艦これSS if史実 (18)

こんな歴史で艦これの世界があって、アルペジオみたいに船も本物サイズの船だったら、どんな物語になるんだろう。
書きたくて書きたくて書き始めました。
マニアでもないため、何かが違う部分もあると思います。その時は優しくご指摘下さい。
リアルでの都合もあり、ペースは遅いです。(※地の文多めです。というか多いです)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1522314469

大日本帝国海軍は、ミッドウェー海戦、第一、二、第三次ソロモン海戦、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦などで戦力の殆どの戦闘艦艇を失ってしまっていた。

これら艦艇の喪失により、装備はもちろん、熟達した操縦士や水兵を多数喪失、残った兵士は実戦においてほとんどが戦果を挙げられず、帰還すら危ぶまれるほどとなった。

その状況を鑑み軍が捻り出した対策が、「戦後」、忌まわしきものとして記憶されることになる「人間魚雷回天」や「神風特攻隊」などの兵器に人間が乗った状態で体当りするという悲惨な作戦だった。

1944年の終わり頃、正式な部隊として特攻部隊の編成が始まり、それは最終局面の沖縄戦において、米軍の侵攻を阻止するために多数用いられることとなる。

今から話すのは、1945年4月6日-11日から6月21日-22日において行われた、菊水作戦だ。

この日から、全てが始まった。



4月6日、太陽が頂点に達した時、特攻機が海軍から215機、陸軍から82機航空基地から飛び立っていった。

それら特攻機は、海軍及び陸軍の航空機が沖縄本島上空で囮としての行動をとっている隙を突き、次々と米艦隊に突入、駆逐艦三隻、輸送船二隻、揚陸艦一隻を沈めるなどの戦果を上げることに成功する。

また、その日の15時、大和率いる第二艦隊が特攻機含む航空隊による航空作戦に追随すべく、徳山沖を出港した。

だが、翌7日の8時15分、米海軍の航空機により第二艦隊が発見されてしまう。

そして、12時32分、米航空機による第一次攻撃が敢行され、大和を護衛する駆逐艦浜風、朝霜が轟沈。

続く13時20分から14時15分に渡って行われた第二次、第三次攻撃により軽巡洋艦矢矧が轟沈、駆逐艦磯風も魚雷などの攻撃を受け航行不能となった。

その攻撃により、多数の被弾による損傷を受けた大和も浸水がひどくなり傾斜が加速、轟沈。

第二艦隊による海上特攻は失敗、・・・となるはずであった。それが歴史となるはずだった。

4月7日14時5分、北緯30度52分東経128度8分。それは姿を現した。

既に傾きつつあった戦艦大和の右舷後方200m。

「海が突然黒く盛り上がり、大きな黒い物体が海面から突き出してきた」

当時の大和高角砲の弾薬運搬を担当していた兵士は、そう述懐するほどの不気味な光景だった。

今まさに大和に襲いかからんとしていた航空各機も直ちに攻撃を中止。その物体から離れるように高度を取った。

あれは何だと士官から尋ねられた大和見張員は、

「わ、わかりません!」

と怯えた様子で返事をしたという。

ともかくも、巨大な水飛沫を上げながら海面に着水したその物体を見た途端、日本海軍は震え上がった。


「真珠湾の・・・、まさか・・・」


見紛えようもない。

真珠湾攻撃に際して、日本海軍が沈めたはずの、ネバダ級戦艦二番艦「オクラホマ」。

一人が間違いないといえば、その情報が一瞬にして艦内を駆け巡る。

あれは、オクラホマだ、と。

着水したそのオクラホマが、今、「大和」に主砲を向けている。


天罰だ。


沈めたはずの戦艦が、復讐のために蘇った。

その場に居たもののほとんどが、これを神の御業であると信じ、もはや何を言うこともできず、金縛りにあったように動けなくなったという。

それほどまでに、異常な光景だったのだ。

だが、その光景に酔いしれていた気持ちもすぐに元に戻る。

見張員が叫ぶのだ。

「敵攻撃機、六時の方向!」

米航空機が、突如出てきた艦の標的が自分たちではないと判断するやいなや、反復攻撃に移ったのである。

「対空戦闘!直上!」

砲雷長が言った時、耳をつんざく轟音が辺り一面を覆った。

オクラホマが主砲による一斉射撃を行ったことによる音だ。

思わず前に掲げた腕を下ろし、伊藤艦長は大和の損傷状況を自分の目で確認しようとする。

前甲板は、後ろは、右舷は、左舷は、どこかから煙が上がっているのではないか。それとも不発弾か。
副官に被害状況の報告を命じたが、副官からの返事は、


「大和、被弾ありません」


・・・答えは、前でも後ろでも右でも左でも、どれでもなかった。

オクラホマが砲撃したのは、急降下爆撃に移った米航空機。

気づいたときには、火達磨になった飛行機が海面に衝突、爆発していた。


「どういうことだ・・・・・・?」


訳がわからない。

あの戦艦は一体何をやっている?

あれは間違えようもなく、日本の戦艦ではない。

日本海軍の戦艦ならば艦首にあるはずの、菊花紋章がないのだ。

・・・迷っている暇はない。

伊藤艦長が副官に命じる。


「撃ち方用意!右砲戦!」


すかさず副官が復唱、麾下の部隊へ伝声管を通して下令した。

「撃ち方用意!右舷後方戦艦、オクラホマ!」

戦艦「オクラホマ」は現在、大和と同航戦の形で平行に水面に浮いている。波の立ち方からして、微速ではあれど航行もしていると見える。

よって、撃つのは主砲三番砲塔、及び後方の副砲一門の計九門だ。

戦艦と打ち合うために前甲板の一番二番主砲も使いたいところだが、ここで無理に回頭し船腹を晒すような真似をする訳にはいかない。

大和の主砲が目標へ指向するのに約5秒、副砲は4秒程度かかる。

オクラホマの主砲は先程の対空射撃の為に仰角をとっているから、必然的に発射するのは大和のほうが早かった。

命中を期すために、一斉射撃ではなく、全門間隔を開けて砲撃を開始。

主砲が爆音を伴って三発発射。

副砲がそれに追随して三発発射。

副砲弾が二発、艦橋下及び艦首に直撃した。

火炎が飛び散るが、大した損害を与えることはできていない。

副官「主砲左右夾差!次弾装填、準備完了次第一斉射!」

副砲の外れをカバーするように、主砲がオクラホマの右舷及び左舷に水柱を発生させた。


第二射への次弾装填が終了するまでの間、ようやく艦隊から離れていた駆逐艦霞が帰還、大和の後方300mにつく。

既にオクラホマと大和による水上戦が行われているのを見て取ると、魚雷発射管に魚雷を装填後、雷撃を開始。

意味は無いかもしれないが、駆逐艦主砲による艦橋への集中攻撃も並行して行う。

そして、予告なく再び主砲副砲による砲撃が行われた。

オクラホマとの距離は800m。さっきまで1500m以上離れていたはずなのに、もうすぐそこにまで迫っていた。

この至近距離、そして一回目の射撃で夾差をとったため、今度は一斉射撃を行う。

主砲と副砲が同時に火を噴き、耳を聾するほどの轟音と船体が軋むほどの衝撃波を発生させた。

副官「主砲弾二発、オクラホマ一番主砲及び艦橋下部に命中、一発右舷近に着水!副砲弾第二主砲に全弾命中、目標炎上中!」

だが、おかしい。

長官「なぜだ・・・、なぜ撃ち返してこない・・・?」

弾薬庫に火が回るのは時間の問題だ。そこまで切迫した状況になっているのに、なぜオクラホマは一発も応射してこないのか。

オクラホマの主砲は未だ大和とは全く違う方向を向いている。

このまま撃っていても埒が明かない。撃ち返してこないのなら・・・、

長官「取舵一杯、全砲門でオクラホマを狙え!あいつばかりに気を取られている暇はない!」

副官「了解、取舵一杯!」

大和の船体が傾きながら、オクラホマの方へ腹を見せた。

長官「全主砲、撃ち方はじ

め!と、続くはずだった言葉は、出てくることはなかった。

明後日の方向を向いていたはずの砲塔が、瞬きの瞬間に大和へ向けられ、驚く間もなく、大和は爆沈した。

大和轟沈後、その艦は日本艦隊へは一切の攻撃をせず、反対に米国の艦艇へ攻撃を開始した。

誰にもこの戦闘の推移の詳細はわからない。

なぜ米軍艦が日本海軍を狙わなかったのか。誰にもわからない。

このように表現するしかないぐらい、一連といっていいのかすらわからないぐらい、わけがわからないままに終わったのだ。

その動向は日本はおろか各国も把握できないまま、半年が過ぎていった。

散々待った挙句、届いたのは米国の事実上の無条件降伏宣言だった。

米国陥落の急報は直ちに世界各国へ響き渡り、もちろんそれはドイツ等枢軸国へも知らせられた。

小国に過ぎなかったはずの日本が、大国であるアメリカを下したというのは、連合国を震撼させる出来事であったのは、言うまでもない。

連合国側の雰囲気を察知した日本は、思い切って日本海軍を太平洋から撤収させ、奪われていた植民地を奪還、ドイツやイタリアへ援軍を送って寄越し、戦線の構築に注力し始めた。 (残った海軍の規模は相当小さいものであったから、援助の程は察しの通りであるが、連合国を覆った敗戦の雰囲気による士気の低下は、筆舌に尽くしがたいものであった)

米国陥落以降、戦争は終始枢軸国有利に運び続け、1945年6月6日、第二次世界大戦は枢軸国勝利として終戦を迎えたのだった。

正式な降伏文書の調印を終えた大日本帝国は枢軸国各国に号令をかけ、世界統治のための最高機関、枢軸国軍最高司令部を設立。

そしていわゆる、暴政が始まった。

それは1945年8月1日に行われた、世界安全保障義務と呼ばれるもの。

第一条:全ての国家は、世界の平和のための義務を遂行しなければならない。違反は、枢軸国はこれを許さない。

この一条のみで構成されるものだ。

あまりにも抽象的で、具体性に欠けるこの条文は、暴政のための手段とし使われることになることは明白だった。

するはずもない平和利用を誓約し、枢軸国以外の国家の軍事研究資料を剥奪。

綺麗事でしかない世界平和のために、枢軸国以外の国家のこれ以上の軍事研究、拡大を強制停止。

その中でも、日本から米国に対する制裁は凄惨を極めるものだった。

戦後、米国が日本に対し核兵器による攻撃を画策していたことを知った日本軍は、その分野に携わった研究者、軍人からそれらの人々の知人・血縁関係にあるものまでを全て射殺、計画の完全な頓挫を図った上で、資料を強奪したのだ。

この行為に関しては、いくら第二次世界大戦での殊勲国家であろうとも、枢軸他国から会議の場で怒号と非難が浴びせられた。

それに対して日本はこうとだけ言ったと、議事録に記されている。

「それだけのことをしても許されるほどの事を、我々は受けたのだ」

誠に身勝手極まりない。

この物語は私が書かなければならない。

彼を長年見てきた私が。彼に連れ添う女性でもなければ、幼馴染というわけでもない私が。

どうか、全ての人に読んでほしい。

彼のことを、正しく理解してほしい。

彼の壮絶な人生を、読んでほしい。

この物語は事実であり、創作である。

物語という形式を取り、小説を書くのであるから、会話部分を書かなくてはならないのだ。彼がした会話の一言一句まではさすがに誰も知らない。

だから、半分創作だ。

最初から記述した史実は、皆もよく知る今の日本に至るまでの歴史だ。まさしく独裁国家としての道を、日本は進み続けている。

そしてこれから語るのは、この時代に生まれ、この時代を鮮烈に生きた男の話だ。

主人公は誰もがよく知る人物であるから、驚くこともあるかもしれない。

誰もが知っている。もうこれ以上知ることなんてない。そう思うかもしれない。

だけど、この日本国民は、彼に対し多大なる誤解をしていることを指摘しなければならないのだ。

彼は血も涙もない冷徹な人間などではない。

彼は軍事国家を牽引する、恐怖政治をしようとする暴君などではない。

彼が歩んできた本当の人生を、この本を通じて理解してほしいのだ。

だが、残念ながら、最も気になる部分であろう彼の学校時代の話は、この小説では語られない。

それとなく聞いても、直接聞いても、彼が全く学校時代の生活を語ろうとしないが故だ。

どうして彼が話そうとしないのかは、聞こうとするたびに浮かべる悲痛な表情から読み取れる。

運時がこの学生時代にどんな負い目を感じているのか、それは書いている今でもわからない。

何年、何十年と先になるかわからないが、いつかは教えてくれるのかもしれない。そうなれば、許可を得て書こうと思う。

もしどんなに待っても書かれなければ、無理だった、それだけのこととして納得してほしい。

という訳で、ここまでは前書きだ。

ここからが本編。

話は1961年から。

彼が海軍兵学校を卒業し、内地航海を終え、練習航海へと足を踏み出したその日から。

所:舞鶴鎮守府一番埠頭 時:9月12日09時00分

「総員一列横隊!」

慌ただしい靴音とともに、三時間前起こされた男女混ざった水兵が埠頭の際に整列した。

「敬礼!」

シュッ、という衣擦れの音を立てて、海軍式敬礼をする。

艦長「今日は雲ひとつなく、空は晴れ渡っている。波もそれほど高くない。我々がこれから向かう航路も、今のところ嵐等の直撃の予報はない。新兵向けの環境が整っているといえる」

艦長「しかし、諸君らがこれまで由緒正しき江田島海軍兵学校で培ってきた知識を、いざ実力として実践すべき機会において、いささか迫力に欠けると言えるかもしれない」

艦長「だが今日、いついかなる所で敵対勢力とぶつかるともしれない場所にこれから繰り出すことだけは確かだ。総員、一層気を引き締めて望むように」

皆の前に立っていた現闘艦「さみだれ」の艦長が、さきほど整列の合図をした水雷長に目配せする。

「敬礼!」

ついにこれから、学校卒業したての運時が海へ行くことになるわけだ。

候補生達が練習艦「さみだれ」へとタラップで乗り込んでいく。

皆黒い軍服に身を包み、いかにも軍人らしい格好だ。


所:横須賀海軍基地 時:9月13日18:00

基地に到着と同時に艦長から下船の許可が降りた。

出発は明日の朝六時。それまで法律の赦す範囲内で自由行動が許された。

皆が連れ添って街に向かって歩いて行く背中を見ながら、運時は海に面した埠頭に座り込む。

服の中をまさぐって、舞鶴にいたころに保管しておいたタバコを取り出した。フィルターが甘く、それなりに重めのタバコだ。煙も甘い匂いがして、おいそれと人がいる場所では吸えない、と知り合いが言っていた。

これから長い航海に出ると言ったら、その知り合いが贈ってくれたものだ。

これといって明記はされていないが、タバコを吸うという行為はあまり練習航海では歓迎されているものではないらしい。

でもそれでも未成年ではないから、法律の範囲内で自由行動の範疇にばっちり入っている。

さて吸おうと思った所で、異変に気づいた。

運時「嘘だろ」

タバコと同じ内ポケットにいれておいたはずのライターがなくなっている。

火気の持ち込みはかなり厳しく制限されているから、タバコだけはOKでもこれが見つかったら

「これ?」

左の肩を叩かれて、運時は振り返った。

運時「何でお前が持ってるんだよ・・・。焦らせないでくれ」

神城「あんたが落としたのを拾ってあげたんだから、少しは感謝しなよ」

運時「だったらその時に渡してくれればいいだろ」

神城「それもそうだけど」

でなければ、あなたとは話す機会がないのだ。

運時が手を伸ばし、ライターを受け取った。

神城「二十歳超えてるの?」

運時「当たり前だろ。二十歳も超えてないのにこんな見えやすい場所でタバコなんて吸わない」

神城「つけてあげようか」

運時「何を?」

神城「火」

運時「煙草の煙、大丈夫なのか?」

神城「まだ二十歳じゃないけど、煙草の煙なんて嗅ぎなれたし」

神城「それに、私が来たからって吸うのをやめられるのは、気分が悪いしね」

運時「そうか・・・」

練習航海は六隻編成で行われる。この神城は同じ船になって会話を交わしてから、妙につきまとってくるようになった奴だ。

厄介なとしか思っていなかったが、意外と気を使えるらしい。

運時「でも火ぐらい自分でつける。そこまでしなくていい」

神城「わかった」

ライターと言っても、zippoなどの本格的なものじゃなく、ただの100円ライターだ。

安全のために固く設計されたボタンを押し込んで、火をつける。

9月中旬のこの季節、まだこの時間帯は明るい。火もそこまでまだ目立たない。

陸風で火が消えないように手で覆いながら、火をつける。

少し炙ったあたりで息を吸い、火をつけた。

フィルターを通しても重いタールを、ゆっくりと肺まで吸い込む。

タバコは一口目だけ肺に入れて、あとは口で吸うのがいつものスタイルだ。この方法でやるとニコチン中毒とやらにならないで済む。少なくとも自分は。

神城「ほんとに美味しそうに吸うなぁ。なんか甘い匂いもするし」

運時「このタバコ自体がそういうものなんだ。お前はまだ二十歳じゃないんだろ?」

神城「まだ19」

運時「だったらまだタバコは無理だな」

何の気なしに唇を舐めたら、強めの甘さを感じた。

ん、とタバコから口を離して、フィルターの匂いを嗅いでみたが、着香されているわけではないらしい。

フィルター自体に何か甘いものが塗り込んであるようだ。

なるほど、だから友人はこれをくれたのかもしれない。甘いものを食べるにはお金が必要だから、せめてこれでというわけか。

そこまで金に困っているわけでもないのに・・・。

神城「?」

運時「いや、なんでもない」

突然黙ってしまったから不思議そうな顔で見られた。

それにしても、柔らかく陸から海へと風が流れているおかげで、煙が隣へと向かわないから気を使わなくて済む。

神城「運時、一つ聞いてもいい?」

運時「何?」

神城「将来、どうなりたい?」

運時「どうなるって?」

神城「艦長になりたいとか、水雷屋を目指すとか」

運時「いきなり湿っぽい話になったな」

神城「悪い?」

吸った煙をゆっくりと吐いてから、

運時「いや、悪いとかそういうことじゃないけどな」

将来なりたいと言えば、といって少しだけ考える。

運時「あー・・・、艦長ぐらいには、なりたいかもな」

神城「艦長ね・・・、なんかありきたりだなぁ」

運時「ありきたりってなんだよ。艦長っていったら相当なもんだろ?昔は戦艦の艦長なんかはかなり階級が上だったっていうんだから」

神城「いや、別に責めてるわけじゃなくて。その、なんていうんだろうなぁ・・・」

運時「歯切れが悪いな」

神城「表情一つ変えずに、元帥になりたい、とか言い出すんじゃないかと思ってたから」

運時「人を何だと思ってやがるんだこいつは」

いや、ほんと、悪気はないんだよ、神城はそう言って笑った。

声が途切れると、それきり会話は途切れてしまった。

それでも、徐々に沈んでいく日を眺めていると気にもならなかい。

火がフィルターの手前あたりまで来ていたため、最後に深く吸ってから、地面に押し付けて火を消した。

ライターとタバコをポケットに押し込み、軽く足のあたりを手で払った。

ポケットの中にタバコの葉が散乱することになるのにもう少し早く気付くべきだった。

神城「どこ行くの?」

運時「捨てに行く。こんなところにポイ捨てするわけにも行かないし」

神城「私も行く」

尻を手ではたいてから、神城も立ち上がった。

運時「お前、誰かに誘われてなかったか?この船を降りる時に」

神城「あぁ、あいつは・・・。あいつはいい。下心しか見えない奴にはついていかないから」

運時「俺に下心がないって言い切れるんだな」

神城「目を見ればわかるんだよ、それぐらい」

横須賀基地の正面扉に向かって歩いていきながら、運時はあたりを見回してゴミ箱を探していた。

神城「横須賀に来たのは初めてなの?」

運時「いや、初めてじゃない。初めてじゃないけどここの事はよくわからないんだ。街が複雑すぎて」

神城「言われてみれば、そうね・・・」

中を一通り散策してみたい気もするが、ここは至る所で兵が歩いているから窮屈でならない。

無理せずワードで10ページずついきます。既に40ページぐらいは書いてありますが、誤字とか在ると思いますので。
艦娘は割と早めに出てきます。ポンポンとは出てきませんけど・・・。

なんとなくそんな気はしてたw

ほかんとこに出すんでここは凍結しますね

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom