アテム「相棒。新しいデッキを作るのか?」の続きになります。
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遊戯「……」LP8000 ドン☆
十代「……ははっ…マジかよ。何もできないなんて…」LP3200
アテム(──相棒)
遊戯「……うん。ブラック・マジシャン、ブラック・マジシャン・ガールで十代くんにダイレクトアタック!!」
ブラック・マジシャン「ハァアアアアア!!」ATK2500
ブラック・マジシャン・ガール「やぁああああ!!」ATK2000
十代「ぐわぁあああああ!!??」LP3200→700→0 ピー!!
遊星「十代さん!!」ダッ
遊戯「……よし。勝ったよ、もう一人のボク」
アテム(……ああ)
~デュエルする少し前~
遊戯『もう一人のボクは【ブラック・マジシャン】の強みって何だと思う?』
アテム(……サポートカードの豊富さか?)
遊戯『その通り。【ブラック・マジシャン】には、数多くのサポートカードがある』
遊戯『でもそれは、裏を返すと“他のカードによるサポートがないと戦えないテーマ”ということでもあるんだ』
アテム(だが、それでもサポートさえあれば戦えるんだろ?)
遊戯『うん。強力な効果モンスターが多い最近の環境で、魔法・罠を中心に動く【ブラック・マジシャン】は大会の中でも“いい意味”で浮くからね──』
遊戯『だから、対策も取られにくいし、充分戦えると思うよ』
アテム(ふっ……他の決闘者が使うデッキまで考えてるとは、さすがだぜ。相棒)
遊戯『もう少し踏み込んで【ブラック・マジシャン】がされて一番嫌なことは何だと思う?』
アテム(俺達がやられて嫌なこと?)
遊戯『うん。これをされたら致命的な──言わば、このデッキの弱点だよ』
アテム(ブラック・マジシャンの弱点…?)
アテム(前回、俺が十代達にやられて一番嫌だったのは──)
十代『あ、灰流うらら』ポイッ
アテム(──わかったぜ相棒。手札誘発だな?)フッ
遊戯『いや違うよ…というか、本当にうららが嫌いなんだね。もう一人のボク…』
アテム(だが、手札誘発が弱点じゃないなら、いったい何が…?)
遊戯『この前、ボク達が遊星くんにやられた【ハーピィの羽箒】みたいな“バック破壊”。それがブラック・マジシャンの弱点なんだ』
アテム(ハーピィの羽箒…だが、あれは舞のカードで──)
十代『何言ってるんです遊戯さん。ハーピィなんて決闘者なら5枚くらい持ってるのが普通ですよ?』
アテム(……いや、ごめん。なんでもない)
遊戯『ボク達は相手からバックを上手く守りながら、戦わなければならないんだ』
アテム(そんなことができるのか?)
遊戯『うん。魔法使いには、魔法使いの戦う舞台があるんだよ』スッ
アテム(このカードは──?)
【魔法族の里】
①:自分フィールドにのみ魔法使い族モンスターが存在する場合、相手は魔法カードを発動できない。②:自分フィールドに魔法使い族モンスターが存在しない場合、自分は魔法カードを発動できない。
遊戯『──これは魔法使い族の切り札の一つ……これがあれば、ハーピィなんて怖くないよ』ニコッ
遊戯『行くよ。十代くん!』
十代『受けて立ちます!遊戯さん!』
遊戯・十代『『デュエル!!』』LP8000
遊戯『──ボクはEXデッキからカードをランダムに6枚除外して、魔法カード【強欲で金満な壺】を発動!』
【強欲で金満な壺】
①:自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側表示のカード3枚または6枚をランダムに裏側表示で除外して発動できる。除外したカード3枚につき1枚、自分はデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。
遊戯『強金の効果で、デッキからカードを2枚ドローする──』
十代『させない!手札から【灰流うらら】の効果発動!そのドローは無効にさせてもらう!』ポイッ
遊戯『無駄だよ!速攻魔法【墓穴の指名者】を発動し【灰流うらら】の効果を無効にする!』
十代『なっ、墓穴だって…!?』
遊星(ふっ…やはり遊戯さんは、きちんと手札誘発の対策をしてきている…!)
遊戯『──よし。続けてボクは永続魔法【黒の魔導陣】を発動!』
【黒の魔導陣】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードの発動時の効果処理として、自分のデッキの上からカードを3枚確認する。その中に、「ブラック・マジシャン」のカード名が記された魔法・罠カードまたは「ブラック・マジシャン」があった場合、その内の1枚を相手に見せて手札に加える事ができる。残りのカードは好きな順番でデッキの上に戻す。②:自分フィールドに「ブラック・マジシャン」が召喚・特殊召喚された場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。
遊戯『このカードの効果で、ボクはデッキの上から3枚を確認し──』
遊戯『ブラック・マジシャンを手札に加える!』ドン!!
遊星『やはりブラック・マジシャンか…!』
遊戯『そして、カードを2枚伏せてターンエンド!』
【武藤遊戯】LP8000
黒の魔導陣
伏せ2枚
十代『俺のターン、ドロー!』シュッ
十代『俺は【E・HEROソリッドマン】を召喚!』
E・HEROソリッドマン『ホァ!』ATK1300
十代『ソリッドマンの召喚時効果!【E・HEROシャドー・ミスト(以下シャドミ)】を手札から特殊召喚し、効果発動──』
遊戯『この瞬間、永続罠【永遠の魂】を発動!』
【永遠の魂】
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:以下の効果から1つを選択して発動できる。●自分の手札・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。●デッキから「黒・魔・導」または「千本ナイフ」1枚を手札に加える。②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分のモンスターゾーンの「ブラック・マジシャン」は相手の効果を受けない。③:表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
十代『このタイミングで永遠の魂?どうして…?』
遊戯『──更に、今発動した【永遠の魂】にチェーンして、罠カード【メタバース】を発動!』
【メタバース】
①:デッキからフィールド魔法カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。
十代『メタバースだって…!?』
遊戯『一連の処理をするよ!まずは【メタバース】の効果で、デッキからフィールド魔法【魔法族の里】を発動し──』
遊戯『【永遠の魂】の効果で、手札からブラック・マジシャンを特殊召喚する!』
ブラック・マジシャン『ハァ!!』ATK2500
十代『ブラック・マジシャン…!!』
遊戯『さあ、十代くん。シャドミの効果を発動していいよ』
十代『あ、はい!シャドミの効果で、デッキから【マスク・チェンジ】を手札に加える』スッ
遊戯『──そして、一連の処理が終わったこのタイミングで【黒の魔導陣】の効果が発動できる!』ピカー
十代『黒の魔導陣の効果──っ!?まさか…!!』
遊戯『そう。黒の魔導陣が存在し、ブラック・マジシャンが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドのカードを1枚除外できる──』
遊戯『ボクはシャドミを対象に魔導陣の効果を発動!シャドミを除外する!』ピカー
十代『甘いぜ遊戯さん!速攻魔法【マスク・チェンジ】を発動──!?』
遊戯『……そう。魔法族の里の効果で、フィールドに魔法使い族がいない君は、魔法が発動できない』
十代『そんな…!?』
遊星(強い。これが本気になった遊戯さんの実力…!!)
十代『──くそっ!俺はカードを2枚セットして、ターンエンド!』
【遊城十代】LP8000
E・HEROソリッドマン
伏せ2枚
遊戯『ボクのターン、ドロー!』シュッ
遊戯『ボクは【永遠の魂】の効果で、デッキから【黒・魔・導】を手札に加え、そのまま発動!十代くんの伏せカードを全て破壊する!』
十代『くっ……!!』
遊戯『更に【師弟の絆】を発動!デッキから【ブラック・マジシャン・ガール】を特殊召喚!』
ブラック・マジシャン・ガール『はーい!』ATK2000
遊戯『そして【師弟の絆】の更なる効果により、デッキから【黒・爆・裂・破・魔・導】をフィールドにセットする!』スッ
遊戯『そして、ボクは【マジシャンズ・ロッド】を召喚!」
マジシャンズ・ロッド「…」ATK1600
遊戯『ロッドの効果で【黒魔術の秘儀】を手札に加えるよ』スッ
遊星『すごい。全く隙のないプレイングだ』
十代『これは結構やばいかな…?』
遊戯『バトル!ロッドでソリッドマンに攻撃!』
マジシャンズ・ロッド『!』ATK1600
E・HEROソリッドマン『グォ!?』1300
十代『くっ…!!』LP8000→7700
遊戯『更に、ブラック・マジシャン、ガールでダイレクトアタック!!』
十代『がぁあああああ!?』LP7700→5700→3200
遊星『十代さん!』
遊戯『ボクはこれでターンエンド!』
【武藤遊戯】LP8000
ブラック・マジシャン
ブラック・マジシャン・ガール
マジシャンズ・ロッド
黒の魔導陣
永遠の魂
伏せ1枚(黒・爆・裂・破・魔・導)
魔法族の里
十代『俺のターン……ドロー!』シュッ
十代『くそっ……何もできねぇ…!!』
アテム(──っ!!)
十代『俺はカードを1枚セットして、ターンエンド──』
遊戯『エンドフェイズに速攻魔法【黒・爆・裂・破・魔・導】発動!相手フィールドのカードを全て破壊する!』
十代『うわぁああああ!?!?』
【遊城十代】LP3200
遊戯「ボクのターン、ドロー」シュッ
遊戯「……」LP8000
十代「……ははっ…マジかよ。何もできないなんて…」LP3200
アテム(──相棒)
遊戯「……うん。ブラック・マジシャン、ブラック・マジシャン・ガールで十代くんにダイレクトアタック!!」
ブラック・マジシャン「ハァアアアアア!!」ATK2500
ブラック・マジシャン・ガール「やぁああああ!!」ATK2000
十代「ぐわぁあああああ!!??」LP3200→700→0 ピー!!
遊星「十代さーん!!」ダッ
遊戯「……よし。勝ったよ、もう一人のボク」
アテム(……ああ)
~自宅~
アテム(…)
遊戯「さっきからずっと黙ってるけど、どうしたの?もう一人のボク」
アテム(……なあ相棒。相棒は十代とデュエルして、どう思った?)
遊戯「どうって、この前勝てなかった十代くんに勝てたんだよ?そんなの嬉しかったに決まってるよ!」
アテム(……そうか)
遊戯「…もしかして、もう一人のボクは嬉しくなかったの?」
アテム(──俺は)
十代『ははっ……何もできねぇ…』
アテム(……そうだ。俺は嬉しくなかった)
遊戯「どうして…そんなことを言うのさ」
アテム(俺はあんな──相手が何もできないように制圧して勝ったところで、嬉しくなんかないんだよ…!)
遊戯「……魔法族の里で、制圧したのが気に入らないってこと?」
アテム(ああ。あれは俺が求めるデュエルじゃない)
遊戯「でも、ボク達は決闘者だ。やり方はどうあれ、勝たなきゃ駄目……勝たなきゃゴミなんだよ」
アテム(そんなことはわかってる!だけど、制圧は──)
遊戯「それに制圧はよくないって言うけど、それなら君がこの前まで使ってた“ドラグーン”はどうなの?」
アテム(あ、あのカードは、城之内くんとの友情のカードだ!だから──)
遊戯「だから仕方ないって?流石にそれは都合が良すぎるんじゃないかな」
アテム(……相棒のやり方にはロマンがない)
遊戯「ロマンだけで勝てるほど、デュエルは甘くないよ」
アテム(……まさか相棒が“理想”すら語れない奴だったとはな)
遊戯「ボクも、まさか君がこんなに“現実”を見れない人だったなんて思わなかったよ」
アテム(……)
遊戯(……)
アテム(──相棒。ここはもう一度、俺に任せてくれないか?)
遊戯(……またやるつもり?)
アテム(ああ。俺の決闘者としてのプライドを全て賭け、納得のいく形で勝利を掴んでみせる…!!)
遊戯「……わかった。それなら、もう一度だけ君を信じるよ。もう一人のボク──」スッ
アテム「──っ!!」ドン☆
アテム「……ああ。見てろ相棒…!!」
アテム「……」
アテム(先行制圧は確かに強い)
アテム(対処ができない相手であれば、今日の十代のように、何もさせずに勝つことができるだろう)
アテム「だが…」
アテム(俺はあんな勝利のためだけのデュエルなんて気に入らない)
アテム(相棒の言う通り、俺のこの考えは下らない理想に過ぎないかもしれないが…)
アテム(俺は、相手にあんな顔をさせるなんてデュエルは我慢できない…!!)ギリッ
???「──お困りのようですね?遊戯さん」
アテム「?君は…?」
遊矢「俺はエンタメデュエルの創始者、榊遊勝の息子──榊遊矢!デュエルで皆を笑顔にする者です!」
アテム「デュエルで皆を笑顔に…?」
遊矢「はい!俺はデュエルで皆を笑顔にしたい!」
遊矢「先行制圧なんてつまらない!そうでしょ?」
アテム「!ああ、その通りだぜ遊矢!」
アテム(榊遊矢。初めて会う決闘者だが、気が合いそうな奴だぜ…!)
遊矢「それでは、お近づきの“しるし”に、まずはこのカードをお貸ししましょう」スッ
アテム「?これは…?」
遊矢「エンタメデュエルの象徴!【スマイル・ワールド】です!」
【スマイル・ワールド】
①:フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、フィールドのモンスターの数×100アップする。
アテム「……遊矢。気持ちは嬉しいが、これなら装備魔法【団結の力】その方がよくないか?」
遊矢「ふっふっふっ…わかってないですね。遊戯さん」
アテム「え…」
遊矢「確かに効果だけ見れば【スマイル・ワールド】より【団結の力】の方が魅力的でしょう──」
遊矢「ですが、ここは敢えて【スマイル・ワールド】を使うんです!皆を笑顔にするために!」グッ
アテム「…いや、別に【スマイル・ワールド】を使ったところで、特に皆は笑顔にならないだろ…」
遊矢「──使えないカードなんかない」
アテム「!」
遊矢「俺は、カードの思いを受け止めれば、必ずカードは応えてくれる──そう考えています」
遊矢「だからこそ、このカードに込められた思い──スマイルを皆に届けたいんです!!」バーン!!
アテム「……わかったぜ遊矢!君のその熱い気持ちが込められたこのカード、大切に使わせてもらうぜ!!」
遊矢「──それで、遊戯さん自身は、どんなデッキを作りたいんですか?」
アテム「…そうだな。お互いに力を全て出しきれるような──後悔のないデュエルができるデッキがいい」
遊矢「…そうですか。それなら、やっぱり手札誘発は必須かな…」ガサゴソ
アテム「……やっぱり誘発は必要なのか?」
遊矢「ええ。誘発がなければ、後攻だった時に大変ですからね」
アテム「だが、うららは…」
遊矢「【エフェクト・ヴェーラー】ならどうです?」スッ
アテム「これは遊星の…?」
遊矢「光属性、レベル1の魔法使いかつチューナー…効果だけじゃなく、ステータス的にも遊戯さんのデッキにはピッタリですよ」
アテム「だが、俺にはシンクロモンスターなんて…」
遊矢「では、このカードをお貸しします」スッ
アテム「これは…?」
遊矢「まあ【エフェクト・ヴェーラー】でシンクロ召喚することは、まずないと思いますが…一応持っていてください」
アテム「…ああ。サンキュー遊矢」
アテム(こうして、俺は遊矢にカードを貸してもらいつつ、デッキを組み上げていった)
アテム「──できたぜ。俺の最強のデッキが…!!」
遊矢「はい。このデッキなら、皆を笑顔にさせられると思います」ニッ
アテム「ありがとう遊矢。君のおかげで、俺はまた“現実”と戦うことができる」フッ
遊矢「いえ…俺は特に何もしてませんよ」
遊矢「後は、遊戯さんの……遊戯さんにしかできないデュエルがきっとあるはずです」
遊矢「だから、それを相手にぶつけてみて下さい!」
アテム「──ああ!」
アテム(見てろ相棒…!!)
アテム(俺にしかできないデュエルで、現実に勝ってみせる…!!)
アテム「──というわけで、俺ともう一度デュエルをしてくれないか?」
十代「別にいいですけど、また遊戯さんとケンカしたんですね…」
アテム「あいつは……相棒は俺のやり方をただの“理想”だと言ったんだ」
アテム「──確かに前回のデュエルで俺は無力だった。具体的に言えば【灰流うらら】に惨敗だった。マジできつかった」
十代「いや“うらら”に対するヘイトがすごいな…?」
アテム「だが、それでも俺は信じたい!好きなカードで組み上げた、自分の信じるデッキであれば、勝利を掴み取ることができるんだと──」
アテム「俺はロマンを失くした相棒に“理想”が“現実”を越える瞬間を見せなければならないんだ!!」
遊星「遊戯さん…」
アテム「だから、容赦はいらない。全力で俺と戦ってくれ」
十代「わかりました。遊戯さんにそこまで言われて、デュエルしない決闘者はいませんよ──」スッ
遊星「すみません十代さん。ここは俺にやらせてもらえませんか?」
十代「うぇ!?ゆ、遊星…!?」
遊星「…実は俺も迷っているんです。これまで通りの自分を貫くか、それとも“新しい未来”に進むか…」
十代「新しい未来って…?」
遊矢「多分“ハリファイバー”のことだと思いますよ」ヒョコッ
十代「…なんで“お前”がここにいる?」
遊矢「なんでって、遊戯さんの応援ですよ?」
十代「あれだけ環境を荒らした“お前”が遊戯さんの応援だって?ふざけてるのか…?」
遊矢「やだなあ。そんなに邪険にしないでくださいよ──」
遊矢「俺だって見たいんです。”理想”が“現実”に勝つところをね」
十代「……そうかよ」
遊星「──カードを信じる遊戯さんの気持ちは痛いほど伝わりました」
遊星「だから俺は、そんな遊戯さんの気持ちに全力で応えたいんです!」
十代「……わかったぜ遊星。お前のその熱い気持ちを遊戯さんにぶつけてやれ!」
遊星「はい!」
アテム「──なら行くぜ遊星!お前の決闘者としてのプライドを全てかけ、この俺に挑んできな!!」カシャッ
遊星「ええ!いきますよ遊戯さん!」カシャッ
アテム・遊星「「デュエル!」」LP8000
アテム「先行はもらうぜ!!」ドン☆
アテム「俺はデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外し、手札から【強欲で貪欲な壺】を発動!カードを2枚ドローする!!」シュッ
アテム「更に手札から【マジシャンズ・ソウルズ】の効果発動!」
【マジシャンズ・ソウルズ】
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが手札にある場合、デッキからレベル6以上の魔法使い族モンスター1体を墓地へ送り、以下の効果から1つを選択して発動できる。●このカードを特殊召喚する。●このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる。②:自分の手札・フィールドから魔法・罠カードを2枚まで墓地へ送って発動できる。墓地へ送った数だけ自分はデッキからドローする
アテム「デッキから【ブラック・マジシャン】を墓地に送り、そのまま特殊召喚!」
アテム「現れろ!我が最強のしもべ!ブラック・マジシャン!!」
ブラック・マジシャン「ふっ!!」ATK2500
遊矢「あれが遊戯さんのエースモンスター、ブラック・マジシャン…」
十代「ああ!遊戯さんを象徴するモンスターだぜ!!」
遊矢「……」
遊矢(伝説の決闘者の切り札なのに通常モンスターなんだ…)
アテム「──そして手札から【師弟の絆】を発動し、デッキより現れろ!ブラック・マジシャン・ガール!」
ブラック・マジシャン・ガール「はい!」ATK2000
アテム「また【師弟の絆】の更なる効果で、デッキから【黒・爆・裂・破・魔・導】をフィールドにセットする!」スッ
【黒・爆・裂・破・魔・導】
①:自分フィールドに、元々のカード名が「ブラック・マジシャン」と「ブラック・マジシャン・ガール」となるモンスターが存在する場合に発動できる。相手フィールドのカードを全て破壊する。
遊星「ブラック・バーニング・マジック…!!」
十代「あれだ!あの魔法が厄介なんだよ」
遊矢「……確かに強力な効果ですね」
アテム「…」
アテム(ここまでの動きは相棒と同じ。だが──)
遊矢『遊戯さんの……遊戯さんにしか出来ないデュエルがあるはずです──』
アテム(──そうだ。俺は……俺にしかできないデュエルをするぜ!)
アテム「俺は手札から永続魔法【魔術師の再演】を発動!」
【魔術師の再演】
①:このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分の墓地のレベル3以下の魔法使い族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。②:このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「魔術師の再演」以外の「魔術師」永続魔法カード1枚を手札に加える。
遊星「!」
アテム「このカードの効果により、墓地から【マジシャンズ・ソウルズ】を復活させる!」
マジシャンズ・ソウルズ「…」DEF0
十代「魔術師ってことは、あのカードは…」チラッ
遊矢「はい。俺の貸したカードです!」
アテム「そして、俺は【マジシャンズ・ソウルズ】のもう一つの効果を発動!フィールドの【魔術師の再演】と【黒・爆・裂・破・魔・導】を墓地に送り、デッキからカードを2枚ドローする!」シュッ
アテム「更に【魔術師の再演】が墓地に送られたことにより、デッキから【魔術師の右手】を手札に加える!」スッ
十代「強力な効果である【黒・爆・裂・破・魔・導】をコストにした…?」
遊星「だが、なんて動きだ……!!」
アテム「──まだもう少し動く!手札から速攻魔法【魂のしもべ】を発動!デッキトップに【永遠の魂】をセット!」スッ
アテム「そして、墓地に送られた【魂のしもべ】を除外して2ドロー!!」シュッ
遊星「先行であれだけデッキを回しているのに、手札が7枚…!?」
十代「すげえ!すげえよ遊戯さん!」
アテム「──そして最後に、俺はフィールドのモンスター3体を生け贄に捧げる……!!」ゴゴゴゴゴ
十代「なっ!?3体のモンスターってことは──」
アテム「ああ!これが俺の最大の切り札!現れろ!オシリスの天空竜!!」
オシリスの天空竜「───!!!!!!」ATK???
【オシリスの天空竜】
このカードを通常召喚する場合、3体をリリースして召喚しなければならない。①:このカードの召喚は無効化されない。②:このカードの召喚成功時には、魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。③:このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×1000アップする。④:相手モンスターが攻撃表示で召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。そのモンスターの攻撃力を2000ダウンさせ、0になった場合そのモンスターを破壊する。⑤:このカードが特殊召喚されている場合、エンドフェイズに発動する。このカードを墓地へ送る。
遊星「くっ!なんて威圧感だ…!!」
遊矢「ははは!凄く面白いよ遊戯さん!」
アテム「俺はカードを1枚セット……これで俺の手札は5枚になり、オシリスの攻撃力は5000…!!」
オシリスの天空竜「──!!!」ATK5000
遊星「まさか、先行1ターン目で神が出てくるとは…!!」
アテム「遊星!これが俺の…俺にしかできないデュエルだ!」
【アテム】LP8000
オシリスの天空竜 ATK5000
伏せ1枚
遊星「俺のターン、ドロー!」シュッ
アテム「さあ、全力でかかってきな!遊星!」
遊星「…はい!全力で行きます。遊戯さん!」
遊星「俺は手札から魔法カード【ライトニング・ストーム】を発動!」ポチッ
【ライトニング・ストーム】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドに表側表示のカードが存在しない場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。●相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。●相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。
遊星「──俺はライトニング・ストームの効果で、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する!」
十代「初手ライストかよ!?」ガーン!!
遊矢「遊戯さん!回避して回避!!」
アテム「……ああ!俺はライフを半分払い、罠カード【神の宣告】を発動!ライトニング・ストームの発動を無効にする!」LP8000→4000
遊星「!」
アテム「惜しいな遊星。神であるオシリスに魔法・罠は通用しないぜ?」フッ
遊星「くっ…!!」ギリッ
十代「いや、今のは神宣で守っただけじゃ…?」
遊矢「まだ1ターン目だと言うのに、ライフが半分も削れてしまいましたね…」
遊星「…ならば俺は、手札から【ジャンク・シンクロン】を墓地に送り【ワン・フォー・ワン】発動!」
遊星「デッキから【チューニング・サポーター】を守備表示で特殊召喚する!」
チューニング・サポーター「ナベ!」DEF300
【チューニング・サポーター】
①:フィールドのこのカードをS素材とする場合、このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。②:このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動する。自分はデッキから1枚ドローする。
アテム「……オシリスの効果は守備表示モンスターには適用されない」
遊星「そして俺はカードを2枚セットし、ターンエンド!」
【不動遊星】LP8000
チューニング・サポーター
伏せ2枚
アテム「俺のターン!!」シュッ
アテム「俺は【死者蘇生】を発動!墓地のブラック・マジシャン・ガールを復活させる!」
ブラック・マジシャン・ガール「はいはーい!」ATK2300
アテム「そしてバトルフェイズ!ガールでモンスターに攻撃──」
遊星「──この瞬間!永続罠【強化蘇生】を発動!墓地の【ジャンク・シンクロン】のレベルを4にして特殊召喚!」
ジャンク・シンクロン「ヘァッ!!」DEF500
遊星「そして、墓地からモンスターが特殊召喚に成功した時、手札から【ドッペル・ウォリアー】を特殊召喚することができる!」
ドッペル・ウォリアー「フン!」DEF800
アテム「──どれだけモンスターを並べた所で、神の前には無力だぜ!」
遊星「それはどうかな!」カン☆コーン
アテム「何!?」
遊星「罠発動【緊急同調】!」カチッ
【緊急同調】
①:自分・相手のバトルフェイズに発動できる。Sモンスター1体をS召喚する。
遊星「緊急同調の効果で、俺は相手ターンであってもシンクロ召喚することができる!」
アテム「何!?相手ターンにシンクロ召喚するだと!?」
遊星「行くぞ!レベル2扱いの【チューニング・サポーター】とレベル2【ドッペル・ウォリアー】にレベル4となった【ジャンク・シンクロン】をチューニング!」
遊星「──集いし願いが新たに輝く星となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!」
スターダスト・ドラゴン「!!」
DEF2000
【スターダスト・ドラゴン】
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①:フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する。②:このカードの①の効果を適用したターンのエンドフェイズに発動できる。その効果を発動するためにリリースしたこのカードを墓地から特殊召喚する。
アテム「…来たか。遊星のエースモンスター、スターダスト・ドラゴン…!!」
遊星「ここで、シンクロ素材となった【チューニング・サポーター】の効果により1ドロー!!」シュッ
遊星「そして、同じくシンクロ素材となった【ドッペル・ウォリアー】の効果で、フィールドに2体のドッペル・トークンを“攻撃表示”で特殊召喚する!」
十代「なっ!?攻撃表示…!?」
遊矢「そんなことしたら…」
アテム「──ああ。攻撃力が2000以下のモンスターはオシリスの効果で破壊される──」
アテム「やれ!オシリス!召雷弾!」
オシリスの天空竜「ガァアアアア!!」ATK5000
遊星「この瞬間!スターダストの効果発動!フィールドのカードを破壊する効果を無効にし、破壊する!!ヴィクテム・サンクチュアリ!」
アテム「!」
オシリスの天空竜「ギャアアアアア!?」パンッ!
アテム「……くっ…オシリス…!!」
十代「すげえぜ遊星!遊戯さんの神を倒した!」
アテム「……だが、バトルは続行させてもらう!ガールでドッペル・トークン1体に攻撃!」
遊星「っ…!!」LP8000→6100
アテム「……メイン2」
アテム(ガールの攻撃力は2300。次のターン、確実に遊星のスターダストに破壊される…)
アテム(何か打開策は──っ!!これなら…!!)
アテム「俺は【エフェクト・ヴェーラー】を召喚!」
【エフェクト・ヴェーラー】「ふぇ?」ATK0
十代「…おお。ヴェーラーを通常召喚する人初めて見たぜ…」
遊矢「でも、ヴェーラーを召喚したってことはまさか…!」
アテム「俺はレベル6【ブラック・マジシャン・ガール】にレベル1【エフェクト・ヴェーラー】をチューニング!」
遊星「!」
アテム「──その美しくも雄々しい翼翻し、光の速さで敵を討て!」
アテム「シンクロ召還!クリアウイング・シンクロ・ドラゴン!」
クリアウイング・シンクロ・ドラゴン「!」ATK2500
遊矢「出た!クリアウイング!」
十代「遊戯さんがシンクロ召還を…!!」
アテム(クリアウイングとスターダストの攻撃力は同じ…ひとまずはこれで様子を見るしかない)
アテム「──最後にカードを2枚セットしてターンエンド!」
【アテム】LP4000
クリアウイング・シンクロ・ドラゴン
伏せ2枚
遊星「俺のターン!」シュッ
アテム「──俺は遊星のスタンバイフェイズに【永遠の魂】を発動!墓地からブラック・マジシャンを特殊召喚する!」
ブラック・マジシャン「ハッ!」ATK2500
遊矢「スタンバイに永遠の魂…」
遊星「何故このタイミングで…?」
アテム「…さあ。どうしてかな?」フッ
十代「ははっ!なんかワクワクしてきたぜ!」
遊星「……俺は手札から【ジェット・シンクロン】召還!」
ジェット・シンクロン「!」ATK500
遊星「レベル1【ドッペル・トークン】とレベル1【ジェット・シンクロン】をチューニング!」
遊星「集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光さす道となれ!シンクロ召還!希望の力!フォーミュラ・シンクロン!」
フォーミュラ・シンクロン「ブーン!!」DEF1500
遊星「そして、ここでシンクロ素材となった【ジェット・シンクロン】の効果を発動!デッキからジャンクモンスターを手札に加える──」
アテム「そうはさせないぜ!永続罠【マジシャンズ・コンビネーション】発動!」
【マジシャンズ・コンビネーション】
①:1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、自分フィールドの、「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体をリリースして発動できる。リリースしたモンスターとはカード名が異なる「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を、自分の手札・墓地から選んで特殊召喚し、その発動した効果を無効にする。②:魔法&罠ゾーンの表側表示のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
アテム「フィールドのブラック・マジシャンをリリースし、墓地からガールを特殊召喚することで、ジェット・シンクロンの効果は無効になる!」
ブラック・マジシャン・ガール「ただいま!」ATK2300
遊矢「へえ…これを狙ってたんだ」
遊星「だが、フォーミュラ・シンクロンの効果で1ドロー!」シュッ
遊星「よし!こちらからも行くぞ!遊戯さん!」カン☆コーン
遊星「俺はレベル8シンクロモンスター【スターダスト・ドラゴン】にレベル2シンクロチューナー【フォーミュラ・シンクロン】をチューニング!!」
遊星「──集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く!光差す道となれ!」
遊星「アクセルシンクロォオオオオオオオ!!!!」ピカ──シュンッ!!
アテム「!?消えた──!?」
遊星「生来せよ!シューティング・スター・ドラゴン!!」ドヒュン!!
シューティング・スター・ドラゴン「ォオオオオオオオ!!!」ATK3300
【シューティング・スター・ドラゴン】
Sモンスターのチューナー1体+「スターダスト・ドラゴン」
①:1ターンに1度、発動できる。自分のデッキの上から5枚めくってデッキに戻す。このターンこのカードはめくった中のチューナーの数まで攻撃できる。②:1ターンに1度、フィールドのカードを破壊する効果の発動時に発動できる。その効果を無効にし破壊する。③:1ターンに1度、相手の攻撃宣言時に攻撃モンスターを対象として発動できる。フィールドのこのカードを除外し、その攻撃を無効にする。④:この③の効果で除外されたターンのエンドフェイズに発動する。このカードを特殊召喚する。
遊星「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!デッキの上から5枚めくり、その中のチューナーの数まで攻撃できる!」ペラッ
【禁じられた一滴】
【灰流うらら】
【ラッシュ・ウォリアー】
【クイック・シンクロン】
【無限泡影】
遊星「──チューナーの数は2体!よってこのターン、シューティング・スターは2回まで相手に攻撃することができる!」
十代「…なんか今さらっとヤバいカード見えなかったか?」
遊矢「見なかったことにしましょう…」
遊星「バトル!ガールとクリアウイングに攻撃!」
アテム「っ!!」ATK4000→3000→2200
遊星「そしてメイン2…」
遊星(俺の手札は2枚。目先のことを考えれば、今使うカードは“こちら”だが、後のことを考えれば──)
遊星「速攻魔法【墓穴の指名者】発動!墓地のブラック・マジシャンを除外する!」
アテム「な…!?」
十代「遊戯さんのブラック・マジシャンが…!」
アテム(これは痛いぜ…!!)
遊星「更にカードを1枚セットし、ターンエンド!」
【不動遊星】LP6100
シューティング・スター・ドラゴン
伏せ1枚
アテム「俺のターン!」シュッ
アテム「!俺は墓地のモンスターを5枚デッキに戻し【貪欲な壺】を発動!」
十代「ここで貪欲…!」
遊矢「引きがいいですねぇ」
アテム(──戻すカードは…)
【クリアウイング・シンクロ・ドラゴン】
【ブラック・マジシャン・ガール】
【エフェクト・ヴェーラー】
【オシリスの天空竜】
【マジシャンズ・ソウルズ】
アテム「──行くぜ!ドロー!!」シュッ
アテム「!」
遊星(あの顔……何のカードを引いたんだ…?)
アテム(フィールドには永遠の魂とマジシャンズ・コンビネーション…)
アテム(遊星のシューティング・スターを無力化するコンボを成立させるためには、デッキにいる“師弟”を再びこの場に呼び戻すしかない…!!)
アテム(一か八かの賭けになるが、俺は──)
アテム「俺はこのデッキを信じるぜ!魔法カード【真実の名】を発動!」
【真実の名】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:カード名を1つ宣言して発動できる。自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合、そのカードを手札に加える。さらに、デッキから神属性モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚できる。違った場合、めくったカードを墓地へ送る。
遊星「!まさか…!」
アテム「──俺が宣言するカード名はブラック・マジシャン・ガール!!」グッ
遊矢「……魔導陣とかでデッキトップはいじってないですよね?」
十代「ああ…」ゴクッ
遊矢「ってことは、これって本当に運まかせ?」アチャー
十代「でも……あの遊戯さんなら…!!」
アテム「──来てくれ!ブラック・マジシャン・ガール!」シュッ
【ブラック・マジシャン・ガール】
遊星「!」
十代「うわ!当たった!すげえ!!」
遊矢「すごーい…」
アテム「──ふっ、信じてたぜ!!ブラック・マジシャン・ガール!!」ドン!!
アテム「そして【真実の名】の更なる効果発動!デッキより現れろ──」
アテム「オベリスクの巨神兵!!」
オベリスクの巨神兵「!!!」ATK4000
遊星「2体目の……神!!」
十代「すげえすげえ!本当にヤバすぎるぜ遊戯さん!!」
アテム「──まだだ!俺は魔法カード【魔導契約の扉】発動!」
【魔導契約の扉】
①:自分の手札から魔法カード1枚を選んで相手の手札に加える。その後、自分のデッキからレベル7・8の闇属性モンスター1体を自分の手札に加える。
アテム「手札の“このカード”を遊星に渡し、デッキからブラック・マジシャンを手札に加える──受け取れ!遊星!」シュッ
遊星「──っ!!このカードは…!」チラッ
【スマイル・ワールド】
アテム「遊星!俺のデッキは確かにロマンに溢れ、現実的ではないかもしれない──」
アテム「だが、“俺達”はデュエルを楽しむ気持ちを忘れてはいけない!」
アテム「だから、そのカードを受け取れ!遊星!!」
遊星「遊戯さん…」
遊矢「ははっ!まさかこんな方法で相手に“笑顔”を届けるなんて!」
十代「でも、これなら遊星も──」
遊星「…ありがとうございます。遊戯さん」
遊星「──でも、すみません。あなたに勝つためにはこのカードは受け取れません」
アテム「何だって…?」
遊星「俺は手札を1枚捨て【ツイン・ツイスター】発動!」ポイッ
【ツイン・ツイスター】
①:手札を1枚捨て、フィールドの魔法・罠カードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊する。
アテム「!そのカードは…」
遊星「はい。さっきまで俺の手札が0枚だったので、使えませんでしたが…」
十代「遊戯さんの渡した“笑顔”のおかげで発動できたってわけか…」
アテム「そんなことが…」
遊星「…そして遊戯さんの“永遠の魂”は破壊された時、遊戯さんのモンスター全てを破壊する…」
シュウウウウ
十代「……オベリスクが消えていく…」
アテム(また……届かないのか…)
【アテム】LP2200
十代「……」
遊矢「……」
遊星「……遊戯さん」
アテム「……ああ」
アテム(俺は先行で…遊星からの妨害もなく…引きもよかった)
アテム(最後にはデッキまで応えてくれた。だが──)
遊星「──シューティング・スター・ドラゴンで、遊戯さんにダイレクトアタック!!」
アテム「……」LP2200→0 ピーッ!!
アテム(届かなかった──)
【遊戯の精神世界】
遊戯「もう一人のボク…」
アテム「…相棒。やはり今回もお前が正しかったぜ」
遊戯「でも…惜しかったじゃないか」
アテム「いいや。結果だけ見れば、俺は遊星のライフをあまり削れてないし──」
アテム「なんなら、ちゃっかりオシリスで先行制圧とかしてるしな。俺の完敗だぜ。相棒」フッ
遊戯「…オシリスはただの制圧とは少し違うと思うよ」
アテム「どういうことだ?」
遊戯「だって、オシリスは神だよ?神が場に出てきたら、それだけで凄いことじゃない」
アテム「……」
遊戯「オシリスはなんというか、こう…制圧の質が違うというか…」
アテム「…制圧の質って何だよ?」
遊戯「……えっと…」
アテム「…相棒。俺はケンカした相手にも同情するようなお前の優しさが好きだぜ」
遊戯「…もう一人のボク」
アテム「だが、俺は負けた。負けたんだよ」
遊戯「…でも」
アテム「勝たなきゃゴミ、なんだろ…?」
遊戯「…」
アテム「やっぱり時代は先行制圧又は後攻ワンキル…」
アテム「デュエルを楽しもうとした俺が間違いだった──」
十代「──それは違うぜ!遊戯さん!」
アテム「十代…?」
遊星「俺は遊戯さんとデュエルが出来て、本当によかったと思います。あんなに熱くなれたデュエルは久しぶりでした」
遊矢「そうですよ遊戯さん。いいエンタメデュエルでした」
アテム「…お前ら!!」グッ
遊戯(…どうでもいいけど、ここはボク達の精神世界なのにどうやって入ってきたんだろう…?)
十代「遊戯さん。俺はあなたのおかげで思い出せました」
十代「俺が知らない間に忘れていた──素直にデュエルを楽しむ気持ちを!」スッ
アテム「!そのカードは…!!」
十代「ええ!遊戯さんに貰ったラッキーカード…ハネクリボーです!」
ハネクリボー「クリクリ~」
遊戯(まあそれを君にあげたのはボクの方だけどね…)
十代「なんならこの【カードエクスクルーダー】なんかもデッキに入れちゃいます!」スッ
アテム「!そんな使い道のなさそうなカードまで…!!」
遊矢「使えないカードなんてない…そうでしょ?遊戯さん」
アテム「遊矢…!!」
遊戯「もう一人のボク…?」
アテム「…相棒。どうやら、理想にまみれた俺のやり方でもいいのかもしれないな」フッ
遊戯「…そうだね。勝つことだけが全てじゃないのかも」クスッ
アテム「……ああ!」
アテム(──先行制圧や後攻ワンキル。勝つためのデュエルは限られてくるが──)
アテム(楽しむためのデュエルは何千通りだってある──!!)
アテム「──よし相棒!もっともっと面白いデッキを作ろうぜ!!」
遊戯「…え?いや、そうは言ってもボクはデュエルで勝たないと面白くないから…」
アテム「…は?」
遊戯「え?」
アテム「……」
遊戯「……」
アテム・遊戯「「デュエル!!」」
以上で終わりです。
デュエルには勝ちたいけど、制圧はしたくないし誘発もあんまり使いたくない。
それが理想なのはわかってるけど、頑張れば現実にも勝てるんじゃないか……って言う、どこかの雑魚キャラみたいな気持ちにいつの間になってました。
だから…お願いだからガガガの新規を…シスターの新規を近いうちにください!!
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