────華やかなアイドル業界を裏から支える人々にスポットを当てたインタビュー企画「VOICE FROM B@CK STAGE」。
第1回となる今回は今話題の彼女にゲストとして来ていただきました。
まずは自己紹介をどうぞ。
「所恵美。21歳。カメラマンです」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534245447
────今回のゲストは元765プロダクションのアイドル、現765プロダクションライブシアター専属カメラマン、765プロ撮影部の所恵美さんです。
所さん。今日はよろしくお願いします。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
────所さんにはアイドルだった頃から何度かインタビューをさせて頂いていましたが、当時に比べると丁寧になった印象がありますね(笑)
「当時ってまだ17歳とかでしょう?(笑)丁寧にもなりますって(笑)今はもうアイドルですらないんですし」
────そうでしたね(笑)では最初の質問です。
アイドルをやめてカメラマンを志すまでの経緯を教えてください。
「はい。私が所属していた765プロライブシアターでは武道館ライブを目標にアイドルとして日々活動をしていました。
19だったから……2年前ですかね。武道館ライブが終わって、その日を境にアイドルを引退しました。
はい。最終日に他の子達と一緒に発表させてもらいました。
そこからはずっとカメラマンとして765プロで働いてます。
忙しいですけど、とても楽しいです(笑)」
────ありがとうございます。カメラマンになったのはなにかきっかけがあったんですか?
「当時からなんですけど、私って裏方基質なんですよ。
周りから色々とアドバイスももらったんですけどどうやっても自分よりも人の方に意識が向くんです。
シアターP(編注:765プロダクションライブシアターのアイドルをプロデュースするプロデューサー)に「裏方になるとして、何になる?」って言われて考えたんですよ。
で、一通り試して見て、一番自分に向いてそうだなって思ったのがカメラマンでした。
友達と写真撮るのは好きだったし、私ってフィルターを通して見たその子の魅力を伝えられないかな、私だったら伝えられそうだなって。
ほら、自分の部屋の掃除より人の部屋の掃除の方が好きな人っているじゃないですか。そんな感じです(笑)」
────なるほど(笑)ところで実際の所さんの部屋はどんな感じなんですか?(笑)
「綺麗にしてますよ!(笑)一人暮らし直後は忙しくて片付ける暇がなかったですけど。
今は撮影後に纏めて休みをもらえるので、その日にやっちゃいますね。
琴葉(編注:765プロダクション所属の女優、田中琴葉)とか志保(編注:劇団あおぞら所属の舞台女優、北沢志保)とか遊びに来ますしね。
今でも仲がいいんですよ(笑)汚くしてると2人に怒られちゃいます(笑)」
────田中琴葉さんといえば所さんが最初に手がけた作品は彼女の写真集でしたね。
「はい。田中琴葉1st写真集、月光です。
あの子と約束してたんですよ。落ち着いたら、必ず写真集出してあげるって」
────そうだったんですね。月光といえば、全編を通して一つのビルで撮ったことが話題になりました。なにか撮影秘話などがあれば聞かせてください。
「琴葉のデビューアルバム(編注:LIVE THE@TER PERFORMANCE 04 Blue Symphony)のジャケットを撮影したのが同じ場所だったんですよ。
元々その時の印象が強くて、そこを借りるのは決まってました。
5年のあいだに所有者が変わってたりして許可取るのにバタつきましたけど。
あと、所有者はいたんですけど管理はされてなくて。
半分廃ビルみたいになってたから掃除から始めました(笑)」
────それは大変でしたね(笑)
「はい。本当に(笑)当時は自由に動けるのが私とシアターPしかスタッフがいませんでしたから。
2人で機材抱えて移動したりして本当に大変でした(笑)」
────当時のクレジットは撮影:765プロ撮影部になっていましたよね?
「そうですね。カメラマンになることは3rd(編注:765PRODACTION LIVE THE@TER 3rd LIVE TOUR BELIEVE MY DRE@M!!)の頃から決めていました。
そこから武道館までの間に独学で勉強してたらシアターPに誘われたんですよ。
「うちは早川さん(編注:765プロ専属カメラマン、早川そら)に頼りきりだからうちに来ないか? 俺とお前と早川さんの3人が揃えば撮影部が設立出来て色々と動きやすくなる」って」
────今ではアイドル雑誌で所さんの名前がのっていないことが無いくらい活躍されていますよね。
「ありがたい限りです(笑)仕事をくださる皆さんにも、色んなところで活躍しているアイドル達にも、ね。
写真集を出すってなった時にね、一番最初に話したんですよ。名前を出すか出さないかって
……自分でいうのもすごく恥ずかしいんですけど。所恵美が写真集を作ったら買うって人は一定数いると思うんです。私、ファンに恵まれてるのが自分の取り柄の1つだと思ってますから。
でも、それじゃ意味が無いなって思ったんです。当時の「所恵美」はまだアイドルをやめたばかりで……だからこそ、ありのままの何物でもない自分自身として勝負がしたかったというか」
────自分自身、ですか。
「例えば月光だと、私の名前で出してもそれは琴葉の魅力が伝わったわけじゃないじゃないですか。
せっかくの1st写真集なんですし、私という異物がない、混ざりけのない作品にしたかったんですよ」
────田中さん自身も、そういう部分がありますよね。
「はい、そういった面でもあの子が持つ透明感を大事にしたかったんです。
私の最後の誕生日イベントをやったのが1300人の会場だったんですよね。
全員が1部ずつ買っても売上に1300プラスされるわけじゃないですか。
それは違うなって思ったんですよね」
────実際話題になりましたよね。それまでは早川さんの名前が入ってましたから。誰だこの新人!?って(笑)
「ですね(笑)あれはやっぱり嬉しかったですよ。
私の技術単独で評価されたってことですから。
いや、モデルが美人だったのもありますけど(笑)」
────モデルはもちろん、構図なんかも印象的だったと個人的には思いました。
所さんの作品といえば構図がすごく特徴的だと思いますが、どうやって考えてるんですか?
「ロケ地をマップアプリで調べてからアナログでラフを切ってます。
アプリの画像が昔のだったりするから参考程度ですけどね」
────ラフですか。実物は今あったりしますか?
「ありますよ。アイドルグランプリの今月号に掲載されてる杏奈(編注:765プロダクション所属のアイドル、望月杏奈)のがこれですね。
ラフはあくまでラフですし。かさばるのも嫌なのでコンビニのノートとシャーペンでサクサクッとやっちゃいます」
────ラフを書こうと思ったきっかけについて教えてください。
「カメラマンになろうと思った時に100枚くらい手当り次第に写真を撮ったんですよ。自分にとってのいい写真が掴めるかなと思って。
それでわかったんですけど。ありのままを写真に撮るより「こういうポーズしてー」とか言って撮った写真の方が出来がよかったんです。
それに気づいてからはずっとラフを切ってます。勢いのままに撮ることもありますけどね」
────構図の参考にしているものはありますか?
「カメラマンになるって決めてから新旧邦洋問わずひたすら映画を見てた時期があったんですよね。
その影響は大きいです。1月50本とか見てたんじゃないかな」
────映画ですか。意外ですね。
「周りに映画好きが多いのも影響してると思うんですけどね(笑)
駆け出しって時間はあるけどお金がないじゃないですか。
レンタルで澄ませば単価が安いのはありがたかったです。
本当に気に入ったのはBD買いましたけどね(笑)」
────なるほど。気に入った作品はありますか?
「洋画だとMCUシリーズはやっぱりビジュアルが派手で好きですね。参考になったかどうかは置いておいて(笑)あーでも、色彩はすごく勉強になりました。
写真という意味では「メゾン・ド・ヒミコ」「世界の中心で愛を叫ぶ」「ジョゼと虎と魚たち」「花とアリス」「リリイ・シュシュのすべて」「誰も知らない」なんかですかね。
乾燥した色感がすごく好きみたいで」
────確かに。どの作品もざらついているというか。無味乾燥な感じがしますよね。
「岩井俊二監督の世界観がすごく好きなんですよ。
PVを作る立場の人間になっていたらそのまんまあんな感じになっていたと思います。
静香(編注:765プロ所属の歌手、最上静香)とか似合いそうかも」
────わかります。そんな感じがしますね。
こうやって、アイドルごとに合う絵作りを考えたりするんですか?
「はい、それはもちろん。私の仕事はそれですから。
アイドル、ロケ地、その日の天気や空気の質感、カメラの特徴、それ全部を使ってフレームというキャンバスを一枚の絵で埋める……私にとっての写真はそんな感覚です。
少しかっこつけちゃったかな?(笑)」
いえいえ(笑)所さんのこだわりが伝わってきましたよ。では最後に2つ、お聞きしていいですか?
「はい。どうぞ」
────1つ目。所さんにとって、アイドルとはなんですか?
「……むずかしいなあ。そうですねえ……力、ですかね」
────力?
「アイドルを好きな人にとってのアイドルってそうじゃないかなって思うんです。
1日を頑張るための力。前を向くための力。勇気を振り絞る手助けをしてくれる力。
色んな形で、アイドルはその人達の力になってると思うんです。
不思議ですね。現役の頃はこんなこと考えてもなかったなあ」
────ありがとうございます。ではもう1つ。所さんにとって、仕事とはなんですか?
「生きる意味、ですね」
────即答でしたね。詳しくお聞きしてもいいですか?
「はい。私、今の仕事がすごく楽しいんです。
毎日が充実してて、もちろん辛いこととかもありますけど。
それでも、とても幸せなんです。いつまでカメラマンやるか、なんてことは全く決めてないんですけど。
それでも私は、次に新しい仕事をついたとしても同じことを言ってると思います。
仕事って誰かとの関わりがあって、それって結局人のためになるってことじゃないですか。
結局、私は誰かの力になりたいんですよ」
────ありがとうございました。最後に一言。読者のみなさんにメッセージをどうぞ。
「はい。えー……みなさま。
ご無沙汰してる方はお久しぶりです。 初めての方はこんにちは。ツイッターやインスタグラム、フェイスブックを見てくださってる方はこんにちは。所恵美です。
わざわざ記事を読んでくれてありがとうございます。今の私が何を考えてどうして写真を撮っているか、それが少しでも伝われば嬉しいです。
アイドル時代のファンのみなさん、私……アタシは、元気にやってます!あの頃は本当にありがとう!今でもみんなにもらった応援が力になってます!
今はもうアタシはアイドルじゃないけど、シアターの他の子も応援してあげてね!」
────今日はお時間をいただきありがとうございました。
「いえいえ、こちらこそ。こうやって話す機会を作っていただいて嬉しかったです。
これからも、カメラマンとしてまたよろしくお願いします」
────こちらこそよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました。お疲れ様でした。
「お疲れ様でした。所恵美でした。それでは、またどこかで」
────ありがとうございました。最後に一言。読者のみなさんにメッセージをどうぞ。
「はい。えー……みなさま。
ご無沙汰してる方はお久しぶりです。 初めての方はこんにちは。ツイッターやインスタグラム、フェイスブックを見てくださってる方はこんにちは。所恵美です。
わざわざ記事を読んでくれてありがとうございます。今の私が何を考えてどうして写真を撮っているか、それが少しでも伝われば嬉しいです。
アイドル時代のファンのみなさん、私……アタシは、元気にやってます!あの頃は本当にありがとう!今でもみんなにもらった応援が力になってます!
今はもうアタシはアイドルじゃないけど、シアターの他の子も応援してあげてね!」
────今日はお時間をいただきありがとうございました。
「いえいえ、こちらこそ。こうやって話す機会を作っていただいて嬉しかったです。
これからも、カメラマンとしてまたよろしくお願いします」
────こちらこそよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました。お疲れ様でした。
「お疲れ様でした。所恵美でした。それでは、またどこかで」
おわりです。
恵美の可能性の1つとして読んでもらえたら嬉しいです。
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