勇者「ボクが強すぎるせいで、いつも気がつくとモンスターが勝手に全滅してる」 (47)

―城―

国王「えぇと……おぬしが勇者?」

勇者「はい!」

国王「剣の心得は?」

勇者「八つの頃より十年間、勇者としてみっちり鍛錬に鍛錬を重ねてまいりました!」

国王「そうか……」

国王(そのわりに……あんまり強そうには見えんなぁ……)

国王(なんとも頼りなさそうな若者だが……本当に大丈夫なのか?)

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老従者「陛下」

国王「む?」

老従者「当主はまだお若いながら、紛れもなく由緒正しき初代勇者の血を引くお方」

老従者「大船に乗ったつもりで、お命じ下さいませ」

国王「う、うむ……」

国王(こちらの老人は……只者ではない。一目で分かる)

国王「では勇者よ、魔王討伐の旅に出てくれい。よろしく頼む」

勇者「ははっ!」

―老従者の家―

孫娘「おじい様……!」

老従者「孫よ、坊ちゃまと一緒に行ってくるよ」

孫娘「お気をつけて!」

老従者「大丈夫、きっと魔王を倒してくるよ」

勇者「そうさ、なんたってこのボクがいるんだからね!」

孫娘「……」キッ

勇者「!」ビクッ

勇者(睨まれた……! なんで……?)

―平原―

魔物A「キシャァァァァァッ!」

魔物B「グワォォォォォォッ!」

勇者「おっと、いきなりモンスターか!」

勇者「じいや、ここはボクに任せといて……」

老従者「……」ギンッ

勇者(じいやの顔つきが……変わった!?)

勇者「……ん」

勇者「あ、あれ!? ボクどうしてたんだ!? 魔物は!?」

老従者「あの通りでございます」

勇者「二匹とも死んでる……」

勇者「いったい誰が……?」

老従者「もちろん、勇者様でございます」

勇者「ボクが!?」

勇者「あっ、そうか! 分かった!」

勇者「剣の達人が至るという境地……“無我の境地”にボクも達したんだな!?」

老従者「その通りでございます」ニコニコ

勇者「やったぁ!」

勇者「よぉし、この調子でどんどん魔物を倒すぞ!」

老従者「ファイトでございます。坊ちゃま」

石人形「ニンゲン……コロス……グゴゴゴゴ……」

勇者「うう……今度のは手強そうだ!」

老従者「大丈夫です。坊ちゃまの敵ではありませぬ」



勇者「……あれ?」

ゴロン…

老従者「ほらご覧下さい。石人形は坊ちゃまの剣で、石ころの山となり果てました」

勇者「おお……ボクって強いや!」

人食い植物「キシャァァァァァッ!」ボフボフッ

勇者「うわっ、眠り花粉か! 眠くなってきた……」ウトウト…

老従者「こ、これはいかん!」サッ



勇者「人食い植物が……バラバラに……」

老従者「お見事です」

勇者「だけどボク、眠ってたんだよ?」

老従者「眠っていても戦える。それが無我の境地というやつです」

勇者「そっか! それが無我の境地か! やったぁ!」

―大都市―

市長「お願い致します、勇者様……どうか、この大都市をお守り下さい!」

勇者「魔物の数は?」

市長「五百はいる模様です。魔王軍もこの大都市を落としたくて必死なのでしょう」

市長「今までは衛兵たちが頑張ってくれましたが、さすがにこの数は……」

勇者「五百か……ま、ボクに任せなさい」

老従者「……」

勇者「どうしたい、じいや。険しい顔して。大丈夫だよ、戦うのはボクなんだから」

老従者「はい……」

ザッザッザッ… ウゾウゾウゾ… ズシンズシン…



衛兵「き、来た! 魔王軍が押し寄せてきました!」

勇者「うーん、ものすごい大軍勢だ。みんなはジャマだから避難してて」

衛兵「は、はいっ!」

老従者「……」

勇者(じいやの顔つきがますます険しくなってる……)

勇者(だけど大丈夫! ボクの無我の境地に敵なんかいない!)

勇者「……ん」



シーン…



勇者「うわーっ、敵が全滅してる! やったーっ!」

勇者「ハハハ、どんなもんだい!」

老従者「坊ちゃま……お見事です」

勇者「ありがとう、じいや」

勇者「――!?」

勇者「じいや!? ひどいケガじゃないか!」

老従者「これはどうも……」

勇者「どうして? なんでボクは無傷で、じいやだけそんなケガしてるんだよ!」

老従者「魔物が襲いかかってきたのを防ぎきれませんで……」

勇者「そ、そうか」

勇者「……」

老従者「さぁ、市長に勝利の報告を致しましょう」

勇者「うん……そうだね」

老従者「どうしました? 坊ちゃま?」

勇者「いや……なんでもない」

―悪魔の塔―

勇者「この塔の最上階に巣食う大悪魔は魔王の右腕ともいうべき存在らしい」

勇者「塔を攻略すれば、一気に戦いが有利になるぞ!」

老従者「はい!」

門番A「む、なんだてめえら!」

門番B「こっから先へは通さねえぞ!」

勇者「ふん……だったら力ずくで通るまでだ!」

勇者「ん、ここは……」

老従者「悪魔の塔、最上階でございます」

勇者「え!? じゃあ大悪魔は!? ボスはどうなったのさ!?」

老従者「そこで屍になっております」

勇者「……!」

勇者「じいやはやはりケガをしてるね。大丈夫?」

老従者「戦いの巻き添えを食ってしまっただけです」

勇者「そう……」

勇者「魔王の右腕すら、いつの間にか倒すなんてボクはすごいなぁ!」

勇者「強すぎるってのも罪なもんだよ! アッハッハ!」

老従者「まったくもっておっしゃる通りで」

勇者「……」ギリッ

勇者「……って、そんなわけないだろうがぁ!!!」

老従者「!」

勇者「いくらボクがマヌケでも、これだけ同じことが続いたら流石に気づく!」

勇者「じいや……モンスターと戦ってくれてるのはじいやなんだろう!?」

勇者「じいやはボクを気絶させて、代わりに魔物と戦ってるんだろう!?」

勇者「ボクが弱いから! ボクが戦ったら死ぬから! そうなんだろう!?」

老従者「いえ、違います」

勇者「なにが違うんだよ!」

老従者「戦っているのは坊ちゃまです」

勇者「……そうかい。あくまでそう主張するつもりかい」

勇者「分かった……もういい!」

老従者「……」

――

――――

勇者「へぇ~、あの山に魔物だけが暮らす里があるんだ」

村人「へえ、彼らは魔王を嫌っており、人間にも優しく接してくれるんですよ」

勇者「ふうん、面白そうだ」

勇者「よし決めた! じいや、ボクその村に行ってみることにするよ!」

老従者「お待ち下さい! 私は反対です!」

勇者「なんで?」

老従者「友好的とはいえ魔物は魔物、むやみに会うべきではありません」

勇者「ふん、じいやは差別主義者か」

勇者「いっとくけど、ボクは魔物は全て滅ぼすべきだなんて考えてない」

勇者「仲良くできるのならしたいと思ってるんだ」

勇者「それに、このところ納得いかないことが多すぎて、たまには気晴らしがしたいんだ」

老従者「しかし……」

勇者「じいや、悪いけどもうあんたの指図は受けないよ!」

老従者「はい……」

―魔物の里―

勇者「ここか……」

魔物娘「あら、あなたがたは人間ですか?」

勇者「うん、ボクたち魔王を倒すために旅をしてるんだ」

魔物娘「いらっしゃい、歓迎いたします。さ、こっちに来て下さい!」

勇者「どうもありが――」

老従者「……いかん!」

勇者「……ん」

魔物娘「あ……あ、ああ……」ガタガタガタ

勇者「……」

老従者「ハァ、ハァ、ハァ……」

勇者(あの魔物の娘は怯えていて、じいやは息が切れている……)

勇者(そうか……今までの戦いがどういうものだったか、やっと分かったような気がする)

勇者「君、今見たことをありのまま話してくれるかい?」

魔物娘「は、はい……」

魔物娘「あなたが突然、すさまじい顔つきで私に襲いかかってきて……」

魔物娘「でも、そちらのおじいさんが止めて下さったんです……」

勇者「……そうか。そういうことだったか」

老従者「……」

勇者「今まで魔物を倒してたのは、じいやのいうとおり、全部ボクだったんだね」

老従者「そうです」

勇者「そして、じいやの役目は……ボクの暴走を食い止めることだった」

老従者「おっしゃる通りです」

勇者「……さて、じいや」

勇者「なぜ、ボクがこうなってしまうのか、説明してもらえるかい?」

老従者「……かしこまりました」

老従者「勇者様のご先祖、初代勇者様はすさまじい強さで当時の魔王を倒しました」

老従者「初代勇者様の強さの源は、本人の素質や努力ももちろんあったのでしょうが」

老従者「魔物への異常な憎しみによるところが大きかったといわれています」

老従者「この初代勇者様の憎しみは、血と共に脈々と子孫へと受け継がれ……」

老従者「このため、勇者様の血を受け継ぐ者は、魔物を見たとたん意識を失うほどに凶暴化し」

老従者「問答無用で襲いかかってしまうのです」

勇者「そうだったのか……」

老従者「この凶暴化はあまりに長時間続くと、矛先が魔物だけでなく人間にも向かいます」

老従者「さらに長く凶暴化すればするほど、強さも増していくのです」

老従者「だから、誰かが止めなければとんでもないことになってしまう」

老従者「そこで、その使命を与えられたのが……」

勇者「じいやの従者一族というわけか」

老従者「はい」

老従者「我々は幼い頃より“凶暴化した勇者様”を止めるための術を学びます」

老従者「凶暴化した勇者様に立ちはだかり、急所を打ち、動きを止めるための訓練です」

老従者「この訓練は、本当に対勇者様に特化したもののため」

老従者「たとえば魔物との戦いなどではほとんど役に立ちません」

老従者「勇者様は私が魔物を倒していたと思っていたようですが、私にそんな力はないのです」

勇者「なるほど……よく分かったよ」

勇者「でも、どうして……どうしてボクに教えてくれなかったんだ?」

老従者「私の息子は……勇者様のお父上である先代勇者様によって亡くなりました」

勇者「!」

老従者「武者修行中、魔物と出会ってしまい……凶暴化を止めることには成功しましたが」

老従者「息子は死にました」

老従者「そして、先代勇者様もまた、そのことを気に病み……そのまま体が弱り切ってしまい」

老従者「亡くなられてしまったのです」

老従者「これは従者一族としての我々の落ち度でした」

老従者「もしも、先代勇者様が自分の凶暴化のことを知らなければ」

老従者「きっと息子は魔物に殺されたんだと思い、そんなことにはならなかったかもしれません」

老従者「だから私は、もしあなたの手で私や孫娘が死ぬことがあっても気に病むことがないよう」

老従者「あなたには凶暴化の件は黙っていよう、と決めたのです」

勇者「そうだったのか……ボクのために……」

勇者「教えてくれてありがとう……じいや」

勇者「あの孫娘ちゃんがボクを睨むのは当然だ」

勇者「じいやは、いつもいつも命がけでボクと戦わなきゃならなかったんだから」

老従者「坊ちゃま……」

勇者「安心して、じいや。ボクは勇者の使命を投げだすつもりはない」

勇者「魔王はボクが倒さなきゃいけないんだから」

勇者「だけど、一つだけやってみたいことがある」

老従者「なんでしょう?」

勇者「ボクは初代勇者の血を克服したい!」

勇者「このまま、ずっとじいやの一族に尻拭いをしてもらうわけにはいかないし」

勇者「魔物だってボクみたいなのがいたんじゃ気が気じゃないだろう」

勇者「だから、ボクはなんとしてもこの血を克服したいんだ! いや、してみせる!」

老従者「坊ちゃま……私は嬉しゅうございます」

老従者「坊ちゃまがこんなに成長なされて……」グスッ…

勇者「オーバーだな、じいや。しかし、どうすればいいんだろう?」

老従者「魔物を見て、凶暴化をなんとか我慢する、を繰り返すしかないと思いますが……」

魔物娘「あ、あの私も手伝わせて下さい!」

勇者「え!?」

魔物娘「今の話を聞いてて、私も、勇者さんの心意気に感動しちゃって……」

勇者「でも危ないよ! じいやがボクを止められなきゃ、君も死んじゃうかもしれない!」

魔物娘「どうせ、さっき死にかけた身ですし……」

老従者「可憐な見かけによらず、なかなか豪気なお嬢さんですな。いかがいたしますか?」

勇者「分かった……協力してもらおう」

魔物娘「はいっ!」

勇者(う……)ズズ…

勇者(さっそく、初代勇者の血が騒ぎ出した……!)

勇者「う……うう……」

勇者(この子だけを見てるだけで……! 無性に憎しみが沸く!)

勇者(殺したくなってくる!!! ……ブチ殺したいッ!!!)

勇者「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

魔物娘「ひっ!」

老従者「止めるッ!」バッ

勇者「……ん」

老従者「坊ちゃま」

勇者「やっぱり、ダメだったか……」

老従者「しかし、先ほどの坊ちゃまはほんの数秒ですが、理性を保たれていました」

老従者「これを繰り返せば……」

魔物娘「さあ、私を見て下さい!」

勇者「うん……」チラッ

魔物娘「!」

勇者「ぐ……うぐ……ぐ……」

勇者(よし、さっきより……だけど、まだ……!)

勇者「ウガアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

老従者「はぁっ!」ババッ

やがて――

勇者(ぐ……! だが、だいぶ抑えられるようになってきた!)

勇者(ボクの中にうごめく初代勇者様の血を……!)

勇者「うぐ……うおおおおおおっ!」

老従者「坊ちゃま!」

魔物娘「勇者さん!」

勇者「……!」

勇者「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

勇者(やっと抑えられた……!)

勇者「協力してくれて、ありがとう……」

魔物娘「いえ、これも私たち魔物のためでもあるので……」

勇者「じいやも……」

老従者「……」ゴホッゴホッ

勇者「じいや!?」

老従者「いえ、大丈夫です。さぁ、あとは魔王を倒すだけです」

勇者「ああ……血を抑えたら、今までボクの体が経験した戦いってやつが」

勇者「ボクの体じゅうに噴き出してきた!」

勇者「今のボクなら、きっと魔王にも通用する!」

―魔王城―

勇者「行くぞ、じいや!」

老従者「はっ!」

勇者(ボクはもう、初代勇者の血には惑わされない……)

勇者(それに、今までの戦いの経験は頭には残ってないがボクの肉体に残ってる)

勇者(その経験と、十年間の鍛錬の成果で、敵を倒す!)

上級魔物「グワオオオオオッ!!!」

勇者「だあっ!」

ザシュッ!

勇者「いよいよ魔王城の中枢に入ったみたいだ……」

老従者「ううっ……」ガクッ

勇者「じいや!?」

老従者「申し訳ありません、体が思うように……」

勇者(やっぱりボクとの特訓が、体を蝕んでいたか……)

勇者「じいやは休んでて。魔王はボク一人で倒すから!」

老従者「どうか、世界をお救い下さい……」

勇者「うん!」

魔王「フハハハハ……ついに来たか、勇者よ」

魔王「ワシはかつて不覚を取った魔王などとは違う! さぁ、かかってくるがいい!」

勇者「いくぞ、魔王!」

勇者「……!」ズキッ…

勇者(この感覚……! 魔王を見たら、克服したはずの凶暴性がよみがえってきた!)

勇者(初代勇者の血が騒ぐ……抑えろ、抑えるんだ!)

魔王「……?」

勇者(もしかしたら、初代勇者に任せた方がいいのかもしれない……)

勇者(だが、ボクはボクの力で魔王を倒す!)

勇者「だあっ!」

ガキンッ!

魔王「青二才め! その程度でワシは倒せんわぁっ!」

ズガガガガガッ!!!

勇者「ぐっ!」ドザッ

勇者「強い……! ケタが違う!」

勇者(やはり、ボクの実力では勝てないのか……!)

勇者(だけど、ここで血に身を任せたら、じいやと魔物の女の子との特訓が無駄になってしまう……!)

勇者(どうすれば……!)

――勇者よ。

勇者「……ん?」

――数百年の時をへて、私の憎しみを解き放ってくれてありがとう。

勇者「あなたは……?」

――力を貸そう。

勇者「あなたは、まさか……」

――案ずることはない。これは“君の力”だ!

勇者「あなたは……!」

――さぁ、魔王を倒せ!

勇者「はいっ!」

勇者「魔王、お前を倒す!」

魔王「ぬうっ!?」

ガキンッ! キンッ! ガキンッ!

魔王「おのれ……!」

魔王(なんだ、この力は……!? まるで二人を相手してるような……!)

勇者(初代勇者様……さようなら!)

勇者「うわああああああああっ!!!」


ズバァッ!!!


魔王「ぐはぁぁぁぁぁ……!」

魔王「ぐぶっ……おのれえ……!」

魔王「だが……人と魔族は憎み合う宿命……それは絶対に変わらぬ……」

魔王「それがある限り、また“魔王”は、生まれる、のだ……」

フハハハハハ……

勇者(やった! やったよ!)

勇者(ボク、やったんだよ!)

勇者(初代勇者様の力も借りて、ボクがこの手で勇者を倒したんだよ!)

勇者「じいや!」

勇者「!」


老従者の顔はまるで眠っているように穏やかだった。


勇者「……じいや……」

勇者「じいや……いや、ボクの従者よ。ゆっくり休んで下さい」

勇者「今まで本当にありがとう……」





こうして、勇者の戦いは終わった――

―城―

ワアァァァァァ……!

「勇者様が魔王を倒された!」 「勇者様バンザイ!」 「ありがとう、勇者様!」



国王「あの若者が、本当に魔王を倒すとは……私も見る目がなかった」

国王「ところで、勇者はどこへ?」

兵士「はっ、棺を担いで、脇目も振らずどこかに向かわれたようですが……」

―老従者の家―

勇者「……やぁ」

孫娘「……勇者様」

勇者「じいやの顔を見てあげて欲しい」スッ

孫娘「おじい様……」

勇者「すまない……じいやを、君のおじいさんを死なせてしまった」

孫娘「……」

勇者「ボクがもっとしっかりしていれば、こんなことにはならなかっただろう」

勇者「どうか、君の好きなようにボクを断罪して欲しい」

孫娘「いえ……いいのです」

孫娘「これがもし、あなたが初代勇者様の血に身を委ねた結果によるものなら」

孫娘「あるいはお恨みしたかもしれません」

孫娘「しかし、そうではないことは、あなたの御顔と祖父の顔を見れば分かりますので」

勇者「……ありがとう」


この後、勇者の血を引く者に、初代勇者由来の凶暴性が表れることはなく、

また、魔物との和解も徐々にではあるが進みつつある――










おわり

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