奈緒「プロデューサーさん。好きだ!」 (16)
【4/1(エイプリルフール)】ジャ-ン!
(事務所)
カチャ
P「おはよう奈緒」
奈緒「おはようプロデューサーさん。あれ? 今日は午後からじゃなかったのか?」
P「嘘だ」
奈緒「は?」
P「今日はエイプリルフールだろ。引っかかったな。ふはは」
奈緒「『午前中は休み』って言ったのは昨日だよな。反則じゃね?」
P「ギリギリセーフだろ」
奈緒「アウトだよ。ばか」
P「馬鹿とはなんだ」
奈緒「ばかはばかだ。それから、嘘をつくならもっといい嘘をつけよ。あんまりびっくりしなかったし。面白くもなんともないぞ」
P「いい嘘って?」
奈緒「こう…なんつーか心に残る感じの嘘?」
P「漠然としてるな」
奈緒「悪かったな」
P「例えば、何かある?」
奈緒「例えば、かー」
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奈緒「…」
奈緒「プロデューサーさん」
P「ん?」
奈緒「好きだ」
P「」ズキュゥゥゥゥゥンッ!
奈緒「大好きだ」
P「う、嘘だろ!?」カッ!
奈緒「本気だよ。あたしが嘘をつくわけないだろ?」
P「へ、へぇ」ガクガクガク
奈緒「心の底から言ってるのに疑ってるのか〜♪」
P「こ、言葉だけだと信じられないかな」
奈緒「疑り深いな。ほら抱きつけば信じるのか?」ギュ-
P「(吐血)」ゲフッ
奈緒「はー、こんなに好きなのに♪」ギュ-
P「(まずい…このままでは奈緒に殺される…!)」
P「…」
P「俺は奈緒のこと嫌いなんだよなぁ」
奈緒「え…」ガ-ン!
P「ん?」
奈緒「…」シュ-ン
P「…」
P「な、奈緒…今日はエイプリルフールだぞ?」
奈緒「ああ…嘘だってことくらい知ってるよ…」シュ-ン
奈緒「知ってる…よ…」グスッ
P「思った以上にダメージが大きい。可愛いぞ奈緒」
奈緒「う、うるさい。そんなことくらいわかってるけど、もうプロデューサーさんなんて嫌いだ」プ-イ
P「それは嘘?」
奈緒「嘘じゃない。本気で嫌いだ」フン
P「裏を返せば?」
奈緒「大嫌いだ。いまの私は本気で怒ってるんだからな」ムス-
P「いやエイプリルフールだから…」
奈緒「ふーん!」プ-イ
P「奈緒。好きだー」
奈緒「…嘘つけ」
P「嘘じゃないよ」
奈緒「…どうせエイプリルフールだろ」
P「大好きだ」
奈緒「…」
奈緒「ったく本当は嫌いなんだろ。知ってるっつーの〜♪」コロリ
P「ああもうめっちゃ好き」ワシワシ
奈緒「本当は嫌いなのわかってるからな〜♪」ツンツン
P「はいはい」
テクテクテク...
凛「…」
凛「プロデューサー。おはよう」
P「あ、凛もいたのか。おはよう」
奈緒「凛は奥のキッチンでコーヒー淹れてくれてたんだ」
P「へー、俺の分までコーヒー余ってる?」
凛「余ってないかな」ズズズ
P「そっか。残念」
凛「口の中が甘いなぁ。ブラックコーヒーが美味しいなぁ」ズズズ
奈緒「何もしてないのに口の中が甘いって…病気じゃないのか?」
凛「かも」
P「騙されるな奈緒。これは嘘だ」
奈緒「な、何ぃ!」
凛「…」ズズズ
凛「奈緒。この前、プロデューサーが奈緒は面倒くさくて嫌いだって言ってたよ」
奈緒「…!?」ガ-ン!
パタリ
P「な、奈緒ッ!?」
奈緒「」チ-ン
P「う、嘘だぞ!? こんなことでショック死するなァ!」ユサユサ
凛「プロデューサー。ハグしたら多分復活するよ」
P「それこそ嘘だろ!」カッ!
凛「やってみたら?」
P「はん! そんな嘘に騙されるわけ…」ギュ-
奈緒「♪」スリスリ
P「復活したァ!」ギュ-
奈緒「エヘヘ...♪」
凛「私は嘘をつかないよ」
P「奈緒を気絶に追い込むほどの嘘をついた子が何を言うか」
凛「今から嘘はつかないって」
奈緒「あ、あたしは信じないぞ! そうやって油断させておいてあたしをからかうんだ!」カッ!
凛「信じても信じなくてもいいよ。ところで奈緒。プロデューサーにもらったホワイトデーのお返しに頬ずりしてたよね」
奈緒「!?!?」
P「ほう」
凛「嬉しそうにニマニマしながらクッキーの入った袋を抱きしめてたよ」
奈緒「な、なななななんでそんなこといきなり暴露すんだよォ!?」
凛「ほらプロデューサー。奈緒の反応から分かるように私は嘘をつかないんだよ」
P「信じよう」
奈緒「はっ! ぷ、プロデューサーさん! 今のは嘘だからな!」
P「恥ずかしがるなよ。俺も奈緒からもらったチョコに頬ずりしたし」
奈緒「そ、そうなのか…? じゃあお揃いだ…♪」エヘヘ
P「嘘だけどな」
奈緒「ちくしょう! もう何も信じないぞ!」プ-イ
P「ごめん奈緒。今度はするから」
奈緒「ふーん!」
P「奈緒〜」モフモフモフ
奈緒「だー! 困るたびに人の髪の毛もふもふするんじゃねえよ!」ギャ-!
P「…へくちっ! 花粉が舞うっ!」
奈緒「あーもう…ほらティッシュあるぞ」
P「ありがとう奈緒。好きだ」チ-ン
奈緒「はいはい。あたしもだよ」
P「今日のお昼どこで食べる?」
奈緒「駅前の蕎麦屋は? ペア限定のメニュー注文しようぜ」
P「いいね」
凛「甘い」ズズズ
奈緒「ていうかさ。せっかくのエイプリルフールなのにこんな適当な嘘だけでいいのか?」
P「いや言い出しっぺの俺が言うのもなんだけどさ。いつも通りでよくない?」
奈緒「なんか寂しいなぁ」
P「ハグするか?」ギュ-
奈緒「そういう寂しさじゃなくてな? あ、続けていいぞ」
P「はい」ギュ-
奈緒「♪」スリスリ
凛「たとえエイプリルフールでもさ、嘘をつかれるのって嫌だよね」
奈緒「わかる」
P「そうだな」ギュ-
凛「だからあえて嘘をつかない日にしない?」
P「ほう」
奈緒「いつも通りってことか?」
凛「いつも以上に正直に」
奈緒「普段からあたしは正直だぞ?」
凛「どう思う? プロデューサー」
P「奈緒はもっと素直になっていいんじゃないかな」
奈緒「はぁ? あたしは素直だろ?」
凛「どうだか」
奈緒「だいたいな。あたしのことをとやかく言う前にプロデューサーさんも凛もあたしのことをからかうのをやめろよ!」
凛「ごめん」
P「悪かった。奈緒好き」
奈緒「ふん。そうやってきちんと謝ってくれるならあたしだって素直になれるよ」
P「奈緒好き」
奈緒「うるさい。あたしは嫌いだ」プ-イ
凛「奈緒。素直に」
奈緒「…」
奈緒「まあ…あたしも嫌いじゃないけどさ」
P「」ゲフッ
奈緒「…え、エイプリルフールだからなッ!」
凛「嫌いってこと?」
奈緒「え、いや、その…嫌いではないけど…」モニョモニョ
凛「素直に」
P「殺傷力が高すぎるから言わなくても…」
奈緒「ほ、ホントは好きだけど…///」
P「」ズキュゥゥゥゥゥゥン!!
凛「コーヒーが甘い甘い」ズズズ
奈緒「え、エイプリルフールだ! エイプリルフール!」カッ!
凛「結局、どっちなのさ?」
奈緒「ふん。嘘だよ」
P「どこまでが?」
奈緒「…ノーコメントで」
凛「ずるいね」
P「俺は好きだぞ」モフモフモフ
奈緒「…も、モフるなよ」
奈緒「…」
奈緒「まあ、あたしも嫌いじゃないけど…」
P「いやもう結婚しよう」ギュ-
奈緒「まだ無理だろ…」
P「来年」
奈緒「ん…」
凛「目の前でプロポーズしやがった」
奈緒「い、いやエイプリルフールだから」
P「そうだそうだ。俺たちの会話を真に受けるなんて純情だぞ」
奈緒「そ、そーだ! そーだ!」
凛「奈緒」
奈緒「な、何だよ」
凛「顔が緩みきってて説得力がまるでないよ」
奈緒「えー?」ニマ-♪
P「お、これは可愛い」カシャカシャ!
奈緒「ちょ! 撮るんじゃねえよ!」
P「式で使うやつだから」
奈緒「そ、そうか…? ならいいけど…」
P「笑ってー」
奈緒「こうか〜♪」ニコ-
P「いいね」
凛「コーヒー飲んでくる」スタスタスタ
(次の日)
凛「エイプリルフールは終わったし。もう嘘はつかないよね」
奈緒「まーな」
P「もちろん」
凛「じゃあ聞くけど。昨日の発言はどこまで本気だったわけ?」
奈緒「き、昨日はほとんど嘘だったな! うん!」
P「俺はほとんど本気だったけど?」
奈緒「ほ、ほほほ本気って…どこまでが!?」
P「さあ」
奈緒「…結婚しようとかは?」ボソリ
P「え?」
奈緒「聞こえなかったならもういい」
P「怒るなよ奈緒〜」ギュ-
奈緒「…やっぱ嫌いだ///」ギュ-
凛「(無言のブラックコーヒー)」ズズズ
【次の年、普通に籍を入れた】
終わり
以上です。
お読みいただきありがとうございました。
エイプリルフールの次の日あたりにほぼ書ききって放置してたやつです
奈緒かわ
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