バニル「ふむ、魔人探偵か......」ウィズ「へ?」 (5)

ウィズ「ところでさっきから何を読んでいるんですか?」

バニル「遠い国の本だ。おとぎ話がかいてある」

ウィズ「おとぎ話?あのバニルさんが?なんというか....」

バニル「みなまで言うなポンコツ店主よ。この本、どうやらただの本ではないようだぞ」

ウィズ「? 特に魔力のようなものは感じませんが...」

バニル「違う、その類ではない。この本、見通せるのだ」

ウィズ「本を見通す、ですか?」

バニル「我輩が見通せることが記してある。つまりこの本は、いわゆる予言書のようなものだ」

ウィズ「どういう原理かいまいちよく分かりませんが、世界にはそのような本もあるんですね。あ、もしかしたらそれ、売れるんじゃないですか?」

バニル「貴様にしてはよく考えたほうだが、残念。今はそれに関して考える余裕がない」

ウィズ「?」

バニル「謎を食べる魔人....これまた偏食家だが、魔界、地獄、ふむ、そうか、いやしかし.....」

ウィズ「えっと......バニルさん?」

バニル「ウィズよ、魔人という言葉は知っているか?」

ウィズ「え、マジン?ですか?すいません、初めて聞きました」

バニル「やはりそうか。永く生きてきた我輩ですら、このような言葉は聞いたことがない。が、この本が予言書である以上、この件に関して放置しておくわけにはいくまい」

..........

ネウロ「さて弥子よ、この魔界道具を覚えているか?前は3万年前に行くつもりが3年後に行ってしまったが、今回はしっかりお前を氷河期へ送り届けてやるからな。思う存分インタビューしてくるがいい」

弥子「えっとネウロ?私一応もう成人迎え」

ネウロ「ザ・ナメクジ2になっただけで何を言っている?さぁ、心ゆくまで楽しんでくるがいい」

弥子「いや楽しめるわけない!!!」

ネウロ「ふはは、我輩もついて行くのだ、不安などあるはずなかろう」

弥子 (不安しかない.....)

ネウロ「ではゆくぞ」♪

弥子 (こいつ楽しそうだな)

~移動完了~

ネウロ「おかしいな。目的場所ではなさそうだが、故障か?」

弥子「ホッ....。ところでここはどこ?すごくのどかな草原だけど」

ネウロ「おかしい、魔界道具が動かない」

弥子「へっ?」

ネウロ「仕方ない、弥子よ、とりあえずそこにある人間もどきにでもインタビューしてこい」

弥子「? ってわぁ!!!」

安楽少女「......」

弥子「てあれ?この子怪我してる。ねぇ、大丈夫?迷子になったの?」

安楽少女「ワタシ....ココカラウゴケナイノ....」

弥子「そんなにひどい傷を負っているのね。大丈夫、町まで連れてって医者に診てもらおう」

安楽少女「チガウノ。ワタシモンスターダカラ、マチヘハイケナイノ」

弥子「ん?モンスター?って、えっと...(あれ?そういやこの子の耳、とんがって....)」

安楽少女「ワタシ、モンスターダカラ、ミンナニキラワレテルノ.....オネェチャンモ、ワタシヲキズツケルノ?」

弥子「ううん。そんなことないよ。私はあなたの味方だよ。(そんな目で見られたら、モンスターだった助けたくなっちゃうよ)」

安楽少女「ミカタ....トモダチ?」

弥子「うん、そうだよ、私はあなたの」

ネウロ「さて、茶番はここまでにしておこう」

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