メルトリリス「乳首なのだけれど」
ぐだ男「………」
メルト「なぜ乳首を入念に攻め立てるのかしら」
ぐだ「………」ペロペロ
メルト「無言でひたすらに乳首を舐められ続けると、気味が悪いのだけれど」
ぐだ「………」ペロペロ
メルト「いい加減口を開かないと、お腹に思いっきり膝だからね」
ぐだ「………」ペロペロ
メルト「私の脅しにも屈しないなんて……人間の癖にやるじゃない。流石は人理を救ったマスターだけはある、ということかしら」
ぐだ「………」
ぐだ「………んで」
メルト「んで?」
ぐだ「なんで……」
メルト「なんで?」
ぐだ「なんで乳首舐められてるのにそんなに冷静でいられるんだ……!」
メルト「………は?」
ぐだ「舐めているのだけれど! 乳首ぺろぺろ舐めまくっているのだけれど!」
メルト「その口調串刺しにしたくなるからやめてくれるかしら」
ぐだ「どうして……どうして感じてくれないんだ……」
メルト「私が感覚が鈍いことは貴方も知っているでしょう?」
ぐだ「それでも乳首なら感じてくれると思ったんだ……」
メルト「何故?」
ぐだ「貧乳は感じやすいって噂を聞い」
メルト「膝」
ぐだ「う、美しく均整の取れた胸は乳首が感じやすいと聞いたので!」
メルト「膝」
ぐだ「褒めたのになんで!?」
メルト「まず乳首乳首と連呼している卑しさが気に食わないわ。あまつさえ私の乳首で」
ぐだ「自分も連呼してるじゃん」
メルト「………」ツンツン
ぐだ「無言で膝を脇腹に当てるのやめて。ツンツンなんて可愛らしいもんじゃないから、一歩間違えたら死だから」
メルト「まず私のち……胸を舐めている時点で本来なら万死に値するんだから、このくらい当然よ」
ぐだ「指摘されて言い直すのかわいいね」
メルト「次に舐めるか舐めた口を聞いたら膝が確定するわよ?」
ぐだ「い、イエスマム!」
メルト「よろしい。それで? そもそも何故私を感じさせようと躍起になっていたのかしら」
ぐだ「それは……」
メルト「いつも自分ばかり絶頂させられているから?」
ぐだ「………」
メルト「いつも自分ばかりいいように喘がされているから?」
ぐだ「………」
メルト「それとも、いつも自分ばかり哀れに射精させられているから?」
ぐだ「さっきから言い方変えてるだけで全部同じじゃない?」
メルト「早く頷かないと貴方への罵倒の一文が増え続けることになるわよ」
ぐだ「……わかったよ。君の言う通りだ」
メルト「フン、無様ね」
ぐだ「頷いたのに罵倒が増えたのだけれど」
メルト「知らないわよ。あと、だけれど禁止」
ぐだ「はぁ……結局、ダメだったか」
ぐだ「メルトリリスとそういう関係になって早二週間。プライベートサインは彼女が俺の部屋のドアを3回ノックすること。それを聞いた瞬間、部屋でぼーっとしている俺の心は果てしなく高鳴るのだ」
メルト「マスター、心の声らしきものが全部漏れているのだけれど」
ぐだ「しかし実態は俺ばかりがイかされるのみ。ちょっと股間を加虐体質されただけで情けなく射精し、キスをされただけでいとも簡単に萎えていた股間が復活し、またイかされる。彼女のシークレットガーデンなど拝む機会すらないままに」
ぐだ「そもそも普段から膝に座られるだけで勃起し、もぞもぞされると軽くイッていたほどだ。こうなるのはある意味必定だったのかもしれない」
メルト「それは知りたくない情報だったのだけれど! 貴方私のお尻の下でなんてことをしてくれたのよ!」
ぐだ「このままでいいのか。このまま彼女をイかせられないままでいいのか! いや、断じてそんなことはない!! やはり諦めるわけにはいかないんだ!!」
メルト「きゃっ!? ちょっと、また馬乗りになって何を」
ぐだ「うおおおおおおっ!!!」ペロペロペロペロ!!
メルト「ま、また私のち、胸を……何度やっても同じよ。ただ攻めるだけじゃ私は」
ぐだ「俺は……俺は、共有したいんだ」
メルト「共有? 報復じゃなくて?」
ぐだ「イかされた仕返しだなんてとんでもない。俺が君にイかされることで、どれほどの喜びを感じたか。どれほど幸せだったか。だから、俺はそれを君にも味わってほしい! わかちあいたいんだ!」クリクリクリ
メルト「くっ、舌だけでなく指も使って……!」
ぐだ「これはまさしく、愛だ!!」
メルト「!?」キュンッ
メルト「あんっ」
ぐだ「!? 今、喘いだ……」
メルト「ち、違う! これは……どうして急に、身体が熱く……」
ぐだ「やっぱり乳首が正解か!」ペロペロペロペロ
メルト「あっ、やっ、やめっ! 嘘、こんな敏感に……」
ぐだ「令呪をもって命じる! 感じろ、メルトリリス!!」
メルト「なっ!? 貴方正気!? そんなことに令呪を使うだなんて」
ぐだ「どうせ24時間で回復するから大丈夫だ!」
ぐだ「それに……俺にとっては、大事なことだよ」
メルト「んあっ!?」キュンキュン
メルト(これは……私の身体そのものが敏感になったわけじゃない。私の心が、こいつの言葉で熱を帯びて)
ぐだ「重ねて命じる! 感じろ!!」
メルト「っ!? あっ、だめ、いっ」ビクビク
ぐだ「メルトリリス! 好きだっっ! 令呪! 感じろ!!」
メルト「~~~~~~ッ!!」ビクビクビクン
ぐだ「はぁ、はぁ、はぁ……い、イッたのか。メルトリリス」
メルト「………」ハァハァ
メルト「さいっあくよ……こんな形で、無理やり絶頂させられるだなんて。しかも、それを割と喜んでいる自分がいるだなんて……」
ぐだ「俺も同じだったよ。無理やりイかされて、でもそれが不思議と嫌じゃなかった。嬉しかったんだ」
メルト「まったく……貴方、本当に物好きね」フフ
ぐだ「ははっ」
メルト「ふふっ。ねえ、ところで」
ぐだ「なに?」
メルト「令呪、使い切ったわね?」ニヤリ
ぐだ「え」
メルト「ウフフフ……アッハハハハ! あぁ……愚かなマスター。でも賢いマスター。私が今、何を考えているかわかるかしら」
ぐだ「………イチャイチャしたい?」
メルト「ええ、ええ。けれど、私なりのやり方でね」
ぐだ「あの、怒ってる?」
メルト「怒ってなんていないわ。けれど……あれだけいいように弄ばれたんだから……当然次は、私が攻める番でしょう?」
ぐだ「あっ、いや、やめて。構えないで」
メルト「さあ、貴方の乳首はどんな感じ方をするのか……愉しみましょう?」
ぐだ「あーーーっ!!」
メルト「いくわよいくわよいくわよいくわよ!!」
ぐだ「ンアーーーーーっっ!!!」
30分後
メルト「マスター……マスター。しっかりしなさい」
ぐだ「チクチクしないでください ちくび」
メルト「いい加減正気に戻りなさい。人間相手に少しやりすぎたとは思っているから」
ぐだ「……はっ!? お、俺はいったい何を」
メルト「ようやく目の焦点が合ったようね。気分はどうかしら」
ぐだ「………」
ぐだ「さいっこうだ!!」
メルト「最高なの!?」
ぐだ「だって、目が覚めたら君が膝に乗ってくれてるし」
メルト「他に座る場所がなかっただけよ。もっと部屋を片付けなさい」
ぐだ「ははっ」
メルト「しかしまあ……本当に膨らんでいるのね。お尻に当たっているわ、欲望の権化が」
ぐだ「すみません……」
メルト「これから私、どんな気持ちで貴方の膝に座ればいいのかしら」
ぐだ「座ってくれることは確定なんだ」
メルト「……そういう生意気なこと言ってると、やめるわよ?」
ぐだ「やめないでやめないで、お願いします」
メルト「フンッ。まあ、いいわ。貴方はそれくらいがちょうどいいのかもしれないし」
メルト「あと、もうひとつ。さっきの貴方の行動だけど」
ぐだ「あ、やっぱりやりすぎだったかな……嫌なら、もうしないから」
メルト「違う……ああいう感覚は、初めてだったから。まあ、たまには、やってみなさいな」
ぐだ「えっ……いいの?」
メルト「いいも悪いもないでしょう。貴方が勝手にやることなんだから」
ぐだ「メルトリリス……ありがとう」
ぐだ「今度は令呪なしでイかせてみせるから!」
メルト「あら、怖い怖い。もしできなかったら、また乳首チクチクしてあげる」
ぐだ「それは勘弁してください!」
メルト「そういう顔をされると余計にやりたくなる性質なの、知っているでしょう」
ぐだ「八方ふさがりだ……」
メルト「ふふっ」
ぐだ「こうして俺は、メルトリリスとの絆を深めることに成功した」
ぐだ「神経障害の壁を越え、彼女を絶頂に導くことができたのは、俺の想いが通じた証だと思いたい」
ぐだ「これもまたひとつの、愛と希望の物語なのだ――」
メルト「マスター、独り語りが全部口から出ているのだけれど」
ぐだ「癖なんだ」
おしり
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