【FGO】藤丸立香「もういいや……つかれた……」 (117)

マシュ「先輩?何だかお疲れのようですが、何かありましたか?」

立香「うん?いや・・・大丈夫。マシュとは関係ない事だから」

立香「個人的なことでちょっとね」

マシュ「・・・そう、ですか・・・」

今は英霊召喚の為にカルデアの召喚室に先輩と向かっています。

最近の先輩は時おり疲れた顔を見せます。

何か悩み事があるのかそのつど聞いてみますがいつも答えてはくれません。

マシュ(サーヴァントやスタッフの皆さんに何か知らないか聞いて回っていますが)

マシュ(誰も心当たりはないようですし・・・)

立てる板間違いました
そんなわけなのでエロ要素と直接的なグロ要素はないですが
この場合このまま書いていって大丈夫なんですかね?

ありがとうございます。では書いていきます

ネロ(ブライド)「む!マスター!いったい今までどこにいたのだ!?」

マシュ「あ、花嫁衣裳のネロさん」

ネロ(嫁)「昼過ぎ頃から忽然といなくなりおって!探したのだぞ!」

立香「ごめんごめん。こればっかりはどうしようもなくて」

立香「何か用でもあったの?」

ネロ(嫁)「う・・・む、いや特に用があったわけではないのだがな」

ネロ(嫁)「何となくだな、きさまの顔を見たくなって・・・」

ネロ(嫁)「しかしどこを探してもおらんものだから、ついムキになって探し回って―」

ネロさんは左手の指を弄りながら何やらもじもじしつつ小声で喋っています。

ネロ(嫁)「いや!そんな事はもうよいのだ!」

ネロ(嫁)「マスター出撃するぞ!なにやら火事場の臭いがする。派手に暴れるとしよう」

立香「あぁ、ごめんネロ。これから召喚をするから出撃はその後でお願い」

ネロ(嫁)「むぅ・・・いったい誰を召喚しようというのだ?」

立香「え?いやぁ・・・あはは」

ネロ(嫁)「はぁ・・・カルデアには余が3人も居るというのにそれでも飽き足らないとは」

ネロ(嫁)「まぁよい。余は出撃の支度をして待っているゆえ早くするのだぞ」

そう言い残すとネロさんは立ち去って行きました。

マシュ「先輩はネロさんと本当に仲が良いですね。」

マシュ「カルデアの中でもネロさん達3人の霊基は特に強力に強化されてますし」

立香「そうだね。もともとセイバーが好きで初めたぐらいだし」

マシュ「・・・はじめた?何をですか?」

立香「あ、いや何でもない。こっちの話」

マシュ「・・・?」

立夏「よし!ついたね。召喚はじめようか」

マシュ「あ、はい」

―――
―――――



マシュ「先輩、聖晶石・・・召喚リソースもうありません・・・」



立香「・・・」



マシュ「・・・先輩?」

立香「・・・うん」



マシュ「・・・」



立香「・・・ねぇ、マシュ」

マシュ「・・・はい」

立香「・・・高ランクのサーヴァント、何体呼べたっけ?」


マシュ「・・・」


マシュ「・・・ランク4のかたを一人だけ」



立香「・・・全部で何回召喚したっけ?」



マシュ「・・・300回ほど・・・」



立香「・・・」

マシュ「・・・あっ」


先輩はカルデアの携帯端末を操作しだしました。


立香「・・・よし」


私も自分の端末を見ると、カルデアの聖晶石の貯蔵が増えています。

以前にも何度か同じことがありました。


ダヴィンチちゃんにどういう仕組みか尋ねた事があります。

なんでも先輩の個人的なリソースを聖晶石に変換しているらしく。

多少なら問題ないが、やりすぎれば先輩の生活に支障をきたす危険のある行為だとか。


マシュ「先輩・・・」


立香「・・・」


先輩は小声でしきりに何かを呟いていますが激しい召喚音で聞き取ることは出来ませんでした。

―――
―――――



マシュ「あの・・・先輩・・・」


立香「・・・」


立香「・・・なに?」

マシュ「ランク4の方々は何人か召喚に応じて下さいましたし」

マシュ「またリソースも尽きましたから。時間ももう遅いです。今日はもう休まれては?」


立香「・・・」



先輩は返事もせず、再びもう何度目かもわからない端末操作をはじめました。

マシュ「先輩・・・」

聖晶石の補充をどれくらい行えば先輩に悪影響がでるかはわかりません。ですが―


マシュ「先輩!これ以上は先輩のサーヴァントとして―」



立香「あれ?」


立香「・・・え?・・・あれ?」

マシュ「先輩?」



立香「・・・」



先輩はわずかに首をかしげながら端末を操作しています。

何か問題でもあったのでしょうか。



立香「なんで?」


端末を操作する指に苛立ちが見てとれます。


立香「・・・」


立香「・・・はぁ」

マシュ「先輩?どうかしま―」



ガタンッ



立香「もういいや」


立香「もういいや・・・つかれた・・・」


立香「・・・」

マシュ「・・・先輩?端末落としましたよ?」


立香「・・・」


先輩が落とした端末を拾い上げます。


マシュ(エラーの表示?何のエラーでしょう?)

マシュ「先輩?あの―」

立香「あぁごめんマシュ。拾ってくれてありがとう」

マシュ「先輩これ以上はもう・・・」

立香「大丈夫。もう召喚はしないから」

マシュ「・・・本当ですか?」


立香「・・・うん。もうこれで終わり」


マシュ「・・・わかりました」


先輩に端末を返します。


立香「ありがとう」

マシュ「先輩。もう遅いですから今日は出撃をやめて休みましょう」

マシュ「ネロさんには私から説明しておきますので」

立香「マシュは先に休んでて」


立香「やらなきゃいけない事ができたから」

マシュ「明日やるのではダメなのですか?先輩顔色が悪いですし休んだほうが・・・」

立香「どうしても今やっておきたいんだ」

マシュ「では、私もそれが終わるまで一緒にいます!」


立香「・・・ごめん。今は一人になりたいんだ」

マシュ「ですが―」

立香「おねがい」


マシュ「・・・」


マシュ「・・・わかりました。ですが本当に今日はこれ以上召喚システムを使用しないで下さいね」

立香「マシュの端末からも聖晶石の貯蔵量は見れるでしょ?もうしないよ」

マシュ「約束ですからね・・・それでは」


立香「マシュ」

マシュ「はい・・・?」


立香「ありがとう」

立香「じゃあね」

マシュ「?・・・はい。おやすみなさい先輩。また明日」

指摘感謝
基本ROM専なんでsage以外使ったことないからsagaなんて知らなかった

端末の操作を始める先輩の背中を尻目に、召喚室を後にしました。


マシュ(今からどうしよう・・・)


何だか心がざわついて、このままシャワーを浴びて就寝する気にはなれません。

先輩といる時は気づきませんでしたが、口の中がカラカラに乾いています。


マシュ(食堂に行って何か暖かい物でも飲んで落ち着きましょう)

マシュ(先輩・・・大丈夫でしょうか・・・)


端末を操作し聖晶石の数が増えていないか確認しつつ食堂に向かいます。

夜の食堂はサーヴァントの方が数人いるだけでどこか寂しい雰囲気でした。


エミヤ「おや、厨房に何か用かな?」

マシュ「こんばんはエミヤ先輩。暖かい物でも飲もうかと思いまして」


エミヤ「ふむ・・・」

マシュ「?」

エミヤ「待っていたまえ、心が静まるハーブティーを淹れよう」

マシュ「あ、ありがとうございます」

エミヤ「なに、もう夜中だからなノンカフェインの物がいいだろう」


マシュ「エミヤ先輩は夜の厨房で何をされてたのですか?」

エミヤ「明日のために包丁を研いでいた所だ」

エミヤ「新品同様の刃物を投影してしまえば早いが」

エミヤ「魔力を使わずにすむのならそちらの方がいいだろう?」

エミヤ「毎日投影するとなれば魔力消費も馬鹿にならん」

エミヤ「なにより・・・私自身、刃物を手入れするのが好きだからな」

マシュ「なるほど・・・」


自分から訊いた質問なのに会話内容が頭に入ってきません。

マシュ(先輩、大丈夫でしょうか・・・)


エミヤ「マスターについて何かあったようだな?」

マシュ「え?」

エミヤ「君が浮かない顔をする原因といえば十中八九それ以外ないだろう?」


マシュ「・・・」

何だかそう言われると恥ずかしくなってきます。


エミヤ「なるほどコストに釣り合う成果が得られなかったわけか」

マシュ「先輩かなり動揺している様子でした」

エミヤ「フッ、そうか。一体何があったのかと思ってみれば、話を聞いて安心したよ」

マシュ「え?どういう事ですか?エミヤ先輩」

エミヤ「リソースを盛大に消費し召喚に失敗する事など今まで何度もあっただろう」

エミヤ「そもそも、召喚者の呼びかけに英霊が応じることで初めてサーヴァントの召喚は成立する」

エミヤ「誰を呼び出すか召喚者が選ぶ事は出来ないのは当然だ」

エミヤ「そして呼びかけに応えない英霊は召喚不可能だ。その事はマスターも承知の上だろう」


マシュ「ですが・・・」


エミヤ「そして何より」


エミヤ「君達の行く先は常に苦難と逆境の連続だったはずだ」


エミヤ「君の知るマスターはこの程度の不運で心が欠けてしまうような人間なのか?」


マシュ「・・・」


エミヤ「・・・オレとした事が、柄にも無い事を言ったか」

マシュ「いいえ。そう・・・ですよね」


マスターは自分が一番苦しいときでも強い心を持っていた。

先輩がいたからあの旅の終わりを迎えられた。


マシュ「先輩が苦しい時ほどしっかりしないとですよね」


こんな事だから私はいつも先輩に守られてばかりなんです。

先輩を守れる自分にならなくてはダメなのに。


エミヤ「いい顔になったな」

マシュ「はい!ありがとうございますエミヤ先輩!ハーブティーもご馳走様でした」


ひとつ深呼吸をして。周りを見渡します。


マリーさんとデオンさんは夜のティータイムでしょうか?

談笑しながらお茶を楽しんでいます。


ジャックさんやナーサリーライムさん仲の良い女の子サーヴァントの4人組はトランプで遊んでいるようです。

子供はもう寝る時間な気がしますが、サーヴァントには関係ないのか夜更かしを楽しんでいます。


二組がいるだけの光景ですがそれは平和で暖かい景色でした。

私が見たことのない現代の広い世界には同じような暖かい物が沢山あるのだと思います。

その景色を世界を先輩と一緒に守ったのだと改めて実感しました。


マシュ(そうでした。ネロさんの所に行かなくては行けませんね)


入れ替わった心で、また一歩踏み出して前へ進んでいきます。

今日はここまで
何かもうこれで完結でいい気もしてきたどうしよ
筆が遅くてすまない・・・
改行多めに入れたりしているのですが読み難くないでしょうか?


レスありがとうございます
それでは再開していきます




ガシャンッ!


マシュ「!?」


歩き出そうとし瞬間
突然の騒音に厨房の方へ振り返ると―


マシュ「?」


ガラスが割れるような音に聞こえましたが・・・。


マシュ「エミヤ先輩?どうかしましたか?」



エミヤ「・・・」



マシュ「エミヤ先輩?」


エミヤ先輩の姿がここからは見えず少し厨房内に身を乗り出してみます。

床に割れたティーカップが散らばっています、そしてその傍にいくつかの何かが落ちている・・・。


マシュ「これは・・・?」



ガタンッ

デオン「マ、マリー!?」

マシュ「ど、どうしましたか?」


振り返るとデオンさんが一人で立っています。

駆け寄るとテーブルの上には二つの倒れたティーカップとそこから零れたであろう茶色い液体が

そして空いた椅子の上や床に厨房に落ちていた物と同じ物がいくつか落ちていました。


マシュ(これって、もしかして・・・)


デオン「と、突然マリーの姿が消えたんだ・・・」

デオン「さっきまで目の前に座ってお茶を飲んでいたのに・・・」


食堂を見渡してみますが、私達以外の人影はありません。


マシュ(誰もいない・・・)

マシュ「・・・誰もいない?」


マシュ「デオンさん、ジャックさんたち4人組みが出て行く所を見ましたか?」


デオン「・・・」


マシュ「デオンさん?」

マシュ「え?」



振り返るとそこには誰もおらず、食堂にいるのは私一人だけでした。


ピチャ・・


ピチャン・・・





零れたお茶の床にしたたる音だけが、不気味なほど静まり返った空間に響いていました。

マシュ(状況を・・・確認しなくては・・・)


背筋に冷たいものが走るのを感じながら、4人組がいたはずの場所に近づいてみると、

床にまで散らばったトランプと、厨房と椅子の上に落ちていた物と同じ発光体が大量に落ちているのが見えました。

さらに近づき、その中の緑の発光体を手に取ります。


マシュ「これって・・・マナプリズム」


マナプリズムはダ・ヴィンチちゃんが管理している特殊な魔力リソース。

私は普段見る機会が無く、以前、工房で遠目に見たことしかなかったのですぐには気づきませんでした。


ではこちらのマナプリズムと同じ形で黄色く光る物体はいったい。

さっきまでは黄色いのは1つずつしか落ちていませんでしたが。

ここには6つも落ちています。

マシュ「・・・」


今は力を使えませんが私は疑似サーヴァント。他のサーヴァントの気配を感じることが出来ます。


マシュ(霊体化は姿は消えても気配は消せない・・・)

マシュ(ですが食堂内にはサーヴァントの姿も気配も感じません)

マシュ(皆さん音もなく消えてしまった。いったい何が・・・)


なにか異常なことが起こっている。


さっきまでの平和な空間が、今は異様な緊張感と得体の知れない恐怖に包まれていました。

その空気に体は強張り、潤したばかりの喉は再び渇ききっていました。


緊張と恐怖には今までの旅の中で幾度と無く、さらされてきました。

でも先輩がいたから、それらの中でも闘ってこれた。


マシュ「・・・はっ!?先輩!!」


サーヴァントの皆さんはマスターと契約し繋がっている存在。

それが突如として消えた。

先輩の身に何かあったのかもしれない!

それともカルデアが何者かに襲撃されているのかもしれない!

マスターを守らなくては!!


マシュ「先輩・・・!」


カルデアの廊下を走り抜けます。

夜なのもあって廊下は伽藍としています。

息を切らしながらも先ほど先輩と別れた召喚室に向かって走ります。


マシュ「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

マシュ(疑似サーヴァントの力が使えればこの位の距離どうってことないのに・・・)


マシュ「きゃっ!?」

マシュ「っ・・・」


足元には黄色いマナプリズムが五つ転がっています。

これにつまずいて転んだみたいです。


マシュ「はぁ・・・はぁ・・・」

マシュ「急がなきゃ・・・痛っ!」

マシュ「指輪・・・?」


銀色で木の葉の装飾があしらわれた指輪。

落ちていたその指輪の上に手をついてしまったようです。


マシュ(この指輪・・・先輩の部屋で見たことがあるような・・・)

マシュ「先輩・・・無事でいてください・・・」


マシュ「はぁ・・・はぁ・・・」


マシュ(着いた。召喚室・・・)

マシュ「せ、先輩!ご無事ですか!?」

マシュ(・・・いない)


召喚室には誰もいなければ何も落ちていない。

召喚の触媒である私の盾が中央に鎮座するだけでした。


マシュ(一体どこに・・・どうすれば・・・もし先輩の身に何かあったら私は)


「マシュどの?」

そこへ食堂を出てから初めて見る人影が。


マシュ「牛若丸さん!!」

牛若丸「マシュどのいったい何が―」


マシュ「先輩を、マスター見かけませんでしたか!!?」
マシュ「さっきまでここにいたのに!何処にいるかわからないんです!」
マシュ「サーヴァントの皆さんは目の前で次々消えていってしまうし」
マシュ「もしかしたら先輩も同じように消えてしまったのかも」
マシュ「もしそうなら私、私―」


牛若丸「マシュどのっ!!」

牛若丸「落ち着いてください!!」


マシュ「はぁ、はぁ」

牛若丸「貴女は、主どのを守る盾の英霊なのでしょう?」

牛若丸「そんな貴女が斯様に取り乱しては、勝てる戦も勝てません。守れるものも守れません」


マシュ「はぁ・・・はぁ・・・」


牛若丸「貴女は私と同じように誰かの為に戦うかたです」

牛若丸「その誰かの身を案じるのならば尚更、冷静になって下さい」


マシュ「はぁ・・・すみません。不可解な状況に少しパニックになっていました・・・」

牛若丸「私はカルデア内を駆け回って主どのを探します」

牛若丸「マシュどのは管制室に行って下さい。既に主どの状況を掴んでいるかもしれません」


マシュ「・・・わかりました。お願いします」

牛若丸「お任せください!私は主どのから聖杯を賜った身」

牛若丸「自慢の健脚で主どのをあっという間に見つけ――」









マシュ「・・・」


牛若丸さんの声は絶え、残されたのは静寂と三つのマナプリズムだけ。


マシュ「あ・・・あ・・・あぁ」


マシュ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



マシュ(・・・・・・管制室に行かなきゃ)



「えー、エマージェンシーエマージェンシー非常召集」

「マスター藤丸立香は至急、ただちに、急ぎ管制室にお越しください」

「繰り返す―」


マシュ(ダ・ヴィンチちゃんの声。管制室は先輩の居場所を把握していない?)


管制室への向かっている最中に流れる放送で更に焦燥に駆られます。


――
―――

マシュ「ダ・ヴィンチちゃん!ホームズさん!」

ダ・ヴィンチ「マシュ!やはり君は無事だったか」


マシュ「はぁ・・・はぁ・・・」


マシュ「先輩の、マスターの無事は確認できていますか?」

管制室内に先輩がいない事に落胆しつつ質問します。


ホームズ「マスターの礼装にはバイタルサインを計測し、ここの計器に送信する術式が組み込まれている」

ホームズ「現在の値は体温、脈拍、血圧、呼吸ともに正常値内だ。意識もある」

マシュ「はぁ・・・良かった」

マシュ(先輩は消えていない。生きている・・・)


マシュ「あの、サーヴァントの皆さんが次々と消えていってしまって・・・」

マシュ「カルデアにいったい何が起こっているのですか?」


ダ・ヴィンチ「・・・」

ホームズ「・・・まだ、現段階では何が起きているのか、明確な答えは出せない」

ホームズ「外部からのハッキングや攻撃、システムの重大なエラーであればすぐ気づくことが出来たはずだが、今回の異常はそれらが原因ではないようだ」

ダ・ヴィンチ「私達もついさっき異常を認知したばかりでね・・・」


マシュ「サーヴァントの皆さんが消えた場所にマナプリズムと、その色違いのものが落ちていたのですが、あれはいったい?」

ダ・ヴィンチ「・・・ああ、私もここに来る際いくつか見かけたよ」


ダ・ヴィンチ「あれはレアプリズムだ。貴重な上、精製後はすぐ格納してしまうからマシュが見たことがないのもしょうがない」

マシュ「レアプリズム・・・どうしてそれが皆さんの消えた後に残っていたのでしょうか」

マシュ「戦闘で傷ついたかたが退却するため消えるときは何も残りませんよね?」



ダ・ヴィンチ「・・・」


ホームズ「・・・・」



ダ・ヴィンチちゃんは俯き気味のまま何も答えてくれません。

ホームズさんは黙ったまま管制室の端末を操作しています。

マシュ「えっと、先輩がどこにいるかはわからないのですか?」


ダ・ヴィンチ「レイシフト中であればマスターの意味消失を防ぐため観測できる全ての情報をモニターしている」

ダ・ヴィンチ「しかしカルデア内では健康状態以外はチェックしていない」

ダ・ヴィンチ「カルデア内で戦闘などの危険が発生することは基本的に考慮してないからね」


ダ・ヴィンチ「礼装からの送信情報を逆探知することも不可能では無い」

ダ・ヴィンチ「が、それ用の術式を組む必要があり時間がかかる」


マシュ「か、監視カメラには先輩の姿はないのですか?」

ダ・ヴィンチ「当然確認したが今はどこにも映っていない」

ダ・ヴィンチ「過去の映像内に何か異常はないか確認するようついさっき指示を出したところさ」


ホームズ「ふむ・・・」

ホームズ「確認したがレイシフトの痕跡はない。外部へのゲートも先月の格納庫への納入以来使われていない」


ホームズ「おそらく藤丸立香はまだカルデア内にいるだろう」


マシュ「ですが監視カメラに先輩の姿はないですし」

マシュ「非常召集にも反応がありません」

マシュ「何者かが魔術的な転移で先輩を連れ去ったという可能性は?」


ホームズ「たしかにその可能性も無いとは言い切れない」

ホームズ「だがカルデアの魔術防壁を我々に悟られず突破するのは至難だろう」

ホームズ「可能性は低いそしてそのわずかな可能性を考慮する前にまず確認するべき事がある」


マシュ「それは・・・?」


ホームズ「初歩的な事だよ、ミス・キリエライト。マスターがいつも居るのはどこか」


ダ・ヴィンチ「きみ・・・緊急事態になに回りくどいことを言っているんだい?」

マシュ(マスターがいつも居る場所・・・あ!)

マシュ「マシュ・キリエライト確認してきます!」

再びカルデアの廊下を走り抜けます。

先輩がいつもいる場所へ。


異常時に先輩がそこに居続けることなど本来ならありえないから考えていませんでした。

そこにはプライベートとストレスに配慮して監視カメラは設置されていません。

でもどうして先輩はそこに。どうして召集の放送にも応えないのでしょう。



マシュ(見えた!先輩のマイルーム!)



ダ・ヴィンチ「そこのきみ!えぇっと、カツレツ!」

ムニエル「ムニエルです!」

ダ・ヴィンチ「あぁすまない。マスターの私室前のカメラだけでいい。早回しで確認してくれたまえ!」


ダ・ヴィンチ「はぁ・・・万能の天才が聞いて呆れる」

ダ・ヴィンチ「真っ先に確認するべき場所を失念するとは・・・」


ホームズ「今のきみは論理的な思考を行うには困難な状態だ」

ホームズ「この騒動に酷く動揺している」

ホームズ「この騒動を起こした人物に心当たりがあるが、その人物をきみは信頼しているからだ」

ホームズ「違うかな?」


ダ・ヴィンチ「・・・流石、犯人を追い詰める名探偵だねきみは」

ホームズ「きみは犯人ではないし私は誰かを追い詰める気もないよ」

ホームズ「私は真実を明かしたいだけだよ。レオナルド・ダ・ヴィンチ」

ダ・ヴィンチ「はは、天才の例に漏れず偏執者だね、きみも」


ダ・ヴィンチ「あぁそうだ。マスターのマイルームのロックは?かかってる?上位権限で解除して!」




スタッフ「所長代理!マスター藤丸のバイタルが―」


マシュ「はぁ・・はぁ・・・」


マシュ(部屋のロックは・・・かかってる)

マシュ「先輩!先輩!!マシュ・キリエライトです!居るなら返事をしてください!!」


力の限り扉を叩き先輩に呼びかけます。


マシュ「先輩!!居ないんですか!?」

マシュ「はぁ・・・はぁ・・・」


扉に耳を押し当て返事がないか確かめていると・・・。



ピー



マシュ「え?」

マシュ(ロックの解除音?先輩、中に居るんですか?)



カシュ



マシュ(開いた・・・)


マシュ「先輩、失礼します!」


扉を閉めるのも忘れ、急いで部屋の中に入ります。

部屋の中に異常はみられません。そして先輩はベットの上で横になっていました。


マシュ「・・・先輩?」


近づくと・・・。


マシュ(寝ている?)


先輩の胸は静かに上下し、穏やかな寝息を立てています。



マシュ「・・・」



マシュ「スゥ、はぁぁー・・・」

先輩の無事な姿を見たら、安心してその場にへたり込んでしまいました。


マシュ(良かった・・・先輩が無事で。本当に良かった・・・)


一気に体の緊張が抜けると、目頭が熱くなっていきます。


マシュ「グスン・・・」


喜んでばかりはいられません。先輩が無事でも今は非常事態なのですから。

メガネをずらし零れそうになる涙を拭いて立ち上がります。


マシュ(お疲れの先輩を無理やり起こすのは気が引けますが・・・)

マシュ「先輩、起きてください」

マシュ「先輩!起きてくださあい!」


マシュ(先輩、熟睡していたから召集の放送にも反応がなかったんですね)


マシュ(あれ?でも管制室では先輩の意識はあると言っていたような・・・)

マシュ(まぁ起きたら事情を訊きましょう)

マシュ「せんぱーい!起きてください!緊急事態でーす!」


呼びかけても起きてくれないので先輩の体をユサユサと揺らします。



マシュ「・・・」



起きない。いつもなら大抵これで起きてくれるはずです。


嫌な予感が脳裏をよぎります。

この感じは以前にも何度かあったからです。


マシュ「先輩?先輩!?」


さっきよりも強く激しく体を揺すります。


マシュ「先輩!?起きてください!!どうしたんですか!?」


先輩の頬を軽く叩いても起きません。軽くつねっても起きません。


マシュ(気が引けますが・・・)


強めに叩いてもつねってもそれは同じでした。


マシュ「先輩・・・」






「・・・」






「・・・マシュ」


マシュ「!」


マシュ「だ、ダ・ヴィンチちゃん?」

ダ・ヴィンチ「・・・マシュ、いま―」

マシュ「ダ・ヴィンチちゃん!先輩の目が覚めないんです!」

マシュ「呼んでも、揺すっても、叩いても、つ、つねっても起きなくて!!」

マシュ「これって以前にもあった―」


ダ・ヴィンチ「わかってる。大丈夫だから」

マシュ「しかし・・・」


ダ・ヴィンチ「藤丸立香の意識が消えたのはこちらでも観測していた」

ダ・ヴィンチ「意識が戻らないのもちゃんと把握している」

ダ・ヴィンチ「カルデアの監視カメラはマイク内臓だからね、廊下までよく響く君の声はこちらにも聞えていたよ」


ダ・ヴィンチ「いま医療班にマスターの体を詳しく検査する為に準備をさせている所さ」


マシュ「・・・」


ダ・ヴィンチ「ほら、きみが言うように藤丸の意識が戻らなくなるのは以前にも何回かあったことだろう?」

ダ・ヴィンチ「そして我がカルデアのマスターは毎回、無事に目を覚ましている」

ダ・ヴィンチ「ね!マシュ、今回も大丈夫さ。もしかしたら明日の朝にはひょっこり目を覚ますかもしれないよ」


マシュ「・・・」


ダ・ヴィンチ「マシュ。君はもう休みなさい疲れただろう?」

マシュ「いえ、私もカルデアのサーヴァントですから」

マシュ「サーヴァントの皆さんが次々消えていってる非常時に私だけ休むわけにはいきません」


ダ・ヴィンチ「・・・いや、マシュ。大丈夫さ」




ダ・ヴィンチ「もうこれ以上このカルデアからサーヴァントが消える事は無いから」



――――
―――――


マシュ「先輩、おはようございます」


先輩の精密検査の結果は全て問題ありませんでした。

医学的、魔術的にも先輩に異常は見つかりませんでした。


マシュ「今日も相変わらずカルデアの外は吹雪ですよ」

マシュ「いつもこうですから、やはり青い空が恋しくなってしまいますね」

マシュ「・・・また先輩と外の世界を冒険できたらきっと素敵なんでしょうね」



目を覚まさない。それ以外の異常はありません。


あの騒動の次の日、所長代理のダ・ヴィンチちゃんから発表がありました。

ダ・ヴィンチ「人理継続保障機関フィニス・カルデアの唯一のマスター・藤丸立香と直接契約関係にあったサーヴァントはマシュ・キリエライト一人を除き事実上全て退去した」


なぜ突然そのような事態になったのか。

マスターを慕うかたや、カルデアを気に入っているかたは沢山いました。

そんなサーヴァントの皆さんが自ら退去を選ぶとはとても思えませんでした。


私の問いにダ・ヴィンチちゃんは、長い沈黙の後、


ダ・ヴィンチ「わからないんだ・・・私も、どうして・・・こんな事が起きてしまったのか」


ダ・ヴィンチちゃんは静かにそう答えました。


その時の悲痛な面持ちに私はそれ以上、問いを重ねる事ができませんでした。


ホームズ「ふむ、不要な霊基を有用なリソースに変える霊基変換か」

ダ・ヴィンチ「ああ、悪用を防ぐため元々は私の霊基をセキュリティーキーとして起動するシステムだった」

ダ・ヴィンチ「このシステムを使えばどんなに強力な英霊でも簡単に排除できてしまうからね」


ホームズ「だが藤丸立香にはそのシステムを使用する権限があった」

ダ・ヴィンチ「・・・」


ダ・ヴィンチ「私が所長代理になったからは酷く忙しくなってね」

ダ・ヴィンチ「きみが来てからは手伝って貰っているからよく知っているだろう?」

ホームズ「ははは、面白くない仕事ばかりで辟易しているよ」

ダ・ヴィンチ「・・・言っておくけど、きみに任せているのはあくまで手伝いだから」

ダ・ヴィンチ「わたしそれよりはもぉっと忙しいのさ」


ダ・ヴィンチ「そんな訳で、私が忙しくてマスターと予定が合わない」

ダ・ヴィンチ「だから霊基変換がなかなか出来ないようになってね」

ダ・ヴィンチ「しかし、簡易召喚は毎日行われるから霊基は増える一方だ」

ダ・ヴィンチ「だからシステムを改良したんだ・・・」


ホームズ「マスター一人でも霊基変換が行えるようにかね?」


ダ・ヴィンチ「ああ、効率化の為だけじゃない」

ダ・ヴィンチ「第六特異点の時のように私が離脱してしまう可能性も考慮してのものだ」


ホームズ「そして藤丸立香を信用した上での判断・・・」


ダ・ヴィンチ「カルデアの司令官・・・ロマニが信じたマスターだ。信頼しない理由が私には無かった。」

ダ・ヴィンチ「何より藤丸立香は自分のサーヴァント達を大切に思っていた。」


ホームズ「霊基変換を悪意をもって使う事はありえないと?」


ダ・ヴィンチ「少なくとも私の目にはそう映っていた」

ダ・ヴィンチ「そのきみが・・・!どうして・・・」


ホームズ「・・・」


ダ・ヴィンチ「マシュには、どうしてこうなったかわからないと言ったよ」

ダ・ヴィンチ「だが、本当は・・・わかりたくないんだ」

ダ・ヴィンチ「藤丸立香はこんなことをする人間ではない」

ダ・ヴィンチ「だが、端末の操作履歴は間違いなくマスターの手によるものだと証明していた」


ホームズ「そして精密検査の結果、何者かによる洗脳や支配の痕跡はなかった」


ダ・ヴィンチ「知るのが怖い・・・何故こんな事をしたのか」

ダ・ヴィンチ「まるで、私達の知らない藤丸立香がいたのかとさえ思うよ」

ダ・ヴィンチ「私や、マシュや、ロマニは藤丸立香の事を真に理解してはいなかった」


ダ・ヴィンチ「私達が信じたマスターは一体、誰だったんだ・・・」


ホームズ「・・・」

ホームズ「二つ、確認したいことがある」


ダ・ヴィンチ「・・・」


ホームズ「まず一つ。きみは今回の事件を職員に説明するとき」

ホームズ「直接契約するサーヴァントは"事実上"全て退去したと言った」

ホームズ「この言い方がずっと引っかかっていてね」

ホームズ「きみや私は直接契約はしていなかった」

ホームズ「まるで実際は退去していない直接契約したサーヴァントがいるかのような言い方だ」


ダ・ヴィンチ「なんだ、そんなことか・・・」

ダ・ヴィンチ「実際には・・・一騎だけ残っている」


ダ・ヴィンチ「何故一騎だけ変換されず残ったのか、それはわからない」


ホームズ「変換を忘れたか、何かの思惑か、それとも出来ない理由でもあったか・・・」

ホームズ「私は一度も見かけていないが、その残された一騎とは誰だい?」


ダ・ヴィンチ「事件の数日前に簡易召喚でよばれたランク1のサーヴァントさ」

ダ・ヴィンチ「召喚された時から覚醒させず、今も眠って貰っている」

ダ・ヴィンチ「一度も眼を覚ましていない、マスターとも会った事がない」

ダ・ヴィンチ「事実上いないと言っても差し障りないだろう?」


ホームズ「ふむ、では二つ。我々やミス・キリエライトが無事なのは何故か?」

ホームズ「藤丸立香はあえて我々を残したのか?」


ダ・ヴィンチ「・・・いや、カルデア内で重要な職務に就いている私とホームズ」

ダ・ヴィンチ「そして霊基が失われれば命に関わるマシュ」

ダ・ヴィンチ「これらの霊基は簡単には変換できないように厳重なセキュリティをかけていたのさ」

ダ・ヴィンチ「今思えば時間を割いてでも全てのサーヴァントを厳重にロックしていればと、いっても詮無いことだね」

ダ・ヴィンチ「まぁ、マシュに関してはセキュリティなど無くてもマスターの手で変換されることなどありえなかっただろうけどね」


ホームズ「それはどうだろうな。それは藤丸立香にしかわからない事だ」


ダ・ヴィンチ「・・・」


ホームズ「今となっては確かめるすべはないがね・・・」

今日はここまで
お察しの通りもうほとんど終わりです
後ちょっとだけつづきます


―――
―――――



先輩―。



あの事件以来、カルデアは前にもましてとても広く感じます。

単純に行きかう人々が減ったからでしょうか。

普段のしゃべる機会が減ってしまったのが何だか寂しく感じます。


ダ・ヴィンチちゃんはあれから

ふとした瞬間悲しそうな顔を見せる事がたまにありましたが、

最近は以前のような明るいダ・ヴィンチちゃんに戻ったようです。


ホームズさんは以前とあまり変わりないように見えます。


いつも食事どきには騒がしく感じるほど賑わっていた食堂は、

今はとても静かです。

カルデアのスタッフさん達の話し声がぽつぽつと聞えるぐらいで。


私は昔のように、一人で食事をとることが多くなりました。

昔は機能性食品ばかり食べていても平気でしたが、

今は何を食べても何だかとても味気なく感じます。


それでも、頑張って食べています。

食べるのが遅いと食堂に一人きりになってしまうのが何だか怖くて。


今思うと、先輩と一緒にとる食事が特別おしかったのかもしれません。

それだけじゃないですね。

エミヤ先輩やブーディカさんの作る料理は絶品でしたから。

頼光さんの作る和食も本格的で初めて食べたときは驚きましたよね。


近頃は退屈を感じることが増えた気がします。

昔はそんな事はなかったのですが。

先輩が来る前の生活とそんなに変わらない筈なのに不思議ですね。


あ、ここ最近フォウさんをみかけていなくて、

時間が余って退屈な時は、カルデア内を探し回って時間をつぶしています。

なかなか見つからないのですが、どこかに隠れ家でも見つけたのでしょうか。

姿が見えないと少し心配です。


そんな最近の私ですが悩みもあります。

あまり良くない夢をよく見ます。

牛若丸さんが消えてしまった時の事が夢に出るのです。


牛若丸さんは特異点Fでの初めての召喚から、

ずっと一緒に闘ってきた仲でしたから、

目の前にいて見ていたのに、

何も言えないままお別れしてしまったのが悔やまれます。

だから、きっとそのせいでしょう。


お別れの言葉を言いたかったのは他のサーヴァントの皆さん全員にもですが。


もう皆さんの顔を見れないと思うと、

せつないと言えばいいのでしょうか。

なんとも言えない気持ちになります。


あ、先輩の顔はいつでも見れるから安心です。


でも、



先輩がいなくなる夢もたまに見ます。

夢の中で私は、先輩を必死に探すのですが、

どこにもいなくて・・・。


先輩はちゃんとここにいるのに、おかしいですよね。


目が覚めると寝汗がびっしょりかいていて、

その夢をみた後はシャワーがかかせません。


最近は、夜が来るのが少し憂鬱です


・・・


あの日、先輩の部屋のテーブルの上に置いてあった、

月桂樹の指輪と携帯端末。

先輩が端末に残したメッセージ。


「今までありがとうございました。ごめんなさい。弱い私をどうか許してください。」


どうして謝るのでしょうか。

先輩はけして力のあるマスターとはいえませんでした。

ですが断じて私は先輩を弱い人とは思いません。

先輩がいたから私達は人理を守れたのです。


私は、今になってもこのメッセージの意味がわかりません。


先輩。


私は、先輩の事を信じています。


ちゃんとまた目を覚ましてくれると、

信じていますから。


だから、

私は大丈夫なんです。


先輩


なるべく早く目を覚ましてくださいね


また、



また先輩と





綺麗な青空の下で、お話がしたいです





―― fin ――



―――

―――――




「ん?」



「やぁ、なんだ結局戻って来てしまったんだね」


「彼女の傍にいてあげなくていいのかい?」


「いや、腐ってもビースト。その本能で自然と今のあそこから離れたのか」

「もし昔のおまえが、今のあそこに居続けたとしたら」

「きっと無害ではいられなかっただろうね」


「・・・」


「もうすぐ2017年も終わりか・・・」

「いったい彼女達はどうなってしまうのだろうね」

「あまり期待はできないね」

「彼女らの行き先が未来に続いて行くとは思えないしねえ」


「・・・」


「ボクとしてはあそこのマスターの破滅に関して特に思うところはないよ」

「まあ、うん、個人の終わりは得てして残酷なものさ」


「・・・」


「だが、おまえもよく知っているだろう?」



「それだけではなかった」



「おまえはあの場所で、本当に美しいものに触れた」

「その事実は、どのような終わりであろうと変わらない」


「それは消えていったあの男・・・」

「あらゆる全てを見通した彼が、人間として生き」

「そして最期の時に紡いだ言葉の通りさ」



あらゆるものは永遠ではなく、最後には苦しみが待っている。


だがそれは、断じて絶望なのではない。


・・・輝かしい、星の瞬きのような刹那の旅路。


「あの旅はまぎれも無く」




「愛と希望の物語だった」




【FGO】藤丸立香「もういいや……つかれた……」

         ―fin-

くぅ~疲れましたw これにて引退です!
実は、Fate/EXTRAシリーズが好きで事前登録したのが始まりでした
最初は課金する気なかったのですが←
キャラへの愛着を無駄にするわけにはいかなかったのですが
私生活のストレスと繰り返されるガチャの闇に心が欠けてしまい引退した所存ですw
以下、我がカルデアのレアプリズム達のみんなへのメッセジをどぞ

水着BB(宝具3)「皆さん、見てくれてありがとうございます
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでくださいね!」

嫁ネロ(宝具3)「いやー、ありがとう!
余のかわいさは二十分に伝わったかな?」

メルトリリス(宝具3)「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

水着ネロ(宝具4)「見てくれて大儀である!
正直、マスターのFGOを愛してた気持ちは本当だよ!」

エルメロイⅡ世(宝具2)「・・・礼をいおう」ファサ

では、

玉藻(槍宝具2・術宝具2)、カルナ、ドレイク、キアラ、アルテラ、ギルガメッシュ(宝具2)「皆さんありがとうございました!」



アルトリア、スカハサ、スカスカ、邪ンヌ、アビー、北斎、イリヤ「って、なんで我くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

まだいるけどもういいや
本当の本当に終わり

こっちが本当。あとがき~

オレはね、マシュ ──マスターになど、ならなければよかったんだ

我がカルデアの供養のため書きました。
そして、ガチャは悪い文明それだけははっきりと真実を伝えたかった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。
思いのほか化けた酒の味と愉悦を味わってもらえたのならば幸いです。

なんで1人だけ残ってるの?

残ってる☆1は誰?

>>115 >>112 
マシュ+もう一人は絶対に消せない仕様みたいです
おそらく通常のバトルには最低でも三人必要だからでしょう(サポートとマシュとあと一人)
だから、なんの愛着もない未強化の☆1だけ残しました

まとめサイトにいつの間にかもうまとめられてて戦慄
コメ欄がFGO批判で沸いていますね
批判は自由だと思いますが、私自身はFGOそのものを批判する気はなくて(ガチャ除く)
むしろ今でもFGOは好きです。でなければSSなんて書きません

引退した理由は、ガチャにもありますが、
SS内の端末に残した言葉通り「よわい私」がギャンブル脳に抗ず毒されている事が大きな原因だったと思います
ちゃんと自身を節度を持ってコントロールできていればまだ続けていたかもしれませんね

SSを書こうと思ったきっかけは、自分が起こしたことをマシュ目線でみたら怖いけどお話としては面白いかなと思ったからです
ですが、書いている間はあまり考えが及びませんでしたが、批判を招く内容でしたねたしかに


HTML化依頼してきます。

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