響「応答願ウ」 (74)

黒井「響ちゃん、Sランク昇格おめでとう」

響「ありがとう。」

黒井「おやおや、あんまり嬉しそうじゃないな」

響「なぁ黒井社長。」

黒井「どうしたんだい?」

響「なんで美希と貴音は、765プロなんかに移籍しちゃったのかな?」


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黒井「あの2人がいないと、寂しいのかい?」

響「そっ、そんなことないぞっ!」

黒井「あの2人を卑怯な765プロによって奪い取られたことは、とても残念なことだ」

響「・・・」

黒井「だが頂点に立つことは、あんな馴れ合いプロダクションでは不可能だ。そうだろう?」

響「・・・うん。王者は常に孤独なものだからな」

黒井「ならば本当の王者の姿を、奴らに見せつけてやればいい。そうすれば2人も目が覚めるだろう」

響「・・・そうなのかな」

黒井「おやおや、ずいぶんと自信がなさそうじゃないか。今度の奴らとの直接対決が怖いのかね?」

響「こ、怖くなんかないぞっ!」

黒井「まぁ構わん。奴らに勝てれば、それで良いのだからね。」

響「心配ないさ!だって自分完璧だからなっ!」

黒井「ははっ。これからもその意気で、頑張ってくれたまえ」

ーSランクかぁ。ついにトップアイドルになれたんだな。自分。

ー黒井社長にスカウトしてもらえなかったら、ここまで来れなかったんだろうな。

ーでも、なんでだろう。

「貴音・・・」

ー全然嬉しくないのは。

「美希・・・」

ー「プロジェクト・フェアリー」のために、ずっと3人で一緒に練習してきたのに。

「どうしてさ・・・」

ーどうして2人とも、765プロなんかに。

ドンッ

『っおい!気をつけろよなっ!!』

「あ、ごめんなさい」

『ったく。トップアイドル様は、俺ら候補生のことなんか眼中に無いってか?』

「そ、そんなことは・・・」

『おい冬馬っ!候補生のくせに我那覇さんになんて言い方してるんだっ!!』

『ちぃっ、次から気をつけろよなっ!』

「あ・・・」

『我那覇さんすまない、うちの冬馬が失礼なことを言って』

「・・大丈夫だぞ。」

『私から、厳しく言っておくから。じゃ、失礼するよ。』

「・・・」

「ハム蔵、帰ろっか」

『ヂュイッ!』

—さっきの子、昔の自分を見てるみたいでなんか嫌だったな。

—そういえば、美希と貴音は今何をしているんだろ。

「『こちらから765プロとは接触してはいけない』か・・・」

—1度だけこっそりメールしたけど、質問には答えてくれなかったんだよなぁ。

ギュッ

ー応えてくれたっていいのに。

ー・・・今度のフェス、絶対に765プロに勝ってやる。

ー自分が勝ったら2人も目を覚ますかもしれないし。

ー自分ならなんくるないさー。だって自分、

「自分・・・完璧だからな」

長編モノ初挑戦です。
話し方とか話の矛盾点があれば、今後の展開で修正していきますのでどんどん指摘してもいただけると幸いです。

続きは、明日か明後日に投稿します。

『こんにちはー!!』

ワーー!!

「うそ・・・」

『みんな盛り上がってますかー!?』

ワーーー!!

ー自分のパフォーマンスは完璧だったのに

『次の曲は、みんなで一緒に歌おー!!』

ワーーー!!

ー誰よりも会場を沸かせたと思ったのに

『私も負けないように、元気いーーっぱい歌いますね!!』

ーなのにこんな、最後の最後に

『うっうー!それじゃぁいきますっ!!「キラメキラリ」っ!!』

ウォーーーーー!!!!

ーこんな小さな子に負けてしまうだなんて。

*ライブ前
黒井「響ちゃん、調子はどうかね?」

響「大丈夫。問題ないさー」

黒井「そうかそうか。いつも通り『クールな我那覇響』を見せてくれたまえ」

黒井「今日は『あの765プロ』との対決の日だ。連中に君の実力を見せつけてやれ」

響「・・・わかった」

黒井「わかっているとは思うが、『負けることは許されない』からな」

響「『王者は負けない』でしょ?大丈夫さー」

黒井「ウィ、よろしい。では頑張ってくれたまえ」

響「・・・」

961プロでアイドルをしていてわかったことが2つあった。

1つ、黒井社長がやっていることは、決して正しいこととは言えないこと。

961プロの障害となるライバル事務所ー特に765プロに対しての妨害工作、ネガティブキャンペーン。

「黒過ぎて、社長の顔が見えない」とはよく言ったものだとさえ思えた。

・・・最も、社食でそんなことを言うような不届き者のデスクは、すでに別の人のモノとなっているが。

そしてもう1つ、

ー黒井社長と自分は、似ているということ

黒井社長が所謂「悪事」に手を染める理由は、近くにいるとよくわかる。

ー961のアイドルをトップアイドルするために、そして765プロに決して負けないために。

驚くほど単純明快で、わかりやすい行動原理だ。

そして自分は、

「自分は・・・っ」

ーそう、自分は

「トップアイドルになるために、家族を捨てたんだ」

*『お姉ちゃん、大丈夫ですかー?」

不意に自分にかけられた声。

響「なっ!だ、大丈夫だぞっ!」

*『そうですかー。突然大きな声が聞こえたから、大丈夫かなーって」

ー大きな声・・・あぁ。

ーさっきの考え事が、声に出ていたみたいだな。

響「だ、大丈夫さー。心配してくれてありがとうな」

*『いえいえー。あっ!お姉ちゃんもしかしてSランクアイドルの、我那覇響さんですかっ?』

響「・・・そうだけど?」

*「うわー!すごいです!!我那覇さんとお会いできるなんて夢みたいですー!」

・・・この子は自分のファンだろうか。ずいぶん小柄だし、小学生くらいかな。

・・・なんでファンが舞台裏の通路にいるんだろう。

『今日のイベント、一緒に頑張りましょうねっ!』

響「えっ」

ー 一緒に頑張ろうってことは、この子もアイドル?

ーだけど961プロにあんな子は居なかったはずじゃ・・・

『あ、プロデューサーさんっ!』

『ほらやよい、行くぞ』

やよい『はいー!それじゃーよろしくお願いしまーす!」

響「ちょっ・・・」

ー行っちゃった。いろいろ聞きたかったのになー。

ー・・・お辞儀、両手の挙がり方凄かったぞ。

*ライブ後
ーまさかあの小さな子が、765プロのアイドルだったとは。

「高槻やよい」

それが初めて会った765プロのアイドルだった

そしてー

・・・初めて自分を負かした、アイドルだった

ガチャ

黒井「君ぃ、よく頑張ったね。お疲れ様」

響「黒井社長・・・ごめんなさい」

黒井「あやまることなんてないさ。私と君には、もはや何の関係も無いのだからね」

響「え・・・」

黒井「私は言ったはずだ。『負けることは許されない』とね。無能なアイドルには用はない」

響「無能な・・・」

黒井「あぁ、無能さ。765プロに負けてしまうようなアイドルなど、必要ない」

響「そんなのってないぞっ!!」

黒井「君がどう思おうが知ったことではない。君は高槻やよいに負けた、765プロのアイドルに負けたのだ。それが全てだ」

響「だからってそんな急に」

黒井「関係ない、さっさと荷物をまとめたまえ、もはや君はトップアイドルでもなんでもない!」

響「ちょっとまっt」バタンッ

響「・・・」

ーそんな

ーこんなことって・・・

今回はここまでです。
明日・明後日には続きをあげれたらと思います。

「プレゼント」みたいな、voyagerとflybyテーマの曲が出ればいいなぁ。

『アイドルになるだって?バカなこと言うんじゃないよ』

『コンクールも優勝したんさー!!自分ならトップアイドル目指せるぞっ!!』

『コンクールっつったって沖縄だけのやつだろ?そんな奴山ほどいるに決まってるさ』

『うるさいっ!!そんなこと言うにぃになんて嫌いさー!!』

『あ、おいっ・・・』

ーそうだった。家出したキッカケは、ほんの些細な言い争い。

ーだけども、許せなかった。

ー「自分の夢を笑われた」ということに。

『ここが東京かー。やっぱ建物がみんなでっかいなー』

ー怒りに身を任せて乗り込んだ東京は、とても大きかった。

ー空を見上げても視界の半分は灰色で、どこを歩いても日陰ばかり。

ー沖縄の景色とのあまりの違いに、感じた不安は大きかった。

ーそれでも、

ーそれ以上に、

ー「ここで誰よりも輝いてみせる」という気持ちが抑えきれなかった。

『ぜーったいにトップアイドルになってやるぞー!!』

ー抑えきれずに、小さな公園で大声で叫んでみたりもした。

ー・・・今思えば恥かしい限りだけれども。

ーでもそのお陰で、

『おやおや、ずいぶんと元気な子だねぇ。君ぃ』

『トップアイドルを目指しているのかい?ならば・・・』

ー黒井社長と出会うことができた。


ー961プロでの日々は、決して楽なものではなかった。

ー何度も泣きそうになり、帰りたいと泣き言を言いそうになった。

ーだけれども絶対に言葉にはしなかった。

ー「トップアイドルになるまで帰らない」と決めたから。

『大丈夫だぞっ!自分、完璧だからなっ!』

ーそう言って強がって練習して、家に帰って枕を濡らした。

「あーあ。アイドル、クビになっちゃったぞ」

ーいつだったっけなぁ。

「ついさっきまで、クールで完璧なSランクアイドルだったのになぁ」

ー自分に嘘をつき始めた日は。

「なぁハム蔵」

ーペットを増やして、家族みたいな生活を始めた日は。

「自分、もう実家に帰っちゃったほうがいいのかな?」

「そっかぁ。本当にアイドルじゃなくなったんだな。自分」

翌日の朝、自分が961プロを追い出されたことを改めて実感させられることがあった。

契約書類・事務所の荷物・宣材一式、

自分に関係のあるもの全てが自宅まで届けられていた。

ーこんなところまで961プロの手際が良い会社なのか

文句がないわけではなかったけども、最早苦笑いするしかなかった。

「自分、どうすればいいんだろうなー」

思わず口をついて出たぼやき。

そして不安そうに見上げる大事な家族たち。

「・・・うん。大丈夫だぞ。みんな心配してくれてありがとう」

ー余計な心配は、させたくない。

そう思うとただ強がることしかできなかった。

そして、

「大丈夫さー。みんなをおいて沖縄に帰るなんて、そんなこと絶対にしないぞ!」

みんなのことを考えると、

「だってみんな大事な家族なんだからなっ!」

ーこのまま実家に帰ることなんて、できなかった。

「あーどーしよー」

気分転換に散歩をしながらボヤく。

今度は自分一人なのを確認してから、だった。

「なんであんなこと言っちゃったんだろ」

ー「みんなを置いて、帰れない」それは本心だった。

ーだけども

「これからどーすればいいんさー」

ーどうやって生活をすればいいのか、全くわからなかった。

『他所の事務所に移籍しようなんて、考えないことね』

今朝荷物が届いてからかかってきた電話で言われた言葉。

どうやらすでに他の事務所にも圧力をかけているらしい。

『我那覇響を、所属させたらどうなるかわかってるな?』

冗談みたいな話だが、黒井社長ならやりかねない気もした。

ーまさかここまで徹底的にやられるとは思わなかったぞ。

だから「アイドルに戻る道」は絶たれていた。

ーやっぱアルバイトでもしながら、動物関係の仕事を探すしかないのかな。

ー・・・食費とか、考えるだけで気が重いぞ。

ーうがーっ。考えることが多すぎるぞー

「・・・帰って寝よ」

「また荷物が届いてるぞ」

家に帰ると見慣れない封筒が1つ増えていた。

どうやら散歩中に届けられたものらしい。

ー「怪しい荷物には触るな」って言われてたっけなぁ。

アイドルに対して良からぬ考えを持つ者がいる以上、当然の指示なんだろう。

「・・・もう、なんだっていいさー」

半ば自棄になりながら、封を開けた。

ーなんだこれ?

中から出てきたのは、一枚のCDと便箋。

便箋の文字は、達筆すぎて読めなかった。

そしてディスクには、手書きで小さな花が書かれていた。

もっとも筆で書いたらしく、墨がかすれて散った花みたいになっていたけれども。

ーこんな不思議なことを仕出かす人を、自分は一人しか知らない。

「・・・貴音?」

「そっかぁ。貴音も頑張ってるんだな」

CDの送り主は、やはり貴音だった。

達筆すぎる便箋の解読に夢中になって、ハム蔵達のお昼を危うく忘れそうになったけども。

どうやら便箋に書かれているのは、デビュー曲の歌詞らしい。

手書きのCDラベルに、便箋の歌詞カード

ー貴音らしい、といえばらしいのかな・・・

歌詞だけで、自分へのメッセージが無い便箋も、貴音らしいのかもしれない。

ーでもなんでわざわざ自分に送ってきたんだ?

送られてきたCD、そして貴音のデビュー曲は「風花」というタイトルだった。

「・・・色々考えても仕方ないさー。とりあえず聞いてみよ」

♪孤独な星座が 導くStory

ー『王者たるもの、常に孤高な存在であるべきなのだよ』

♪今を生きるために 失っていく世界

ー『にぃになんて知らないっ!みんな大嫌いだっ!!』

♪寂しい景色から逃れるため

ー『よろしくなっハム蔵!今日からみんな大事な家族だぞっ!』

♪追いつめられて、言葉無くして、思うのは

ー『もはや君はトップアイドルでもなんでもない』

♪心の中に散った 風花

「だがねぇ・・・」

気がつけば、ただ泣きじゃくる自分がいた。

自分のために歌われた歌などないと思ってた。

ずっと一人だと思ってた。

だけれども、

ー貴音は、確かにすぐそばにいてくれてたんだな。

送られてきたメロディーは、自分のためのものに聞こえた。

デビュー前の、無名のアイドルからの、手作り感満載のCDだけれども。

ーありがとう。貴音

こんなに嬉しい歌は初めてだった。

ー自分、もうちょっと頑張ってみるぞ。

床にできた水たまりの中に、新しい芽が見えた。

「自分、もう一度トップアイドルを目指すことにした」

ハム蔵達家族のまえで、改めて宣言する。

ー他所の事務所には、961プロの圧力がかかっている。もうアイドルになんてなれない。

心の中で、そんな弱気な声が聞こえる。

確かに「普通の事務所」なら、黒井社長に逆らいたくないと考えるだろう。

「なんくるないさー。自分、どうすればいいかはもうわかってるんだからな!」

ーそう、961プロの言い成りにならない事務所にいけばいいんだ

ーだから

「明日、765プロに行ってくる」

今回はここまでです。

なかなか話が進みませんが、御容赦いただければと思います。
続きは週明けごろの予定です。

—はいさい!自分、我那覇響!

—ちょっと前までは、861プロでアイドルをやっていたぞ。

—ただいろいろあって、今・・・

『ひびきー。頑張ってなのー』

『・・・ちゃんとゴールできるのかしら』

—何故か2時間マラソンをやらされているぞ。


——

『お願いしますっ!765プロでもう一度トップアイドルを目指したいんだぞっ!!』

「美希・貴音に続いて我那覇さんもかぁ・・・どうなってるんだ961プロは」

『・・・』

「まぁまぁ構わないじゃないか。うちを選んでくれたというのは嬉しいことだよ」

「しかし社長。こうも元961プロのアイドルが増えてくると・・・」

「・・・向こうの妨害が怖いのかね?」

「そういうわけでは・・・」

「ならば良いじゃないか。我那覇君だっけ?明日から来ることはできるかい?」

「社長!」

『!いいのかっ・・・っじゃなくて、本当ですか!』

「あぁ構わないさ。私には君の夢を諦めさせるようなことはできないよ」

『っ!ありがとうございます!!』

「・・・礼はトップアイドルになってから言ってくれたまえ」

「と言うわけだから、明日からこの我那覇くんのプロデュースもよろしく頼むよ」

「わかりました。よろしくな、我那覇さん」

『よ、よろしくお願いします!!』

「よし、そうと決まったら早速打ち合わせだっ!いきなりだけど、テレビ出演も大丈夫だよな?」

『!! もちろんだぞっ!!』


——

「うぅ・・・」

—いきなりテレビに出れるって言われたから張り切ってたけど、こういうことなのか・・・

日曜昼間のレギュラー番組、生すかっ!

765プロのアイドルが勢ぞろいして、歌にトークにバラエティにと自由に動く番組だ。

961プロから「移籍」後の初めての仕事は、この番組のワンコーナー。

体当たりで無茶振りに近いロケに挑む「響チャレンジ」という企画だった。

—・・・アイドルって、こんなこともするんだな。

今までバラエティ番組に出演したことが無かった分、体当たりロケへの戸惑いは大きい。

—でも自分のためなんだから、頑張るぞ!

プロデューサーが言うには、このコーナーで「我那覇響」のイメージを塗り替えたいらしい。

今まで通り「クールでダンサブルなアイドル」として活動すると、どうしても961プロのイメージが強く残る。

「だから、961プロ時代には出演することが無かったバラエティ番組に出演させて、イメージを変える」

—プロデューサーはそう言ってたっけ

—・・・「イメージを変える」ってことは、また新しいキャラ作りをしないといけないのかな

961プロで作った「我那覇響」は、「クールさ」が売りだった。

—765プロのプロデューサーは、どういう「我那覇響」を求めてくるんだろう

「あ、あれ?ここどこなんさー?」

・・・考えごとをしていたら、道を間違えたみたいだぞ。

『響ちゃん大丈夫?』

「だ、大丈夫だぞ!!ちゃんと会場まで走り抜くからなっ!」

—初登場で、無様なところは見せられない。

—何としても、会場に辿り着かないと。

今回はここまでです。
明日の仕事がさっさと終われば、そのまま続きを投下します。

昨日からグリマス(ミリマス?)始めたけど、あれあれで面白いですねー
今日は風呂入ってぷちますみて寝ます。

「響ちゃんお疲れっ!今日は大変だったね」

響「あぁ、春香。お疲れさま」

ー結局、時間までに会場にはたどり着けなかったぞ・・・

春香「響チャレンジ、惜しかったねー。途中で道を間違えなかったら、余裕で間に合ってたかもしれなかったし」

響「うぅ。。。」

ーあのミスさえなければ。

「春香。我那覇さんは疲れてるんだから、あんまり邪魔しちゃ駄目よ?」

春香「え?あ!ご、ごめんなさいっ!私、そんな、邪魔をするつもりなんてなくて・・・」

響「ううん、邪魔だなんて思ってないぞ。ただ、道を間違えたのが悔しくて」

千早「そう・・・」

「響が悔しがるのはわかるけど、ちょっと落ち込み過ぎじゃないかなーって思うな」

響「!」

春香「美希!」

美希「成功するかもわからないような企画なのに、毎回こんなに落ち込んでたら大変だよ?」

春香「ちょっと美希!そんなこと今言わなくても」

千早「私は美希の言うとおりだと思う」

春香「千早ちゃんまで」

千早「いい、春香?『生すかっ!』は765プロのみんなで作る番組よ」

千早「前の事務所ではそれで良かったかもしれないけど、周りに影響の出るような態度はとらないで欲しいの」

響「・・・」

千早「移籍してきたばかりで、厳しいことを言っているかもしれない。だけども我那覇さんにはもっと周りのことを見てほしいと思うわ」

響「・・・わかったぞ。気を使わせてしまってごめん」

千早「それと美希、プロデューサーがさっきから美希のことを探してたわよ?」

美希「え!ハニーが!?」

千早「多分次回の司会のことだと思うわ。みんなで行きましょう」

春香「わ、私も?」

千早「そうよ。我那覇さんは来週も出演するのかしら?」

響「今回の反応を見てから決めるらしいから、来週は休みだぞ」

千早「そう。なら3人で行きましょうか」

美希「ハニー!今行くのー!」

春香「あ、ちょっと美希待ってよー!じ、じゃあね響ちゃん」

千早「それじゃあ、お疲れさま」

響「お疲れさま・・・だぞ」

ー自分、ダメダメだなぁ

番組の企画は失敗させてしまうし、みんなの雰囲気を悪くさせてたみたいだし。

ー「周りが見えてない」かぁ・・・

961に居た時には、久しく言われなかったこと。

よくよく考えれば、ずっと一人で活動してたから当たり前なのだけども。

どれだけ今まで自分のことしか考えていなかったかを思い知らされるようで、辛い。

「・・・帰ろう」

響「ただいま、もどったぞー」

小鳥「あ、響ちゃんお疲れさま」

『あ、あれー?なんでがなはさんが事務所に来てるんですかー?』

ーこの声、どこかで聞いたような

小鳥「やよいちゃんは久々の事務所だから、まだ聞いてなかったかしら。昨日からうちに移籍になったのよ」

やよい「えー!本当ですかー!!よろしくお願いしまーす!!」

ーあぁ、あのライブの時の。

響「自分こそよろしくだぞ」

やよい「うっうー!がなはさんと一緒にお仕事できるなんて、すっごく嬉しいです!!」

ーライブの時も思ったけど、すっごい元気な子だよね

やよい「えっとがはなさんって、」

響「がはな?」

やよい「あ、すみません!間違えました!!がなは、がなは、がはは・・・・・・、あぅ」

ーあと、すっごい可愛い。舌足らずなとことか。

響「・・・響でいいよ?」

やよい「本当ですか!?じゃあ響さんですねー!よろしくお願いします!!」

響「あはっ、よろしくだぞ!」

やよい「あー響さんやっと笑ってくれましたー!」

響「!」

やよい「響さんはもっと笑顔の方が可愛いなーって思います!」

響「ちょ、高槻さん・・・」

やよい「あ!私のこともやよいって呼んでもらえると嬉しいなーって思います」

響「そ、そっかぁ。じゃあ・・・やよい」

やよい「えへへー、ありがとうございますー!」

響「・・・で、小鳥は何でビデオを回してるんだ?」

小鳥「ピヨッ?」

やよい「小鳥さん。勝手に録画しちゃメッ、ですよ!」

小鳥「ピヨォ・・・」

ー・・・r2x歳が小学生に説教されてる絵って、すごく居た堪れない気持ちになるぞ

読んで頂いてありがとうございます。
今回はここまでです。

次回なのですが、再来週くらいになりそうです。
来週修羅場フラグが立っているので、書けるかどうか怪しいもので。。。

補足:P争奪戦は書くとしてもかなり先になると思います。
修羅場になりそうなのは実生活の方なので・・・

誤解を招くような書き方をしてすみません。

—はいさい!自分、我那覇響!

—765プロに移籍して1週間、自分は今・・・

響「ねぇ、もう許してよー」

やよい「ふーんだっ!」

—中学生に小学生って言っちゃって、怒られているとこだぞ。

響「だから小学生だなんて言ってごめんって」

やよい「響さんのことなんて、もう知りませーんっ!」

P「二人ともどーした?」

やよい「あ、プロデューサー!聞いてください!響さんがひどいんですっ!」

響「うぅー・・・」

やよいの怒る姿が珍しいのか、プロデューサーが様子を見にきた。

—・・・あんまり他の人には聞かれたくなかったんだけどなー

やよい「で、小鳥さんに『めっ!』って言ったら響さんが『小学生なのにしっかりしてるな』って言ったんです!」

P「あー、小学生。ね」

やよい「私どう見ても中学生ですよね?響さんヒドイなーって思って」

P「はは、やよいは元気一杯だからな。響はなんで小学生だと思ったんだ?」

響「えっと、こ、小柄だったのと、元気一杯だなーって思ったのと、あと」

P「あと?」

響「こう、おじぎの仕方が凄くて、それで『元気な小学生だなー』って思って」

P「あぁあのお辞儀ね。初めて見るとびっくりするだろうね」

やよい「えーっ!そうなんですか!?」

P「あそこまで勢いのあるお辞儀をする人は珍しいからなぁ」

やよい「じゃ、じゃあやめた方が子供扱いされないのかな」

P「俺は今のほうが元気があってやよいらしいと思うけどな。響もそう思うだろ?」

やよい「本当ですか?」

響「うん。今日話してて思ったけど、やよいは元気一杯な所が売りだと思うぞ」

やよい「わー、ありがとうございます!」ガルーン

P「誰が言ったかガルウィング」ボソッ

やよい「プ・ロ・デュー・サー?」

P「やべっ」

モーッ!
ヤヨイゴメンッテ!

響「ハハッ・・・」

—何とか仲直り、できたのかな

—今更だけど、961にいた頃じゃ考えられないことだよね

—自分を負かした相手とこうやってお喋りできるなんて

やよい「あのー、響さん?」

響「へ?」

やよい「さっきは勝手に怒ったりしてごめんなさいっ!」

響「え、いや、そんな。謝るようなことじゃないって」

やよい「でも・・」

響「なんくるないさー。気にすることないさー」

やよい「じゃ、じゃあ仲直りのアレやりたいです!」

響「アレって?」

やよい「こう手をあげてもらえますか??」

響「こう?」

やよい「はいっ!じゃ、いきますよー!」

「ハイッ!ターッチ!!」パーン

やよい「イェイッ!」

—なーんか、妹ができたみたいで楽しいな

—やよいと一緒なら、なんくるないさーって気持ちになれるし

—765プロでなら、前より上手くやれそうな気がしてきたぞ

—あと問題なのは・・・

P「ところで響は今日休みじゃなかったか?」

響「最近レッスンか休みかだから暇なんだぞ」

P「・・・すまん」

—あれ以来仕事がほとんどないこと、だぞ。

遅くなりましたが、今回はここまでです。
週明けまでには、続きをあげたいと思います。

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