千早「春香、私、CAになったわ」 (24)
春香「え、なに千早ちゃん?」
千早「キャビンアテンダントよ」
春香「あー、お仕事でCAさん制服着たんだよね?」
千早「ええ、そうよ」
春香「うん、すっごい可愛かったよ!女の子の憧れだもんね!」
千早「まだ足りない!」
春香「はい?」
千早「もっともっと、CAに成りきる必要があるわ」
春香「いや、別にドラマとか出るわけじゃないし……」
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千早「ふふっ…春香は鈍感ね。お盆も過ぎたというのに」
春香「お盆関係あるかな?」
千早「アテンションプリーズ!」
春香「いや、アテンションしてるから、さっきから千早ちゃんに」
千早「私がCA、春香は乗客、分かるわね?」
春香「えっと…乗客を演じろ、ってことかな?」
千早「左様でございます」
春香「あ、もう始まってる感じ?」
千早「本日は765エアラインをご利用頂きまして、菊地真にありがとうございます……ぷ…ふふっ…まことと真を…まことと真を掛けて…掛けてる…ふふっ……」
春香「あぁ…テンションが下降気流だった千早ちゃんはもういないんだね……」」
千早「お客様、どうかなさいましたか?」
春香「え?いえ、別に何も……」
千早「……」ジッー
春香「の、喉が!喉が渇いてしまったので!」
千早「ではお飲み物をお持ちいたしますね。スタドリとエナドリどちらが」
春香「千早ちゃーん!ちーはーやーちゃーん!
千早「何かしら?」
春香「なんでイベント走らせようとしてるの?」
千早「お客様はスタートダッシュが肝心だからよ」
春香「お客様ってそういうことじゃないよね?」
千早「春香はクレーマーね」
春香「えっ、私が悪い感じ!?」
千早「次よ」
春香「あ、はい……」
千早「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか!」
春香「え、あ、はい、私、医者ですけど」
千早「どうすれば弟は…優は助かったんですか……」
春香「ストップ!ストーップ!!!」
千早「何かしら?」
春香「ダメだよね?それ千早ちゃんのアレやコレやだよね?みんなのテンション下がるやつだよね?」
千早「あーるこおー はてーないーみーちー」
春香「美声の無駄遣いやめてくれるかな?」
千早「次よ」
春香「あぁ、はい……」
千早「ハロー。ハウアーユー。アイムファインサンキュー」
春香「はーい、ストーップ」
千早「何かしら?」
春香「なんで中一の英語の教科書みたいな挨拶しちゃったの?」
千早「国際線よ」
春香「こんにちは。お元気ですか。私は元気ですありがとう。なんて言うCAさんいる?いるの?」
千早「HAHAHA」
春香「ズルいよね?そういうのズルいよね?」
千早「NEXT」
春香「Yes……」
千早「お客様。機内食は和食と洋食、どちらになさいますか?」
春香「あ、えーっと…じゃあ和食でお願いします」
千早「和食は和風イタリアンと和風フレンチどちらになさいますか?」
春香「え、あの…じゃあ和風イタリアンとで」
千早「和風イタリアンは和風カルボナーラと和風アクアパッツァと和風サラミと」
春香「ストップー、はいストップー」
千早「何かしら?」
春香「もうだまって洋食出してくれたらいいんじゃないかな?」
千早「おもてなしの心よ」
春香「もてなされてる感ゼロパーだよね」
千早「それでも伝わる何かがあるはずよ、きっと。歌い続けていれば」
春香「え、そういう話?」
千早「次」
春香「はい……」
千早「間もなく離陸いたします。シートベルトをご着用下さい」
春香「あ、はい」
千早「ご着用になりましたか?」
春香「はい。バッチリです」
千早「私もバッチリです」
春香「あ、そうですよね、CAさんも着用しなきゃですもんね」
千早「胸の辺りが締め付けられてキツいです」
春香「はーいダウトー、千早ちゃんダウトー」
千早「何かしら?」
春香「なんで見栄張っちゃったの?」
千早「箱崎さんより大きいわ」
春香「それもダウトだよね?星梨花ちゃんの方が大きいよね?」
千早「春香はさすがね。みんなのことをちゃんと知ってる。やっぱり春香がセンターだわ」
春香「あ、えへへ…ありがとう千早ちゃん」
千早「CAのことももっと知って欲しいわ。次よ」
春香「たぶん千早よりよく知ってると思うよ……」
千早「機内販売のご購入をご希望のお客様は、キャビンアテンダントまでお申し付け下さいませ」
春香「あ、じゃあ…何かオススメはありますか?」
千早「それでは、機長の連絡先などいかがでしょう?」
春香「はーい、ストップー」
千早「何かしら?」
春香「なんで機長さんの個人情報売っちゃうの?」
千早「モテるそうよ、パイロットは」
春香「うん、そうだね、おモテになるだろうね」
千早「春香もモテると思うわ。可愛いもの」
春香「え、いや、そんなことないよ、えへへ。別にそれほどモテは」
千早「満足かしら?次よ」
春香「ヴァい」
千早「当機は現在、目的地に向け順調に飛行しております」
春香「あ、そうですか」
千早「あっ!?」
春香「えっ、何があったんですか!?」
千早「間もなく、高槻さんの上空を通過いたします」
春香「はい、ストップストップ」
千早「何かしら?」
春香「高度どこら辺を飛んでるのかな?」
千早「1万メートルくらいではないかしら?」
春香「分かるの?そこからやよいが分かるの?」
千早「むしろ、なぜ分からないのかを問いたいわ」
春香「伊織に怒られたらいいと思うよ」
千早「水瀬さんなら同意してくれるハズよ。なによ!そんなの分かるに決まってるじゃないのよ!当然よ!って」
春香「ぜんぜん似てないからね、伊織のマネ……」
千早「あっ」
春香「今度はなにかな?」
千早「いえ、そろそろレッスンの時間だわ」
春香「あ、はい、そうなんだ」
千早「ありがとう春香。いい時間つぶ…練習になったわ」
春香「いま時間つぶしって言おうとしたよね、間違いないよね」
千早「本日は765エアラインにご搭乗頂き、ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」
春香「まぁ、機会があれば」
千早「当社のCAは指名制となっておりますので、お降りの際に指名料をお支払下さいませ」
春香「二度と乗りません!!!」
お し ま い
終わりです
めんどくさい千早が好きです
読んでくれた方、ありがとうございましたー
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