キャンディアイランドのなかなか毒にも薬にもならないおしゃべり (17)


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります



-----事務所-----

ガチャ
智絵里「……お疲れさ……あっ」

かな子「智絵里ちゃん? どうかしたの?」

杏「……かな子ちゃん、静かに」シー

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1531310291

アナスタシア(以下、アーニャ)「……スゥ……スゥ……」

かな子「あ……アーニャちゃん、ソファで寝ちゃってる……」

智絵里「お仕事終わりかな? 今週、ちょっと忙しかったもんね」

かな子「そうだよね。このまま寝かせておいてあげよっか」

杏「うんうん。睡眠はたっぷりとるべきだよ」

智絵里「でも、このままだと風邪とか引いちゃわないかな……?」

かな子「うん……えぇと、掛けるもの……ブランケットみたいなの、どこかに無かったっけ?」キョロキョロ

智絵里「見当たらないね……」

杏「しょうがないなぁ。代わりに杏のうさぎを掛けておいてあげよう」ポスン

智絵里「掛けるというか、乗せるというか……」

杏「でも、安眠は約束するよ」

かな子「杏ちゃんが言うと、説得力があるね……」

杏「ふふん。何せ、前にはあの働き者のちひろさんですら、こいつを枕にすると爆睡しちゃってたからねっ」

智絵里「そうなんだ……すごいねっ」

杏「……はっ! このうさぎを安眠グッズとして大量生産して売り出せば、仕事に疲れたサラリーマン達にバカ売れして大儲け……?」

智絵里「あはは……そ、そう上手くいくかなぁ……?」

かな子「……それにしても……」

アーニャ「…………スゥ……」

かな子「ふふ。アーニャちゃんの寝顔、可愛いなぁ」

智絵里「とっても気持ちよさそう……」

杏「なんというか、普段とイメージ変わるよねー」

智絵里「ですね。アーニャちゃん背が高くて、かっこいい衣装が似合うイメージがあるけど」

かな子「普段のアーニャちゃんは、お茶目だったり、ちょっぴり甘えん坊さんな時もあって、可愛いよね♪」

杏「……」ジー

かな子「……杏ちゃん? アーニャちゃんがどうかした?」

杏「…………『いい、寝顔です』」イケボ

智絵里「ぷふっ……あ、杏ちゃん……っ!」プルプル

かな子「こ、ここでプロデューサーさんの真似は、ずるいよぉ……!」プルプル

アーニャ「…………んぅ……」モゾモゾ

智絵里「……あっ」

アーニャ「……パジャールスタ…………フシグダ、サムノイ……」ムニャムニャ

アーニャ「……」ムクリ

杏「あ、起きた」

アーニャ「ンー……ここは……事務所……?」ポケー

かな子「ごめんね、アーニャちゃん。騒がしくしすぎちゃったかな……?」

杏「おはよ、アーニャちゃん」

アーニャ「ドーブラエウートラ……おはよう、ございます……」

アーニャ「……!!? アーニャ、事務所で寝てしまいましたか!?」ガバッ

智絵里「は、はいっ。ぐっすりでしたよ?」

アーニャ「あぁ……つい、気が抜けていました……。あの、チエリ? アーニャは、何か言っていましたか……? 寝言、とか……」

智絵里「うーん、ちょっとだけ……」

アーニャ「ウージャス! ……あぅ……恥ずかしい、です……///」カオマッカ

かな子「だ、大丈夫だよ! 寝言は言ってたけど、ロシア語だったから、意味は全然分からなかったし!」

アーニャ「ンー……本当、ですか……?」チラ

杏「ホントホント。だから心配しないで、うさぎで顔を隠すのやめなよ」

アーニャ「あ……アンズのぬいぐるみ……いつの間に……?」キョトン

かな子「あははっ。やっぱり今日のアーニャちゃん、可愛いよっ」

智絵里「それで、どうして事務所で居眠りしちゃってたんですか? やっぱり、疲れてた、とか……?」

アーニャ「ダー。お仕事と、レッスンが終わって……帰る前に少し、休憩しようとして……」

アーニャ「いつの間にか、アー……ネオチ? してましたね」

智絵里「寝落ち……アーニャちゃんも、そういう言葉使うんだ」

アーニャ「アンズに教えてもらいました♪」

かな子「杏ちゃん発信だったの!?」

杏「……あー、そういやそうだった」

アーニャ「アンズの他にも、ミナミ、ランコ、みく……みんな、アーニャにいろいろな日本語、教えてくれます。とても、優しいです」

智絵里「よかったね、アーニャちゃんっ」

かな子「私たち、お仕事の時はライバルみたいになっちゃうこともあるけど、せっかく同じ場所で出会えた仲間だもんね! お互い、いろいろ助け合っていこうよ♪」

杏「かな子ちゃんの言う通り。杏も、サボりたい時はアーニャちゃんの力を借りることもあるかもしれないし、その時はよろしくねー」フリフリ

智絵里・かな子「なんでやねんっ!」ビシィ

杏「あぅ」

アーニャ「ハラショー……! 三人とも、息がぴったり、です……!」パチパチ

智絵里「えへへ……嬉しいな」テレテレ

かな子「あはは……ちょっぴり、複雑な気分でもあるけど……」

アーニャ「……あ、もうこんな時間……そろそろ、帰ろうかな? 三人は、まだお仕事ですか?」

杏「そ。新作ゲームのCM撮影だってさ」

かな子「うんっ。だから杏ちゃん、今日はいつもより元気なんだよっ」

杏「うるさいなぁ、別にいいじゃんかー」

アーニャ「ふふ……それは、楽しみですね。頑張ってください」

智絵里「はいっ! アーニャちゃんは、寮でゆっくり休んでくださいねっ」

アーニャ「スパシーバ、ありがとうございます。では、また明日……やみにのまれよ、ですっ」フリフリ

杏「やみのまー」

スタスタ ガチャ

智絵里「……アーニャちゃんって、結構蘭子ちゃんの言葉、気に入ってるよね」

杏「そのうち中二病にどっぷり浸かっちゃうんじゃ……」

かな子「プロデュース方針がだいぶ変わりそうだね……」

杏「そういえば、二人って寝言とか言うタイプ?」

智絵里「えっ? ……うーん、そう聞かれても……」

かな子「自分じゃ、分からないよねぇ」

智絵里「はい……」

杏「いや、まぁ、そりゃそうか」

かな子「そう言う杏ちゃんは、どうなの?」

杏「んー……親が言うにはさぁ」

杏「小さい頃、寝言で『レアアイテムが見つからない~』とか言いながら、布団の中に潜り込んでたことがあるんだって」

智絵里「ふふふっ……杏ちゃんらしいね」

杏「杏は全然覚えてないんだけどね。ダンジョン探索してる夢でも見てたのかなぁ……?」

智絵里「あ……もしかして私も、四つ葉のクローバーが見つからない、とか……寝言で言っちゃってたりして……」

智絵里「なんだかそう考えると、少し恥ずかしいかも……///」

かな子「あ、ダンジョンで思い出した」

かな子「この間のオフに、雑誌で見つけたケーキ屋さんに行ってきたんだけど、そこが初めて行く街にあって、普段使わない駅で降りたの」

智絵里「うん」

かな子「そうしたらそこ、すごく複雑な構造の駅で……目的の場所に着くまで同じところをぐるぐるしちゃってね。」

杏「あー。分かりにくいとこ、あるよねー……」

かな子「最後はなんとか辿り着けたけど……恥ずかしかったなぁ」

智絵里「私も、似たような経験あります……そういう場所で迷子にならないコツって、何かあるのかな?」

かな子「うーん……あ。壁に手を付けて、それに沿って進むとか?」

智絵里「迷路ならともかく、公共の場所でそれをやるのは、ちょっと……」

かな子「だよね……やっぱり、地図や案内板をしっかり見るのが一番なのかな……?」

杏「いっそ、細長い棒的なものを倒して、倒れた方向に進めば?」

智絵里「えぇ……? よ、余計に迷っちゃいそうだけど」

かな子「ちょっと運に身を任せすぎじゃない?」

杏「かな子ちゃんなら、ただの棒じゃなくて……ほら、チュロスとか使えばあるいは」

かな子「もう、杏ちゃんっ! スイーツを粗末にしちゃ、ダメだよっ」

智絵里「ねぇ、かな子ちゃん。チュロスって、手作りできるの?」

かな子「うん。前に何度か作ったことあるよ。絞り袋の先っちょを星型の金具にして、にゅーって絞った生地を油で揚げるの」

杏「へぇ、チュロスのあの形って、そういうことだったんだ。知らなかった」

かな子「家にあるようなお鍋の大きさじゃ、あんまり長いのは作れないけどね」

智絵里「……かな子ちゃんの手作りチュロス、食べてみたいな」

かな子「そう? なら、任せて! 二人のために腕によりをかけて、たっくさん作ってくるね♪」

智絵里「あ……あの、あんまりいっぱいは食べられないかもしれないから、ほどほどで……お願いしますっ」

杏「事務所のみんなの分も、とか言って、2メートルくらいあるの作ってくるのはちょっと勘弁かな」

智絵里「ま、まぁ長すぎるのは無理だって、さっき言ってたし……」

かな子「さて、そうと決まったら、帰りに材料買ってこなきゃ! ふふっ、楽しみだなぁ……♪」

智絵里「その前に、お仕事をしっかり頑張らなきゃ、だけどねっ」

かな子「ゲームのCMかぁ……実際にプレイもするんだよね? 私にできるかな……?」

杏「あぁ、たぶん心配ないよ。杏、前作はプレイしてたけど、そんなに複雑な操作要求されるゲームじゃないから」

杏「のんびりした世界観だし、二人には向いてるんじゃないかな」

智絵里「そうなんだ……杏ちゃんが言うなら、安心だね」

かな子「いろいろ教えてね、杏ちゃんっ」

杏「任せてよ。杏がしっかり、ナビゲートしてあげよう!」フンス

智絵里「ナビゲート……ふふっ。じゃあ、今日は……」




ガチャ
卯月「お疲れさまですっ!」



智絵里「杏ちゃんが、私たちにとってのチュロスだねっ」

卯月「ど、どういうことですかぁ!? 食べちゃうんですか!?」



おわり



以上、お付き合いありがとうございました。
ロシア語はざっと調べただけですので、不自然な点があっても見逃してやってください。

あと、私は昔、寝言で『つるのムチのわざマシン』を探していたそうです。ねぇよそんなもん。


前作
キャンディアイランドのそれほど毒にも薬にもならないおしゃべり

も、よろしければどうぞ。




本場スペインのチュロスを見たときは、「アーマー(パンの耳)フライ?」と思ったからなぁ

あちらでは基本、一本では食べずにフライドポテトみたく、一山で食べる→沢山食べる→三村化しやすい

アーニャは天使


今度映画観に行くときにチュロス食べようかな

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom