は、間違いなくそう思っていた










『俺は戦いたい。……いや!戦う!誰かが笑ってくれていると、俺は前を向けるから!』




「全く。そう言われてしまうと、私……」
「……つい、手を貸したくなってしまうじゃないですか」


微笑み、剣を執る。貴方の願いに応える為に。貴方の剣となる誓いを果たす為に
初めて見せた強い意志。彼女はそれに、自分が何処か、遠くで感じた衝動を思い出す
それは確か……。あの日、極寒の空の下で彼が涙ながらに私に懇願した言葉


自らの意志を曲げ、溶かす程の熱を帯びた心


貴方の踏み出したか弱い一歩は今、間違いなく一人の女性の心を動かしたのだ





───彼の願いは、漸く叶う









「──ええ、そうでしょう。彼の言葉に意味はありません」
「……何?」
「けれど……何かを為す事、それに意欲的に取り組む事こそ、人の最も偉大なる事」


「だとすれば、我がマスターは……今、偉大なる一歩を進めたと呼べるだろう」
「ライダー!その邪魔は誰にもさせない。例え神が相手だろうと!」

剣が貴方に刺さる寸前、光の奔流が介入する
当然、困惑するのはライダーだ。寸分の狂いも無く振った剣。弾かれる要因等どこにも……
……いや、令呪ならば。時として奇蹟にすら匹敵する程の力を授ける大魔術。ただの素人ですら英霊を縛れる切り札


歯噛みする。自らの分は既に剥奪した、これでは相手の分に対応できない……!



「……ありがとう。バーサーカー」
「悪い様にはしない。と誓ったから……というのも違うか。最初、私は見捨てるつもりだった」
「貴方のその言葉、その意志……それに、賭けてみたくなったから」


差し出された手を取る。新たな契約の証。貴方とバーサーカーの、新たなる門出




「わぁー!すっごいすっごい!庶務君の英霊だぁ!」


……そこには似つかわしくない、底抜けに明るい声が割り込んで来た






「……新重」
「なーんだぁ、いるんじゃん!ケチ!」
「貴様、確かマスターの……」
「あ、でもそんなに強いって程でもないね。なんかがっかり……」


バーサーカーを見て一喜一憂する新重。それを冷ややかな目で睨みつける
そんな状況を知ってか知らずか、きゃっきゃと無邪気な笑顔でライダーに命じる


「ライダー!ねえねえ、早く戦ってよ!」
「庶務君の英霊と私のライダー、どっちが強いか比べるんだから!」
「…………そうか」


ライダーが剣を構え直し、向き直る
それに呼応してバーサーカーも剣を執り


「一つ、俺の行動を理不尽に拘束した」
「二つ、俺の思考を切り捨て放逐した」
「三つ、俺の意思を無視して戦わせた」





「そして、四つ……潮時だな」




【???補正】+2
123:???
456:???(条件あり)
789:セーフ
↓1




4:(今は)セーフ




「…………ハアッ!」
「…………!!」


ライダーが剣を振るう。貴方に向けた時よりも早く、正確に
怒気を纏ったソレは力強く振り落とされ、的確にその身を引き裂く

「…………は?」
「…………え?」
「…………あれ?」

貴方と“バーサーカー”は目を見開き、その光景をただただ眺める事しか出来ない
ポタポタと滴る紅い液体、目に痛い程の赤だけが視界の中で点滅する
切り裂かれた“新重”は、起きている状況についていけていない様で……


「ライダー?…………痛い、よ?」
「ああ。痛くしたつもりだからな、すまない、一撃で殺せなかった」
「……迷いで剣が鈍った。俺もまだまだか」

どしゃり。と倒れる新重。その腹からは夥しい血が流れ出ていて
今、この光景を見れば誰でもわかるだろう

……ライダーは、自らのマスターを手にかけたのだと





「……新重ーーーっ!!!」





【本日はここまで。ほんのちょっぴりですみません……】

【次回は書き留めとキャラ作成があるので少し遅れるかも。ご容赦を】



【次スレのお知らせ。完全に忘れててすまない……】
【鯖鱒wiki】どうやら坂松市で聖杯戦争が行われる様です【AA不使用】2 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssr/1587301598/)

【ちょっと今回は冒頭はさっくりめに。また次回になったら考えさせていただきます】


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