ヴィーネ「大掃除よ!」(12)
ガヴリール「えー、面倒くさいし、疲れるから、ヴィーネが代わりにやっといてよ」
ヴィーネ「あのね、アンタの部屋なんだからアンタがやらなきゃ意味ないでしょ!」
ヴィーネ「とにかく、新しい年が明ける前にやるの。じゃなきゃ、新年を迎えられないのよ」
ガヴリール「いや、別に大掃除しなくても新年は迎えられるだろっ?!」
ヴィーネ「大掃除は、神様に気持ちよく来て頂くと共に過ごして頂くためのもので…」
ヴィーネ「古くは江戸時代にすす払いとも呼ばれていて、少しでも早くから身辺を清めて、来年の幸運をもたらす歳神様にお越し頂ける、そう想いを込めて行う行事なのよ!」
ガヴリール「難しい話だな。それにヴィーネ、良く知ってるよな?」
ヴィーネ「勉強したのよ。けど、大掃除は歳神様って神様に関係することなのに、どうして天使のガヴは知らないのよ?」
ガヴリール「んなもん知るかっての。とにかく、私は大掃除なんかしないからな」
ヴィーネ「あら、そう、残念ね・・・せっかく、大掃除が終わった暁には夕飯にカニをごちそうしてあげようと思ったんだけどね…」
ガヴリール「何ィッ、カニだとぉっ!!?」
ガヴリール「でも、なんで金欠のヴィーネが高いカニを??」
ヴィーネ「大家さんからおすそ分けで貰ったのよ。安売りしていて、たくさん買い過ぎたからって」
ガヴリール「そ、そういう事か!」
ヴィーネ「けど、ガヴは大掃除しないなら、カニはいらないわね…」
ガヴリール「やる、やればいいんだろ!!その代わり、カニしっかりと食わせろよな!」
ヴィーネ「急にやる気になるって!!(ガヴって焼き肉とか食べ物につられやすいわね)」
~始めてすぐ~
ガヴリール「これは適当に」ポイポイポイッ
ヴィーネ「こら!ちゃんと分別しなさい」
ガヴリール「はぁっ?!こんなもん適当にまとめてゴミ袋に入れりゃあ早いだろ!!」
ヴィーネ「ペットボトルとか紙パックとかビンは一緒じゃなくて、ちゃんとプラスチック、紙って分別しないと収集車が持っていかないって事」
ガヴリール「はぁ~。わーったよ」
~少し経って~
ガヴリール「窓なんかも適当でいいだろ」
ヴィーネ「窓は水拭きしてから、乾いた物で拭いた方がいいわよ」
ガヴリール「別になんでもいいだろ…?」
ヴィーネ「駄目よ。ちゃんとした方法でやらないと綺麗にならないじゃないの!」
ガヴリール「チッ。(めんどくせぇなぁ…)」
~更に少し経って~
ガヴリール「ホコリっぽいな。窓、開けるか」スッ
ヴィーネ「駄目!」ガシッ
ガヴリール「なんでだよ!?」
ヴィーネ「窓を開けたら風が入ってきて、埃が余計舞っちゃうからよ」
ガヴリール「マジかよ!でも、窓開けた方が多少は…」
ヴィーネ「とにかく、ダメよ。ほら、手を止めないで続けて!」
~またまた少し経って~
ヴィーネ「いきなり、掃除の掛け方が間違ってるじゃないの!いい?」
ヴィーネ「カーペットなんかは、こういう掛け方をした方が綺麗nガヴリール「さっきから五月蠅い!もう、止めだ!!」
ヴィーネ「えぇっ!?」
ガヴリール「だって、ヴィーネさっきから口煩い!あれやこれやって言ってるけど、私には難しいんだよ。もうちょっと優しくゆっくり教えろよ!!」
ヴィーネ「まったく、分かったわ。その代わり、ちゃんとやるのよ?」
ガヴリール「はいはい…。」
ヴィーネ「はいは、一回でいいの!」
ガヴリール「はいよ…」
~しかし、数分後~
ヴィーネ「ほら、違う。ガヴ、ここは…!!」
ヴィーネ「もう、いい?この分別は…!!」
ヴィーネ「ほら、もっとペースあげて! 夕飯までに間に合わなくなって、カニも食べられなくなるわよ!食べたいんでしょ、カニ?だったら、しっかりやりなさい!」
ガヴリール「分かってねぇじゃねぇか!!? さっきより、余計口煩くなってるぞ!!!」
~そして~
ガヴリール「はぁはぁ…。ようやく終わった」
ヴィーネ「お疲れ様。ほら、やれば出来るじゃない」
ガヴリール「ヴィーネが口煩く指導したり、急かしたおかげでな!」
ヴィーネ「普段から言われなくても、これくらい綺麗に掃除できればいいのにね…」
ガヴリール「無理だって、勘弁しろよ!!」
ヴィーネ「とりあえず、半日以上掛かって今は夕方だけど、夕飯までには終わったし。じゃあ、私に家に行こうかしらね」
ガヴリール「おぉーー、カニだな!!待ってましたぁ♪」
ヴィーネ「もぉ、現金なんだから…。」
~夕飯~
ガヴリール「うめえええぇぇーーーーーーっ!!!///」
ヴィーネ「んー♪やっぱり、カニはいいわね。特に人間界のカニは味もコクもあって美味しいわ」
ガヴリール「今日はこのカニの為に頑張ったんだから、約束通りたくさん食べさせてもらうぞ」
ヴィーネ「約束だからいいけど…。でも、今日みたいに条件付きじゃなくて、次は自主的に掃除もしなさいよね」
ガヴリール「今は面倒な話するなって!それより、もっとカニはないのか?」
ヴィーネ「早っ、もう食べたの!?」
ガヴリール「今はカニの口だからな」
ヴィーネ「カニの口って…。はぁっ、一応たくさん頂いてあるから、今持ってくるわね」スクッ
ガヴリール「おう!早くしろよ」
ヴィーネ(まったく、ガヴは…。でも、まぁ、今回の大掃除は色々と言われながらも珍しく頑張ってたから、良しとしましょうか!)フフッ♩
おしまい
ここから、おまけになります。凄い短いです。
おまけ『ラフィサタの大掃除』
~サターニャの部屋~
サターニャ「まったく、人間共はなんでこんな時期に大掃除をするのかしら」
ラフィエル「話せば長くなりますが、昔からの伝統みたいものらしいですよ」
サターニャ「へぇ~、伝統ねぇ…」
ラフィエル「せっかくですから、私達もやってみませんか、大掃除」
サターニャ「えっ!?」
ラフィエル「身の回りを綺麗にするだけでいいんですよ」ニコリ
サターニャ「身の回りにね…。じゃあ、ちょっとだけしてみようかしら、大掃除を」
ラフィエル「もちろん、私も手伝いますよ」ニヤリ
~そして~
『ゴミ捨て場』
サターニャの私物「…」
サターニャ「って、なんで私の私物をゴミに出すのよ!?どれも必要な物ばかりよ。ってか、大体…」
(ゴミ袋に入れられた)サターニャ「なんで私もゴミ袋に入れられてるのよ!!?」ギュウギュウ
ラフィエル「うふふ」
サターニャ「ラフィエル…アンタ、最初からこれを!!」
ラフィエル「私が言った身の回りというのはサターニャさんからではなく、私から見た身の回りの事ですよ。」
ラフィエル「つまりは、私の身の回りはサターニャさんの私物とサターニャさん自身の事ですよ」ニコニコ
サターニャ「やっぱり!?」
ラフィエル「あぁ~、サターニャさんがゴミに出されたら、業者さんはどのような反応を示すのでしょう…そして、どう処理するのでしょう…あぁ、気になりますっ/////」ドキドキドキッ
サターニャ「や…」
サターニャ「やめてえええぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっ!!?」
おしまい
以上になります。ありがとうございましたノシ
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