【モバマス】シンデレラにありがとうを (7)

アイドルマスターシンデレラガールズの二次創作です
一人称視点、アイドルは出てこないSSなので注意

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安部菜々という子を知っているだろうか?

最近シンデレラガールというアイドルの一つの頂点に到達したということで彼女は一気に巷でも有名になっていった。

普段アイドルとかに興味を持っていないような人々でさえ話題にすれば知っているというぐらいには有名になった。

少し前まではあまり一般人向けのCMとかに出演はしていなかったのに今では彼女の姿をテレビで見ない日はない。

そんな風に彼女はあっという間に世間にウサミンという名前とウサミン星人という強力なキャラクターを浸透させたのだ。

安部菜々という子を知っていますか?

ちょっと涙もろくて、ちょっとうっかり屋さんで、そして物凄く頑張り屋さんな女の子。

彼女のことはよく知っている。それこそアイドルになる前からと言ってもいい。

もうどのくらい前のことだろう。求人募集を見てきましたと言ってやってきたのはどう見てもまだバイトできるような年齢には見えない少女だった。

メイドカフェという特殊な場と、その真面目な人柄、ちょっとうっかりだけど一生懸命な仕事っぷりに彼女はあっという間に職場でも人気になっていった。

ある時ふと彼女の夢を聞いたとき、歌って踊れる声優アイドルになりたい。という夢を聞いて、私は彼女を地下アイドルに誘った。

それから彼女は一生懸命馬鹿にされながらも夢を叶えるためにアイドルとして頑張り続けていた。

一人、また一人、メイドカフェやアイドル仲間が夢を諦め去っていくたびに彼女は笑って辞めていく仲間を送り出していった。

不思議なことに辞めていく仲間は誰も彼女に夢を諦めたほうがいいとは言わず、頑張ってと彼女を励ましていた。

そして、ある時私も自身がもうアイドルを目指すというのに諦めて、彼女を誘っておいて先に夢を追うことを止めてしまった。

それでも彼女は笑顔で、新しい職場は決まってるのかとか、私の将来を心配してくれていたのも覚えている。

彼女を初めて見かけたのはいろいろあって、半ば自棄になりながら街を歩いていた時だった。

メイド服を着てメイドカフェの宣伝をしている時に声を掛けられ、誰でもいいから優しくされたいと思った時だった。

店で会話をし、自分の心情を吐露した時、まるで母親のような慈愛の言葉で慰めてもらってから何度も彼女に会うために店に通うようになった。

そこで彼女が地下アイドルとして活動してるということも知り、一人のファンとして彼女を応援し続けた。

彼女が頑張っているからこそ、自分も頑張ろうと決意して一生懸命生きようと決めて頑張ることができた。

ある時彼女が劇場から姿を消した。辞めたのではなくとあるアイドル事務所にスカウトされたという話だった。

そこから彼女は地下劇場という狭い世界から広い世界へと活動の場を変えていった。

彼女がとあるプロダクションにスカウトされてからアイドルとして活動し始めたというのは聞いていた。

ある日たまたま見ていたテレビで彼女の姿を見かけたとき、あの時から変わらない素敵な笑顔で頑張り屋さんでちょっとドジだった。

そんな彼女がアイドルとしての頂点にたどり着いた。きっと私たちと同じような子にも希望になったと思う。

何より夢を諦めた私たちにとっても地下アイドルにだってチャンスはあった。彼女がそれを証明してくれたという救いだったかもしれない。



だから、ウサミンに言いたい。

ありがとう、そしておめでとうと

短いですが終わりです。
ウサミンシンデレラおめでとうございます。
地下アイドルやってたりメイドカフェで働いてたということはアイドルになる前のウサミンのファンもいただろうし
きっとシンデレラになったウサミンのことを見たらいろいろ感極まるんじゃないかと思って書いたSSでした

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