カレン「今度開かれるイベントなんデスが、まあ合同文化祭みたいな感じデスかね」
カレン「パンフレットがありマスよ。これデス」
忍「ありがとうございます、カレン」
アリス「わたしも見せて」
陽子「どれどれ」
綾「へぇ、いろんな出し物があるのね」
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アリス「『よさこい』の演舞だって。わたし、よさこいってテレビで見たことくらいしかないよ~。生で見てみたいな」
綾「この『うらら』っていうのが気になるわ。占いを習っている女の子達が実際に占ってくれるみたい」
陽子「カフェに甘味処、ケーキ屋、屋台……大食い競争もあるのか! 面白そうじゃん」
カレン「ゲームの体験コーナーもあるらしいデスよ。他にも軽音部のステージや美術科の展示などなど盛りだくさん!」
カレン「シノはどうデス? 何か気になるものはありマスか?」
忍「そうですね……金髪少女関連のイベントがあればいいのですが」
綾「金髪……関連?」
陽子「いや、さすがにそういうのは無いだろー」
カレン「ところがどっこいそれがあるのデス!」
陽子「あるんかい!」
○ミス金髪少女コンテスト:賞金100万
忍「!!!」
カレン「金髪少女なら誰でも参加可能っ・・! 優勝したらなんと100万GETデスっ・・・・!」
綾「何それ!?」
陽子「何で金髪限定なんだ!?」
忍「すばらしい……すばらしい企画です!」
忍「全国各地から集まった金髪少女達を見放題だなんて……はぁはぁ……最高じゃないですかっ」
アリス「カ、カレン! このコンテストってわたしたちも出られるのかな?」
カレン「モチのロンで! フフフ……アリス、ついに雌雄を決するときがきたようデスね」
アリス「負けない……絶対にカレンには負けないよ! わたしを見ててね、シノ!」ぎゅっ
忍「アリス」
カレン「望むところデス! シノ、清き一票は私にお願いしマス!」ぎゅっ
忍「カレン」
忍「うふふふふ」
陽子「しのが幸せそうだなー」
綾「そうねー」
【当日】
がやがや
陽子「おおー、凄い人だな」
綾「はぐれないように気をつけないとね」
陽子「そうだな」
綾「……」
陽子「……」
綾「しのとアリスとカレンがいないわ」
陽子「即落ち三コマかよ!」
―――
アリス「カレンたちとはぐれちゃったみたいだね……どうしよう、わたしたち携帯電話持ってないし」
アリス「ねぇ、シノ」
忍「あ、あそこに金髪少女が!」タッ
アリス「あ、シノ待って!」
―――
カレン「シノたちとはぐれてしまったデス」
響「まったくレンのやつめ、また迷子になりおって」
カレン「ケータイでヨーコに連絡を……ハッ! 今日持って来るのを忘れてマシタ」
響「第一この地図が悪いのだ。地図が間違っているから……む! 地図がないぞ? 落としてしまったのか」
カレン「仕方ありマセン……自力で皆を探すデス!」
響「ふ、仕方がないな……こうなったらおのれのカンを信じて、レンを見つけ出してやるか」
カレン「迷子同士頑張りマショウ!」ポン
響「ああ、健闘を祈るぞ!」
カレン「ではグッバイ~♪」
響「さらばだ」
響「……」
響「お、おい勘違いするな! 迷子は響じゃなくてレンのほうであってだな!」
響「って、誰だあいつは! こ、この響に気安く声をかけおって!」
はなこ「あ、ヒビキちゃんだ」
ヒバリ「大丈夫、ぼたん?」
ぼたん「すみません……ゾンビを見たら文字通り腰が抜けてしまいまして」ゴキッ
―――
ヤヤ「……」
忍「なるほど、ハナちゃんはアメリカ出身なんですか」
ハナ「はい! アリスさんはイギリス出身なんデスね。やっぱり日本の文化に憧れがあって?」
アリス「うん。わたしも日本大好きだよ。大和撫子の奥ゆかしさとか、和食もおいしいし」
ハナ「分かります! 私もニンジャに憧れてフリーランニングとかやってましたし」
アリス「よさこいは日本に来てから?」
ハナ「本格的には。アメリカにはよさこいを知っている人もいませんでしたし」
ハナ「日本に来て、なるたちに出逢ってから、すべてが始まりました! ね、なる!」
なる「あ、う、うんっ」///
忍「なるちゃんっ」がしっ
なる「!?」
忍「ハナちゃんと友達になるなんてすばらしい目のつけどころです! なるちゃんも金髪同盟に入りませんか」
なる「へ? へ? きんぱつ? どーめー?」
ヤヤ「あの。なるがちょっと困ってるみたいなんですけどー」
アリス「もう、シノ! いきなり金髪同盟に引き入れようとしたら迷惑でしょ」
忍「はっ……すみません。つい……」
ハナ「忍さんは金髪が好きな人なんデスか?」
忍「はいっ! 外国も大好きですよ。中学の時にイギリスに。ホームステイ先がアリスの家だったんです」
なる「外国にホームステイ……凄いなあ」
ハナ「なるほど。あ、金髪がお好きでしたら……私の髪、触ってみます?」
忍「いいんですか!?」
ヤヤ(変な人……)
アリス「ナル、よさこいの衣装は自分たちで用意してるの?」
なる「あ、はい……そうです。えっと、上に着るのは――」
真智「何だか絡まれてるみたいだけど、放っておいていいのかしらね」
多美「いいじゃない、楽しそうだし。このソフトクリームおいしいよ。マチちゃん一口たべる?」
真智「へ? あー……うん、じゃ一口だけ」
―――
カレン「ソフトクリームひとつ~。ココア味で!」
シャロ「はぁい、ココア味ですね。どうぞ、召し上がれ♪」
カレン「ありがとデス!」
カレン「……」じー
シャロ「……」じー
カレン(こやつ……できるデス。金髪からメラメラと闘志が……これは本気で100万を取りに行く気デス!)
シャロ(か、可愛い子ね……外国人だし、なんか片言だし。敵に回したら手強そう……)
シャロ(でも……負けないわ。100万……100万を手にできればこの極貧生活ともおさらば……人生逆転できるッ!)
花名「あ、あのー……ソフトクリームを4つ」
カレン「……」チラッ
シャロ「……」チラッ
やすな「ねぇねぇソーニャちゃん、金髪コンテストやるらしいよ。ソーニャちゃん金髪でしょ? 出ないの?」
ソーニャ「は? 出るわけないだろ。殺し屋がミスコンに出る必要なんてないからな」
やすな「そんなこともあろうかと思って、私が代わりにソーニャちゃんの名前でエントリーしといてあげたゴボァ!?」
ソーニャ「余計なことしやがって! くそっ、早くエントリー取り消しの手続きをしないと」
やすな「え、何? ソーニャちゃん自分の容姿に自信ないの? 負けるのが怖いの? 逃げちゃっていいの?」
ソーニャ「お、お前なぁ……!」
ゆずこ「属性喫茶面白かったね」
縁「面白かったー。店長さん可愛かったね」
唯「え、店長さんが?」
ゆずこ「キッチンの男の人、可愛かったねー」
縁「あぁ、可愛かったー」
唯「え、可愛かった?」
ゆずこ「ま、そんなわけで一番可愛いのは唯ちゃんなんですけどね」
唯「どんなわけだよ」
縁「唯ちゃん、コンテスト出ないの?」
唯「出ないって。……あたし、そーいうの無理っていうか」
ゆずこ「勝ったら100万長者だよー」
縁「唯ちゃん世界一可愛いよー」
唯「やめろ!」
葉子「100万……100万あったらパンの耳がいったい何日分買えるのでしょうか……」
双葉「葉子様……そこはもうちょっと高級なもの想像しようよ」
照「でも葉子様は金髪じゃないから出られないわね」
葉子「はい、残念ながら」
双葉「よし、出番だ金髪腹黒メガネ」
照「腹黒は余計なんだけど。私嫌よ、そういうの出たくないし」
光「照ちゃ~ん。コンテストのエントリーしておいたよ」
照「ちょっとお姉ちゃん、なに勝手に!」
葉子「パンフレットによると、優勝者は可愛らしい猫とツーショットが取れる副賞付きだそうですわ」
照「!!」
双葉「まあ頑張れ照公。あまり期待はしないけど」
葉子「あら、もうすぐ大食い競争の催しが行われるみたいですわね」
双葉「!!」
シャロ「金髪少女って意外とたくさんいるじゃない」
カレン「そうデスね」
シャロ(……ぐっ……でも、負けられない! 私は必ず勝つわ……!)
カレン(負けられない戦いがそこにはあるのデス……!)
花名「あの……ソフトクリームを」
花名(うう……聞こえてないみたい)
たまて「花名ちゃん、どうしましたかー? ソフトクリームは?」
冠「あくしろよ」
栄依子「もしかして売りきれちゃってた?」
―――
紺「なるほど。はぐれちゃった友達の居場所を占ってほしいのね」
綾「そうなんです」
小梅「どんな子たちなの?」
陽子「えーっと、こう……こけしみたいな子と、金髪の留学生2人なんだけど」
紺・小梅(こけし……?)
小梅「まかせてちょうだい。私がユレールさんで占ってみるわ」
綾「ユレールさん?」
陽子「誰?」
紺「小梅は振り子占いが得意なの」
ぶら~んぶら~んぶら~ん びしっ!
小梅「分かったわ。あさっての方向に金髪少女がいるみたい!」
陽子「おお、あっちか! サンキュ、小梅!」ダッ
綾「あ、ちょっと陽子っ」
紺「友達、見つかるといいわね」
小梅「ごめんなさいね、一緒に私たちも探してあげたいところだけど。お店を離れられなくて」
綾「い、いえ全然大丈夫です。あ、あの……今度また来たら別のこと占ってほしいんですけど」
紺「いつでもいいわよ。どんなことを?」
綾「その……こ、恋の占い……とか」//////
紺「……」///
小梅「……」///
綾「よ、陽子待ってー!」ダッ
小梅「……あらやだ、紺ったら何赤くなってるのよ~」
紺「こ、小梅もでしょっ」
萌子「ここで占いやってるみたいだよ」
真魚「占いっすか? 面白そう!」
若葉「何だかとってもギャルっぽいっ」
直「ギャルっていうか……まあ女子っぽくはあるか」
―――
アリス「ナルたちのよさこいの演舞を見るのが楽しみだね。始まるまでまだ時間があるけど」
忍「ハナちゃん……綺麗な金髪でした。触り心地も快適で」ウットリ
アリス「もうシノ。確かにハナの金髪も綺麗だったけどわたしだって負けてないよっ」
忍「アリス。勿論ですよ、アリスの金髪の流れるような美しさは最高ですっ」
アリス「シノ……」
忍「ああ! 向こうにも金髪少女が。あのお店の中です! 行ってみましょう!」
アリス「シノ目移りし過ぎ!」
―――店内
夏帆「メニュー? そこに置いてあるでしょ。メニューくらい自分で取って読みなさいよ」
忍「うふふ」ニコニコ
夏帆「な、何? 頼みたいなら……頼めば? べ、別にあんたが注文したって全然嬉しくないんだからねっ」
忍「金髪少女のツンデレ接客……すばらしいシチュエーション!」ハアハア
夏帆(うう~、女の子の接客ってあんまりしたことないから何だか難しいよぉ)///
アリス「……」ジトー
アリス「……」チラ
一般男性客「あ、あの……これ、受け取ってもらえませんか?」つ手紙
苺香「これは……」
苺香「ゴミですか? ゴミはゴミ箱に(ゲス顔)」
一般男性客「」
一般男性客「悲しい! だがこれでいい!」
ココア「さばげいって何なんだろうね」
千夜「サバが芸をするんじゃないかしら」
麻冬「お姉ちゃん♪ ご注文のオムライス、持ってきたよー」
ココア「わあ、おいしそう!」
麻冬「麻冬……お姉ちゃんに食べてもらいたくて頑張って作ったの」
ココア「いただきまーす。あむ……うんっ、とってもおいしいよ」
麻冬「ほんと? よかったぁ、ありがとう、お姉ちゃん(はあと)。じゃあね、ごゆっくり~」
ココア「ふわぁ。あの子可愛いねえ……お姉ちゃん、だって」
千夜「そうね。演技が上手だわー」
アリス(す、凄い……これがジャパニーズメイド喫茶なの? レベルが高くてついていけないよ)
ディーノ「忍さんは和服を着たりはしないんデスか?」
忍「いえ、帯がきついので和服は苦手なんです」
アリス「誰!?」
忍「このお店の店長さんです。イタリア出身だそうですよ」
苺香「店長さんは日本のことがとてもお好きなんですよ」
ディーノ「はい。日本の深夜アニメとかフィギュアなんて素晴らしいクオリティーデスよね!」
アリス「えっと、アニメのことはカレンのほうが詳しいし、わたしはあんまり……」
ディーノ「日本の和風美人、黒髪美少女とか最高デスよね!」
アリス「そうそう! 黒髪のやまとなでしこは最高だよ!」
苺香「私、子どもの頃に外国人を見たのがきっかけで外国に憧れてまして。いつか留学したいと思ってて」
忍「私も外国のことが好きですよ。中学の時にイギリスにホームステイしたことがありまして」
苺香「そうなんですかっ!」
夏帆「今日は女の子のお客さんが多いね」
秋月「この界隈で大きなイベントが開かれているらしいからな。つかオムライス作ったの俺だぞ」
優「春香……」
春香「優ちゃん」
優「……んむっ」春香「んっ……」CHU
秋月「……」ダバー
夏帆「秋月君!? 鼻血出てる!」
―――ブース
カレン「ホウ……ホホウ」
椎奈(ちょっとあや、外国人がゲームに興味を示しているわ。早く応対して)チラ
あやめ(いや、しーの方が英語できるだろ。どこの国の人かも分からないし)チラ
カレン「このゲーム、日本語に対応してるデス?」
あやめ「ニホンゴ喋れるんかい!」
カレン「OH! ナイスツッコミ!」
ねね「あおっち見てみて、同人ゲームの体験コーナーだって」
青葉「あ、ほんとだ」
カレン「レッツプレイ!」
ねね「あ、私もやる!」
あやめ「あ、どうぞどうぞ」
青葉「SNS部……? 部活動で同人ゲームを作ってるんですか」
椎奈「あ、はい。高校の部活動で」
青葉「へぇ、高校で……。どれどれ」
椎奈(この子たち、中学生かしら)チラ
あやめ(中学生だろうな)チラ
―――大食い競争会場
陽子「よっしゃー! 食べまくるぞ~」
綾「もう……しの達を探すんじゃなかったの」
陽子「まあ、あさっての方向に向かったらここに辿り着いたわけだし」
綾「実際、金髪の女の子が何人もいるものね……占いは外れてはないのかも」
陽子「私これに興味があったし! しの達も何だかんだでいろいろ回って楽しんでるんじゃない?」
綾「うーん、確かにそれもそうかも」
陽子「金髪コンテストが始まったらアリスもカレンも出るんだから、その会場で合流すればいいんじゃない?」
綾「あ、確かに……それならしのも一緒だろうからたぶん見つけられそうね」
陽子「よし決まり! じゃ、しばらくは二人で楽しもっか」
綾「ふ、二人で……」
綾(え、これって……傍から見たらデデデートみたいなんじゃ)///
陽子「じゃ、さっそく一緒に大食い競争に参加しよ♪」
綾「嫌よ」
―――
ざわ・・ ざわ・・
穂乃花「それでは、ただいまより超無謀パフェの大食い競争を始めます」
陽子「……」
宮子「……」
きりん「……」
るん「……」
双葉「……」
綾(まさか大食い競争の主催者が穂乃花のお店だったなんて。でも、これは陽子にとって有利だわ)
綾(超無謀パフェは前にも挑戦していたし、あのときは完食できなかったけれど。今日の陽子ならあるいは)
沙英「うわああのパフェの量凄いね……見てるだけでちょっと」
ヒロ「……ごくり」
沙英「ヒロ?」
ゆの「宮ちゃーん、無理しないでねっ」
椎名「森野さん、何杯いけるだろうね」
リョウ「きりんー、よく噛んで食べるんですよー」
トオル「大丈夫、るんちゃんなら」
ナギ「まあ、あいつならいけるだろ。……で、いくら賭ける?」
ユー子「え、これ賭けられるん?」
照「ここは双葉の単勝ね」
葉子「双葉さん……!」
綾(わ、私も陽子を応援しなくちゃ……)
綾(こんなときカレンがいたら……大声上げてくれるのに)
綾(もうっ……)
綾「が、がんばって……ょぅこ……(小声)」//////
きりん「リョウー! ありがとう! よく噛んで食べるから!」
るん「おーい、とおる~」
宮子「いや~、ただ飯をいただけるとは。ありがたや、ありがたや」
双葉「はーもうおなかペコペコだよー」
陽子(なあんだ。大食い競争っていうからどんな人たちが集まるのかと思ったら、みんな普通の女の子じゃん)
陽子(ふふ、勝てる!)
陽子「綾ーっ! 私頑張るからー! 応援しててねー!」
綾「ちょっ、陽子!?」
綾(もう! 周りの人が私に注目してるじゃない! 陽子のバカ、バカバカバカっ)
穂乃花(頑張ってね、陽子ちゃん)
穂乃花「それでは、レディー……スタート!!」
【数分後】
きりん「はむもぐばくむしゃ……おかわり!」
宮子「こちらもおかわりでー」
るん「あ、私もー」
双葉「ん~、おいしい。もう一杯!」
陽子(嘘……だろ……)
陽子(何なんだこいつら……)
陽子(ダメだ……)
陽子(私には……勝て、ない……)ぐにゃあああああああ
陽子「ガクッ」
穂乃花「陽子ちゃん!?」
綾「陽子ぉぉぉぉぉおおおっ!?」
(後半に続く)
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