【艦これ】気弱な淑女の強気な主張 (56)

※地の分アリ

昨日の鎮守府とはパラレル扱いです。よろしくお願いします


提督「あぁーづがれ"だぁ」

一日の膨大な仕事をこなし、疲れで地べたに這い蹲ってしまいそうな体を何とか引きずりながらも俺は家への帰路を辿る。

執務机に積み上げられた膨大な数の書類に目を通し、艦娘からの報告をまとめ、他の鎮守府との演習予定のすり合わせを行う。

幾らかは秘書艦が肩代わりをしてくれるが、どうしても自分で目を通さなくてはいけない部分はある。

それを毎日繰り返すとなると、やはり疲労は体に積み重なっていく訳でありまして...。


提督「テイトク、オウチ、カエル」

某宇宙人並の片言言葉を発しながら、愛しの我が家へと歩みを進める。

ああ、見えてきた。こんな日はさっさと風呂に入って寝るに限る。

そう思いながら玄関を開けると、足元に見慣れないローファーが置いてあることに気づいた。

提督「まさか...」

体の疲れはどこへやら、家の表へ急いで回ると出かける前に消したはずの居間の電気が確かに灯っていた。


あらかた見当がつく。おそらく彼女だろう。

家に上がり、脱衣所へ向かう。

洗物かごには無造作に放り投げられた服、下着、そして甲板ニーソ。

熊野「あら~提督。遅いお帰りでしたわね。お先にお風呂、頂いてますわ」

提督「頂いてますわ、じゃないだろ!ここ、俺の家だから!君の家じゃないからね!?」

熊野「煩いですわね。いいじゃないですか、別に減るものではありませんし」

提督「熊野さーん...頼みますよホント」


航空母艦、熊野。見るからにお嬢様であるが、それは仮の姿である。

少なくとも俺の知るお嬢様は他人の家に入り込んで、勝手に風呂を使ったりしない。

熊野「はぁー、いいお湯でしたわ。さすがは提督ご自慢の露天風呂」

提督「ちょっ、ば、前隠せ、前!」

熊野「...何生娘みたいな反応してらっしゃるの?」

恥ずかしがる俺に目もくれず、箪笥からバスタオルと下着を取り出す。

てかなんで熊野の下着がそこに常備されているの。

...おうち、かえりたい。

いやここ俺のうちだった。

どうしてこうなったんだろう。
全ての事の発端は、数日前の執務室での出来事であった。


熊野「暑すぎますわ...提督、どうにかしてくださいまし」

提督「こればっかりは無理だって。梅雨に入っちゃったし」

6月中旬、窓の外を見るとうんざりするほどの雨が空から降ってきている。

世に言うTSU-YU-に突入した我が鎮守府では、じめじめとした暑さで満たされていた。


熊野「あついですわあああああ」

提督「扇風機で遊ぶのはやめなさい。というか熊野は仕事終わったの?」

熊野「私に渡された分は終わらせましたわ」

提督「マジか。じゃあこっちもたの」

熊野「嫌ですわ」

提督「そんな事いわないで。ね、クマノサァン」

熊野「絶対に嫌です。提督がのろまなのが悪いのですわ」

提督「ひどい」

熊野は私の定位置はここ、といわんばかりに扇風機の前に陣取る。


提督「...熊野、俺に風が当たらないんだけど」

熊野「♪~」

提督「...なあ」

熊野「とおおぉぉ↑おおう↓おお↑おぉ↓お!」

提督「だから扇風機で遊ぶな。子供かお前は」

熊野「あー、涼しいですわぁ」

俺だって涼しい風に当たりてぇ!

無言で提督は扇風機の首振り機能を強める。


熊野「甘いですわよ、提督」

なんとスカートを扇風機に被せているではないか!

レディとは一体なんだったのか。余りにも恥じらいがなさ過ぎる。

提督「暁が見たら泣くぞお前...」

熊野「勝利をつかむためなら手段を選ばない。それもまたレディですわ」

レディの定義が壊れるわ。


熊野「そんなに暑いのでしたら涼しくして差し上げますわ」

そう言う熊野の手元には、いつの間にかクーラーのリモコンが握られていた。

提督「あっ、馬鹿、まだクーラーは早いって。それに」

熊野「初めからこうすればよかったのですわ。」

提督の忠言を無視して熊野はスイッチを押す。

熊野「おうぅ、なにか嫌なにおいがしますわ...」

提督「だから言ったじゃないか。フィルターがかびてるからく、くっさ、オォエ!熊野、止めて!」

熊野「臭いですわああああああ」

提督「叫ぶ前に早く、スイッチを、押せええええええええ」


熊野「はぁ...余計に暑くなりましたわ...」

提督「誰のせいだと思ってる」

もう踏んだりけったりである。

目の前にはまったく進んでいない書類。気が滅入る。

なにかいい事ねぇかな。

「提督、失礼します!」

提督「おお、明石か。どうした」

明石「実はですね、前に頼まれていた露天風呂がですね...」

提督「完成したのか!?」

明石「はい!我ながら良い仕事をしたと思いますよ」

提督「おお...ありがとう!ありがとう!」

大分前に頼んだ露天風呂の工事がついに終わったらしい。

俺は嬉しくなってつい小躍りをしてしまった。

明石「それでは明石、通常業務に戻ります!」

提督「ああ、ご苦労!今度食事でも奢らせてくれ」

明石「本当ですか!?期待してますよー!」

手を振りながら明石を見送る。

さて、帰る楽しみが増えたし、お仕事頑張るかなー。


くるりと向き直ると、そこには秘書艦熊野の姿。

その満面の笑みが、今はとても怖い。

やっべ...嬉しさの余り頭から抜け落ちてた。

熊野「ねえ提督...今、明石さんが露天風呂って」

提督「言ってないから」

熊野「いやでも」

提督「絶対言ってないから」

熊野「提督。このままだと艦娘全員にこの事が知れ渡りますわ。提督が私腹を費やして自分だけが良いお風呂を使っていると」

提督「まて、私腹は費やしていないぞ!ちゃんと自分のお金で...」

熊野「別にそこは大きな問題ではありませんわ。でも、提督の家に露天風呂があるなんて知ったら皆使いたがるんじゃなくて?」

提督「要するに、内緒にするから露天風呂を使わせろ...と」

熊野「物分りが良い提督は好きでしてよ」


あ、悪魔じゃないか...。

もはやレディのかけらもない。三隈の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい。

しかし背に腹は変えられないのだ。

俺は涙を飲みながら、熊野との停戦協定を結んだ。

敗北Dの協定である。



それから一度だけ使っても良いという協定の元、熊野に風呂を貸した所、味を占めたのか日常的に入り浸るようになってしまったのだ。

一番風呂を取られた家主の提督は、とぼとぼと風呂へ入る準備をする。

熊野「提督、私のシャンプー使ったら怒りますわよ」

提督「使わねーから!つか持ち込むなよ」

(そろそろ本気で怒らないとな...鎮守府の風紀に関わるし)


風呂から上がると下着姿の熊野がソファに腰をかけていた。

バスタオルを頭にかけっぱなしで、どこかうつろな目をしている。

提督「服、着ないと風引くぞ。それに髪も痛んじまうし」

熊野「...」

提督「今日はもう遅いから、早く自分の部屋に戻れ。鈴谷も心配するだろ」


熊野「実は私、鈴谷と喧嘩をしてしまいましたの。今までこんな事ありませんでしたし、どうすればいいのか分からなくて」

珍しくしょげている熊野を見ると、怒ろうと思っていた気持ちは何処かへ消えてしまった。

提督「...夕飯は?」

熊野「まだ...ですわ」

提督「はぁ...ちょっと待ってろ。簡単なものでいいか?」

熊野「構いませんわ」

提督「今日だけだかんな」


余り個人に肩入れするのは良くないかもしれないが、艦娘のメンタルをフォローするのも提督の役目。

今日ぐらいは多めに見てやっても良いだろう。

そう自分に言い聞かせながら提督は台所に立った。

一方の熊野はというと、


熊野(提督...チョロすぎでしてよ!)

顔を俯かせながら笑いをこらえていた。

もちろん、鈴谷と喧嘩をしたというのも嘘である。

熊野(幾らなんでもチョロすぎるのでは、と提督が心配になりますわね)

提督「チャーハンで良い?」

熊野「神戸牛は入っていますの?」

提督「入ってるわけないだろ」

熊野「ふふっ、冗談ですわ」


提督「じゃあ俺はソファーで寝るから、熊野はそっちのベッドを使ってくれ」

熊野「感謝いたしますわ」

夕飯を食べ終わってからも熊野の口数は少なく、自室へ帰る様子もなかったので寝床を貸す事にした。

熊野があんな様子では、こちらも調子がおかしくなってしまう。

提督「...明日にはちゃんと鈴谷と仲直りしろよ。お休み」

熊野「ええ、お休みなさい。提督」

熊野にそう告げると、提督はソファーに横になる。

提督(明日は鈴谷が秘書艦だったかな...後は...)

翌日の事に思考を巡らすも、思うように頭が働かない。

疲労もあってか、提督の意識はすぐにまどろみへと落ちて行った。


ギィ...

提督(...ん?)

床のきしむ音で目が覚める。

(熊野の奴、喉でも渇いたのか?)

おそらく提督の予想は当たったのだろう。

冷蔵庫の開け閉めの後に、流し台から水が流れる音がした。

頭上の柱に掲げられた時計を見ると、マルフタマルマルを回っている。

提督(明日も早いし、さっさと寝るか...)

再び目を瞑ると足音がこちらに近づいてきた。

そのまま通り過ぎると思ったのだが、なぜか目の前で足音が止まった。


熊野「提督...起きていらっしゃるのですか」

返事をしそうになったが、何故か悪戯心が働き、俺は狸寝入りをする。

熊野「寝ているのですか」

再び熊野が問いかけるとの同時に、俺の首筋にひんやりとした感触が伝わった。

驚き薄目で確認すると、熊野が俺の首筋に指を這わせていることが分かる。

なんとも返事のし難い状況に陥ってしまった。

こんな事ならさっさと起きてると答えればよかったのだ。


そんな俺の後悔なぞいざ知らず、熊野の指はつつつ、と下に向かい、喉、そして鎖骨をたどる。

鎖骨に沿って指を動かした後、おもむろに熊野はそこへ顔を近づける。

提督(!?)

気づいた瞬間には、俺は熊野に鎖骨をかぷり、と噛まれていた。

猫や犬がじゃれ付くときにするような、所謂甘噛みでだ。

さすがに驚きを隠せず、体をビクン、と痙攣させる。


熊野「...今度こそお休みなさい。提督」

そう告げて熊野は自分の寝ていたベッドへ戻っていく。

提督(い、一体なんだってんだ...)

一連の出来事に、俺は胸をどぎまぎさせる。

目を無理やり瞑っても、しばらく寝付けそうにはなかった。


熊野「提督。お早うございます」

提督「んあ..おはよう」

熊野「総員起こしまでまだ少しだけ時間がありますけど、準備があるので熊野は部屋へ戻らせてもらいますわ」

提督「そうか」

寝ぼけ眼で声のする方へ目を向けると、指定のジャージを着た熊野が玄関の方へ向かうのが分かった。

提督「なあ熊野」

熊野「どうかなさいましたか?」

提督「...いや、なんでもない」

昨日の夜の出来事を聞こうと思ったのだが、やめておくことにした。

もしかしたら夢かもしれないし。


熊野「変な提督。...今日も一日、頑張りましょうね」

提督「ああ」

そういって出て行く熊野を、提督はソファーの上から見送った。

いつもより少し早めの朝だが、二度寝をするには些か心許ない時間だ。

体を起こし、そのまま洗面台へ向かい顔を洗おうとした。

提督「...」

鏡を見ると、昨日の夜の出来事が夢ではない事を実感する。

右側の鎖骨にはうっすらと、しかし確かに長楕円の歯形が残っていたからだ。


鈴谷「提督じゃーん。おはよ!今日もよろしくぅ」

提督「よろしくな、鈴谷」

今日の秘書艦は鈴谷だ。

こちらも最近になって航空母艦への改造をしたばかりで、いろんな海域へ駆り出している。

鈴谷と熊野が仲直り出来たのか気がかりだった俺は、少しだけ探りを入れてみた。


提督「ところで鈴谷、熊野と仲直りは出来たのか?」

鈴谷「ん?何の話?」

提督「え、お前と熊野って喧嘩してたんじゃ」

鈴谷「鈴谷と熊野が喧嘩するはずないっしょー!シャンプー貸し借りする仲だよ、夢でも見たの?」

何やら話がかみ合わない。喧嘩をしていない?


提督「昨日の夜、熊野は部屋に帰ってこなかっただろ?」

鈴谷「いやー、昨日の夜は日向さんとZUI-UNについて語り合ってたから、部屋を空けてたんだよねぇ。だから知んなーい」

提督「知らないって、お前」

熊野「失礼しますわ」

執務室の外からノックをする音が聞こえる。

噂をすれば、熊野か。


熊野「鈴谷、今日の演習相手の方が参られましたわ。顔合わせをお願いしますわね。」

鈴谷「はいはーい。じゃあ熊野、鈴谷が空けてる間、よろしくね!」

熊野「分かりましたわ」

提督「熊野。聞きたい事があるんだが...分かるな」

熊野「鈴谷との事ですか?」

提督「喧嘩したというのは」

熊野「もちろん嘘ですわ」


提督「嘘なのかよ!」

熊野「提督がすぐ信じてしまうものですから。私、心配になりますわ。変な壷とか買わされてませんわよね?」

熊野「それとも私の演技力が高すぎたのかしら...。めざせブロードウェイ女優ですわ!」

提督「お前なぁ...」

あまりにも悪びれる素振りがないものだから、呆れてものも言えなかった。

腕を組んで天井を仰ぐと、熊野が怪しい笑みを浮かべて近寄ってくる。


熊野「こちらの事が聞きたいのかと」

提督「っ」

服の上から俺の鎖骨を指でなぞる。

瞬時に、昨夜の出来事が頭の中で呼び起こされる。

反射的に俺は熊野の手を払いのけた。

熊野「あら、酷いですわ」

提督「おいたが過ぎるぞ」

熊野「冗談ではありませんのに」

熊野「...提督。また今夜、貴方の家へ足を運びますわ。色々話したいことがありますの」

熊野「それでは、後ほど」


提督「まて、熊野」

一方的に話を切り上げた熊野はそのまま執務室を出て行く。

提督「はぁ...」

鈴谷「鈴谷、ただいま帰りました!って提督、酷い汗じゃん。大丈夫?」

提督「いや、何でもないんだ。」

気づけば俺は冷や汗をかなりかいていた。

遅れて不規則な心拍音が、胸で鳴り響いていることに気づく。

今日も熊野は俺の家へ来るつもりだろう。どう対処したものか...。


提督「うーん...」

鈴谷「提督ぅ、汗かく位暑いんならクーラー入れよ?てか入れていいよね?ね?」

提督「あっ、だからクーラーはくっっっさ!、オ"ォ"エ"!」

鈴谷「う"え"~なんか目がしょぼしょぼするう"う"う"う"う"」

提督「ちょ、とめて!はやくクーラーを止めるの!ねえ!」

鈴谷「腐った牛乳の匂いじゃあああああああん」

提督「す、鈴谷ああああ"あ"あ"あ"あ"!」


すっかり日も落ち、仕事が終わった俺は自宅へと帰った。

足がとても重く感じる。

遠目から見ても分かるように家主の居ないはずの俺の家が、明かりを灯しているからだ。

どう考えても最近の熊野の様子はおかしい。

俺は顔を両手ではたき、気合を入れる。

ここは上官らしく、腹を割って原因を聞きださなくては。


熊野「あら、今日も遅いお帰りですこと」

提督「熊野...」

やはり熊野は俺の家にいた。
ソファーに座りながら、こちらに顔を向けずに熊野は話す。

提督「なあ熊野、お前何か悩み事があるんじゃないか。俺でよかったら話を聞くかr」

突如、視界が回る。
話し終わる前に、提督はソファーへと引きずり倒されていた。


提督「!?」

熊野「ねえ提督、私、大事な物にはちゃんと名前を書くべきだと思いますの」

提督「何を言って...」
首元に添えられた片手が、器用に一つずつ軍服のボタンを外していく。
抵抗しようにもまったく歯が立たない。

熊野「でも馬鹿正直に名前を書くほど、私も幼くはありませんの」

熊野「だからこうやって」

かぷり

提督「っ」

熊野「跡を残す事にしましたわ。私の物だって。」


熱の篭った吐息が首にかかる。

熊野「提督、提督....」

片手で両腕を組み伏せられている形だが、悲しいことに力を入れてもまったく動く気配がない。

その間にも提督の体には熊野の新しい歯形が刻まれていった。

数分だろうか、それでも提督にはとても長い時間に感じたが、急に熊野の噛み付きがとまる。

提督「熊野...?」

熊野「提督はやっぱり嫌ですか?こんな形は」

熊野「でも私、どうしようもない程、貴方が欲しいのですわ」

熊野「こんな衝動すら抑えられない位に」

熊野「うう...」


ぽとり、ぽとりと額に涙が落ちてくる。

熊野の顔には今までの余裕はかけらも残っておらず、泣き顔でくしゃくしゃになっていた。

提督「はぁ...よっこいしょっと」

熊野「きゃっ」

提督「なんかよく分かんないけどさ、もっと良く教えてくれよ。熊野の事」

膝元に熊野を抱き寄せる。

幼子をあやす様にしながら、俺は熊野に話を促した。


海に出るとき、もし無事に帰ってこれなかったらと不安になる事。

そのことを考えると、どうしても心に隙間が生まれる事。

そしてその隙間がどうしようもなく怖い事。

少しずつだが、熊野の口から言葉が出てくる。

熊野「でも、一日が終わった後に提督に会うとすごい安心するのですわ。今日も私は帰って来れましたって」

提督「だから最近俺の家に入り浸るようになったのか。」

熊野「ごめんなさい...。」


提督「いやいいんだ。誰にでも不安な事はあるし、それを教えてくれたんだから」

提督「それで、その不安を減らすためには俺は何をしたらいいんだ?」

熊野「それは、その...いいんですの?」

提督「俺に出来ることならな」

前世の俺がそれだけは言っちゃいけない、と言った気がしなくもないが、まあ乗りかかった船だ。

それにこれ以上恥ずかしいことはしないだろう。


熊野「もっと跡をつけさせて欲しいのと...それと、私にも跡をつけて欲しいのですわ」

そう言いながら熊野はスカートをたくし上げる。

目に毒な白い太ももが視界にちらつく。

気づけば俺はその太ももに手を這わせ、先ほどの熊野のように口を当てた。

熊野「あっ♡提督、ああっ...」


提督「熊野」

熊野「なんですの?」

汗をかいた二人は風呂に入った後、気持ちよい疲労感に包まれながら同じベッドの上で寝転がっていた。

提督「一応聞くけど、さっきのは演技じゃないよな?」

熊野「....」

ガブッ


提督「いった!マジで噛んだな!?」

熊野「提督が悪いのでしてよ」

提督「はぁ...まあ熊野が元に戻ったからいいけど。あと跡つけるのは程ほどにしてくれよ」

熊野「わはりまひは」

提督「噛みながらしゃべるなよ...くすぐったい」

熊野「んん...」

横で寝転ぶ熊野を見る。
穏やかな笑みを浮かべながら寝そべる、どうしようもなく不器用な彼女を見て、俺は眠りにつくのだった。


熊野「これは所謂、同伴出勤と言う奴なのでは?」

提督「馬鹿な事言ってないで、今日も一日」

熊野「がんばりますわあああああああ」

提督「ちょ、うるせえ!」

すっかり元に戻った熊野は、前よりも少し煩くなった気がする。

それでも今までに知らなかった一面を知ったおかげか、とても愛おしく感じてしまう。

早朝、執務室への廊下を歩いていると向かい側から鈴谷がやってきた。


鈴谷「熊野と提督!ちーっす!てか熊野、昨日どこ行ってたの?」

そう聞かれて熊野はしまった!という顔をする。

アリバイ作ってなかったのか...。

鈴谷「夜遊びは鈴谷、感心しないなー?まあ、いいけど。」

追求の手が緩まり、二人してほっとする。


鈴谷「まあ今日もよろし、...ん?提督、シャンプー変えたよね?」

提督・熊野「あ」

鈴谷「しかもこれ、鈴谷と熊野が使ってる奴と同じ匂い...」

青葉「どうも青葉ですー!今の話、詳しくきかせてもらいま」

今度は二人して、しまったと言う顔をしたのであった。

終了!
濡れ場は、私には、無理でした...^ω^

後、どなたかhtml化依頼のスレをご存知であれば教えていただけると幸いです...。

おつー

HTML化依頼スレッド
HTML化依頼スレッド - SSまとめ速報
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>>50
おお、ありがたいです...html依頼いってきます

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