大崎甘奈「キャッチャー・イン・ザ・バスルーム」 (50)


大崎甘奈さんとプロデューサーの全編和姦なエロSSです


前作→八宮めぐる「一緒にここから」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1584723459


この時期に暖房をつけるとは思わなかった。電気代の心配をしないで良いのがせめてもの救いだった

「はい、はい、明日には……いえ、大事な娘さんですので。ご心配をおかけさせてしまい本当に……」

豪雨。側溝が溢れ、下水が湧く道路。上から眺めたそれらが、今日はもう帰ることが出来ないことを俺たちに突きつけていた。

窓に当たる雨粒は大きく、洗車中の車の中を思わせる。バタボタ、という不規則な音が電話の向こうからも聞こえた。きっと、あっちでも大変な雨なのだろう

「はい、どうもすいません。甜花さんは……よかった、無事に……はい、あっ、家から今日は出てない……そうですか……」

俺は相手に言わなければならないことは伏せ、そのまま通話を切った。まだ雨は強い

手が冷えていることに気がついた。足先も同じように、熱が奪われて行っている。スラックスの裾の部分は、ホテルに入るまで、車からエントランスまでにビチョビチョになった。ピタリと張り付く感触が気持ち悪い

ベッドに腰掛けようとして、やめた。代わりに窓際の椅子に座る。テレビをつける。左側と下側が災害情報の速報を流していた。ハエのように手を擦り温め、明日無事に帰るためのプランを練っていく

と、同時に、ずっと流れていた音が止んだ。バスルームが静香になった。外の雨とは違って細くて、テレビのキャスターが慌てて読み上げるよりは規則的なシャワーの音が止んだ。次に、ドライヤーのモーターが動き出した


もう上がったのか、こんな時間じゃシャワーだけしか浴びれないだろう。湯船に浸かってもいいのに、身体は冷えるだろうから、十分に暖まってからでいいだろうに。

バスルームのドアが開く。彼女の長い赤毛はまだしっとりとしていた。ひょっこりと、顔だけ出して俺を見る

「……ごめんプロデューサーさん、パジャマ取ってくれないかな?」

少し赤くなった頬をしていた。俺はベッドの上に二つある内、一つだけ手にとって彼女に持って行く。ガウンタイプのパジャマだった。なるべく肌を見ないように、目を伏せながらバスルームへ歩く。

「ありがと」

受け取るやいなや、顔を引っ込めた。ドアが開いたままだったので締めてやった。

バスルームから座っていた椅子に戻ろうとする、ところでパジャマが減ったベッドが目に入った。枕が二つ、布団が一つ、マットレスも一つ。いわゆる、ダブルルーム。

このビジネスホテルではここしか空いてなかったとはいえ、探せばここ以外にもホテルはあるだろうに。30分前までの自分がいかに慌てていたのか分かる。今からでも遅くないから近場を探すべきだ。

スイートルームだろうとラブホテルの一人使用だろうがなりふり構っていられない。担当アイドルと一つのベッドで一夜を明かすわけにはいかないだろう

スマホの画面をタップする。しかし、手の温度と湿り気で画面へ結露のように水滴が付き、うまく指を感知してくれない。スラックスで拭ったが、水滴が広がるだけでまるきり意味はなかった

そうこうしている内に、再びバスルームのドアが開く。ガウンに身を包み、俺の担当アイドル――大崎甘奈が、ベッド近くまで歩んできた

「……次、いいよ。プロデューサーさん」

「……ああ」

ゆっくり休んでくれ、と甘奈を横目にバスルームへ向かう。自分の分のガウンは忘れずバスルームへ持ち込んだ。ユニットバスのカーテンは濡れていた。触るとひんやりしていた。


今日は甘奈のソロ活動があり、社用車で出ていた。しかし、午前中から降り続いていた雨は正午を境により激しさを増し、イベント終了間際に差し掛かると、現場のスタッフのほとんどが『これヤバくないか?』という雰囲気を出し始めていた

なんとか無事にイベントは終えられたが、挨拶回りをしている最中に注意報は警報へ。甘奈と「急いで帰るぞ」と車に乗り込んだものの渋滞に巻き込まれた。

そして、横風に吹かれて甘奈も俺もビチョビチョになっていた。甘奈が車に水をかけられた日のことを思い出した。あのときはタオルもジャージもあったけど、今回は違う。というかさっき衣装から着替えたばっかりで、替えのものが何もない

体調を崩してはマズい、と急いで近くのホテルに駆け込んだ。フロントで部屋の確認をすると、同じように豪雨から逃れようと多くの人が来ていたらしく、ダブルルーム一部屋しか空いていなかった。

『甘奈、悪い……二部屋取りたかったんだが……甘奈だけここに泊まってくれ、俺は他の所を探すよ』

そう言って、甘奈だけをチェックインさせようとした。しかし

『そうしたらプロデューサーさんが身体壊しちゃうよ! いまもずぶ濡れだし、とりあえずここにしようよ。後のことは、後になって考えようよ』

甘奈に強く反対された。俺の身体を案じてくれたのは嬉しい、が、自分自身も慮るべきだと甘奈のことが心配になった。男と一つの部屋で、というのはあまりにも危険だ。もっと自分の身を守るということを学んで欲しいと思った

だが、俺もまた身体が冷えていて、今すぐにでも暖かい部屋で休みたかったのは事実。『後のことは後』という甘奈の提案に誘われ、チェックインをして部屋に入った

しかし、暖房をつけ、甘奈の親と電話をするとそういう考えは薄れてくる。シャワーを浴びたら、すぐに違う場所をさがそうと思った


頭からシャワーを浴びる。さっきからずっと落ち着かない。直前まで甘奈がここにいたからだろう。彼女の存在の残穢がまだ漂っているようで変な気分になる。

備え付けのシャンプーで洗髪し、手にとってボディーソープを泡立たせて身体を擦っていく。いつも自宅でやっているよりスピーディに終わった

バスタオルであらかたの水分をぬぐい取った後、ドライヤーで手早く髪を乾かした。ガウンに袖を通し、バスルームから出る。

「うん、うん、頑張る……あっ、それじゃあ切るね、また、うん」

甘奈はベッドに腰掛け、誰かと電話をしていた。きっと甜花か親御さんだろう。さっき俺の口から伝えたとは言え、本人からの連絡の方が家族も安心するはずだ。気を遣わせて切らせて申し訳ない、もっとシャワーを浴びる時間を長くすれば良かった

「甘奈、ちょっといいか?」

「なに?」

「やっぱり、二人で同じ部屋に泊まるってのは止めておいた方が良いと思う。甘奈はアイドルなんだし、俺はプロデューサーだ。いまから他のホテルとかネカフェとか探すから、明日の待ち合わせとかを……」

外の雨を見る。まだ止まない。テレビ画面を見る。通常のバラエティ番組が放送されている、がやっぱり画面が分割されている。左下に気象図が出ている。明日の朝には弱まるらしい。甘奈を自宅に届けるのも出来そうだ

「だ、大丈夫だよ? というか、今から探して見つかるかどうかも……甘奈、プロデューサーさんなら信じられるし、無理しなくても……」

甘奈はこの状況でも俺を慮ってくれるのか。そして、信用もしてくれている。とても嬉しい。だが。

「……信頼してくれるのは嬉しいけど、信用しすぎるのはダメだ。甘奈はもうちょっと、自衛する意志を持って欲しい。甘奈はアイドルなんだから、自分の事は自分で守ってくれ」

「……」

甘奈は押し黙った。組んだ指をもじもじとさせている。急に説教臭くなってしまった。申し訳ない、こういう大人からの小言って嫌な気分になるんだよなぁ。わかる、わかるけど、ちゃんと聴いてほしいな。なんだ、俺の考えがオッサン寄りになってるぞ

「とりあえず、まだ身体は疲れているだろうからゆっくりしてくれ。必要なものがあったら買いに行くから。ホテルの中にコンビニがあったし」

言葉を発しなくなったままの甘奈を横目に、窓辺のイスに座り直す。

乾いたスマホで近くのホテルを調べた。全滅だった。ラブホテルも調べた。全滅だった。カプセル。全滅。ネカフェ。臨時休業

……どうしよ


今日はここまでです、続きはまた

甘奈のスケブラで2回も男汁を出した

>>2
バスルームが饂飩になってる


再開します

>>8 気がつきませんでした、すいませんでした……ありがとうございます……


マップアプリの検索範囲を広めよう。車があるんだし、多少遠くでも渋滞を抜ければ……そうだ、車があるんじゃないか

「車中泊するか」

「え!?」

社用車にはシュラフも積んであったハズだ。甘奈をホテルのこの部屋に、俺は車に、そうすればいいんじゃないだろうか

「ちょ、ちょっと! ダメだよ! まだ夜は寒いんだし……外も大雨なんだよ? もし水が溢れちゃったら、車の中で孤立しちゃうし!」

「むぅ」

かなり可能性は低いが、あり得ないとは言い切れない。確かにそうだ。

朝になれば雨が弱まるとは言え、それまでにたまった水は残る。もしも川などが氾濫し、道路が冠水してドアも開けられない程になっていたら、ここに甘奈が取り残されることになる。甘奈を孤立させるのは絶対に避けたい。

「だからと言って、同じ部屋に宿泊するのはやっぱり……あのイスも倒せば寝転べるが」

「……ねぇ、甘奈は、プロデューサーさんが」

「甘奈も疲れてるだろうし。俺と一緒のベッドでなんて心配とか先に来てゆっくり休めないだろうしさ。別々の場所で寝よう」

「…………」

甘奈はまた黙ったままだ。すこし、いやかなり寂しそうな顔をしている。

「……ともかく、明日ちゃんと帰れたら良いんだけどな……」

この状況が続く、という場合も考えられる。予報が外れて雨が降り続いたり、またさっき甘奈が言ってたよう道路が冠水しないとも限らない。そうなったらこの部屋にもう一晩……となると、さらに危険だ

まあ、後のことは後に考えよう

「コンビニ行くけど、何かいるか?」

「……あったかいココアと肌着」

「……わるい、分かった」

そりゃあ下着まで濡れたから、今はノーブラなんだろう。寝るときとかそれ以前に、いまのほうが気を遣わせまくってるじゃないか。それなのに色々言って何をしているんだ俺は。

乾いていないバッグから財布を取り出し、スリッパのまま外に出た。カードキーを似て、代わりに自分の名刺を入れておいた。これで代用出来るし、防犯にもなるだろう

途中、甘奈の胸元に目をやろうとしている自分に気がついた。観ないように心の中で自分に平手打ちをした。


ホットココア。シャツと、一応カップつきのキャミソール。カップ麺。スナック菓子、チョコレート。買い物カゴが8割ほど埋まるくらいに商品を入れていく。途中甘奈用のメイク用品なども買っておいた方が良いか悩んだ。が、ああいうのは本人が贔屓にしているものがあるだろうから、それが分からない以上手を出さない方が良いと思ってやめておいた

……というか、プロフィールでバストサイズは知っているからとカップ付きのキャミソールを購入するのもずいぶんと危なくないか? キモいよな……また甘奈とここに来た時に、個人的に買ってもらおう。

キャミソールは棚に戻した。カゴが少し軽くなった。

部屋に戻る。

「どうすればいいのかなぁ……えっ、それは……うん……あっ、じゃまた、切るね」

「いや、少し席を外そうか? 電話するんだろう?」

「だ、だいじょーぶだよ、気にしなくても。……いっぱい買ってきてくれてる。」

甘奈が膨れたビニール袋を観た。今日頑張ったからな、これくらいで申し訳ないけど、と袋を手渡した

「ううん、ありがと。結局お昼ご飯食べる暇がなかったし、お腹ペコペコだもん」

少し機嫌が良くなったのか、ガサガサと袋を漁りお菓子を取り出す甘奈。さっきまでの寂しそうな顔はどこかへ行っていた

それはいい。それはいいのだが。早めにシャツを来てくれないだろうか。ずっと肌にダイレクトでガウンのまま、というのは、あまりにも、あまりにも……


そのまま部屋で甘奈と過ごした。甘奈はベッドに、俺はイスに腰掛けてテレビを観る。災害用テロップのある画面にも慣れて、バラエティ番組を笑いながら観ていた

8時くらいに、晩ご飯はどうしようか、ホテルのレストランに行こうかと甘奈に尋ねた

「こんな格好だし、コンビニもあるし……甘奈は、この部屋でプロデューサーさんと食べたいかな……」

テレビの画面を見ながら、甘奈はそう言った。CMが流れていて、特に見所のないテレビ画面だった

二人でコンビニに行って(甘奈にはメガネとマスクをして軽い変装をしてもらった)、弁当やお茶を買っていく。他の宿泊客も同じようにしている人が多いらしく、お気に入りの弁当は売り切れていて、仕方なく自分の中で言う所の2軍の弁当にした。

「甘奈、足りるか? 俺はさっきATMで下ろしたし、ここは出すぞ?」

「これは甘奈が必要だから買うんだもん。大丈夫、さっきATMで下ろしたし」

甘奈は弁当と飲み物の他に、化粧水や保湿クリーム、キャミソールなどを籠に入れていた。

「まだ色々買うしさ、先に戻っていてもいいよ。」

「大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫、心配してくれてありがとね」

まあ、男がいたら選びにくい物とかもあるだろう。年頃だし、それで金を出されるのも恥ずかしいだろうな。どうも過保護になっているような気がしてならない。いや、実際になっているだろう

甘奈より先に部屋に戻った。ドアの前まできて、鍵を甘奈に預けてたことを思い出した。温めてもらった弁当が冷めていくのを感じながら待った。俺を発見した甘奈は苦笑いをしていた


いただきますと、ごちそうさまの後。10時半頃になると、甘奈がこくりこくりと舟をこぎ始めた

「眠いなら寝てくれ、俺はもうちょっと起きてくから」

今日のライブの疲れや、雨に打たれた事による体力の消耗。想定していたよりも疲れているだろう。

「……まだ、ねんない」

「呂律も回ってないじゃないか」

目を擦る甘奈に寝るよう催促する。観念したのか、甘奈は布団を被り枕に頭を乗せた

「…………ねぇ、ぷおでゅーさーさん」

「なんだ?」

「……ほんとに、ここでねないの? いす?」

「うん、イス。甘奈もそっちの方が良いだろ」

「……………………ぜんぜん」

「ん?」

ぜんぜん……どういうことだ? 気になって聴き返したけど、答えは返ってこなかった。きっとまどろんでて、ちゃんと応答するのが難しいんだろう。

甘奈が眠るのを確認してから、タオルを片手にバスルームへ向かった。

俺は甘奈に嘘を吐いた。元からイスで眠る気は無かった。ユニットバスのカーテンを開けて、浴槽に着いた水滴を拭き取っていく。カーテンを閉め、大きめのバスタオルをタオルケット代わりにして、眠りについた。


固い感触に囲まれている。目を閉じると甘奈の顔が脳裏に浮かんだ

そろそろ、本格的に認めるべきなのだろう。俺は甘奈に劣情を抱いている。

始めは、今日によく似た雨の日。すれ違った車に水をかけられ、ずぶ濡れになった甘奈が事務所に来た日。あのとき、自分の中で動いていた歯車のどこかが食い違った。そういう感覚があった

透けて見える肌。張り付いた衣服。浮き出るアンダーウェア。……見とれて、何もできなくて。ようやく身体が自分の言うことを聞くようになってから、タオルを取ると言い訳をして逃げた。

あれからだ、あれから。それまで頑張ってる担当アイドルとして、少し年の離れた妹みたいな存在としていた甘奈に性的な興奮を抱いてしまうようになった。プロデューサーとしての自覚のたりなさを恥じた

今日、甘奈に必要以上に過保護だったり、それでいて甘奈を突き放すようにしていたのも全部説明が付く。俺のわがままだってのが理由だ。

プロデューサーとしても、人間としても、甘奈を導く主導者として最低な存在に成り下がっていた。そんな自分に気がついても、自分の発言や行動を止められなかった

こうしてバスルームで膝を折って寝ているのも、俺の不甲斐なさからだ。もしあのベッドで、あのイスで、甘奈と同じ空間で寝ていたら。

無防備な甘奈が、近くにいたら。甘奈の寝顔が側にあったなら。俺はきっと、最低な行為に及ぶ。どれだけダメだと頭の中で警鐘を慣らしても、きっと止まることはない

だから、浴槽で縮こまる必要があった。甘奈を求める思いを沈めるために、こうしている

自分がとんでもない道化のように思えてきた。いや、実際そうなのだろう。自嘲し、寝返りを打つ。打てなかった。狭いからだ

仕方がないので心地よくない体勢のまま、固い箱の中で目を閉じた


………………。

……ん?

何か物音がしている。目を開ける。電気は消したハズなのに、まぶたを閉じても肌色が明るい

「んっ…………」

ああ、甘奈がトイレで起きたのか。そうか……トイレ? 待て、ちょっと待てってこれは、ちょ

「ふぅ…………」

喉の奥を絞るような声が聞こえた。ユニットバスのカーテンの向こう、甘奈が用を足している。便器に勢いよく水が当たって、水が良く出るような音が聞こえた。思わず口元に手を当てた。何も口に出してはいけないような気がした。これはダメだ、ダメだという思考に、脳のリソースがどんどん食われていく。

水の流れる音がする、水の当たる音がする。甘奈の吐息も聞こえる。ただ俺は、一切声を出さないように、口を必死で抑えるしか出来なかった

気がつけば水の音は消え、代わりにトイレットペーパーをからからと取りだしているものに変わった。俺はずっと動くことが出来なかった

流す音と布が擦れる音が続いた。終わったのか、と安心するのもつかの間

「起きてる?」

と、薄いカーテンの向こうから、尋ねられた。俺は口を押さえたままだった。

ここまでです、つづきはまた

次回セックス

続きです

ごめんなさい前戯までで挿入まだです


「寝てたらごめんね、起こしちゃうかもだけど……」

明かりは消えないまま、布越しに対峙したまま、甘奈は語りかけてくる

「部屋みてもどこにもいなくてさ、甘奈ちょっと怖くなっちゃって……車の鍵もカバンもそのままだし、カードキーも外されてなかったから、ここかなって思ったけど……影があるから、安心した」

淡々と語られる。甘奈がどんな感情を持っているのかわからない

「……起きてる?」

もう一度訊かれた。もう一度黙ったままで過ごした

「…………独り言になるけど、言うね。言ったら、少しはスッキリすると思うし。途中で起こしちゃったら、ごめんね」

そう、甘奈は切り出した。


「プロデューサーさん、甘奈のことを避けてるよね。ホテルに入ってから、ずっと」

浴室内は音が反響しやすい。全身を甘奈の声で包まれるような感覚がある

「プロデューサーさんは、プロデューサーだし……甘奈もアイドルだし、そうしない方が良いってのは甘奈もわかるよ。一緒のお布団で寝たりとか、そもそも、一緒の部屋に泊まったりとか。分かってる。でもね、分かってても、したいことだってあるの。」

そりゃあ気がついていた。俺だって馬鹿じゃない。甘奈が何かを期待しているような視線を投げかけてきているのは知ってた。甘奈が俺の事をどう思っているかも、知っていた。だからこそ、頑なに避け続けた。互いの合意があっても、駄目なことだってこの世にはある

「プロデューサーさんはそうじゃないだろうけど……甘奈は本当に、嫌じゃないから、嫌なんかじゃないから、全然大丈夫だし、むしろ……でも、強引になっちゃった。わがまま言い過ぎちゃった」

段々と小さくなって、言葉が途切れた

「…………甘奈、プロデューサーさんに嫌われたのかな。言うこと聞かないし、変なこと言っちゃったし……失敗しちゃったなぁ」

さっきまで淡々と語っていたのとは違う。いや、さっきまでなんで淡々と語っていたのか分かった。

堪えていたんだ。抱えた分が漏れないように。頬を濡らして、声を震わないように

「ごめんなさい、プロデューサーさん……明日から、ちゃんと言うこと聞くから……」

鼻をすする音が響く。まるで懺悔をするかのように、自分が抱えた感情を甘奈は潰していく

違う。違うんだ。甘奈は何も悪くない。悪いのは俺の方だ。懺悔も俺がするべきなんだ。ハッキリとさせずに、回答を浮つかせたまま、後へ後へと先延ばしにしてきた俺が悪いんだ

ちゃんと断るか、全てを背負う覚悟で受け入れるか。そのどちらも選択しなかった俺の責任なんだ

「…………話して、泣いたら、スッキリしちゃった。じゃあね、おやすみ」

明るい――取り繕った声だった。俺は、口を塞いでいた手を伸ばす。ここでおやすみをしたらダメだ。甘奈に取り繕わせちゃダメだ。甘奈に『嫌ってる』なんて、思われたままは嫌だ

カーテンを掴む、まだ濡れていた。思いっきり開けて、甘奈と対面する。甘奈は驚いた顔をしていた。向けられた目は、周りが赤くなっていた

「えっ、ちょ、プロデューサーさん、起きて」

赤いだけじゃない。まだ指で拭っている途中だ。

固い浴槽の中で縮こまっていたせいだろう。身体が痛む。思うように動かない。関節が硬い。それでも、甘奈がドアにかけた手を取った

「いつから起きて――」

「甘奈、俺は……」

俺は、と言葉を続けた。今まで先延ばしにしてきた事の回答を、今ここで甘奈にする。甘奈の耳へ答えが届く。一瞬固まってから、甘奈は泣いて、それから笑った。今度の涙は、俺のガウンで拭われた。


女子高校生に欲情するなんて、と俺の中の『ちゃんとしている部分』が警鐘を鳴らす。しかし、残りの部分がソイツを押さえつけた。

ダブルサイズのベッドは、二人で腰掛けてもまだスペースが余る。部屋は明かりを切ったため暗い、

「……いまさらだけど、おしっこしてるの聴かれたのすごい恥ずかしい……」

「……ごめん」

甘奈は顔を真っ赤にしている。取り繕った感じはもうどこにもいない。いつも以上に、いつも通りな甘奈がそこにいた

「寝てると思って、色々言っちゃったし……あ~~! 恥ずかしい! 顔が熱くなっちゃう!」

「カーテンを開けて確認してくれても良かったのに」

「そうしたかったけど、それ以上に漏れそうで……トイレで目が覚めて、起きたら独りぼっちだもん。すっごい怖かったよ」

「本当にごめん……」

「怒ってない! 怒ってないけど……じゃあ代わりに、これの後は一緒に寝てね」

いっさい怒気の含まれない声で、甘奈は明るく言った。言われなくてもそうするつもりだったことだけど、頷いておいた


ベッドで向かいって座っていると、甘奈が手を握ってきた。マッサージをするときみたいに、両手の指で揉まれる。ネコが布団を踏んでいる動画を思い出した

「……やっぱり、固いね。ゴツゴツしてる」

指の付け根、関節、爪を触られる。甘奈の柔らかな指先に揉まれて、年甲斐もなくドキドキした

「男の人の手をこうやってじっくり触ったの、初めてかも。ずっと気になってたんだけど、触れなかったし……」

そのまま指を絡ませて、手のひらを合わせられた。街中で恋人同士がしているような、手の繋ぎ方。甘奈は力の強弱を繰り返しながら、手を握り続ける。顔はニマニマとしていた

「ん~~……ふふっ、あはっ、うわ~~……こんな感じなんだね、プロデューサーさん」

正直『何がどんな感じなんだ?』とは思ったけれど口に出さなかった。甘奈には甘奈のしたいことがあるし、考えもある。それに、無粋なことを言って、甘奈の笑顔が崩れるのを観たくなかった

手を握られたまま、しばらくして。甘奈が困ったように投げかけてきた

「……これからどうすればいいの?」

「ん?」

「いや、その……あの! ……えっ、その……えっちなこと……これから、し、しちゃうんだろうなって、甘奈も、そうしたいんだけど、日にちもちゃんと大丈夫な日で、これから、えっと、でもプロデューサーさんと」

握られた手に汗が滲む。じめっと、甘奈の手が粘ついた熱を帯びている

「……ごめん、甘奈、こういうの初めてで……どうすればいいかわかんない」

「…………そっか。じゃあ……と言っても、俺も経験が豊富ってわけじゃないしなぁ」

「……あるんだ。やっぱり」

「……まぁな」

「そうなんだ……やっぱりなんだ、複雑。あっ、嫌ってわけじゃなくて! そりゃあプロデューサーさんカッコイイし、優しいし、モテそうだし……恋人がいたこととか……あると思ってたけど……」

恋人繋ぎではしゃいでいたときとは一転、甘奈のテンションは下がっている。ションボリした甘奈を、繋がってない方の手で抱き寄せた

「悪いな」

「……謝んないでいいよ、甘奈が勝手に落ち込んでるだけなんだし」

「……悪い……これからは、甘奈だけだから」

「うっ……そう、だよね、甘奈は……ふふ……うん♪ 甘奈だけにしてにね!」

また頷いた。これからはどうなるか分からない。俺たち二人、どうなってしまうのか見当もつかない。くらい未来が待ってる可能性の方が大きいのだ。けれど、とりあえず、自分の中で見つけた答えだけはハッキリさせて、甘奈に伝えた


上機嫌な甘奈がにじり寄ってきた。移動してきて、シーツに皺が寄ったその途中、指先が甘奈の耳に触れた。腕の中で彼女の体が強ばった。もう一度触れると、「んっ」と声を出された

気になったので親指と人差す指で挟んだ。抱き寄せた甘奈の顔が熱くなっていくのを、腕に中で感じた

触れる。指の腹で軽く撫でて、耳たぶを優しくつまんで、耳介の溝に沿って爪を這わせる。さっきまで手を握られていたように、俺も甘奈の耳を好きにした

「ちょっと、変な感じ……待って、やめっ、ひゃ」

甘奈は耳が弱いのか。これは初めての発見だ。まあ、耳に触れる機会なんてそもそもないから知る事なんてデキなんだけど

甘奈が腕の中でする反応が可愛らしい。フェザータッチでそっと触れる。本当の拒絶をしてくるまでは、このまま触らせてもらおうと思った

甘奈の息継ぎの感覚が短くなる。耳の産毛に触れるか触れないか程の空間を撫で、直接触って、軟骨を指で挟んだ。痛くならないように、花びらをつまむように、ゆっくりと肌色を重ねる

胸板に当たる吐息に湿り気が混ざる。寒いとき、手を温めるために吐き出すような息だ。自分の喉が唾を飲み込む。その音が、やけに大きく聞こえた


そんなに長い時間は経ってない。体感で3分ほどが過ぎた頃だった。実際はもっと短いだろう。甘奈が握っている手をほどいて、耳から指を離させた。

「ごめん、ちょっと、これ以上は……変になっちゃう……」

顔を伏せたまま、甘奈はそう言った。薄暗い中でも、彼女の頬と耳の赤さはハッキリ見えた

ほどかれた手を、そのまま甘奈の頬へ持って行く。手のひらで包んだ後、持ち上げて視線をぶつけ合った

「……」

甘奈の瞳は少し滲んでいる。俺を数秒見つめた後、そのまぶたを閉じた。

「……うん」

言葉とも言えないほど、短く、生理的に出された二文字。俺はその音に応えて、唇を唇へ持って行った

「んっ」

甘い匂いがした。甘奈の匂いだった。触れ合わせてから離すと、甘奈はまぶたを開けて、俺を再び見てくる。

「……ふふっ、あ~、キス、これ……やば……ふふっ」

欲しいものを手にした少女のように。願い事が叶った子どものように。甘奈は口角を上げて、嬉しそうにほほえむ。身じろいでゆらゆらと揺れながら、口元を抑えて笑う。

ちょいちょい、とガウンの袖をつまんで引っ張られた。甘奈を観ると、さっきと同じように目を閉じていた。さっきと違って、口元がニヤケていた

ねだられた通りに、もう一度キスをする。今度は、さっきよりも気持ち長めに触れた。

「…………めっちゃ、いい」

甘奈の身体がぐにゃぐにゃと、嬉しさをどうにかして発散させようとせんばかりに動く。昔あった、音に反応する花のおもちゃを思い出した。

もう一度同じようにねだられた。もう一度キスをした。三度目なのに、彼女は飽きることなく喜んでいた


「甘奈」

彼女に呼びかける。ニマニマしたまま、「なぁに?」と振り向いてくれた。俺は両の手のひらで彼女の頬を挟み、身を乗り出して顔を近づけた

四度目のキス。今度は触れても離れず、繋がったまま、舌で唇をこじ開けた。

甘奈の身体が強ばる。俺はそのまま舌を彼女の口内へ侵入させる。ぬめる触感を覚えながら、甘奈の歯に舌先で触れた。甘奈はすがりついて、ガウンを強く握ってきた。拒絶はしなかった

体が前へ出る。甘奈の方へ行く。押し倒す。マットレスに甘奈が倒れ込んだ

舌を抜き、甘奈を見下ろす。戸惑うような、しかしまんざらでもないような、いろんな感情が交ざった顔をしていた

「……ねぇ」

さっきまでガウンを握っていた手を、首の後ろまで回された。彼女の腕で、視界が狭まった。甘奈しか見えなくなった。

「………もう一回、して?」

蕩けた瞳で見つめられ、溶けるような声でそう言われた。瞬きも出来ないほど甘奈に夢中になって、甘奈の言われたとおりにした。

甘奈はおずおずと舌を差し出してくる。それを自分の舌で舐めあげる。鼻から漏れる息が当たる。唾液が混ざり合って、ぐじゃぐじゃに泡立った。触れて間もない彼女の唇を貪った。甘奈の舌の弾力が艶めかしく、唇で挟み込む度、脳に電流が走るような衝撃を受ける

甘奈はもう俺をプロデューサーと呼ばなくなった。――さん、と。俺の名前を呼ぶ。キスがほんの少し中断する間に、一番近くで名前を呼んでくる。脳がおかしくなりそうだ

外の雨の音が邪魔だ、甘奈の声を、甘奈の吐息だけを聴かせてくれと願ってしまう


キスを続けている間に、頬から首下へ、それから彼女の胸部へと手を這わせていく。胸に触れ、一度指を曲げてた所で、甘奈の体に力が入った

「っ! あっ、ごめん……ここは、まだ……」

夢中になってキスしていたのが嘘のように、甘奈は舌を引っ込め出、俺の胸板に手を添え押してきた。その行為で、ディープキスで湯だった脳が若干冷静になる

「すまん、急に触って……」

「いや、うん……そうだよね、おっぱいも……こういう、ときって……」

甘奈が上体を起こす。ガウンのボタンに手をかけて、一つ一つ外していった。白い肌の上に、黒いキャミソールがあった。

甘奈の乳房は大きく主張している。プロフィールの数値だけでしか知らなかったそれが、キャミソール越しに主張している。生唾を飲むと、甘奈はうかがい見るようにして笑った

「じ、じゃあ、脱ぐね……」

甘奈がキャミソールの裾に手をかける。が、その手の動きがたどたどしい。震えていて、もたついていた。鳩尾まで肌が露出したところで、甘奈に声をかける

「……無理してないか?」

「してない。……してない、から」

「……恥ずかしかったり、嫌だったりしたらそういうことはしてほしくない。胸を人に見せるなんて、そんな機会があるわけでもないし」

衣装として肌を大きく露出する物は多くある。水着とかもあるし。だが、胸部だけはアイドルとしての仕事でも、誰にも見せたことはないだろう。その類いの仕事は絶対に取ってこなかった。

「……見たくないの? おっぱい」

「……正直に言うとそりゃ見たいけど、ああっだから脱がなくて良いって。……それ以上に、甘奈に無理とかして欲しくないんだ」

甘奈の手をとって、キャミソールから離させる。見たい。そりゃあ見たいよ。この薄暗い中でも、ハッキリと記憶に残るくらいに見ていたいよ。でも、甘奈が少しでも無理な思いをした上でそういうことをするのは嫌だ

さっきバスルームを出るとき、甘奈は『初めてで』と言っていた。実際、いつももより言葉に震えが見える。さっきまでのふれあいで大分逸れもほぐれたと思ったけど、また顔を出してきていた。苦しくなるような、緊張している時の声色だ。甘奈がどれだけの緊張や不安を抱えて俺の前にいるのかは分からない。でも、少しでもそれらを和らげられたら良いと思うし、辛いと思ってほしくなかった

「……わかった。けど、いつか見せるから」

少し残念そうに、けれどホッとしたように甘奈は言った。その後

「んっ」

「……?」

甘奈は後ろ側で手を突き上体をそらして、胸を突き出す体勢になる。反らしたおかげで見えた首筋と鎖骨が綺麗だった

「……触って良いよ」

「……」

「……」

「顔、真っ赤だけど……」

「……いいから、照れちゃう前に。甘奈だって、いろいろ……」

ごにょごにょと、そこからは口ごもって上手く聞き取れなかった。据え膳、という言葉がある。さっきまで甘奈が無理しない、無理させない方法を採ろうとしてた。しかし、甘奈には甘奈の考えがあって。きっと俺じゃ及び着かないほど色々と思っているんだ。その方法がこれで、甘奈がして欲しいこともこれなら、これを頭ごなしに否定する事こそ甘奈を悲しませることになってしまうだろう


手を伸ばし、キャミソールの上から、甘奈の80センチに触れる。隆起にそって手のひらを包ませた後、指をゆっくりと沈めた。キャミソールのカップ部分、厚い布越しでも分かるくらいに熱かった

「痛くないか?」

「痛くない、けど……んっ、おかしい、感じする……」

指を膨らみの下辺りに持って行って、支えるように触れた。乳房の付け根、腋と脂肪の間に指を入れる。ツボを刺激するように、指の腹で優しく押した

「ちょっとくすぐったい」

「す、すまん」

「いや、うん……くすぐったいけど、ぅんっ、嫌じゃ、ないよ」

「……」

そのまま、彼女の乳房を揉み続けた。痛みを覚えないよう、指の力を抜いて、体の反応をつぶさに見て、ゆっくり、甘奈の胸を揉み続ける。

「んっ、あっ、そこ……ぷっ……ぷふ、あは、ふふっ……すっごい、必死な顔してる」

胸を揉みながら触れるだけのキスをしていると、甘奈が急に吹き出した。日常生活の一部分のような、自然な笑顔だった。俺はたまらず甘奈の胸から手を離す

「す、すまん……ちゃんと甘奈が気持ちよくなってるかどうか、不安で……」

「笑ってごめんね……うん、耳とおんなじくらい気持いいし、あと安心出来るよ。プロデューサーの手、あったかいもん」

「……そっか」

甘奈はそのまま俺の手を握った。『やっぱりあったかい』とつぶやいた。甘奈は手フェチなところがあるのかもしれないと思った

見つめ合ってまたキスをすると、甘奈の手も温かくなっていて、手汗で滲んでいるのが分かった

今回はここまでです

全然オチンチン出なくて挿入もなくてセックスって言ったのにセックスじゃなくてすいません

次回からちんまんです

再開します

長くなります、すいません


「…………そこ、そんなになるんだね」

股間に目を向け、甘奈が言う。俺のパンツは勃起したペニスに押し上げられて、我慢汁が漏れ一カ所が滲んでいる。

「……触っていい? ちょっと、興味あるし……」

頷いて、足を開く。甘奈はその間に座り直して、おそるおそる手を伸ば「あ゛ぁ痛い! 強い!」

「ご、ごめんっ!」

甘奈がバッと手を離す。学生の頃、スポーツテストに握力を測るものがあった。俺は記録係をすることになったのだが、そのとき女子の記録を見て『かなり弱いんだな、30キロあれば強い方か』と思っていたが、とんでもない。みんな強い。その気になれば男子を殺せるだろう

痛い。すっごい痛い。潰れるかと思った。棒の部分に走る痛みが強すぎて腰を引いてしまった。さっきまでに高まっていたエロい雰囲気が全部散っていった。自分でも驚くくらい大きい声が出てしまったもの

「だ、大丈夫……?」

「な、なんでそんなに思いっきり握ったんだ……?」

「あの……雑誌とかので『固い』ってあったから……強くしないと気持ちよくないんじゃって思って……」

「……加減は、してくれ」

さっきまでガチガチだったペニスは少し柔らかくなっていた


甘奈は申し訳なさそうにシュンとしている。知らなかったとは言え、俺のことを思ってくれた結果の行動だ。失敗してもいい、ここはすごい痛みに弱いんだと分かってくれたなら良い。

しかし、ペニスに意識が行ったこと、エロい雰囲気が霧散したことでかえって良かったかもしれない

「……すまん甘奈、ちょっと待っててくれ」

ベッドから退き、スリッパを履いてドアへ向かう

「え? な、なんで? 怒ったの?」

「いやそういう訳じゃ無くてな……避妊具、持ってないから。下で買ってくるよ」

バスルームからの流れが止まらなかったので頭からすっぽり抜けていた。避妊具、コンドームなどを所持していないとチンコを強く握られたことで思い出した。下のコンビニにあるだろうか、こういうビジネスホテルでも取り扱っていれば良いのだが……

「……大丈夫だよ、行かなくても」

背中側で甘奈が言った。いや、それは流石にダメだ。自分が思っていたことと矛盾するが、それはそれ、これはこれ。限度はある。

「……だって、さっき買っておいたもん」

「……え?」

「晩ご飯、買いに行ったとき……あの後、『もしかしたら』って思って……」

恥ずかしかったけど買っちゃった、と。甘奈もベッドから降りて、未開封のお菓子がまだ残っているレジ袋から、コンドームの入った箱を取りだした

「……ど、どうしたの?」

「いや、ちょっとな……」

用意周到というか、なんというか。


「んちゅっ……ん……はぁ、んっ♡」

散ったばかりの雰囲気も、またすぐに集まり始めた。繋がった唇から唾液の粘つく音が、甘奈の声と混ざる

甘奈の太ももに触れる。そのまま手を這わせ、段々と鼠蹊部、股間へと指を持って行く。

「いいか?」

「……うん」

甘奈が唾液で汚れた口周りを拭いながら答えた。俺は甘奈のガウンに手をかける。ズボンを下ろし、ショーツを露出させた。コンビニで甘奈が買った水玉柄のショーツだった

すると、ショーツのクロッチ部分に縦型のシミが出来ているのが見えた。指を乗せると湿り気が濡らしてくる

「…………実は、耳を触られてるときから結構……こうなってて……」

聞いてないのに甘奈が言った。胸の時とは打って変わってあまり拒絶をしていないのもこのシミが理由なのかもしれない

シミの上に中指を置く。布越しに感じた割れ目をなぞった。ここまで濡れているならもう大丈夫だろうか? いや、もう少し慣らした方が良いだろう

「……腰、上げてくれ」

うん、と甘奈はマットレスに手を突いてお尻を上げた。そのまま腰に手を描け、ショーツを脱がす。コンビニで買える色気のあまりない物なのに、甘奈が履いていたのだと思うと急にとてつもなく性的な物だと思うようになってしまった。ショーツの内側はやはり愛液に塗れていて、もう履いても意味がないくらいに湿っている

甘奈の下腹部へ目をやる。陰毛は薄く生えていた。甘奈は顔をそらし、口元に手をやっていた

「……触るぞ」

「……うん」

キャミソールを脱ごうとしたときに比べると、恥ずかしがるような態度は薄い。一般的には下のほうが恥ずかしいと思うけど、まあ、人それぞれだろうし。緊張や恥ずかしさをあのときよりもほぐせている、とするなら良かったとも思う

甘奈の秘部に触る。まだ他の誰も汚してない甘奈の場所。湿り気を覚えながら、指で触れた

膣口の周りを指先でなぞると、あふれ出た愛液が爪に纏わり付いた。少しそうやって焦らした後、膣の中に指を入れる。つぶつぶの肉壁が指を締め付ける。第一関節、第二関節と、締め付けに抗いながら指を進める。

「痛くないか?」

「大じょっ、大丈夫……け、けどっ、自分の指と、ちが、って……」

指が全部入った所で甘奈に訊いた。指を入れてから、甘奈の全身に力が入ってしまって、膣の中もまた押し返さんとばかりに強く締め付けていた。……そりゃあ体内に他人の一部、つまりは異物が入り込んでいるわけだ。体に力も入るし、排除しようとするのも、防衛機能の一つだろう

俺は指を入れたまま、軽く上下に震えさせた。そのまま指を抜くように動かし、甘奈が感じやすいところを探る。

「ひぅっ」

第二関節がちょうど膣口に来る辺りで、甘奈の体がびくんと動いた。ここか、と当りをつけて指を動かす

「うっ、あぁっ、な、なにこれぇ……♡」

甘奈が蕩けた声を上げながら、上半身をよじらせる。俺は空いた左手を甘奈の肩甲骨まで回して抱き込んだ。そして、仰向けに寝かせて、キスをする。指に纏わり付く愛液の量が増えるのを感じた

「ひゃぅ、んぅ……♡♡」

甘奈がシーツを掴んで皺を作っている。その手をシーツから離させて、俺の手を代わりに握らせた。手と、口と、指で甘奈と繋がる。

甘奈が快楽に乱れ、段々と汗ばんでく。その姿が愛おしい。

「――――っ♡」

甘奈が再び全身に力を入れた。その後すぐにぐたっと、脱力したようになる。握っていた手もどこか覚束ない。はぁはぁと、息を荒げる甘奈に見つめられた

「……♡」

無言でも、何が言いたいのかはだいたい察せられた


コンドームを装着し、甘奈の膣口にペニスをあてがう。にちっ、と愛液に触れたゴムが粘ついた音を出した

甘奈の太ももを掴む。視線を交わすと、甘奈がこくりと頷いた。鼻から息を大きく吐き、甘奈の膣内へペニスを入れる。

膣内はキツく、亀頭に強く締め付いてくる。しかし、さっき思いっきり甘奈に握られたときよりは痛くない。

「はぁあっ、はぁ……っん、い゛っ」

途中で甘奈の表情が歪んだ。結合部をみると、赤い雫が垂れていた。出血していた。ペニスは半分ほど入ったくらいか。痛みが酷かったりするなら、と腰をゆっくり引こうとした。

そうするまえに、甘奈に手を握られた

「はぁ、はっ……ふっ……だっ、だめ……このままっ……」

涙がにじんだ瞳で甘奈に見上げられる。甘奈は脂汗をかき、表情を歪ませている。痛いだろうに、苦しいだろうに、強がって、俺を見る。

太ももから手を離して、甘奈の頭を撫でた。目尻の涙を拭い、額に口づけをした。特に行動に理由はなかった。ただ甘奈が愛おしくて、そうしたくなった。頬へ添えた手の甲に、甘奈が手のひらを重ねた。さっきの表情とは変わって、安らぐような笑顔だった

ああ、自分の思うことがコロコロと変わる。甘奈とそういうことをしないためにバスルームで寝たのに、甘奈とこういうことをして。甘奈が無理をするなら中断しようと思っていたのに、今は甘奈の無理したお願いを聞き入れようとしている。

自分の事が分からなくなる。ただ、甘奈の望むようにしたいと願う自分がいて、それが心の中で声を大きくしている事だけが分かる

ゆっくり、ゆっくりと挿入していく。甘奈の深い部分まで入り込んでいく。

ペニスの全部が入りきった。陰毛と陰毛が触れ合う口に深く繋がり合う。

甘奈の目尻に、再び涙がたまった。拭っても、止まらなかった。小さな子どものように涙は流れる、けれど甘奈は満開の花のように、嬉しそうな笑顔を同時に浮かべていた


全部入った後、しばらく動かさないままだった。痛みもあるだろうし、初めてからあまり激しいピストンをしないほうが良いだろうと思ったからだ

今は甘奈と寝っ転がって、後ろから抱きついている状態だ。甘奈が急に照れだして『泣き止むまで顔を見ないで欲しい』『抱き締めて欲しい』と涙声で言っていたので、仰せの通りにと体勢を変えた

一度抜いて、後ろから挿入し直そうかと思ったが『挿れたままがいい』と言われたので、これもまた従った。挿入したまま背後に回るのは難しかった

今は甘奈の長い髪の毛だけが俺の視界に入っている。後で知ったのだが、あすなろ抱きと呼ばれるような抱き方をしていた。甘奈の髪の毛にキスをし、匂いを嗅ぐ。うなじに舌を這わせ、抱きしめた手で胸を揉む

「ちょっ、なんか……ヘンタイっぽい……」

「すまん。嫌なら止める」

「………………嫌じゃない、から…………続けて」

「ああ」

涙声の消えた声で言われて、少し安心した。そのまま甘奈の弱い耳に触れたり、甘奈に握られた手を好きにさせたりしていた

「……そろそろ、甘奈の事が見たいんだけど」

歯の浮くようなセリフをかける。火照った背中と向き合って、もう何十分も経過している

「……それは、まだダメ」

「わかった」

赤くなった耳を見ながら答えた。甘奈の顔は見てみたいけど、望まないなら俺もしない。


挿入したままのペニスには、絶えず締め付ける感触が与えられている。甘奈の柔らかいお尻とずっと触れているのも、気が狂いそうになるほど気持いい。しかし、この快感に任せてピストンをすることだけはダメだ、と下唇を噛んで自分を律する

その間も、結合部から甘奈の愛液は止まらない。垂れて、ベッドシーツに落ちていく

ペニスを動かしたい気持ちを抑えながら、甘奈の頭を撫でていた。すると、甘奈の体がビクっと、驚いたときのように軽く跳ねる

ああ、まただ。さっきから数回、両手の指の回数ほどこういうことがあった。

「っはぁ……はぁ……♡」

その後は、決まって甘奈は無言になる。荒い息の中へ艶やかさが加わっていく。膣内は収縮して、ペニスへの刺激を強める。こうやって、甘奈は軽い絶頂を繰り返していた

汗ばんだ甘奈の頬へ、赤い髪の毛が張り付く。うなじに吸い付くとしょっぱかった

「甘奈」

「っ……なに……?」

「……そろそろ、動いて良いか?」

「っ……」

甘奈は言葉に詰まる。長すぎるくらいの素病の後、最初みたいに恋人繋ぎをしてから

「……いいよ」

と言われた


ゆっくりと抽送を始める。甘奈のお尻に自分の腰を打ち付ける。膣壁を擦るたびに愛液が分泌され、結合部で泡立つ

引き抜くと吸い付いてきて離さず、入れ込むと締め付けて搾り取るようにしてくる。その繰り返しが気持ちよくて、脳髄まで溶かされそうだ

「んっ、んっ、んぁっ、はっ♡♡」

膣越しに体を押し上げられて、甘奈は息を漏らす。段々と背中と膝を曲げ、体を丸めるようになる。その上から抱きつくと、征服しているような錯覚がやってくる。腕の中で感じて、甘い声を漏らす女に狂う

「甘奈っ……甘奈……!」

背中に、二の腕に、キスをした。抱きついて、どこまでが俺で、どこまでが甘奈なのか分からないくらいに密着した

「あぁっ♡好きっ♡すきぃ♡」

甘奈に自分の名前を呼ばれる度に、ぞくぞくと快感を覚える。だんだんと呂律が回らなくなって、おぼつかない口調で甘奈に『好き』と言われるのがたまらない

甘奈が軽い絶頂をするたびに、膣は収縮を強める。射精しないように、終わってしまわないように抽送の速度を調整し、甘奈とずっと繋がっていようと画策する。そうして腰を打ち付けたままぐりぐりと、グラインドするように動くと甘奈が大きく声を上げた。いままでで一番乱れた声だった

初めて知ったその声をもっと出させたくなって、柔らかなお尻に腰を押しつけ、腰を回すように奥を攻める。

「あ゛っ♡だめっそこっ♡♡ひぅっ♡」

だめ、と言われても中断しなかった。出来なかったわけではない。甘奈のこの『ダメ』は一切の拒絶を含んでいなかった。だから続けた。蠢く膣のナカをかき乱し、甘奈を乱れさせていく。甘奈の体がビクビクと震えて、腕の中で跳ねた

「甘奈っ……いいか、そろそろ、俺も……!」

耳元で囁くと、また甘奈は軽く絶頂した。もうかなり敏感になっているのだろう。繋がっている部分も、抱きしめて触れ合ってる素肌も、互いの体液でドロドロだ。

ピストンをして、甘奈の膣壁をえぐる。甘奈の何回目かも分からない是超と同時に、俺も果てた

「――――あっ……♡なか、びくびくってっ……うぅ♡」

後ろから抱きついたまま、射精をする。ペニスが射精で跳ねるたび、甘奈の体もまた痙攣する。甘奈は俺の手首を、跡が残るくらいに握りしめていた

射精が終わり、ペニスを引き抜く。コンドームを外して口を縛った。ゴムの先端に溜まった精液を見て、自分でもこんなに出したのか、とビビった

甘奈が振り向き、ようやく顔を見せてくれた。焦点の合ってない、眠いときのような瞳で俺とゴムを見つめる

「……すごっ、すごかった……それ、そんなに……」

「……大分、無理させたみたいだな」

「はっ、へへっ……だいじょうぶ、ありがと……♡」

力のない笑顔で笑われた。可愛らしかった。そう思ってキスをすると、笑顔がより可愛くなった

「……ねぇ、ゴム、まだあるよね」

少し口調がまともになった甘奈が、仰向けになって言う。

「……今度は、顔、見ながらしたい」

さっき射精したばかりなのに、甘奈の蠱惑的な笑顔と、甘く、桃色でも纏っているような声でまたペニスは硬度を得た。

今回はここまでです、次の更新で終わります

本当に長くお待たせしてすいません

再開します

これで終わり


◆◇◆

明るいけど曇り空。雨だけど昨日までの勢いはない。ダルい体を起こして、あくびをした。あんまり眠れてない。時計を見ると、長針は5を指している。なんでこんなに早く目が覚めちゃったんだろ

隣でまだ寝ている彼を見る。子どもみたいに、気持ちよさそうに寝ている。事務所でもうたた寝しているのを見るときはあるけど、いっつもすぐに起きちゃうもんなぁ。こうじっくり見る機会なんてあんまりない

「……ふふっ」

こうして眺めると、意外と可愛らしい。男の人らしいなぁって、ご飯を食べるときとか、のど仏とか、手を握ったりとか。昨日みたいに甘奈を撫でてくれる角張った手とか、そういうのでこの人の『男性らしさ』にときめくけど、こういう無防備で男らしくないところも好きだ

……あっ、そうだ。まだ彼が寝ている間に電話しよう。昨日相談してもらえたし、結果ちゃんと出来たし。でも、この時間に起きてるかなぁ……LINEにしとこ。

「ぅ……うぅん……」

「あ」

ベッドから這い出ようとしたら、隣の人がもぞもぞと動き出した。起こしちゃったかな、と思ってすぐ、自分の格好に気がついた。キャミソールも結局脱いで、何も来てないすっぽんぽん。

昨日は雰囲気もあったし、気遣ってくれたから体を晒すことに対する抵抗はほとんどなくなった。けど、こうやって明るい部屋だと話は別。まだ恥ずかしい。とってもとっても恥ずかしい

急いで脱ぎ捨てられたキャミソールを手にとって、ショーツを身に着けようとする……けど、ショーツはまだ書いてなくて、これは履かない方がいいんじゃないかってなっちゃった。ノーパンでガウンの上下を着た

「ぅあ……あぁ、おはよう、甘奈」

「おはよ、プロ」

プロデューサーさん、といつものクセで言いかけてしまう。途中で言葉を打ち切って、代わりに彼の名前を舌に乗せた

彼はまだ裸で、上半身を曝け出している。胸板や鎖骨がくっきりと目に入る。

「……服着てよ」

「ああ、悪い。」

そう言って彼はシャツを羽織り、ボクサーパンツを履く。照れて『着て』と言ったことを後悔した。もうちょっと見ていたかった


まぁ、終わったことは、それはそれで。また二人になって、こういうことをするときに見られるだろう

まぶたが半開きの彼と見つめ合って、目を閉じて唇を突き出した。おはようのキス。少し憧れていたシチュエーションだ。昨日こうしたらキスしてくれたのを甘奈は知っている。ドキドキしながら、彼の唇を待った

「……寝起きだから、俺の口は臭いよ?」

彼はそう言って、頭を撫でた。甘奈は出してた唇を引っ込めて、まぶたを開く。そういえば甘奈もまだ歯磨きをしてない。頬の内側がネチャネチャと粘つく

彼に口が臭い女なんて思われるのも嫌だ。……そうだ

「じゃ、一緒に」

彼の手を引いて、バスルームへ連れて行った


一つの鏡に二人分の姿が映る。アメニティの歯ブラシは自分がいつも使っているやつより毛先が固かった。

彼の寝ぐせを鏡越しに見る。すると彼と目が合って、寝ぐせを直そうと頭を掻いた。髪の毛はなんど撫でられても跳ねて大人しくならない。その様をみながら、二人で笑った

うがいをして、口が綺麗になった後

「ん」

「うん」

「んっ♡」

改めて、あの流れをもう一度。歯磨き粉の香りがする、とっても気持いいキス。なんかこうしてると一緒に暮らしてるみたいな、結婚した後みたいな錯覚を覚える。いつか甘奈もこの人とこうなれるのかな。こうなれたら良いな

二人で、いや二人じゃなくても、幸せで笑顔一杯な、そんな未来。来ると願いながら、今度は背伸びをして彼の唇に触れる。同じ歯磨き粉の味がした


シャワーを浴びて(まだ恥ずかしいから一人ずつで)、コンビニで着替えとご飯を買った。『チェックインの時に朝食バイキングを取っておけば良かったな』と彼は言っていたけど、この部屋で二人きりになれるから悪くない。昨日の晩ご飯でもそうだったけど、こういうまったりとした雰囲気が好きだ

弁当ガラを片付けていると、ゴムの箱が目に入った。五個しか使ってないからまだ何個も残っている。手にとって数秒固まった後、『次があるかも』と鞄の中に入れた。元々甘奈のお金で買ったものだ

……というか、今から出来ないのかな。昨日は、最初の方は緊張と嬉しさと気持ち良さで訳が分かんなくなってたし、後半は気持ち良さと疲れであんまり覚えてないし

でも……今から『しよ』って誘えるほどの勇気は無い。まだ裸を見られることにも抵抗あるし。まだまだ慣れてないなぁ、甘奈は


互いに身だしなみを整えて、チェックアウトする。雲からは霧雨が落ちてきている。これくらいなら車まで走れば、と思っていると『待っててくれ』と言われて先に彼が駆けだした。

ぽかんとしてると、こっちまで車を回してくれた。濡れないようにとしてくれたんだ。これくらいの雨なら平気なのに、気遣いの鬼みたいな人だ。そういう所が好きなんだけど

ありがとうと言い助手席に座る。水滴が付いた髪の毛をハンカチで拭いてあげた。ありがとうと言われた。

ワイパーが雨を落としていく。窓から見える川は茶色く濁って、普通じゃない勢いをしている。昨日から続く雨が本当にとんでもないものだったんだと遅ればせながら知った

「このまま家に送るけど大丈夫か?」

「う、うん……」

ハンドルを握る手を見ていたら、赤信号の時にそう言われた。そうだ、当然だけどこれからは帰らなきゃいけないなんだ。この人と離れなきゃいけないんだ。ずっと一緒にいるってことはまだ出来ないんだし。

前までは事務所とかで「バイバイ」とか「またね」って普通に言えたけど、多分今はそうじゃ無い。一緒にいたことで、一緒じゃなくなることが嫌になってきた。なんだろうこれ。一緒じゃない時間の方が、甘奈の人生の中じゃ長いのに

「……ねぇ」

今度はいつ二人きりになれるかを訊いた。青信号になって、エンジンが動いてから彼は応えてくれた

「わからない。他のアイドルのプロデュースもあるし、甘奈も忙しいだろうからな」

「……」

「だから、今回少し寄り道して良いか?」

「えっ?」

「雨の日、一緒に行ったあのケーキ屋。昨日のお菓子はしょっぱいのばかりだったから、甘い物も食べたい」

あの雨の日に全品半額になるお店のことだ。覚えててくれたんだ。

「それに、いつでも時間は作るよ。俺だって甘奈と一緒にいたいし。バレないようにしなきゃいけないのが大変だけどな」

「……ありがとう」

フロントガラスから顔をそらしてしまう。この人は私の欲しい言葉をくれる。いつでも明るい未来を信じてくれる。それがたまらなく嬉しい

張り付いた水滴越しに空を見上げる。曇り空の切れ間から光が降りていた。とても綺麗だと思った。今日はどんなケーキを食べようか、この前食べたのと違うのにして、二人で味をシェアしてとか、甘い妄想をする。この妄想が現実になりますように、現実はもっと甘くなりますようにと祈った

車は、雨の中を走る。

ここまでです、ありがとうございました

本当に長引かせてすいません。虫を捕ったり魚を釣ったり、住民をアミで叩いたり、住民をアミで殴ったりしていました
お付き合いいただきありがとうございます

https://www.futabasha.co.jp/introduction/2013/catcher_onamasu/index.html


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