小指から赤い糸【ラブライブサンシャイン】 (11)

私にとって指とは唯一自分の中で誇れるところだった


幼少時からピアノを習っていた私は箱入り娘のように育てられた

特に手は

料理はおろか裁縫すらさせずに高校生まで過ごししてきた

そのかいあって会う人、関わる人には例外なくこの手を褒められた

そして私はそれが誇らしかった....

その日までは

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ある十七手前の春、私は運命的な出会いを

仲間というべき八人との出会いを果たす

それは、私の人生の中で一番といっていいほどの出会い

その中で作曲という、中枢を担う役割を持てたことに誇りを持っていた....いる

この時ほどピアノに触れいたことに感謝した時はないだろう

だが、ある日を境に私の価値観は逆転する



そのグループの中では初めてではあるのだが、いつも通りといえばいつも通り

何度も聞き覚えのある、身に覚えのある会話が始まる

始まりが千歌ちゃんの言葉が始まりだった

「梨子ちゃんの手って奇麗だねー」

他の人らも賛同する、私も悪い気がしないので「恥ずかしいよー///」といい手を差し出す

みんな揃って私の手を見る、それが心地よかった

ある瞬間、そう

「いいなー梨子ちゃん、手が奇麗で」

彼女がそういうまでは

その娘の手は奇麗とは言い難かった

水泳で水をかくために発達し、何より裁縫によってつけた刺し傷、切り傷の数々

それを隠すように絆創膏の束

だけれど、それは優しさの証

エースとして、皆を支える実力

そして、みんなが身に纏う、一人一人にあった衣装を制作した証、勲章

彼女の傷は優しさの証だった

なら、私はどうだろう?

何から何まで他人に頼り

この年まで裁縫がおろか料理すらやったことない

そんな事を証明するこの手が、私はとたんに恥ずかしくなった

それから、私は色々なことを始めた

料理、裁縫はおろか化粧やネイルなんてものまで

全てはこの手を恥ずことから

そう、この手から皆の視線外したくてのことだった

皆そろってそれらのことばかり褒めた

「化粧が梨子ちゃんにあってる」とか「将来はいいお嫁さんになるよ」とか

しかし、私の心の警戒は解かれない、それからも曜ちゃんの様子に言動に注意を払い続ける

・・・・・・・・・

人生とは皮肉なものだ、警戒し続けた曜ちゃんとこのような関係になるとは....


唐突なことに今私は渡辺曜さんとの結婚式まじかである

学生から彼女の気を伺い生きてきた

逆に言えばそれは、彼女と距離を離さず生きてきたということでもある

ある意味この結果も必然か...

なんにせよ、旧名、桜内梨子というなの少女は続く道は墓場、はたまた天国か

一生で一番の晴れ舞台への一歩を踏み出した

緊張と不安の中式は着々と進む

多くの恩人を前にした緊張とこれからの不安をよそに着々と進む

それは式目何回目か、友人の言葉だったか

千歌ちゃんからのパスという形で起こった

「曜ちゃんって、梨子ちゃんのどこが好きなの?」

本当この娘は、私の聞きづらいことズバッと言ってのける

なんにせよ、私のずっと聞きたかったことは思わぬ形で形で耳へ入ってきた

「えー...と、手...かな」

会場の全体が頭を縦に振る、その反対に私は悲しい気分になる

が...

「梨子ちゃんはね..すごい優しいんだ」

「誰よりも人のことを想ってて、そのせいで他人からの自分の評価に敏感になっちゃうこともあるけれど」

「そんな梨子ちゃんのおかげで、梨子ちゃんが好きになってくれたから私も自分の手を好きになれた」

「そんな優しいところが...全部大好きです」

あーあ、みんなキョトンとしてる

伝わるわけないでしょ、私たち二人だけのことなんて

そんなことを考える傍ら


私は、やっと報われたような気がして、とても嬉しくなった


終わり

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