綾乃「たとえ負けるとわかっていても」 (42)

京子「あっやのー!おはよう!」

結衣「綾乃おはよう」

綾乃「おはよう二人とも」

京子「結衣~宿題見せて~」

結衣「やってきてないのかよ!なんで昨日私の家で言わなかったんだよ!」

京子「それは・・・」

結衣「なんだよ?」

京子(一緒の時間を宿題で潰したくなかったんだよ・・・)

結衣「ハァ・・・まぁいいや」

結衣「教えてやるからちゃんとやれ」

京子「写させてよー」

綾乃「・・・」

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私は恋をしている。友人の歳納京子に・・・
でも歳納京子の心にはあの人がいる。私の友人でもある船見結衣さん・・・
二人は幼馴染だし、友人で収まりきらない絆を持っている・・・私と違って
よく恋に時間は関係ないと言うけど、信頼関係は時間をかけて出来上がる

綾乃「・・・」

歳納京子は船見さんのことが好きだ。歳納京子のことを見てきたからわかる。皮肉な話だけど・・・
あの元気な女の子は船見さんがいないときは寂しそうな顔をする。船見さんといる時と私といる時じゃ笑顔の質が違う
全く違う。船見さんは私が出せない笑顔をいとも簡単に出せる・・・

綾乃(諦めた方が・・・いいのかしら)

そう思うけれど・・・やはりあの子を諦めきれない
この程度で諦めるなら所詮それまでの恋・・・引く勇気もなければ一歩進む勇気もないのだけれど

船見さんも歳納京子が好きなんだろう。これは予想でしかないけど・・・
船見さんはクラスでもカッコいいと人気だし、後輩の子達にラブレターを貰うこともあるらしい
それは私もそう思う。船見さんはカッコいい
でも歳納京子は船見さんの他の面も含めて好きなんだろう

綾乃「もう・・・放課後なのね・・・」

あまり授業に集中できなかったな・・・
そう思いながら生徒会室へ向かう。船見さんと歳納京子も占拠した茶道部室へ向かうようだ

綾乃(勝てる見込みは・・・ないないナイアガラよね・・)

綾乃「千歳・・・いる?」

先に生徒会室へ行っていた親友の名前を呼ぶ
彼女は私の幸せを望んでるようだけどごめん・・・幸せになれそうにない

千歳「おるでぇ」ニコニコ

綾乃「今日の仕事は書類整理だけよね?さっさと終わらせましょう」

櫻子「杉浦先輩!池田先輩!こんにちわ!」ガチャン!

向日葵「声が大きいですわおバカ」

向日葵「杉浦先輩、池田先輩こんにちは」ニコッ

生徒会の幼馴染コンビ大室さんと古谷さん・・・彼女たちの関係はあの二人に似てる
特に・・・相思相愛なところとか・・・

千歳「綾乃ちゃんどうしたん?元気ないで?」

綾乃「・・・大丈夫、問題なんてないないナイアガラよ」

いつのまにか生徒会の仕事も終わり、千歳と二人で帰る
千歳には言っといた方がいいかもね・・・

綾乃「ねぇ千歳・・・」

千歳「ん?なんや?」

綾乃「船見さんと歳納京子ってやっぱり相思相愛よね・・・」

千歳「・・・」

綾乃「敵わないような気がするわ・・・船見さんと私じゃ勝負になってないし・・・」

ネガティブな発言を繰り返す。心のどこかで諦めているのかも

綾乃「歳納京子は船見さんが好きだわ・・・私が未練たらたらでも迷惑よね」

千歳「綾乃ちゃん・・・」

千歳「綾乃ちゃんの気持ちはそんなもんだったん?」

自分でもそう思ってる

千歳「簡単に諦めてええの?」

諦めるしかないのよ

千歳「綾乃ちゃんは歳納さんのことが好きなんやろ!?」

そんなこと自分が一番よくわかってる

千歳「それが綾乃ちゃんの出した結論ならこれ以上言わへんけど・・・」

千歳「もしそうならちょっとがっかりやわ」

綾乃「っ・・・・!」

綾乃「うるさいっ!私の気持ちも知らないくせに!」

私の悩みを否定した千歳に無性に腹が立った。親友に否定されて正気でいられる精神なんか持ってない

綾乃「どれだけ悩んだと思ってるのよ!?千歳ならわかってくれると思ってたのに!」

綾乃「忘れようと頑張ってるのに・・・!」ポロポロ・・・

気がつけば泣いていた。諦めようとした恋を思い出した
千歳はそれが狙いだったかもしれないけど・・・私が受け止めるには強すぎる感情だった
辛くて苦しい。心の奥から溢れ出る感情。自分が壊れてしまいそう

千歳「っ・・・!ごめんな綾乃ちゃ・・・」

謝ろうとしている千歳。でもこれ以上声は聞こえない。千歳は自分の気持ちに正直にさせようとしていた
私が正直な感情を受け止められなかった。悪いのは私なのに・・・・!

綾乃「・・・・!」ダダッ・・・

千歳「待っ・・・綾・・・」

聞こえない。聞こえない。聞こえない。
走り出した先が目的地の訳でもない。途中、赤座さんが見えた
何か言っているようだったけど・・・やはり聞こえない

思い出した愛情は止まらない。今も溢れている。
今、顔グチャグチャなんだろうな・・・
気がついたら以前歳納京子と行った公園にいた。家に近づいてたのか

綾乃「歳納京子・・・」

叶わない初恋の相手の名前を呼ぶ
いつのまにか涙は止まっている。気持ちが落ち着いた訳ではないけど
それどころか、感情はまた荒ぶることになる

京子「どうしたの?綾乃?」

酷いタイミングで初恋の相手は目の前に・・・現れた

綾乃「歳納・・・・京子」

愛しい。ただ愛しい。諦めようとしたのに。引く勇気がない自分を騙して引いたのに。
今一番会いたい相手。でも、一番会いたくなかった相手

京子「綾乃大丈夫か?家まで送るよ?」

綾乃「大・・・丈夫よ・・」

あれ?よく考えたら彼女の家はこっちではない。こっちの方角にあるのは・・・

京子「そう?大丈夫ならいいけど。じゃあ私は・・・」

聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。さっきは聞こえないのが苦しかったはずなのに
やめて。お願い。一瞬だけ私の耳を聞こえなくして・・・・
絶対に聞きたくない言葉が彼女の口から放たれる

京子「今から結衣の家行くから!」

また感情が止まらなくなる。彼女は走って見えなくなったのが不幸中の幸いだろう
私の気持ちは今、砕かれた。愛を思い出してしまった後に、愛の相手は別の人の家に向かった・・・
普段通りだけど、私は普段の私じゃない
叫びそう・・・いやダメだ叫んじゃう・・・

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」

近所迷惑になる叫び。涙は止まらない。叫んだだけじゃ感情も発散できない
蘇る。思い出。歳納京子の想いに気づく前のあの思い出。もう・・・戻れない思い出
歳納京子のためならなんでもできる自信があった。愛は必ず叶うと思っていた
ピュアだな私は・・・

できるなら歳納京子とただの友達になりたかった。千歳のような・・・
でも好きになった。初めて恋を経験した。同性だけど・・・恋だとはっきり気づいた
そこで思い出は止まる。多分ここから先は思い出したくないんだろう・・・

千歳「綾乃・・・ちゃん」

目の前に親友がいた。自分を追いかけてきたんだろう。

綾乃「千・・・歳」

自分はもう何も言えない。私は千歳の前から逃げ出した。しかも、千歳の声を無視して

千歳「ごめんな・・・綾乃ちゃん」

綾乃「・・・・!なんであなたが謝るのよ・・・!」

中途半端に忘れようとした自分を叱ってくれた。あなたは悪くないのに!

千歳「ごめんな・・・綾乃ちゃんの気持ちに上から目線で否定して・・・」

違う!苦しいけど・・・忘れようとした感情を戻してくれた!
思っていることが口に出せない。苦しさが上回る。

千歳「今泣いてるのはうちのせいやろ・・・?」

違うの!思いを壊したのはあなたじゃない!
忘れたままならもっと苦しかった。そう思っていても・・・辛い。
幸せに生きたかった。無理だから諦めた・・・気になっていた

やっぱり歳納京子のことが好きだった
あなたがいなければ・・・
私の想いは砕けたけど・・・あなたとの友情まで壊したくない!
動いてよ・・・私の口・・・

歳納京子が好きで泣いていたのに今は千歳を失うのが怖くて泣いていた

千歳「綾乃ちゃん・・・もうそんなことせぇへんから・・・許して・・・」

綾乃「あたり・・・まえよっ・・・!」

・・・・・声が出た

綾乃「あなたを嫌いに・・・なるなんて絶対にない・・・から・・・!」

不思議だ・・・歳納京子の口から船見さんのことを聞いたときは、絶望したけど・・・
あの一言がなければ千歳とはずっと・・・
私は清々しい気分にすらなっていた

今の私は歳納京子のことを諦めきれていない
絶望したけど、まだ歳納京子のことが好きだ・・・
多分、諦めきるためには・・・
告白しよう。諦めないと友情を失う。
振られて・・・その時は・・・歳納京子の恋を応援しよう・・・
絶望を乗り切った私ならきっと耐えられる

翌日

京子「綾乃?話って何?」

綾乃「今から言うこと・・・引かないで聞いて?」

振られるのではなく引かれるなら耐えきれそうにない

綾乃「私は・・・あなたのことが・・・・好き」

綾乃「私と付き合って・・・くれる?」

京子「・・・」

京子「・・・綾乃ありがとう」

京子「嬉しいよ」

今から聞くことのために用心する
次に歳納京子が言う言葉がわかる。私は振られる
でもそれでいい
そうでもしないと諦めなれないから・・・・
耐えきる準備をしてきたから・・・・
そのために私はここで告白したから・・・・
あの人に敵わないと知っていても・・・・






たとえ負けるとわかっていても・・・・


京子「でも、ごめんね」

京子「私は、結衣が・・・好きなんだ」

京子「結衣は私のこと幼馴染にしか思ってないかもしれないけど・・・」

京子「私の気持ちは誤魔化せないからさ・・・」

綾乃「・・・そう」

わかってたセリフ。告白する前からわかってた

綾乃「ねぇ歳納京子」

綾乃「船見さんに・・・告白してきて・・・?」

京子「・・・え///」

京子「でも・・・!結衣に振られたら・・・私・・・」

綾乃「あなたは好きな人を疑うの?」

綾乃「大丈夫よ・・・船見さんならきっと・・・あなたを好きでいてくれるわ」ポロポロ・・・

あーあ、泣かないって決めたのに。結局耐えきれなかったわね・・・
仕方ないわよ・・・ね
うん、そうだわ。悲しい時くらい・・・泣いて良いわよね・・・

京子「綾乃、ありがとう」

京子「私結衣に告白してくる!」ダダッ・・・

綾乃「行って来なさい・・・」

綾乃「逃げたら・・・罰金バッキンガムなんだから・・・」

綾乃「・・・」

綾乃「行っちゃったわね・・・」

綾乃「見てるんでしょ?千歳」

千歳「うん、ごめんな?綾乃ちゃん・・・」

綾乃「なんで謝るのよ?」

千歳「うちがいたから綾乃ちゃんが・・・諦めることに・・・」

綾乃「千歳、本気で怒るわよ」

綾乃「あなたのせいで諦めたんじゃないの!」

綾乃「あなたのおかげで諦められたの!」

今ならはっきり言える・・・
あの時思ってた気持ち・・・・!

綾乃「あそこで!あなたが愛を思い出させてくれなかったら!私はずっと歳納京子が忘れられなかった!」

綾乃「私が逃げたのを!あなたは引き止めてくれた!」

綾乃「あなたがいなかったら私は今も苦しいままだった!」ポロポロ・・・

涙が出てくる。これはさっきの涙じゃない。言えなかったこと全部を吐き出せる。
嬉しい。嬉しい。これは悲しみじゃない。喜びだ。

綾乃「私は!あなたとの友情を!壊したくない!」

綾乃「一緒にいて・・・・千歳」ポロポロ・・・

千歳「・・・綾乃ちゃん」ポロポロ・・・

何よ・・・あなたも・・・泣くんじゃない・・・

綾乃「あなたがそばにいてくれて・・・私は嬉しい」

千歳「・・・ありがとな、綾乃ちゃん」

綾乃「これ以上自分を責めるんなら罰金バッキンガムなんだからぁ・・・・」ポロポロ・・・

千歳「もう泣かんといて・・・」・・・

千歳「泣いてる綾乃ちゃんは・・・見たくないで・・・」

綾乃「うん・・・」

千歳「落ち着いた・・・?」

綾乃「ありがとう・・・千歳」

千歳「なぁ綾乃ちゃん?」

綾乃「?」

千歳「さっきのは・・・告白やったんか?」

綾乃「なっ///」

綾乃「お馬鹿!なんで告白した後に別の子に告白するのよ!」

綾乃「私そんな軽い女じゃないわ!」

千歳「うふふ、そうなんや」ニコニコ

千歳「じゃあ卒業までに綾乃ちゃんに告白させたるわ」ニコッ・・・

綾乃「ーーーーーっ///馬鹿ーーーーーっ///」バチコーン!

最近してなかったビンタの音が痛快に響く

ごらく部

結衣「京子・・・遅いな・・・」

ちなつ「杉浦先輩に呼び出されたんでしたっけ?」

あかり「ちょっと心配だよぉ」

結衣(綾乃、告白するのかな)

結衣(京子と綾乃が付き合うことになったら・・・私どうしようかな)

結衣(京子と少し距離置いた方が・・・良いかなぁ)

結衣(そんなの・・・嫌だなぁ・・・)

バタンッ!!!!!

京子「結衣ィィィィィィィィ!!!!!!!!!!」バーン!!!!!

結ちなあか「ビクゥッ!!!!!」

京子「私はぁぁぁぁぁぁぁぁ結衣のことがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

京子「好きだぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!」

京子「小さい頃から守ってくれて・・・中学でキャラが変わっても優しく接してくれる結衣が・・・」ハァハァ・・・

結衣「・・・!」

京子「結衣ぃ・・・付き合って・・・欲しい・・・」ポロポロ・・・

結衣「京子・・・」

ちなつ(え、ちょっとなになにこの状況)

あかり(ついていけないよぉ~)オロオロ・・・

結衣「正直言って怖かった・・・綾乃に呼び出されたことが・・・」

結衣「綾乃と京子が付き合うことになったら、私は京子にとっていらない存在になるのかなって」

結衣「情けないよな・・・嫉妬して」

結衣「でもそのおかげでたった今、自覚できた・・・」
















結衣「京子、私もお前が好きだ」

京子「結衣ぃ・・・」ポロポロ・・・

結衣「こんな私でいいなら、付き合ってくれ」

京子「いいに決まってんじゃん・・・!」ポロポロ・・・

結衣「そんなに泣くなって・・・」なでなで・・・

京子「結衣ぃ・・・浮気したら許さないからなぁ・・・」

結衣「京子もするなよ・・・」

京子「しない・・・絶対」

京子「私は結衣にぞっこんだもん・・・」

ちなつ「・・・行こう?あかりちゃん」

あかり「・・・うん」

ちなつ「あーあ結衣先輩、取られちゃったなぁー」

ちなつ「もう甘えられないのは嫌だよ・・・」

ちなつ「あかりちゃん・・・?」

ちなつ「あれ?どこに行った?」

あかり「結衣ちゃん・・・」

あかり「ヒック・・・ヒグ・・・」ポロポロ・・・

あかり「結衣ちゃぁん・・・」ポロポロ・・・

あかり「嫌だよぉ・・・結衣ちゃん・・・」ポロポロ・・・

あかり「結衣ちゃんがいい子って言ってくれるのに・・・」ポロポロ・・・

あかり「このままじゃ京子ちゃんを恨んじゃう悪い子になっちゃうよぉ・・・・」ポロポロ・・・

あかり「うぇぇぇ・・・ヒック・・・結衣ちゃん・・・」ポロポロ・・・

ちなつ「こんなところにいた」

あかり「うぇぇぇ・・・ちなつちゃん?」ポロポロ・・・

ちなつ「あかりちゃんも結衣先輩のこと好きだったのね・・・」

あかり「・・・」コクリ・・・

ちなつ「だからっていつまでもへこまないの!」

あかり「へ・・・?」ポロポロ・・・

ちなつ「悲しいのがあかりちゃんだけだと・・・思わないでね・・・」ポロポロ・・・

あかり「・・・うん」

結衣「あかりとちなつちゃん先帰っちゃたな・・・」

京子「あかりとちなつちゃんは結衣のことが好きだったんだと思う・・・」

結衣「へ・・・?」

京子「結衣が私のことを好きって言った瞬間・・・二人の目に涙が滲んでた・・・」

結衣「・・・そうか」

京子「結衣・・・後悔しないでね・・・?」

結衣「しないよ、私が好きなのはお前だ」

結衣「二人はいい子だからきっと・・・わかってくれる」

京子「そうだね・・・」

京子「今日、結衣の家に泊まっていい?」

結衣「・・・いいよ」

京子「結衣・・・好きだよ」

結衣「・・・私も」

京子「へへっ・・・」

結衣「ふふっ・・・」

京子「改めてよろしくな!結衣!」

結衣「ん、そうだな」

結衣「よろしく」ニコッ

2ヶ月後・・・

生徒会室

向日葵「櫻子!!お菓子ばっか食べてないで働きなさい!」

櫻子「うるさいおっぱいおばけ!向日葵こそ私に構ってないで働け!」

ひまさく「グヌヌヌヌ・・・・」バチバチバチ・・・

千歳「こらこら喧嘩せぇへんと・・・」

向日葵「いいえ池田先輩!このお馬鹿は一度キツく言わないとわかりませんわ!」

櫻子「言ったなぁ!私に何回キツく言ったと思ってんの!?」

櫻子「直ってないのわかれよ!そっちこそ学習能力がないお馬鹿じゃん!」

向日葵「開き直ってんじゃねーですわ!」

千歳「ああ・・・また喧嘩して・・・」

松本「・・・・・」クスッ・・・

西垣「ははっ、まぁ池田喧嘩するほど仲がいいと言うじゃないか」

ひまさく「仲なんてよくないです(ですわ)!」

ちなつ「結衣先輩、お茶をどうぞ」

結衣「ありがとうちなつちゃん」

あかり「結衣ちゃん?京子ちゃんは?」

結衣「ちょっと用事」

あかり(結衣ちゃん寂しそう・・・)

あかり(あかりじゃやっぱり京子ちゃんの代わりにならないのかな・・・)

結衣「あかり、顔が暗いぞ?」

結衣「もしかして、京子の代わりになれないとか思ってた?」

あかり「!」

結衣「図星か・・・」

結衣「あかり?私の中で一番は京子だ。代わりはいない」

あかり「・・・」

結衣「でも・・・あかりもちなつちゃんも・・・私にとって大事な人だよ」

結衣「あかりもちなつちゃんも代わりはいないよ」ニコッ

あかり「・・・えへへ」

ちなつ「結衣先輩にそこまで言ってもらえるなんて・・・チーナ感激です!」

結衣(やっぱり二人ともいい子だな・・・)

京子「・・・」

綾乃「呼び出してごめんなさいね・・・」

京子「何の用・・・?」

綾乃「あなたに一言謝りたくてね」

綾乃「今頃なんだみたいな話だけど」

完全に歳納京子を忘れるために・・・
最後の心残りだけを・・・

綾乃「あの告白の時、私は「好きな人を疑うの?」と聞いたけど」

綾乃「私はあなたを信じることができず絶望していたことがあったわ」

千歳がいなかったら私は・・・

綾乃「偉そうな口を叩いてたけど、自分の失敗を押し付けていただけだったわ・・・」

綾乃「ごめんなさい」

京子「それだけ・・・?」

綾乃「ええ、これだけよ」

綾乃「たったこれだけのために呼び出したの」

綾乃「最後の心残りだけを消すためにね・・・」

京子「綾乃・・・ありがとう」

京子「綾乃の一言がなかったら私と結衣は幼馴染のままだったし」

京子「綾乃に・・・感謝してるよ」

やっぱり優しい。私の好きになった人は・・・

京子「じゃあ結衣が待ってるし行くね!」ダダッ・・・

私は向かう・・・
自分の居場所へと・・・
もう心残りはない・・・でも、歳納京子と絶交するわけではない
仲のいい友達として・・・まだ一緒にいる。
船見さんも赤座さんも吉川さんも大室さんも古谷さんも・・・千歳も・・・

ガチャ・・・

ひまさく「グヌヌヌヌ・・・」バチバチバチ・・・

櫻子「ああー!杉浦先輩聞いてください!このおっぱい星人がですねー!」

向日葵「何を言ってますの!?元はと言えばあなたが・・・」

綾乃「ふふっ、相変わらず仲がいいわね」クスッ・・

ひまさく「仲なんてよくないです(ですわ)!」

西垣「ははは、息ぴったりだな」

松本「・・・・」クスッ・・・

ひまさく「ぐぐぐ・・・」

京子「結衣ぃー!みんなー!お待たせー!」

ちなつ「おかえりなさい、京子先輩」

あかり「おかえりだよぉ京子ちゃん」ニコニコ

京子「・・・」キラキラキラ・・・

結衣「物欲しそうな目でこっちみんな!」

結衣「お帰り・・・京子」ニコッ・・・

京子「うんっ!」ニコッ!

向日葵「杉浦先輩も櫻子になんとか言ってやって下さい!」

櫻子「このおっぱい馬鹿が悪いんですよー!」

綾乃「はいはい・・・仕事を始めるわよ」

仕事をサボっていた私が言うのもなんだけどね。

千歳「おかえりな、綾乃ちゃん」

千歳「もう心残りはないんやね・・・?」

綾乃「ええ!心機一転頑張りましょう!」

櫻子「?なんの話ですかー?」ハテー

綾乃「なんでもないわ」

千歳「綾乃ちゃんと友達になれて・・・うちも幸せやで」

綾乃「もう千歳ったら・・・」クスッ・・・

ここが私の居場所・・・
千歳が、一番の親友が待っててくれる場所・・・
私は負けたけれど・・・千歳がいて私は・・・・・・・・・・・・・幸せよ



終わり

ありがとうございましたー!

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