【仮面ライダービルド】猿渡一海「話逸らしてんじゃねえぞ」 (33)


戦兎「この世界にはパラレルワールドと呼ばれる無数の平行世界が存在する」

戦兎「白いパネルとエボルトが持つ黒いパネルを使えば別の世界と交わることができるんだ」

幻徳「そうなったら……2つの世界は滅びるんじゃないのか?」

戦兎「いや、父さんはスカイウォールが存在しない世界――パラレルな」

戦兎「つまりエボルトが存在しない世界と融合して新たな世界を創ろうとしてたんだ」

紗羽「パンドラボックスの力が働いたこのパネルならそれが可能ってこと?」

美空「でももうひとつの世界にも別の私たちが存在してるんでしょ?」

美空「融合したらどっちかが消えちゃうんじゃないの?」

戦兎「俺たちがいる世界がA、スカイウォールのない世界をBとするなら、AとBの世界を合わせてCという新しい世界を創るんだ」

戦兎「白と黒のパネル……そしてエボルト自身」

戦兎「これらの強大なエネルギーを合わせると激しい時空の歪みが生まれて既存の物理法則が成り立たない特異点が現れるはずだ」

戦兎「それを利用して新しい世界へと――」

一海「おい戦兎。話逸らしてんじゃねえぞ」

戦兎「…………」


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一海「みーたんが聞いてるのは『融合した結果どっちかが消えてしまうかどうか』だ」

一海「同じ話を繰り返してんじゃねえ」

龍我「えっ、同じ話してたの?」

一海「そんなすり替えが効くのはこのバカくらいのもんだぞ」

龍我「バカって言うな!」

紗羽「まあまあ。……で、どうなの?実際」

戦兎「…………」

幻徳「……お前にも分かってないんじゃないのか。戦兎」

戦兎「…………」


美空「ってことは……AかBの私たち、どっちかが消えちゃう可能性もあるってこと?」

戦兎「いや、そうじゃない」

戦兎「AとBの世界を融合させることでその世界の住人も融合するんだ」

戦兎「つまり、住人Aと住人Bを融合させ、新たに住人Cが誕生することになる」

美空「……それって、消えちゃうってこととどう違うの?」

戦兎「……それは」

美空「だってそうでしょ?住人Aにとっても住人Bにとってもそれまでの自分とは全く違う自分になるんだよ?」

美空「それを全世界規模でやっちゃって、本当にいいの?」

戦兎「だけど、もしかしたら記憶が消えるかもしれない」

紗羽「記憶が消える?」

戦兎「そうだ。そもそもスカイウォールが存在しなかったという世界になることで歴史や記憶が修正され、世界Aの記憶は全部消える」

戦兎「そうなれば世界Bの住人が『今までと違う自分』になることはない」


一海「じゃあ、世界A……俺たちはどうなるんだよ」

戦兎「スカイウォールが生まれた後10年の記憶は全部消え、世界Bをベースとして再構築される……」

一海「バカ野郎!」

戦兎「…………」

一海「じゃあ何だ、俺たちが出会って一緒に戦った記憶も全部消えちまうってのか。てめえはそれでいいのか戦兎!」

戦兎「エボルトによって夥しい数の被害者が出てるんだぞ」

戦兎「その命が戻ってくるなら、俺たちの記憶が消えるくらい安いもんじゃないのか」

一海「てめえ……!」

幻徳「落ち着けポテト」

一海「誰がポテトだヒゲ!」

幻徳「戦兎、お前の言い分にも一理ある。だが、大事なことを忘れてはいないか」

戦兎「何だ?」


幻徳「平行世界と言っても世界AとBは完全一致してはいないということだ」

幻徳「完全一致どころか、ブラッド族という因子が宇宙規模の影響を与えている以上、その差異は著しいと言ってもいい」

戦兎「それで?」

幻徳「つまり――その、何だ」

一海「頭悪ぃのに話割り込んできてんじゃねえよ」

幻徳「うるさいぞ。あー、例を挙げて言うとだな」

幻徳「俺たちの世界Aではスカイウォールが発生し国が分断された。これで仲が裂かれたカップルもいるだろう」

幻徳「だが世界Bではそんな事態は起こらない。そのカップルは幸せに結ばれ、その間に子供をもうける」

幻徳「すると、世界Bでだけ存在する人間は、世界Aと融合したときどうなるんだ?」

戦兎「…………消えることはないだろう。世界Cではカップルは結ばれ、子供も生まれる」

幻徳「ならば、世界Aで仲違いした二人がそれぞれ別の相手と子供をもうけていたとしたら?」

戦兎「それは……」


幻徳「世界CのベースがBになるとしたら、この『Aでしか生まれえない存在』はどうなるんだ?」

戦兎「……世界Cで、辻褄が合うように……」

幻徳「その二人がそれぞれ不倫でもすることになるのか?そうなればAでもBでも幸せだった人間がCでは不幸になるぞ」

戦兎「…………」

幻徳「これはただの推論だ。実際どうなるかは分からん」

幻徳「だが可能性はある。それどころか世界AとBの共通部分じゃない要素は抹消される可能性だって十二分にあるわけだ」

幻徳「あるいは平行世界というのはもっと精密にできていて、『Aでしか生まれえない存在』は別の形として世界Bに存在しているかもしれない」

幻徳「だがそれにしたって修正作用が働くことで元の世界とは『全く違う自分』になってしまうわけだ」

戦兎「…………」

幻徳「不確定要素が多すぎる上に強引としか言えない方法を選択するのはまだ早計じゃないか。戦兎」

戦兎「だけど……」


紗羽「ね、ねえ。ちょっといいかな?」

幻徳「何だ?」

紗羽「きっと世界Bにも難波重工はあるんだよね。難波チルドレンも……」

紗羽「世界Cになったら、また私は……」

美空「…………」

紗羽「私はやっぱり……みんなといられたこと、忘れたくない……」

戦兎「…………」

美空「戦兎……やっぱりダメだよ。こんな簡単に決めていい問題じゃないないんだよ、これは」

戦兎「……じゃあ、どうすればいいんだ!」

美空「!」ビクッ


戦兎「これまで散っていった何の罪もない人たちを見捨てて良いって言うのか!?」

戦兎「父さんが遺してくれたこの方法を使えばその命を呼び戻すことができる!すべてを元通りにできる!」

戦兎「俺はこの戦争で誰も死なせたくない!死なせないと誓った!」

戦兎「でも現実はそうならなくて……俺の手のひらからは多くの命が零れ落ちていった!」

戦兎「それを救おうとするのは悪いことなのか!?方法があるのにそれを捨て去るなんて――」

 バキィッ!

戦兎「!?」ドサァッ

龍我「戦兎……お前間違えてんぞ」

戦兎「何すんだこの野郎ッ!!」バッ

幻徳「おい落ち着け!」ガシッ

龍我「あぁ!?やんのかコラァ!」

美空「万丈!喧嘩してる場合じゃないでしょ!」


戦兎「俺の何が間違ってるっていうんだ!万丈!!」

龍我「あぁじゃあ言ってやるよ!お前は自己満足のためだけに世界を融合しようとしてんだよ!」

戦兎「自己満足だと……!」

龍我「誰も死なせないって信念は確かに気高いけどな!お前がやろうとしてることは自分の信念を汚させないための行為でしかねえんだよ!」

龍我「それも親父さんが遺した苦肉の策をまるでこれしかない最善策のように考えて飛びつきやがって!」

戦兎「何だと……!!」

龍我「いい加減目ぇ覚ませ!二言目には父さん父さんって、お前自身の考えはどこ行ったんだよ!」

戦兎「このやろ……ッ!!」

幻徳「落ち着け!」ガシッ

戦兎「離せ!離せぇぇぇええっ!!」バタバタ


一海「戦兎!もうお前にも分かってんだろ、これが無理のある策だって」

戦兎「……ッ!だったらどうすればいいんだ!!」

一海「一緒に考えればいいじゃねえか!!」

戦兎「……!」

一海「ったく、自称天才だからって自分しか作戦考えられねえとでも自惚れてんじゃねえのか?」

一海「お前はいつも一人で背負いすぎなんだよ。いつまで続けてんだコラ」

戦兎「……一海」

幻徳「ポテトの言うとおりだ」

幻徳「一丸となってエボルトに立ち向かわなければならない今こそ、皆で話し合うべきじゃないのか?」

戦兎「幻さん……」


万丈「……俺たちはそりゃあバカだけどよ。科学とか全然わかんねーし」

万丈「でも背負えるもんは一緒に背負うってのが仲間なんじゃねーのか」

戦兎「……万丈」

戦兎「…………」

美空「戦兎」

紗羽「うん」

戦兎「…………」

戦兎「……みんな……ごめん。先走ってしまって」

万丈「全くだ」

一海「ま、俺たちも俺たちで勝手な行動とったこともあるしな。これでチャラだ」

幻徳「次からは全員で考えよう。きっと何かいい案が浮かぶさ」

戦兎「……ああ」


 ・
 ・
 ・

ビルドフォン『~~♪ ~~~♪』

 ピッ

戦兎「何の用だ」

エボルト『第一声がそれか。邪険だなあ』

戦兎「御託はいい。さっさと要件を言え」

エボルト『……お前、誰に向かって口利いてるのか理解してるのか?』

エボルト『俺がその気になればこの星なんてあっという間に滅ぼせるんだぞ?それでもいいのか?』

戦兎「それで?」

エボルト『フン、反抗的な奴だ。まぁいい。要件を言う』

エボルト『お前たちと最後のゲームに興じようと思う。明日早朝、パンドラタワーへ来い』

戦兎「断る」

エボルト『何?』


戦兎「言っておくがもうお前の脅迫には屈しない」

エボルト『……お前、何をするつもr』

 プツッ

戦兎「……みんな、行くぞ」

龍我「ああ」

幻徳「手筈通りに」

一海「最後の祭りだ……!どでかい花火ぶち上げてやろうじゃねえか」

戦兎「どでかい花火、ね。先に言っておくぞ、一海」

戦兎「父さんのドライバーは使えないぞ」

一海「!」


戦兎「どうせ持ち出すだろうと思って中身の部品を抜いておいた。今の状態だとただのハリボテだ」

一海「……どうして」

戦兎「お前の考えそうなことくらいお見通しなんだよ。何しろ天ッ才物理学者なもんでね」

一海「……ハッ、ドヤ顔で言うんじゃねえよ」

戦兎「お前は死なせない。いや、ここにいる誰も死なせない」

一海「そっか。……そうだよな」

戦兎「お前が最後のロストボトルを持っている以上、エボルトは優先してお前を攻撃してくるだろう」

戦兎「俺から離れるなよ。いいな」

一海「わかってる。……さぁ、行くか!」

四人「「「「変身!」」」」

≪完全無欠のボトルヤロー! ビルドジーニアーース!!≫
≪極熱筋肉! クローズマグマ!!≫
≪ロボットイングリス! ブルァァァア!!≫
≪クロコダイルインローグ! オォォォラァ!!≫


エボルト「……あいつら、まさか」



ビルド「『忍者』――『ロケット』『ジェット』『エンジン』『フェニックス』『スマホ』『ロボット』」

ビルド「勝利の法則は決まった……!」ビッ

 ビルドジーニアスフォームの胸部リアクター
 全身のフルボトルから成分を集め、調合することで新たな能力を開花させる

 右腕に『ロケット』のエネルギーを纏い
 『ジェット』『エンジン』『フェニックス』によって出力を強化
 『スマホ』『ロボット』の演算能力によって目標到達のための最適なオペレーションを可能にする

 そして『忍者』
 それらの能力を備えたビルドが三人に分身
 それぞれの体に仮面ライダーたちがしがみつくと、ビルドが飛行を開始する



エボルト「チッ、もうタワーに来ていたのか」

エボルト「ハアッ!!」

 エボルトのいる頂上へ向かってくる仮面ライダーたち
 撃墜しようとビーム攻撃を繰り返すが、大多数は空しく虚空に消え去る
 一発、ローグに命中したかと思われたが、
 ダイヤモンドフルボトルのエネルギーバリアによって阻まれる


エボルト「……まぁいい」

 苛烈な攻撃をかいくぐり頂上へ降り立った仮面ライダーたちを前にして
 エボルトブラックホールフォームは余裕そうな口ぶりで言う

エボルト「殺しに行く手間が省けたってもんだ。こういうのをなんて言うんだっけな……」

エボルト「そう、『飛んで火にいる夏の虫』だ。アッハハハハハ!!」

戦兎「――行くぞッ!!」

 エボルトの軽口に耳を貸さず(聞く価値すらないと分かっているからだ)、
 仮面ライダーたちが突進する

エボルト「フンッ!」

ローグ「グッ……!」

≪ボトルキーン!≫
グリス「ハァッ!」

エボルト「そんな攻撃が効くかぁっ!」

グリス「何ッ……!ぐあぁっ!」


エボルト「感情を得たことにより俺のハザードレベルは今なお上昇を続けている!」

エボルト「その程度では俺は倒せんぞ!」

グリス「フン。ハザードレベルが上がるたぁ、余裕そうに見えて屈辱を味わってたってことかねえ」

エボルト「何……!」

グリス「おっと図星みたいだぜ。……あっ、こんなこと言ったらまた激怒してハザードレベル上がっちまうかな?」

エボルト「虫けらごときの人間風情が舐めた口を利くなァッ!!」

クローズ「煽り耐性ねえなー」

ローグ「残念だ……『煽り耐性ゼロ』Tシャツを下に着ていたというのに……」

グリス「いやそんなんお披露目しなくていいから」

エボルト「貴様らァッ!!」

 激昂して猛牛のごとく突進してくるエボルト
 だがそんな単調な攻撃は読めていた、いやむしろ『そうするように』仕組んでいたのだ


クローズ「戦兎ォ!」

 クローズは飛び上がり、グリスとローグは横に転がって回避する
 突進するエボルトの前には、三人の後ろに隠れていたビルドが

ビルド「『ガトリング』――『マグネット』『ゴリラ』『ロック』」

ビルド「ハァッ!」

 ビルドのホークガトリンガーが火を噴く
 『ゴリラ』により威力を強化、『ロック』のエレメントによりその弾丸は弾かれることなく
 エボルトの装甲の内部にがっちりと食い込む

エボルト「フンッ……そんななまくらな攻撃が効くか!」

 ガトリング射撃をものともせずエボルトが拳を振り上げるが
 それがビルドに届くよりも前に
 回避していた三人が背後から襲い掛かった

クローズ「ドリャァッ!!」

エボルト「クソッ、忌々しい虫けらどもッ!!」

 苛立ちがそのまま表れているかのように攻撃が大振りになる
 戦闘経験が豊富な三人にとって御しやすい攻撃
 これもまた、そうなるように仕組んだもの


グリス(エボルトは確かに感情を得て強くなっているかもしれねえ)

ローグ(だがその感情はあまりにも幼稚だ。芽生えたばかりだからか)

クローズ(わかりやすいぜ……イラつけばイラつくほど攻撃は単調になり隙が生まれる)

クローズ(リングでもよく見たな……こういう光景!)

クローズ「ハァッ!」

エボルト「グゥッ……!!」

 クローズのパンチに後ずさりさせられ、エボルトの怒りが更に高まる

エボルト「貴様らァァァァッッ!!!」

 エボルトの目にはもはやクローズしか映っていない
 その隙にビルドは次の作戦を遂行していた

ビルド(『スパイダー』――『マグネット』)

 調合したエレメントを右手から分泌させ
 高速移動しながら柱と柱の間に巣を張る


ビルド「準備OKだ!」

クローズ「よぉし!」

≪ボルケニックフィニッシュ!≫

 必殺キックを放つクローズ
 だがエボルトは咄嗟にガードしこれを耐える

グリス「まだまだァ!!」

≪スクラップフィニッシュ!≫
≪クラックアップフィニッシュ!≫

エボルト「グッ――――!!」

 だが続けて放たれた二人のライダーキック
 スペック的には下とはいえ、よろけていたところに放たれたそれは確かに打撃を与えた

エボルト「グアァッ!!」

 背後に吹っ飛ばされるエボルト
 その先にはビルドが張り巡らせておいた蜘蛛の巣が


エボルト「グフッ――」

 蜘蛛の巣がクッションのようになり衝撃が吸収される
 すぐさま攻撃態勢に移ろうとするエボルトだが

エボルト「何……ッ」

 体が動かない
 磔にされたかのように

エボルト「バカな……バカなッ!」

 何とか離れようともがくが
 蜘蛛の糸に絡めとられたまま動けない

戦兎「さっきお前に打ち込んだ弾丸は『マグネット』と調合することで磁石にしてある」

戦兎「すると磁力を練り込んだ蜘蛛の巣に引っ付いて離れられなくなるわけさ」

エボルト「貴様ァァァッ!!」

≪ワンサイド!逆サイド!オールサイド!≫
≪ジーニアスフィニーーッシュ!!≫

ビルド「ハァァッ!!」

 ライダーキックを放ちエボルドライバーを破壊する
 変身が解かれたエボルトは石動惣一の姿となって倒れ込んだ


エボルト「!」

 その頭に固く冷たい感触が伝わる
 ビルドがドリルクラッシャーの銃口を突き付けていた

エボルト「…………っ」

ビルド「…………」

エボルト「な……なあ、考え直さないか」

ビルド「…………」

エボルト「何でもする。殺した人間や消滅させた星に対して謝罪する。贖罪する。だから許してくれ、なっ?」

 ビルドは何も言わず銃口に指をかける

エボルト「や、やめろ!やめてくれ!死にたくないんだ!」

エボルト「なぁ、考え直せ!お前、戦争で誰も死なせたくないんだろ!?俺を殺したらその信念はどうなる!?なあ!」

エボルト「それに、お前の創った武器!それを血で染めることになるんだぞ!それでもいいのか!?」


エボルト「俺たちブラッド族はお前たちより高い科学力を持っている!復興が必要なら俺の星に掛け合って技術を分け与えてやってもいい!」

エボルト「だから、なっ?考え直せ!俺を殺しても誰も帰ってこないぞ!デメリットがあるだけだ!」

ビルド「…………」

エボルト「戦兎ぉ……なぁ?」

ビルド「……わかったよ」

 その言葉を聞いて
 エボルトが表情を緩める
 額からは脂汗が大量に流れ落ち
 全身は指先まで震えている

 本当に、心の底から恐怖していたのだ

 涙を流しながらビルドの脚に縋りつこうとするエボルト
 だが――

エボルト「!?」

 ビルドは、それを振り払った


ビルド「わかったよ。お前が生きてちゃいけない邪悪な化け物だってことが」

 エボルトの顔が引き攣る
 そして――――













 ――――――パァン!!


龍我「……終わったな」

戦兎「ああ」

幻徳「戦兎。気に病むな。これはしなければならなかったことだ」

一海「お前がやらなくても俺たちの誰かがやってた。お前ひとりが背負うことじゃねえ」

戦兎「わかってる。ありがとう」

戦兎「でもライダーシステムで命を奪うのは……これが最後にする。絶対に」

 戦兎の決意を込めた言葉に三人はうなずく

戦兎(終わったよ……父さん)

戦兎(父さんが考えた平行世界との融合……色々考えたけど、やっぱりなしにした)

戦兎(エボルトによってたくさんの命が奪われ、人間の欲望によって多くの悲しみが生まれた)

戦兎(でも俺は、もう何も奪われることなく、無用な悲しみを生まない世界を創ってみせるよ)

戦兎(俺が信じる――科学の力で)


おわり

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