ニャル子「………シュールストレミング……………だと……」(23)

ニャル子「……なんでしたっけ、それ」

真尋「世界一、否、地球一臭い食べ物と呼ばれているスウェーデンの食べ物」

真尋「日本で言うところのくさやに近い」

真宥「魚以外の共通点しらないが」

ニャル子「くさやを食べた事ないんで正直想像が付きません」

真尋「日本人の僕も食べた事はない」

真尋「だが臭いはくさやとはケタ外れと聞く」

ニャル子「我々が八坂家に滞在している現在まで」

ニャル子「日本の臭い食べ物代表格である納豆食べてますし平気だと思いますし」

ニャル子「地球に来る以前から、納豆程度の臭いの食品は口にしていますよ」

真尋「たかが雑魚1匹2匹乗り越えた程度で地球を舐めるな」

真尋「ありんこ1匹踏み殺した程度でライオンも踏み殺せると思うか? それと同じだ」

ニャル子「どういう事です?」

真尋「ウィキペディアに書いてあったんだが」

真尋「シュールストレミングの臭気指数計は納豆の17倍(端数切捨て)だ」

ニャル子「………何……………だと……」

真尋「1+1=20に対して1+1で200の10倍だぞ10倍」

真尋「しかしこっちは17倍だぞ17倍」

ニャル子「で、ですが納豆の臭いって自分が食べている時は平気じゃないですか」

ニャル子「きっと食べれば平気ですよ」

真尋「お前が始めて納豆を食べた時もそうだったか?」

ニャル子「……」

真尋「どこの国の臭いがきつい食品も同等」

真尋「慣れれば口に出来る」

真尋「悪臭がありながら現在まで存在し、食材として根付いている事が何よりの証明」

真尋「慣れれば大丈夫だと言ったな」

真尋「これはテレビで見た情報だが」

真尋「現地人も外で開封する」

ニャル子「どういう事ですか?」

真尋「建物にすらこびりつく臭気」

真尋「慣れているはずの現地人すらそういう対応をしなければならない現実」

ニャル子「しかし何故急にシュールストレミングの話を」

真尋「わかっていると思うが僕の父さんが帰ってきているのは知っているな」

ニャル子「はい、原作で存在だけ明かされ一度も登場していない人ですが帰ってきておりますね」

真尋「その父さんがシュールストレミングを食べようと言い出した」

ニャル子「………何……………だと……」

真尋「抑えられぬ好奇心というものだ」

ニャル子「随分やんちゃですね」

ニャル子「そのシュールストレミングは簡単に手に入るんですか?」

ニャル子「地球の流通技術ではそう易々と手に入るとは思いませんが」

真尋「輸入食品店が車でいける距離にあって」

真尋「そこに売っている情報を父さんの耳に入ってしまったんだ」

ニャル子「何故そんな情報が」

真尋「大神理樹の口添えだ」
https://i.imgur.com/8nBSjcO.jpg
ニャル子「何でお義父様とそいつが面識あるんですか」

ニャル子「そんな設定原作にないでしょう」

真尋「このSSオリジナルの二次創作設定だ」

真尋「前述のように、日本人の僕はくさやを食べた事がない」

真尋「まだ生まれた国を知らずして」

真尋「世界最強の領域に踏み込まなければならない恐怖」

真尋「お前にわかるか?」

ニャル子「……」

真尋「邪神の事件に巻き込まれ」

真尋「地球内の未知の領域どころか」

真尋「人類未開の地に踏み込んだ僕でも」

真尋「その経験は役に立たない」

真尋「別のベクトルの地に踏み込むところに行くんだ」

真尋「すでに先人達によって解析され、データが存在する」

ニャル子「ですがそれ故に」

ニャル子「危険である事が百の承知ですね」

真尋「ああ、未開の地であれば」

真尋「危険である場合対策を施しようがないが」

真尋「安全である可能性は存在する」

ニャル子「ですがデータがあるという事はいくら対策しようとも避ける事は出来ません」

真尋「もしくは出し切ったデータから」

真尋「また新たな隙間を見つけ、対策を講じなければ」

真尋「被害を抑える事は不可能」

真尋「そしてデータだけ目を通し」

真尋「実戦経験のない僕らが」

真尋「それを見つける事が出来るか?」

ニャル子「かなり無理がありますね」

真尋「実践する事は可能だ、それが目の前に迫ってきている」

真尋「実践した後なら対策も思いつく可能性も高いが、次行使する機会が来るのやら」

ニャル子「あっても次には忘れてそうですものね」

真尋「そこで実践経験を持つ者を呼ぶ事にした」

ニャル子「何者ですか、それは」

真尋「シュールストレミングを買い、食べようとした経験があり」

真尋「今回の黒幕である大神理樹と」

真尋「馬と同等の嗅覚を持ち、その嗅覚で開けた瞬間のシュールストレミングを」

真尋「直接顔射されたロスヴァイセを」

真尋「呼ぼうとしたら大神がそっちのヒロイン達とデート中だったため打ち切られた」

ニャル子「黒幕何サボってんですか」

真尋「ちなみにそのヒロイン達の中に大神の実母であるリョーコさんも含まれているとの事だ」

ニャル子「闇の深い情報要りませんよ」

真尋「臭いとカロリー」

真尋「そして大神理樹がぶつかりあって、実質カロリーゼロだから安心しろ」

ニャル子「臭いの問題が何ひとつ解決されてませんよ」

真尋「だから代わりに好きな食べ物を納豆というくらい」

真尋「納豆大好きな鶴来兄妹を呼ぼうとして」

ニャル子「すでに実戦経験ないじゃないですね」

真尋「連絡入れてみたらヨスガっている最中だったので打ち切られた」

ニャル子「えぇ……」

真尋「避妊しておらずすでに手遅れとの事だ」

ニャル子「近親相姦流行ってるんですか? 千葉県に恨みあるんですか?」

真尋「あいつらとは距離を置こう」

ニャル子「そうですね」

真尋「という訳で今回お呼びしたのはインフィニティードラゴンゴールド君だ」

インフィニティードラゴンゴールド「……?」
https://i.imgur.com/xhZa3NE.jpg
ニャル子「このドラゴンはシュールストレミングに関係する設定ありましたっけ?」

真尋「異界のドラゴンだしシュールストレミングどころか納豆も知らないだろう」

インフィニティードラゴンゴールド「グォォォォォォン!」

真尋「……」

ニャル子「……」

真尋「こいつをどうしろって言うんだ」

ニャル子「私にわかる訳ないじゃないですか」

真尋「食べるというすべての生物に共通する行為」

真尋「その中に臭いという憎悪を纏い」

真尋「食われる側の弱者が食う側の強者に試練を叩きつける挑戦状」

真尋「邪神にとっては底辺の小競り合いにしか見えないが」

真尋「シュールストレミングに負ける事は食われる側未満の弱者に成り下がる事」

真尋「それに画像検索で見てみろ、見た目は普通の魚の塩辛程度じゃないか」

真尋「日本人にお馴染みのそこそこの頻度で食べている納豆を冷静になってよく見てみろ」

真尋「ウサギの健康ウンコに糸引いているような外見」

真尋「外見という苦難を乗り越えている僕達がシュールストレミングに屈服するのはあまりにも喜劇だ」

ニャル子「そこまで覚悟を……」

真尋「それにウサギって食糞するし」

ニャル子「それは関係ありません」

真尋「それにこれは父さんが僕に与えた試練、どうしても乗り越えなくてはならない」

ニャル子「間接的に大神さんが与えたようなものですが」

真尋「絶対に、逃げる事が許されない」

ニャル子「……」

ニャル子「必ず生きて帰ってきてくださいね」

ニャル子「影ながら応援しています」

真尋「ニャル子……」

真尋「普通の夕食として出す予定らしいからお前も一緒に食べるんだぞ」

ニャル子「ここまで聞いておいて素直に行く訳ないじゃないですか!」

真尋「逃げるな」

真尋「インフィニティードラゴンゴールドくん、ニャル子を持ち運んで」

インフィニティードラゴンゴールド「グォォォォォォン!」ガシッ

ニャル子「このドラゴンいつのまに手なずけてるんですか!」

ニャル子「というかまだいたんですか!」

真尋「食パンの袋を閉じるための道具渡したらすんなり言う事聞いてくれた」

ニャル子「なしてバッグ・クロージャーで!?」

ニャル子(……はっそうだ、ハスターくんの風を操る能力で臭いをどうにかすれば――)

真尋「ハス太ならシャンタッ君とルーヒーとナッ子と一緒に宇宙ンジョム観戦にいったよ」

ニャル子「宇宙ンジョムって何ですか」

真尋「セネガルという国だか地域にある相撲に類似した競技の邪神版」

ニャル子「原作で宇宙ンジョム存在しませんよね?」

真尋「このSSオリジナルの二次創作設定だ」

ニャル子「わざわざオリジナル設定作らなくてもセラエノ図書館関連で事足りますよね」

真尋「そしてクー子はクー音に拉致られていない」

ニャル子「邪神で被害受けるの私だけじゃないですか!」

真尋「それじゃあ家に戻るか、シュールストレミングが待ってるぞ」

ニャル子「おいこら放しなさい、このドラゴン!」

インフィニティードラゴンゴールド「グォォォォォォン!」

真尋「もう逃げない?」

ニャル子「まぁ、真尋さんと一緒ですし、共にがんばりましょう」

真尋「顔が引きつってるぞ、インフィニティードラゴンゴールドくん、解放してあげて」

インフィニティードラゴンゴールド「グォォォォォォン!」ポイッ

ニャル子「せめてもう少し力抜いてくださいよ、まったく」ピピピッ

真尋「誰とラインしてるんだ?」

ニャル子「アト子ちゃんとニャル恵ちゃんです、この際被害増やしましょう」

真尋「それが人の心を持つ者の所業か」

ニャル子「現役バリバリ最強ナンバーワーンの人間である真尋さんが私を道連れにしておいてよく嘯けますね」

真尋「うるさい、夕食は待ってくれないぞ」

ニャル子「気付けないでしょうけど瞳から光が消えてますよ」

インフィニティードラゴンゴールド「グォォォォォォン!」

ぬーこ「よりより先輩、夕食誘ってくれてあっざーす♪」

耕平「ご馳走になります」

頼子「とても珍しい食べ物なのよ、皆で楽しみましょう」

頼子「そろそろヒロ君とニャル子ちゃんが帰ってくるはずね」

ぬーこ「ところで特別な食材って何です? 宇宙産の邪神とか?」

耕平(宇宙産? 邪神?)

頼子「夕食になってからのおたのしみよ♪」


高原親子がシュールストレミングに打ち勝てると信じて
ご愛読ありがとうございました。


俺はシュールストレミング食べた事ない

某所で描いた漫画(TNK-9999のところを誤ってTNK-999に、卿が郷になってるため読む気の方は予め脳内修正しといてください、他にも酷い誤植・誤字あるかも)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom