女子寮近くのスーパーでお買い物をしていると、なんだか見覚えのある顔を見かけました。
わたしから声をかけたほうがいいのかな、と考えていると、向こうもわたしに気付いたようでこっちに近づいてきます。
李衣菜「あ、智絵里ちゃん! こんなところで会うなんて奇遇だね!」
智絵里「李衣菜ちゃん、こんにちは。李衣菜ちゃんがこんなところにいるなんて珍しいですね」
※モバマスSSです
デレステの宝くじの結果はノーコメントです。
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李衣菜「そうかなー? 女子寮にお泊りする時とかたまに使ってるんだけど」
確かに、李衣菜ちゃんはみくちゃんたちにお呼ばれしてたまに女子寮にお泊りしています。
わたしのところにはまだ、来てくれたことはありませんけど。
……って、そんなことは今どうでもいいんです。
とにかく、李衣菜ちゃんは女子寮でのお泊り会の時に、このスーパーを利用することがある、という話です。
智絵里「なるほど、そうなんですね。それで、お泊りって……。今日もみくちゃんのところだったりするんでしょうか?」
李衣菜「それが、今日は違うんだよね。今日の目的は……これだよ!」
そう言って李衣菜ちゃんが取り出したのは……
智絵里「福引券、ですか……?」
李衣菜「そう! このスーパーで買い物をするともらえる福引券だよ!この間お買い物をしたときにもらったのと、みくちゃんたちに分けてもらったのを合わせて3回分だよ!」
そう言いながら、李衣菜ちゃんはあつめた福引券をひらひら見せています。
でも、福引き3回分って、結構お買い物しないといけなかったような……。
李衣菜「智絵里ちゃんは福引券もってないの? よくここで買い物するなら1回分くらいは集まってるんじゃない?」
確かにそうかもしれません。
気になってお財布を見てみると……。
智絵里「あ、わたしも1回分持ってましたね。せっかくですし、わたしも一緒に引きに行っていいですか?」
李衣菜「うん! 一緒に行こう!」
李衣菜「ここが福引会場だね! 結構人が並んでるねー」
智絵里「そうですね。ん、あれは……? まゆちゃんでしょうか……?」
李衣菜「ほんとだ。まゆちゃんの狙いは絶対アレだよね……」
『特等:温泉旅館 ペア宿泊券』
智絵里「そうかもしれないですね……」
きっと、まゆさんのことですからPさんを誘って行くつもりなんでしょう。
特等は本当に数が少ないみたいなので、茄子さんに頼んだりしないと難しいでしょうけど。
李衣菜「あ、次まゆちゃんの順番みたい。……なんかすごい気迫を感じる」
智絵里「そ、そうですね……」
順番待ちの列からまゆちゃんの様子を眺めます。すると……
カランカラーン♪ おめでとうございます!!
まゆ「……えっ?!」
智絵里「まゆさん何かが当たったみたいですね! 何が当たったんでしょう?」
李衣菜「すごいねまゆちゃん! ただ、そこまで喜んでないし商品券あたりじゃ……」
特等! 温泉旅館ペア宿泊券!! 当選です!!!!
まゆ「えっ? えっ? あ、ありがとうございます……」
智絵里「特等の宿泊券じゃないですか! すごいですねまゆさん!!」
李衣菜「ほ、ほんとうに当てちゃうなんて……。これはPさん、というか事務所が大変なことになる気が……」
智絵里「何事も起きなければいいんですけど……(少しまゆさんが羨ましいです)」
まゆ「♪♪」
李衣菜「まゆちゃん、すごい! 特等おめでとう!!」
智絵里「おめでとうございます」
まゆ「ふふっ。2人ともありがとうございます。これでPさんと……。むふふふふふ……」
李衣菜「まゆちゃん落ち着いて。別人になっちゃってるから」
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智絵里「そろそろ私たちの番ですね」
李衣菜「そうだね。あー緊張するー!」
智絵里「え、李衣菜ちゃん緊張してるんですか?」
李衣菜「やっぱり、目の前で、しかも知り合いが特等引き当てちゃうとね……。私ももしかしたら、って思うとなんだか……」
智絵里「そうかもしれないですね。あ、次李衣菜ちゃんの番ですよ」
李衣菜「うん! 行ってくるよ!!」
そう言って意気揚々と福引に挑む李衣菜ちゃん。ですが……
ガラガラ... (白) ガラガラ... (白) ガラガラ... (白)
お嬢ちゃん、残念だね! これ、残念賞のポケットティッシュ、3個だよ!
李衣菜「あ、ありがとうございます……。……はぁ」
どうやらダメだったみたいです。
次の方ー、どうぞー!
智絵里「は、はい!」
そして次はわたしの番です。とはいっても、李衣菜ちゃんと違って1回分しかないので、きっとわたしも白色のティッシュでしょう。
それじゃあ、1回分、まわしてくださーい!
ガラガラ... コロッ (赤色)
智絵里「あれ? この色って……?」
カランカラーン♪ おめでとうございます!!
3等、野菜の詰め合わせセットが当選しました!!
智絵里「あ……、ありがとうございます!」
少し重いですけど、そのまま持ち帰りますか?
大変でしたらご自宅まで郵送もできますよ。
智絵里「えっと、それじゃあ今日もって帰ります」
分かりました! 商品はこちらになります!
……うーん、本当に重たいです。
でも、女子寮に送ってもらうわけにもいかないですよね……。
大変ですけど、頑張って持って帰ることにします。……はぁ。
くじびきを終えた後の帰り道。
李衣菜ちゃんも、「持って帰るのに一人じゃ大変でしょ?」と言いながらついてきてくれます。
なんだか2人でのお散歩みたいで楽しいです。
……手には野菜の入った段ボールを抱えていますけど。
李衣菜「智絵里ちゃんやったね! あ、重かったら手伝おうか?」
智絵里「やったね! ……すいませんが、持つの交代してもらってもいいですか?」
李衣菜「うん! って、これ本当に重いや……。どれくらいのお野菜が入ってるんだろ」
智絵里「本当ですよね……。わたし一人だと食べきれないかも……」
李衣菜「やっぱりそうだよね……。……あ、そうだ!」
智絵里「?」
李衣菜「このまま女子寮のみんなに配るのももったいないし、今日この後お鍋にしない? このお野菜を使って!」
智絵里「いいですね! でも、ちゃっかり李衣菜ちゃんはこのお野菜を食べようとしてますよね? 本当はわたしが当てたものなのに……」ジトー
そう言いながら少しだけむっとしてみます。
もちろん、自分だけでは食べきれない量なのは分かっているので冗談ですよ?
荷物も持ってもらっていますし。
李衣菜「そ、そんなことないって! ちゃんとお鍋の準備は私がするし!!」
智絵里「……なーんて、冗談です。それじゃ、女子寮に帰ったら早速準備しましょうか」
李衣菜「うん!」
李衣菜「……そろそろ箱持つの交代してほしいんだけど」
智絵里「女子寮までもう少しなので頑張ってください!」
李衣菜「そんなー!」
智絵里「李衣菜ちゃん、頑張ってください! 帰ったらお鍋ですから!!」
その日の夜。
女子寮の何人かに声をかけて、即席の鍋パーティー。
帰り道で言っていた通り、準備はほとんど李衣菜ちゃんがやってくれました。
そのせいで、響子ちゃんは少し不機嫌そうでしたけど。
みんなのために準備から鍋奉行までやってくれた李衣菜ちゃんも本当に楽しそうで、見ているわたしまでしあわせな気持ちになりそう。
あ、そろそろお野菜の補充をしたほうがいいのかな?
智絵里「李衣菜ちゃん、白菜ってまだ残っていましたっけ?」
李衣菜「もちろん! 向こうに置いてあるから取ってくるね!」
智絵里「お願いしますね」
李衣菜「私がいない間に全部食べちゃったりしないでよ?」
智絵里「それは……」
周りを見てみると、みんなまだまだ箸とおしゃべりが止まりそうな気配はありません。
智絵里「……無理かもしれないですね」
李衣菜「そんなぁ。じゃあ準備してくるから、少し待っててね!」
智絵里「はーい!」
福引から始まった今日のお鍋パーティー、みんな楽しそうで本当によかったです。
今日みたいに、みんなにしあわせを届けられるようになれればいいな。
でも、少しだけわがままなんですけれども……
李衣菜ちゃんと2人きりのお鍋もしたいです、……なんて。
今度李衣菜ちゃんに言ってみようかな?
……そういえば、あの時福引で特等を当てたまゆさんはどうなったんでしょうか。
無事に、というか平和に、相手が見つかればいいんですが……。
わたしには直接関係ない話でしょうし、事務所でドタバタが起きないことを願うばかりです。
[べつのひ]
まゆ「この間、福引きで温泉旅館のペアチケットをいただいたんですが、Pさんにものすごい勢いで断られてしまいました……」
まゆ「なので! 李衣菜ちゃん!! 一緒に行きましょう!!」
李衣菜「ええー? そんないきなり!? でも、お仕事とかの都合もあるし……」
まゆ「その辺りはすでにちひろさんに確認済みです! ちょうど一緒のお休みもあるそうですし!」
李衣菜「話が急すぎるよー!」
智絵里「まゆさん、羨ましいなぁ」(二人とも落ち着いてください)
李衣菜「智絵里ちゃん、逆だよ逆!!」
おしまいです。
福引きがダメだったので、代わりにアイドル達に頑張ってもらいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回、まゆりーな温泉旅行編には一切続きません。
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