ラバーガール飛永「本日の特集は、今日発売のゲーム、ソードアート・オンラインです」 (13)


飛永「RPGを五感で楽しむことができる次世代ゲーム、ソードアート・オンライン。通称SAOの発売がいよいよ始まります」

飛永「そこで我々番組は、ゲームメーカーのアーガスさんにお願いしまして、特別に、発売前の最新ゲームを体験させていただけることになりました。現地には、リポーターの大水さんが行っております。大水さーん」

大水「……ちょっと、ライター貸してくんない?ライター。え、ここ禁煙?」

飛永「大水さーん、もう番組始まってますよー」

大水「ちっ。はいはーい。こちらアーガスさんの制作現場に来ていまーす」

飛永「今、舌打ちしませんでした?」

大水「はい、なんでしょう?」

飛永「いや今、舌打ちされましたよね?」

大水「すいません。進行を妨げるような発言はやめてもらってもいいですか?」

飛永「僕が悪いんでしょうか」



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大水「あまり時間がないものですから」

飛永「それはすみません」

大水「分かればいいんです。分かれば」

飛永「だいぶ上から来るんですね」

飛永「それで、今日がゲームの発売日ということなんですが、そちらの様子はどうでしょうか?」

大水「はい。まだ一本も吸えてないせいか、とてもピリピリしています」

飛永「大水さんのことは聞いてないです」

大水「え、違うんですか?」

飛永「そうですね。大水さんのコンディションではなくて、社内の様子を教えてほしかったのですが。あの、事前に取材はされましたか?」

大水「ちょっと電波の入りが悪いみたいなので、このままゲームの説明に入りまーす」

飛永「都合のいい電波ですね。では、説明をお願いします」


大水「ソードアート・オンライン、通称WAOは」

飛永「すいません、Wはどこから出てきたのでしょうか」

大水「えっ、何言ってるんですか。SWORDのWに決まってるじゃないですか」

飛永「大水さんこそ何を言ってるのでしょうか。こういうのは、頭文字を取るのが基本だと思うのですが」

大水「そこまで言われるのなら、そういうことにしといてあげましょう」

飛永「釈然としませんが、ありがとうございます。では、引き続き説明のほうをお願いします」


大水「はい。ソードアート・オンラインは、自分の体を動かして戦う次世代型RPGです。多種多様な剣技が搭載され、様々な武器が使用できる、大変魅力的なゲームです」

飛永「なるほど。ただ、最新のゲームにあまり馴染みのない私には、ちょっとその魅力がピンとこなかったですね」

大水「そうですか。では誤解を恐れずに言えば、ぷよぷよの強化版だと思ってもらっても大丈夫です」

飛永「絶対違うと思います。大水さん、もう少し誤解を恐れてもらえますか」

大水「あれ、違いましたか」

飛永「ええ、今のは私でも分かりました」

大水「でもまぁ、これは実際に体験してみないことには分からないことですので、部外者の方は黙っててもらえますか」

飛永「すごい当たりが強いですね。まあ、過ぎたことを言ってすみませんでした」

大水「分かればいいんです」

飛永「なんかちょいちょい上からきますね」

大水「で、このぷよぷよなんですけど」

飛永「紹介するゲームが変わってますね、大水さん」

大水「――で、ここで四連鎖させると」

飛永「もう連鎖って言っちゃってますね。完全にぷよぷよをやってますよね、それ」

大水「ちょっと今良いとこなんで、一旦スタジオにお返ししまーす」

飛永「返さないでください。ちゃんとSAOの説明をお願いします」


大水「え、なんで僕がそこまでしなきゃいけないんですか」

飛永「それが大水さんの仕事だからです。すいませんが、もう少しリポーターとしての自覚を持ってもらってもいいですか?」

大水「分かりましたよ、もう。今回だけですからね。プンプン」

飛永「ええ。おそらく次の仕事は来ないと思いますので、最後のリポートをお願いします」

大水「実は、先ほど会社の方にお願いしまして、特別にベータ版のソードアート・オンラインをやらせていただきました!」

飛永「それは良かったですね。実際にプレイされてみてどうでしたか?」

大水「はい。とても楽しかったです。こちらからは以上でーす」

飛永「小学生みたいな感想はやめてもらえますか、大水さん。もう少し具体的にお願いします」


大水「具体的に、ですか。そうですねぇ、やはり何と言っても、景色がすごく凝っていましたね。本当に異世界に行ったような感じでした」

飛永「なるほど。事前の触れ込みでは、DFSと呼ばれる最新技術で高精度なグラフィックを再現したということでしたが」

大水「そうそう、そんな感じでした」

飛永「こちらに便乗しないでください。それで、他はどうでしたか」

大水「なんとですね、ゲームの中で走り回ることはもちろん、食べたり、飲んだりすることもできました」

飛永「本当に現実世界と変わらないんですね。そうなってくると、いろいろと不安な面も出てくると思いますが、その辺りはどうなのでしょうか」

大水「そこなんですが、実は、このゲームにはプレイヤーの犯罪対策として、ハラスメント防止コードというものがあるそうなんです」

飛永「ハラスメント防止コード、ですか?」



大水「なんでも、ゲーム内で他のプレイヤーにセクハラなどをすると、警告が表示されて電気ショックが流れるとのことです」

飛永「そういったことも想定されてるんですね。ちなみに、その警告を無視するとどうなるのでしょう?」

大水「牢獄エリアに強制転移されるようなんです」

飛永「なるほど、それは大変ですね」

大水「そうなんです。僕なんか三回も戻されちゃいました」

飛永「セクハラされたんですか、大水さん?」

大水「いやぁ、ゲームの中とは思えない触り心地でした」

飛永「そこは聞いてないです。あの、大水さん。これテレビなんで、そういう発言は止めてもらってもいいですか」

大水「あ、じゃあここはカットで」

飛永「生放送です。以後、慎んでください」


大水「あちゃぁ、すいません」

飛永「ええ。反省していただければ結構です」

大水「じゃ、反省したんで喫煙所行ってきていいですか?」

飛永「もう少し待ってもらえますか。あと少しで終わりますので」

大水「分かりました」

飛永「それでは、もう時間がありませんので、このゲームの魅力を一言でお願いします」

大水「はい。ずばり、おっぱいが柔らかかったです!」

プツッ

飛永「不適切な発言、大変失礼いたしました。番組を代表して、お詫びいたします」

飛永「さて、次回の特集は、『職場に根強く残るセクハラ』です。特別企画として、たった今、セクハラで逮捕された大水さんへの獄中取材をお送りする予定です。それでは、また来週」



以上で終わりです。


最近ラバーガール見ないので、ついSS作ってしまいました。
あんまりSAOを絡められなくてすいません。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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