赤屍「巨人ですか......」 (24)
845年 シガンシナ襲撃の日
午後3時
赤屍「......」
赤屍「(もらった地図によれば、ここがイェーガー宅で間違いないようですが...)」
赤屍「(道中、博士の言っていた『面白い事』とやらにはお目にかかれませんでしたね...)」
赤屍「(はぁ、今回もまたハズレ...かれこれ何ヶ月もまともに戦っていない所為か、身体が訛ってしょうがないですよ、
全く)」
赤屍「(今度博士に会ったら、小言の一つでも言ってやりましょうか。退屈な依頼ばかりを回すのは如何なものかと)」
赤屍「(...まあ、あれこれと考えるのは仕事が済んでからにしましょう。イェーガー氏に手紙を届けた後、彼の指示に従えとのことでしたから、場合によっては長引くかもしれません)」
赤屍「(折角長引くというのなら、退屈なものではないことを祈りたいものですが...)」
赤屍「(っと、いけない。仕事仕事)」
コンコン
赤屍「すみません、イェーガー先生はご在宅でしょうか」
「はーい、今行きます! 」
赤屍「(ふむ、イェーガー婦人も在宅中でしたか。手紙の内容こそ知りませんが、おそらく家族に聞かれるのは憚られるものなのでしょう)」
赤屍「(ただ渡すだけでもいいのですが、ついでですし、一芝居をうちましょうか)」
カルラ「お待たせしてすみませんでし......どちら様でしょうか? 」
赤屍「これはこれは、初めまして。わたくし、赤屍蔵人と申しまして、少々遠くの街で医者をやっている者です」
赤屍「それで、昔シガンシナ区で流行した疫病を治療したという経歴を持つ先生がいる話を聞きまして、是非とも会って御話を伺ってみたいと思い、此方に参った所存で御座います」
赤屍「先生はご在宅で? 」
カルラ「は、はあ、成る程お医者さんでしたか。主人なら、今丁度往診から帰って来たところですので、少し了解をとってきますね」
赤屍「はい、よろしくお願いします」
赤屍「......」
赤屍「(コートは脱いできた方が良かったかもしれませんね...露骨に怪しまれていましたから)」
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ということで、GetBackersと巨人のクロス。
途中、安価ありです
赤屍「......」
赤屍「(中へ戻ったきり、中々現れませんね。危険な匂いがするから会うな、とでも言われているのでしょうか)」
赤屍「(っと、現れました。今度は直々にということですね)」
グリシャ「申し訳ない、待たせてしまったようで。初めまして、グリシャ・イェーガーと申します」
赤屍「ええ、初めまして。イェーガー先生、お会い出来て光栄です」
グリシャ「いやあ、まさか私のような人間にそこまで言ってくださるお方がいるとは。嬉しいものですね」
グリシャ「ところで...失礼ですが、お答え頂きたい。赤屍先生は、具体的にどこの街でお仕事をなさっているのですか? 」
赤屍「......」
赤屍「(...ほう、此方の思惑を理解してもらえましたか。そして、二人きりで話をする為にわざと婦人に会話を聞かせようと大きめの声で話している...)」
赤屍「(私を一目見ただけで医者ではないと見破ったことも含めて、中々キレ者のようですね)」
赤屍「はい、○△街で細々とやっておりますが、それが何か? 」
グリシャ「......」
グリシャ「いえ、少々記憶と照合してみただけです。まあ、ちょっとした確認なので、忘れてください」
赤屍「はあ、ならいいのですが」
グリシャ「ということだ。カルラ、済まないが...」
カルラ「...本当に大丈夫? 」
グリシャ「ああ。名前こそ初めて聞くが、黒衣の名医が○△街にいるという話は聞いたことがある。だから、お前の心配するようなことは何もない」
カルラ「ならいいけど...それじゃあ、買い物にでも行ってきますね」
グリシャ「頼む」
カルラ「あと、赤屍先生。格好が格好でしたので、変な方面へと想像を働かせてしまいました。、申し訳ありません」
赤屍「いえ、慣れっこですので、お気になさらず」
カルラ「そう言っていただけると幸いです。それでは」
バタン
グリシャ「......」
グリシャ「...で、本当の用件は? 正直、あまり聞きたいとも思わないがな」
赤屍「そうですね...用件でしたら、この手紙を読めば分かるかと思いますよ。私の仕事は、博士から貴方へと手紙を運ぶことでしたからね」
グリシャ「博士からだと!? ...そうか、彼女からの遣いなのか。それだったら、用件など一つしか無いだろうな」
赤屍「では、読まなくても結構と? 」
グリシャ「いや、もし違っていたら厄介だからな。読ませてもらおうか」
グリシャ「......」
赤屍「予想通り、でしたか? 」
グリシャ「...ふふ、まさかな。赤屍よ、何か他に聞いていることはないか? 」
赤屍「ええ、ありますよ。手紙を見た貴方の指示に従えと」
グリシャ「...成る程、博士が運ばせたのは手紙ではなく、君自身だったということか。手紙だが、これしか書いて無かったよ」
『来い』
グリシャ「ほら、たったの二文字だ。こんなもの、わざわざ手紙にしなくても言伝で済む筈だが、何故彼女はそうしなかったと思う? 」
ちょっとお風呂に入ってきます
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