アテム「理想VS現実」 (52)
アテム「相棒。新しいデッキを作るのか?」
アテム「相棒。また新しいデッキを作るのか?」
遊星「遊戯さんに謝らないと…」
の続きになります。
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遊矢「皆さんは聞きました?例の噂」
十代「噂って?」
遊矢「“遊戯さん達”が決着をつけるみたいですよ?」
十代「……あれってマジな話なのか?」
遊星「あ、はい。ふたりはお互いの信念を懸け決闘すると言っていました」
遊馬「……そういえば前に遊戯さんが俺の所に来たけど、あれってその決闘のためなのか」
遊矢「遊戯さんが?」
遊馬「ああ。借りたいカードがあるっていうから、俺のカードを何枚か貸したんだ」
遊矢「……へぇ。遊戯さんが遊馬さんのカードをね…」
十代「にしても…“あの遊戯さん”が遊戯さんに勝てると思うか?」
遊星「……わかりません。ですが俺は遊戯さんとカードの絆を信じてます」
遊星「どれだけ辛く、苦しい状況が目の前に広がっていたとしても“あの遊戯さん”ならきっと…」
遊矢「絆だけでデュエルに勝てれば誰も苦労はしませんよ」ボソッ
十代「……何か言ったか?遊矢」
遊矢「いえ特に何も。ふたりのデュエルが楽しみですね!」
十代「ふーん、そうか。ちょっと来い遊矢。トマト鍋にしてやる」グイッ
遊矢「え?あ、ちょっと──!?」
遊星「……」
遊星(遊戯さん。俺はあなたの理想がどれだけ厳しいものか知っています)
遊星(だが……だからこそ信じます)
遊星(決闘者が積み上げた理想は、無慈悲な現実にも勝つことができるということを…!!)
アテム(──俺は今までにさまざまな相手と闘ってきた)
十代『あ、灰流うらら』ポイッ
遊星『では、とりあえず【ハーピィの羽箒】を発動』ポチッ
海馬『混沌の!!マキシマム・バーストーー!!!!』
アテム(だが…次のデュエルが最も過酷な闘いとなるだろう)
遊戯『もうひとりのボク。今度はボクと闘って欲しいんだ──』
アテム(相棒は環境にそぐわない俺を納得させるために闘いを挑んでくれた)
アテム(きっとあいつが持ちうる力を全て込め、俺に向かって来るだろう)
アテム(先行制圧、後攻ワンショットキル…もしかしたらチェーンバーンなんて戦法かもしれない)
アテム(だが、俺は相棒がどんなデッキで来ようと必ず倒してみせる…!)
アテム「……そうだ。この一戦は俺の運命を決めるデュエル…!!」
アテム(勝って理想を追うか、負けて現実を見るか…)
アテム「──勝負だ相棒…!!」
【遊戯の精神世界】
遊戯「──行くよ!もうひとりのボク……!!」
アテム「勝ってみせるぜ!相棒──!!」
アテム・遊戯「「デュエル!!」」LP8000
アテム「俺の先行──俺は手札から【黒魔術のヴェール】を発動!」LP8000→7000
アテム「俺のライフを糧とし現れろ!ブラック・マジシャン!」
ブラック・マジシャン「ハァ!」ATK2500
遊戯(やはりブラック・マジシャン…!!)
アテム「そして【ガガガマジシャン】を召喚!」
ガガガマジシャン「オウ!」ATK1500
【ガガガマジシャン】
このカードはS素材にできない。①:「ガガガマジシャン」は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。②:1ターンに1度、1~8までの任意のレベルを宣言して発動できる。このカードのレベルはターン終了時まで宣言したレベルになる。
遊馬「出たぜ!ガガガマジシャン!」
遊矢「あれが遊戯さんが遊馬さんに借りたカード…」
アテム「──ガガガマジシャンの効果を発動!自身のレベルを7にする!」
遊星「これでレベル7のモンスターが2体…」
十代「来るぜ!遊馬!」
遊馬「お、おう…!?」ビクッ
アテム「俺はレベル7のモンスター2体でオーバーレイ!エクシーズ召還──」
アテム「現れろ!虚空の黒魔導師!」
虚空の黒魔導師「フッ…」DEF2800
【虚空の黒魔導師】
魔法使い族レベル7モンスター×2
①:X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は相手ターンに速攻魔法カード及び罠カードを手札から発動できる。その発動の際にこのカードのX素材を1つ取り除く。②:X召喚したこのカードが、相手の効果で墓地へ送られた場合、または戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。手札・デッキから魔法使い族・闇属性モンスター1体を特殊召喚する。その後、フィールドのカード1枚を選んで破壊できる。
遊戯「手札から速効魔法と罠カードを発動できるモンスター…」
アテム「──これで俺はターンエンド!」
【アテム】LP7000
虚空の黒魔導師
遊戯「ボクのターン!ドロー!」シュッ
十代「さて、遊戯さんは一体どんなデッキを使うんだ…?」
遊戯「──ボクはゴールド・ガジェットを召喚!」
ゴールド・ガジェット「ギギギ」ATK1700
アテム(!ガジェット──!?)
遊矢「……なんだ。環境デッキじゃないんですね」
アテム「相棒…」
遊戯「…心配しなくても大丈夫だよ。もうひとりのボク」
遊戯「ちゃんとボクが教えてあげる。今の決闘者の現実を──!!」
アテム「!」
遊戯「ボクはゴールド・ガジェットの効果発動!手札からシルバー・ガジェットを特殊召喚!」
シルバー・ガジェット「ガガガ」ATK1500
遊矢「今度はレベル4のモンスターが2体…」
十代「来るぜ!遊馬!!」
遊馬「おう!…って、なんだこの人しつけえ…!」
遊戯「ボクはレベル4のゴールド・ガジェットとシルバー・ガジェットでオーバーレイ!エクシーズ召還──」
遊戯「現れろ!No.39希望皇ホープ!!」
No.39希望皇ホープ「ホォオオオオオオプ!!」ATK2500
遊馬「ホープ!?なんで遊戯さんがホープを…!?」
遊戯「…ホープなんて決闘者なら当たり前のように持っているカードだよ」
遊馬「まじかよ…!?」ガーン!!
遊戯「──さらにボクはホープをランクアップさせる!」
遊戯「現れろ!SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング!」
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング「ホォオオオオオオプ!!!!」ATK2500
【SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング】
光属性レベル5モンスター×3
このカードは自分フィールドのランク4の「希望皇ホープ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。このカードはX召喚の素材にできない。①:このカードが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時までカードの効果を発動できない。②:このカードが「希望皇ホープ」モンスターをX素材としている場合、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ5000になる。
遊馬「ライトニングまで…!?」
遊戯「バトル!ライトニングで虚空の黒魔導師に攻撃──そして、そのまま効果発動!ホープの攻撃力が5000になる!」
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング「ホォオオオオオオプ!!!」ATK5000
虚空の黒魔導師「!?」DEF2800
アテム「くっ…!!」
遊戯「ボクはカードを1枚伏せて、ターンエンド!」
【武藤遊戯】LP8000
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング
伏せ1枚
アテム「俺のターン!」シュッ
アテム「俺はEXデッキからカードをランダムに6枚除外し【強欲で金満な壺】を発動!デッキからカードを2枚ドローする!」シュッ
アテム「次に手札から【死者蘇生】を発動!墓地のガガガマジシャンを復活させる!」
ガガガマジシャン「!」ATK1500
アテム「そして、手札からガガガガール召還!」
ガガガガール「さーっす!」ATK1000
【ガガガガール】
自分フィールド上の「ガガガマジシャン」1体を選択して発動できる。このカードは選択したモンスターと同じレベルになる。また、このカードを含む「ガガガ」と名のついたモンスターのみを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。●このエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力を0にする。
遊馬「よっしゃ来たぜ!ガガガコンビ!」グッ
遊星「これでまたエクシーズ召還ができる…!」
アテム「ああ!俺は再びガガガマジシャンのレベルを7にし──」
アテム「そしてガガガガールの効果で自身のレベルをガガガマジシャンに合わせ、エクシーズ召還!」
アテム「来い!幻想の黒魔導師!」
幻想の黒魔導師「ハッ!」ATK2500
【幻想の黒魔導師】
レベル7モンスター×2
このカードは自分フィールドのランク6の魔法使い族Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。「幻想の黒魔導師」の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。手札・デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する。②:魔法使い族の通常モンスターの攻撃宣言時、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。
遊戯「幻想の黒魔導師……!」
アテム「まずはエクシーズ素材となったガガガガールの効果を発動!ライトニングの攻撃力を0にする!」
SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング「ホォォォプ」ATK0
アテム「──そして幻想のエクシーズ素材を1つ取り除き、効果発動!再びデッキより現れろ!ブラック・マジシャン!」
ブラック・マジシャン「ハァ!!」ATK2500
十代「よし!立て直した!」
アテム(…相棒の場には攻撃力が0になったライトニングと伏せカードが1枚。ならばここは──)
アテム「バトル!幻想でライトニングに攻撃!」
遊戯「…っ!!」LP8000→5500
遊馬「やった!ホープを倒したぜ!」
アテム「そしてブラック・マジシャンの攻撃宣言時に幻想の効果を発動──」
アテム「相棒のセットカードを除外するぜ!!」
十代「よし!上手いぜ!遊戯さん──」
遊戯「──読んでた!」ドン☆
アテム「!?あれは…!!」
遊星「やぶ蛇…!!」
【やぶ蛇】
①:セットされているこのカードが相手の効果でフィールドから離れ、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。デッキ・EXデッキからモンスター1体を特殊召喚する。
遊戯「このカードは相手の効果でフィールドから離れた時に効果が発動する…!!」
遊戯「現れろ!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン!」
【クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン】
チューナー+チューナー以外のSモンスター1体以上
①:1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。②:このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。
遊矢「あらら…クリスタルウィングまで出て来ちゃった」
遊星「相手がセットカードを除去することを読んだ上で、強力なシンクロモンスターを召喚するとは…」
十代「さすが遊戯さんだぜ…」
アテム「…俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
【アテム】LP7000
幻想の黒魔導師
ブラック・マジシャン
伏せ1枚
遊戯「ボクのターン!ドロー!」シュッ
アテム「……」
遊戯「…もうひとりのボク。クリスタルウィングぐらい簡単に突破できないと、話にもならないよ──」
遊戯「バトル!クリスタルウィングでブラック・マジシャンに攻撃!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン「ガァアアアア!!」ATK3000→5500
ブラック・マジシャン「!?」ATK2500
アテム「…っ!!」LP7000→4000
遊戯「…エクシーズ召喚を多用するデッキなら“アーゼウス”ぐらい入れるべきだよ。もうひとりのボク」
アテム「…ああいうカードは俺の趣味じゃないのさ」
遊戯「…そう。ボクはカードを3枚伏せてターンエンド」スッ
【武藤遊戯】LP5500
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
伏せ3枚
アテム「俺のターン、ドロー!」シュッ
アテム「!俺はまだ勝負を諦めたわけじゃないぜ!相棒!」
遊戯「!」
アテム「俺は幻想の効果を発動!デッキから三度ブラック・マジシャンを特殊召喚する──」
遊戯「そうはさせない!クリスタルウィングの効果で幻想の効果を無効にし破壊する!」
幻想の黒魔導師「!」パァン!!
アテム(…すまない幻想…!)
遊戯「そして、クリスタルウィングの攻撃力はこの効果で破壊したモンスターの攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン「ガァアアアア!!」ATK3000→5500
遊星「攻撃力5500…!」
十代「どうするんだ?遊戯さん…!」
アテム「──俺は黒牙の魔術師をペンデュラムスケールにセッティング!」
黒牙の魔術師「…」ピカー
【黒牙の魔術師】
ペンデュラム効果
①:1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで半分にする。その後、このカードを破壊する。
モンスター効果
このカードはルール上「エクシーズ・ドラゴン」カードとしても扱う。①:このカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の魔法使い族・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。
遊矢「ここで黒牙の魔術師…!」
アテム「黒牙の魔術師のペンデュラム効果を発動!自身が破壊される代わりに、クリスタルウィングの攻撃力を半分にする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン「ガァアアアア!?」LP5500→2750
アテム「──更に黒牙が破壊されたことにより、墓地の黒魔族を特殊召喚することができる!」
ブラック・マジシャン「ふっ…」ATK2500
遊馬「すげえ!またブラック・マジシャンを召喚した!」
遊戯「…けれど、ブラック・マジシャンではクリスタルウィングを倒すことはできない」
アテム「それはどうかな?」
遊戯「!」
アテム「俺は墓地の“黒魔術のヴェール”と“死者蘇生”を除外し【黒魔術の継承】を発動!」
【黒魔術の継承】
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分の墓地から魔法カード2枚を除外して発動できる。「黒魔術の継承」以外の、「ブラック・マジシャン」のカード名または「ブラック・マジシャン・ガール」のカード名が記された魔法・罠カード1枚をデッキから手札に加える。
アテム「俺が手札に加えるのは──千本ナイフ!」スッ
遊戯「!そんなカードを…!?」
アテム「ふっ…俺はそのまま千本ナイフを発動!クリスタルウィングを破壊するぜ!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン「ギャァアアア!?」ザクザク!!
遊戯「そんな…!」
アテム「クリスタルウィングは除去したぜ。これでいいんだろ?相棒」フッ
遊戯「くっ…」
アテム「──バトル!ブラック・マジシャンでプレイヤーにダイレクトアタック!」
遊戯「うわぁ!?」LP5500→3000
遊星「よし。通った…!」
遊戯「だけどこの瞬間【ダーク・ホライズン】を発動!」カチッ
【ダーク・ホライズン】
①:自分が戦闘・効果でダメージを受けた時に発動できる。受けたダメージの数値以下の攻撃力を持つ魔法使い族・闇属性モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
遊戯「──デッキより現れろ!ブラック・マジシャン!」
ブラック・マジシャン「ハッ!」ATK2500
十代「すげえ!ブラック・マジシャンが並んだ…!」
アテム「……相棒」
遊戯「ブラック・マジシャンはボクにとっても特別なモンスターだからね」
アテム「…俺はこれでターンエンドだ」
【アテム】LP4000
ブラック・マジシャン
伏せ1枚
遊戯「ボクのターン、ドロー!」シュッ
遊戯「……カードを1枚セットし、ターンエンド」スッ
【武藤遊戯】LP3000
ブラック・マジシャン
伏せ3枚
アテム「俺のターン、ドロー!」シュッ
アテム「カードを1枚伏せ、ターンエンド」スッ
【アテム】LP4000
ブラック・マジシャン
伏せ2枚
遊馬「…あれ?急に静かになったぞ…?」
遊矢「お互い事故ってるんじゃない?」
十代「いや、違う。これは…」
遊星「ええ。これはきっと…」
遊戯「ボクのターン、ドロー!」シュッ
遊戯「ボクは墓地のモンスターを5体デッキに戻して【貪欲な壺】を発動!カードを2枚ドローする!」シュッ
遊戯「!」
アテム(!相棒の表情が変わった…?)
遊戯「ボクはチョコ・マジシャン・ガールを召喚!」
チョコ・マジシャン・ガール「ふふっ」ATK1600
アテム(来るか!相棒──!!)
遊戯「行くよ!もうひとりのボク!」
アテム「ああ!」
遊戯「ブラック・マジシャンで攻撃宣言時、マジシャンズ・サークルを発動!」カチッ
【マジシャンズ・サークル】
①:自分または相手の魔法使い族モンスターの攻撃宣言時に発動できる。お互いのプレイヤーは、それぞれ自分のデッキから攻撃力2000以下の魔法使い族モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。
遊戯「──ボクはデッキからレモン・マジシャン・ガールを特殊召喚!」
レモン・マジシャン・ガール「あはっ」ATK800
アテム「──俺はブラック・マジシャン・ガールを特殊召喚!」
ブラック・マジシャン・ガール「!」ATK2000
遊星「マジシャンズ・サークルは互いのプレイヤーに効力が及ぶカード…」
十代「状況的には遊戯さんの方が有利だけど…」
アテム(相棒がそれを考えないで動くはずはない──)
遊戯「ボクは手札を1枚捨て【超融合】を発動!!」
【超融合】
このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。①:手札を1枚捨てて発動できる。自分・相手フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
十代「な、超融合だって…!?」
遊戯「ボクはフィールドに存在する5体の魔法使いを束ね、このモンスターを融合召喚する──」
遊戯「来い!クインテット・マジシャン!」
【クインテット・マジシャン】
魔法使い族モンスター×5
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。①:魔法使い族モンスター5種類を素材としてこのカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのカードを全て破壊する。②:このカードはモンスターゾーンに存在する限り、リリースできず、融合素材にできず、効果では破壊されない。
クインテット・マジシャン「…」ATK4500
遊戯「同じ魔法使いを融合素材にしていることで、破壊する効果は発動できないけど──」
遊戯「これで終わりだ!クインテットでプレイヤーにダイレクトアタック──っ!?」
アテム「ふふっ…」
十代「遊戯さんが…」
遊星「笑ってる…?」
遊戯「もうひとりのボク…どうして笑って…?」
アテム「…俺は嬉しいんだ。現実を見ているはずの相棒が、この俺と同じカードを切り札に選んだことが…」
遊戯「!」
アテム「罠発動【死魂融合】!」
【死魂融合】
①:自分の墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを裏側表示で除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
アテム「俺の墓地に眠りし、“ブラックマジシャン”、“虚空の黒魔導師”、“ガガガマジシャン”、“ガガガガール”、“幻想の黒魔導師”を除外し──」
アテム「現れろ!クインテット・マジシャン!」
クインテット・マジシャン「!」ATK4500
アテム「クインテット・マジシャンの効果発動!相手フィールドのカードを全て破壊する!」
遊戯「させない!罠発動【無限泡影】!」
【無限泡影】
自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。①:相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。セットされていたこのカードを発動した場合、さらにこのターン、このカードと同じ縦列の他の魔法・罠カードの効果は無効化される。
アテム「!」
遊戯「無限泡影の効果により、クインテットの効果は無効!」
アテム「ふっ…やるな相棒…!!」
遊戯(……次のターンまでもうひとりのボクのフィールドにクインテットを残しておくのは…)
遊戯「──クインテットで攻撃!!」
アテム「迎え撃て!クインテット・マジシャン!!」
クインテット・マジシャン「「!」」ドゴーン!!
十代「相討ち…!!」
遊戯(──だけど、クインテットがいなくても…!!)
アテム(俺にはこいつがいる…!!)
アテム・遊戯「「永遠の魂!」」ドン☆
ブラックマジシャン「「!」」ATK2500
遊星「最後のリバースカードが互いに【永遠の魂】だなんて…!」
十代「ああ!すげえ燃える展開だぜ!」
【永遠の魂】
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:以下の効果から1つを選択して発動できる。●自分の手札・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。●デッキから「黒・魔・導」または「千本ナイフ」1枚を手札に加える。②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分のモンスターゾーンの「ブラック・マジシャン」は相手の効果を受けない。③:表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
アテム(…だが相棒。俺のデッキにはきちんと【黒・魔・導】が入っている)
アテム(次のターン、俺が“魂”の効果でそれをサーチすれば、お前の“魂”は破壊される…)
アテム(相棒の手札は1枚。ここで何もしなければ、俺の勝ちだぜ…相棒……!!)
遊戯「……うん。ボクはこれでターンエンド」
【武藤遊戯】LP3000
ブラック・マジシャン
永遠の魂
十代「伏せカードは無し、か…」
遊矢(……だけど、もし向こうの遊戯さんが“あのカード”を握っていたら…)
アテム「──俺のターン!ドロー!」シュッ
アテム「俺は【永遠の魂】の効果を発動!デッキから【黒・魔・導】を手札に加える──」
アテム「これでお前の“魂”は砕かれるぜ!相棒!」
遊戯(──君がそう来ることはわかっていたよ。もうひとりのボク…)
遊戯(だからこそ、ボクは君に“現実”を教えなければいけないんだ──)
遊戯「この瞬間、ボクは手札の“このカード”を捨てて効果を発動する!」ポイッ
アテム「なっ…そのカードは…!!」
【灰流うらら】
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードを手札から捨てて発動できる。その効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果
遊戯「そう。今の決闘者なら持ってて当たり前のカードで──」
遊戯「君の最も嫌いな手札誘発“灰流うらら”だよ」ドン☆
アテム「灰流…うらら……!!」
遊戯「そして“うらら”の効果で、君の【永遠の魂】の効果は無効になる!」
灰流うらら「はいダメー!!」ブッブー
アテム「……っ!!!!」ギリッ
十代「遊戯さんめっちゃキレてんじゃん…」
遊矢「土壇場での“うらら”は効きますからね…」
遊星「……こちらの遊戯さんの手札は今ドローしたカードのみ。だが……!」
遊星(あなたはまだ諦めてないはずだ…遊戯さん…!!)
アテム「…くっ、俺はデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外し、手札から【強欲で貪欲な壺】を発動。カードを2枚ドロー!」シュッ
遊戯(!ここで強貪…!しまった。【黒・魔・導】を意識し過ぎた…!)
遊矢「ここで何か一発逆転のカードが引けてればいいんですが…」チラッ
アテム「……っ!!」
アテム(…ダメだ。引けない…!)
アテム(完全にさっきの“うらら”で流れが変わってしまったか…)
アテム「俺はこのままターンエンド…!」
【アテム】LP4000
ブラック・マジシャン
永遠の魂
遊戯「ボクのターン!ドロー!」シュッ
遊戯「ボクは【永遠の魂】の効果を発動!デッキから【黒・魔・導】を手札に加える!」スッ
遊戯「──そして【黒・魔・導】発動!君の【永遠の魂】を破壊する!」
永遠の魂「」パリーン
ブラック・マジシャン「…」シュゥウウウ
アテム「くっ…!ブラック・マジシャン…!!」
遊戯「更にボクは【グリーン・ガジェット】を召喚し、効果発動──」
グリーン・ガジェット「グリリ」ATK1400
アテム「そうはさせないぜ!俺は手札から【エフェクト・ヴェーラー】を墓地に送り、ガジェットの効果を無効にする!」ポイッ
遊戯「──それならバトルだ!グリーン・ガジェット、ブラック・マジシャンでプレイヤーにダイレクトアタック!」
アテム「ぐわぁああああ!!」LP4000→2600→100
遊星「遊戯さん!!」
遊戯「──ボクはこれでターンエンド!」
【武藤遊戯】LP3000
ブラック・マジシャン
グリーン・ガジェット
永遠の魂
遊矢「遊戯さんのライフは残り100…」
十代「絶体絶命のピンチだけど、遊戯さんなら…!!」
アテム「俺のターン!ドロー!」シュッ
アテム(!来てくれたか…!)
アテム(──ならば行くぜ相棒…!!これが俺の全力だ…!!)
アテム「俺は手札から速攻魔法【魂のしもべ】を発動!デッキトップに【幻想の見習い魔導師】をセットする!」スッ
【魂のしもべ】
このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分の手札・デッキ・墓地から、「魂のしもべ」以外の「ブラック・マジシャン」のカード名または「ブラック・マジシャン・ガール」のカード名が記されたカード、「ブラック・マジシャン」の内、いずれか1枚を選んでデッキの一番上に置く。②:自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。お互いのフィールド・墓地の、「守護神官」モンスター、「ブラック・マジシャン」、「ブラック・マジシャン・ガール」の種類の数だけ自分はデッキからドローする。
アテム「そして、墓地に送られた【魂のしもべ】を除外し2ドロー!!」シュッ
アテム「……よし!行くぜ相棒!これが俺の切り札だ!」
遊戯「!」
アテム「──俺は手札から魔法カード【未来への思い】を発動!」
【未来への思い】
自分の墓地のレベルが異なるモンスター3体を選択して発動できる。選択したモンスター3体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。その後、自分がエクシーズ召喚を行っていない場合、このターンのエンドフェイズ時に自分は4000ライフポイントを失う。また、このカードを発動するターン、自分はエクシーズ召喚以外の特殊召喚ができない。
遊戯「未来への……思い…!!」
アテム「俺のフィールドに甦れ!我が最強のしもべ達よ!!」
ブラック・マジシャン「ふっ…」ATK0
ブラック・マジシャン・ガール「はい!」ATK0
エフェクト・ヴェーラー「?」ATK0
遊矢「あれは遊戯さんがずっと使ってきたモンスター達…」
遊星「ああ。遊戯さんのデュエルを支えてきたモンスター達だ…!!」
十代「え?ヴェーラーはちょっと違うんじゃね?」
アテム「更に俺はエフェクト・ヴェーラーを生け贄に捧げ──現れろ!幻想の見習い魔導師!」
幻想の見習い魔導師「はい!」ATK2000
十代「あ、ほら。やっぱりいなくなった」
遊星「……ヴェーラー…」
アテム「──そして最後に俺は永続魔法【熱き決闘者たち】を発動!」
【熱き決闘者たち】
①:自分のモンスターの攻撃宣言時に、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。その攻撃を無効にし、対象のカードを破壊する。②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いに1ターンに1枚しか魔法・罠カードを手札からセットできず、エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターはそのターンには攻撃できない。③:自分ドローフェイズのドロー前に発動できる。このターン通常のドローを行う代わりに、自分の墓地のモンスター1体を選んで手札に加える。
テッテレテー
遊戯「このカードは…!?」
アテム「このカードはモンスターによる攻撃を“相手フィールドの魔法・罠カードを破壊する効果”へと変換することができる──」
アテム「──行くぜ!相棒!」ドン☆
アテム「やれ!ブラック・マジシャン!相棒の“魂”を破壊しろ!」
ブラック・マジシャン「ハァアアアア!!」ATK0
永遠の魂「」ドガーン!!
ブラック・マジシャン「…」シュゥウウウ
グリーン・ガジェット「ギギ…」シュゥウウウ
遊戯「くっ…!!」
アテム「そして幻想の見習い魔導師でプレイヤーにダイレクトアタック!」
遊戯「うわぁああああ!!??」LP3000→1000
アテム「そしてメイン2……俺はブラック・マジシャン・ガールと幻想の見習い魔導師でオーバーレイ──行くぜ!遊馬!!」
遊馬「お、おう!?!?かっとビングだぜ!遊戯さん──!!」
アテム・遊馬「「人が希望を越え、夢を抱く時、遥かなる彼方に新たな未来が現れる!限界を超え、その手に掴め!現れろ!希望皇ビヨンド・ザ・ホープ!」」
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ
「ホォオオオオオオオオオプ!!!!!」ATK3000
【No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ】
レベル6モンスター×2
このカードはルール上、「希望皇ホープ」と名のついたカードとしても扱う。このカードがエクシーズ召喚に成功した時、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は0になる。1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して除外し、自分の墓地の「希望皇ホープ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。その後、自分は1250ライフポイント回復する。この効果は相手ターンでも発動できる。
遊星「ビヨンド・ザ・ホープ…」
遊矢「これが遊戯さんの切り札…!」
アテム(──さあ相棒…これが俺の最後の希望であり“理想”だ…!!)
アテム(今こそお前の“現実”で俺の“理想”に勝ってみろ……!!相棒──!!)
【アテム】LP100
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ
ブラック・マジシャン
熱き決闘者たち
遊戯(──お互いに手札はなく、フィールド上にはビヨンドと攻撃力が0になったブラック・マジシャン…)
遊戯(ここでボクがモンスターを引けばボクの勝ち。だけど、もし引けなければボクの──)
遊戯「…」
アテム「……どうした相棒。お前のターンだぜ?」
遊戯「……もうひとりのボクは怖くないの?ボクの引くカードでデュエルの勝敗が決まるんだよ?」
アテム「…もちろん俺だって怖いさ。だがそれが──それこそが“決闘”じゃないのか?」
遊戯「……もうひとりのボク」
アテム「“見えるけど見えないもの”──そうだろ?相棒」
遊戯「!」
アテム(さあ、もう迷うな。自分のデッキを信じてカードを引け…!相棒……!!)
遊戯「──ボクのターン……ドロー!!」シュッ
アテム「……」
遊戯「…ボクが引いたカードは、モンスターカード!」
アテム(──!!)
遊戯「──けれど、残念ながら君のモンスターを倒すことのできるモンスターじゃないみたいだ…」フッ
アテム「!」
遊戯「ボクはモンスターをセットして、ターンエンド!」
【武藤遊戯】LP1000
モンスター(裏側守備表示)
十代「裏側守備表示ってことは、もしかして…!?」
遊星「遊戯さん…!!」
アテム「……相棒」
遊戯「さあ、今度は君の番だよ。もうひとりのボク──」
アテム「……ああ!」グッ
アテム「俺のターン……ドロー!!」シュッ
遊戯「……」
アテム「──ありがとう。俺のデッキ……!!」フッ
遊戯「!」
アテム「俺は【守護神官マハード】を特殊召喚!」
守護神官マハード「…」ATK2500
【守護神官マハード】
①:このカードをドローした時、このカードを相手に見せて発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。②:このカードが闇属性モンスターと戦闘を行うダメージステップの間、このカードの攻撃力は倍になる。③:このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。自分の手札・デッキ・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。
遊戯(──そっか。君は引いたんだね。もうひとりのボク…)
アテム「──行くぜ相棒…!!」
アテム「ビヨンドで相棒のセットモンスターに攻撃!」
No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ「ホォオオオオオオプ!!!!」ザンッ!!
遊戯「…っ!!」
十代「破壊されたのは…」チラッ
灰流うらら「ぴゃー!?」DEF1800
遊星「2枚目の灰流うらら…!」
遊矢(…なるほどね。確かに攻撃力0の“うらら”じゃ反撃はできないか)
アテム「……相棒」
遊戯(……もうひとりのボクは遂に“現実”を越えたんだね──)ニコ
アテム「──っ!!行け!マハード!プレイヤーにダイレクトアタック!!」
マハード「ハァアアアアア!!!!」ATK2500
遊戯「……」LP1000→0 ピー!!
遊戯「……ボクの負けだよ。もうひとりのボク」
アテム「相棒…」
遊戯「君はボクに──現実に勝った」
遊戯「手札誘発プラス汎用魔法罠…この条件にあらずんば、デッキにあらずという考えを君は打ち砕いたんだ」
遊戯「本当にいいデュエルだったよ。もうひとりのボク」ニコッ
アテム「……だが、今日相棒が使ったデッキは本当に“ガチデッキ”だったのか?」
遊戯「…確かに今日使ったデッキは君を意識し過ぎて、バランスの悪いものになってしまったかもしれない」
遊戯「でも、ボクは全力だったよ」
アテム「……そうか」
遊戯「それに、後ろを見てみなよ」フフッ
アテム「?後ろ──?」クルッ
十代「ガッチャ!!楽しいデュエルだったぜ!遊戯さん!」ビッ
アテム「!十代…!!」
遊星「…俺はずっと信じてました。遊戯さんなら必ず現実に勝ってくれるということを!」
遊馬「ああ!すげえデュエルだったぜ!」
遊矢「かっこよかったですよ。遊戯さん」
アテム「……お前ら!!」
遊戯「──もうひとりのボク。今回のデュエルでボクははっきりと思い出したよ」
遊戯「デュエルは楽しいものだということを──!!」
アテム「──ああ!!」
これで終わりです。
スターダストの効果を間違えてしまったことから、急遽続きを書きましたが、また現実に揉まれてワクワクを忘れたら、戻ってきます。
読んでくれた方はありがとうございました。
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