アテム「相棒。また新しいデッキを作るのか?」 (52)


アテム「相棒。新しいデッキを作るのか?」の続きになります。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1602247056


遊戯「……」LP8000 ドン☆

十代「……ははっ…マジかよ。何もできないなんて…」LP3200

アテム(──相棒)

遊戯「……うん。ブラック・マジシャン、ブラック・マジシャン・ガールで十代くんにダイレクトアタック!!」

ブラック・マジシャン「ハァアアアアア!!」ATK2500

ブラック・マジシャン・ガール「やぁああああ!!」ATK2000

十代「ぐわぁあああああ!!??」LP3200→700→0 ピー!!

遊星「十代さん!!」ダッ

遊戯「……よし。勝ったよ、もう一人のボク」

アテム(……ああ)


~デュエルする少し前~


遊戯『もう一人のボクは【ブラック・マジシャン】の強みって何だと思う?』

アテム(……サポートカードの豊富さか?)

遊戯『その通り。【ブラック・マジシャン】には、数多くのサポートカードがある』

遊戯『でもそれは、裏を返すと“他のカードによるサポートがないと戦えないテーマ”ということでもあるんだ』

アテム(だが、それでもサポートさえあれば戦えるんだろ?)

遊戯『うん。強力な効果モンスターが多い最近の環境で、魔法・罠を中心に動く【ブラック・マジシャン】は大会の中でも“いい意味”で浮くからね──』

遊戯『だから、対策も取られにくいし、充分戦えると思うよ』

アテム(ふっ……他の決闘者が使うデッキまで考えてるとは、さすがだぜ。相棒)


遊戯『もう少し踏み込んで【ブラック・マジシャン】がされて一番嫌なことは何だと思う?』

アテム(俺達がやられて嫌なこと?)

遊戯『うん。これをされたら致命的な──言わば、このデッキの弱点だよ』

アテム(ブラック・マジシャンの弱点…?)

アテム(前回、俺が十代達にやられて一番嫌だったのは──)


十代『あ、灰流うらら』ポイッ


アテム(──わかったぜ相棒。手札誘発だな?)フッ

遊戯『いや違うよ…というか、本当にうららが嫌いなんだね。もう一人のボク…』


アテム(だが、手札誘発が弱点じゃないなら、いったい何が…?)

遊戯『この前、ボク達が遊星くんにやられた【ハーピィの羽箒】みたいな“バック破壊”。それがブラック・マジシャンの弱点なんだ』

アテム(ハーピィの羽箒…だが、あれは舞のカードで──)


十代『何言ってるんです遊戯さん。ハーピィなんて決闘者なら5枚くらい持ってるのが普通ですよ?』


アテム(……いや、ごめん。なんでもない)

遊戯『ボク達は相手からバックを上手く守りながら、戦わなければならないんだ』

アテム(そんなことができるのか?)

遊戯『うん。魔法使いには、魔法使いの戦う舞台があるんだよ』スッ

アテム(このカードは──?)

【魔法族の里】

①:自分フィールドにのみ魔法使い族モンスターが存在する場合、相手は魔法カードを発動できない。②:自分フィールドに魔法使い族モンスターが存在しない場合、自分は魔法カードを発動できない。

遊戯『──これは魔法使い族の切り札の一つ……これがあれば、ハーピィなんて怖くないよ』ニコッ


遊戯『行くよ。十代くん!』

十代『受けて立ちます!遊戯さん!』


遊戯・十代『『デュエル!!』』LP8000


遊戯『──ボクはEXデッキからカードをランダムに6枚除外して、魔法カード【強欲で金満な壺】を発動!』

【強欲で金満な壺】

①:自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側表示のカード3枚または6枚をランダムに裏側表示で除外して発動できる。除外したカード3枚につき1枚、自分はデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。

遊戯『強金の効果で、デッキからカードを2枚ドローする──』

十代『させない!手札から【灰流うらら】の効果発動!そのドローは無効にさせてもらう!』ポイッ

遊戯『無駄だよ!速攻魔法【墓穴の指名者】を発動し【灰流うらら】の効果を無効にする!』

十代『なっ、墓穴だって…!?』

遊星(ふっ…やはり遊戯さんは、きちんと手札誘発の対策をしてきている…!)


遊戯『──よし。続けてボクは永続魔法【黒の魔導陣】を発動!』

【黒の魔導陣】

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードの発動時の効果処理として、自分のデッキの上からカードを3枚確認する。その中に、「ブラック・マジシャン」のカード名が記された魔法・罠カードまたは「ブラック・マジシャン」があった場合、その内の1枚を相手に見せて手札に加える事ができる。残りのカードは好きな順番でデッキの上に戻す。②:自分フィールドに「ブラック・マジシャン」が召喚・特殊召喚された場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。

遊戯『このカードの効果で、ボクはデッキの上から3枚を確認し──』

遊戯『ブラック・マジシャンを手札に加える!』ドン!!

遊星『やはりブラック・マジシャンか…!』

遊戯『そして、カードを2枚伏せてターンエンド!』


【武藤遊戯】LP8000


黒の魔導陣
伏せ2枚



十代『俺のターン、ドロー!』シュッ

十代『俺は【E・HEROソリッドマン】を召喚!』

E・HEROソリッドマン『ホァ!』ATK1300

十代『ソリッドマンの召喚時効果!【E・HEROシャドー・ミスト(以下シャドミ)】を手札から特殊召喚し、効果発動──』

遊戯『この瞬間、永続罠【永遠の魂】を発動!』

【永遠の魂】

このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:以下の効果から1つを選択して発動できる。●自分の手札・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。●デッキから「黒・魔・導」または「千本ナイフ」1枚を手札に加える。②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分のモンスターゾーンの「ブラック・マジシャン」は相手の効果を受けない。③:表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

十代『このタイミングで永遠の魂?どうして…?』

遊戯『──更に、今発動した【永遠の魂】にチェーンして、罠カード【メタバース】を発動!』

【メタバース】

①:デッキからフィールド魔法カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。

十代『メタバースだって…!?』


遊戯『一連の処理をするよ!まずは【メタバース】の効果で、デッキからフィールド魔法【魔法族の里】を発動し──』

遊戯『【永遠の魂】の効果で、手札からブラック・マジシャンを特殊召喚する!』

ブラック・マジシャン『ハァ!!』ATK2500

十代『ブラック・マジシャン…!!』

遊戯『さあ、十代くん。シャドミの効果を発動していいよ』

十代『あ、はい!シャドミの効果で、デッキから【マスク・チェンジ】を手札に加える』スッ

遊戯『──そして、一連の処理が終わったこのタイミングで【黒の魔導陣】の効果が発動できる!』ピカー

十代『黒の魔導陣の効果──っ!?まさか…!!』

遊戯『そう。黒の魔導陣が存在し、ブラック・マジシャンが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのカードを1枚除外できる──』

遊戯『ボクはシャドミを対象に魔導陣の効果を発動!シャドミを除外する!』ピカー

十代『甘いぜ遊戯さん!速攻魔法【マスク・チェンジ】を発動──!?』

遊戯『……そう。魔法族の里の効果で、フィールドに魔法使い族がいない君は、魔法が発動できない』

十代『そんな…!?』

遊星(強い。これが本気になった遊戯さんの実力…!!)

十代『──くそっ!俺はカードを2枚セットして、ターンエンド!』


【遊城十代】LP8000


E・HEROソリッドマン

伏せ2枚



遊戯『ボクのターン、ドロー!』シュッ

遊戯『ボクは【永遠の魂】の効果で、デッキから【黒・魔・導】を手札に加え、そのまま発動!十代くんの伏せカードを全て破壊する!』

十代『くっ……!!』

遊戯『更に【師弟の絆】を発動!デッキから【ブラック・マジシャン・ガール】を特殊召喚!』

ブラック・マジシャン・ガール『はーい!』ATK2000

遊戯『そして【師弟の絆】の更なる効果により、デッキから【黒・爆・裂・破・魔・導】をフィールドにセットする!』スッ

遊戯『そして、ボクは【マジシャンズ・ロッド】を召喚!」

マジシャンズ・ロッド「…」ATK1600

遊戯『ロッドの効果で【黒魔術の秘儀】を手札に加えるよ』スッ

遊星『すごい。全く隙のないプレイングだ』

十代『これは結構やばいかな…?』

遊戯『バトル!ロッドでソリッドマンに攻撃!』

マジシャンズ・ロッド『!』ATK1600

E・HEROソリッドマン『グォ!?』1300

十代『くっ…!!』LP8000→7700

遊戯『更に、ブラック・マジシャン、ガールでダイレクトアタック!!』

十代『がぁあああああ!?』LP7700→5700→3200

遊星『十代さん!』

遊戯『ボクはこれでターンエンド!』


【武藤遊戯】LP8000


ブラック・マジシャン
ブラック・マジシャン・ガール
マジシャンズ・ロッド

黒の魔導陣
永遠の魂
伏せ1枚(黒・爆・裂・破・魔・導)

魔法族の里



十代『俺のターン……ドロー!』シュッ

十代『くそっ……何もできねぇ…!!』

アテム(──っ!!)

十代『俺はカードを1枚セットして、ターンエンド──』

遊戯『エンドフェイズに速攻魔法【黒・爆・裂・破・魔・導】発動!相手フィールドのカードを全て破壊する!』

十代『うわぁああああ!?!?』


【遊城十代】LP3200



遊戯「ボクのターン、ドロー」シュッ
 
遊戯「……」LP8000

十代「……ははっ…マジかよ。何もできないなんて…」LP3200

アテム(──相棒)

遊戯「……うん。ブラック・マジシャン、ブラック・マジシャン・ガールで十代くんにダイレクトアタック!!」

ブラック・マジシャン「ハァアアアアア!!」ATK2500

ブラック・マジシャン・ガール「やぁああああ!!」ATK2000

十代「ぐわぁあああああ!!??」LP3200→700→0 ピー!!

遊星「十代さーん!!」ダッ

遊戯「……よし。勝ったよ、もう一人のボク」

アテム(……ああ)



~自宅~


アテム(…)

遊戯「さっきからずっと黙ってるけど、どうしたの?もう一人のボク」

アテム(……なあ相棒。相棒は十代とデュエルして、どう思った?)
 
遊戯「どうって、この前勝てなかった十代くんに勝てたんだよ?そんなの嬉しかったに決まってるよ!」

アテム(……そうか)

遊戯「…もしかして、もう一人のボクは嬉しくなかったの?」

アテム(──俺は)


十代『ははっ……何もできねぇ…』


アテム(……そうだ。俺は嬉しくなかった)



遊戯「どうして…そんなことを言うのさ」

アテム(俺はあんな──相手が何もできないように制圧して勝ったところで、嬉しくなんかないんだよ…!)

遊戯「……魔法族の里で、制圧したのが気に入らないってこと?」

アテム(ああ。あれは俺が求めるデュエルじゃない)

遊戯「でも、ボク達は決闘者だ。やり方はどうあれ、勝たなきゃ駄目……勝たなきゃゴミなんだよ」

アテム(そんなことはわかってる!だけど、制圧は──)

遊戯「それに制圧はよくないって言うけど、それなら君がこの前まで使ってた“ドラグーン”はどうなの?」

アテム(あ、あのカードは、城之内くんとの友情のカードだ!だから──)

遊戯「だから仕方ないって?流石にそれは都合が良すぎるんじゃないかな」

アテム(……相棒のやり方にはロマンがない)

遊戯「ロマンだけで勝てるほど、デュエルは甘くないよ」

アテム(……まさか相棒が“理想”すら語れない奴だったとはな)

遊戯「ボクも、まさか君がこんなに“現実”を見れない人だったなんて思わなかったよ」


アテム(……)

遊戯(……)

アテム(──相棒。ここはもう一度、俺に任せてくれないか?)

遊戯(……またやるつもり?)

アテム(ああ。俺の決闘者としてのプライドを全て賭け、納得のいく形で勝利を掴んでみせる…!!)

遊戯「……わかった。それなら、もう一度だけ君を信じるよ。もう一人のボク──」スッ

アテム「──っ!!」ドン☆

アテム「……ああ。見てろ相棒…!!」


アテム「……」

アテム(先行制圧は確かに強い)

アテム(対処ができない相手であれば、今日の十代のように、何もさせずに勝つことができるだろう)

アテム「だが…」

アテム(俺はあんな勝利のためだけのデュエルなんて気に入らない)

アテム(相棒の言う通り、俺のこの考えは下らない理想に過ぎないかもしれないが…)

アテム(俺は、相手にあんな顔をさせるなんてデュエルは我慢できない…!!)ギリッ

???「──お困りのようですね?遊戯さん」

アテム「?君は…?」

遊矢「俺はエンタメデュエルの創始者、榊遊勝の息子──榊遊矢!デュエルで皆を笑顔にする者です!」


アテム「デュエルで皆を笑顔に…?」

遊矢「はい!俺はデュエルで皆を笑顔にしたい!」

遊矢「先行制圧なんてつまらない!そうでしょ?」

アテム「!ああ、その通りだぜ遊矢!」

アテム(榊遊矢。初めて会う決闘者だが、気が合いそうな奴だぜ…!)

遊矢「それでは、お近づきの“しるし”に、まずはこのカードをお貸ししましょう」スッ

アテム「?これは…?」

遊矢「エンタメデュエルの象徴!【スマイル・ワールド】です!」

【スマイル・ワールド】

①:フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、フィールドのモンスターの数×100アップする。


アテム「……遊矢。気持ちは嬉しいが、これなら装備魔法【団結の力】その方がよくないか?」

遊矢「ふっふっふっ…わかってないですね。遊戯さん」

アテム「え…」

遊矢「確かに効果だけ見れば【スマイル・ワールド】より【団結の力】の方が魅力的でしょう──」

遊矢「ですが、ここは敢えて【スマイル・ワールド】を使うんです!皆を笑顔にするために!」グッ

アテム「…いや、別に【スマイル・ワールド】を使ったところで、特に皆は笑顔にならないだろ…」

遊矢「──使えないカードなんかない」

アテム「!」

遊矢「俺は、カードの思いを受け止めれば、必ずカードは応えてくれる──そう考えています」

遊矢「だからこそ、このカードに込められた思い──スマイルを皆に届けたいんです!!」バーン!!

アテム「……わかったぜ遊矢!君のその熱い気持ちが込められたこのカード、大切に使わせてもらうぜ!!」


遊矢「──それで、遊戯さん自身は、どんなデッキを作りたいんですか?」

アテム「…そうだな。お互いに力を全て出しきれるような──後悔のないデュエルができるデッキがいい」

遊矢「…そうですか。それなら、やっぱり手札誘発は必須かな…」ガサゴソ

アテム「……やっぱり誘発は必要なのか?」

遊矢「ええ。誘発がなければ、後攻だった時に大変ですからね」

アテム「だが、うららは…」

遊矢「【エフェクト・ヴェーラー】ならどうです?」スッ

アテム「これは遊星の…?」

遊矢「光属性、レベル1の魔法使いかつチューナー…効果だけじゃなく、ステータス的にも遊戯さんのデッキにはピッタリですよ」

アテム「だが、俺にはシンクロモンスターなんて…」

遊矢「では、このカードをお貸しします」スッ

アテム「これは…?」

遊矢「まあ【エフェクト・ヴェーラー】でシンクロ召喚することは、まずないと思いますが…一応持っていてください」

アテム「…ああ。サンキュー遊矢」

アテム(こうして、俺は遊矢にカードを貸してもらいつつ、デッキを組み上げていった)


アテム「──できたぜ。俺の最強のデッキが…!!」

遊矢「はい。このデッキなら、皆を笑顔にさせられると思います」ニッ

アテム「ありがとう遊矢。君のおかげで、俺はまた“現実”と戦うことができる」フッ

遊矢「いえ…俺は特に何もしてませんよ」

遊矢「後は、遊戯さんの……遊戯さんにしかできないデュエルがきっとあるはずです」

遊矢「だから、それを相手にぶつけてみて下さい!」

アテム「──ああ!」

アテム(見てろ相棒…!!)

アテム(俺にしかできないデュエルで、現実に勝ってみせる…!!)


アテム「──というわけで、俺ともう一度デュエルをしてくれないか?」

十代「別にいいですけど、また遊戯さんとケンカしたんですね…」

アテム「あいつは……相棒は俺のやり方をただの“理想”だと言ったんだ」

アテム「──確かに前回のデュエルで俺は無力だった。具体的に言えば【灰流うらら】に惨敗だった。マジできつかった」

十代「いや“うらら”に対するヘイトがすごいな…?」

アテム「だが、それでも俺は信じたい!好きなカードで組み上げた、自分の信じるデッキであれば、勝利を掴み取ることができるんだと──」

アテム「俺はロマンを失くした相棒に“理想”が“現実”を越える瞬間を見せなければならないんだ!!」

遊星「遊戯さん…」

アテム「だから、容赦はいらない。全力で俺と戦ってくれ」

十代「わかりました。遊戯さんにそこまで言われて、デュエルしない決闘者はいませんよ──」スッ

遊星「すみません十代さん。ここは俺にやらせてもらえませんか?」

十代「うぇ!?ゆ、遊星…!?」

遊星「…実は俺も迷っているんです。これまで通りの自分を貫くか、それとも“新しい未来”に進むか…」

十代「新しい未来って…?」

遊矢「多分“ハリファイバー”のことだと思いますよ」ヒョコッ

十代「…なんで“お前”がここにいる?」

遊矢「なんでって、遊戯さんの応援ですよ?」

十代「あれだけ環境を荒らした“お前”が遊戯さんの応援だって?ふざけてるのか…?」

遊矢「やだなあ。そんなに邪険にしないでくださいよ──」

遊矢「俺だって見たいんです。”理想”が“現実”に勝つところをね」

十代「……そうかよ」


遊星「──カードを信じる遊戯さんの気持ちは痛いほど伝わりました」

遊星「だから俺は、そんな遊戯さんの気持ちに全力で応えたいんです!」

十代「……わかったぜ遊星。お前のその熱い気持ちを遊戯さんにぶつけてやれ!」

遊星「はい!」

アテム「──なら行くぜ遊星!お前の決闘者としてのプライドを全てかけ、この俺に挑んできな!!」カシャッ

遊星「ええ!いきますよ遊戯さん!」カシャッ


アテム・遊星「「デュエル!」」LP8000



アテム「先行はもらうぜ!!」ドン☆

アテム「俺はデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外し、手札から【強欲で貪欲な壺】を発動!カードを2枚ドローする!!」シュッ

アテム「更に手札から【マジシャンズ・ソウルズ】の効果発動!」

【マジシャンズ・ソウルズ】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが手札にある場合、デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。●このカードを特殊召喚する。●このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる。②:自分の手札・フィールドから魔法・罠カードを2枚まで墓地へ送って発動できる。墓地へ送った数だけ自分はデッキからドローする

アテム「デッキから【ブラック・マジシャン】を墓地に送り、そのまま特殊召喚!」

アテム「現れろ!我が最強のしもべ!ブラック・マジシャン!!」

ブラック・マジシャン「ふっ!!」ATK2500

遊矢「あれが遊戯さんのエースモンスター、ブラック・マジシャン…」

十代「ああ!遊戯さんを象徴するモンスターだぜ!!」

遊矢「……」

遊矢(伝説の決闘者の切り札なのに通常モンスターなんだ…)


アテム「──そして手札から【師弟の絆】を発動し、デッキより現れろ!ブラック・マジシャン・ガール!」

ブラック・マジシャン・ガール「はい!」ATK2000

アテム「また【師弟の絆】の更なる効果で、デッキから【黒・爆・裂・破・魔・導】をフィールドにセットする!」スッ

【黒・爆・裂・破・魔・導】
①:自分フィールドに、元々のカード名が「ブラック・マジシャン」と「ブラック・マジシャン・ガール」となるモンスターが存在する場合に発動できる。相手フィールドのカードを全て破壊する。

遊星「ブラック・バーニング・マジック…!!」

十代「あれだ!あの魔法が厄介なんだよ」

遊矢「……確かに強力な効果ですね」

アテム「…」

アテム(ここまでの動きは相棒と同じ。だが──)


遊矢『遊戯さんの……遊戯さんにしか出来ないデュエルがあるはずです──』


アテム(──そうだ。俺は……俺にしかできないデュエルをするぜ!)


アテム「俺は手札から永続魔法【魔術師の再演】を発動!」

【魔術師の再演】
①:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分の墓地のレベル3以下の魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。②:このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「魔術師の再演」以外の「魔術師」永続魔法カード1枚を手札に加える。

遊星「!」

アテム「このカードの効果により、墓地から【マジシャンズ・ソウルズ】を復活させる!」

マジシャンズ・ソウルズ「…」DEF0

十代「魔術師ってことは、あのカードは…」チラッ

遊矢「はい。俺の貸したカードです!」

アテム「そして、俺は【マジシャンズ・ソウルズ】のもう一つの効果を発動!フィールドの【魔術師の再演】と【黒・爆・裂・破・魔・導】を墓地に送り、デッキからカードを2枚ドローする!」シュッ

アテム「更に【魔術師の再演】が墓地に送られたことにより、デッキから【魔術師の右手】を手札に加える!」スッ

十代「強力な効果である【黒・爆・裂・破・魔・導】をコストにした…?」

遊星「だが、なんて動きだ……!!」

アテム「──まだもう少し動く!手札から速攻魔法【魂のしもべ】を発動!デッキトップに【永遠の魂】をセット!」スッ

アテム「そして、墓地に送られた【魂のしもべ】を除外して2ドロー!!」シュッ

遊星「先行であれだけデッキを回しているのに、手札が7枚…!?」

十代「すげえ!すげえよ遊戯さん!」


アテム「──そして最後に、俺はフィールドのモンスター3体を生け贄に捧げる……!!」ゴゴゴゴゴ

十代「なっ!?3体のモンスターってことは──」
    
アテム「ああ!これが俺の最大の切り札!現れろ!オシリスの天空竜!!」

オシリスの天空竜「───!!!!!!」ATK???

【オシリスの天空竜】
このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。①:このカードの召喚は無効化されない。②:このカードの召喚成功時には、魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。③:このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×1000アップする。④:相手モンスターが攻撃表示で召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。そのモンスターの攻撃力を2000ダウンさせ、0になった場合そのモンスターを破壊する。⑤:このカードが特殊召喚されている場合、エンドフェイズに発動する。このカードを墓地へ送る。

遊星「くっ!なんて威圧感だ…!!」

遊矢「ははは!凄く面白いよ遊戯さん!」

アテム「俺はカードを1枚セット……これで俺の手札は5枚になり、オシリスの攻撃力は5000…!!」

オシリスの天空竜「──!!!」ATK5000

遊星「まさか、先行1ターン目で神が出てくるとは…!!」

アテム「遊星!これが俺の…俺にしかできないデュエルだ!」


【アテム】LP8000

オシリスの天空竜 ATK5000

伏せ1枚




遊星「俺のターン、ドロー!」シュッ

アテム「さあ、全力でかかってきな!遊星!」

遊星「…はい!全力で行きます。遊戯さん!」

遊星「俺は手札から魔法カード【ライトニング・ストーム】を発動!」ポチッ

【ライトニング・ストーム】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドに表側表示のカードが存在しない場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。●相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。●相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

遊星「──俺はライトニング・ストームの効果で、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する!」

十代「初手ライストかよ!?」ガーン!!

遊矢「遊戯さん!回避して回避!!」

アテム「……ああ!俺はライフを半分払い、罠カード【神の宣告】を発動!ライトニング・ストームの発動を無効にする!」LP8000→4000

遊星「!」

アテム「惜しいな遊星。神であるオシリスに魔法・罠は通用しないぜ?」フッ

遊星「くっ…!!」ギリッ

十代「いや、今のは神宣で守っただけじゃ…?」

遊矢「まだ1ターン目だと言うのに、ライフが半分も削れてしまいましたね…」

遊星「…ならば俺は、手札から【ジャンク・シンクロン】を墓地に送り【ワン・フォー・ワン】発動!」

遊星「デッキから【チューニング・サポーター】を守備表示で特殊召喚する!」

チューニング・サポーター「ナベ!」DEF300

【チューニング・サポーター】
①:フィールドのこのカードをS素材とする場合、このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。②:このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。

アテム「……オシリスの効果は守備表示モンスターには適用されない」

遊星「そして俺はカードを2枚セットし、ターンエンド!」


【不動遊星】LP8000

チューニング・サポーター

伏せ2枚



アテム「俺のターン!!」シュッ

アテム「俺は【死者蘇生】を発動!墓地のブラック・マジシャン・ガールを復活させる!」

ブラック・マジシャン・ガール「はいはーい!」ATK2300

アテム「そしてバトルフェイズ!ガールでモンスターに攻撃──」

遊星「──この瞬間!永続罠【強化蘇生】を発動!墓地の【ジャンク・シンクロン】のレベルを4にして特殊召喚!」

ジャンク・シンクロン「ヘァッ!!」DEF500

遊星「そして、墓地からモンスターが特殊召喚に成功した時、手札から【ドッペル・ウォリアー】を特殊召喚することができる!」

ドッペル・ウォリアー「フン!」DEF800

アテム「──どれだけモンスターを並べた所で、神の前には無力だぜ!」

遊星「それはどうかな!」カン☆コーン

アテム「何!?」

遊星「罠発動【緊急同調】!」カチッ

【緊急同調】
①:自分・相手のバトルフェイズに発動できる。Sモンスター1体をS召喚する。

遊星「緊急同調の効果で、俺は相手ターンであってもシンクロ召喚することができる!」

アテム「何!?相手ターンにシンクロ召喚するだと!?」

遊星「行くぞ!レベル2扱いの【チューニング・サポーター】とレベル2【ドッペル・ウォリアー】にレベル4となった【ジャンク・シンクロン】をチューニング!」

遊星「──集いし願いが新たに輝く星となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!」

スターダスト・ドラゴン「!!」
DEF2000

【スターダスト・ドラゴン】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する。②:このカードの①の効果を適用したターンのエンドフェイズに発動できる。その効果を発動するためにリリースしたこのカードを墓地から特殊召喚する。


アテム「…来たか。遊星のエースモンスター、スターダスト・ドラゴン…!!」

遊星「ここで、シンクロ素材となった【チューニング・サポーター】の効果により1ドロー!!」シュッ

遊星「そして、同じくシンクロ素材となった【ドッペル・ウォリアー】の効果で、フィールドに2体のドッペル・トークンを“攻撃表示”で特殊召喚する!」

十代「なっ!?攻撃表示…!?」

遊矢「そんなことしたら…」

アテム「──ああ。攻撃力が2000以下のモンスターはオシリスの効果で破壊される──」

アテム「やれ!オシリス!召雷弾!」

オシリスの天空竜「ガァアアアア!!」ATK5000

遊星「この瞬間!スターダストの効果発動!フィールドのカードを破壊する効果を無効にし、破壊する!!ヴィクテム・サンクチュアリ!」

アテム「!」

オシリスの天空竜「ギャアアアアア!?」パンッ!

アテム「……くっ…オシリス…!!」

十代「すげえぜ遊星!遊戯さんの神を倒した!」


アテム「……だが、バトルは続行させてもらう!ガールでドッペル・トークン1体に攻撃!」

遊星「っ…!!」LP8000→6100

アテム「……メイン2」

アテム(ガールの攻撃力は2300。次のターン、確実に遊星のスターダストに破壊される…)

アテム(何か打開策は──っ!!これなら…!!)

アテム「俺は【エフェクト・ヴェーラー】を召喚!」

【エフェクト・ヴェーラー】「ふぇ?」ATK0

十代「…おお。ヴェーラーを通常召喚する人初めて見たぜ…」

遊矢「でも、ヴェーラーを召喚したってことはまさか…!」

アテム「俺はレベル6【ブラック・マジシャン・ガール】にレベル1【エフェクト・ヴェーラー】をチューニング!」

遊星「!」

アテム「──その美しくも雄々しい翼翻し、光の速さで敵を討て!」

アテム「シンクロ召還!クリアウイング・シンクロ・ドラゴン!」

クリアウイング・シンクロ・ドラゴン「!」ATK2500

遊矢「出た!クリアウイング!」

十代「遊戯さんがシンクロ召還を…!!」

アテム(クリアウイングとスターダストの攻撃力は同じ…ひとまずはこれで様子を見るしかない)

アテム「──最後にカードを2枚セットしてターンエンド!」


【アテム】LP4000

クリアウイング・シンクロ・ドラゴン

伏せ2枚


遊星「俺のターン!」シュッ

アテム「──俺は遊星のスタンバイフェイズに【永遠の魂】を発動!墓地からブラック・マジシャンを特殊召喚する!」

ブラック・マジシャン「ハッ!」ATK2500

遊矢「スタンバイに永遠の魂…」

遊星「何故このタイミングで…?」

アテム「…さあ。どうしてかな?」フッ

十代「ははっ!なんかワクワクしてきたぜ!」

遊星「……俺は手札から【ジェット・シンクロン】召還!」

ジェット・シンクロン「!」ATK500

遊星「レベル1【ドッペル・トークン】とレベル1【ジェット・シンクロン】をチューニング!」

遊星「集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光さす道となれ!シンクロ召還!希望の力!フォーミュラ・シンクロン!」

フォーミュラ・シンクロン「ブーン!!」DEF1500

遊星「そして、ここでシンクロ素材となった【ジェット・シンクロン】の効果を発動!デッキからジャンクモンスターを手札に加える──」

アテム「そうはさせないぜ!永続罠【マジシャンズ・コンビネーション】発動!」

【マジシャンズ・コンビネーション】
①:1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、自分フィールドの、「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体をリリースして発動できる。リリースしたモンスターとはカード名が異なる「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を、自分の手札・墓地から選んで特殊召喚し、その発動した効果を無効にする。②:魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。フィールドのカード1枚を選んで破壊する。


アテム「フィールドのブラック・マジシャンをリリースし、墓地からガールを特殊召喚することで、ジェット・シンクロンの効果は無効になる!」

ブラック・マジシャン・ガール「ただいま!」ATK2300

遊矢「へえ…これを狙ってたんだ」

遊星「だが、フォーミュラ・シンクロンの効果で1ドロー!」シュッ

遊星「よし!こちらからも行くぞ!遊戯さん!」カン☆コーン

遊星「俺はレベル8シンクロモンスター【スターダスト・ドラゴン】にレベル2シンクロチューナー【フォーミュラ・シンクロン】をチューニング!!」

遊星「──集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く!光差す道となれ!」
           
遊星「アクセルシンクロォオオオオオオオ!!!!」ピカ──シュンッ!!

アテム「!?消えた──!?」

遊星「生来せよ!シューティング・スター・ドラゴン!!」ドヒュン!!

シューティング・スター・ドラゴン「ォオオオオオオオ!!!」ATK3300

【シューティング・スター・ドラゴン】

Sモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」
①:1ターンに1度、発動できる。自分のデッキの上から5枚めくってデッキに戻す。このターンこのカードはめくった中のチューナーの数まで攻撃できる。②:1ターンに1度、フィールドのカードを破壊する効果の発動時に発動できる。その効果を無効にし破壊する。③:1ターンに1度、相手の攻撃宣言時に攻撃モンスターを対象として発動できる。フィールドのこのカードを除外し、その攻撃を無効にする。④:この③の効果で除外されたターンのエンドフェイズに発動する。このカードを特殊召喚する。



遊星「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!デッキの上から5枚めくり、その中のチューナーの数まで攻撃できる!」ペラッ

【禁じられた一滴】

【灰流うらら】

【ラッシュ・ウォリアー】

【クイック・シンクロン】

【無限泡影】

遊星「──チューナーの数は2体!よってこのターン、シューティング・スターは2回まで相手に攻撃することができる!」

十代「…なんか今さらっとヤバいカード見えなかったか?」

遊矢「見なかったことにしましょう…」

遊星「バトル!ガールとクリアウイングに攻撃!」

アテム「っ!!」ATK4000→3000→2200

遊星「そしてメイン2…」

遊星(俺の手札は2枚。目先のことを考えれば、今使うカードは“こちら”だが、後のことを考えれば──)

遊星「速攻魔法【墓穴の指名者】発動!墓地のブラック・マジシャンを除外する!」

アテム「な…!?」

十代「遊戯さんのブラック・マジシャンが…!」

アテム(これは痛いぜ…!!)

遊星「更にカードを1枚セットし、ターンエンド!」


【不動遊星】LP6100

シューティング・スター・ドラゴン

伏せ1枚



アテム「俺のターン!」シュッ

アテム「!俺は墓地のモンスターを5枚デッキに戻し【貪欲な壺】を発動!」

十代「ここで貪欲…!」

遊矢「引きがいいですねぇ」

アテム(──戻すカードは…)

【クリアウイング・シンクロ・ドラゴン】
【ブラック・マジシャン・ガール】
【エフェクト・ヴェーラー】
【オシリスの天空竜】
【マジシャンズ・ソウルズ】

アテム「──行くぜ!ドロー!!」シュッ

アテム「!」

遊星(あの顔……何のカードを引いたんだ…?)

アテム(フィールドには永遠の魂とマジシャンズ・コンビネーション…)

アテム(遊星のシューティング・スターを無力化するコンボを成立させるためには、デッキにいる“師弟”を再びこの場に呼び戻すしかない…!!)

アテム(一か八かの賭けになるが、俺は──)

アテム「俺はこのデッキを信じるぜ!魔法カード【真実の名】を発動!」

【真実の名】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:カード名を1つ宣言して発動できる。自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合、そのカードを手札に加える。さらに、デッキから神属性モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚できる。違った場合、めくったカードを墓地へ送る。

遊星「!まさか…!」

アテム「──俺が宣言するカード名はブラック・マジシャン・ガール!!」グッ

遊矢「……魔導陣とかでデッキトップはいじってないですよね?」

十代「ああ…」ゴクッ

遊矢「ってことは、これって本当に運まかせ?」アチャー

十代「でも……あの遊戯さんなら…!!」

アテム「──来てくれ!ブラック・マジシャン・ガール!」シュッ


【ブラック・マジシャン・ガール】


遊星「!」

十代「うわ!当たった!すげえ!!」

遊矢「すごーい…」


アテム「──ふっ、信じてたぜ!!ブラック・マジシャン・ガール!!」ドン!!

アテム「そして【真実の名】の更なる効果発動!デッキより現れろ──」

アテム「オベリスクの巨神兵!!」

オベリスクの巨神兵「!!!」ATK4000

遊星「2体目の……神!!」

十代「すげえすげえ!本当にヤバすぎるぜ遊戯さん!!」

アテム「──まだだ!俺は魔法カード【魔導契約の扉】発動!」

【魔導契約の扉】
①:自分の手札から魔法カード1枚を選んで相手の手札に加える。その後、自分のデッキからレベル7・8の闇属性モンスター1体を自分の手札に加える。

アテム「手札の“このカード”を遊星に渡し、デッキからブラック・マジシャンを手札に加える──受け取れ!遊星!」シュッ

遊星「──っ!!このカードは…!」チラッ


【スマイル・ワールド】



アテム「遊星!俺のデッキは確かにロマンに溢れ、現実的ではないかもしれない──」

アテム「だが、“俺達”はデュエルを楽しむ気持ちを忘れてはいけない!」

アテム「だから、そのカードを受け取れ!遊星!!」

遊星「遊戯さん…」

遊矢「ははっ!まさかこんな方法で相手に“笑顔”を届けるなんて!」

十代「でも、これなら遊星も──」

遊星「…ありがとうございます。遊戯さん」

遊星「──でも、すみません。あなたに勝つためにはこのカードは受け取れません」

アテム「何だって…?」

遊星「俺は手札を1枚捨て【ツイン・ツイスター】発動!」ポイッ

【ツイン・ツイスター】
①:手札を1枚捨て、フィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊する。

アテム「!そのカードは…」

遊星「はい。さっきまで俺の手札が0枚だったので、使えませんでしたが…」

十代「遊戯さんの渡した“笑顔”のおかげで発動できたってわけか…」

アテム「そんなことが…」

遊星「…そして遊戯さんの“永遠の魂”は破壊された時、遊戯さんのモンスター全てを破壊する…」

シュウウウウ

十代「……オベリスクが消えていく…」

アテム(また……届かないのか…)


【アテム】LP2200



十代「……」

遊矢「……」

遊星「……遊戯さん」

アテム「……ああ」

アテム(俺は先行で…遊星からの妨害もなく…引きもよかった)

アテム(最後にはデッキまで応えてくれた。だが──)

遊星「──シューティング・スター・ドラゴンで、遊戯さんにダイレクトアタック!!」

アテム「……」LP2200→0 ピーッ!!

アテム(届かなかった──)


【遊戯の精神世界】


遊戯「もう一人のボク…」

アテム「…相棒。やはり今回もお前が正しかったぜ」

遊戯「でも…惜しかったじゃないか」

アテム「いいや。結果だけ見れば、俺は遊星のライフをあまり削れてないし──」

アテム「なんなら、ちゃっかりオシリスで先行制圧とかしてるしな。俺の完敗だぜ。相棒」フッ     

遊戯「…オシリスはただの制圧とは少し違うと思うよ」

アテム「どういうことだ?」

遊戯「だって、オシリスは神だよ?神が場に出てきたら、それだけで凄いことじゃない」

アテム「……」

遊戯「オシリスはなんというか、こう…制圧の質が違うというか…」

アテム「…制圧の質って何だよ?」

遊戯「……えっと…」

アテム「…相棒。俺はケンカした相手にも同情するようなお前の優しさが好きだぜ」

遊戯「…もう一人のボク」

アテム「だが、俺は負けた。負けたんだよ」

遊戯「…でも」

アテム「勝たなきゃゴミ、なんだろ…?」

遊戯「…」

アテム「やっぱり時代は先行制圧又は後攻ワンキル…」

アテム「デュエルを楽しもうとした俺が間違いだった──」

十代「──それは違うぜ!遊戯さん!」

アテム「十代…?」

遊星「俺は遊戯さんとデュエルが出来て、本当によかったと思います。あんなに熱くなれたデュエルは久しぶりでした」

遊矢「そうですよ遊戯さん。いいエンタメデュエルでした」

アテム「…お前ら!!」グッ

遊戯(…どうでもいいけど、ここはボク達の精神世界なのにどうやって入ってきたんだろう…?)



十代「遊戯さん。俺はあなたのおかげで思い出せました」

十代「俺が知らない間に忘れていた──素直にデュエルを楽しむ気持ちを!」スッ

アテム「!そのカードは…!!」

十代「ええ!遊戯さんに貰ったラッキーカード…ハネクリボーです!」

ハネクリボー「クリクリ~」

遊戯(まあそれを君にあげたのはボクの方だけどね…)

十代「なんならこの【カードエクスクルーダー】なんかもデッキに入れちゃいます!」スッ

アテム「!そんな使い道のなさそうなカードまで…!!」

遊矢「使えないカードなんてない…そうでしょ?遊戯さん」

アテム「遊矢…!!」


遊戯「もう一人のボク…?」

アテム「…相棒。どうやら、理想にまみれた俺のやり方でもいいのかもしれないな」フッ

遊戯「…そうだね。勝つことだけが全てじゃないのかも」クスッ

アテム「……ああ!」

アテム(──先行制圧や後攻ワンキル。勝つためのデュエルは限られてくるが──)

アテム(楽しむためのデュエルは何千通りだってある──!!)

アテム「──よし相棒!もっともっと面白いデッキを作ろうぜ!!」

遊戯「…え?いや、そうは言ってもボクはデュエルで勝たないと面白くないから…」

アテム「…は?」

遊戯「え?」

アテム「……」

遊戯「……」


アテム・遊戯「「デュエル!!」」



以上で終わりです。

デュエルには勝ちたいけど、制圧はしたくないし誘発もあんまり使いたくない。

それが理想なのはわかってるけど、頑張れば現実にも勝てるんじゃないか……って言う、どこかの雑魚キャラみたいな気持ちにいつの間になってました。

だから…お願いだからガガガの新規を…シスターの新規を近いうちにください!!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom