【シャニマス】恋鐘「演技力ば磨こー!」 (63)

恋鐘「トップアイドルには演技力が必須ばい! やけん、これから特別レッスンばしよう!」バンッ

咲耶「レッスン?」

摩美々「わけ分かんないんですケド」

恋鐘「昨日、カラオケ行く前にやりたかことあるって言うたやろ? それがレッスンばい!」

摩美々「せっかくのオフなのにー、練習なんてめんどーなことやるんですかー?」

結華「まあまあまみみん、話を最後まで訊いてもいいんじゃない?」

霧子「恋鐘ちゃん……それってどんなレッスンなの?」

恋鐘「内容を知れば、面倒くさがり屋な摩美々も、きっと楽しゅう取り組めるばい!」ニコニコ

恋鐘「説明する前にもう1人来るけん、待っとって」

咲耶「もう1人? 私たちの他に誰が……」

恋鐘「あ、来た!」

スタタタッ

P「みんな待たせてごめん! 休日はいつもゆっくり寝てて、その癖で寝坊して……!」

霧子「プロデューサーさん……!」

咲耶「私服姿は新鮮だね」フフ

摩美々「遅れた罰としてー、あとでみんなに美味しいもの食べさせてくださいねー」フフ

P「う……まあ仕方ないな」

結華「それで? Pたんまで呼んで、どんなことするの?」

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P「そういえば、俺も何をするか知らされてなかったな」

咲耶「プロデューサーもかい?」

恋鐘「当然ばい。教えたら絶対に来てくれんもん」

P「え"っ。何をする気だよ」

恋鐘「ふっふっふ! 発表するばい! その名も、『レッスンプログラム〝家族〟』!」

恋鐘「今から事務所のレッスンルームば使うて、みんなで家族の演技ばすると!」

恋鐘「例えば、うちが母親でプロデューサーが父親。咲耶が姉、摩美々が妹とか」

恋鐘「それぞれがそれぞれの役ば意識して、完璧になりきる。そして一家団欒の楽しか時間ば過ごすん!」

「「「……」」」

恋鐘「な、何なんその目は?」

結華「要するに、おままごと?」

P「そんな事するために俺は呼び出されたのか……」

恋鐘「そげん事やと!? これはただのおままごとやなか! れっきとした演技レッスンばい!」

霧子「レッスンルームは使わせてもらえるの?」

恋鐘「安心して。ちゃんと使用許可ばもろうとーけん」

P「よく許してくれたな」

P「んー、本当に演技を磨くための練習になるんなら協力するけど」

恋鐘「それはみんなの意識次第やね。1人1人が役になりきろうとすれば、間違いのうレベルアップできる!」

P「そうか?」

摩美々「はーい、まみみは参加しまーす」

P「!」

恋鐘「ふふっ、やっぱり乗ってきた♪」

摩美々「プロデューサーも参加するならー、結構面白そうですしー」

咲耶「うん、楽しそうだね」

結華「こがたんの言うとおり、真剣にやればレッスンになりそうだね!」

霧子「み、みんながやるなら私も」

P「マジかよ」

恋鐘「5人ともOKやね! じゃ、今から事務所に行こう!」

P「おい待て。俺はまだ参加するとは…」

摩美々「強制参加ですよー」ガシッ

結華「三峰たちのレッスンになるんなら協力してくれるんでしょ?」ガシッ

咲耶「せっかく来てくれたんだし、付き合って欲しいな」ニコッ

霧子「行きましょう……!」

P「いやでもおままごとは…」

恋鐘「問答無用! みんな、連行や!」

P「分かったよ! 参加するから普通に歩かせてくれ!」

――――

恋鐘「これがセットばい」

咲耶「本格的だね。予想以上だよ」

結華「一般家庭のリビングを見事に再現してるねー」

P「こんなものどこから?」

恋鐘「はづきさんが用意してくれたんよ! 283プロに元々あったセットなんやって」

P「俺知らされてないんだけど……」

摩美々「まあ細かい事はどーでもいいじゃないですかー」

P(細かいか?)

霧子「あの……それで、どうやって始めるの?」

恋鐘「ここにある箱の中からクジば引いて、役が決まったら、向こうに用意されとー衣装ば着る」

恋鐘「そしてスタートばい!」

結華「早くない!?」

恋鐘「なりきれば準備なんていらん。その場その場で対応すりゃよか」

恋鐘「自由気ままに、家族の休日ば演出しよう!」

――――

恋鐘(母)「全員、役も決まって衣装着たね?」

結華(長女)「無難な役でよかったー」

摩美々(次女)「まみみはもうちょっと面白い役がよかったなーなんて」

霧子(ペットの猫)「……」

咲耶(父)「霧子、可愛いよ」

結華「猫耳しっぽがキュート! これは写真に撮って永久保存したいくらい!」

霧子「あ、ありがとう……でも猫って……」

恋鐘「そげん気にせんでよかばい! あくまで役やけん!」

P(?)「……」

恋鐘「さ、そろそろ始めよー!」

P(?)「恋鐘」

恋鐘「どげんしたと?」

P(?)「引き直していいかな」

恋鐘「ダーメ! クジは1回きり!」

P(?)「頼む、耐えられそうにないんだよ……」


P(赤ちゃん)「赤ちゃんの役なんて……!!」プルプル


霧子(引かなくてよかった)ホッ

結華「出ちゃったものはしょうがないよPたん」

摩美々「しっかりお世話してあげますからー」ニヤニヤ

P「嫌だ!! お願いだ、もう1回クジを!!」

恋鐘「しょうがなかね、はいどうぞ」スッ

P「ありがとう恋鐘……! よーし、赤ちゃん以外を引くぞ……」ガサゴソ

P「これだ!!」バンッ


『赤ちゃん』


P「ちくしょおおおお!!」

咲耶「ある意味引きが強いね」アハハ…

恋鐘「不正はしとらんけんね。さ、みんな始めるばい!」

恋鐘「プロデューサー、早う揺りかごに寝て」

P「やめていいかな……」

恋鐘「ダメ」

P「うう……」スタスタ

恋鐘「みんな位置についたね! 時間は10分、きっちり演じよう!」

恋鐘「よーい……アクション!」


恋鐘「ふんふんふふーん♪」トントントン

摩美々「ご飯まだー?」

恋鐘「もうちょっとやけん、待っとってな」

結華「ストップ」

恋鐘「え?」

結華「家族で1人だけ長崎弁っていうのはおかしくない?」

咲耶「いいんじゃないかな。そこを気にしてしまうと恋鐘の演技に負担がかかってしまうよ」

恋鐘「ううん、結華の言うとおりばい! なるべく訛らんよう気をつけるね」

恋鐘「ということで、演技再開!」


恋鐘「もうちょっとだから、待っててね」トントントン

結華「この匂いはカレー?」

恋鐘「正解♪」

咲耶「お母さんのカレーは絶品だからね、楽しみだよ」

霧子「にゃー、にゃー」

摩美々「あ、霧子が鳴いてるー。ご飯ー?」

結華「三みn……私があげるよ。ちょっと待っててね」

霧子「にゃーん」

P「……」

P(どうすればいいんだ俺)

P(っていうかよくこんなデカい揺りかご見つけてきたな)

摩美々「そういえばー、今日は赤ちゃんすごく大人しいねー」

結華「いつもならわんわん泣くのにね」

P「……!」ドキッ

恋鐘「いつもこうだと手がかからないんだけど、なんか赤ちゃんっぽくないねー」

P(泣けってか!? 赤ちゃんみたいに泣けってか!?)

P(くそっ、こうなったらヤケだ!)

P「う、うええええん! うええええん!」

恋鐘「言ってるそばから泣いちゃった」

恋鐘「ちょっと待っててねー、今いくから」スッ

摩美々「大丈夫だよママー、まみみが面倒見るからー」スタスタ

恋鐘「本当? ありがとね」

P「うえええん、うえええん」

摩美々「……」ジー

P「う……うえええん……」

摩美々「……」ジー

P(めちゃくちゃ恥ずかしい!!)

P(見ないでくれ摩美々……こんな俺を見つめないでくれ……!)

摩美々「……」


摩美々「いい子いい子ー」ナデナデ

P「!」


摩美々「よしよし、泣かないでねー」

摩美々「お腹空いたのかなー? もうすぐ待っててねー」ニコッ

P「……う、うええん! うわあああん!」

P(摩美々から母性を感じる。これは新たな一面かもしれない)

P(今後の仕事の幅が広がるかも)


摩美々「ほら、抱っこしてあげるからおいでー」

P(え?)

摩美々「よいしょ、重いなー。まみみの力じゃ持ち上がらないなー」

P「お、おい……そこまでする必要は……!」ヒソヒソ

摩美々「赤ちゃんは喋らない」

P「はい……じゃない、うえええん! ひっぐ、うわあああん!」

摩美々「こっちに来てー、あやしてあげるよー」グイグイ

P(力を貸せってか。ったく)

P「うえええん、うえええん」スッ

摩美々「おいでー」グイグイ

P「うええええん」ササッ

摩美々「はい抱っこー、いい子いい子ー」ナデナデ

P(抱っこというか抱きしめてるだけだな)

P「うえええん……ぐすっ……」

摩美々「よしよーし」ナデナデ

P「……」

摩美々「ふぅ、やっと泣き止んだー」

P「……」

P(何やってんだろ俺)

ムニュッ

P「!」

P(い、今更だけど胸が当たってるし顔が近い)

摩美々「可愛いねー赤ちゃん」ナデナデ

恋鐘「……」

恋鐘「摩美々、お母さんが代わるよ」

摩美々「え?」

恋鐘「抱っこの仕方がなってないから。お手本見せてあげる」

明日また投下します
シャニマスは楽しい

P(な、何を考えてるんだ恋鐘)

摩美々「いや、抱っこしたら落ち着いてくれたしー、これで合ってると思う」

恋鐘「いいからほら、一旦お母さんに預けて」

摩美々「……どーぞ」スッ

P「うわっ、ととっ……!」ガクッ


ムニュンッ


P「!!!」

恋鐘「いい子いい子、Pちゃんはいい子やねー」ナデナデ

P(や、柔らかい)

P(顔を見れば穏やかな笑み。母が子に向ける笑顔だ)

恋鐘「可愛かねー♪ ママやよー」ナデナデ

P「……」

P(マズい、何かに目覚めそうだ。それほどまでに母性がひしひしと……)


ムギュウ


P「んぶっ!?」

恋鐘「ねーむれー♪ ねーむれー♪」

P(顔が胸に埋もれて……息が……!!)

摩美々「ママ、方言出てる」

恋鐘「あ! うっかりしてた!」

P「んー! んー!」ジタバタ

結華「それどころじゃないってお母さん! 赤ちゃん苦しそうだよ!」

咲耶「違う意味で眠ってしまうよ!」

恋鐘「わわっ、ごめんね!?」ササッ

P「はぁ……はぁ……ふう……」

P(まともな呼吸ができて嬉しいような、もう少し感触を味わっていたかったような)

摩美々「ママじゃ赤ちゃんは落ち着かないみたいだからー、やっぱりまみみが抱っこするー」

恋鐘「こ、今度は大丈夫! ちゃんとあやすから、摩美々はカレーを見てて?」

摩美々「カレーはママが見ててよー」

恋鐘「料理より赤ちゃんの方が大事だから」

摩美々「……」

恋鐘「……」

恋鐘・摩美々「……」バチバチバチ

P(なぜ火花が散る)

――――

恋鐘「プロデューサーが土下座してでも役ば代えて欲しいらしいから、もう1回クジ引こう」

結華「そんなに嫌だったの?」

P「お前らも成人男性の赤ちゃんの演技なんて見たくないだろ」

咲耶「結構可愛かったよ」クスッ

P「嘘つけ」

摩美々「胸に埋もれて嬉しそうだったのにー」

P「そ、それは……」

恋鐘「話はそこまでにして、早う引いて」

霧子「えいっ」スッ

霧子(赤ちゃん)「そ……そんな……!」ガーン

P「頑張れ霧子。それしか言えない」ポンッ

恋鐘「プロデューサー、どうぞ!」

P「赤ちゃんが出ないなら安心して引けるよ」ガサゴソ

P(父親)「これだ! よし、父親役なら比較的簡単だな」

恋鐘・摩美々「!」

恋鐘(絶対に母親役ばとらんと!)メラメラ

摩美々「……」メラメラ

結華(こがたん燃えてる。まみみんも珍しくやる気が見えてる)

結華「先に引くねー」ガサゴソ

結華(5歳の娘)「うお、歳が設定してある」

P「5歳を演じないといけないのか」

結華「難しそう。三峰にできるかなー」

摩美々「はーい、次はまみみが引きまーす」ガサゴソ

恋鐘(母親以外にして母親以外にして……)

摩美々「それ」スッ

摩美々(ペットの犬)「……」

結華「猫以外もあるんだ」

咲耶「摩美々に犬耳か。これも可愛いだろうね」フフ

摩美々「外したー。まあ面白そうだからいいケド」

P「何を引きたかったんだ?」

摩美々「別に何だっていいじゃないですかー」

P「お、おう……」

咲耶「恋鐘、引いてもいいかな?」

恋鐘「えっ」

恋鐘(うーん、まあ残り物には福があるって言うし)

恋鐘「よかよ!」スッ

咲耶「ありがとう」ガサゴソ

恋鐘(母親以外、母親以外……)


咲耶(母)「おっと、母親だ」スッ

恋鐘「!!」ガーン

霧子「咲耶さんがやると、優しくて素敵なお母さんになりそう」

結華「うんうん! 咲耶ママありだよ!」

咲耶「そうかな。こういうのは私に似合わないと思うけど」

咲耶「ごめんね恋鐘、役をとってしまった」

恋鐘「へ? な、何で謝ると!? 別にうち役にこだわっとらんし!」アセアセ

結華(バレバレだ)

恋鐘「最後はうちやね。あと残っとー役は……」ガサゴソ

恋鐘「ほっ!」スッ


恋鐘(父の愛人)「……」

P・霧子・結華・咲耶「!?!?」


摩美々「へーそんなのあったんだー。面白そー」

P「いやいやいや愛人って!! 恋鐘お前どうしてそんなもの……!!」

結華「家族の休日が修羅場と化すよ」

恋鐘「あ、あははは……」

恋鐘「ごめん! 昨日の夜にウキウキで作っとって、冗談で書いたものが混入しとったみたい!」

咲耶「夜中のテンションというやつか」

霧子「どうするの?」

摩美々「出ちゃったものはしょうがないですよー。やりましょう」

P「えぇぇぇ……」

結華「そだね。昼ドラにありそうなドロドロドラマだと考えればいけるかも」

P「いけるか!?」

咲耶「とりあえずやってみよう。無理なら中断すればいいし」

摩美々「衣装に着替えてきますねー」スタスタ

恋鐘「愛人……どう演技しよう……」スタスタ

P(完全にやる流れだな。まあ咲耶の言ったように、変な感じになったらやめればいいか……)

――――

恋鐘「準備できた?」

P「オッケー」

恋鐘「設定は休日の夜、家族で楽しか時間ば過ごしとーところに」

咲耶「愛人が乗り込んでくるんだね。了解」

P(現実だったら怖くて見てられない状況だ)

恋鐘「では、よーい……アクション!」


P「うわ、この肉じゃが美味いなあ!」モグモグ

咲耶「そう? 嬉しいよ。隠し味が効いたのかな」

P「何を入れたんだ?」

咲耶「愛情だよ」クスッ

P「!」ドキッ

P(この微笑み、普段の咲耶とは違って優しい)

P(もちろんいつもの笑みも優しさを感じるんだけど、それ以上に……。好きな男に見せる笑顔ってことか)

咲耶「なんてね。ちょっと臭いセリフだったね」

P「そんなことは……」

結華「おかあさん、あとでいっしょにおフロはいろー」

咲耶「いいよ。結華の好きな入浴剤を入れようか」

結華「やったー!」

P「結華、お父さんとも入るか?」

結華「やだー」

咲耶「あはは、もうお父さん離れかい?」

P「ショックだなー」


霧子「ふえええん、ふえええん」

咲耶「あ」

P「俺が行くよ。ゆっくり食べてて」スッ

咲耶「ありがとう」ニコッ

P「霧子ー、お父さんだよー」

霧子「ふえええん、ふえええん」

P「おしゃぶりが外れちゃったのか。はい」スッ

霧子「ぱくっ。……」

咲耶「大人しくなったね」

P「……」

P(なんだろうこの気持ち。父性本能?)

霧子(うう……恥ずかしいからもういって、プロデューサーさん……!)

P「霧子は可愛いなあ」ナデナデ

霧子「!」

P「よしよし」ナデナデ

霧子「……っ」カァァ


摩美々「わん」

P「!」

摩美々「わーん」スリスリ

P「摩美々、ご飯か?」

摩美々「くーん」

P「……撫でて欲しいのか?」ナデナデ

摩美々「……♪」

P(ご満悦だ。鳴き声のトーンが全部同じだから分からん)ナデナデ

摩美々「!」ピクッ


摩美々「わんわんわん」

P「ど、どうした摩美々? いきなり吠え出して」


ピンポーン


咲耶「来客のようだ。私が出るよ」

P「いいよ、食べてて。席を立ったついでだ」

ここまでで
キャラが把握できていなかったらすみません

恋鐘「……」ピンポーン

P(手乗りサイズのインターホンなんてあったのか)

P「はい」スッ

恋鐘「……」

P「!! な……何で……!」

恋鐘「Pの家、ここやったんやなあ。ようやく見つけた」

P「恋鐘、一体どうやって……いやそれはいい。すぐに帰ってくれ!」

恋鐘「愛人がおるって、奥さんにバレるんが怖い?」

P「お、お願いだ。この通り!」ペコリ


咲耶「どうしたんだい?」

P「!!」

咲耶「綺麗な人だね。知り合い?」

P「あ……えっと……」

恋鐘「上がらせてもらうね」スタスタ

咲耶「え」

恋鐘「わー、素敵なお家やね。うちもこげんところに住んでみたい」

霧子「ばぶー」

結華「おねえさん、だれー?」

摩美々「わんわんわーん」

恋鐘「可愛か娘さんたちとワンちゃん。ごめんねー、知らん人が来てビックリさせてしもうたね」

咲耶「あの、あなたは……?」

恋鐘「すみません、挨拶が遅れました。うち旦那さんの愛人です」

咲耶「……え……?」

P「……」

恋鐘「旦那さんが長崎に主張した時、知り合うたんです」

恋鐘「それから連絡ばちょくちょく取って、少しずつ仲良うなって」

恋鐘「体の関係にまでなったんは3ヶ月くらい前かな? ばり優しゅうしてくれました」

恋鐘「その頃には……うちはすっかり旦那さんのことが好きになっとった」

P「……」

恋鐘「好きで好きでどうしようもなかった。うちだけんもんにしたかった」

恋鐘「ばってん、Pにはあんたがおる。夫婦の証である指輪ばつけたあんたが」

咲耶「結華、2階に上がってなさい」

結華「?」

咲耶「お風呂の用意ができたら呼びに行くから」

霧子(わたしはこのままなの……?)

結華「わかったー。まみみ、いっしょにあそぼー」

摩美々「わん」

タタタタ…

P(凄まじい緊張感だ。演技に熱が入ってる)

恋鐘「……」

咲耶「……」

P(入り過ぎてて怖い)

恋鐘「よか子ですね。大人しゅうお母さんの言うことば聞いて」

咲耶「……」

恋鐘「あの子も夫婦の証。2人の間に生まれた子供」

恋鐘「羨ましかね」

咲耶「……P」

P「!」

咲耶「今の、本当の話かい?」

P「……」

咲耶「嘘だと言って欲しい。この女の人が勝手に妄想してるだけだって」

恋鐘「妄想なんかやなかばい」

咲耶「貴方は黙っていてくれるかな」ギロッ

P・霧子(ひっ……!)ビクッ

咲耶「正直に言って。本当のことを話して」

P「……お、俺は……」

P「……全部、本当だ……」

咲耶「……ッ!」


バチィィィンッ


P「!?」

P(痛った! ……くない? 自分の手で手を打ったのか)

咲耶「最低だよ」

咲耶「私たちを……裏切ったんだね」

P「ち、違うんだ! あれは一夜限りの過ちで……!」

P「その後すごく反省して、恋鐘にはもう会うのはやめようって……でも行く先々に現れて……」

恋鐘「過ちなんて言わんで。行為の最中、何度も愛しとーって言うてくれたばい」

咲耶「黙っていてって言っただろう」

恋鐘「……」

>>28
主張じゃなく出張でした

咲耶「体の関係に至るまでは、この人に好意を持ってたんだろう?」

咲耶「そして思いは一線を越えて、手を出してしまった。そこが許せない」

P「……」

咲耶「もっと許せないのが、この人と肉体関係を持ってしまった時、私に全てを打ち明けてくれなかったこと」

咲耶「本当に反省してるのなら、まず言わなきゃダメだよね」

P「……」

P(威圧感がヤバい。もう演技中断させたい)

P「すまなかった! 俺は自分の身を守るために、浮気したことをずっと伝えなかった!」

P「最悪最低の男だ!!」ガバッ

恋鐘「P、可哀想……土下座までせんでもよかよ」

咲耶「誰のせいだと思ってるんだい」

咲耶「元はと言えば、貴方がPを誘惑しなかったらこんな事にはなってなかったのに」

恋鐘「誘惑なんてしとらんよ? うちは定食屋で、普通に働いとっただけやけん」

恋鐘「あー、ばってんうちはナイスバディやし、普通にしとっても男の人誘惑してしまうんかもね」

咲耶「どうやら貴方は、人の夫と寝たという事実の重大さを理解してないみたいだ」

恋鐘「しとるよ?」

咲耶「した上で私たちの家庭に足を踏み入れたのか」

恋鐘「うん。さっきも言うたけどうち、Pのこと愛しとーし」

恋鐘「こうして奥さんの前に姿ば現せば、関係も拗れて離婚するかなって」

咲耶「なるほど。ねじ曲がってるね」

恋鐘・咲耶「……」ゴゴゴゴ

P(龍と虎の睨み合いだ)

霧子(怖い……)プルプル


結華「はいそこまでー!」

恋鐘・咲耶「!」

摩美々「このままだと終わるとこ見失っちゃうんでー、中断ー」

P「助かった……圧が凄くて言い出せなかったんだよ」

恋鐘「うち、すっぽりと役になりきっとった」

咲耶「私もだよ。プロデューサー大丈夫かい? 殴る演技のつもりが、少し頬に当たってしまったね」サワサワ

P「大丈夫。しかし緊張感がすごかったな」

霧子「うん……見入っちゃって演技を忘れてた……」

結華「手に汗握ったよー! こがたんとさくやんの対峙」

咲耶「嬉しいよ」フフッ

恋鐘「えへへ、照れるばい。将来は女優としてもやっていけそうやね!」

摩美々「プロデューサーの演技もよかったですよー。特に土下座がー」クスクス

P「あれは自然としてしまったんだ。咲耶が怖くて怖くて」

ここまでにします
また明日投下します

咲耶「そんなに怖かった?」

恋鐘「うちも危うく土下座するとこやった」

咲耶「そ、そうか……」

P「まあ咲耶が本気で役に取り組んだ証拠だからな」

P「それに食卓を囲むお母さんの演技も素敵だったよ」

霧子「うん。すごく優しい目で、綺麗だった」

結華「さくやんは間違いなく良妻賢母になるね」

咲耶「はは……恥ずかしいな。ありがとう」

摩美々「摩美々もまあまあ犬になりきれてたと思うんですケド」

P「そうだな、摩美々なりに頑張ってたよ」

咲耶「可愛かったよ。結華も5歳の演技ができてたと思うし、霧子だって…」

霧子「わたしには触れないで……」

結華「どうして? あんなに可愛かったのにー!」

P「父性本能が働いたよ」

恋鐘「もう1回やってくれん? 間近で見たい!」

霧子「ぜ、絶対いや……!」カァァ


――――

恋鐘「クジ引きタイムー!」

P「まだやるのか。俺抜けていい?」

恋鐘「何言いよーと! まだ2回しかやっとらんのに」

P「2回もやったじゃないか。5人の演技を隅っこで見てるから…」

摩美々「はいどーぞ」スッ

P「え?」

摩美々「プロデューサーの分、引いておきましたよー」

P(長男)「……」

結華「無難な役だしさ、あと少しだけ付き合ってよ!」

P「分かったよ。もう少しだけな」

咲耶「ありがとう」ニコッ

咲耶(姉)「私は姉だ。……ん?」

咲耶(義理の姉)「よく見ると違う。小さく『義理の』と書かれている」

P「義理の姉?」

三峰(義理の姉その2)「三峰は、義理の姉その2だって」

霧子(義理の妹)「わたしは義理の妹……」

摩美々(義理の妹その2)「まみみは妹その2ー」

P「義理だらけじゃねえか!」

恋鐘(義理の姉その3)「きっとお父さんの再婚相手のお子さんが、5人姉妹やったんやね」

P「恋鐘も義理の姉か」

恋鐘「まさかこげん義理が揃うとは思わんかったばい。偶然ってあるもんやね」

P「箱に細工したりしてないだろうな?」

恋鐘「誓うてそげんことはしとらん! 何なら確かめてみる?」

P「いや、その目は本当のことを言ってる目だ。信じよう」

P「ってか両親がいないって、どういう状況だ」

三峰「夫婦水いらずで旅行に行ってるんじゃない?」

咲耶「子供を置いて?」

恋鐘「両親2人とも海外出張しとーっていうんはどうやろう」

霧子「なかなか会えない家庭事情なんだね……」

P(まるでマンガやゲーム、アニメの設定だな)

摩美々「何でもいいから早く始めようよー」

恋鐘「そうやね! じゃ、みんな位置について!」

恋鐘「準備はよかね? よーい……スタート!」


恋鐘「みんなー、もうすぐお昼ご飯できるよー♪」

咲耶「ありがとう恋鐘」

結華「任せちゃってごめんね」

少ないのですが、ここまでで

恋鐘「ううん、私料理大好きだし!」

P(ちゃんと標準語だな。咲耶が長女、結華が次女、恋鐘が三女かな)

霧子「摩美々ちゃん、テレビはあとにしよう」

摩美々「はーい」

P(そして霧子が四女、摩美々が末女? その2、その3をそのまま反映してるのか)

――――

結華「あー美味しかった! 恋鐘の料理は最高だよー!」

恋鐘「それほどでも」エヘヘ

霧子「恋鐘お姉ちゃん、いつも作ってくれてありがとう」

恋鐘「え?」

霧子「?」

恋鐘「……霧子、今のもう一度言ってくれないかな」

霧子「いつも作ってくれてありがとう」

恋鐘「その前!」

霧子「こ、恋鐘お姉ちゃん?」


恋鐘「可愛かー!」ギュッ

霧子「!?」


恋鐘「愛くるしい! 霧子にお姉ちゃん言われるなんて、こげん体験めったに無か!」

P「恋鐘、方言」

恋鐘「はっ! 油断しとった!」

結華「その気持ち分かるかも~。ねえ霧子、私はなんて呼んでるんだっけ?」

霧子「結華お姉ちゃん……?」

結華「可愛いー! お姉ちゃんだよー!」ナデナデ

霧子「あう……」カァァ

咲耶「ふふ。ところで、摩美々は私たちをどう呼ぶのかな?」

摩美々「え」

摩美々「……普通に名前で呼ぶケド」

恋鐘「ダメだよ! 私たちはお姉ちゃんなんだから!」

結華「摩美々、言ってごらん? お姉ちゃんって」

摩美々「……」


摩美々「……お姉ちゃん……」ボソッ

恋鐘・結華「かーわーいーいー!」ギュー


咲耶「摩美々の照れ。良いものが見られたよ」フフ

摩美々「別に照れてないですしー」

P「……なあ霧子」

霧子「?」

P「俺のことはなんて呼んでるんだっけ?」

霧子「お兄ちゃん」

P「ありがとう」

P(このレッスン……やってよかったかもしれない)

恋鐘「P、鼻の下が伸びてるよ」ジトー

結華「妹に変な感情持たないでね?」ジトー

P「の、伸びてないし持たないよ」

恋鐘「どうだか」

摩美々「いいんじゃないですかー?」

恋鐘「へ?」

摩美々「だってまみみたちー、義理の姉妹ですしー」

摩美々「そういう目で見られてもおかしくないっていうかー」

恋鐘「な、何を言って…」


摩美々「ねー、お兄ちゃん♡」ギュッ

P「!」

恋鐘(なあ!?)


霧子(そういう目って、どういう目……?)

恋鐘「ふっ、ふ、不謹慎やぁぁぁ!! そげんこと誰が許すと!?」

摩美々「でもー、わざわざ義理ってついてるんですしー」

恋鐘「ついとーからなんや!」

P「落ち着け恋鐘! まだ演技の途中で…」

恋鐘「一時中断! こげん展開、無しやろ!? 大体プロデューサーも何でニヤついとー!」

P「ええ!? に、ニヤついてなんか……!」

咲耶「クールダウンしよう恋鐘」

恋鐘「咲耶……ばってん……」

咲耶「気持ちは分かる。家族の演技という名目だから、摩美々の言う方向に行ってしまうと」

咲耶「展開がめちゃくちゃになってしまいかねない」

恋鐘「やろ? やろ?」

結華「だけど」

恋鐘「!」

結華「まみみんの言うことも理解はできるよ」

結華「年頃の男の子の周りにさ。こんな美少女揃いの義理姉妹がいたら、ちょっとくらいエッチな目で見ちゃうこともあるよ」

結華「そしてその熱い視線で射止められて、家族の垣根を越えちゃうケースも……」

恋鐘「そうやろうか?」

結華「うん。だから、間をとってこうしない?」

結華「まみみんみたいにやりたい人はやればいい。でも他の姉妹にバレないようにこっそりと」

結華「そうしないと、さっきのこがたんみたいに怒られちゃうし」

恋鐘「まあ……普通は怒られるやろうね。血は繋がっとらんでも家族なんやし」

結華「そうそう。で、健全な家族を演じたいなら、今までみたいに表裏のない自然な演技をすればいいよ」

結華「どう?」

恋鐘「……」

P「俺は強制的に摩美々に付き合わなきゃいけないんだよな?」

結華「姉妹側の一方的な感情ってのもケースとして考えられるし、嫌なら躱していいんじゃない?」

P「なるほど」

P(じゃあ摩美々には悪いけど、普通の演技をしようかな)

摩美々「躱させませんけどねー」ボソッ

P「ん?」

摩美々「何でも」

咲耶「結華に賛成だ。そもそもこの演技レッスンは、臨機応変に対応していく体だったよね」

霧子「わたしも……」

恋鐘「……うん。その通りや」

恋鐘「みんな、止めてしもうてごめんね? 再開しよう!」

――――

結華「どこで中断したんだっけ」

摩美々「まみみがお兄ちゃんの腕に抱きついたところですよー」ギュッ

恋鐘「……」

P(まだ始まってないのに)

恋鐘「そうやったね、そこから始めよう!」

恋鐘「いくよ? よーい、スタート!」

摩美々「ねーお兄ちゃん、あとで一緒にショッピング行こーよ」ギュー

P「ごめん。ちょっと約束があってさ」

P(俺もどちらかと言えば平和な家族の雰囲気を作りたい。軌道修正を図るぞ)

摩美々「どんな約束ー?」

P「えっと……」


恋鐘「私とデートするんだよね」

P・摩美々「!?」


P「こ、恋鐘……?」

恋鐘「お姉ちゃんを呼び捨てにしないの!」ニコニコ

摩美々「……」

P(どういうつもりだ恋鐘!? そっちには行かないんじゃなかったのか!?)

恋鐘(摩美々……摩美々がその気なら、うちも乗っかるばい)

恋鐘(プロデューサーは渡さん!!)キッ

摩美々「嘘でしょー?」

恋鐘「嘘じゃないよ。Pは私と買い物に行くの」スタスタ

恋鐘「ねー?」ムニュンッ

P(背中にダイレクト!!)

摩美々「お姉ちゃんじゃなくてお兄ちゃんに聞いてるんだけどー」

摩美々「ねえ、嘘だよねー? お兄ちゃんはまみみと一緒に居たほうが楽しいだろーし」ズイッ

P(顔近すぎる!!)

恋鐘「お姉ちゃんと居たほうが楽しいよね?」ムニュムニュ

摩美々「お姉ちゃんより妹だよねー」ジー

P(もう何なんだよこれ!!)


咲耶「こら、恋鐘に摩美々」

恋鐘・摩美々「!」

咲耶「Pが困っているだろう。離してあげなさい」

P(おお! さすが長女だ!)

恋鐘「でも……」

咲耶「でもじゃない」

摩美々「だってー」

咲耶「だってでもない。もしかして2人は、Pのことを…」

恋鐘「そ、それは違うよ!」

摩美々「お兄ちゃんはお兄ちゃんだから」

咲耶「まだ何も言ってないんだけど……そうか、安心したよ」

咲耶「実は2人が、Pに気があるんじゃないかと疑っていたんだ。杞憂だったね」

P(家族にバレないように過ごすという点を上手く突いたな)

P(助かったよ。ありがとう咲耶)

P「じゃあ俺はそろそろ出かけるから」スッ

P(退場しよう。男の俺さえいなければ、いがみ合うこともないだろう)スタスタ

P(これ以上演技をしなくて済むしな。我ながら良い抜け道を…)


咲耶「どこに行くのかな」ガシッ

P「へ?」


咲耶「約束をすっぽかすつもりかい?」

P「や、約束……?」

咲耶「今日はお姉ちゃんの部屋で勉強を教わる予定だろう」

P・恋鐘・摩美々「!?!?!?」

結華(わーお、そうきたかー)

霧子(優しいお姉ちゃん)

咲耶「さあ、行こうか」グイグイ

P「待て待て!! そんな約束してないって!」

咲耶(ごめんねプロデューサー。面白そうだったから乗ってしまった)

恋鐘「ま、まさかお姉ちゃんも……!」

摩美々「こっち側だったんだー」

咲耶「こっち側? 何のことかな」

恋鐘(こ、こりゃ強敵や。どうすりゃよか!?)

摩美々「……」

摩美々「まみみも一緒に勉強したーい」

咲耶「摩美々も?」

恋鐘「うち……私も勉強したい! ちょうど教えて欲しいところがあって!」

咲耶「うーん、それは困ったな。私の部屋は2人しか入れないんだよ」

P「どんだけ狭いんだよ!?」

結華(スネオみたいな)

咲耶「だから諦めて。また今度教えてあげるから」

恋鐘「いや」ムギュウッ

P「ふぐっ!?」

P(また顔が胸に! わざとか!?)

摩美々「2人きりなんて危ないしー、絶対に行かせない」ギュー

咲耶「危ない? 変なこと考えないで欲しいな。やましいことは何もしないよ」

咲耶「それに、そんなに引っ張ったらPが痛がるよ。離してあげよう」

摩美々「お姉ちゃんが離せば済む離しだしー」

恋鐘「そうそう!」

P(呼吸困難! 呼吸困難!)


結華「霧子ー、もう1回お姉ちゃんって呼んでみて」

霧子「お姉ちゃん」

結華「可愛いなあ。霧子がいい子だねー」ナデナデ

霧子「えへへ……」


ギャーギャー ワーワー

P(あ、マズい。意識が薄れてきたかも)

P(誰か助けてくれ……女の子の胸に顔を埋めて窒息死なんてしたくない……)

P(いや、考えようによっては夢のような死に方だけど……)


コンコン

はづき「失礼しますー。プロデューサーさんがいらっしゃると聞いたんですけど…」ガチャ

恋鐘「あ」

咲耶「はづきさん」

P(力が弱まった!)

P「ぶはあっ!」ガバッ

P「はーっ、はーっ、はーっ……おい恋鐘! またお前は胸に…」

P「!?」ゾクッ

P(背筋が凍るような威圧感!! も、もしかして)

はづき「……」

P(はづきさんいるー!!)ガーン

P「あ、あの……」

はづき「……」

P「今のは故意じゃないんです。俺もレッスンに参加してて、なりゆきで……」アハハ

はづき「なーんだ、なりゆきだったんですか」アハハ

P「は、はいそうなんです! 恋鐘が勢い余って……な?」

恋鐘「……」ガタガタ

P「恋鐘? どうして震え…」

はづき「なりゆきで女の子の胸に顔をダイブさせるって」

はづき「どんな状況でしょうねぇ?」ニコォ…

P「!!」ビクッ

P「ごごごごごめんなさいぃぃぃぃ!!」ガバッ

咲耶(は、はづきさんって怒るとこんなに怖いんだね)ハハ…

摩美々(下手に動かない方がいいかも)

結華(あわわわ……)ガタガタ

霧子「……!」プルプル


恋鐘「あ、あのぅ」

はづき「はい」

恋鐘「プロデューサーはうちらに付き合うてくれただけで……」

結華「そうなんですよ! どちらかというと、調子に乗っちゃった三峰たちが……」

霧子「悪いんです……」

摩美々「霧子は悪くないよー。主にまみみが悪い子だったんでー」

咲耶「私も遊び心で好き勝手やりすぎてしまいました」

はづき「……」

はづき「まあ、詳しい事情を聞かずに怒りを出してしまった私もいけませんよね」

はづき「頭を上げてくださいプロデューサーさん。強く当たりすぎてすみませんでした」

P「アイドルにベッタリと触れてしまったのは事実なので……」

はづき「とりあえずお話を聞かせてください。お仕事の件で伺いたいこともあるので」

P「分かりました」スッ

P「5人とも、レッスンを中断して待っててくれないか? 昼飯を食べに行こう」

霧子「あ……もうこんな時間なんだ」

結華「気づかなかったね。了解!」

(5分後)

恋鐘「プロデューサー大丈夫やろか」

摩美々「悲鳴が聞こえないってことはー、無事だと思う」

恋鐘「もし叱られとったら乱入せんばいかんね」

霧子「謝らなきゃ……」

結華「話は変わるけど、みんな何食べたい?」

咲耶「私はみんなの意見に従うよ」

霧子「わたしも。みんなと一緒なら何を食べても美味しいし……」

結華「きりりんは癒しだねー」

摩美々「はーい、お寿司がいいなー」

結華「回らないやつ?」

摩美々「それはさすがにプロデューサーが可哀想なんでー、回るやつでー」

結華「だよね」

恋鐘「じゃ、あとでお願いみよう!」

――――

はづき「事情は分かりました」

P「はい」

はづき「けど、これからはそういうこと未然に防いでくださいね?」

P「充分に承知しております」

はづき「お願いしますよ」

はづき「さてと、次の話ですけど」

P「仕事の件でしたよね? WINGですか?」

はづき「……」

はづき「……埋もれたいですか?」

P「は?」

はづき「女の子の胸、埋もれたいですか?」

P「何言ってるんですか」

はづき「だって恋鐘ちゃんの胸から顔を上げたプロデューサーさん、幸せそうでしたよ」

P「嘘」

はづき「本当です」

P「……」

P「そりゃ……埋もれたいか埋もれたくないかで言えば埋もれたいですよ」

P「男ですし。仕事終わって家に帰ってきた時とか、あんな事できたら最高ですね、疲れが吹っ飛びます」

はづき「喋り過ぎです」

P「ごめんなさい」

はづき「でも正直で大変よろしいです」

はづき「……私でよければ……」

P「?」

はづき「私でよければ、抱きかかえてあげますよ」

P「……」

P「え?」

はづき「そんな欲望をアイドル相手にさらけ出してしまったら大変じゃないですか」

P「さらけ出さないですけどね」

はづき「とにかく、私ならプロデューサーさんと同じ立場ですし。胸くらい貸してあげますよ」

はづき「さらに、今ならお姉さんや妹、お母さんなどの演技をしながら接するオプション付き」

P「……」

はづき「嫌ならいいんですよ」

P「そうじゃないんです! はづきさんに触れるのも、それはそれでマズいような気が……」

はづき「仕事のお話をしましょうかー」

P「ま、待ってください!」

P「……」

P「……お姉さんでお願いしても……」

はづき「ふふ」

はづき「いいよ♪ おいで♡」


このあとめちゃくちゃ甘えた

あとお寿司食べた


おわり

もっとやりようあった気がしますが、終わりです
読んでくださってありがとうございました
シャニマスss増えて欲しい

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