王子様のしたいこと【シャニマスSS】 (27)

王子様と事務所で
王子様と事務所で【シャニマスSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1526541056/)


王子様と魔法使い
王子様と魔法使い【シャニマスSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1529828373/)

こちらと同じくプロデューサーがユニットごとにいるという設定で書いていきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1533737031

咲耶「戻ったよ、お疲れさま」

P「お疲れ様。急に一人で行かせてすまなかったな」

咲耶「慣れてるスタジオだし、カメラマンの人も何度もお仕事している相手だったから問題はなかったと思うよ。だけど急用って何だったの、アンティーカで仕事入ってたのは私だけだろう?」

P「アルストロメリアPが急に休みを取ったんだよ、そのせいでこっちが事務所にいないといけなくなってな。はづきさんは元々休みだったし」

咲耶「それじゃ仕方ないね。でもアルストロメリアPの急用ってなんだろう、悪いことじゃないといいけど」

P「ああ、それは心配ないよ。大崎姉妹が三者面談あるのを昨日まで黙ってただけらしいから」

咲耶「へぇ…ん。三者面談って、何の?」

P「そりゃ、学校のだろ」

咲耶「学校の三者面談とプロデューサーは関係ないだろう?」

P「いや、親御さんがその日はどうしても都合が合わないとかでな。ちゃんと学校の許可も取ったそうだぞ」

咲耶「…ごめん、ちょっと意味が分からないよ。というかよく許可取れたね」

P「まあ、あそこは家族主義だからな」

咲耶「そんな理由で片付けていいのかな、それは」

P「気にしても疲れるだけだぞ、というかオレも理解が追いついてない」

咲耶「だろうね…どうでもいいけど、二人まとめて面談を受けてるのかな」

P「いや、アルストロメリアPは甘奈と、甜花は千雪とで受けるんだそうだ」

咲耶「ますますわけがわからないよ……」


咲耶「それにしても。進路指導って、あまり良いものとは思えないね」

P「そうか?咲耶は学校の成績もいいんだろう、大して気にしなくてもいいんじゃないか」

咲耶「そういう意味じゃないよ、進路って自分自身で考えて決めるものだろう。相談ならともかく指導するというのはちょっとおかしいんじゃないのかな」

P「そんなに難しく考えなくていいんじゃないか、プロデュースされてるみたいなものだろ」

咲耶「それは全然違うんじゃないかな?」

P「そうでも無いと思うぞ。アイドルだって、全部自分達だけでやれって言われても何していいかさえ分からないだろう?やりたい事聞いて、その為にどういうレッスンや仕事をするのかはプロデューサーが決めているんだからな」

咲耶「芸能活動と一緒にするかな、普通。そこだけは似ていなくもないけど。そうすると、アナタはさしずめ私達の先生という事になるのかな」

P「教師の方が大変だろうけどな、オレはお前達のプライベートまで面倒見てるわけじゃないし」

咲耶「あれ、でもアルストロメリアPは」

P「プロデュースにも色々あるんだよ、教師だってそうだろう」

咲耶「ふふ。何ならアナタも私の三者面談に来てみるかい?」

P「遠慮しとくよ…けど、咲耶も進路相談とかはあるんだよな」

咲耶「ああ。今学期はもう終わったけどね」

P「やっぱり進学か?」

咲耶「今のところはね。アイドルと両立出来そうな学校で、良さそうなところを受験するという感じになるのかな」

P「そうか。となるとこっちもそれに合わせてスケジュールを組まないといけないな」

咲耶「まだ本決まりじゃないけどね。でも早目に決めておかないと学校も事務所も大変だろう?」

P「それはもちろん。でもこっちの事を気にして焦る必要はないからな。もし行ってみたい大学とか、やってみたい事を見つけたら遠慮せずに言うんだぞ」

りょ咲耶「いいのかい、そんな事簡単に言って。海外に留学したい、なんて言い出すかもしれないよ?」

P「え?うーん……いや、それならそれで仕方ない。社長は何とか説得するさ」

咲耶「本気かい?」

P「それが咲耶の本当にやりたい事ならな。そりゃあここでアイドルやってくれるのが一番だけど、10年20年やれる仕事じゃないんだ、将来の為に留学するのもいいだろう。それで、どこに行くつもりなんだ?」

咲耶「落ち着いて、今のは例え話だから」

P「おっと。すまん、そうだったな。まあ、やりたい事があればそっち優先で構わないさ」

咲耶「やりたい事か。とりあえず、今はアイドル以外は思いつかないね」

P「お、そうか。なら引き続きよろしく頼むよ」

咲耶「ああ…って、三者面談はしないんじゃなかったのかい。親も呼んだ方が良かったかな?」

P「これくらいで呼び出されたら親御さんもたまらんだろ…」

恋鐘「お待たせ。プロデューサー、お腹空いたやろ?」

咲耶「あれ、恋鐘。お疲れさま」

恋鐘「咲耶、お疲れさま。撮影はもう終わったと?」

咲耶「ああ。それより恋鐘、その荷物はどうしたの。お料理でもするのかい?」

恋鐘「うん、今からプロデューサーのお昼ご飯作るんよ」

咲耶「………何?」

P「悪いなぁ恋鐘、せっかくオフなのにわざわざ。本当によかったのか?」

恋鐘「気にせんでよかよ、どうせ暇やったもん。それじゃちょっと待っとってね。あ、咲耶も食べるやろ?」

咲耶「いいのかい、それじゃあお願いするよ」

咲耶「………」

P「いやぁ、楽しみだな…ん?どうした、ムスッとして」

咲耶「けっこうなご身分だね、アイドルをオフに呼び出して食事を作らせるだなんて。大した男っぷりじゃないか」

P「い、いや。恋鐘がどうしてもって言うからだよ、この前の約束がまだだからって…」

咲耶「約束?」

P「あ。まあいいか、前に恋鐘と食事に行く約束をしてな。でもなかなか都合が合わないから、今日はその代わりにって…」

咲耶「はあ!?」

P「うわ、急に大声出すなよ。そこまで驚くような事か?」

咲耶「驚いて当然だよ、アイドルと二人っきりで出掛けるという約束をしたなんて」

P「う。そ、そう言われると。でもほら、他のプロデューサー達だってたまにやってるぞ、アルストロメリアPなんてしょっちゅうだし」

咲耶「よそはよそ、ウチはウチだって言ったくせに」

P「いや、それとこれとは……そんなに睨むなよ。けど今更取り消すのもな。恋鐘のやつ、ずっと言ってるし」

咲耶「ふーん……」

P「だから眉をひそめるなって。分かったよ、じゃあ咲耶も連れてく。それならどうだ?」

咲耶「え、いいのかい?」

P「ああ。無しにするのは恋鐘に悪いし、かと言って何もしないのは咲耶に悪いからな」

スマホの調子が悪いので一旦ここまで。続きはまた後日とさせていただきます。

咲耶「ふふっ。そうそう、担当アイドルは公平に扱うべきだよ。それじゃあどうしようか、私のオススメのお店でもいいかい?」

P「急に不機嫌になったりニコニコしたり忙しいヤツだな…んーそうだな。恋鐘の意見も聞かないと」

咲耶「え、どうして恋鐘に聞く必要があるんだい」

P「そりゃ、あいつが行きたいって言ってるんだからそっちも尊重しないとまずいだろ。あとスケジュールも調整しなきゃな。オレも含めて三人が揃える日だと…」

咲耶「…………アナタは本っ当にに女心が分かってないね」

P「いっその事アンティーカ全員で行くのもいいかな、親睦会みたいな感じで…なんだよ今度は?」

咲耶「さあね、自分の胸に聞いてみたら」



恋鐘「出来たばい、並べるけんテーブルの上どかしてね…ん、なんかあったと?」

P「…ごちそうさま。いや、本当に美味かったよ。ありがとうな」

咲耶「うん、美味しかった。さすが恋鐘だね」

恋鐘「お粗末さまでした。こんぐらい、時間ある時ならいつでも作ったげるけんね」

P「いやいや、そう何度もはさすがに。でも恋鐘は本当に料理上手だよな、やっぱり実家で教わったのか?」

恋鐘「うん。家が食堂やったけんね。子供の頃から色々教えてもらってたんよ、アイドルなら特技は必要だろうって言われて」

咲耶「へぇ。いい御両親だね」

恋鐘「やろ?子供の頃からアイドルになりたいって言ってたうちをずっと応援してくれとったけんね、今のうちがあるのは両親のおかげたい」

P「そうか。なら、いずれ長崎に凱旋ライブをやって立派なアイドルになった姿を見せてあげないといけないな」

恋鐘「うん、そうやね。その為にも頑張らんと!」

咲耶「……」

P「さーて、午後からもデスクワーク頑張りますよと…咲耶、どうかしたのか?」

咲耶「ああいや。さっき、恋鐘が言ってた事でちょっとね」

P「うん?」

咲耶「恋鐘はずっとアイドルになるのが目標で、それをここで叶えたわけだろう。そして、今も頑張っている」

P「そうだな。アイドルに前向きな点じゃ、アンティーカでは1番だろう」

咲耶「ああ、いいリーダーだと思うよ。だけど、そのせいなのかな。たまにだけど恋鐘が羨ましいというか、眩しく見える時があるんだ。小さい時からやりたい事を見つけて、まっすぐそれに向かって頑張っている姿がね」

P「咲耶は違うのか?」

咲耶「私はね、特別アイドルに思い入れがあったわけじゃない。ただ人を楽しませて、喜んで貰えるにはどうしたらいいかって考えてた時にアナタからの話を聞いて、それもいいかってぐらいの気持ちでアイドルになったんだよ」

P「そういやそんなふうに言ってたな。けど今はどうなんだ?」

咲耶「楽しいよ。皆の笑顔を見られるのはとてもやりがいがあるし、充実した時間を過ごせてる。それにいい仲間たちやアナタにも出会えたしね。だけどこれが本当に私のやりたい事だったのかと聞かれると、正直よくわからないんだ」

P「……」

咲耶「変な事言ってごめん。でも、恋鐘やアナタのようにまっすぐな人達を見ていると、なんだか少し僻んでしまってね。らしくないな、こんなのは」

P「いや。咲耶にだって悩む時間は必要だよ、気にする事はない」

咲耶「そう言って貰えると助かるよ、ありがとう」

P「難しく考えるなよ、今はアイドルが楽しいんならそれでいいじゃないか。やりたい事が無いなら探せばいいんだし、いつか咲耶が恋鐘以上にアイドルを好きで好きでたまらなくなる事だってあるかもしれないだろう」

咲耶「あるのかな、そんな事?」

P「そりゃあるさ。オレだって別に子供の頃からずっとプロデューサーに憧れてたわけじゃないよ、もっと他にやってみたい事も沢山あった。けど、今はもうこの仕事以外考えられないぐらい好きになってる。そういう事だってあるんだよ」

咲耶「そうか…なら、じっくり向き合って考えてみるよ。どのみちアイドルである以上、今を頑張らないといけない事に変わりはないしね」

咲耶「ああ、しっかりやるよ…でもさ」

P「まだ何かあるのか?」

咲耶「もしもだけど。例えば私がやりたい事を何も見つけられなくて、アイドルへの情熱も無くしてしまったら。その時はちゃんと、さっき言ったことの責任を取ってくれるんだろうね?」

P「え?おいおい何だそりゃ、責任を取るったって具体的にどうしろと…」

咲耶「はは、冗談だよ。もしそうなったとしてもそれは自己責任さ、アナタに何かさせるのは筋違いだ」

P「からかうなよ。そもそも咲耶がそんな無気力な人間になるとは思ってないけどな」

咲耶「さあ、それはどうだろうね。私だって完璧じゃないんだ、あるかもしれないよ。そうだな、もしそうなったら」

P「なったら?」



咲耶「その時は、アナタのお嫁さんにでもなろうかな。私1人ぐらいなら、養う甲斐性はあるんだろう?」

P「お前ね…」

咲耶「冗談だってば。さて、帰る前に少し体をほぐしておこうかな。レッスンルーム空いてたよね?」

P「ああ、程々にな」

咲耶「分かってるよ。それじゃあ行ってくるね、あ・な・た♪」

P「はいはい…まったく、摩美々といい結華といい、どうしてウチのユニットはオレをからかいたがるのかね」


P「…………」

P「ああいう冗談は心臓に悪い…」



(レッスンルーム)

咲耶「ふう。ちょっと攻めすぎたかな…あれ、鍵あいてる」

恋鐘「あ、咲耶」

咲耶「恋鐘。さっきはどうもごちそうさま。恋鐘も自主レッスンかい?」

恋鐘「う、うん…あのね」

咲耶「ん?」

恋鐘「その。さっき、咲耶がプロデューサーに言ってた事って本当?」

咲耶「あ、聞こえてたのか。大丈夫、これからもアイドルは頑張るつもりだし、辞めるとかやる気が無くなるなんて事には絶対にならないよ」

恋鐘「そ、そっちやなくてね。ええと…」

咲耶「ん?それじゃあ恋鐘が羨ましいって言ったことかな。そっちは間違いなく本当だよ、これからも私達を引っ張っていって欲しいと思ってる。もちろん、恋鐘一人に頼りっぱなしにはならないつもりだけどね」

恋鐘「そ、それでもなか。あのね、ええと。その、咲耶がプロデューサーのお、およ、およ…」

咲耶「ああ、アイドルを引退したらプロデューサーと結婚しようって言ったことかい」

恋鐘「なあっ!?も、もうそがん話になっとると?」


咲耶「ふふ。まあさっき聞いてた通りだよ、それ以上でも以下でもないさ」

恋鐘「な、なんね。それじゃあ別に具体的な事はなんにも…」

咲耶「でもまあ、そうだね。いつかはそういう事になるのも悪くはない、ぐらいには考えてるかな?」

恋鐘「ち、ちょっと!ダメばい、そがん事は」

咲耶「おや。今すぐどうこうしようってわけじゃないよ?」

恋鐘「ダメなもんはダメったい。アイドルがそげんやましい事考えるんは無し、ぜーったいにいかん。いいね?」

咲耶「ふふ。はいはい分かってるよ、リーダー」

恋鐘「むー…本当に?」

咲耶「ああ、約束するよ」

恋鐘「ならよかった。それじゃ、レッスンしよっか?」

咲耶「うん、始めよう」


咲耶(……やれやれ。恋鐘のいる前でああいう事言うのはこれっきりにしておかないとね。色々心配させて、アイドルに支障をきたさせるワケにもいかないし)

咲耶(出来ることなら正々堂々勝負といきたいけど、お互いアイドルやってたらそういう訳にもいかないだろうし。)

恋鐘「じゃ、準備運動から…咲耶、何か言った?」

咲耶「いや、こっちの話だよ」

咲耶(でもまあ、少しくらいなら…)


(翌日)


咲耶「味はどうだい?」

P「ああ、美味いよ。咲耶も料理上手だったんだな」

咲耶「気に入ってもらえたなら何よりだよ、これでも家では割と作る方なんだ」

P「へぇー。でも悪いな、朝から仕事だってのに」

咲耶「ほら、今日はいつもより早く出るだろう。アナタの事だからどうせ朝食抜きだろうと思ってね」

P「おっしゃる通りで、返す言葉もない。ついギリギリまで寝てしまってな」

咲耶「はは、だろうと思った。アナタの事ならお見通しだからね」

P「恐れ入りました」

咲耶「ふふ、どういたしまして」

P「ごちそうさま。本当に美味かったよ、ありがとうな」

咲耶「お粗末さまでした…どうだろう、私はいいお嫁さんになれるかな」

P「はいはい。昨日のそれまだ言ってるのか」

咲耶「いいじゃないか、私のやりたい事なら応援するって言っただろう」

P「本気で言ってない事まで応援する気はないよ」

咲耶「なんだ、バレてたか」

P「そりゃあな。咲耶の事なら何でもお見通しだよ」

咲耶「おっと、そう来るかい」

P「ははは。いっつもやられっぱなしというのもな。さて、出る準備はいいか?」

咲耶「ああ。その前にちょっとこれ洗ってくるよ、待ってて」



咲耶(よし。これで対等、かな?あまり押し出すのも恋鐘に悪いだろうしね)

咲耶(まあ、さっきの反応を見る限り今の所少しだけリード、かな?だって…)

咲耶「お待たせ。それじゃあ行こうか」

P「おう。じゃ、車回してくるよ」

咲耶「頼んだよ。あ、それと」

P「なんだ?」



咲耶「照れるくらいなら、あんな事言わない方が良かったんじゃないのかい。さっき、顔真っ赤だったよ?」

P「…………うっせ。」

訂正

>>15
×咲耶「ああ、しっかりやるよ…でもさ」

○咲耶「まあ、しっかりやるよ…でもさ」

(おまけ)

はづき「へぇ、私がお休みの時にそんな事言われたんですか。モテモテですね〜、ちょっと羨ましいかも」

P「からかって楽しんでるだけですよ。ほんと、どうしてウチはこうなんだか。他所のユニットはこんな事ないんでしょう」

はづき「ふふ、それだけプロデューサーさんとの距離が近いという事じゃないですか、仲良しが一番ですよ」

P「オモチャにされてるだけな気もしますけどね。ですが…」

はづき「ですが?」

P「いや。咲耶の話を聞いてたら、いくら仲が良くてもあいつらとずっと一緒にいられるわけじゃないのかも、なんてふと思ってしまいまして」

はづき「そうですねえ。いつまでもアイドルをやるわけではないでしょうし」

P「いつかは引退して、ここからいなくなる事だってあるんですよね。そうならないように頑張るつもりですけど…」

はづき「ふふ、寂しいのなら本当に咲耶ちゃんと結婚なさったらいかがですか?」

P「なっ!ば、馬鹿なこと言わないで下さいよ、そんな事やったら……」

P「……」

はづき「あはは。まあアイドルと結婚はさすがに難しいですよね…どうかしましたか?」

P「いや。もし本当に結婚した時の事をちょっと想像してみたんですが」

はづき「ふむふむ?」

P「摩美々と結華が居着いてて、霧子と恋鐘が回収に来る図しか浮かんできませんでした」

はづき「あ、あはは。いつまでもずっと仲良しで何よりですね〜…」



終わりです。途中誤字失礼いたしました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom