注意点
・このSSはダンガンロンパV3の二次創作です。ネタバレを含みます。
・原作に対して独自に解釈・未判明部分に対して独自に設定した部分などを含みます。
・シリーズ更新です。チャプターごとにまとめた投下をしていく予定です。
・続き物になります。チャプター1・2・3を読んでいない方はこちらを先にどうぞ。
・チャプター1
夢野「強くてニューゲーム……ってウチなのか?」『ダンガンロンパV3』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491659924/)
・チャプター2
夢野「強くてニューゲーム……って、ウチなのか?」ch.2『ダンガンロンパV3』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495890004/)
・チャプター3
夢野「強くてニューゲーム……って、ウチなのか?」ch.3『ダンガンロンパV3』 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1503323228/)
・pixivでも同時更新して行きます。今までの分も投下済みです。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8333329
・時間が開いたので、チャプター1、2、3のあらすじをまとめてからチャプター4を開始します。1、2、3を読んでない方はネタバレに注意を。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515761438
チャプター1 あらすじ
コロシアイを生き残り学園を脱出した夢野は、次の瞬間コロシアイの最初に戻されていることに気づく。
同様の現象は生き残りの最原、春川にも起こっており、三人はコロシアイを生き残った記憶を使ってコロシアイを止めることを誓う。
しかし第一の動機モノクマのタイムリミットを撤回出来ず、コロシアイの阻止は難航。
そんな中記憶にないRを名乗る謎の人物からの手紙が発見される。
天海の才能が生存者ではなく冒険家になっていることから、記憶と違う行動を取るRではないかと疑うが否定。
誰がRなのか分からないままタイムリミット直前を迎え、コロシアイ促進BGMが鳴る中、前周回の首謀者白銀の死体が発見される。
死体発見現場で一緒に倒れていた最原は怪しまれて、クロではないかと疑われる。
その後の裁判で最原は一度クロではないと判断されるも、嘘がバレてクロだと判明。全会一致で投票される。
だが、それも最原の予定通り。
最原の狙いはクロと指摘され、そのおしおきにモノクマを巻き込んで破壊すること。首謀者が死んだ今、新たなモノクマを生み出せないことから、コロシアイを終わらせる狙いだった。
しかしこの周回での首謀者は白銀ではなかった。新たな首謀者の手によってモノクマは無慈悲に復活を遂げる。
そして夢野たちがコロシアイを生き残った生存者だという事実が告げられる。
全部モノクマの手のひらで転がされていたことに気づき絶望しかけるが、夢野は最原の思いに応えるために奮起。コロシアイを止めることを宣言する。
こうして新たなコロシアイ生活は幕を開けた。
チャプター2 あらすじ
才囚学園の新たなフロアの開放。
それに伴い、春川の超高校級の暗殺者の研究教室も開放される。前周回では自分の才能を隠していた春川だが今回はそれを皆に打ち明け、受け入れられる。
そんな中モノクマに提示された新たな動機。『動機ビデオ』
夢野と春川はどうにか対処しようと画策するが、今周回では生き残った赤松がバラバラに配られたビデオをみんなで見ようと提案する。
そして始まった動機ビデオ鑑賞会。
東条と星の動機ビデオで問題が起きるも、みんなで解決。このまま無事に終わるかと思った矢先に、前周回では不発だった真宮寺の動機ビデオ『姉の友達を作るために女性を殺している』という内容が暴露される。
しかし真宮寺が思い出しライトで今思い出したという嘘を付いたのと、赤松が許したことでどうにかその場は収まった。
その後夢野がアンジーの信者にならなかったため、代わりにキーボのロボットショーが開かれる。
ショーの最中に超高校級の昆虫学者、獄原ゴン太の死体が発見。
捜査・裁判を経て、超高校級の発明家、入間美兎が夜時間にプールの水に触れてはいけないという校則を用いて殺されたことが判明。言いがかりをつけるもおしおきされる。
夢野はその言いがかりの中の不可解な言葉から、入間に今回の殺害計画を渡した『提案者』がいることを突き止める。
提案者の存在、最原の蘇りを夢想してしまう赤松。
コロシアイ学園生活はさらに混迷を極めていく。
チャプター3 あらすじ
第三の動機、これまでに死んだ生徒から一人を蘇らせて転校生として迎えるというもの。
夢野と春川はこれによる争いを阻止するために、そして蘇り方法からこの世界の秘密に迫るために屍者の書の使用を決意。
その結果、最原が前周回の記憶を持ったまま蘇る。
再び今周回のコロシアイを止めるために動き出す三人。
生徒たちをおびやかす脅威は大きく分けて二つ。
一つは入間にゴン太を殺す計画を教えた『提案者』。夢野はその候補である前周回と外れた行動を取り始めた王馬に探りを入れるが煙に巻かれる。
そして二つ目、モノクマの関わらない動機を持った真宮寺を警戒していたが、それも空しく彼は最原と東条の死体が転がる美術室で自分が二人を殺したと主張する。
捜査時間を経て始まった学級裁判。
残った証拠から、東条が『提案者』であり、最原を殺そうとしていたことが判明する。東条は自身から疑いを逸らすために、入間にゴン太を殺させ、新たな動機を発表させる狙いだったのだ。
しかし東条も最原を殺していないこと分かり、二転三転した裁判の結果、最原を殺したクロは赤松だと分かった。
赤松は復活した最原の様子が生前と微妙に違うことに気づいており、そこから自分が絆を結んだ最原と別人であとを突き止め拒絶してしまう。
それを受けた最原の暴走から逃げるために、無我夢中で殺してしまったというわけだった。
赤松がおしおきを受けた裁判後、夢野と春川は蘇りが思い出しライトと白銀のコスプレイヤーの才能によって成り立っていたことを見破る。
何もかも自分でさえも嘘であるかもしれない状況に、しかし夢野と春川はそれも現実と割り切り、これ以上大切な仲間を失わせないことを誓う。
今回の事件を裏で操っていた真宮寺、咳込む百田、最原に提案者の提案者でありコロシアイを止めるため裏で画策していると言われた王馬。
全てを孕んでコロシアイは進む。
それではチャプター4の開始です。
××××××は生きるために必死だった。
発表されたモノクマの追加動機。
一つだけ何でも望みを叶える。
生き残っている生徒は十人。
対して叶えられる望みは一つ。
つまり残りの九人は望みを諦めなければならない。
××××××はどうしても望みを叶えなければならなかった。
だが、ここまで生き残ってきたのは個の強い生徒たち。
それぞれが胸の内に野望を秘めている。
事情を話したところで引いてくれるとは思えない。
だから××××××は。
他の生徒を押し退けてでも望みを叶えるために――――――
………を………み、…………を…………だ。
C H A P T E R 4
生 か せ 望 み の み か 神 の み ぞ の 世 界
(非) 日 常 編
夢野(復活した最原、東条、そしてクロの赤松)
夢野(三人の仲間を失った二周目、第三の事件――その翌日朝)
モノタロウ「それじゃあこの『弘法の筆』と『飛行石』を渡すね!」
モノファニー「うーん、何に使うんだろー?」
モノスケ「まあ使ってみてのお楽しみちゅうやつやな」
夢野(いつも通りのアイテムの配布)
夢野(だが――)
モノタロウ「……って、誰か取りに来てよー」
夢野(この二周目、毎回アイテムを受け取ってきた赤松は……もういない)
王馬「あ、そうか。赤松ちゃん死んじゃったもんねー」
夢野「王馬……お主は」
王馬「だって本当のことじゃん! ほら、モノタロウが困っているし、さっさと誰が代わりに受け取るか決めないと!」
夢野(悪気が無さそうなフリをしておるが……全部分かっていて嘘を付いているのか、本当に本心からの行動なのか……)
夢野(どうせ前者であろう。あやつがみんなを引っかき回す姿は見慣れておる)
夢野「みんな、ウチが受け取ってもいいか?」
茶柱「はい!(即答)」
星「脊髄反射過ぎないか。俺も賛成だが」
アンジー「神様も秘密子なら大丈夫って言ってるよー」
キーボ「ならボクも賛成です!」
天海「異論は無いっす」
百田「ああ、いいんじゃないか」
真宮寺「僕もいいと思うヨ」
王馬「えー、何なの? みんな夢野ちゃんに同意して。俺だってアイテムを使ってみたいのに!!」
春川「ほら王馬のことなんて無視して、さっさと受け取って夢野」
王馬「酷くない?」
モノタロウ「じゃあなくさないでね」
夢野(モノタロウから学園開放のためのアイテムをウチはもらう)
夢野(いつもならここで話は終わりだが……今回だけは続きがある)
モノクマ「うぷぷっ、そうそう。今回はもう一つ渡すものがあるんだ」
モノクマ「それがこの……今回の動機」
モノクマ「謎のカードキーだよ!!」
夢野(第四の動機……謎のカードキー)
夢野(一周目ではついぞどこで使うのか、詳細の分からなかったアイテム)
夢野(動機である以上厄介な代物ではあるが……既にハルマキと対策は話し合っている)
天海「動機……危険っすね」
星「そうだな、これは誰が……」
王馬「へっへーん、今度こそ俺がもらっちゃ――あれ?」
夢野(王馬が抜け駆けでモノクマの手からカードキーを奪おうとした刹那、それよりも速い動きで取った者がいた)
春川「こんなもの……私たちにはいらない!」 パキッ!
モノクマ「ええっ!? カードキーが!?」
王馬「うわっ!? 真っ二つに!?」
夢野(ハルマキは奪ったカードキーの両端を持ち弓なりにすると力を入れて割った)
茶柱「ず、随分と思い切った行動をしましたね……」
星「正直何に使うのかは気になるが……」
天海「モノクマが動機として渡したものっす。コロシアイの種になるようなら、いっそ壊すのもありっすね」
真宮寺「まあ野蛮なのは否めないけどネ」
モノクマ「もう酷いなあ! せっかく用意した動機なのに壊すなんて!!」
春川「それで? 壊したからって罰するなんて校則は無いよね?」
モノクマ「うーん……それはそうだけど……」
春川「これ以上用件がないなら出て行ってよ」
モノクマ「……まあいいよ、こんな小細工潰されてもコロシアイは避けられないんだからね!」 ヒュン!
夢野(捨てセリフを残すとモノクマはその場から姿を消す)
モノタロウ「あ、待ってよお父ちゃん!」
「「「「「ばーいくまー!!」」」」」
夢野(モノクマーズたちも姿を消した)
夢野(残された生徒たち。自然とハルマキに視線が集まる)
夢野(注目されたハルマキはというと、みんなに対して頭を下げた)
春川「ごめん。独断専行して」
春川「でも……もうコロシアイが起きて欲しく無くて……仲間を失うのはもう嫌だから」
百田「分かってるって。ハルマキがちゃんとみんなのことを思って行動してることは」
アンジー「そうだよー神様も許してるって!」
キーボ「ただでさえ一つ問題を抱えていたところですから、コロシアイの芽を摘むのはいいことです」
王馬「問題? ……あー、なるほどね」
真宮寺「どうかしたかい? 僕の顔に何か付いているかナ?」
夢野「……とりあえずアイテムをもらったんじゃ。学園の探索に行くぞ」
夢野(ウチの言葉に、その場は解散となった)
<キーボの研究教室>
夢野(入間の研究教室の近くにあった台座に『飛行石』をはめ込むと、キーボの研究教室がどこからか飛んできた)
キーボ「……これは誰の研究教室でしょうか?」
夢野「いや、こんなロボロボしている研究教室お主しかおらんじゃろう」
キーボ「えー、ボクの趣味はもっと和風です!!」
夢野「それはそれでどうなんじゃ……?」
王馬「何かいろいろパーツっぽいのが転がっているけど……入間ちゃんがいないのに、キーボ一人で改造とか出来るの?」
キーボ「馬鹿にしないでください!」
キーボ「例えばこの腕のパーツに付け替えてみましょう!」
夢野(キーボは先端にドリルが付いた腕を取ってみせる)
キーボ「まずはこうやって自分の腕のパーツを外します!」 ゴトッ
夢野(キーボの腕が外れて床に落ちる……ずいぶんダイナミックじゃな)
キーボ「そしてこの代えのパーツを取って付けるだけで改造は完了………………って」
キーボ「あれ、これではパーツが取れません!!」
夢野「アホじゃな」
王馬「というか手がドリルになったら生活しにくいでしょ」
キーボ「そ、そうですね……。すいません、では元のパーツを取ってもらえますか」
夢野「全く手間のかかるやつじゃな。ほれ、これを――」
王馬「俺がもらっちゃうもんねー!!」
キーボ「あっ!?」
王馬「ほら、欲しかったら取ってみなよー!」
キーボ「ま、待ってください…………いてっ!?」
夢野(逃げる王馬を追いかけようとしたキーボが転ぶ。腕がなくなってバランスが取りにくいのじゃろう)
キーボ「すいません、夢野さん。起こしてもらってもいいですか!?」
夢野「……そりゃ腕がなければ起きれんわい。キーボ、お主一人で改造するのは禁止じゃ。このようなミスをする姿が容易に想像できる」
キーボ「…………悔しいですが、そのようですね」
夢野(その後どうにか王馬を捕まえて腕のパーツを取り返し、キーボの腕は復活した)
<校舎五階>
夢野(その後四階の階段をアイテム『弘法の筆』で突破し、ウチは五階にやってきていた)
星「教会みたいなフロアだな」
天海「全部モノクマがモチーフで悪趣味っすけどね」
モノクマ「全く酷いこと言うなあ……」 ヒョイ
百田「モノクマか。どうしたんだ、出てきて」
モノクマ「あ、ちょっとね。この五階について注意があるんだ」
アンジー「注意?」
モノクマ「うん。この五階にはみんなの研究教室が三つあるんだけど……その中にはもう死んじゃった生徒のための教室もあるんだよね」
茶柱「死んでしまった……そういえば今までそのようなことは無かったですね。どうなるんですか?」
モノクマ「悪いけど、その教室は閉め切りだよ。解放されないからそのつもりでね」 ヒュン
夢野(モノクマはそこまで言うと姿を消した)
夢野「死んだ生徒の研究教室は解放されない……か」
夢野(一周目でもあったルールじゃが……クロと被害者の変わった今周回でも、意外と今まで適用されることは無かったな)
夢野(一周目では天海の研究教室だけが閉ざされたままじゃったが……)
夢野(今周回では逆にこの五階は超高校級のコスプレイヤーの教室と探偵の教室が閉まって、天海の研究教室だけが開いておるのだろう)
夢野「天海の研究教室……か」
夢野(一周目では超高校級の生存者だった彼。その研究教室の中には、重要な情報が隠されておったが……)
夢野(今周回では超高校級の冒険家という才能になっておる)
夢野(その変更により中がどうなっておるか……)
夢野「確かめてみるか」
<超高校級の冒険家の教室>
夢野「これは……」
夢野(超高校級の冒険家の教室というからにはどのような秘境が広がっているのだろうかと警戒していたウチじゃったが)
夢野(実際はリュックやザイル、ピッケルにロープと……冒険家の道具が揃っている教室となっていた)
王馬「えー道具があるだけ? つまんないの」
夢野(ウチと同じような想像をしていたのじゃろう。王馬がボヤく)
天海「こ、これは…………」
星「ん、天海どうしたんだ?」
天海「素晴らしいっす!!」
王馬「そんなにすごいの? このリュックとか普通じゃない?」
天海「それは有名ブランドの最新型っす! 容量を前モデルよりも大幅に上げながらも、筋力工学を参考にした作りで負担を分散しているため楽々と荷物を運べると絶賛されていて……!!」
王馬「じゃああれは?」
天海「あれは軽い力で使いやすいピッケルっすね。確か施されてた工夫は……」
夢野「……すごいテンションじゃのう」
星「ああ、あんな天海は初めて見たな」
王馬「じゃああれは?」
夢野(王馬も高いテンションの天海が面白いのか、次々と質問している)
天海「あれは最新式の麻酔薬っすね。どんな猛獣も一瞬で眠らせられる上、人間に対しても睡眠薬として使える成分になってたはずっす」
王馬「猛獣に効くのに、睡眠薬としても使えるの?」
天海「もちろん猛獣に対して使う場合と、人間に対して使う場合では分量を変えないといけないっすね。どうやら説明書も付いているみたいなので、もし眠れなくて使う場合はそれを参考にして欲しいっす」
王馬「了解、了解」
夢野「ふむ……」
<食堂>
夢野(探索を終えたウチらは食堂に集まっておった)
夢野(各自報告をして、見つかった思い出しライトを使用する)
夢野(今回分かったことは謎の隕石群、人類は地獄に堕ちるべしのビラ、そしてゴフェル計画)
夢野(判明した情報に騒然となる一同だったが……ウチとハルマキにとっては、全て薄っぺらい情報にしか思えなかった)
<夜時間>
<図書室>
夢野(報告会が終わった後、ウチとハルマキは図書室までやって来ていた)
夢野「さて、今回もコロシアイを防ぐために話し合おうということじゃが」
春川「後のこともあるし、状況の確認をさっさと終わらせておこうか」
春川「まずは一周目の振り返りから」
春川「四回目の事件は入間が発端となった。コロシアイの無い世界に行こうと誘い、モノクマが外の世界の秘密を隠したことも手伝って、みんなプログラム世界に入る」
春川「そのプログラム世界で惨劇は起きた」
春川「入間は自分の殺害計画を見抜かれて、王馬に逆用されて殺される」
春川「実行犯はゴン太。外の世界の秘密を知ったゴン太が、みんな死んだ方がマシだと思っての犯行だったね……」
夢野「手違いから事件の記憶を失ってたこともあり……辛い事件だったわい」
春川「だけど今周回では、その被害者である入間とクロであるゴン太どちらとも既に死んでいる。同じ事件が起こることは無いね」
夢野「二人とも二番目の事件でじゃな。……って、思い返してみると、今周回は逆にゴン太が被害者でクロが入間だったのか」
春川「次にコロシアイ対策についてもまとめておこうか」
春川「主に対応しないといけなかったのは二つ」
春川「一つ目は四回目の動機、謎のカードキー」
春川「一周目ではこれで外の世界の秘密を知った王馬によって、いろいろ引っかき回されたけど……」
夢野「今回はハルマキが破壊したから大丈夫じゃな」
春川「外の世界の情報も、二周目の私たちにとっては意味がないって分かってるしね」
春川「残るコロシアイの脅威は一つ。だからこれさえ抑えることが出来ればコロシアイは発生しないはず」
夢野「それが真宮寺というわけか」
夢野「やつは前回の裁判中に公言しておる。赤松、東条、ウチ、転子、アンジーの五人全員ともに姉さんの友達にしたい……つまり殺したいということを」
夢野「殺意を持った生徒の存在がコロシアイを加速させるのは自明の理じゃな」
春川「モノクマが動機を破壊されても焦らないで、どうせコロシアイを避けられないって言ったのもこれを指してのことだろうね」
夢野「どうにかせんといけないが……」
春川「どれだけ私たちが理解できなくても、あいつには一つの通った信念がある」
春川「だから説得にも聞く耳を持たないし、対策を取ろうにも本性を現していない真宮寺相手に派手な動きをすれば周りから反感を買う」
春川「だから蘇った最原が警戒するくらいしか出来ずに、三回目の事件の時は真宮寺に動かれてしまった」
春川「この四回目もその繰り返しになってもおかしくは無かったけど……」
夢野「一つ失敗を上げるとすれば、やつは目立ちすぎたということじゃな」
夢野「そのおかげで――みんな団結することが出来た」
ガチャ!
そのときちょうど図書室の扉が開いた。
星「二人とも早かったんだな」
百田「……つうかどうして食堂にしなかったんだ?」
天海「夜時間は食堂が閉まっているからっすね」
キーボ「あ、そうでしたね」
アンジー「んー、でもここまでする必要があるのかなー?」
茶柱「夢野さんも含めて、私たちはターゲットなんですから、警戒するに越したことはないでしょう」
王馬「しかし、よくこう集まったもんだねー。共通の敵がいると団結が深まるっていうから、そのおかげかな」
春川「みんな集まってくれてありがとう」
夢野(図書室に真宮寺以外の生き残っている生徒全員が集まる。その前でウチは宣言した)
夢野「それではこれから――真宮寺対策会議を行う!!」
今日はここまで。
夢野ニューゲームシリーズ、チャプター4が始まりました。
今回もpixivと同時更新で行きます。あちらのURLはこちらです。
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9114336
twitterで投下状況の報告なども行っています。
http://twitter.com/raida_hokohira
シリーズ更新ということで、しばらくは毎日更新で進めていこうと思います。
というわけでまた明日。
4ヶ月ぶりの投下ですが、多くの反応がもらえて励みになります。
期待に応えられるように頑張りたいです。
それでは投下ー。
星「真宮寺対策会議か。仰々しいが……しょうがないか。あいつはヤバいからな」
茶柱「死んだ姉の友達を作るために殺すって……サイコ過ぎますよ」
アンジー「斬美を殺したのは許せないのだー。部屋の掃除を手伝ってくれたのに」
キーボ「本当、殺人を犯したのにおしおきを食らっていないって不思議ですよね」
王馬「上手くルールの穴を突かれたからね」
天海「あと三人殺すと言ってるのも怖いっすね。警戒されるのもお構いなしってことっすか」
百田「……ああ、そうだな」
夢野(真宮寺対策会議)
夢野(これを開けたのも、真宮寺が三回目の事件で目立ちすぎたからじゃった)
夢野(東条を殺したという実績があり、五人全員殺すという殺人予告もある)
夢野(現実的な脅威としてみんなが共通の危機感を持ったことが、このように集まって対策を考える土壌を作った)
夢野「改めて現状の確認じゃ」
夢野「超高校級の民俗学者、真宮寺是清」
夢野「あやつの目的は自分の目に適った五人、ウチ、転子、アンジー、東条、赤松を姉さんの友達にするために殺害すること」
夢野「実際にこの前の事件に乗じて東条を殺害。赤松がおしおきを受けたことで二人死んでおる」
夢野「自身は最原の死体を先に発見させることでおしおきから免れており、今は残りの三人の殺害をもくろんでいると思われる」
夢野「こんなところか」
星「他人を殺すことが、死んだ姉の友達を作ることに繋がる……か」
キーボ「……改めて聞いてもやっぱり意味が分からないですね」
王馬「それはキー坊がロボットだから……って言いたいところだけど、正直俺も意味不明だよ」
夢野「今日はそのウチを含む残り三人を殺させない対策を考えるために集まってもらったのじゃが……こうして真宮寺以外の全員が集まってもらえるとは、正直ウチも驚いた」
茶柱「夢野さんを守るためなら当然です! 一応、転子もターゲットみたいですし……まあ、正面から殺しに来ても返り討ちにする自信はありますが」
星「仲間のためだ。当然だろう」
天海「意外に熱いこと言うんすね。集まっている時点で俺も人のことは言えないっすけど」
アンジー「アンジーもまだ死にたくないからねー」
キーボ「アンジーさんを守るためなら当然です!」
百田「……俺もそんな感じだが、おまえが来ているのは意外だったな、王馬」
王馬「えー、酷いでしょ? 俺ほど仲間思いの生徒なんていないよ!」
春川「はいはい」
夢野(ハルマキが心ない頷きで流すが……確かにどうして王馬はこの会議に参加してくれたんじゃろうな?)
夢野「では早速具体的な話に移るぞ」
夢野「まずはウチの考えから話すが――」
夢野「前提として現時点で真宮寺が直接ウチら三人を殺しに来ることは無いじゃろう」
キーボ「えっ、そうなんですか!?」
茶柱「……? これだけ真宮寺さんを警戒しているのに、殺しに来ないんですか?」
夢野「ああ。というのも、あやつはやたらと五人全員を姉さんの友達にすることにこだわっておった」
夢野「じゃから一人だけ殺して満足するということはない。必ずウチと転子、アンジーの三人とも殺そうとするはず」
夢野「となると……あるルールに抵触するんじゃ」
星「校則の一つ『一度の裁判が開かれるまでに殺せるのは二人までです。これは同一でないクロも含みます』
のことか」
茶柱「二人まで……あ、それで三人殺せないんですね!」
夢野「そういうことじゃ」
夢野(一周目にはなかった王馬の質問によって新たに追加されたルールはまだ有効である)
アンジー「なるほどー。三人殺せないなら是清も動けないし、これで安全なのだー」
夢野「だったらこのように集まっておらん。今の話はあくまで直接的にはということじゃ」
夢野「前回の東条のようにおしおきされないように三人の内誰かを殺す可能性がある」
夢野「そうして裁判を乗り切れば残りは二人で圏内」
夢野「真宮寺の狙いはおそらくこれじゃ。そういうわけで今警戒しないといけないのは、ウチらの中の誰かが殺人を犯さないこと」
夢野「死体があればそれを利用しておしおきを逃れることが出来る」
夢野「じゃが逆に言うと、ウチらが誰もコロシアイをしなければ真宮寺も動くことは出来ないというわけじゃ!!」
夢野「どうじゃ、この考え! 完璧じゃろう!!」
茶柱「流石です、夢野さん!!」
星「もう条件反射で叫んでるだろ」
アンジー「んーでもよく分かったよ。コロシアイをしなければいいってことだね」
キーボ「なるほどです!」
夢野「うむうむ、そういうことじゃ」
夢野(ウチが頭を振り絞って考えたことが、みんなにも受け入れられたと思った――そのとき)
王馬「全く甘々だね、夢野ちゃんは」
夢野(雰囲気をぶち壊すものが現れた)
夢野「どういうことじゃ王馬。ウチの意見が間違っているというのか?」
王馬「その通り。同じ意見の人だって他にもいるしね」
天海「……まあ、そうっすね」
春川「こればかりは王馬に賛成かな」
夢野(王馬、天海、ハルマキ……裁判でいつもみんなを引っ張ってくれるメンバーがどうやらウチの言葉に反対しておる)
夢野「……まあ今のはウチが一人で考えたことじゃ。見落としがあってもおかしくはない」
夢野「それで訂正したいところはどこなんじゃ?」
王馬「もう何もかもだよ。代表して俺が指摘させてもらうけどさ」
王馬「真宮寺ちゃんは現時点で夢野ちゃんたち三人を直接殺しに来る可能性があるよ」
夢野「……え?」
キーボ「ですが、それは校則違反では」
星「……っ。そうか、俺としたことがそんな見通しを……」
王馬「夢野ちゃんが校則違反って点に注目したのは成長だと思うよ」
王馬「でも、そこで問題なんだけど……二人までしか殺せない校則が働いているこの現状で、真宮寺ちゃんは一度に何人まで殺せると思う?」
夢野「そんなの二人に決まって……」
王馬「ぶっぶー。正解は三人でした」
夢野「んあっ!? それはおかしいではないか!? 三人殺したら校則違反で処刑されて――」
王馬「処刑されるけど、三人殺すことは成し遂げられるよね?」
夢野「……あ」
茶柱「で、ですがそんな方法取れるわけが……」
王馬「いや、真宮寺ちゃんは三回目の裁判で間違った結論に誘導してクロ以外の全滅を狙っていた辺り、五人さえ殺せれば自分の命が無くなっても構わないと思っている」
王馬「十分に考えられる可能性だよ」
夢野「…………悔しいが、王馬の言う通りじゃな」
夢野(真宮寺の狂気をウチは想定できていなかった)
夢野(あやつは目的のためなら命さえも厭わない……それがここまで厄介だとは)
キーボ「なら直接殺しに来る可能性も含めて検討を……」
王馬「あ、それは大丈夫。その方法は防ぐから」
茶柱「……? どういうことですか?」
王馬「まあまあ後で話すから、今は次の話に移らせて」
王馬「次は俺らが死体を作らないことで、真宮寺ちゃんにおしおき逃れの殺しをさせないって話だったね」
夢野「これについてはその通りじゃろ?」
王馬「そうだけど……まだ警戒が足りないと言わざるを得ないね」
夢野「何じゃと?」
王馬「だって、夢野ちゃんは分かってないでしょ――」
王馬「どうして赤松ちゃんがクロとしておしおきされたのか?」
夢野「赤松が……?」
アンジー「どうしてここで楓の名前が出てくるのー?」
茶柱「そうですよ、赤松さんは蘇った最原さんが自分の思い出とは違う存在だから拒絶してしまい、そのときはずみで殺してしまっただけで……」
王馬「それにはどうやって気づいたと思っているの?」
夢野「えっと、帽子のサイズが合わなかったことで……」
王馬「帽子を使うように思い至ったきっかけは何だと思う?」
夢野「それは――」
赤松『そんなときにあれを見て……だから確かめてみたけど……うん、最原君は最原君だよ』
夢野「あれを見てと言っておったな。つまり誰かが赤松に何かを教えた……?」
王馬「そういうこと」
王馬「で、ここからが問題なんだけど、誰がそれを教えたんだと思う?」
春川「モノクマではおそらく無いと思うよ。だったとしたら、性格からしてネタバラシしているはずだから」
天海「ここに集まった生徒たちでも無いっすよね? わざわざそんなことする必要がないし、そもそもほとんど最原君が違うって気づいてなかったっすから」
夢野「じゃあ……つまり――」
王馬「残る可能性は真宮寺ちゃんだね」
王馬「赤松ちゃんが最原ちゃんを殺した間接的な原因は真宮寺ちゃんってこと」
王馬「ようするに……赤松ちゃんをクロにすることで殺害したんだよ」
茶柱「クロにしてですかっ!?」
夢野「……っ!? そんなことあるわけが……」
王馬「おそらく証拠はあるよ。ねえ、キー坊」
キーボ「え、ボクですか?」
王馬「だってキー坊だけは、最原ちゃんがよく似た偽物だって気づいてたでしょ?」
王馬「もしかしてそのことを真宮寺ちゃんに教えたことがあるんじゃない?」
キーボ「ええ、相談したことがありますから。そのときにそんなことみんな知っているから、わざわざ言わなくていいとも………………」
キーボ「もしかしてこれは真宮寺クンの嘘だったということですか!?」
王馬「そうだね。キー坊には口止めして、赤松ちゃんには密告することで、事件の状況を作った」
春川「それで目論見通り赤松が最原を殺したから、自分も東条を殺して死体発見の順番をコントロールすることでおしおきを逃れた」
天海「首尾良く東条さんを殺している辺り、想定内の動きだったのは間違いないはずっす」
王馬「というわけで真宮寺ちゃんが他人の行動を操って殺しをさせる可能性だって考えないといけないんだよ」
茶柱「つまり転子や夢野さん、アンジーさんをクロにしておしおきさせたり……」
キーボ「ボクたちを操って、その三人を殺させる可能性もあるってことですか」
夢野「そんなの分かっていれば防げるに……」
王馬「なら、みんなで一緒にこの学園を脱出しようって言った赤松ちゃんは、コロシアイをしてはいけないと分かってなかったっていうわけ?」
夢野「…………」
王馬「違うよね。一番コロシアイを憎んでいた赤松ちゃんでさえも、ウィークポイントを巧みに突かれて行動を操られた」
王馬「警戒していれば防げるなんてものじゃない。いや、そうやって強迫観念を持っているものこそ、行動を操りやすいんだよ」
春川「怪しい宗教にハマる人なんかもそうだね。絶対にハマらないって考えが固い人ほど、ころっと考えをひっくり返されやすいし」
夢野「………………」
夢野(自身の命も省みない強攻策も取れるし、間接的に殺す搦め手も得意)
夢野(ようやくウチは認識する)
夢野(真宮寺是清はこの学園生活を脅かす強大な脅威だと)
夢野「……じゃあどうすれば真宮寺を防げるんじゃ?」
夢野「ウチにはもう方法が……」
王馬「大丈夫だよ。ここに真宮寺ちゃん以外が目的を一緒に集まった」
王馬「これだけの人数がいれば……どんな手段だって取れる」
王馬「少々荒っぽいけど、これで真宮寺ちゃんを完封するよ」
夢野「何か考えがあるんじゃな?」
王馬「うん、それを説明するからちょっと聞いてもらえるかな」
夢野(王馬の呼びかけに応じて、話を聞く体勢に入ったウチらじゃが……)
王馬「……って、百田ちゃん聞いてるの?」
百田「…………ん、ああ、すまん。何の話だったか?」
天海「真宮寺君の対策について話すから、耳を貸して欲しいってことっす」
茶柱「男死含めた全員の協力が必要みたいですから、ちゃんと話を聞いてください」
星「いや、待て。……百田、おまえ顔色が悪くないか?」
アンジー「そういえば会議が始まってからずっと発言してなかったねー」
キーボ「体調でも悪いんですか」
百田「……いや、何でもねえ。すまん、話はちゃんと聞く」
春川「百田……」
夢野(ハルマキが心配そうな表情をしている。これもどうにかせんといけんが……今は真宮寺からじゃ)
夢野(その後、王馬が話した真宮寺対策について、かなり荒れたものの最後はみんな賛成した)
夢野(そして細かなことについても話し合って)
王馬「じゃあ明日の朝、宣戦布告と行こうか」
夢野「了解じゃ!」
夢野(その場は解散した)
今日はここまで。また明日。
投下ー。
<翌日朝>
真宮寺「さて、今朝も朝食会……」
真宮寺「みんなとの交流も深めて……算段を付けていかないとネ」
食堂に入った真宮寺は。
夢野「遅かったな、真宮寺」
真宮寺「……おやおや、これはみんなお揃いでどうしたのかナ?」
自分以外の全員が先に食堂に揃って待ちかまえていたことに気づく。
真宮寺「様子からして、僕を待っていたみたいだネ」
真宮寺「昨夜こそこそ動いていたことと関係するのかナ?」
夢野「ずいぶん目聡いんじゃな。その通りじゃ」
真宮寺「……くくっ、これはどうやら予想より悪い状況みたいだネ」
王馬「まあ、前置きはそれくらいにして」
王馬「――モノクマ、出てきてよ。聞いておきたいことがあるからさ!」
モノクマ「……はいはい。全くクマ使いが荒いなあ」
モノクマ「何か話があるの? さっさと済ませてよね」
王馬「一つ校則について提案があるんだ」
モノクマ「校則?」
王馬「うん。『一度の裁判が開かれるまでに殺せるのは二人までです。これは同一でないクロも含みます』
のことだよ」
王馬「これって一度死体が発見されたらおしおきされないことを生かして、残り二人になるまで殺せる無法地帯を制限するために決められたんだよね?」
モノクマ「そうだね」
王馬「でも、今ここに校則違反を厭わず、三人を殺して処刑されても構わないって生徒がいる」
真宮寺「……くくっ、誰のことやら」
夢野「お主じゃ、お主。とぼけるでない」
王馬「そうなったら裁判も開けずに、一度に四人の生徒が死んで、残り六人って状況になってしまうけど……これってモノクマ的に大丈夫なの?」
モノクマ「……なるほどね。確かにそうなると盛り上がりどころも無く一気に人数が減るし……あまり良い状況では無いね」
王馬「そう。だから……校則でそれを制限してくれない?」
夢野(これが王馬の提案した強攻策への対策)
夢野(モノクマによりルールを決めさせることで、真宮寺の行動を制限する)
真宮寺「ずいぶんと大人げない行動に出たネ。生徒同士の争いに、先生を巻き込むなんて」
王馬「使えるものは何でも使わないとね」
キーボ「それでどうなんですか?」
モノクマ「うーん……生徒の思い通りに動かされるのも癪なんだけど……」
モノクマ「でも、実際そうなったら面倒だし……」
モノクマ「あまりシステマチックにして悪用されるのも嫌だから………うん、よしっ」
モノクマ「ここに新たな校則を追加を宣言するよ!」
モノクマ「それは――『死体が発見された場合学園長の都合により、裁判が終わるまでそれ以上の殺人行為を禁止することがあります。その際学園側が直接介入することもあります』だよ!!」
王馬「何かいつもとは違う感じの校則だね」
モノクマ「そりゃあね。校則違反も厭わない生徒がいるなら、ちょっと変えないといけないでしょ」
夢野「それで結局どういう校則なんじゃ、これは?」
モノクマ「えっとね、死体が発見されてこれ以上殺人が起きたら面白くないってボクが判断したときに、殺人行為の禁止を宣言する」
モノクマ「そうしたら裁判が終わるまでの殺人行為は禁止……って、言っても破る人間がいるからさっきの話になったんでしょ?」
モノクマ「だから学園側が介入してでも禁止を実行する……要するにエグイサルを出動させて、物理的に殺人行為を阻止するってことだよ」
王馬「校則違反を覚悟した特攻も許さないってことだね。なるほど、いいんじゃない」
天海「そうっすね、真宮寺君による三人殺害は防げそうっす」
モノクマ「良かった、良かった。じゃあ電子生徒手帳にも追加しておくね」
校則『死体が発見された場合学園長の都合により、裁判が終わるまでそれ以上の殺人行為を禁止することがあります。その際学園側が直接介入することもあります』が追加されました。
王馬「さて、これで三人を殺す方法は防がれた。今の気持ちはどう、真宮寺ちゃん?」
真宮寺「随分と警戒されたみたいだネ。これはもうお手上げだヨ」
夢野「……そんな嘘には騙されんからな」
夢野(そうじゃ。直接的な行為を防げても、あやつにはまだ間接的に人を殺させる方法が残っておる)
夢野(それを防ぐために王馬が提案したのが……少々荒っぽいが――)
夢野「真宮寺――これよりお主を拘束する」
夢野(物理的に真宮寺の行動を制限するということじゃった)
真宮寺「僕を……拘束?」
王馬「縄ででも縛って自分の部屋に入れて、部屋の外に24時間態勢で監視を置く」
王馬「ここまですれば、もう何も行動は出来ないでしょ」
真宮寺「24時間の監視……ネ。簡単に言うけど、実際には結構な手間だヨ。そんなこと出来るとは……」
夢野「ああ、一人なら出来んじゃろうな。じゃが真宮寺。お主以外の全員が協力すれば何とかなると思えんか?」
真宮寺「………………」
夢野(この場にいる真宮寺以外の生徒九名が敵意を向けていることに気づいたようじゃな)
真宮寺「……流石にやり過ぎじゃないかナ? 良心が痛まないの?」
春川「先にやりすぎたのはあんただよ、真宮寺」
キーボ「そうです、東条さんを殺した自業自得です」
アンジー「モノクマがおしおきしないなら、アンジーたちがおしおきするのだー」
茶柱「夢野さんの命を守るための備えです! これでもまだ足りないくらいですよ!」
星「モノクマ、あんたも止めないよな? このコロシアイ学園生活、暴力行為は推奨だろう?」
モノクマ「そうだけど……いやあ、そこまでするとはね」
百田「大丈夫だ、命までは奪わない。ちゃんと食事は取らせるし、その他生命の維持には努める」
百田「餓死だとしても死んだらコロシアイの範疇だ。おまえなんかのために、これ以上大切な仲間の命を失うわけにはいかないからな」
真宮寺「くくっ……仲間思いの百田君にさえ、仲間外れにされたか」
天海「そういうことっす。君はこのコロシアイ学園生活で全員を敵に回してしまった。その行為の意味を十分に噛みしめるっす」
夢野「ちなみに抵抗は無駄じゃ。こちらには暗殺者のハルマキに、合気道家の転子までおる。そうでなくとも9対1じゃ。勝てるとは思わんことじゃな」
真宮寺「………………」
真宮寺「………………」
真宮寺「そうだネ……分かったヨ。甘んじて受け入れようじゃないか」
<真宮寺の自室前>
夢野「どうじゃ、状況は」
王馬「真宮寺ちゃんの手足を縛ってベッドに放置、そして俺がこうやって扉の外で監視を始めたってところ」
王馬「特に目立った抵抗もしなかったし、楽な仕事だったよ」
夢野「そうか……しかし、本当にウチは監視業務に入らなくていいのか?」
王馬「うん、夢野ちゃん、茶柱ちゃん、アンジーちゃんは真宮寺ちゃんのターゲットだからね」
王馬「拘束しているとはいえあまり近づいても良くないし、監視は残りの六人で回すよ」
夢野「そうか……迷惑をかけるな」
王馬「いいって、これくらい」
夢野「にしてもコロシアイを防ぐためとはいえ……そこまですることになるとは」
夢野(生徒一人の人権を完全に無視しておる。やつがしたのはそこまでのこととはいえ……正直ウチの良心は痛んでおった)
王馬「夢野ちゃんは優しいんだね」
王馬「でも狂気に対抗するには狂気だよ。やるなら徹底的に……本当はもっと踏み込んでもいいくらいだって」
夢野「……一度決めたことじゃ、ウチも反対はせん」
夢野(東条と間接的とはいえ赤松と最原の命を奪った相手。同情心など沸くはずもないが…………)
夢野「しかし……王馬、お主がここまで協力的だとはな」
王馬「俺?」
夢野「そうじゃ、真宮寺対策会議に集まってくれたのも正直意外だったし、こうして真宮寺を封じるための策も一杯考えてくれた」
夢野「どういう風の吹き回しなんじゃ」
王馬「……何だ、そんなことか」
王馬「そんなの決まってるでしょ?」
夢野「……え?」
王馬「真宮寺ちゃんは姉さんの友達作りのために三人殺すつもりだった」
王馬「その中には夢野ちゃん、君も含まれている」
夢野「そうじゃが……それが……?」
王馬「分からないの? そんなの許せるはずがないってこと!」
王馬「俺がこうやって真宮寺ちゃんを封じるのに協力したのも全て――」
王馬「夢野ちゃん――君を守るためだよ」
夢野「王馬……」
夢野「――ずいぶんと下手な嘘を付くんじゃな」
王馬「あ、バレた?」
王馬「おっかしいなー、もうちょっと焦った反応が見れると思ったのに」
夢野「ウチだって成長するんじゃ。その程度の嘘に騙されてたウチは過去じゃ」
王馬「手強いなあ……」
王馬「でも、だったら……本当はどうして協力したんだと思うの?」
夢野「……え?」
王馬「こうやって茶化したフリしてるけど……結構本気だったんだよ、俺」
夢野「いや、それは……」
夢野(まさか……本当にそうなのか。ウチを守るために王馬は――)
王馬「あ、信じた」
夢野「え?」
王馬「ぷぷっ、騙されないとか言った側からこれって……!」
夢野「……」
夢野「……」
夢野「……!!」 ブチッ!!
夢野「二段構えじゃと!? 卑怯じゃぞ、王馬!!」
王馬「卑怯は悪の総統にとって誉め言葉だよ、夢野ちゃん」
王馬「本当の理由は面白そうだから協力したに決まってるじゃん!」
夢野「ああもう、お主はそういうやつじゃったな!! 全く、今日という今日はお主の性根を叩き直してやるわい!!」
王馬「はいはい、頑張ってねー」
夢野(その後怒り心頭のウチは説教を続けるが、軽く受け流す王馬じゃった)
今日はここまで。また明日。
投下ー。
<翌日朝>
<食堂>
夢野(真宮寺の行動を封じたその翌日)
春川「おはよう…………ん……」
夢野「随分眠そうじゃな、ハルマキ」
春川「今まで真宮寺を監視してたから」
夢野「なるほど、深夜のお勤めご苦労さんじゃ」
春川「ありがと。……あ、そういえば真宮寺の朝ご飯って用意してある?」
夢野「ああ、それならあっちじゃ」
春川「ん、じゃあ行ってくる」
夢野「……ちょうど食べ終わったし、ウチも付いていっても良いか?」
<真宮寺の部屋自室前>
百田「ゴホッ、ゴホッ……」
夢野(真宮寺の部屋の扉脇に座り込み、咳込んでいる百田)
百田「……ハルマキか。すまん、迷惑かけて。シフト交代の時に俺が朝ご飯持ってこないといけなかったのに」
春川「いいって、これくらい」
春川「それより大丈夫なの、その状態で監視なんて。私が変わった方が……」
百田「これくらい大丈夫だ。大体今までハルマキが監視してたんだろ。ちゃんと寝ないとお肌に悪いぞ」
春川「暗殺者の任務で三日三晩寝ずに張り込んだこともあるし、それくらい大丈夫だって」
百田「……とにかく俺の仕事だ。男としてみんなとした約束を破るわけには行かねえ」
春川「じゃあせめて朝食は私が渡すから。そこで座っていて」
百田「……ああ、頼んだ」
夢野(覇気が無い様子の百田)
夢野(原因は分かっておる……しかし、どうやって対処すればいいのか……)
春川「………………」
春川「それで私は朝食渡しに行くけど……夢野、あんたはどうするの?」
夢野「んあ、ウチか。そうじゃな……ちょっと真宮寺の様子を見ておきたいし、一緒に入っても良いか?」
春川「いいと思うよ。あいつも縛っているし、私も付いているから」
春川「それでも相手はあんたを殺そうと思っている。警戒だけは解かないでね」
夢野「分かった」
夢野(ウチとハルマキは真宮寺の自室に踏み込んだ)
<真宮寺の個室>
夢野(ハルマキが鍵を使って扉を開ける。真宮寺の部屋の鍵は監視している者が交代して持つようにしているようじゃ)
夢野(中に入ったウチは部屋を見渡すと……)
真宮寺「朝ご飯かい? 待ちくたびれたヨ」
夢野(真宮寺は手足を縛られてベッドに転がっている)
夢野(真宮寺の扱いについては一昨日の真宮寺対策会議で話し合ったのじゃが、そのときかなり荒れた)
夢野(というのもどこまで行動を制限するか意見が別れたからである)
夢野(拘束しなくとも部屋から出さなければそれでいいのではないかという穏便な意見もあれば)
夢野(手足を縛り、話術を封じるために口枷も付け、監視も部屋の中で行い、一挙手一投足見逃すべきでない、という過激な意見まであった)
夢野(ウチは中立派であったが穏健派の転子やキーボ、過激派の王馬やハルマキを筆頭にかなり言い争った)
夢野(最終的に真宮寺のプライバシーや殺人のリスク、監視の手間などを考えて折衷案――現状の手足は縛り部屋に閉じ込め、監視は部屋の外で行うということに決まった)
真宮寺「しかし夢野さんまでここに来るとは……ターゲットは近づけさせないようにすると思ったんだけどネ」
春川「ほら朝食」
夢野(真宮寺の言葉を無視してハルマキがベッドの上にパンを放る)
真宮寺「もうちょっと丁寧にしてくれてもいいと思うけど……まあ僕が言えた義理ではないか」
夢野(真宮寺は這ってパンの元までたどりつき、首から上だけしか思うように動かせない中どうにか食べ始めた)
夢野「……ご飯のときも拘束は外さないんじゃな」
春川「当然でしょ。一々外してなんて、反撃されるリスクが高いことする必要もない」
夢野「じゃが……」
春川「そんなの酷いんじゃないかって? 本当に酷いのは人殺しのあいつでしょ?」
夢野「…………」
夢野(ハルマキの言い分も分かる)
夢野(しかし、ウチはそこまで割り切ることが出来ない)
夢野(例え殺人犯とはいえ、自分と同じ『ヒト』の尊厳を踏みにじられている姿を見て平気でいられない)
夢野(……王馬の言葉の通りか)
王馬『でも狂気に対抗するには狂気だよ。やるなら徹底的に……本当はもっと踏み込んでもいいくらいだって』
夢野(ウチはそこまで狂気に落ちれん)
春川「じゃあ帰るよ」
夢野(役目を終えてさっさと部屋を後にしようとするハルマキ)
夢野(ウチもその後を付いていこうとするその前に)
真宮寺「………………」
夢野「………………」
夢野(もう一度真宮寺を振り返って)
春川「どうしたの?」
夢野「……何でもない、すぐ行く」
夢野(そして部屋を出た)
<真宮寺の自室前>
春川「じゃあ、後はよろしくね」
百田「ゴホッ……ああ、任せろ」
夢野(監視の引き継ぎ作業を終えると、ハルマキは百田の様子が気になりながらもその場を離れる)
夢野(ウチもその隣に付いていく)
春川「………………」
夢野「……しかし真宮寺も特に反抗的な様子は無かったな」
夢野「案外ここまで行動を制限されて、ウチらを殺すのを諦めたんじゃないか?」
春川「そうだね、前の監視から引き継いだときに報告を受けたけど、あいつは丸一日ずっと大人しくしていたみたい」
春川「出来ればずっとそのままだと助かるね」
夢野「………………」
夢野(ハルマキは肯定するが……ウチは自分で言っていて不安に思っていた)
夢野(最後の振り返って見た真宮寺の目。あれは……諦めた者の目ではない)
夢野(それも当然じゃ。自分の命を失ってでも目的を達成しようとする執念があるのに、行動を縛られたくらいで投げ出すはずがない)
夢野(いつものハルマキならそれくらい気づいてもおかしく無さそうじゃが……)
春川「そんなことよりコロシアイ対策も完了したってことの方が重要だよ」
春川「これでようやく百田の病気について動けるね」
夢野「………………」
夢野(拘束された真宮寺を平気で見ていたことから分かっておったが……)
夢野(今のハルマキは、いつものハルマキではない)
<図書室>
夢野(図書室に付くと早速ハルマキが口を開いた)
春川「コロシアイ対策は完了。不安の芽は全て摘みきった」
春川「でも、まだ命の危険に晒されている者がいる」
夢野「言うまでもなく百田じゃな」
春川「うん。原因は病気……一周目で白銀が言った設定では隕石のウィルスにかかったとかだったかな」
夢野「あの口振りじゃと自由に病気に出来るようじゃが……記憶を操ることに比べればまだ理解できる話じゃな」
夢野(病原菌を予め打ち込んだとかそのようなところじゃろう)
春川「とにかく、このままではあいつの病状は悪化する一方。その兆候も出始めている」
夢野「あれほど咳込んでおったしな」
春川「だとしても――絶対に救ってみせる」
夢野「じゃが一体どうするんじゃ? 病気をどうにかするなんて……今までと比べものにならない難易度じゃぞ?」
夢野(医者がいないこの閉鎖空間。学園といえば保健室や養護教諭、保険委員などがいるべきだが、それもいない)
夢野(医療環境という点ではこの学園は最低レベルじゃ)
春川「それでも……やるしかないでしょ」
夢野「いや、そうではあるのじゃが……」
春川「幸い人の壊し方には詳しいから。反転させれば人の活かし方になる」
夢野「水は差したくないんじゃが……そのように簡単な話では……」
春川「分かっている。あくまで視点の話。あっちにちゃんと現実的な用意もしてある」
夢野(ハルマキが指したのは図書室に積まれてあった本。数にして……百は下らないじゃろう)
夢野「それは……?」
春川「医学書みたい。事前にこの図書室中からかき集めておいた。蔵書数はかなりあるからね」
春川「これで勉強して……百田の治療法を見つけてみせる」
夢野「………………」
夢野(現実的……なのじゃろうか?)
夢野(素人のハルマキが、今から医学を勉強して、百田の病状が悪化する前に、未知の病気の治し方を見つけて、その処置を行う)
夢野(とても上手く行くとは思えない)
夢野(じゃが……まともな手段に絞れば、それ以外に方法も思いつかない)
夢野(何もしないよりは助けられる確率は上がる。それが万が一……いや、億が一ほどの可能性だったとしても、それに縋るしか選択肢はない)
夢野「……ウチは何を手伝えばいい?」
春川「勉強は私一人でするから大丈夫。何か手伝って欲しいときは言うから」
夢野「そうか。その、ハルマキ……無茶はせんようにな。昨日だって真宮寺の監視で寝てないんじゃろう?」
春川「分かってるって」
夢野「ああ、すまん。いらぬ心配を――」
春川「だって私がやろうとしているのは無茶じゃなくて……無謀だからね」
夢野「っ……じゃ、じゃがお主の体が壊れては元も子も……!!」
春川「私の体が壊れるくらいで、百田が救えるなら本望だよ」
夢野「……!?」
春川「大体百田が死んだら、私は生きていく自信がない。それくらい大事な存在になっている」
春川「一周目で最原に聞いたんだ」
春川「赤松との関係がどんなだったかを聞いて『好きだったかもしれない』って」
春川「私が『こんなところで会ったばかりの人を好きになるなんて変だ』って言うと」
春川「あいつは『じゃあどんなときに人を好きになれば変じゃないの?』って答えた」
春川「最原の言う通りだよ。だって私はこんなとこで会った百田を好きなっているし、それを変だとは思っていない」
春川「一周目で私の中で一番大切な人だって自覚したのに失ってしまって……でも、こうやってやり直しのチャンスを得た」
春川「百田は……今度こそ絶対に死なせない」
夢野「ハルマキ……」
春川「……そういうことだから」
春川「しばらく私は真宮寺の監視の時以外この図書室に籠もる」
春川「何かあったら声をかけるから、夢野の方も……」
夢野「……いや、ウチは問題が起きてもなるべく一人で解決する」
夢野「ハルマキの邪魔はしたくない」
春川「……そう」
春川「でも、本当にどうしようもなくなったら言ってよね」
夢野「分かっておる」
夢野(話を終えて、ハルマキは早速一冊目の医学書を開く)
春川「…………」
夢野(勉強に集中するハルマキの邪魔にならないよう、ウチはこっそりと図書室を出た)
今日はここまで。また明日。
投下ー。
<翌日朝>
<食堂>
夢野(ハルマキの決意を聞いた翌日の朝食会)
夢野「参加しておるのは七人か」
夢野(現在生き残っている生徒は十名。欠席しているのは縛られている真宮寺と現在の監視役のキーボに勉強中のハルマキ……か)
王馬「最初の半分以下の人数だね。いやあ随分減ったもんだ!」
夢野「そうじゃな」
王馬「あれ、怒らないの?」
夢野「怒られると思うようなら発言するでない」
王馬「まあそうだけど……ああもう、つまんないの」
王馬「最近さ、百田ちゃんは季節外れの風邪でダウンしてるし、キー坊はアンジーちゃんにベッタリだし、真宮寺ちゃんも思ったより大人しくしてるし、本当つまんないよ」
夢野「じゃからといってウチに絡んでくるんじゃない」
王馬「だって一番反応してくれるんだもの」
茶柱「ああもう、そこの男死! 夢野さんから離れてください!」
茶柱「夢野さんを困らせていいのは転子だけですよ!!」
夢野「いや、お主にも許可した覚えはないぞ」
茶柱「……!?」
夢野「なぜ驚いているんじゃ」
百田「ゴホン、ゴホンッ……」
星「しかし、百田の風邪も長引いているな」
百田「……ああ、すまん。心配かけているな」
夢野(グタッとしている様子じゃが、それでも食欲はあるようで朝食会に足を運んでおる百田)
天海「夏風邪は長引きやすいっすからね」
星「夏……そもそもこの学園に季節はあるのか?」
茶柱「転子にも分かりませんが……まああの格好で過ごせるくらいには温暖な気候だと思いますよ」
アンジー「ん?」 ←普段からビキニな人。
夢野「そうじゃな」
夢野(みんなはどうやら百田の症状を風邪だと思っている)
夢野(百田自身が不調を誤魔化すために嘘を付いているからじゃろう。その嘘がみんなにも信じられている)
夢野(本当のことは……言わなくてもいいか。みんなに過剰な心配をさせても仕方ないしな)
星「となると……テニスはまた今度になりそうだな」
百田「流石に運動は無理だろうな……くっ、宇宙に轟く百田ともあろう俺が風邪でダウンなんて……」
星「あんまり焦るな」
夢野(そういえば三回目の事件が起こる前日、二人はテニスをしたんじゃったか)
キーボ「テニスですか……」
百田「ああ、あのときは白熱したな」
百田「朝から晩までテニスをして……部屋に帰ったら疲労でシャワーを浴びたまま寝たくらいだ」
星「俺も同じようなものだ。……って、まあさすがにちゃんとベッドで寝たが」
王馬「テニスね。どっちが勝ったの? って、星ちゃんの圧勝に決まってるか」
星「いや圧勝とまでは行かなかったな。結構百田が粘って点を取る場面もあった」
王馬「ええっ、本当に? 手を抜いたとかじゃなくて?」
星「俺もブランクがあったからな。もうずっとラケットにも触ってなければどうしても技術は落ちる」
星「またテニスをやろうと思ったのは……あのときからだからな」
夢野(二周目では行われた動機ビデオ発表会か。赤松のおかげで生きる動機を得た星は、一周目よりも雰囲気が明るくなっておるな)
<図書室>
夢野(朝食会の後、ウチはハルマキの分の朝食を持って図書室に降りた)
夢野「失礼するぞー」
春川「………………」
夢野「集中しておるな……」
夢野(脇目も振らずに本に向かっておるハルマキ。おそらくウチが図書室に入ってきたことにも気づいてないであろう)
夢野(朝食だけ置いて帰ろうと近づいたそのとき)
春川「――誰?」
夢野「んあっ……!?」
夢野(ハルマキに殺気を向けられる)
春川「って、夢野か。……どうしたの?」
夢野「ど、どうしたも何もウチは朝食を持ってきただけで……い、命だけはお助けを……!!」
春川「ごめん。ちょっと徹夜で集中していたから気が立っていて」
夢野「そ、そうか……全く驚かすでない」
春川「それで……朝食か。もうそんな時間なんだね、ありがとう。いただいてもいい?」
夢野「もちろんじゃ」
夢野(ウチの持ってきた朝食に手を付けるハルマキ。さすがに食べている間は勉強は中断している)
夢野(しかし徹夜とは……もう二晩連続ではないか? 大丈夫………………なはずがない)
春川『私の体が壊れるくらいで、百田が救えるなら本望だよ』
夢野(あの言葉は意気込みなんかでは無く、本気でやるつもりということか)
夢野「ところで百田の状況について分かったことはあったか?」
春川「……現状の百田の症状は風邪に似ている」
春川「でも、ここから一周目を見るに吐血までするってなると………………他にも不可解な点が…………病原菌の潜伏期間も…………それに…………しかし…………」
夢野「………………」
夢野(苦悶の表情で食べながらぶつぶつと言っているハルマキ)
夢野(ウチは安易に質問したことを悔いていた)
夢野(初めから大変なことだと分かっておったではないか。一日かそこらで状況が進展するはずがない)
夢野(なのにウチは聞いて……せめて食事の時くらいはリラックスさせるべきじゃったのに……)
春川「ごちそうさま」
夢野「片づけはこっちでしておくぞ」
春川「ありがと。その言葉に甘えるね」
夢野(ハルマキは食器をウチに渡すとまた本を開いた)
<真宮寺の部屋前>
夢野(図書室を出たウチは寄宿舎に戻ると、ふと真宮寺の部屋前に行ってみた)
キーボ「あ、どうしましたか、夢野さん。」
夢野「今朝の監視はキーボか。どうじゃ、真宮寺の様子は?」
キーボ「変わりないですよ」
夢野「そうか……って、何じゃこの音は?」
夢野(扉の前に来たウチじゃが……真宮寺の部屋の中から何か音が聞こえる)
キーボ「あ、えっと……それは……」
夢野(気づかれたことに動揺しているキーボ)
夢野「心当たりがあるんじゃな? どういうことじゃ?」
キーボ「えっと……みんなには、特に王馬君には内緒にしてもらえますか?」
夢野「内容次第じゃ。とっとと話せい」
キーボ「……その真宮寺君に朝食を届けたときのことなんですが」
キーボ「いつもより元気がない様子で……思わずどうしたのか聞いたんです」
キーボ「そうしたら……」
真宮寺『動けない、部屋から出れない、本も読めない、で退屈なんだヨ』
キーボ「という答えが返ってきまして」
夢野「……もう二日は拘束されているし、それも当然じゃな」
キーボ「はい。ですから、何か出来ないかと考えて……校舎地下のAVルームからプロジェクターとスクリーン、スピーカーを持ってきて設置したんです。映像なら拘束されたままでも見られますから」
夢野「なるほど……つまり、この音はそれが原因か」
キーボ「……正直最初から真宮寺君を拘束まですることには反対だったんです」
キーボ「いくら殺人犯だったとして、そこまでしていいのか……と」
キーボ「このまま野放しにするわけにも行かないので最終的には折れましたが……」
夢野「いい、お主の気持ちはよく分かる」
夢野(ウチと同じでキーボも狂気には落ちれなかったというわけか)
キーボ「なのでせめてでも、真宮寺君のタメになることをしようと……」
夢野「ウチはいいと思うぞ。しかし、どうしてみんなには内緒にしないといけないんじゃ? 特に王馬にはバレたくないと言っておったが……」
キーボ「王馬君が監視組を集めた際に言ったんです。監視対象になるべく余計なことをするな、心を鬼にして当たれって」
キーボ「ボクがやっているのはそれと真逆ですから」
夢野「ふむ……」
夢野(狂気には狂気の言葉通りか)
キーボ「ボクが悪いのでしょうか?」
夢野「……いや。真宮寺も拘束したままじゃし、これくらいでは何も影響はないじゃろう」
夢野「みんなには内緒にしておく」
キーボ「ありがとうございます」
<空き教室>
王馬「あ、夢野ちゃん。どうしたの?」
夢野「少し話がある。いいか?」
夢野(真宮寺の部屋前で話を聞いたウチは、その足で王馬を探していた)
王馬「いいよ、俺からもちょっと聞きたいことがあるし。あ、先は譲るよ」
夢野「真宮寺の拘束についてじゃ。あれはさすがにやりすぎではないか? もう少し緩めてもいいのではないかと思うが……」
王馬「……何だ、またその話か」
夢野「また?」
王馬「茶柱ちゃんからもさっきその話をされてね」
夢野「転子も……」
王馬「結論から言うけど、その答えはNOだよ」
夢野「んあっ……どうしてそこまで……」
王馬「本当は夢野ちゃんだって分かってるはずだよ。真宮寺ちゃんの拘束を緩めるわけには行かないって。彼が殺人を諦めてないことに気づいているんでしょ?」
夢野「それは…………その通りであるが……」
王馬「理屈では納得が行っても、感情が邪魔をするというわけね」
王馬「……うーん真宮寺ちゃんが大人しくしているのもそこ辺りが狙いなのかな……やっぱり一人でやった方が……でも、流石にそれも…………」 ボソボソ
夢野「王馬?」
王馬「……ああ、こっちの話。まあコロシアイを防ぐためだと思って割り切って」
夢野「……分かった」
夢野(ウチはあっさり引き下がる)
夢野(そうじゃ、王馬の言うとおり真宮寺が何か狙っている以上、拘束を緩めるのは良くない)
夢野(そんなことは分かっておる……それなのに抗議したのは)
夢野(何もしないと罪悪感に駆られるから)
夢野(キーボがプロジェクターを持って行ったのと同じじゃ。真宮寺のためではなく、自分の心のための行動)
王馬「それにしてもやけにあっさり引き下がったね」
夢野「んあっ、そ、そうじゃな」
王馬「ふうん……」
夢野(含みを持った言動。やっぱり王馬にも見透かされておるんじゃろうな)
夢野「わ、悪かったのか?」
王馬「いや、いいと思うよ。というより逆に真宮寺ちゃんの拘束を弛めるように固執された方が問題だし」
夢野「そ、そうか」
王馬「うん、だってそのときは――」
王馬「夢野ちゃんたちがコロシアイを引き起こそうとする運営側の人間――首謀者だと疑わざるを得なかったからね」
夢野「首謀者……」
王馬「おそらく存在には気づいてるんでしょ、夢野ちゃんも」
夢野「……ああ」
夢野(首謀者……白銀だった一周目とは違い、二周目では未だ謎となっておる存在)
夢野(モノクマの言葉からして、今周回も存在しておるのは間違いないはずじゃが……)
夢野(それはともかく、首謀者については二周目では最原が言い出していないせいで、みんなにその存在は知られていない)
夢野(じゃがやはり王馬は自力でその存在に気づいているか)
王馬「符丁なのかコロシアイ開始時の最原ちゃんの妙な質問」
王馬「記憶喪失なのに何故か最初から結託していて、みんなには内緒に図書室で頻繁に会っている夢野ちゃん、最原ちゃん、春川ちゃんの三人」
王馬「コロシアイのスターターとしか思えない、一回目の最原ちゃんの動機が謎の殺人」
王馬「三人が首謀者だと思える条件は揃っている」
夢野「っ……!」
夢野(王馬が語ったのは最原も懸念していたこと。その想像はまさに当たっていたようじゃ)
夢野(ウチはどうするべきじゃ……?)
夢野(ウチらはもちろん首謀者ではない。諸々の不自然は二周目が故に起きてしまった問題)
夢野(じゃが、二周目だと話しても信じられるとは思えないし……)
夢野(このまま敵だと見なされては……面倒なことに……)
王馬「――って、ちょっと前までは思ってたんだけどね」
夢野「……んあ?」
王馬「復活した最原ちゃんがまた死んだり、四個目の動機を春川ちゃんが速攻破壊したり……ちょっと分かんなくなってきたよ」
王馬「運営側の人間とは思えないけど、ただの一般生徒とは思えない」
王馬「夢野ちゃん……君たちは一体何者なのかな?」
夢野「そ、それは…………」
夢野(突然の事態に動揺したウチの心の中に、ある誘惑が首をもたげた)
夢野(言ってしまおうか、ウチらがコロシアイ二周目だと)
夢野(普通なら到底信じられるとは思えない言葉も……)
夢野(今なら……)
夢野(王馬ならば――)
キーボ「あ、王馬君ここにいたんですか!!」
夢野・王馬「え?」
キーボ「え、じゃないですよ! 午後からの監視は王馬君のシフトでしょう!?」
王馬「午後……ああ、もうそんな時間なんだ」
王馬「ごめんごめん、忘れてたよ」
キーボ「全く……今、ちょうど通りがかった星君に臨時で監視を頼んでいますからさっさと来てください」
王馬「はいはーい。……ってわけでまたね、夢野ちゃん」
夢野(ウチを置いて二人空き教室を去る)
夢野「…………」
夢野「あ、危なかった……」
夢野(全く何が、王馬なら……じゃ)
夢野(いくら王馬といえど、ウチらが二周目だと言っても信じられるわけがない)
夢野「ふう、ナイスタイミングでキーボが来てくれて助かったぞ」
夢野(ウチは安堵の息を付くと部屋を出た)
今日はここまで。また明日。
乙です!
>>96 キーボお前監視はどうした
>>113
ミスでした、天海あたりの発言ってことで脳内変換してください。(訂正が雑)
では、投下。
<翌日>
<食堂>
夢野(翌日の朝食会。随分と減った参加メンバーは、昨日からさらに一人減っていた)
王馬「百田ちゃんが寝込んでいて来れない……か。ついに六人になっちゃったね」
夢野(生き残り十人から、真宮寺、監視の天海、ハルマキに百田がこの場にいないので、王馬の言葉通り六人しかこの食堂にいない)
星「風邪が悪化したみたいだな。ったく、大人しくしとけって言ったのに」
夢野「風邪薬……はこの学園には無かったな」
アンジー「病院も保健室も無いからねー」
茶柱「風邪なんてちゃんと栄養を取って寝ていれば治ります! というよりネオ合気道をしていれば風邪にかかりません!」
夢野「どんな武術なんじゃそれは」
星「まあでも茶柱の言う通り。風邪は安静にしてれば治るもんだ」
星「後で朝食は俺が運んでおく。百田は今日一日ベッドの上だな」
夢野「………………」
夢野(ただの風邪ならそうじゃろう。じゃが百田の症状は未知の病気なんじゃ)
夢野(それくらいで治るようでは、運営側の仕掛けにならん)
キーボ「他三人はともかく、春川さんはどうしたんですか?」
キーボ「一昨日から図書室に籠もっているようですけど」
王馬「何か鬼気迫る感じだったよね。読み漁ってたのは医学書に見えたけど……もしかして愛しの百田ちゃんの風邪を治すために!?」
星「たかが風邪にどんな労力を割いてるんだ、それ」
夢野(いや、王馬の言葉も当たらずとも遠からずなんじゃがな)
夢野(やはりハルマキも不自然には思われているか。長く続くと良くないかもしれん)
夢野(しかしハルマキも根を詰めすぎな気がするぞ…………一応備えておくか)
<図書室>
夢野(ハルマキの分の朝食を届けにウチは図書室まで来ていた)
夢野「ハル……マキ……」
夢野(声をかけようとしてためらう)
夢野(というのも最後に見たハルマキの姿と現在の状況が一致していたから)
夢野(つまり……これは昨日も徹夜したというのか?)
夢野(もう三日目じゃ。さすがに体力も集中力も持つはずがない)
夢野(それなのに……)
春川「………………」
夢野(一心不乱に医学書を読んでいるハルマキ)
夢野「ハルマキ……朝食を持ってきたんじゃが……」
夢野(ウチが声をかけると緩慢な動作で振り返って……)
春川「………………」
春川「………………」
春川「…………あ、夢野か……」
春川「………………」
春川「……それ、朝ご飯?」
春川「ありがと……」
春川「…………」
夢野「もう止めるんじゃ、ハルマキ!!」
夢野(思わず声を荒げてしまう)
春川「止める…………って、何?」
夢野「根を詰め過ぎじゃ!! このままではハルマキの体が壊れてしまう!!」
春川「……だから、何?」
春川「最初に言ったでしょ…………百田の体を治すためなら、私の体が壊れたっていいって」
夢野「なら、ウチも言っておく!! そんなことをしても百田の病気は治らん!!」
春川「……………………………………………………は?」
夢野「医学書を読んで知識を付けたところで素人のハルマキが、病院も保健室もないこの学園で、未知の病気を治すなんて出来るわけがないと言っておるんじゃ!!」
春川「……………………何、言ってるの?」
夢野「大事な人を救うために万が一、億が一の可能性に縋るしかないハルマキの気持ちはよく分かる!」
夢野「そうでもしないと精神が壊れるとスルーしておったが……このままでは先に肉体の方が壊れる!!」
春川「………………」
夢野「お主の努力は無駄なんじゃ!! じゃから今はさっさと休んで――」
春川「だったら……百田に死ねっていうの?」
夢野「……っ!? そ、そんなことは……!!」
春川「……邪魔だから何も出来ないあんたは出て行って。私は百田を救うのに必死なんだから」
夢野(言うとハルマキは緩慢な動作で勉強に戻る)
夢野(ウチが持ってきた朝食にも手を付ける様子はない)
夢野「…………」
夢野(そのハルマキの背中を見ていて……先ほどまでの怒りは引いていた)
夢野(ついハルマキを心配して怒ってしまったが……そうじゃ、言ったとおり気持ちは痛いほど分かるんじゃ)
夢野(ウチだって大事な人……転子を救うためならどんな無茶だってしただろうから)
夢野「だから……分かれとは言わん」
夢野(ウチは歩を進める)
夢野「後で怒られることも覚悟じゃ」
夢野(ハルマキの背後まで来たが……全くこちらを警戒しておらん。いつもならそんなこと無いはずなのに)
夢野「ハルマキ、さっきウチに対して何も出来ないと言っておったな」
夢野(そして何も持っていない手をハルマキの首筋まで伸ばしてヒラリと振った)
夢野「じゃがウチは――魔法使いなんじゃ」
夢野(すると次の瞬間、ウチの手に注射器が現れる)
春川「っ……!?」
夢野(暗殺者としての本能か、勉強に集中していたはずのハルマキが危機に反応する)
夢野(が、もう遅い)
夢野「おやすみじゃ、ハルマキ」
夢野(注射器を押し込み、中の薬剤を流し込んだ)
春川「夢……野…………」
春川「zzz……」
夢野「催眠系魔法『スリープ』じゃ」
夢野(その肝は天海の研究教室から持ち出した睡眠薬。念のために食堂からここに向かう最中に寄って取っておいた)
夢野(元は猛獣にも使える麻酔なタメ、使うなら用法・容量をちゃんと守れと言われたが……1mgでもこれだけの効き目があるとは)
夢野「さて、ハルマキは自室に運ぶとして……一日すれば目も覚ますじゃろう」
夢野「起きたら……まず怒られるじゃろうな……。ハルマキを休ませるためとはいえ、やりすぎじゃったか」
夢野「しかし、こうでもしなければ休まなかったじゃろうし……うむ、しょうがない」
夢野(百田の容態も悪化してきているこの状況で一日無駄にするなんて、とハルマキは思うに違いない)
夢野「じゃが、ハルマキの方法では無理なんじゃ」
春川『だったら……百田に死ねっていうの?』
夢野(先ほどのハルマキの言葉が思い起こされる)
夢野「そんなことはない。ウチだって百田には生きていてほしい」
夢野(だったらウチはどうするか)
夢野(ハルマキの方法を否定して、どうやって百田を救うのか)
夢野「………………」
夢野(何てことはない。最初から一つ考えがあった)
夢野(ウチは自分の思考を思い出す)
夢野『じゃが……まともな手段に絞れば、それ以外に方法も思いつかない』
夢野(まともな手段に絞れば……)
夢野(そう、まともでない手段なら最初から思いついていた)
夢野(おそらくハルマキだって思いついてはおったじゃろうが……ハルマキの方法が万が一、いや億が一でしか成功しないなら、こっちは兆が一でも成功しないであろう)
夢野(だから確率の高い方法を選んでいただけ)
夢野「成功しないってハルマキを否定したのに……ウチもおかしいもんじゃな」
夢野(それでも何もしないという選択肢は……あのハルマキの姿を見ていて思いつくわけがなかった)
<コンピュータールーム>
夢野(眠ったハルマキを部屋に運んだ後、ウチは場所を移す)
夢野(そしてまともではない手段に取りかかった)
夢野「――ここにおったのか、モノクマ」
モノクマ「はーい。何の用? 忙しいから手短にね」
夢野「頼みは一つじゃ――百田の病気を治してくれんか」
夢野(ウチは勝ちの見えない賭けに挑む)
今日はここまで。また明日。
投下ー。
<コンピュータールーム>
モノクマ「百田クンの病気を治してほしい?」
夢野「そうじゃ!!」
夢野(百田を救うもう一つの方法)
夢野(それが……モノクマに治すように頼むことであった)
夢野(治し方の分からない未知の病気ではあるが、それはウチらにとっての話)
夢野(仕掛けた側であるモノクマならば、治す方法も分かっているはずじゃし、それを実行することも可能であろう)
夢野(つまりモノクマの首を縦に振らせることが出来たなら、百田は救われる)
夢野「………………」
夢野(もちろんそれが一番難しいのじゃが)
モノクマ「そんなこと言われてもねえ、こっちはそんな些事にかまっていられないのですよ」
モノクマ「すうじが足りないんだよ、すうじが!」
夢野「数字?」
モノクマ「まあそうじゃなくても、学園長として一生徒をえこひいきするわけにもいかないしね」
夢野「無理は承知じゃ。それでも……どうか頼む!!」
夢野(ウチは頭を下げるが)
モノクマ「だから駄目なものは駄目なの!」
夢野(にべもなく断られる)
夢野「…………」
夢野(まあいい、この反応は予想通りじゃ)
夢野(ウチの頼みをほいほい聞くとは思っていない)
夢野(なので用意していた次の手段に移る)
夢野「そうじゃな、これはウチのわがままじゃ」
夢野「お主が聞く道理はない。じゃから……交換条件として」
夢野「百田の病気を治してくれれば、ウチもお主の頼みを一つ聞く。これでどうじゃ?」
夢野(交渉の基本はギブアンドテイクじゃ)
夢野(こちらだけ利益をいただくなんて虫のいい話はない)
夢野(じゃからこちらからも条件を出して――)
モノクマ「なら、夢野さんが誰かを殺してよ」
夢野「んあっ!?」
モノクマ「そしたら百田クンを治してもいいけど……どうせ出来ないでしょ?」
夢野「そ、それは……」
モノクマ「交渉の基本はギブアンドテイクだよ。望みの大きさにあった報いを受ける覚悟はあるの?」
夢野「…………」
夢野(誰かを殺せ……か)
夢野(想定していなかったわけではないが……やはり要求されるか)
夢野(それは今までのウチの行為を否定する行い)
夢野(それだけは受けるわけにはいかん)
夢野「……殺すのだけは駄目じゃ。それ以外で何か――」
モノクマ「それ以外なんて無いって」
モノクマ「話はこれで終わり? なら、帰った帰った!」
夢野「………………」
夢野(追い返す素振りを見せるモノクマ)
夢野(さすがに厳しい頼みだとは思っていたが、ここまでとは)
夢野(どうすればウチの頼みを聞いてもらえるのか。百田を治してもらえるのか)
夢野「…………」
夢野(しかし……モノクマの態度に違和感がある)
夢野(一周目では王馬の頼みを聞いて、ゲーム世界にこの世界の秘密を隠すことを了承したモノクマじゃ)
夢野(生徒の頼みを聞くことだってあるはずなのに……そもそもウチの言葉を話半分でしか聞いておらず、さっさと終わらせようとしているフシがある)
夢野(これは……もしかして)
モノクマ『はーい。何の用? 忙しいから手短にね』
夢野(モノクマの軽口じゃと流していたが……忙しいからなのか?)
夢野「モノクマ、お主何が忙しいんじゃ?」
モノクマ「何、まだ話があるの?」
夢野「いや、気になっただけじゃ。見たところ鬱憤が貯まっておるんじゃろう? 時間を無駄にさせたし、愚痴ぐらいは聞くぞ」
モノクマ「ふーん……まあいいけど」
モノクマ「ボクが忙しい理由なんて一つしかないでしょ」
モノクマ「コロシアイの運営が上手く行ってないんだよ」
夢野「コロシアイが……?」
モノクマ「ほら、もう前回の裁判から五日も経つっていうのに、真宮寺クンを拘束してから特に動きがないじゃん!」
モノクマ「今までハイペースで進んできたのに、この停滞はマズいんだよ! 視聴率(すうじ)が落ちっぱなしなんだよ!」
夢野(モノクマがエセディレクター風にぼやく)
夢野「ハイペース……か」
夢野(言われてみると一周目から通してこうもコロシアイが降着したのは珍しいか)
夢野(事件が起きなくとも、何かしら動きを見せる生徒はいたというのにそれも無い。強いて言うなら百田が体調を崩していたり、ハルマキが勉強していたりはするがそれくらいじゃ)
夢野(動きがない理由は分かっておる)
夢野(第四の動機をハルマキが破壊して、その代わりになると思われた真宮寺も封じ込まれているからじゃな)
夢野(コロシアイの種となるものが無いのであれば、芽が出るわけがない)
夢野(ウチらにとってはありがたいことじゃが、モノクマにとってすれば不満なのじゃろう)
モノクマ「だからどうにか打開策を考えているっていうのに……わがままを言う生徒たち……」
モノクマ「ああもう、うんざりだよっ!!」
夢野「そ、それはすまんかったな」
夢野(迫力に押されて謝ってしまう)
モノクマ「本当にだよっ!!」
モノクマ「全く、今のボクにそんな生徒たちの望みを叶えている余裕は――――」
モノクマ「望み……………………」
モノクマ「…………………」
モノクマ「…………」
モノクマ「……」
夢野「………………?」
モノクマ「うぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ……っ!!」
夢野「な、何じゃ!? エラーか!? ついに壊れたのか!?」
夢野(突然笑い出したモノクマに驚いていると――)
モノクマ「いいこと思いついちゃった♪」
夢野「……え?」
モノクマ「うぷぷっ、流石ボクだね!」
モノクマ「これで……どっちの要望も満たせるはず。いやあ、ボクって生徒想い!」
モノクマ「細かいところは……うん。パクリでいっか」
モノクマ「よし、ならさっさと作業を始めないと……」
夢野「ま、待つんじゃ! ウチの話はまだ終わってないぞ!」
夢野「どうか百田の病気を治して……」
モノクマ「ああ、それね。うんいいよ」
夢野「いや否定するのも分かるがそこをなんとか……………………って、え?」
モノクマ「だから夢野さんの望みは分かったって」
夢野「……ほ、本当なのか?」
モノクマ「もう、ボクが嘘を付いたことがあると思うの?」
夢野「それは……」
夢野(モノクマはゲームマスターとして嘘は付けない立場じゃ。そのモノクマが首を縦に振ったということは…………)
夢野「本当に百田の病気を治してもらえるのか!?」
モノクマ「もちろん。その権利を勝ち取れた場合はね」
夢野「権利……?」
モノクマ「全部明日の朝になれば分かるよ」
モノクマ「というわけで――いでよ、我が子たち!!」
夢野(話を打ち切ると、モノクマはパンパンと手を鳴らす)
モノタロウ「うーん……なーに、お父ちゃん?」
モノファニー「おやつの時間だったのよー」
モノキッド「ミーもだぜっ!」
モノスケ「えらい急な呼び出しやな」
モノダム「何ノ用……?」
モノクマ「遅い、遅い、遅ーーいっ!!」
モノクマ「就業時間の十分前には着席でしょ!!」
モノタロウ「え、オイラ働いてたの?」
モノクマ「口答えするなっ! いいか、今からオマエラには明日の納期に向けて地獄の仕事があるからなっ!」
モノファニー「わ、訳分からないけど……分かったわ!!」
モノキッド「右に同じだぜっ!」
モノスケ「いやあ、ブラックの臭いがプンプンするでー。あまり近づきたくないけど……まあ、お父ちゃんの頼みやしな」
モノダム「ガン……バル」
夢野「………………」
夢野(どういうことになっておるのか……ウチにも分からんが、話が出来る雰囲気ではないな)
夢野(ウチの望みについて了解されたし、明日の朝になれば分かると言っていたんじゃ。待つしか無い)
夢野「………………」
夢野(百田の病気を治すための賭け)
夢野(モノクマに頼むという方法は何の奇跡か通った……とはまだ言い切れない)
夢野「権利……勝ち取る……か」
夢野(一周目には無い展開になるのは間違いないじゃろう)
夢野(百田が本当に治るとすれば吉報なのじゃが……)
夢野(気になるのはモノクマのあの喜びようじゃな)
夢野(やつの喜びは、ウチらにとって苦しみなのじゃから)
夢野「心してかかる必要がありそうじゃな」
<翌日朝>
<コンピュータールーム>
夢野(夜が明けて、翌日朝)
モノクマ『連絡、連絡です。生徒の皆さんは四階のコンピュータールームまでお集まりください』
夢野(朝食会の後にそんな連絡が入り、生き残っている生徒は全員コンピュータールームに集まっていた)
夢野(昨日モノクマと交渉したこの場所に再度出向いたウチらは――)
モノクマ「つ・か・も・う・ぜ!! モノクマボール!!」
夢野「」
夢野(『熊』と書かれた胴着を来て、手にはボール状の物を持ったモノクマの姿を見つけた)
夢野(有名なアニメのコスプレか?)
夢野(呆れるウチじゃが――)
モノクマ「うぷぷっ、というわけで追加の動機発表ーー!!」
モノクマ「このモノクマボールを七つ集めた生徒の望みを一つ、何だって叶えるよ!!」
夢野「なっ……!?」
夢野(続く言葉に一瞬で身が引き締まった)
今日はここまで。また明日。
投下ー。
<コンピュータールーム>
茶柱「モノクマボール……ですか?」
星「望みを何だって叶えるとは……大きく出たな」
天海「でもコロシアイの動機っすよね」
キーボ「そうですね、正直怪しさしか感じませんが……」
アンジー「もう、どうして蘭太郎もキーボも落ち着いてるのー!」
王馬「そうだよ、こんな事態ワクワクしかないじゃん!」
百田「宇宙に行けるなら歓迎だな……ゴホッ、ゴホッ……」
春川「………………」
真宮寺「へえ……」
夢野(モノクマの追加動機発表に反応する生徒たち)
夢野(全員集合の放送があったので病気の百田もいるし、真宮寺も拘束したままではあるがここまで連れてこられている)
夢野(そしてハルマキは……昨日強制的に眠らせた後初めて顔を合わすが……)
春川「…………」 ジー
夢野(やはりウチの方に視線を向けているな)
夢野(ううっ……やはり後で怒られるのじゃろうか)
天海「とりあえず一から話を聞かせて欲しいっすね。俺たちをここに集めた理由は何なんすか? 動機を発表するだけなら食堂でも良かったはずっすよね?」
星「馬鹿でかい機械があるが……関係あるのか?」
モノクマ「うぷぷっ、その通り」
モノクマ「オマエラの目の前にあるのは超高性能なコンピューターでね、入間さんあたりがいたら目を輝かせていたんだろうけど……」
王馬「それってキー坊よりも高性能なの?」
キーボ「馬鹿にしないでください! 自分で言うのも難ですが、こうやって自分で考えて話して動けるロボットなんてそうはいないですよ!!」
夢野「本当に自分で言うことじゃないな」
モノクマ「でも、このコンピューターも負けず劣らず高性能だと思うよ」
モノクマ「だってこの中には……異世界があるんだからね!!」
アンジー「異世界?」
王馬「ワクワクする響きだね!!」
モノクマ「名付けて……『コロシアイシミュレーター』!!」
茶柱「……一気に入りたく無くなりました」
キーボ「ですね」
天海「右に同じっすが……だから餌を用意したということっすか」
夢野「餌?」
モノクマ「中々鋭いね、天海クンは」
モノクマ「その通り、ここでさっき言ったモノクマボールが関わってくるんだよ」
夢野「まさか……ウチらが集めるのは……」
モノクマ「そう。今ボクが持っているモノクマボールはレプリカ」
モノクマ「本当のモノクマボールはこのゲーム世界の中でだけ存在するから、そこで集めるってこと」
モノクマ「望みを叶えるためのゲーム……面白いと思わない?」
王馬「最高だよっ!! 面白そうだね!!」
夢野「……まあお主はそう言うじゃろうな」
夢野(何でも望みが叶うという餌でコロシアイシミュレーターに誘う。一周目ではこの世界の秘密を餌にしていたのから派生した展開というわけか)
モノタロウ「その調整でオイラたちは徹夜したんだよ」
モノファニー「ふわぁっ…………zzz……」
モノスケ「あらま、立ったまま寝たな」
モノキッド「流石にミーも騒ぐ気にはなれねえぜ……」
モノダム「……。……。…………zzz」
モノクマ「じゃあ、詳しい説明は中でするからね。とりあえず最初はみんなゲーム世界に入ってもらうよ」
夢野(眠そうにしているモノクマーズを後目に、モノクマは説明を進める)
夢野(ウチらは装置を囲んだ席に一人ずつ座った)
モノクマ「二本のコードは赤が意識、青が記憶となってるから、赤を右、青を左に差し込んでね」
夢野「………………」
夢野(ウチはその言葉に黙々と作業を行う)
夢野(思えば一周目ではウチがここでおはしを持つ手などと言ったせいでゴン太がミスったのじゃ)
夢野(ゴン太もいないし、間違う人もいないじゃろうが……それでも黙っておいた方がいいじゃろう)
モノクマ「よし、全員接続できたみたいだね」
夢野(10人全員の接続を確認したモノクマ。拘束された真宮寺は他人の手によって装置を被されている)
モノクマ「それじゃめくるめくコロシアイシミュレーターの世界へ……ご案内~~!!」
………………。
…………。
……。
<ゲーム世界・館・サロン>
星「ん……ここはどこだ?」
キーボ「少なくとも先ほどまでいたコンピュータールームではありませんね」
アンジー「すごーい」
夢野「っ……ここは……」
夢野(ウチにとっては見覚えのある場所。一周目でもゲーム世界に入って最初にやってきた、館のサロンじゃった)
夢野(目の前には電話があって、ここで名前を言えばログアウト出来るということじゃろう)
モノクマ「ここは館のサロンだよ。そこの電話に自分の名前を言うことが、この世界からのログアウトする唯一の方法だからねー」
夢野(モノクマも同じような説明をするが……唯一?)
夢野(ということは一周目で入間は携帯電話で百田をログアウトさせておったが……それは出来ないということか?)
夢野(まああれは入間が他の人を出し抜くためじゃった。今回この世界はモノクマが調整しておるはずじゃし、違う部分も出てくるのじゃろう)
夢野「違う部分……そういえば……」
夢野(そうじゃ、違和感がないことが違和感じゃった)
夢野(一周目でのゲーム世界ではウチらはアバター、二から三等身くらいのキャラクターになっておったのに)
夢野(今回、ウチらは現実世界と同じ姿形をしておる)
王馬「ていうかここってあんまり実感沸かないけど、ゲーム世界なんでしょ? じゃあこの姿も仮初めのはずだよね?」
モノクマ「そうだね、ボクはアバターって呼んでるけど」
王馬「アバターね。せっかくだし身長190cm越えとかにしてくれれば良かったのに」
キーボ「ボクもレーザービームが出るようにして欲しいです」
茶柱「まだ言ってるんですか?」
モノクマ「うぷぷっ、期待していたところごめんね。アバターの容姿、筋力、才能、その他諸々は現実のみんなと同じになるように設定されているから」
モノクマ「同じようにこの世界では現実世界の物理法則を超越したものは存在しないよ。ゲーム世界だからってテレポートだったり、口から火を吐いたり、生身で空を飛ぶなんて出来ないからね」
王馬「えー……がっかり」
夢野(ちょうどモノクマが疑問に思っていたところを説明した)
夢野(ここも一周目とは違う点か。容姿が同じなのは分かっておったが……才能まで現実と同じとは)
夢野(確か一周目ではアバターの力は平均化されていたという話じゃったからな)
夢野(今回は現実と変わらず……例えば転子は合気道家の才能を使えるし、ハルマキだって暗殺者の才能を使える。各々が自分の才能を使えるというわけか)
夢野(現実の物理法則を越えたものが存在しないとも明言されたし……正直ゲーム世界といいながら、限りなく現実世界に近いな)
モノクマ「それじゃ外に出るよ」
夢野(モノクマの誘導に従って、館の外に出る。すると館の隣には――)
天海「教会っすか」
アンジー「すごいねー」
夢野「………………」
夢野(そうか、今回は入間がいないからループ世界を使ったトリックも仕込まれていない)
夢野(じゃからモノ属性しか通れない壁も無く、こうやって館の隣に教会が見えるのじゃろう)
王馬「しかし……広大な世界だねー。ここでモノクマボールを探さないといけないんでしょ?」
夢野(ゲーム世界にある建物は一周目通り館と教会のみ)
夢野(後は森や川など自然があるばかりじゃが……ウチらの等身が上がったのに合わせて、世界も広くなっておるようじゃな)
夢野(王馬の言う通り、ここからモノクマボールを探すのは大変そうじゃが……)
夢野「それでもみんなで協力すればすぐじゃな。頑張るぞ!!」
夢野(ウチは同意を求めて、みんなを見回すが……)
「「「………………」」」
夢野(返事は無かった)
夢野「……え? ど、どういうことじゃ?」
王馬「はあ……。あのね、のうてんきな夢野ちゃんに言っておくけどさ……モノクマはモノクマボールを集めた人の望み『一つ』を叶えるって言ったんだよ?」
夢野「………………あ」
王馬「ここにいる生き残った超高校級の生徒たちはみんな我が強い人だ。おそらく望みも十人十色だろうね」
王馬「それで一人の望みを叶えるために、残り九人がその自分の望みを諦めると思う?」
夢野「…………」
夢野(ウチは答えられない)
王馬「まあでも一応聞いておこうかな――モノクマ!」
モノクマ「ん、何かな?」
王馬「モノクマボールを集めた人の望みを一つ叶えるって話だけど――それって例えば『何回でも望みを叶えてくれ』って望みはありなの?」
モノクマ「もちろん無しだよ。よく言われるけど、ほんと無粋な望みだよね」
王馬「それには同意かな」
モノクマ「同じように『○○と○○と○○をしてくれ!』みたいな望みも駄目だからね」
モノクマ「あくまで望みは一つだけ。判断はボクがするからとんちを利かせてどうにかとか考えないように」
王馬「うん、じゃあ次の質問。もし『このコロシアイを終わらせてくれ』って望んだら本当に叶えてくれるの?」
モノクマ「……あーそれね。言われると思ったけど……もちろん何でも望みを叶えるっていった手前があるし叶えるよ」
夢野「本当か!?」
夢野(ウチは思わず叫ぶ)
夢野「聞いたかみんなっ! これでコロシアイを終わらせられるんじゃ! これはみんな共通の望みじゃろう! 協力してモノクマボールを集めて……」
夢野(そのままみんなに呼びかけるが……)
「「「………………」」」
夢野「っ……!」
夢野(またも反応は無かった)
モノクマ「もちろん――そう望むことが出来るならだよ」
モノクマ「何でも望みが叶えられるチャンスがあるのに……コロシアイの終了なんかに消費しちゃうの?」
モノクマ「何だかんだここまで生き残ることが出来たのに……万が一この先コロシアイが起こるとしても自分が殺されるとは思えないのに……」
モノクマ「本当にそれでいいの?」
夢野「っ……!」
夢野(モノクマの指摘はその通りじゃった)
夢野(ウチだってコロシアイを防ぐために頑張っておるが……その過程で自分が殺されるかもしれないと深く考えたことはなかった)
夢野(このコロシアイの場において安全地帯など無いのに、何故か自分だけは殺されることは無いじゃろうと思っていた)
夢野(ウチでさえそうなのじゃ……他の人だってそうじゃろう)
夢野(コロシアイとは他人が殺される場であり……自分には関係無い)
夢野(となれば……何でも叶えられる望みを他者の不幸を救うために使うか、それとも自分の幸せを追求するために使うか……)
夢野(そんなの分かりきっておる)
王馬「夢野ちゃんも現状が分かったところで……最後の質問いいかな、モノクマ?」
モノクマ「何かな、王馬クン?」
王馬「そんな身構えなくていいって。本当にシンプルな疑問だから――」
王馬「本当にモノクマボールを集めたらちゃんと望みを叶えるんだよね?」
モノクマ「……疑り深いなあ」
モノクマ「もちろんクマに二言はないよ」
モノクマ「既に望みを叶えるためのアイテムはこの世界に設置している」
モノクマ「モノクマボールを七つ集めた人はどんな望みでも叶えるよ」
モノクマ「例えば――」
モノクマ「宇宙に行きたいって望みでも」
百田「………………」
モノクマ「いなくなった人物の居場所を突き止めてくれって望みでも」
天海「………………」
モノクマ「ロボット差別をしないようにしてほしいって望みでも」
キーボ「………………」
モノクマ「自分の信じるものをみんなにも信じて欲しいって望みでも」
アンジー「………………」
モノクマ「誰かを好きにしたいって望みでも」
茶柱「………………」
モノクマ「過去に戻って自分の過ちをやり直したいって望みでも」
星「………………」
モノクマ「どんな形であれ姉に友達を作ってあげたいって望みでも」
真宮寺「………………」
モノクマ「誰かの病気を治して欲しいって望みでも」
春川「………………」
モノクマ「そして……コロシアイを止めて欲しいって望みでも、本当に望むことが出来るなら叶えてみせるよ」
夢野「っ…………」
モノクマ「そうやって各々の望みのために争う姿は……面白そうだよね!」
王馬「わくわくするよ!!」
モノクマ「うぷぷぷぷぷぷっ……!!」
今日はここまで。また明日。
投下ー。
夢野(モノクマボール……七つ集めた者はどんな望みでも叶えてもらえる)
夢野(ゲーム世界にてそれを巡った争いが始まろうとしていた)
星「モノクマボール……か。しかし、この人数に対して七つは多くないか? みんな一つずつ所持して、状況が動かないってなると思うが」
天海「何かボールを集めるための特別なルールとか無いっすか?」
モノクマ「そんなの無いよ」
キーボ「ならどうすれば……?」
モノクマ「そんなの決まっているでしょ。人の物が欲しくなったらどうするべきか、小学校で習わなかったの?」
王馬「分かった。盗めばいいんだね!」
茶柱「そんな物騒な教育受けてませんよ……」
モノクマ「うぷぷっ、でも王馬君の言う通りだよ」
夢野「モノクマボールを盗むって……望みを叶えるための重要なアイテムじゃぞ? そんな簡単に盗ませるやつがおるのか?」
王馬「そんなときには無理矢理だよ! 殺してでも奪い取ってやれっ!!」
夢野「なっ……!?」
モノクマ「素晴らしい! 王馬クンはよくこのゲームの趣旨を分かっているね」 パチパチ
夢野(ウチは王馬の言葉に絶句するが、モノクマは拍手して讃えた)
王馬「まあね。だってコロシアイゲームの中のゲームであり動機なんだよ。それくらい野蛮じゃないとね」
モノクマ「コロシアイシミュレーターの名の通りこの世界にも武器は用意してあるよ。心配な人は武装してね」
夢野「……そうやってコロシアイを誘発させるのがお主の魂胆か」
夢野(忘れてはいけない。動機はコロシアイを煽るために存在する)
夢野(今回の追加動機の本質は、望みを叶えるという甘美な誘惑で、殺人を起こさせるというわけか)
夢野(武器の存在は一周目では入間が自分が使うハンマー以外を取り除いていたが、モノクマは当然残したままにしているということじゃな)
真宮寺「一応聞いておくけどサ、この世界で人を殺しても意味があるの?」
真宮寺「アバターが殺されるだけで現実世界では無事とか、ゲーム世界だから復活アイテムがあるとかじゃないんだよネ?」
モノクマ「もちろん違うよ」
モノクマ「みんなのアバターが現実世界の姿を反映しているように、アバターに起きたことも現実世界の身体に反映するからね」
モノクマ「というわけでアバターを殺された場合は、そのフィードバックで現実世界でも死んじゃうってわけ」
キーボ「フィードバック……ですか」
モノクマ「そうそう」
真宮寺「なるほどネ……くくっ、ゲーム世界といいながらますます現実世界に近づいてきたじゃないか」
夢野「ん? 現実世界の身体とゲーム世界のアバターが連動している?」
夢野「だったらウチらがこうしてゲーム世界で歩いたら、現実世界でも体が歩き出して壁にぶつかったりとかしないのか?」
モノクマ「うーん……難しい話だからざっくり言うけど」
モノクマ「脳からの信号を装置が受け取って遮断することでアバターを動かしているから、現実世界の身体も一緒に歩き出したりはしないの」
モノクマ「でもアバターが怪我だったり、死んだりするような大ダメージを受けると遮断しきれなくて現実世界の身体にもフィードバックする……って思ってくれればいいよ」
夢野「分かるような、分からないような話じゃな……」
モノクマ「で、話を戻すけど、もちろん死体が発見された場合は捜査の後に裁判だよ」
モノクマ「ゲームだから殺しても大丈夫なんてことはないからね。クロを指摘されたらきっちりとおしおきだから」
夢野「何か……生々しいゲームになってきたな……」
茶柱「モノクマボールをルール無用で奪い合うわけですしね」
夢野「……ここまで物騒なゲームじゃと、殺されるのを恐れて参加しないって人も出て来そうじゃな」
モノクマ「その点は心配なく」
モノクマ「物騒なばかりだとゲームに参加しないって生徒も出てくると思って」
モノクマ「争わなくても盗むことが出来る状況は作っておいたよ」
夢野「……? どういうことじゃ?」
モノクマ「うぷぷっ、ヒントはここまで」
モノクマ「攻略本にばかり頼るゲーマーは良くないからね。ここから先は自分の目で確かめてくれ!!」
夢野(モノクマはそんないいかげんなことを言うと姿を消した)
夢野(残されたウチら生徒十人)
星「始まったみたいだな」
アンジー「とにかくボールを集めればいいんだよねー!」
天海「負けないっすよ」
夢野(ウチが言ったとおり物騒なゲームじゃというのに躊躇する者はいなそうじゃ)
夢野(すぐにでもモノクマボールを巡る争いが始まりそうな気配に先んじてウチは声を上げた)
夢野「待つんじゃ! ゲームを開始する前に、真宮寺をどうするか決めるぞ!!」
王馬「真宮寺ちゃん? ……そう言えば、この世界でも縛られたままなんだね」
真宮寺「くくっ、そうだヨ。本当動きにくいネ」
夢野(黙って付いてきていたため気づかなかったが真宮寺の手足は縛られたままじゃ)
キーボ「アバターは現実世界のボクたちの状況を反映しているってやつですね」
百田「ゴホン……っ、だから俺のアバターもこんなに身体がダルいのか」
茶柱「無駄に高性能ですね、このゲーム……」
夢野「今朝の監視シフトは誰じゃ? 真宮寺とその者はログアウトして監視を続けて欲しいんじゃが……」
王馬「あーそれなら俺だけど………………」
王馬「うん、嫌だよ」
夢野「え……?」
王馬「だってこういうゲームはスタートダッシュが重要なんだよ!! 最初にモノクマボールをゲット出来ないと、ゲームに絡めないじゃん!!」
夢野「そうは言ってもじゃな……!!」
王馬「というわけで俺は早速探しに行くからね! 真宮寺ちゃんの監視がしたいなら誰かよろしく。じゃあね!」
夢野(言うと王馬は森の方に向かって行った)
星「……さて、俺も遅れるわけには行かねえな」
天海「そうっすね」
アンジー「よし、行くよキーボ!! 付いて来てー!!」
キーボ「ア、アンジーさん……!?」
夢野「ま、待つんじゃみんな!!」
夢野(制止するが、王馬がすでにゲームを開始した今、遅れまいとその場を離れて行ってしまった)
夢野(ということでその場に残ったのは)
真宮寺「くくっ、僕を弾劾したときはあんなに団結していたのに、今やその欠片も無いネ」
百田「ゴホン……全くみんな勝手だぞ」
茶柱「ど、どうしましょうか……」
春川「………………」
夢野(ウチを含めて五人だけじゃった)
夢野「………………」
夢野(どうするべきかウチが悩んでいると声がかけられた)
百田「ところで夢野。おまえの望みは『コロシアイを終わらせる』ことでいいんだよな?」
夢野「え……そうじゃな。モノクマは本当にそれを望むことが出来るのかとか言っておったが………………」
夢野「うむ、やっぱりウチの望みは『コロシアイを終わらせる』ことじゃな」
夢野(自分の気持ちを確かめて答えると、百田はさらに聞いてくる)
百田「本当にそれでいいのか? よく考えてみろ。何でも望みを叶えられるんだぞ?」
百田「自分の魔法をちゃんと世間に認めてもらうとか、そんなことを思ったりしないのか?」
夢野「………………」
夢野(百田の提案は……正直心を動かされた)
夢野(ウチの魔法をマジックじゃといって認めない者たち。そんな者たちがちゃんとウチの力を認めるとしたら………………)
夢野「……いや、それでもウチの望みは『コロシアイを終わらせる』ことじゃ」
夢野(誘惑を断ち切る。ここまで繰り返された悲劇。それを終わらせるチャンスがあって、自分の望みを優先している場合ではない)
百田「そうか――なら夢野、おまえも行ってくれ」
夢野「百田……?」
百田「俺はご覧の通りの体調だ。このゲームにも付いていけないだろうし降りる」
百田「ついでと言っては何だが、真宮寺の監視も引き受けてやる」
夢野「しかし、その体調では……」
百田「大丈夫だ。意外とこいつも拘束されてから大人しいしな。俺一人で事足りるだろーよ」
真宮寺「………………」
夢野「じゃが、百田……お主には望みが……」
百田「……ああ。確かに宇宙に行きてーよ」
夢野「違う、そうではなくて……」
百田「どんな形であろうと宇宙に行きたい。俺の夢だからな」
百田「でも、それが他のみんなの命に優先するかっていうと……そんなはずねーんだよ」
百田「つまり……俺はおまえの望み『コロシアイを終わらせる』に賛同する!!」
夢野「っ……」
百田「だから、俺の代わりに……頼んだぞ!!」
夢野(百田はウチに思いを託すと、真宮寺を連れて館に向かった。ログアウトして現実世界に戻るのじゃろう)
茶柱「……託されましたね」
夢野「じゃな。……ちなみに転子の望みは何なんじゃ?」
茶柱「それはもちろん『夢野さんを好き勝手する』こと」
夢野「…………」
茶柱「――でしたが、今のやりとりを聞いて変わりました」
茶柱「転子の望みも『コロシアイを終わらせる』ことです!!」
夢野「そうか……ありがとうな」
茶柱「いえいえ、夢野さんにお礼を言われることではありませんよ!!」
夢野「……コロシアイが終わって平和になったら、ウチでいいなら転子の望みを聞くぞ」
茶柱「本当ですか!? そんなこと言われたら、色々要求するかもしれませんが……」
夢野「遠慮せんでいいわい」
茶柱「……ぐふふっ、思わぬファインプレーでしたね!! 俄然やる気が沸いてきましたっ!!」
茶柱「春川さん!! 春川さんも同じ望みですよね!?」
夢野(転子が残っていた最後の生徒、春川に声をかける)
夢野(転子としては自然な言葉じゃったのだろう。春川がコロシアイを反対する立場であることはみんなも分かっておる)
夢野(じゃが……)
春川「私は………………」
茶柱「あ、あれ……?」
夢野「……転子、先にモノクマボールを探しておいてくれんか?」
夢野「ちょっと春川と二人で話したいことがあるんじゃ」
茶柱「……そうですね。もう結構出遅れていますから分かりました。あちらの方で探しているので、話が終わったら合流してください!!」
夢野(察してくれた転子がその場を離れるのを見送って、ウチはハルマキと向き合った)
春川「気を使わせちゃったね。でも……これでようやく二人きりだよ」
夢野「……そうじゃな」
夢野(二人きり。つまり一周目のことを話せる状況になった)
春川「まあでもその前に……」
夢野「その前に?」
春川「昨日はよくも私の隙を突いて睡眠薬を打ってくれたね?」
夢野「………………あ」
夢野(色んなことが立て込んで、すっかり忘れていた)
夢野「あ、あれはじゃな! ああでもしないとお主が休んでくれないと思って……!!」
春川「そう? じゃあ夢野、あんたも疲れているだろうし寝かせてあげようか。私の手で」
夢野「わ、悪かったのじゃーーっ!!!」
夢野(殺気が漏れ出したハルマキにあわててウチは土下座する)
夢野(どのような審判が降りるのかビクビクとしながら待っていると)
春川「……ごめん、ごめん。顔を上げて」
夢野「……え?」
春川「私は怒ってないって。あわてる夢野が面白くて、つい悪乗りした」
夢野「そ、そうなのか?」
春川「うん。大体素人の夢野なんかに睡眠薬を打たれるのを防げないくらい自己管理が出来ていなかったのが悪いんだしね。本当暗殺者失格だよ」
夢野「若干棘が残っておるんじゃが……」
春川「それで……この事態は、一周目と変わった展開になっているのは、あんたが干渉した結果なんだよね?」
夢野(すっかり真面目な雰囲気に戻ってハルマキが聞く)
夢野(モノクマボールは一周目には無かった出来事。一周目と同じが基本の二周目じゃから、何らかのイレギュラーが起きないとこの事態にはならん)
夢野(それを一周目の記憶を持つウチが干渉した結果じゃとハルマキは推測したのじゃろう)
夢野「……半分は正しいな。ウチも確かに交渉には行ったが、元々モノクマはもうずっとコロシアイの展開が動かなくて焦っているようじゃった。ウチが何もしなくてもこのような事態になった可能性はある」
春川「そう……まあいいや。動いてしまった以上は取り消せないしね」
夢野(ハルマキはそう言って、転子が向かった方向とは逆に足を向ける)
夢野「行くのか? ウチらと一緒には来れんのか?」
春川「……ごめん」
夢野「いや、責めているわけでは無い。元々そのためにこんな事態になっておるんじゃしな」
夢野(そうじゃ、ウチらの望みは『コロシアイを終わらせる』こと)
夢野(対してハルマキは……)
春川「私には私の望みが――『百田の病気を治す』ことがある。夢野たちとは一緒に行けない」
夢野「……すまんな、ハルマキを手伝えなくて」
春川「いいって、夢野の望みも分かるから」
春川「私だってコロシアイは終わって欲しい」
春川「でも、叶えられる望みは一つだけ。同時に百田の病気を治すことは出来ない」
春川「この学園を脱出して病院に行って治すってことも考えられるけど、外の世界がどうなっているか分からない以上百田が治るって保証もない」
春川「だから私は確実に百田の病気を治すために……夢野たちとは一緒に行けない」
春川「夢野の言うとおりだった」
春川「あのまま医学書で勉強していたところで、百田の病気は治せなかった」
春川「私だって心の奥底では分かっていたはずなのに……どうしてもその現実を直視することが出来なかった」
春川「だから……こうやって百田の病気を治すチャンスを作ってくれたことには感謝している」
春川「おそらく最初で最後の機会――絶対に逃すわけには行かない」
夢野「………………」
夢野(聞きながら……少しだけ不安を覚えた)
夢野(ハルマキの言葉に感情がこもりすぎている)
夢野(ようやく訪れた百田の病気を治すチャンスに張り切る気持ちは分かるが……)
夢野(まるで……そのためなら何でもすると言わんばかりの……)
夢野「一つだけ約束してくれんか?」
春川「何?」
夢野「コロシアイだけは絶対やらない、と」
春川「……分かってるって」
夢野(その言葉からはハルマキの感情を読みとれなかった)
夢野(既に振り返ったハルマキの表情も見えない)
夢野(一抹の不安を覚えるウチに……)
春川「じゃあね。望みが違う以上、ゲームが終わるまでは敵同士だから」
夢野(後ろ手を振ってハルマキは去っていった)
今日はここまで。また明日。
投下ー。
<ゲーム世界・森>
夢野(ハルマキと別れたウチは、転子の元に向かった)
茶柱「あ、夢野さん」
夢野「ここにおったか。探索はどんな感じじゃ?」
茶柱「とりあえずまだ見つかっていません」
茶柱「そもそもモノクマボールがどこに隠されているか分からないのが難しいですね」
茶柱「手がかりも無いってことはしらみ潰しに探すしか無いってことですから」
夢野「ふむ、転子の言う通りじゃな」
夢野「となると最初はみんなモノクマボール探索に必死になって……奪い合う段階になるのはもっと後になりそうじゃな」
茶柱「そうなったら転子の出番ですね」
茶柱「超高校級の合気道家ですから……現在生き残っている生徒を考えると、春川さんと星さん以外なら一方的にモノクマボールを奪えると思います」
茶柱「あっ、でも王馬さんもいつもふざけているようで実力は未知数ですからね。油断は出来ません」
夢野(王馬か……一周目でも百田相手にカウンターを決めておる。実はやりおるのかもしれんな)
夢野「もちろん暴力はよくないが……コロシアイを終わらせるためと非情になるしかないな」
夢野(しかしこうやって物騒な思考に寄っている時点で、モノクマの動機は成立しているのじゃろう。相変わらず嫌らしい手を思いつくやつじゃ)
茶柱「ところで……春川さんはどうしたんですか? もし二人で組めれば向かうところ敵無しなんですが」
夢野「ハルマキは……コロシアイを止めることよりも叶えたい望みがあるということで行ってしまった」
茶柱「……そうですか」
茶柱「まあ……そういうこともありますよね」
夢野「じゃからハルマキにも負けんよう、モノクマボール探しを進めるぞ!!」
茶柱「分かりました!!」
夢野(そうしてモノクマボールの探索を開始したウチら)
夢野(しかし――)
<探索一時間経過>
夢野「ん、何じゃこの宝箱?」 パカッ
茶柱「気を付けてください、夢野さん! 罠が仕掛けられている可能性も――って、開けたんですかっ!?」
夢野「まあ罠もなかったし結果オーライじゃろう。中には……ボール状の物。これが――」
茶柱「……『スカ』って書いてありますね」
夢野「モノクマァァァァッ!!」
<探索二時間経過>
茶柱「ちょっと待ってください、夢野さん!!」
夢野「どうしたんじゃ!?」
茶柱「見てください、ここの地面だけ草が無くなっています。おそらく掘って何かを埋めた跡です」
夢野「何かを……って、まさか!?」
茶柱「掘り返してみましょう!!」
<探索三時間経過>
夢野「ふぅ、道具がないから掘るのに時間がかかったな。じゃが、ようやく見つかったぞ」
茶柱「これがモノクマボ…………『スカ』って書いてあります」
夢野「モノクマァァァァッ!!」
<探索四時間経過>
茶柱「……何か森の中に迷路みたいなのがありますね」
夢野「こんなものまで用意したのか、モノクマは」
茶柱「ここにモノクマボールあるでしょうか?」
夢野「……また『スカ』かもしれんぞ」
茶柱「……ですが、やらないわけには行きませんよね?」
夢野「……そうじゃな」
<探索五時間経過>
夢野「右左真ん中右右真ん中左は駄目……次は一個戻ったところを逆の方向に行って……それも駄目だったらまた戻って………………」
夢野「……なあ、転子? この迷路の壁ぶち壊せんか?」
茶柱「さ、さすがに無理です……」
茶柱「地道に頑張りましょう、夢野さん」
夢野「おー…………」
<探索六時間経過>
夢野「ん、今までとは違った広場に出たな」
茶柱「……っ、これは!!?」
夢野「どうかしたか、転子!!」
茶柱「ありました、モノクマボールです!!」
夢野「本物なのか!?」
茶柱「はいっ、今度の今度こそ本物です!!」
夢野「おおっ、ようやく見つけたか!!」
夢野(歓喜の声を上げるウチら)
茶柱「大きさは野球ボールくらいですか……中にはモノクマの顔が四つプリントされていますね……」
夢野「言うなれば四熊球か」
茶柱「モノクマの顔が七個プリントされた球もあるんでしょうね……想像しただけで絵面が……」
夢野「しかし、一個手に入れるのにかなり時間がかかったな……性格悪すぎじゃぞ、モノクマにモノクマーズめ」
夢野(来た道を戻って迷路を脱出する)
夢野(辺りは暗くなってきておる、ゲーム世界に入ったのは朝じゃというのにもう夕方のようじゃった)
茶柱「それでこれからどうしますか?」
夢野「一個見つけるだけでこれだけ苦労したんじゃ。二個目もそう簡単には手に入らんじゃろう。辺りも暗くなってきて難航しそうじゃしな」
夢野「ということで今日はもう休みたいわい。お腹も減ったしな」
茶柱「そうですね、転子も朝から動いているためそろそろご飯を食べたいですね」
夢野「おーウチもたらふく食べたいぞ。この世界には食べ物も無いからな」
茶柱「あったとしてもゲーム世界で食べたものが、現実世界で反映されるとは思えませんが」
夢野(取り留めの無い話をしながら歩くと、ウチらは館の前に着いた)
夢野(そそくさと館の内部、サロンに入る)
<ゲーム世界・館・サロン>
夢野「この電話に自分の名前を言えばログアウト出来るんじゃな」
夢野「よーし早速……」
夢野(と、受話器を取ったウチに)
茶柱「あっ……ちょっと待ってください、夢野さん」
夢野(転子が制止をかける)
夢野「ん、どうしたんじゃ転子?」
茶柱「いえ、その……ちょっと先に転子がログアウトして、またログインするので待っていてくれませんか?」
夢野「ログアウトして……ログイン? どうしてじゃ、もう今日は休むんじゃろ?」
茶柱「ちょっと気になることがありまして……説明は戻ってからします」
夢野(と、申し訳なさそうに転子は言うと、受話器をウチの手から奪って)
茶柱「茶柱転子」
夢野(自分の名前を言った。すると転子の足下から光の柱が延びて姿が消える)
夢野(そこまでは一周目でも見たログアウトの光景じゃったが…………直後、ゴトッと何かが落ちる音がした)
夢野「ん、転子の居たところに何か……って、これはモノクマボール?」
夢野「………………」
夢野(ボールを拾い上げたウチはそれが意味することについて考えて――)
夢野「まさか……!?」
夢野(愕然とする)
茶柱「戻りました……と、やはりそうでしたか」
夢野(すぐに転子が言葉通りログインして戻ってきた。ウチの手にあるモノクマボールを見て納得している)
夢野「ど、どういうことじゃ転子!? これは……」
茶柱「ひとまず場所を移しましょう。ここでは他の生徒がログアウトのために訪れるかもしれません」
夢野「そ、そうじゃな……」
夢野(転子の言葉に頷くとウチらは外に出て館から少し離れた場所に移動する)
<ゲーム世界・外>
茶柱「一応教えてもらえますか、転子がログアウトした瞬間のことを」
夢野「ああ、それなら転子の姿が消えたと思ったら、モノクマボールがその場に落ちたんじゃ」
夢野「中には四つのモノクマの顔。これはウチらが見つけて、転子が持っておったモノクマボールじゃよな」
茶柱「そうですね」
夢野「ということはつまり――モノクマボールはログアウトで持ち越すことが出来ないってことか?」
茶柱「そういうことでしょうね。モノクマも言っていました」
モノクマ『本当のモノクマボールはこのゲーム世界の中でだけ存在するから、そこで集めるってこと』
茶柱「モノクマボールはこのゲーム世界でのみ存在するアイテム。アバターと一緒にログアウトすることは出来ないということでしょう」
夢野「モノクマボールの所持を続けるためにはこの世界にずっといないといけない」
茶柱「となると、このゲーム世界の仕様が足を引っ張るんでしょうね」
夢野「ゲーム世界の仕様?」
茶柱「はい。先ほども言いましたよね、この世界に食べ物が存在しないということは」
夢野「あっ、そうか……ではご飯を食べようと思ったらログアウトをしないといけないのか」
茶柱「食事することが出来ないのに、この世界のアバターも現実世界を反映して律儀に空腹感を覚えますからね」
茶柱「他にも……トイレも問題でしょうか」
夢野「トイレ……うっ、言われるとしたくなってきおったな。探索の間はずっとしていないし」
夢野「でも……あれ、もしかして、この世界でトイレをしたら……」
茶柱「夢でトイレに行ってスッキリしたと思ったら、翌朝ベッドが濡れていて……という状況と同じになるんでしょうね」
夢野「んあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 ガタガタ
夢野(転子の言葉に記憶が蘇り、ウチはガタガタと震える)
茶柱「……ん、もしかして夢野さんのその反応」
夢野「な、何じゃ転子!? ウチはおもらしなぞしたこと無いぞ!!」
夢野「トラウマ……ではないぞ、断じて。ウチはそんな状況になったことなど絶対に無いからな。想像してみて恐怖したんじゃ!!」
茶柱「……だ、だだ大丈夫ですよ、夢野さん!! ど、どんな夢野さんでも転子は嫌いになりませんから!!」
夢野「言葉が引き付っておるぞ!!」
夢野「全く……状況をまとめてみるぞ」
夢野「モノクマボールはこのゲーム世界から持ち出せないので、ログアウトしても所持し続けることは不可能」
夢野「じゃからといってずっとこのゲーム世界にいるのも食事、トイレなどの理由で不可能」
茶柱「ですから取れる方法としては二つ考えられそうですね」
夢野「そうじゃな、一つ目はこのゲーム世界のどこかにモノクマボールを隠してからログアウトするとかか」
茶柱「この広いゲーム世界ですからね、おそらく他の人に見つかる可能性は低いでしょう」
夢野「じゃが、低いとはいえ見つかる可能性はあるし、そもそも隠す現場を見られていたりしたらアウトじゃな」
茶柱「これがモノクマの言っていたモノクマボールを盗みやすい状況というのでしょう」
茶柱「どうしてもモノクマボールを手放さないといけない時間が出て来ますから」
夢野「なるほどこれなら暴力に頼らなくても盗める可能性もあるが……でもウチら二人ならノーリスクではないか?」
茶柱「そうですね二つ目の方法として結果的に転子たちがそうなったように、ログアウトする際に誰かにモノクマボールを託しておけばいいですから」
夢野「二人で組んでおれば、一人がログアウトしている間、もう一人がゲーム世界に居続けることでモノクマボールの所持を続けることが可能というわけか」
茶柱「ですが、もちろんその間もう一人は食事トイレが出来ない状況で待っていないといけないですし、そもそも一人でモノクマボールを集めている場合はこの方法を取ることは出来ません」
夢野「と考えると二人で組んでいることはかなりメリットじゃな。これならウチらのモノクマボールが盗まれることはないんじゃないか?」
茶柱「いえ、一つだけ問題があります。それは転子がモノクマボールを持っていない時間が出て来るということです」
夢野「っ……そうか、転子ならどんな相手が来てもそうそう遅れは取らないが……ウチなら御しやすいというわけか……」
茶柱「それでも二人いることはメリットです」
茶柱「とりあえず転子たちは交代で休むことにしましょう。まずは転子がログアウトして、食事など必要なことを済ませてから戻ってきます」
茶柱「そしてモノクマボールを受け取ったら今度は夢野さんがログアウト。そのまま休んでいいですから、また明日の朝になったらログインして交代してください」
夢野「……いいのか? 転子も日中の探索で疲れておるじゃろうに」
茶柱「それでもどちらかがログインしていないといけないですから」
夢野「ありがとうな、その言葉に甘えるぞ」
夢野(というわけでモノクマボールを受け取り、最初の休憩に向かう転子を見送る)
夢野(戻ってくるまで待機じゃな)
夢野「うーん……大体このゲームの趣旨が理解出来てきたぞ」
夢野(モノクマボールを持ち続けるためには、食事やトイレなどが出来ないこのゲーム世界に籠もり続けないといけない)
夢野(寝ることは出来るじゃろうが、それでもいつ誰に襲われるか分からないこの状況で安らぐのは難しいじゃろう)
夢野(そんな極限の状況でボールを奪い合う……まさにサバイバルというわけか)
夢野(望みが叶うという甘い誘惑、人から奪うという物騒な手段の常態化、そして極限状態で判断能力が鈍った結果、ついコロシアイを起こしてしまう)
夢野(モノクマの狙いの全貌はこんなところか)
夢野(もちろんその思惑通りにはさせない。絶対にウチらがモノクマボールを集めて、コロシアイを終わらせてみせる)
夢野「じゃが……」
夢野(ふと疑問が沸く)
夢野(モノクマボールを本当に七つ集める者は出てくるのじゃろうか?)
夢野(六時間ほども探索していて、他の生徒とは誰も合わなかった)
夢野(一周目とは様変わりしてあんな迷路もあるくらい広大な世界で、しかも七つと集めないといけない物は多い)
夢野(ウチらがようやく一個見つけたぐらいじゃ。今の段階で一人が三つ四つも所持しているという可能性は正直低いじゃろう)
夢野(だからモノクマボールを七つ集めるためには、他の人から盗みまくるしかない)
夢野(そのために作られた盗みやすい状況じゃが、ログアウトにかけられたリスクも正直どうなのか)
夢野(モノクマボールを一時的に手放すのは確かに危険じゃが、それでも隠すときは誰だって警戒するはずで簡単に見られるとは思えない)
夢野(そして隠し場所を見られていなければ、当てずっぽうで捜索したところでこの広大な世界で簡単に見つかるとは思えない)
夢野(つまり簡単には盗むことが出来ずに……今のままではみんなが最初の探索で見つけた一つか二つのモノクマボールを持ってゲームが停滞するとなりそうじゃが……)
夢野「…………」
夢野(モノクマとしてその状況はどうなのじゃろうか?)
夢野(どうしたってモノクマボールを集めきれないゲーム)
夢野(望みを叶えさせないという意味ではいいのじゃろうが、それでは動機として成り立たない)
夢野(クソゲーは飽きられるだけじゃ。そうしてゲーム世界に来なければ動機としての効力を失っていくことになる)
夢野(それを想定していないのか……もしくは……)
夢野「ウチらが気づいていない要素が……このゲームにはまだ隠されているのか?」
夢野「………………」
茶柱「お待たせしました、夢野さん!!」
夢野「おっ、転子か。早かったが、大丈夫か」
茶柱「はいっ、大丈夫です!! ですから夢野さんも今日はもうゆっくり休んでください」
夢野「そうか……ではお言葉に甘えて………………」
茶柱「……? 夢野さん?」
夢野「転子……絶対にこのゲームに勝って、コロシアイを終わらせるぞ」
茶柱「……はいっ、もちろんです!!」
夢野「よし、では頼んだ。明日の朝またこの場所でな」
夢野(モノクマの意図は掴みきれんが……モノクマボールさえ集めれば、望みが叶うとはやつが生徒全員の前で言ったこと)
夢野(実はモノクマボールが六個しか無かったとか、モノクマボールを集めたけど望みは叶えませーんとか、そういうコスい手を使ってゲームマスターとしての地位を落とせばコロシアイが成り立たなくなる)
夢野(つまり望みを叶えるつもりがあるのは絶対じゃ)
夢野(なら、それを利用してコロシアイを終わらせてみせる……!!)
気になることはありながらも、前向きに考える夢野。
望みを叶えるゲームの攻略は順調。
――だからこそ気づけなかった。
現在巻き込まれているもう一つのゲーム。
コロシアイ学園生活に……問題が生じていることを。
<深夜>
<真宮寺の部屋>
真宮寺「さて、ここまで待ったかいがあったネ」
あらかじめ緩めておいた手と足の拘束を外した真宮寺が立ち上がる。
真宮寺「監視の方は……うんうん、病人はちゃんと夜は寝ないとネ」
ドアを開けて部屋の外に出ると、百田は毛布にくるまって寝ていた。
真宮寺「ちゃんと監視の意志があるのは偉いけど……それを遂行できる体力があるかは別だよネ」
真宮寺「まあ日中はちゃんとしていただけすごい方か」
真宮寺は百田を起こさないように寄宿舎を出る。
真宮寺「他のみんなも未だゲーム世界にいるか、疲れて寝ているかだろうネ」
つまり――真宮寺の行く手を阻む者はいない。
真宮寺「くくっ……ちゃんとお望み通りの状況を作ってくれて、モノクマには感謝しないと」
<回想>
モノクマ「なるほどね……ボクなら扉の前に監視がいようと部屋の中に現れることが出来る」
モノクマ「話し声はキーボクンに言ってもらって用意したスピーカーの音で誤魔化せる」
モノクマ「そこまでしてボクを呼んだ理由は何なのかな?」
真宮寺「くくっ、僕の望みは一つだヨ」
真宮寺「予想していたより警戒が堅くてネ。時間をかければどうにだって出来るけど本意じゃないでしょ?」
真宮寺「だから僕が動きやすい状況を、みんなの目を逸らす何かを用意してほしいんだ」
真宮寺「そうすればコロシアイを見せてあげるから……それが君の望みでもあるよネ?」
モノクマ「わがまま言うなあ……」
モノクマ「うぷぷっ、でもコロシアイの場が停滞するのはボクも危惧していたところだからね」
モノクマ「うん、どうにか方法を考えてみるよ」
真宮寺「さて……欲望にとらわれたみんなの足下をすくうために……頑張ろうかナ」
今日はここまで。また明日。
投下ー。
<翌日朝>
<ゲーム世界・外>
夢野(望みを叶えるゲームの開始から一日が経った)
夢野(ウチは転子からモノクマボールを受け取るために約束の場所に向かう)
茶柱「あ、夢野さん」
夢野「転子、調子はどうじゃ?」
茶柱「モノクマボールはこの通り無事です。が、新たに発見することも、他の人から奪うことも出来ませんでした」
夢野「状況は動かずということじゃな」
茶柱「昨夜は他の人の動向を窺おうと歩き回ったのですが……姿がどうにも見つからなくて収穫無しです」
夢野「そうか……」
夢野(ゲーム世界が広すぎるせいだと思うが……やはりこれではモノクマボールを七つ集めるなんて難しいのではないか?)
茶柱「ではモノクマボールをお願いします、夢野さん」
夢野「うむ、しっかり受け取ったぞ」
茶柱「それでですが、転子は今から寝て昼くらいに来ますのでそこで一回交代。今日の夜はまた交代して夢野さんにお願いします」
夢野「今夜はウチか……分かった」
夢野(転子が去って、ウチは一人になる)
夢野「さて、これからどうするか……」
夢野(転子も見つけられなかったという他の生徒の動向も気になるが)
夢野(仮にウチが見つけたところで腕っぷしに自信はない。モノクマボールを奪えるとは思えん)
夢野(なら今日は……モノクマボールがどこかに隠されていないか探してみることにするか)
夢野(まだ七つ全てが見つかっていないかもしれんしな)
<数時間後>
茶柱「夢野さん、お待たせしましたっ!!」
茶柱「ぐっすり寝て、体調万全です!!」
茶柱「頑張りますよ!!」
夢野「……おお、そうか」
茶柱「あれ、疲れていますね」
夢野「昨日とは別の場所にモノクマボールが隠されていないか探していてな」
夢野「じゃがスカはたくさんあるし、やっと本命らしいのを見つけても先に手に入れられたのか中が空じゃったり……」
夢野「そういうわけで無駄骨を折って疲れたというわけじゃ」
茶柱「なるほど」
夢野「モノクマボール頼んだぞ、ウチは休む。また夜にな」
茶柱「はい、お疲れさまでした!!」
<コンピュータールーム>
夢野(館でログアウトして、現実世界に戻ってきた)
夢野「こうして安心できる場所に戻ると眠気が襲ってくるな」
夢野「今夜はウチの番じゃ。少しお昼寝しておくか……」
夢野(ウチは自分の部屋に向かおうとして、ふとコンピュータールーム内を見回す)
夢野「イスに座っている、ゲーム世界にいるのはハルマキ、転子、天海、星、キーボか」
夢野(あの広大な世界に五人か……見つからないのも当然じゃな)
夢野(それで今ゲーム世界にいないのは……ウチと王馬とアンジーと真宮寺と百田か)
夢野(真宮寺と百田は当然として……王馬とアンジーはウチと同じように休憩中なのじゃろう)
夢野「……さて、帰るか」
<四階階段>
夢野「うー……眠い……」
夢野(眠気でふらつきながらも、足を動かすウチ)
夢野(その足が階段に差し掛かったときにそれは起きた)
夢野「んあっ……!?」 ツルッ!!
夢野(しっかり注意をしていたはずなのに足を滑らせる)
夢野(身体が宙に浮いた瞬間、時間がスローモーションのように感じられた)
夢野(一つ下の踊り場まで約3m……とはいえ体勢が……このままでは顔面から……打ち所が悪ければ大怪我……)
夢野(状況を認識するも反応が追いつかない。恐怖するしかない瞬間が過ぎて……衝撃がやってきた)
ゴツン!!
「「いてっ……!!」」
夢野「っ……流石にこれは痛く…………ない?」
「ああもう……何? 何が起きたの!?」
夢野(ウチは転んだはずなのに堅い床ではない何かに受け止められたようで視線を落とすと)
夢野&王馬「「え……?」」
夢野(そこには王馬がおった)
夢野「王馬……どうしてそこにおるんじゃ?」
王馬「それはこっちのセリフだよ、夢野ちゃん。俺はゲームに戻るためコンピュータールームに向かってただけで、そっちから落ちてきたんでしょ?」
夢野「ふむ……」
夢野(とどのつまりただの偶然、巻き込まれただけと。まあウチも怪我しなかったので助かったわけじゃが)
王馬「ていうか、いつまで乗っているの? 重いんだけど」
夢野「んあっ!! レディに重いは禁句じゃぞ!!」
王馬「レディ……? ……え、どこにいるの?」
夢野「ウチじゃ、ウチ!! 立派なレディじゃろうが!!」
王馬「……偶然とはいえ助けたはずなのに、どうして平手打ちを食らっているんだろうね?」
夢野「それはお主がデリカシーがないからじゃろ?」
王馬「宅配ピザっておいしいよね」
夢野「それはデリバリーじゃ」
夢野(ウチと王馬は立ち上がって体勢を整える)
夢野(そして元々の目的方向、ウチは下に、王馬は上に歩きだそうとして)
夢野「……まあ一応礼は言っておく。ありがとな」
王馬「素直じゃないね」
夢野「お主だけには言われたくなかったぞ」
王馬「また転ばないようにちゃんと注意するんだよー」
夢野「分かっとるわい。ったく、ウチは子供か」
夢野(王馬のありがた迷惑な助言を流すが――)
夢野(言われんでもちゃんと注意していたはずなのに……どうして転んだんじゃ?)
夢野「………………」
夢野(少しだけ気になったが……注意が足りなかったのだろうと思い直し、一層の注意を払って自分の部屋に戻るのだった)
一方、王馬は夢野を見送ると、少し階段を上がって夢野が転んだと思われる段に立つ。
そしてその床を手でなぞり――。
王馬「やっぱり……何か変に反射していると思ったらここだけ滑りやすくなっている」
王馬「自然にこんな風になるとは思えないし…………人為的な罠?」
王馬「………………」
王馬「ふーん……なるほどねー……」
<夜>
夢野(階段で転んだ後、ウチは自分の部屋でお昼寝をした)
夢野(ぐっすり寝て元気も回復したウチは、ゲーム世界にログインする前に夕食を取るため食堂に向かう)
<食堂>
天海「はぁ……あれが超高校級の暗殺者の本気っすか」
王馬「そっちは面白そうな体験しているね。こっちなんて地味に盗まれただけだよ」
アンジー「よーし、お料理に挑戦するぞー!!」
夢野「……意外と人がおるな」
夢野(それに今の会話は……ウチが寝ている間にゲームの状況が動いたのか?)
天海「あ、夢野さんっすね」
王馬「ほんとだ、夢野ちゃーん。こっち、こっち!!」
夢野「珍しい組み合わせじゃな」
夢野(裁判ではよく議論を引っ張ってくれる二人じゃが、日常で会話している場面を見るのはあまり無い)
天海「やっぱり気になるっすよね。あれっす、望みを叶えるゲームの敗者組っす」
王馬「そうそう。あ、でもまだ一発逆転のチャンスは狙っているからね!!」
夢野「ふむ、少し会話は聞こえてきたが……詳しく聞いてもいいか?」
天海「じゃ俺からっすかね。単純な話なので」
夢野「超高校級の暗殺者と言っておったな。ハルマキと何かあったのか?」
天海「そうっす。ゲーム世界で探索をしていたところ、偶然春川さんの姿を見かけたと思った次の瞬間には地面に組み伏せられていて……」
天海「『大人しくモノクマボールを渡せ』……と、その言葉に逆らう隙も無く、持っていたモノクマボールを一個奪われたと……そういう次第っす」
夢野「そうか」
夢野(元々暴力で奪うように出来ているゲームじゃが……ハルマキも容赦が無いのう)
王馬「しっかし、ハルマキちゃんも良くやるよね」
夢野「そうじゃな、天海も冒険家だし動ける方じゃろ?」
天海「いえいえ、武術の方はからっきしっす」
王馬「いや、そっちじゃなくて……オレ自身もゲーム世界に潜っているから完璧ではないけど、他の生徒の動向は窺っていて」
王馬「だからたぶんなんだけど、春川ちゃんまだ一度もゲーム世界からログアウトしてないんだよ」
夢野「ログアウトを?」
王馬「そう。ゲームが始まったのは昨日の朝からだから、もう一日半は飲まず食わずでゲーム世界に潜り続けているってことだね」
天海「それは……壮絶っすね。サバイバルでもそこまでするのは稀っすよ」
夢野「………………」
夢野(医学書を読んでいたときも似たような無理はしておったが……睡眠薬で眠った一日で体力が回復したのか、また無理をしているというわけか)
夢野「ログアウトをしないのは、ハルマキは一人で行動しているからどこかにモノクマボールを隠してログアウトをしては盗まれる可能性があるから……ってことじゃよな」
夢野「じゃが、あんな広大なゲーム世界で隠し場所を当てられるなんてことあるのか?」
王馬「そう、そこで俺の話なんだよ。ていうのも、実際にモノクマボールを盗まれたんだよね」
夢野「んあっ!?」
王馬「いや、俺もゲーム世界の仕様には気づいていたから、昨日は徹夜で頑張ったんだけど、流石に朝になってふらふらになってね」
王馬「これは無理だとゲットしていたモノクマボール一個をとある場所に隠して、ちょっと仕掛けも施してからログアウトをして寝たの」
王馬「で、今日の昼転んだ夢野ちゃんに押しつぶされた後、ログインして隠し場所に戻ると……何とモノクマボールが無くなってたってわけ」
夢野「押しつぶしてはないわい……つまり隠し場所を見抜かれて、盗まれたというわけか」
王馬「そうなんだけどね……やっぱりおかしいんだよ」
夢野(含みを持たせる王馬。何かあるのか)
夢野「何がおかしいんじゃ。どうせ尾行でもされていて、隠す瞬間を見られたんじゃろう」
王馬「そうだろうね、あの広いゲーム世界で隠し場所を見破るにはそれが一番考えられる方法だよ」
王馬「でも、それなら仕掛けに引っかかってないのが説明が付かない」
夢野「仕掛け?」
王馬「俺はモノクマボールを埋めて隠したんだけどさ、その付近に探索で見つけたモノクマボールのスカも一緒に隠しておいたんだよね」
夢野「スカ?」
王馬「うん、あれって遠目にはモノクマボールにしか見えないでしょ? だから尾行している人間が遠くから見ても、どこにモノクマボールの本物を隠したのかは分からないはずだった」
夢野「だった……ということは、つまり?」
王馬「ドンピシャでモノクマボールの本物を隠した場所だけ掘り返されて、盗まれていたってこと」
夢野「それは……運良く本物を一発で当てたということではないのか?」
王馬「……ずっと気になっていたんだよね」
王馬「どうして今回モノクマが望みを叶えるためのアイテムをモノクマボールにしたのか」
夢野(王馬はウチの言葉を無視してそんなことを話し出す)
夢野「……? どういうことじゃ」
王馬「望みを叶えるアイテムって色々あるんだよ」
王馬「有名なところで聖なる杯、書き込んだものが現実になるノート、貯金箱に一定量の金貨を集めるとかね」
王馬「それなのにその中からモノクマボールにした理由」
夢野「そんなのモノクマの気まぐれではないのか?」
王馬「そういえば夢野ちゃんってモノクマボールでパクった原作って見たことがある?」
夢野「マンガはあまり読まんが、流石にウチだってあれほど有名な作品なら知っているぞ」
王馬「そう。なら、主人公はどうやって望みを叶えるためのアイテムを集めたか知っているよね?」
夢野「それは……レーダーで居場所を探知して集めて………………」
夢野「え?」
夢野「まさか……今ウチらが巻き込まれているゲームもそういうことなのか?」
天海「ずっと気になっていたっす」
モノクマ『既に望みを叶えるためのアイテムはこの世界に設置している』
天海「モノクマはゲーム世界に『望みを叶えるためのアイテム』を設置したと言ったっす」
天海「モノクマボールを設置したではなくそう言ったのは……他にも何か補助的なアイテムがあるってことじゃないっすか?」
王馬「そういうこと。言うなればモノクマレーダーなる物があって、それをゲットした人が今ゲームを有利に進めているんだろうね」
王馬「オレが仕掛けたスカにひっからなかったのもそれが理由なんだと思う。ていうか大体尾行を許すほどオレも甘くないしね」
夢野「モノクマレーダー……」
夢野(そうか……広すぎるゲーム世界、どうしてもモノクマボールを集められないクソゲーにさせないための対策)
夢野(それがこれというわけか)
夢野(レーダーをゲットした人が有利すぎるバランス破壊アイテムじゃが……そうやってパワーバランスが崩れている方が争いは起きやすい。モノクマの狙いには合っておる)
王馬「と、考えるとゲームの決着もそう遠くないだろうね」
天海「レーダー持ちが順当に七つ集めるか、それを途中で奪う者が現れるかは分からないっすけど、モノクマボールが集まってきているっすからね」
王馬「順当には行かせないよ。横からかっさらう気満々だからね!」
天海「俺もっす。行方不明になった妹を見つけるため……モノクマボールは必ず……!!」
夢野「………………」
夢野(天海の望みはやはり妹の捜索か。心配しているのは聞いたことがあるしな)
夢野(とはいえウチだってコロシアイを終わらせるためじゃ。譲るつもりはない)
夢野(そして……そういえばじゃが)
王馬「……? どうしたの、夢野ちゃん? 俺の顔に何か付いている?」
夢野(王馬の望みは何なんじゃ?)
夢野(イベント事が好きな王馬がゲームに参加するのは違和感が無くて考えてもみなかったが……)
夢野(もしゲームに勝ち残ったら……王馬は何の望みを叶えるつもりなんじゃろうか?)
夢野(もしかしたら――)
アンジー「出来たよー!!」
天海「おや、アンジーさんっすか」
王馬「あ、そういえば料理作ってたんだっけ?」
夢野「……そうか」
夢野(ウチは思考を中断して、その声の方を見ると――)
アンジー「にゃははーちょっと失敗したけど、味に変わりはないのだー!!」
夢野(右手から血をポタポタと垂らしているアンジーがいて――)
夢野「んあああああああっっっっ!?」
夢野「大事件ではないか!! 早く止血をせんと!!」
アンジー「大丈夫だって、神を信じていればこれくらい」
夢野「そういう問題では無かろう!?」
天海「倉庫に救急セットくらいはあったはずっす。取ってくるっすね」
夢野「頼んだ、天海!!」
アンジー「もう大げさだなー」
夢野「大ごとじゃからな。大体、そこまでなるとは料理が下手すぎじゃろう」
アンジー「むー。そんなことないって!!」
夢野「いや、そこまで血を流して何を言っておるんじゃ」
アンジー「でもでもー、これは――」
アンジー「包丁の柄から刃が急に取れたからなんだって!!」
夢野「……言い訳をするでない!! そんなにボロい道具は無かったはずじゃぞ!?」
夢野「お主の扱いが悪かっただけじゃ!!」
アンジー「もうどうして秘密子は信じてくれないの!?」
天海「お待たせしたっす……あれ、二人とも何の話をしてたんすか?」
夢野「天海、早くアンジーを止血するんじゃ!!」
アンジー「ねえ、小吉ならアンジーのこと信じてくれるよね!?」
王馬「………………」
夢野「ん、王馬?」
王馬「え、ああ……そうだと思うよ」
アンジー「ほらね、アンジーの言う通りっ!!」
夢野「いや、今のは明らかに分かっていない発言だったぞ!?」
夢野(ウチは心ここにあらずな王馬をもう一度見ると)
王馬「またか……」
夢野(そう、ポツリとつぶやくのだった)
今日はここまで。また明日。
投下ー。
夢野(アンジーが怪我をしながらも作ってくれた夕食は意外なことにおいしかった)
夢野(ということで気力体力ともに回復出来たウチはコンピュータールームでゲーム世界にログインする)
夢野(夜ということですっかり暗くなった中を歩き、転子との待ち合わせ場所に向かう)
<ゲーム世界>
茶柱「夢野さん!!」
夢野「遅くなったな。何か変わったことはあったか?」
茶柱「そうですね……一度遠くからこっちを窺っていたキーボさんを見かけました」
夢野「キーボを?」
茶柱「はい。それでモノクマボールを持っているなら奪うチャンスだと思い追いかけたのですが、相手もこっちの姿を見つけるや否や逃げ出して……」
夢野「そりゃそうじゃ。キーボでは合気道家の転子には敵わんしな」
茶柱「最初見つけたときに距離があったのと、森の中障害物の多さを活かされて逃げ切られてしまいました」
夢野「そうか……」
夢野「しかし珍しいのう。転子も本気じゃったんだろう? それなのにキーボに逃げられるなんて」
茶柱「あ、それで気になることがあったんですが、どうにもキーボさんは転子の居場所が分かっているみたいに動いて……」
茶柱「先回りしてもその直前で引き返したり、隠れて襲撃しようにも回り道されたりと」
茶柱「ロボットですからレーダーでも付いてるんでしょうか?」
夢野「そんな話は聞いたことがないが……もしかすると……」
茶柱「何か気づいたことがあるんですか?」
夢野「これは王馬と天海が言っていた話しなんじゃが……」
夢野(ウチはモノクマレーダーの存在可能性について話す)
茶柱「モノクマボールの居場所が分かる……」
茶柱「転子は自分のモノクマボールを持ちながらキーボさんを追いかけていました」
茶柱「だからキーボさんに居場所がバレていたということですか!?」
夢野「その可能性は考えられるじゃろう」
夢野「つまり……現在キーボがレーダーを持っているのではないか?」
茶柱「なるほど……」
夢野「もしキーボからレーダーと持っているモノクマボールを奪えれば一気にチャンスが回ってくる」
夢野「どうにかしたいが……」
茶柱「……なら、こういうのはどうでしょうか?」
茶柱「モノクマボールをどこかに隠して遠くから見張るんです」
夢野「隠す?」
茶柱「はい。おそらくキーボさんは昼間の件から警戒しています」
茶柱「レーダーでモノクマボールの位置を確認して、それを遠くから観察する。それで無防備な状態なら奪うと」
夢野「そうか……モノクマボールの居場所が分かっていても、それがどんな状態かは分からない」
夢野「実際転子が持っていると分からなかったから、返り討ちに合いそうになったわけじゃしな」
茶柱「はい、モノクマボールを隠して無防備に見せるのはそのためです」
夢野「なるほど。それでキーボが奪おうとした瞬間、逆にこっちが襲いかかってボールとレーダーを奪うというわけか」
夢野「よし、善は急げじゃ。早速その方法を試してみる。転子はログアウトして休息を取って……」
茶柱「いえ、転子も付き合います」
夢野「んあっ!? じゃが昨日から合わせて、もうかなりの時間ゲーム世界にいるじゃろう!?」
夢野「あまり無理をしては体が……」
茶柱「心配ありがとうございます、夢野さん」
茶柱「ですが、モノクマレーダーの存在でゲームはもうすでにかなり終盤に来ていると思われます」
茶柱「コロシアイを終わらせるため、あと一踏ん張りなんです! 少しくらい無茶はしますよ!!」
夢野「ううむ……」
茶柱「それに夢野さんだけでは罠にかかったキーボさんを追いつめることが出来ないでしょう? 転子の力が必要です」
夢野「それもそうじゃが……ああもう分かった。なら、頼むぞ転子!!」
茶柱「はいっ!!」
夢野(それからウチらは策を開始した)
夢野(モノクマボールを埋めて隠し、それを距離を取って見張れる場所に陣取る)
夢野(かなり離れて肉眼では確認できないくらいじゃが、転子が持ってきた双眼鏡を使って隠したポイントを見張り始めた)
夢野「それにしてもここまで離れる必要があったのか?」
茶柱「さっきも言った通り、キーボさんだって罠には警戒しているはずです。モノクマボールの周囲に誰か隠れていないかはおそらく確認してから行くでしょう」
茶柱「ですからこれだけ距離を取ったんです」
夢野「ふむ、そうか……まあ転子が用意してくれた双眼鏡のおかげで見張れるからいいがな」
夢野「しかし、こんな双眼鏡どこにあったんじゃ?」
茶柱「教会です。モノクマがこのコロシアイシミュレーターには武器も用意してあるって言ってましたよね」
茶柱「その武器が用意されているのが教会で、その中に双眼鏡もあったってわけです」
夢野「そうか……教会には一度も入っていないから知らんかったぞ」
夢野「………………」
茶柱「………………」
夢野(ウチらは見張りを続けるが……正直暇じゃな)
夢野(キーボがいつ来るか分からないし、それまでかなり待つ必要がありそうじゃ)
夢野(あまり忍耐強い方ではないウチは、双眼鏡を覗きながら口を開く)
夢野「転子、ちょっと状況確認をしてもいいか?」
茶柱「状況確認ですか?」
夢野「うむ、この望みを叶えるゲームが今どうなっているのか、ウチが意見を言ってみるから、そっちも意見を返して欲しい」
茶柱「そうですね……まあこの距離ですし、キーボさんに会話が聞かれることもないでしょう。分かりました」
夢野「望みを叶えるゲームに参加しているのは八人じゃ」
夢野「ウチ、転子、ハルマキ、王馬、天海、星、アンジー、キーボじゃな。百田は体調不良で、真宮寺は監視されているから参加しておらん」
夢野「肝心のアイテム、モノクマボールの行方じゃが現在ウチと転子が罠に使っておるが一個持っておる」
夢野「そしてさっき食堂で聞いたんじゃが、天海と王馬はそれぞれ一つモノクマボールを持っていたが奪われたようじゃ」
茶柱「そうでしたか……誰が奪ったか情報はありますか?」
夢野「天海はハルマキに、王馬はレーダー持ち、つまりキーボに奪われたと言っておった」
茶柱「そうですか」
茶柱「まとめると転子と夢野さんで一個、春川さんが一個以上、キーボさんが一個以上、王馬さんと天海さんが新たにゲットしていないなら0個、星さんアンジーさんが不明……とこんなところですね」
夢野「ああ。そしてキーボがレーダーを持ってボールの位置が分かるということは、まだ誰にもゲットされていないモノクマボールは存在しないじゃろう」
夢野「七つとも誰かしらの手にあるはずじゃ」
茶柱「もう奪い合うしかない段階に来ているということですね」
夢野「奪うしかない以上、力のある生徒が有利じゃ」
夢野「生き残っている中では暗殺者のハルマキ、テニス選手の星、合気道家の転子が群を抜いているのではないか?」
茶柱「そうですね、王馬さんも未知数でしたが、モノクマボールを奪われているのが厳しいでしょうね」
茶柱「その三人が有力……とはいえそこにレーダーを持っているキーボさんの存在も絡んできますので一筋縄では行かないでしょう」
夢野「このゲーム世界は食事トイレなどの点からずっとログインしていられない仕様じゃ」
夢野「耐えられなくなって、モノクマボールを隠してログアウトすれば、レーダーでそれを察知したキーボにボールを盗まれる」
夢野「ウチら以外に組んでいる生徒はおらんじゃろうし、ここからは他の生徒はログアウト出来ずにサバイバルとなりそうじゃな」
茶柱「二人組んでいるのがここまで利点になるとは思いませんでしたね」
夢野「つまりウチら、ハルマキ、星、キーボが有利で天海、王馬、アンジーは不利ということに………………」
夢野「アンジー……?」
茶柱「どうかしましたか?」
夢野「監視の方じゃ。仕掛けのポイント付近にアンジーがおる」
茶柱「え、どこですか?」
夢野「少し右の方じゃ」
茶柱「右……あ、いましたっ!」
アンジー「………………」
夢野(双眼鏡に映るアンジーの姿)
夢野(これは……)
茶柱「偶然ですかね? まあ、転子たちの目標はキーボさんなのでスルーしましょう」
茶柱「一番厄介なのはモノクマレーダーです」
夢野「…………」
夢野(何かを見落としている……)
夢野(そうじゃ、そもそもキーボは夜となった今も動いているのか?)
夢野(昼間転子に追い回されて疲れているはずじゃ)
夢野(ログアウトのリスクも、レーダーを持っている側のキーボならほぼノーリスク)
夢野(どこかにモノクマボールとレーダーを隠してログアウトしているかもしれん)
夢野(いや、もしくは――)
夢野「ウチらのように、組んでいる誰かにレーダーとボールを渡して……役目を変わっている?」
茶柱「……え?」
夢野「……っ、しまった!! そうじゃ、この広いゲーム世界でそう偶然など起こるわけが無い!!」
茶柱「ど、どうしたんですか夢野さん!?」
夢野「失念しておった!! キーボとアンジーは組んでおる!! 現在レーダーを持っているのはアンジーじゃ!!」
夢野(ウチの疑念を証明するように、双眼鏡に映るアンジーは真っ直ぐにモノクマボールを埋めておいた地点に辿り着いてその地面を掘り返す)
夢野(そして――)
アンジー「モノクマボールゲットー!! 神ってるー!!」
夢野「っ、待つんじゃ、アンジー!」
茶柱「夢野さんの言う通りでしたか……!!」
アンジー「あれま、秘密子に転子? んー……もしかして、これって罠?」
アンジー「にゃははー、でも目的は果たしたのだー!! ばいならー!!」
夢野(アンジーはウチらの姿に気づくとすぐに逃げ出す)
夢野(距離を取っていたのが災いして、その場で捕まえることはあたわなかったが……)
茶柱「追いかけましょう!! ボールを取られたのは痛いですが、逆に言えばアンジーさんがレーダーを使ってもこっちの位置が分かりません!!」
茶柱「それにこちらは二人います!!」
夢野「そうじゃな……行くぞっ!!」
茶柱「挟み撃ちにしましょう! 夢野さんは右から、転子は左から行きます!」
夢野「分かった!!」
夢野(森の中に入り姿を隠したアンジーを、ウチらは二手に分かれて追う)
夢野(ウチはともかく、こちらには転子がおる。スタミナ、そして走る速度ともにこっちが上じゃろう)
夢野(じゃからすぐに捕まえられると踏んでおったが……)
夢野「っ、転子か! どうじゃ、そっちは!」
茶柱「こちらには来ませんでした! 夢野さんの方は?」
夢野「こっちにも来ておらんぞ」
茶柱「……そうですか。つまり……」
夢野「見失ったか……」
夢野(有利なはずなのに逃してしまう)
夢野「じゃが、まだこの付近におるはずじゃ。探してみるぞ」
茶柱「そうですね。範囲を広げるために二手に別れましょう」
夢野「じゃな。何かあったらいつもの待ち合わせ場所に集合じゃ」
茶柱「分かりました!!」
夢野(そこから夜を徹した捜索が始まった)
夢野(しかし、一度姿を見失ったのは痛く、それらしい痕跡を見つけて追ってもアンジーを見つけることが叶わない)
夢野(結局歩き回ってヘトヘトになるばかりで数時間が経過)
夢野(朝を迎えてしまった)
<朝>
夢野「ううっ……朝日が眩しい……」
夢野「これ以上探しても厳しいか……仕方がない、切り上げて待ち合わせ場所に向かうか」
夢野(フラフラになりながら、待ち合わせ場所に向かう)
夢野(そこで待っておると転子もやってきた)
夢野「おお、転子か……どうじゃ成果は?」
茶柱「夢野さん……察してください。その様子ですと夢野さんも……」
夢野「ああ、そういうことじゃ」
夢野(どうやらどちらもアンジーを捕まえることは叶わなかったようだ)
夢野(罠に使ったモノクマボールという餌だけを取られて逃げられる……最悪の展開じゃ)
茶柱「……とりあえず、ログアウトして寝ましょうか」
茶柱「不幸中の幸いというか、モノクマボールもないので、二人ともログアウトして大丈夫ですし」
夢野「そうじゃな……寝た後でこれからのことを考えるか」
夢野(疲労で思考が働かないのは転子も一緒のようじゃ)
夢野(ウチらはログアウトのために館に向かって……)
<ゲーム世界・館前>
夢野「……そういえば双眼鏡もこの世界のアイテムじゃから、ログアウトで持ち越せないのではないか?」
茶柱「たぶんそうでしょうね。まあいいんじゃないですか。ボールと違って盗まれてもいいですし、館のどこかに置いておけば」
夢野「うーん……いや、ちゃんと元あった場所に戻さないとな」
夢野「双眼鏡があったのは教会じゃったな。ちょっと行ってくる」
茶柱「そうですか……では、転子の分もお願いできますか?」
夢野「分かった」
夢野(転子から受け取った双眼鏡二つを持ってウチは教会に向かった)
<ゲーム世界・教会>
夢野(ウチは教会の前に立って扉を開ける)
パシュッ!!
夢野「教会……か。……ん、何か今変な音が……?」
夢野「…………気のせいか」
夢野(ウチは気を取り直して教会の内部を見回す)
夢野(一周目ではごちゃごちゃに散れていて、その中にモノクマが隠した世界の秘密が無いかウチらは探した)
夢野(この二周目でも散れておるが、それが色んな武器であることが大きな違いであろう)
夢野「ん、ここか」
夢野(その中から双眼鏡がまとめてあるところを見つけて返す)
夢野(そして用を終えたウチは、ふと教会正面を見上げて――)
超高校級の美術部、夜長アンジー。
彼女が血塗れで磔にされている姿を見つけた。
夢野「……………………………………………………………………………………んあ?」
夢野「…………」
夢野「…………」
夢野「…………」
夢野(目の前の光景が受け入れられない)
夢野(一体、何が起きているというのか?)
夢野(自分が狂ってしまったかのような感覚)
夢野(じゃが、どれだけ自分の頭を疑っても目の前の現実は変わらない――)
夢野(昨夜ウチらの手から逃れてモノクマボールを奪っていったアンジーが、物言わぬ躯に成り果てている現実は変わらない)
夢野「………………」
夢野(呆然とアンジーの死体を見上げていて気づく)
夢野(そのポケットや服にモノクマボールを隠していそうな痕跡が無いことを)
夢野(つまりモノクマボールを奪うために殺されたのか?)
夢野(それともモノクマボールを集めて望みを叶えたのに殺されたのか?)
夢野(分からないが……ウチには直感するものがあった)
夢野(望みを叶えるためのゲームは終わり――コロシアイゲームの幕が再度開いたということを)
C H A P T E R 4
生 か せ 望 み の み か 神 の み ぞ の 世 界
非 日 常 編
今日はここまで。
いいところですが書き溜めがヤバいため続きはちょっと間が空きます。
ご了承ください。
お待たせしました。非日常パート投下します。
夢野(アンジーの死体を発見したことでフリーズしていたウチじゃがどうにか立ち直る)
夢野(そして今すべきことを考えて、とりあえずみんなにこのことを知らせるべきだと判断した)
夢野「転子! ……よかった、まだおったか」
茶柱「どうしましたか夢野さん? そんなにあわてて」
夢野(急いで館に向かうと、転子はまだログアウトしないでサロンに残っていた)
夢野「死体じゃ、アンジーの死体が見つかった!!」
茶柱「……え? アンジーさんの…………死体……?」
茶柱「ほ、本当ですかっ!?」
夢野「場所は教会じゃ! ウチはみんなを呼んでくる!」
茶柱「分かりました! 転子も手伝います!!」
夢野(そしてウチらはゲーム世界中を駆け回って、アンジーの死体が発見されたから集まるように呼びかけた)
夢野(望みを叶えるゲームが行われていたため、ウチの言葉を何かの罠かもしれないと思う人もおったが、ウチの必死な様子から嘘ではないと分かってくれたようじゃ)
夢野(一通り回ったところで教会に戻ると生徒が七人集まっておった)
王馬「本当にアンジーちゃんの死体だね。夢野ちゃんの嘘かと思ったけど」
茶柱「あなたじゃないんですから、夢野さんが嘘をつくはずがありません!!」
星「望みに釣られて、コロシアイをしてしまった生徒が出たってことか?」
天海「だとしたら……何とも愚かなことっすね」
キーボ「アンジーさん……」
春川「………………」
夢野「またコロシアイが起きてしまったのか……」
夢野(こうなる前にモノクマボールを集めてコロシアイを終わらせたかったのじゃが……)
夢野(自分の力不足が悔やまれる)
夢野(……じゃが後悔ばかりはしておられん)
夢野(この後の捜査を通じて、学級裁判でクロを暴かなければ……)
と、夢野は思考を切り替えてモノクマの登場を待つが……。
シーン……。
夢野「……?」
夢野「どういうことじゃ、モノクマが出て来ないぞ」
茶柱「もしかして……死体発見アナウンスが流れていないのが関係するんでしょうか?」
夢野「そういえばそうじゃな。いつもはアナウンスが流れてみんな集まるのに、今回はウチらが呼びかけて集まったから忘れておったわい」
星「アナウンスの条件はクロ以外の三人だったか。もうこれだけの人数が見ているし、条件は満たしているはずだよな?」
夢野「うーん……どうしてじゃ?」
王馬「もしかして夢野ちゃんの早とちりで実際はアンジーちゃん死んでいないとか!?」
夢野「んあっ!?」
王馬「全く人騒がせだなあ。勝手に死人扱いされたアンジーちゃんにも謝ってよ!!」
夢野「じゃ、じゃがあれだけ血を流して酷い様子なんじゃぞ!?」
夢野(確かにウチは死体に近づいて呼吸や脈の確認までは行っておらん)
夢野(見た目からしてとても生きているとは思えなくて死体じゃと思ったが……)
夢野(まさかあれで生きておるのか!?)
夢野(いや、それならそれで嬉しいことじゃが――――)
天海「いや、アンジーさんの死体発見アナウンスが流れていないのは他の理由っす」
夢野「んあ?」
茶柱「他の理由?」
王馬「えー、本当は生きているからじゃないの?」
天海「王馬君。本当は分かっていて言っているんじゃないっすか?」
王馬「分かって? 何が?」
夢野「天海……ウチにも分かるように説明してくれんか?」
天海「いいっすよ、というより簡単な話っす」
天海「あそこに磔されているのは、アンジーさんの死体ではなくて――アンジーさんのアバターの残骸ってことっす」
夢野「アバターの残骸………………」
夢野「そうか! ここはゲーム世界じゃったな!!」
茶柱「あ、そうでした……あまりにも現実に近いので忘れてましたが……」
王馬「そうだね」
王馬「まあゲーム世界と現実世界の身体はリンクしているから現実世界でもアンジーちゃんは死んでいると思うよ」
王馬「それでもアナウンスが流れるためには、現実世界の死体を見る必要があるってことなんだろうね」
天海「やっぱり分かってたじゃないっすか」
夢野「こうしてはおられん!! 現実世界に戻ってアンジーの死体を見て――」
星「ちょっと待て。これをうまく活かせないか?」
夢野「……活かす?」
星「ああ。こうやってアンジーは殺されたが、その死体は発見されていない」
星「コロシアイ学園生活のルールでは、死体が発見されて捜査時間を取った後、学級裁判でクロかシロがおしおきだ」
星「だから……このまま死体を発見しなければ、捜査時間に移らず、学級裁判も開かれないはずだ」
夢野「学級裁判が開かれない……」
茶柱「そうなると……クロをおしおき出来ない代わりに、クロを間違ってシロがおしおきされる危険も犯さなくてすみます」
星「それに裁判は開かれていないから、新たな動機も発表されない」
夢野「…………」
夢野(アンジーを殺したクロは許せない)
夢野(じゃが……思い起こされるのはこの前の裁判)
夢野(ウチは最原が自殺だと思われたときに、これ以上誰も死なないと喜んだ)
夢野(そうじゃ、裁判が行われればクロの自殺でない限り必ず殺される者が出る)
夢野(ウチはクロだとしても……仲間が殺される姿はもう見たくない)
夢野(それに今回のクロが自分の意志でもってアンジーを殺したならともかく)
夢野(前回の赤松の正当防衛のように、半ば被害者のようなクロの可能性だってある)
夢野(そうだとしたら裁判を開かせて死を持って罪を償わせるようなことをさせんでもいいのではないか?)
キーボ「だったらアンジーさんはみんなに弔われなくてもいいってことですか?」
夢野「キーボ……」
キーボ「星クンの言い分は理解出来ます」
キーボ「出来ますが……それはアンジーさんの死体をアナウンスが鳴らない二人までしか見ることが出来ないということです」
キーボ「そんなの……悲しいじゃないですか」
夢野(この二周目では生徒会が結成されないでキーボとアンジー二人で行動していた分、ずいぶんと絆を結んでいたようじゃな)
夢野(そのせいでキーボはこんなにも悲しんでいると)
王馬「はいはい、湿っぽい話はそこまで」
王馬「星ちゃんの提案はいい意見だけど、それは成立しないと思うよ」
星「成立しない?」
夢野「どうしてじゃ」
王馬「裁判が開かれない状態をモノクマが許すわけがないからだよ」
王馬「あいつはオレたちにコロシアイをさせようとしているんだからね」
王馬「もし星ちゃんの提案通りにしたとしても『死体を見なさい、でないとおしおきします』って放送すれば済むことだよ」
夢野「そのような手段があったか」
星「……その通りだな。すまん、余計な時間を取らせた」
天海「でも……この状況がチャンスであることには変わらないっす」
茶柱「チャンスですか?」
天海「そうっす。王馬君の言うとおり、モノクマが死体を発見されていない状況を許すとは思えないっす」
天海「だから発見はしないといけないとして……その発見する人間を事前に絞ってみたらどうっすかね?」
夢野「絞る……どうしてそんなことを?」
星「そうか、さっきも言ったがアナウンスが鳴るためにはクロ以外の三人が死体を発見する必要がある」
星「逆に言えば、三人発見してもアナウンスが鳴らなければその三人の中にクロがいるってことになる」
夢野「なるほど。前回の裁判のウチと赤松と真宮寺みたいなものか」
夢野(最原の死体をその三人が見たのにアナウンスが鳴らなかったことから、三人の中にクロがいるという推理になった)
天海「そういうことっす。クロかもしれない三人に見てもらってアナウンスが鳴らなければその中に実際にクロがいる」
天海「もしアナウンスが鳴ったとしても、その三人はクロではないということで推理の材料になるっす」
茶柱「いいことばかりじゃないですか!」
夢野「じゃな。やってみるとするか」
星「問題はどの三人にするかだが……」
夢野「クロかもしれない三人を選ぶんじゃよな?」
夢野「まだ捜査もしていないのに何を基準にすれば……」
天海「一人目は真宮寺君っすね」
茶柱「真宮寺さん…………なるほど、そうですね」
夢野「そうか。真宮寺はウチと転子とアンジーを殺すことを公言していて……実際にアンジーが死んだわけじゃしな」
天海「三人全員殺すという目的上、アンジーさんだけを殺して裁判を開かせてはマズいはずっすが……」
夢野「それを差し引いたとしても怪しいのには変わりないな」
星「なら、一人目は真宮寺か」
茶柱「……って、今さらですけど、真宮寺さんここにいませんね」
夢野「百田もじゃな。二人ともゲーム世界には入っていないからじゃろう」
天海「そうっすね、自室で監視してるはずっすから、そこから連れてきてアンジーさんの死体をみせるということで」
天海「二人目は……そうっすね、死体の第一発見者とかどうっすか?」
夢野「そうじゃな、第一発見者が怪しいとはよく言うしな」
夢野「えっと、今回のアンジーの死体の第一発見者は……」
茶柱「夢野さんですよ」
夢野「んあっ、ウチが疑われておるのか!?」
星「自分で言ってたじゃねえか」
夢野「ウチはクロではないぞ!! 信じてくれんか!!」
茶柱「もちろん信じます!!」
天海「まあまあ、クロと決まったわけはないっす」
天海「もしアナウンスが鳴ればシロっすから」
天海「それを確かめるためにも夢野さんは二人目ということで」
夢野「そういうことなら…………分かったぞ」
天海「三人目は……うーん、どうするっすかね?」
星「そうだな、まだ捜査もしていないし、普段の様子から選ぶしかないが」
茶柱「とにかく怪しくて、殺人をしていそうな人ですよね」
夢野「じゃな。正直何を考えているのか分からないような人物……」
王馬「そんなのどこにいるんだろうね?」
夢野「…………」 ジー
天海「…………」 シー゙
星「…………」 ジー
茶柱「…………」 ジー
王馬「え、どうしたの? みんなしてオレの方を見て?」
夢野「三人目決定じゃな」
天海「そうっすね」
王馬「え? それってオレがクロっぽいってこと? 酷くない?」
星「よし、じゃあモノクマに邪魔されない内に進めるか」
夢野「ウチと王馬がログアウトして、真宮寺を連れてアンジーの死体を見ればいいということじゃよな」
天海「ご武運祈ってるっす」
茶柱「転子も待ってます!!」
夢野「よし。では行くぞ、王馬!」
王馬「はいはい」
夢野「はいは一回で結構じゃ。……というか、乗り気でないな。そんなに自分が三人目に選ばれたのが嫌なのか?」
王馬「いや、それは正直普段のオレの行動からして納得してるけど」
夢野「けど……?」
王馬「うーん……夢野ちゃんならともかく、天海ちゃんまで気づいていないなんて。まあしょうがないのかな……?」
夢野「何がウチならともかくじゃ。失礼じゃぞ」
夢野(しかし、王馬ならこういう策は面白がりそうなのに……何が気になっておるんじゃろうか?)
夢野(ウチと王馬は館に向かい、サロンの電話から名前を言ってログアウトする)
夢野(そして現実世界に戻ったウチは、座っているようにしか見えないアンジーの姿が気になりながらも、コンピュータールームを出て寄宿舎に向かう)
夢野(目的地の真宮寺の部屋前には、監視の百田が立っておった)
<真宮寺の部屋前>
百田「夢野に王馬か。どうしたんだ?」
夢野「百田か……体調は大丈夫なのか?」
百田「おうっ。しっかり寝たおかげでこの通りな! 宇宙に轟く百田解斗。復活だぜ!!」
百田「真宮寺の監視は順調だぞ!!」
夢野「……そうか」
夢野(百田は調子が戻った様子を見せている)
夢野(病気だったはずなのに……どうしてじゃ?)
夢野(考えられる可能性は……二つ)
夢野(無理をして空元気しているのか)
夢野(それとも……先ほどの話し合い中もずっと黙っていたハルマキ)
夢野(気にはなっておったが……もしかしてあやつが望みを叶えて…………)
王馬「あ、それで百田ちゃん。オレたちその部屋の中に用事があるんだけど入っていい?」
百田「中……って真宮寺か?」
王馬「うん」
百田「真宮寺に用事って……一体何があったんだよ」
王馬「それは後で説明するから、今は黙って通してくれる?」
夢野「すまん、百田。今は急いでおるんじゃ」
夢野(もしかしたらモノクマの邪魔が入るかもしれない。今は一刻も早く、ウチら三人がクロでないか確かめなければ)
百田「王馬だけじゃなく、夢野までもか。……分かった、入ってくれ」
夢野(そうしてウチらは真宮寺の部屋に入った)
<真宮寺の部屋>
真宮寺「……ふーん、珍しい顔ぶれだネ。何があったのかナ?」
夢野(部屋に入ると真宮寺はベッドの上で縛られたまま、ウチらの訪問に興味を持っているようじゃった)
夢野「お主に説明することはない。黙って付いてくるんじゃ」
真宮寺「付いてこい……ってこの縛られたままかい? 正直歩きにくいんだけど」
王馬「文句はいいから、さっさと付いてきてねー」
真宮寺「くくっ……全く酷い扱いだネ」
<コンピュータールーム前>
夢野(真宮寺を連れて校舎に戻り、四階まで上がってコンピュータールームの前に立つ)
夢野(その過程だけで真宮寺はヘトヘトになっていた)
真宮寺「腕と足を縛られている人にやらせる行動じゃないって……」
夢野「で、これからどうするんじゃ王馬?」
夢野(愚痴をこぼす真宮寺は無視する)
王馬「オレと夢野ちゃんの二人で死体を見てから、最後に真宮寺ちゃんに見せるってことでいいんじゃない?」
夢野「ウチらから……?」
王馬「そう。死体発見アナウンスが鳴るための一人目、二人目は厳密に言うと完全なシロではないからね」
夢野「えっと……クロでも、共犯者のシロが先に見ている可能性があるからというわけか」
王馬「そうだね。まあ共犯者なんてこのコロシアイ学園生活のルール的に普通は存在しないんだけど、念には念を入れてね」
王馬「三人目に発見してアナウンスが鳴った場合は完全にシロってことになるから、一番怪しい真宮寺ちゃんはそれでどうなるか見極めるってことで」
夢野「分かったぞ」
夢野(ウチらは真宮寺をコンピュータールームの前に放置して中に入る)
夢野(アンジーの席の前まで行って……その頭部に付けている装置を外した)
夢野「アンジー……」
夢野(その姿は……まるで生きているかのようだった)
夢野(表情は穏やかで)
夢野(右手に包帯を巻いている以外には傷は無く)
夢野(自然な状態でイスに座っている姿は……まるで今にも立ち上がりそうじゃった)
夢野(じゃが……)
王馬「呼吸、脈拍ともに無し……」
王馬「あんまり死体には詳しくないけど……そんなオレでも死んでいるってことは分かるね」
夢野「……そうか」
王馬「死因は……何だろう? ゲーム世界で死んだショック死ってところなのかな?」
王馬「右手の包帯は……ああ、そっか。昨夜の料理で失敗したときのか」
夢野「……そんなこともあったな」
夢野(ウチも思い返す)
夢野(ほんの数時間前はあんなに元気に料理をして、ウチとも言い争ったのに……)
夢野(どうしてこんなことになったのか?)
王馬「さて、ここからが本番だね」
王馬「こうしてオレと夢野ちゃんの二人が死体を確認した」
王馬「アナウンスが鳴るために必要なのは後一人」
夢野「真宮寺が見てアナウンスが鳴らなければ……ウチら三人の中の誰かがクロというわけか」
夢野(自分のことは自分が一番分かっておる)
夢野(ウチはアンジーを殺していない)
夢野(アナウンスが鳴らなかった場合は、王馬か真宮寺がクロじゃろう)
夢野(そして、あのときはノリで王馬が怪しいと三人目に賛成したが)
夢野(実際にアナウンスが鳴らなかったとしたら……正直真宮寺がクロだとしか思えんな)
夢野(ウチと王馬はコンピュータールームの入り口まで戻った)
真宮寺「くくっ、僕なりにさっきの言葉の意味を考えてたんだけどさ」
真宮寺「君たちは死体発見アナウンスの条件を使って、僕がクロであるかを確認しようとしているってことかナ?」
夢野「その通りじゃ」
真宮寺「……でも、それっておかしいよネ? こうやって縛って、二十四時間監視しているのに、僕が誰かを殺せるわけ無いじゃないカ」
真宮寺「今からでも遅くないんだヨ。他の怪しい人をクロじゃないか判別した方がいいんじゃないかナ?」
夢野「今さらになって焦っても遅いぞ。大体、お主以上に怪しい人などいるわけが無いじゃろう」
真宮寺「うーん、そうかナ?」
夢野「何にしろ……着いたぞ。これで全てが分かる」
夢野(話しながらアンジーの死体の前にウチらはたどり着く)
夢野(そして真宮寺がアンジーの死体を目にして――――――)
『死体が発見されました。オマエラ死体発見現場の校舎四階コンピュータールームに集まってください』
夢野「アナウンスが……鳴ったじゃと……っ!?」
夢野(タイミングは真宮寺が死体を見た瞬間。つまり真宮寺は完全にシロということじゃ)
夢野「どうして……真宮寺がアンジーを殺したのではなかったのか?」
夢野「なら……一体誰がアンジーを……」
夢野(アナウンスが鳴ったということは、同時にウチと王馬もクロである可能性は限りなく低いということでもある)
夢野(となればアンジーの自殺も含めて、容疑は七人に絞られる)
夢野(ハルマキ、天海、星、転子、百田、キーボ、アンジー……)
真宮寺「なるほど死体はアンジーさんだったか」
真宮寺「アナウンスも鳴ったし……くくっ、僕がアンジーさんを殺してないって分かって動揺しているみたいだネ」
夢野「一体……誰がアンジーを……」
真宮寺「あら、考え事かナ。でも安心してヨ」
真宮寺「僕はアンジーさんを殺していないけど――――――」
真宮寺「夢野さん、君を殺すからサ」
そして一気に拘束を解いた真宮寺は。
隠し持っていたナイフを振り上げて。
夢野「………………んあ?」
理解の追いついていない夢野に対して振り下ろし――――。
王馬「全く、油断も隙も無い……ねっ!!」
その寸前でナイフの持ち手を王馬が弾いた。
夢野「……え? ………………え?」
一瞬の攻防に思考が追いつかない夢野。
落としたナイフを王馬に奪われた真宮寺はいったん距離を取る。
真宮寺「……くくっ、バレてたか。ちゃんと拘束されたフリをして苦しい思いで四階まで上がってきたんだけどなァ」
王馬「いやいや、オレにそんな嘘が通じると思っているの?」
真宮寺「それもそうか」
夢野「な、何が起きているんじゃ……?」
夢野(どうして真宮寺の拘束が解けている? どうしてこのタイミングで真宮寺がウチを殺そうとした?)
王馬「アナウンスが鳴った時点で今回の裁判はアンジーちゃんを殺したクロを裁くことに確定した」
王馬「そうなれば校則『別の犯人による別の殺人が起きた場合先に死体発見された方のクロのみが投票対象となります』により、今から発見される死体のクロはおしおきされない」
王馬「だから真宮寺ちゃんはターゲットを、夢野ちゃんを殺そうとしたってわけだよ」
夢野「あ……そうか」
夢野(真宮寺対策会議でウチは言っていたではないか)
夢野(真宮寺は先に死体を発見させることで、おしおき逃れの殺しをする可能性があると)
夢野(アナウンスから誰がクロなのか探ることに夢中で、そんなことも忘れていたとは……)
真宮寺「まあ、そういうことだヨ」
真宮寺「だからさ、夢野さん……大人しく姉さんの友達になってくれないかナ?」
夢野「誰がなるかっ!!」
夢野(恐ろしいやつじゃな)
夢野「にしても王馬、助かったぞ」
王馬「そう? なら感謝しなよ、この偉大なる王馬様にね!!」
夢野「ありがとな」
王馬「………………」
夢野「ん、王馬?」
王馬「やけに素直だね。面白くないなあ」
夢野「何じゃ、ウチが素直になったらいけんのか!?」
王馬「とにかく、安心するにはまだ早いよ」
夢野「え?」
夢野(王馬は話しながらも、真宮寺の動きを警戒している)
真宮寺「不意打ちは防がれちゃったか」
真宮寺「性に合わないけど……こうなったら強引に殺らせてもらうヨ」
夢野(真宮寺は新たにナイフを取り出して構える)
夢野「そうか……まだ終わっていない。真宮寺がウチを殺すことを諦めてないというわけか」
夢野(真宮寺にとっておしおき無しでウチを殺す絶好のチャンスじゃ。逃す気はないということじゃろう)
王馬「どうしても夢野ちゃんを殺したいみたいだね?」
真宮寺「そうだヨ。姉さんの友達にふさわしい人だからネ」
王馬「言っておくけど……真宮寺ちゃん、分かっているんだよね?」
王馬「自分が殺されても文句は言えないってことに」
真宮寺「もちろんだヨ」
夢野(真宮寺を……そうか)
夢野(アンジーの裁判が確定しているこの状況を活かして真宮寺はウチを殺そうとしているが)
夢野(それはウチだけではない、全員に当てはまるものじゃ)
夢野(仮にここで王馬が真宮寺を殺したとしても、王馬がおしおきされることはない)
夢野(荒っぽいことは否定できんが……コロシアイを脅かす真宮寺を退場させるチャンスとも言える)
夢野「…………」
王馬「…………」
真宮寺「…………」
言葉は尽き、互いに互いを見据える。
そんな一触即発の状況の中――――。
モノクマ「ああもうっ、いつまでやってるの!?」
雰囲気をぶち壊すように、モノクマが現れた。
夢野「そういえば死体発見アナウンスが流れたから……」
モノクマ「そうだよ、だからやっと学級裁判の時間がやってきたと思ったのに……いつまでやってるの、そこの二人は!?」
モノクマ「そういう野蛮なのはもう終わり! 今からは学級裁判、知的なエンターテイメントなの! 構成を考えてよね!」
モノクマ「分かった!?」
王馬「………………」
真宮寺「………………」
モノクマ「聞いてないっ!?」
夢野(モノクマの言葉を無視してにらみ合う二人)
モノクマ「ああもう、そっちがその気なら……こっちにも考えがあるんだからね」
モノクマ「宣言します! これより学級裁判が終わるまで、一切の殺人行為を禁止するよ!!」
夢野「殺人行為の禁止?」
モノクマ「そっちが追加させた校則でしょ?」
夢野「校則……ああそうか」
夢野「『死体が発見された場合学園長の都合により、裁判が終わるまでそれ以上の殺人行為を禁止することがあります。その際学園側が直接介入することもあります』のことじゃな」
夢野(王馬が真宮寺の三人殺しを防ぐために追加させた校則)
夢野(特徴的なのは、校則を破ってでも殺そうとする人間のために、エグイサルを使って物理的に阻止するってところじゃったな)
夢野「まだ一人しか死んでいないのに宣言するんじゃな。元々はクロが三人殺して校則で処刑されると、学級裁判も無く人が減りすぎるのを防ぐためではなかったのか?」
モノクマ「そうだったけど、このままこの場を収めたとしても、お互いの命を狙ったまま捜査時間、学級裁判ってなりそうだったからね」
モノクマ「命を狙いながらの捜査、裁判なんてゾッとするよ」
夢野「考えてみればそうじゃな」
王馬「……あーあ、こんなつもりで追加させた校則じゃないんだけどなー」
王馬「エグイサルまで出てくるってなると無理か。諦めてクロを見つけるしかないね」
真宮寺「くくっ……残念だよ」
夢野(モノクマの宣言により、二人も武器を下ろした)
今日はここまで。
捜査パートにつきましては申し訳ないですが後日になります。ご了承ください。
連絡はTwitter上で行っています。
捜査パートを投下します。いつもより長いので時間のある時にごゆるりとお読みください。
夢野(モノクマの殺人行為禁止宣言により、王馬と真宮寺は武器を下ろした)
夢野(死体発見アナウンスはゲーム世界にも流れたようでゲーム世界からログアウトしてきたみんなと真宮寺の部屋の前に置いてきた百田もコンピュータールームに集まる)
夢野(そうして生き残っている生徒全員が集まった前でモノクマは上機嫌に語り出した)
モノクマ「うぷぷっ、今回もようやくこの時が来たね!!」
モノタロウ「オイラたちが調整頑張ったかいがあって良かったよ」
モノスケ「あれは地獄の作業だったで……」
モノキッド「思い出すだけで頭痛が……」
モノファニー「私なんて思い出すだけで……デロデロデロデロ」
モノダム「オイラモ……頭ガ……」
モノクマ「よし、それじゃあ早速――」
天海「その前にちょっと聞いてもいいっすか?」
モノクマ「ああうん、いいよいいよ。何かな、天海クン?」
夢野(上機嫌のモノクマは自分の言葉を遮られても気にしていない)
天海「捜査と裁判も重要っすけど……望みを叶えるゲームの結果ってどうなったんすかね?」
夢野「っ、そういえば……」
夢野(ウチらからボールを奪っていったはずのアンジーがボールを持っていそうに無かったが…………)
モノクマ「それなら昨夜の内にモノクマボール七つ集めた人が出たから、その人に一つだけ何でも望みを叶える『権利』を与えたよ」
夢野「……やはり集めた者がいるのか」
天海「それは誰っすか? 何の望みを叶えたんっすか?」
モノクマ「うぷぷっ、それは生徒のプライバシーに関わるから教えられないよ」
王馬「ねえ。権利って初めて聞いたけど、それって望みを言わないまま保持することが可能ってこと?」
モノクマ「そうだね」
王馬「なら、まだ望みを叶えていないって可能性もあるんだよね」
モノクマ「可能性だけで言えばそれもあるね」
王馬「その人がもしクロで……指摘されておしおきされるって時になって『コロシアイを終わらせろ』って望んだらどうなるの?」
モノクマ「仮にそうしたとしたらその時点でコロシアイは終了だよ。おしおきもされない」
王馬「ふーん……なるほどね」
夢野「どういうことじゃ、王馬。望みを叶える権利はクロが持ったままだと思っているのか?」
王馬「モノクマじゃないけど、可能性だけで言えばそれもあるでしょ?」
王馬「もちろんクロじゃない人が持っている可能性だってあるし、誰かが既に望みを叶えている可能性だってある」
王馬「あらゆる可能性を考慮しないとね」
王馬「言うまでもなく、今回の事件にこの何でも望みを叶えるって動機は大きく関わっているだろうから」
夢野「それもそうじゃな」
夢野(殺された場所、ゲーム世界は望みを叶えるゲームの舞台じゃったし)
夢野(アンジーはウチらから奪ったモノクマボールを持っていたはずじゃ)
夢野(単純に考えるなら、そのモノクマボールを奪うためにアンジーを殺したという可能性が一番高い)
王馬「あともう一ついいかな」
王馬「今回の死体発見アナウンスもクロ以外の三人が死体を発見した場合に鳴らしたんだよね?」
モノクマ「……うーん、正直ね。毎回言っている気がするけど」
モノクマ「死体発見アナウンスは君たちの推理を補助するためにあるものじゃないんだよ?」
王馬「だとしても実際は補助になっているじゃん。ほら、さっさと質問に答えて」
モノクマ「しょうがないなあ……うん、その通りだよ。今回のアナウンスもクロ以外の三人が発見したときに鳴らしました」
王馬「なるほど。で、ここからが本題なんだけどその発見した時ってさ、死体が視界に入ったときなの? それとも死体だと認識したときなの?」
夢野「ん? どういう意味じゃ、王馬?」
王馬「今回のアンジーちゃんって、座ったまま自然な状態で死んでいたでしょ?」
王馬「だから死亡時刻次第では、このコンピュータールームを出入りする時に、死体だと思わずにアンジーちゃんを見た人がいるかもしれないじゃん」
夢野「なるほど。ウチら三人以外が無自覚に死体を見た可能性があるとうまくクロを絞れなくなるな」
王馬「そういうこと。それでどうなの、モノクマ?」
モノクマ「……ああもう、これも答えないと駄目なんだろうね」
モノクマ「答えは死体だと認識した場合だよ。大体、ちらっと目に入ったのかどうかを確認することは出来ないしね」
夢野(モノクマが答える……つまり無意識の目撃者はいないということで、やはりウチと王馬と真宮寺はシロの可能性が高いというわけか)
モノクマ「質問は終わり?」
モノクマ「じゃあ先に進めるよ。ということで……」
モノクマ「毎度おなじみモノクマファイル~~!!」
夢野(モノクマはウチらに一つずつモノクマファイルを渡していく)
モノクマ「じゃあ捜査頑張ってね!!」
夢野(そしてモノクマは姿を消して)
モノクマーズ「「「「「ばーいくまー!!」」」」」
夢野(モノクマーズも姿を消した)
夢野「………………」
夢野(これより始まるは捜査時間)
夢野(ここでクロの手がかりを見つけて、学級裁判で指摘せねばならない)
夢野(コロシアイを防ぐことが出来ず、不本意ながらお馴染みとなったことではあるが)
夢野(それでもこの瞬間は緊張して……前に進むためとウチは覚悟を決めた)
<捜査時間開始!!>
天海「それではモノクマファイルを見る前に、死体発見アナウンスがどうなったか聞いていいっすかね?」
夢野「そうじゃったな、まだ言ってなかったか」
百田「死体発見アナウンス? どういうことだ?」
茶柱「あ、そうでしたね。真宮寺さんの監視をしていたから百田さんは話を聞いてないんですか」
星「百田には俺から説明しておく。夢野は実際どうなったか言ってもらえるか」
夢野「分かったぞ」
夢野(そしてウチは先ほどログアウトしてから起きた出来事を説明した)
キーボ「そうですか……三人が見た際にアナウンスが鳴ったということは、三人ともシロでしょうね」
天海「それより……迂闊だったっす。アナウンスが鳴った瞬間に真宮寺君が殺しに来る……その可能性に気づけないなんて」
茶柱「夢野さん、大丈夫だったですか!? 殺されてないですよね!?」
夢野「死んでたらこうやってここに立ってないわい」
百田「なるほどな……正直死体を前に何してるんだとも思うが……」
星「裁判に勝つ可能性を少しでも上げるためだ。受け入れてくれ」
百田「そうか……生き残るためには仕方ないか」
真宮寺「ということで僕は完全にシロってわけ」
夢野たち「「「………………」」」
真宮寺「あれ、反応が鈍いネ?」
夢野「クロを確かめるためにしたことで、図らずもお主が完全にシロであることが論理的に証明されたが……」
星「本当にシロなのか?」
天海「シロだとしても、まだ赤松さんみたいに誰かをクロにしたって可能性もあるっすよね?」
茶柱「それにアナウンスの時に夢野さんを殺そうとしたんですよね? その時点で転子的にはクロです」
真宮寺「酷い言われようだなァ……」
夢野「今までを考えれば当然じゃ」
夢野(納得はいかんが……まあ起きた出来事はまとめておかんとな)
夢野(ウチと王馬と真宮寺が死体を見てアナウンスが鳴った。モノクマの証言から、死体を意識せずに見た可能性も排除されたため、ウチと王馬はほぼシロ、真宮寺は確定でシロである……っと)
コトダマ『死体発見アナウンス』ゲット!!
夢野「次はモノクマファイルを見てみるぞ」
夢野(ウチは率先として、モノクマファイルを起動する)
夢野(そこに書いてある情報は以下の通りじゃった)
『モノクマファイル4』
『被害者は超高校級の美術部、夜長アンジー』
『死体発見場所はコンピュータールーム』
『右手に小さな傷がある』
夢野「すっかりお馴染みになったが……今回も情報が少ないぞ」
夢野(ゴン太の時や、最原の時のように死因と死亡時刻が書いていない)
百田「右手の小さな傷ってなんだ? 包帯を巻いてるけどそれか?」
天海「昨夜の料理のときに失敗して出来た傷っすね。そんなに小さくは無いっすけど」
百田「大きな傷だとしたら……じゃあそこから血が流れ続けて死んだんじゃねえか?」
天海「いえ俺がきちんと止血したんで、それが原因で死んだとは思えないっす」
星「死体に関するこの情報の少なさは……ゲーム世界でアバターに起きた出来事は書かれないからってことか?」
夢野「なるほど、ゲーム世界が今回の事件の主な舞台そうじゃな……」
コトダマ『モノクマファイル4』ゲット!!
星「となると、さっさとログインして調べないとな」
夢野「よし、ではみんなゲーム世界に行くぞっ!!」
夢野(ウチの言葉に反対はなく、九人とも席に着いて装置を身に付けた)
<ゲーム世界・教会前>
夢野「やはり最初に調べるべきなのはアンジーの死体があった教会じゃろう」
天海「そうっすね、まだ本格的な捜査はしてないっすから」
夢野(ウチら九人は館の隣にある教会に向かった)
夢野(そして扉を開けて……再び凄惨たる光景を目の当たりにする)
百田「っ……どうしてこんなことに……」
真宮寺「教会で磔ネ……神を信じていたアンジーさんにとってこの死に方はどうだったのかナ?」
夢野「……そうか、二人はまだこの現場を見ていなかったな」
夢野(ゲーム世界に入っていなかった二人はショックを受けて……いや、真宮寺はそうでもないか)
夢野(改めて見るウチにも衝撃は強い)
星「磔にされたままじゃ調べにくい。まずは降ろした方がいいだろうな」
天海「そうっすね、手伝うっす」
夢野(星と天海が教会の隅にあった脚立を使ってアンジーの死体を降ろしにかかる)
夢野(しかし脚立がどうしてこんなところに? ……あ、クロもこれを使ってアンジーを磔にしたということじゃろうか?)
星「ふう……ようやくだな」
天海「にしても……これは……」
夢野(少しして星と天海が作業を終える。ウチらの前に横たわるアンジーの死体)
夢野(正確に言えばゲーム世界におけるアバターなのじゃが……作り物とは思えん質感じゃな)
夢野(まあウチらも生身と変わらぬ姿で動いている以上今さらなのじゃが)
王馬「じゃあ春川ちゃん、アンジーちゃんの死体を検分してもらえる?」
夢野「そうじゃな、ウチからも頼むぞ」
春川「………………」
夢野「ハルマキ?」
春川「え……あ、私?」
茶柱「今は捜査時間中です。命がかかっていますから、集中してもらえると」
春川「そうだね……ごめん」
夢野「………………」
夢野(やはりハルマキの様子はおかしい)
夢野(百田の病気が治っているような素振りといい……もしかして……)
春川「それで……夜長の死体の検分だったね」
夢野「ああ、そうじゃ。頼めるか?」
春川「………………」
夢野「ハルマキ?」
春川「ごめん……ちょっとその死体と向き合うことが出来ない……」
夢野「んあっ……!?」
王馬「ふーん……それってどういうこと?」
王馬「今まで死体なんて平気で見ていたのに……」
王馬「まさか自分が殺したから罪悪感で見れないからとかそういうこと?」
茶柱「ちょっと、そこの男死!! 何を言っているんですか!!」
王馬「えーだって、十分に考えられる可能性だよ!」
王馬「それに春川ちゃんってアンジーちゃんの死体が見つかった今朝からずっと様子がおかしいじゃん」
茶柱「っ……それは」
夢野(王馬の発言を非難する転子じゃが黙ってしまう。王馬の言い分に理があるのを認めたのだ)
夢野(ウチもその言葉には頷けるところがあった)
夢野(今のハルマキの様子は、この二周を通して見たことが無い)
夢野(ハルマキに対して疑惑の眼差しが集まる中、声を上げる者がいた)
百田「そういう時ぐらいあるだろーよ」
夢野「百田……?」
王馬「どういう意味かな?」
百田「超高校級の暗殺者なんて呼ばれているが、ハルマキだって一人の女の子なんだぞ」
百田「どんな理由があるのかは知らねーが、死体を見るのが辛いって時もあるだろーよ」
百田「そんなときこそ俺たち仲間が支えないといけないじゃねえか」
春川「百田……」
百田「つうか大体死体の検分なんて重要な仕事を毎回毎回ハルマキ一人に任せている方がおかしいんだ」
百田「ハルマキが出来ないなら、俺たちが代わりにすればいい」
百田「だから……後は任せろ」
春川「……うん。ありがと」
夢野(百田が庇うことで一応の収まりを迎える)
王馬「だからその理由ってのが気になるんだけど……」
王馬「まあいっか、ここで言い争っても時間を無駄にするだけだしね。議論は学級裁判でしようか」
夢野(渋々ではあるが王馬も引き下がった)
夢野(ウチもハルマキの不調の理由は気になるが……今は捜査を優先じゃな)
王馬「じゃあ春川ちゃん以外でアンジーちゃんの死体を見ていくよ」
夢野「そうじゃな」
夢野(ということでウチらは手分けしてアンジーの死体を見ていく)
夢野(じゃが、死体について詳しくないウチらにとって分かることは表面的なことでしか無く……)
天海「まとめると……アンジーさんの死体は胸に矢が刺さっていて、頭には何かで打った痕が残っている……どちらも致命傷になってもおかしくないくらい深い傷である……これくらいっすね」
夢野「死亡時刻や、どちらが直接の死因になったのかも分からんな……」
コトダマ『アンジーのアバターの状況』ゲット!!
王馬「死亡時刻に関しては目撃情報から絞るしかないね」
王馬「アンジーちゃんを最後に見たと思う人は挙手して」
夢野「ん、それならウチらかもな」
茶柱「そうですね、モノクマボールを囮にして捕まえようとしたところを逃げる姿を見ました」
王馬「それって大体何時くらい?」
夢野「えっと……夜の0時くらいじゃったか」
茶柱「ですね」
天海「それ以降にアンジーさんの姿を見たって人はいないっすか?」
夢野(天海の言葉に反応する者はいない)
王馬「じゃあもう一つ質問、第一発見者の夢野ちゃんがアンジーちゃんの死体を見つけたのはいつごろ?」
夢野「あれは……朝の6時くらいか」
王馬「6時……ね。じゃあアンジーちゃんは0時から6時の間に殺されたってわけか」
コトダマ『アンジーの目撃情報』ゲット!!
王馬「じゃあ死亡時刻の範囲も分かったところで、アリバイを調査しておこうかな」
王馬「0時から6時の間でアリバイを主張できる人はいる?」
シーン……。
夢野(王馬の呼びかけに応える者はいない)
王馬「あら、アリバイゼロ? まあ夜も遅いし、望みを叶えるゲーム中だったからしょうがないけど……夢野ちゃんと茶柱ちゃんは一緒に行動していたんじゃないの?」
夢野「いや、ちょうどアンジーの行方を探すために二手に別れておったからな。アリバイは無い」
茶柱「そうですね」
百田「アリバイじゃねーが、その間真宮寺の監視はきっちり行っていたぜ」
百田「昨日は寝落ちしてしまったが、今朝は体調もバッチリでずっと起きてたからな!!」
天海「なら真宮寺君は死亡時刻範囲で動けなかったと……でも真宮寺君から百田君を見えたわけではないので、百田君にアリバイがあるってことでは無いっすね」
真宮寺「そうだネ。部屋の外の監視は僕も見れないから、もし百田君が嘘を吐いてどこかに行っていたとしても分からないヨ」
王馬「そもそも真宮寺ちゃんは完全にシロって話だし……うーん手がかりにはならないか」
コトダマ『全員のアリバイ』ゲット!!
夢野「死体も見終わったし、これからは各々気になるところを捜査ということでいいか?」
王馬「あ、その前にちょっといいかな?」
夢野「何じゃ、王馬?」
王馬「今回の事件に大きく関わると思われる……モノクマボールについてみんなに聞いておきたいんだよ」
夢野「モノクマボール……」
夢野「そうか……誰が誰に奪われたのかを全部辿れば、誰が望みを叶える権利を得たのか分かるしな」
王馬「うん。だからこうやってみんな集まっている内に聞いておこうってわけ」
夢野「よし、ではみんな証言するんじゃ」
夢野「まずウチと転子じゃな。ウチらは二人で同じ望みを持っていたため組んでいた。それでモノクマボールを一つ持っていたんじゃガ、それをアンジーに奪われたというところじゃな」
茶柱「転子は夢野さんの言う通りです」
王馬「オレはもう言った人もいるけど、昨日の昼の内にモノクマボール一つを奪われて、昨夜はどうにか奪えないかなーってゲーム世界にログインしていたけど、どうにもならなかったよ」
天海「俺も同じ感じっすね。春川さんに昨日一つ奪われて、その後は獲得できずっす」
星「俺は一つモノクマボールを持っていたが、昨夜限界が来てな。隠してからログアウトして、食事やトイレをしてすぐに戻ったが、そのときには奪われていた」
春川「私は天海から奪ったモノクマボールと合わせて二つ持っていたけど、レーダーを奪うためにボールを隠して行動していたら、その隠していたボールを奪われた」
キーボ「もうみなさんご存知かもしれませんが……ボクはアンジーさんの望み『自分の信じる神をみんなにも信じてもらう』に賛同して二人で組んでいました」
キーボ「そして初日に運良くモノクマレーダーを見つけ、それを使い王馬クンから奪った物を合わせて三つのモノクマボールを所持していました」
キーボ「ですが、昨夜は疲れてアンジーさんにレーダーとボール三つを渡した後、部屋に帰って寝たのでその後のことは分かりません」
キーボ「今朝ゲーム世界にいたのはアンジーさんと交代するためにログインした直後だったからというところです」
百田「一応証言しておくが、俺は最初の説明の時以来ゲーム世界に行ってないぞ」
真宮寺「ボクも右に同じだヨ」
夢野「なるほど。まとめると昨夜の時点でモノクマボールは……」
<モノクマボール内訳>
夢野茶柱:1
春川:2
星:1
アンジーキーボ:3
天海王馬百田真宮寺:0
夢野「と、持っていたわけなんじゃな」
夢野「それで証言からすると……やはりみんなレーダーを持っていたアンジーにボールを奪われたというところか」
夢野「よし、ではアンジーが望みを叶える権利をゲットしたと……」
王馬「そんな簡単な話じゃないよ。誰かが嘘を吐いている可能性があるからね」
夢野「嘘? ……どうしてそんなことを?」
王馬「どうしてってモノクマボールを集めた人がアンジーちゃんを殺したかもしれないからだよ」
夢野「……?」
夢野(王馬の言葉は……まあいい、今は捜査に集中するべきじゃな)
コトダマ『モノクマボールの状況』ゲット!!
夢野「よし、では見回りじゃが……この現場の監視も誰か置かないといけんな」
王馬「そうだね、いつも通り三人くらい欲しいけど……」
真宮寺「くくっ、だったら僕がその一人になるヨ」
夢野「真宮寺が監視……?」
天海「いいんじゃないっすか? 一応完全なシロで、何より自由に動かれるのも怖いっすから」
茶柱「ですが、自分から言い出したというのが怪しいですね」
真宮寺「もはや何をしても怪しまれるネ。だからこそ大人しくしておこうって提案しているのに」
夢野「……胸の内は分からんがまあいい。監視をしてくれるというならありがたい」
春川「なら私も監視に残るよ」
夢野「ハルマキ?」
春川「前回と同じで、真宮寺が何かしでかしたときに物理的に抑える役割は必要でしょ?」
夢野「そうじゃが……」
夢野(ハルマキの言い分はもっともじゃが……)
夢野(積極的に捜査に協力する気になれない……という一面もあるのかもしれん)
百田「よーし、なら三人目は俺がするぜ」
夢野「百田……頼んだぞ」
夢野(百田が言い出したのはハルマキの近くにいるためじゃろう)
夢野(変調を感じ取ってというところか)
天海「後はいつも通り二人一組で動くべきっすね。クロを一人にして証拠を隠滅させないように」
王馬「そうだね。あ、天海ちゃん一緒に捜査できる?」
天海「いいっすよ」
夢野「ならウチは……転子一緒に来てくれるか?」
茶柱「もちろんですっ! 頑張ってクロを突き止めましょう!!」
星「キーボ頼めるか」
キーボ「大丈夫です。行きましょう、星クン」
夢野(そうして監視の者をその場に残し、それぞれ気になるところを捜査しに向かった)
夢野(ウチらはというと、まだ見落とした物が無いか教会を探している)
夢野「アンジーに残っていた傷は二つ。頭を打った痕と胸の矢じゃ」
夢野「ここには武器がたくさん置いてある」
夢野「もしかしたらその中にはアンジーを傷つけた凶器があるかもしれん……が」
夢野「うーむ……血痕の残っておるものが見当たらないな……」
茶柱「あ、夢野さん。ちょっとこっちに来てください!」
夢野「何じゃ、転子?」
茶柱「教会の入り口付近にあったこの矢が番えられていないクロスボウ」
茶柱「これからアンジーさんに刺さっていた矢は射られたんじゃないでしょうか?」
茶柱「確かめてみたところサイズが一致していましたし」
夢野「なるほどな。でかしたぞ、転子」
茶柱「ありがとうございます!!」
夢野(これで一つ凶器が分かったが……どうしてクロはそれを教会に残したままに……)
夢野(と、考えているとその答えになるのかは分からんが、転子が気になることを付け加えた)
茶柱「このクロスボウ入り口付近の壁に固定されてたんですけど……どうやら引き金に紐がかかっていて、教会の入り口の扉と繋がっているんです」
茶柱「その扉を少し開けるくらいなら大丈夫なんですが、思いっきり開くと引き金が引かれると……そういう仕組みになっていますね」
夢野「ふむ……どういうことじゃろうか?」
コトダマ『クロスボウの仕掛け』ゲット!!
夢野(教会をざっと見たウチらは外に出た)
夢野「さて、次は外じゃが…………といってもこのゲーム世界も広いし、全部は見て回れんな」
茶柱「逆にクロもこの世界全体を使っているとは思えないですし、とりあえず現場の教会の付近だけでも見て回りましょう」
夢野(というわけで近場から何か無いか探していく)
夢野(と、教会近くの広場にさしかかったときに転子が口を開いた)
<ゲーム世界・教会近くの広場>
茶柱「そういえば昨夜この付近で春川さんを見ましたね」
夢野「ハルマキか? いつじゃ?」
茶柱「アンジーさんの行方を見失って、二手に別れて捜索していたときです」
夢野「ハルマキからボールを奪おうと仕掛けたのか?」
茶柱「そうですね、珍しく茫然自失で立ち尽くしていたので仕掛けるか迷いましたが……」
茶柱「アンジーさんのレーダーの方が優先だと思いその場を離れました」
茶柱「そのとき春川さんはモノクマボールを隠して動いていたって話ですし無駄な争いを避けられて良かったですね」
夢野「そうじゃが……茫然自失で立ち尽くしていた、か」
夢野(何があったんじゃろうか?)
コトダマ『茶柱の証言』ゲット!!
夢野「うーん……もしかしたら、春川の変調の原因がここらにあるのかもしれん」
夢野「ちょっと重点的に探すぞ」
茶柱「分かりました!!」
夢野(というわけでウチらはその教会近くの広場を探す……と)
夢野「あったぞ!!」
茶柱「ありました!!」
夢野「地面に埋まっているこの大きな岩に血痕が付いておる!!」
茶柱「この機械……おそらくモノクマレーダーです!! そこの茂みに落ちていました!!」
夢野(ウチらは同時に証拠を見つけた)
夢野「……って、モノクマレーダーじゃと!?」
茶柱「だと思います。この一面がモニターになっている丸い機械、マンガの物にそっくりです」
茶柱「まあ今はモノクマボールが七つ集められたせいか、電源を付けても何の反応もありませんが」
夢野「ふむ、そうじゃが……どうしてこんな場所に……?」
コトダマ『岩の血痕』ゲット!!
コトダマ『モノクマレーダー』ゲット!!
夢野(ウチらは他にも何か見つけられないか広場を探したが成果はなかった)
茶柱「どうしますか、これから?」
夢野「ゲーム世界がメインといっても、現実世界でも分かることはあるかもしれん。ログアウトするか」
茶柱「そうですね」
夢野(と、二人で館に向かう最中、教会の前で星に呼び止められた)
星「ちょうど良かった。ちょっと中に入ってもらえるか?」
夢野「……? 教会にか?」
茶柱「もしかして何か新たなものを見つけたとかですか?」
星「そんなところだ」
<ゲーム世界・教会>
星「こっちだ」
夢野(ウチらは星に連れられるまま教会の片隅にやってきた)
王馬「何々、面白いもの見つけたの?」
キーボ「はい。星クンと手分けして教会を調べていたところにこれを見つけて」
天海「うーん、こんなところまでは調べてなかったっすね」
真宮寺「僕も死体周辺を探っていたし」
春川「私はその真宮寺を見張っていたから」
百田「俺もその近くにいたぞ」
茶柱「あ、みんな集まっているんですね」
夢野「そうじゃな……にしても何が見つかったのか……」
夢野(はっきりしないため、ウチらはさらに近づく)
キーボ「あ、夢野さんたちも来ましたか」
夢野「うむ。それで……一体何が見つかったんじゃ?」
キーボ「見つかったのは爆弾です」
夢野「爆弾じゃと……!?」
キーボ「はい。元々この教会に用意されていた武器の一つで、リモコン式での起爆に、衝撃関知での起爆どちらも出来るタイプですね」
夢野「そ、そうか…………ん? モノクマが用意したってだけなら、今回の事件には関わらないのではないか?」
キーボ「いえ、どうやら誰かの作為が加わっていて……これです」
夢野「……って何じゃこれ?」
夢野(キーボから受け取ったのは……箱?)
キーボ「開けてみれば分かります」
夢野(言われるままに開けると――)
夢野(箱には爆弾がギッシリと詰まっていた)
夢野「んあっ……!?」
王馬「どうやらスイッチも入っていて、刺激か指令があればすぐ起爆するようになっているね」
百田「誰かが知らずに箱を蹴ってでもいたら……ドカン!! だったってことか」
天海「その量の爆弾が一気に爆発したとすると、規模もすごいことになりそうっすね」
夢野「た、大変ではないか!? 一体誰がこんなことを……」
真宮寺「普通に考えてみると、クロか他に殺人計画を立てていた人ってことになりそうだよネ」
真宮寺「……ああ、僕はもちろん違うヨ。この教会に入ったのは今日が初めてだし、入ってからもずっと監視されているからネ」
茶柱「真宮寺さんが違うとなると……まあ、その言葉を信じるならですが……やはりクロが仕掛けた罠ってことでしょうか?」
夢野(みんながそれぞれ推測するが……)
夢野(その件の爆弾は今もウチの手の中にある)
夢野(そ、そんな恐ろしいものだと思うと……手が震えてきたんじゃが……) ガタガタ
王馬「でも、トラップだとしたらこんな場所に仕掛けるかな?」
百田「こんな人も来ない片隅に置いたりはしねえよな」
天海「気を引くような物も……見当たらないっすね」
真宮寺「だったら他の目的で仕掛けていたとか?」
キーボ「とにかく、このままでは危なくて捜査も続けられません。ボクがモノクマに撤去してもらえないか聞いてきます」
茶柱「……って、夢野さん大丈夫ですか!? 箱を持つ手が震えてますよ!?」
夢野「も、もう限界じゃ。転子、受け取ってくれんか? ゆ、ゆっくりじゃぞ? 刺激を与えたら爆発するらしいからな?」
茶柱「分かりました!!」
夢野(ウチは了解してくれた転子に爆弾の詰まった箱を渡そうとして――)
スルッ!!
夢野(先ほどから緊張によってかいていた汗で手を滑らせた)
全員「あっ」
ドッッッッカァァァァァァァァァンッッ――――――!!!!!!!!!
耳をつんざくような爆発音が鳴り響き、生徒全員が至近距離で起きた大爆発に巻き込まれる。
ガラガラガラガラガラガラガラ………ッ!!!!
その爆発に耐えられなかった死体発見現場の教会が大轟音と共に崩落する。
まるでテロでも起きたかのような光景に夢野たちは――――。
夢野「…………生きているぞ? どうしてじゃ?」
夢野(目の前で大爆発が起きたのに、死んでいないどころか痛み一つ無い)
夢野(それは生徒みんな同じようで不思議そうにしている)
夢野(一体これは……?)
モノクマ「ああもうっ、何!? 何が起きたの!?」
王馬「ちょっと夢野ちゃんがドジしちゃってね」
夢野「そ、それはウチが悪いが……じゃが、そんな爆弾をウチに渡していたことが問題じゃろう!!」
天海「爆発に巻き込まれたのに生きてるんすけど……モノクマ、これは一体どういうことっすか?」
モノクマ「それなら今現在みんなのアバターから現実世界の身体へのフィードバックを切っているからだよ」
夢野「フィードバックを? どうしてじゃ?」
モノクマ「さっき殺人行為禁止を宣言したからだよ」
モノクマ「だってあれはエグイサルを使ってでも殺人行為を止めるって話だったけど、このゲーム世界にはエグイサルは来れないでしょ?」
モノクマ「だからゲーム世界での殺人行為を止めるために、この捜査時間中はフィードバックを切っているんだ」
モノクマ「全くもう、感謝してよね。ボクがいなかったらみんな死んでてもおかしくなかったんだからさ」
夢野(モノクマはそれを伝えたかったのか言うと姿を消した)
王馬「どうやら間一髪だったみたいだね」
百田「こればかりはモノクマに感謝だな」
キーボ「しかし……綺麗に吹き飛びましたね。教会が跡形も無いですよ」
天海「アンジーさんのアバターの残骸も、その他の証拠も……全部瓦礫の下っすか」
星「もしかしてこれがクロの狙いなのか……?」
真宮寺「うーん、それにしては……」
茶柱「夢野さん……ごめんなさいっ!! 転子がしっかり受け取っていればこんなことには……」
夢野「いや、滑らせたのはウチじゃ。転子は悪くない」
夢野(モノクマのおかげで事なきを得たが……)
夢野(結局どうしてあんな爆弾が仕掛けられていたのかは分からず仕舞いじゃ)
夢野(誰が……一体どういう意図で仕掛けたんじゃろうな……?)
コトダマ『教会の爆弾』ゲット!!
夢野(教会が爆弾で吹き飛び、証拠も全て瓦礫の下になったが……先に一通り捜査をしていたので、見落としたところは無いはず)
夢野(というわけでウチは元の目的に戻る。館に向かい、サロンからログアウトをした)
<現実世界・コンピュータールーム>
夢野「……って、みんなログアウトしていたのか」
天海「気になるところは調べ終わったので」
百田「ああ。教会も吹き飛んで監視どころじゃないしな」
真宮寺「それにそろそろ裁判だろうし、ログアウトしていた方が次の行動がスムーズだヨ」
キーボ「現実世界に戻ってきましたけど……どうしましょうか」
茶柱「春川さんは現実世界のアンジーさんの死体も見れないですか?」
春川「……ごめん」
星「となると素人の俺たちが見ても情報は得られなさそうだな」
王馬「あ、そうだ。暇ならみんなこっち来てよ、興味深い情報があるからさ」
夢野「ん?」
夢野(王馬に呼ばれるままに集まると、そこにはコロシアイシミュレーターに繋がるパソコンがあった)
王馬「モノクマに頼んだらさ、俺たちのログインログアウト履歴のデータを見せてもらえたんだ」
夢野「ログインとログアウト?」
星「つまりいつゲーム世界に入って、出たのかが分かるってことか」
王馬「そういうこと」
天海「いつからのデータがあるんすか?」
王馬「どうやら望みを叶えるゲームが始まった日の朝からずっとあるみたいだね」
王馬「それがこのデータだよ」
夢野「1日事に分かれておるのか。順に見ていくかのう」
夢野「1日目……か。みんな10時にログインしているのは、最初にモノクマから説明を受けたときってことでいいんじゃよな?」
百田「みたいだな。それで俺と真宮寺はすぐにログアウトしているってわけだ」
茶柱「転子が夜にログインとログアウトが続いているのは、ちょっと休憩して戻ったってことですね。キーボさんも同じ行動のようですが……」
キーボ「ボクもアンジーさんにレーダーとボールを預けてログアウトした後、すぐにログインして徹夜しました」
王馬「なるほど、二人で組んでいたからこそ出来る行動ってことだね」
夢野「二日目は……深夜に星が一度ログアウトしているな」
星「ああ。ずっとログインしているのが理想だが、さすがに無理だからな。休憩を挟むなら、人も動かず暗い深夜の方がいいという判断だ」
天海「なるほどっす」
茶柱「それで転子たちとキーボさんたちは朝方にパートナーと交代でログインとログアウトをしていると」
王馬「俺は一人だったけど、正直我慢の限界が朝に来てドロップアウトしたってところだね」
天海「俺は昼前くらいに偶然春川さんと遭遇して、ボールを奪われたんで、一旦切り替えるためにログアウトしたってところっす」
夢野「それで昼過ぎほどに二人組はまた交代して……この帰りに転んで王馬とぶつかったのか」
王馬「そうだね。俺はその後すぐログインしたけど、ボールが盗まれていることに気付いて、ふて腐れてまたログアウトしたってところだね」
夢野「夜は夕食を食べた四人が大体同じくらいの時間にログインしているな」
茶柱「そして転子は交代せずに残りましたが、キーボさんはログアウトしたってところですか」
キーボ「日中茶柱さんに追い回されて疲れたんです。それにボクたちはモノクマレーダーを持っていてそう焦っていませんでしたから」
夢野「なるほどな」
夢野「三日目は……また星が深夜にログインとログアウトを連続しているな」
星「意図は二日目と同じだ。30分も離れていなかったはずだが……その隙にモノクマボールを盗まれてしまったな」
茶柱「そういえばそう言ってましたね」
夢野「そしてこの6時にウチがアンジーの死体を発見したと……」
天海「キーボ君はこのタイミングでログインしていますね」
キーボ「はい。ログインしたのは死体発見後だったみたいです。夢野さんと茶柱さんがみんなを教会に集めるために走り回っているところでした」
王馬「そしてオレと夢野ちゃんが先にログアウトして、真宮寺ちゃんを連れて死体発見アナウンスを鳴らしたってことだね」
天海「アナウンスが鳴ったことに気付いて、他の人が後からログアウトしたってことっすか」
百田「8時の一斉ログインは捜査のためで、ログアウトしたのが今ってことか」
夢野「うーん履歴を見終わったが……特に気になるところは無いな」
茶柱「そうですね、みんなちゃんと理由もあって怪しいところは無いですし」
百田「しかし、事件に関係あるのかは分からねえが、ハルマキすげえな」
百田「ゲームの開始からアナウンスが鳴ったときまで、一回もログアウトしてねーじゃねえか」
春川「暗殺者の任務でこれに近いことはしていたから」
星「俺も結構頑張ったが……ふっ、上には上がいるってことか」
王馬「そういえばアンジーちゃんはずっとログインになっているんだね」
天海「アバターが消えていないからってことだと思うっす」
夢野(ふむ……果たしてこれが事件を解く手がかりになるのじゃろうか?)
コトダマ『ログイン・ログアウト履歴』ゲット!!
キーン、コーン、カーン、コーン。
モノクマ『うぷぷっ、それじゃ捜査時間はそろそろいいかな?』
モノクマ『オマエラ全員、裁きの祠まで集まってくださーい!』
夢野「捜査時間も終わりか……」
夢野(気になるところは見て回れたと思う)
夢野(この証拠たちを使って裁判で推理を組み立てなければならんが……)
夢野「………………」
夢野(捜査を通じてウチは違和感を覚えていた)
夢野(何かが引っかかっておるのじゃが……)
夢野(みんなは何も感じていないのか?)
夢野(どうしてウチだけがこんな感覚に?)
夢野(思い当たるのは……一周目の記憶か?)
夢野(一周目の記憶と今回の事件で何らかの齟齬があるなら、ウチだけが違和感を覚えて当然じゃ)
夢野(ハルマキは不調でそれどころじゃないということじゃろう)
夢野(それを突き止められれば推理の助けになるかもしれんが……)
夢野(しかし……一周目とは殺された人間も、事件の経緯も丸っきり違う)
夢野(重なる部分なぞ……あるのじゃろうか……?)
コトダマ『夢野の違和感』ゲット!!
<裁きの祠>
夢野(裁きの祠に集まった生徒9人)
夢野(もう慣れたもので現れたエレベーターに乗る)
夢野(ウチは裁判前の最後のチャンスじゃと思い、ハルマキに話しかけた)
夢野「ハルマキ、少しいいか?」
夢野(聞きたいことはたくさんあった)
夢野(百田が病気が治ったかのような素振りを見せているのは、ハルマキが望みを叶えたからではないか)
夢野(それならどうやってモノクマボールを手に入れたのか、そしてモノクマボールを奪われたとどうして嘘を付いたのか)
夢野(他にも不調の原因やアンジーの死体を見れなかったこと、気になることはたくさんある)
夢野(話さなかったのはもちろん何らかの理由があるのじゃろうが)
夢野(みんなの前では無理でも……一周目からの仲間であるウチになら話してもらえるのではないかと思って――)
春川「ごめん、今話せることはない」
夢野「んあっ!?」
春川「………………」
夢野(ハルマキはにべもなく断ると、背を向けてそれ以上の会話を打ち切る)
夢野「………………」
夢野(怒りより先に心配の気持ちが沸いた)
夢野(ハルマキ……一体何があったんじゃ……?)
<裁判場>
用意されている16の席。
生き残っているのも9人ということで空席がかなり目立つ中、生徒たちは自分の席に着く。
夢野(今回のコロシアイ対策は順調だったはずじゃ)
茶柱「……」
夢野(動機のカードキーに、殺人を企む真宮寺もみんなで対策が出来た)
百田「……」
夢野(じゃが百田の病気はどうにも出来ず、追加動機のモノクマボールが発表されて状況は変わった)
星「……」
夢野(あんなにも団結していたウチらはバラバラになり、恐れていたコロシアイは始まってしまった)
真宮寺「……」
夢野(アンジーは一体誰に殺されたのか?)
キーボ「……」
夢野(モノクマボールは一体誰が集めたのか?)
天海「……」
夢野(望みを叶える権利は一体どうなったのか?)
王馬「……」
夢野(全ての謎をウチは暴いてみせる)
春川「……」
夢野(そして生き残るんじゃ)
夢野(この――嘘と真実が交錯する学級裁判を……!!)
今日はここまで。
続きの裁判パートは今週末か来週頭辺りに届けられると思います。
というわけで毎度のことですが予想コメントは自由です。
苦手な方は申し訳ないですが、自衛の方をお願いします。
今回も推理できるように作ったつもりですが、やはり読者からはどう見えているかの想定が難しく、難易度は不明です。
この後コトダマリストをまとめておきます。
ではまた次回。
コトダマリスト
『死体発見アナウンス』
夢野と王馬が死体を見た後、真宮寺が死体を見た時にアナウンスが鳴った。また無自覚に死体を見た場合は発見者数のカウントに含まれない。
『モノクマファイル4』
被害者は超高校級の美術部、夜長アンジー。死体発見場所はコンピュータールーム。右手に小さな傷がある。
『アンジーのアバターの状況』
胸に矢が刺さっており、頭を打った痕がある。どちらも致命傷足りうる深さ。直接の死因と死亡時刻は不明。
『アンジーの目撃情報』
深夜0時に最後の目撃があり、朝6時に死体が発見されている。
『全員のアリバイ』
0時から6時の死亡推定時刻範囲において、アリバイのあるものはいない。百田はその間真宮寺の監視をしていて、動いていないと証言している。
『モノクマボールの状況』
全員が持っていたモノクマボールを奪われたと証言している。しかしその発言に嘘が混じっていることも考えられる。
『クロスボウの仕掛け』
教会の入り口と紐で繋がっており、扉を思い切り開けると矢が発射される。
『茶柱の証言』
昨夜、教会近くの広場で春川が呆然と立ち尽くす姿を見た。
『岩の血痕』
教会近くの広場の岩に血痕が残されていた。
『モノクマレーダー』
教会近くの広場の茂みに落ちていた模様。
『教会の爆弾』
教会の片隅、めったに人が来ない場所に爆弾が仕掛けられていた。
『ログイン・ログアウト履歴』
生徒全員のログインログアウトの履歴。詳しくは次の図を参照。
『夢野の違和感』
一周目の記憶から何らかの違和感を覚えている様子。
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira150749.jpg
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira150750.jpg
http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira150751.jpg
2chmateのサムネだと何故か食べ物が表示されてますね。リンク開いてもらえると表が出てくると思います、申し訳ない。
……にしてもどういう仕様なんだ?
入り口に犯人(A)ボーガン罠仕掛けておいて、知らずに誰か(ハルカワ?)が開けてしまったパターン?ハルカワ≠犯人だけど、結果コロしをしてしまいクロ
ログインしながらフィードバックoff(本来の身体ノーダメ)も出来るてのも使えそう
先に本体のコロす→ログインさせる(既に事切れてる状態) を上記のボーガンと合わせて
?「自分がやってしまった(クロになってしまった)」と勘違いさせる事も出来る?
どこにこれだけの読者が潜んでいたのかと言いたくなるコメント数。ありがとうございます。
というわけで裁判パート投下していきます。
コトダマリストは>>386です。
<裁判開廷!!>
モノクマ「まずは学級裁判のルールを説明するよ」
モノクマ「オマエラの中には殺人を犯したクロがいます。今から話し合いでそれが誰なのかを決めてもらいます」
モノクマ「最後に投票をして、その結果正しいクロを指摘できればクロだけがおしおき」
モノクマ「指摘できなければクロ以外がおしおき。そしてクロは卒業できます」
モノクマ「というわけでよろしく!」
夢野「うーん……今回は一目に怪しいと思える者がいないな」
星「一回目の裁判では事件現場にいた最原、二回目はレーザービームを撃ったキーボ、三回目は自分がクロだと主張する真宮寺がいたな」
キーボ「またそのことを掘り返すんですか?」
真宮寺「くくっ、そんなこともあったネ」
茶柱「他人事みたいに言わないでください」
天海「ということは地道に議論を重ねていくしかないっすね」
春川「…………」
王馬「よーし、裁判頑張るぞー!! 頼んだよ、論破役の百田ちゃん!!」
百田「誰が論破役だ、馬鹿にすんじゃねーぞ!」
夢野(百田は憤るが……ウチも二周目ということで裁判に慣れて論破されることも少なくなったし、生き残っているメンバーからすると……やはり百田が論破されやすい方ではあるな)
百田「そんな言うなら俺から議題を提案しようじゃねーか!!」
百田「モノクマボールを使った望みを叶えるゲーム……その結果はどうなったんだ!?」
王馬「モノクマボール……か」
王馬「今回の事件に大きく関わっていると思うし……うん、最初の議題にちょうどいいと思うよ」
百田「ほら見たかっ! 俺だってやれば出来るんだぞ!!」
夢野(モノクマボールか……一体どうなったんじゃろうな?)
<ノンストップ議論、開始!!>
星「望みを叶えるゲームが一体どうなったのか……」
キーボ「全員が誰にモノクマボールを奪われたのかを確認すれば、最終的に集めた人が分かるって話でしたよね?」
茶柱「理屈で言えばそうなるはずです」
真宮寺「そして全員の証言からすると……レーダーを持っていたアンジーさんに奪われたと思われる状況だったネ」
百田「つまり『望みを叶える権利をゲットしたのはアンジー』だな」
百田「どうだ、これは論破出来ねーだろ!!」
『モノクマボールの状況』 → 『望みを叶える権利をゲットしたのはアンジー』
夢野「それは違うぞ!!」 パリーン!!
夢野「いや、待つんじゃ。モノクマボールを集めたのはアンジーではないかもしれん」
夢野「もしかするとこの中にモノクマボールを奪われたと嘘を吐いている人がいるかもしれんからな」
百田「嘘を? どうしてそんなことをするんだ?」
夢野「んあっ!? え、えっと……それは……」
王馬「はあ……まあいいや、ここからはオレが説明するよ」
王馬「何で嘘を吐いているかっていうと、アンジーちゃんを殺したのはモノクマボールを奪うためだった可能性が高いってのは分かるよね?」
百田「そうだな」
王馬「つまりモノクマボールを集めきった=アンジーちゃんを殺したと思われる」
王馬「自分がクロだってことを正直に言えないように、モノクマボールを集めたって正直に言えない」
王馬「だから奪われたって嘘を吐いたってわけ」
百田「なるほどな……だったらクロが嘘を吐いていることで確定ってわけか?」
王馬「いや、誰も嘘を吐いていなくてアンジーちゃんがモノクマボールを集めきって望みを叶えた後に殺されたって可能性もあるよ」
王馬「クロが嘘を吐いているかもしれないし、嘘はなくて死んだアンジーちゃんがモノクマボールを集めたかもしれない」
王馬「ようするに……モノクマボールからクロは分からないってことだね」
夢野「じゃが……クロが分からないにしても、その候補を絞ることは出来ないか?」
茶柱「クロを絞るですか?」
夢野「注目するべきは各々が抱いていた望みじゃ」
キーボ「望みですか?」
夢野「そうじゃ。クロはアンジーを殺してモノクマボールを集め、望みを叶える権利を得たと思われる」
夢野「それなのにこうしてコロシアイが続いていることから……ウチと転子がモノクマボールを奪ったのではないじゃろう」
夢野「ウチらの望みは『コロシアイを終わらせる』ことじゃからな」
百田「なるほどな」
夢野「同じようにアンジーの望みに賛同していたキーボも、殺してまでモノクマボールを奪って望みを叶える必要はない」
キーボ「そうですね、ボクはアンジーさんの望みである『自分の信じる神をみんなにも信じてもらう』に賛同しています」
夢野「じゃから少なくともこの三人がクロである可能性は低いということに――」
反
王馬「そこで俺の出番ってわけ!!」
論 !!
夢野「んあっ!?」
王馬「なるほど、夢野ちゃんの言い分は面白いと思うよ」
夢野「そ、そうか……ん? ならどうして反論したんじゃ?」
王馬「それはもちろん間違っているからだよ」
夢野「間違い……?」
王馬「はあ……そうやってのうてんきだったから、夢野ちゃんは人と組むなんて行動が取れたのか」
夢野「ど、どういうことじゃ!?」
王馬「どういうことも何も……三人とも嘘の望みを言っていた可能性があるからだよ」
夢野「嘘の望み?」
王馬「うん。茶柱ちゃんで言うと、夢野ちゃんの『コロシアイを終わらせる』って望みに賛同しているフリをして組んでおいて、一緒にモノクマボールを集めていたけど、いざ七つ集まりそうになったらそれを奪って自分の本当の望みを叶えるつもりだった……ってこと」
王馬「それはキー坊にも同じことは言えるよ。同じようにアンジーちゃんに嘘を付いてたってわけ」
王馬「まあマラソンみたいなものだよ。友達と一緒に走ろうって約束しておいて、ゴールが近づいたらダッシュで置き去りにする」
王馬「それと同じってわけ」
夢野「それは違うぞ! ウチは本当にコロシアイを終わらせようと思って……!!」
茶柱「そんなことありませんよ、転子は嘘を付いていません!!」
キーボ「ボクもです!! 本当にアンジーさんの望みに賛同していて……」
王馬「だからその言葉も嘘である可能性はどうしたって否定できないでしょ?」
夢野・茶柱・キーボ「…………っ!」
王馬「仕方ないよ。分からないのが嘘の魅力なんだから」
王馬「モノクマボールはこの事件に大きく関わっていると思うけど、それだけでクロを突き止めるのは無理だろうね」
夢野「……そうか、楽には行かんな」
星「となると……次に手がかりになりそうなのは死体か?」
星「現実世界のアンジーの死体に異常は無かったし、ゲーム世界のアンジーの死体について話し合うっていうのはどうだ?」
天海「いいと思うっす」
夢野「ゲーム世界のアンジーの死体か……」
夢野(何か分かることはあるじゃろうか?)
<ノンストップ議論、開始!!>
キーボ「ゲーム世界のアンジーさんの死体……」
茶柱「傷は頭を打った痕と胸に矢が刺さってましたね」
真宮寺「どちらかが致命傷になったんだろうネ」
百田「頭の傷はともかく、矢が刺さっているってことは弓もどこかにあるはずだろ?」
百田「そんなのどこにあるんだ?」
星「死体発見現場の教会には武器がたくさん置いてあった。『その中の一つ』じゃないか?」
『クロスボウの仕掛け』 → 『その中の一つ』
夢野「それに賛成じゃ!!」 同意!!
夢野「教会の扉付近にあったクロスボウ」
夢野「捜査の時には矢を番えていなかったし、これから射られたのではないか?」
星「なるほどな」
王馬「でもさ、そのクロスボウってちょっと凝った仕掛けを施されてたよね?」
王馬「教会の扉と紐で繋がっていて、開けた瞬間に矢が発射される」
王馬「これを誰かが仕掛けたんだとしたら……この矢を発射した人は見当が付くよね」
夢野(教会の扉を開けた瞬間に磔にされておったアンジーを照準に矢が発射される)
夢野(そして一番最初に扉を開けたと思われるのは……)
怪しい人物を指名せよ!!
夢野「それは……ウチということか?」
王馬「その通り、死体の第一発見者の夢野ちゃんだね」
王馬「アンジーちゃんに刺さっていた矢は夢野ちゃんが扉を開けたせいで射られたってこと」
茶柱「ちょ、ちょっと待ってください!!」
茶柱「それがどうしたっていうんですか!? だから夢野さんがクロだって言うつもりですか!?」
茶柱「悪いのはその仕掛けをした人じゃないですか!!」
王馬「いや、そうでもないんだよ。ね、モノクマ」
モノクマ「うぷぷっ、その通り」
モノクマ「ゴン太クンの裁判の時に言ったと思うけど、裁判のクロっていうのは実際に殺しの引き金を引いた人になるんだよ」
王馬「この場合クロスボウの仕掛けをした人ではなく、実際に発射させた夢野ちゃんがクロになるっていうことだね」
夢野「んあっ!? ウチがクロじゃと!?」
真宮寺「人をクロにする仕掛けか。えげつないネ」
星「あんたがそれを言うのか」
夢野「………………」
夢野(そういえば……教会に入った時)
<回想>
夢野(ウチは教会の前に立って扉を開ける)
パシュッ!!
夢野『教会……か。……ん、何か今変な音が……?』
夢野『…………気のせいか』
夢野(あの音は弓矢が発射された瞬間というわけか)
王馬「アンジーちゃんを磔にしたのもそのためだと思うよ」
王馬「地面に水平に放たれる矢が当たるようにするには壁にでも磔にするのが一番だからさ」
茶柱「で、ですが……夢野さんに殺しの意志は無いんですよ……?」
王馬「そんな人ですらクロにするから、この仕掛けは恐ろしいんだよ」
王馬「いやあ考えた人はすごいね」
夢野「なるほど……中々に悪意の籠もった仕掛けじゃな」
夢野(以前のウチなら絶望していたかもしれんが)
夢野(ウチも成長しておる。この程度で屈したりしない)
夢野(反論のための証拠をウチは提示する)
コトダマ選択!!
『死体発見アナウンス』
夢野「これじゃ!!」
夢野「いや、ウチはクロではない」
夢野「それはもうみんなが既に分かっていることのはずじゃ」
百田「ずいぶん強気な発言だな」
キーボ「それだけの証拠があるっていうことですか?」
夢野「ああ、それは死体発見アナウンスじゃ」
夢野「ウチはアンジーの死体を見つけた三人に入っておる。アナウンスの条件はクロ以外の三人じゃから、ウチがクロであったとしたらアナウンスが鳴るはずがないじゃろう?」
星「それがあったか」
夢野「ということでウチはシロであるということに……」
反
真宮寺「その推理は虚構だヨ!!」
論 !!
夢野「んあっ……!?」
真宮寺「確かに死体発見アナウンスは強力な証拠だヨ」
真宮寺「でも、確定でシロになるのは三人目に発見した僕だけ」
真宮寺「夢野さんにはクロになる余地が残されているよネ?」
夢野「な、何じゃ! そのクロになる余地とは!?」
真宮寺「くくっ……それを今から証言してみせるよ」
夢野(ウチがクロである可能性とは一体何じゃ?)
<反論ショーダウン、開幕!!>
真宮寺「死体発見アナウンスが鳴るための条件はクロ以外の三人が死体を発見した場合」
真宮寺「今回の発見者は夢野さんと王馬君と僕だと思われているけど」
真宮寺「それはある前提の上で成り立っていることだよネ」
発展!!
夢野「前提とは何じゃ!?」
真宮寺「それはシロが誰も嘘を吐いていないっていう前提だヨ」
真宮寺「もちろんシロには嘘を吐くメリットはない。クロの指摘を間違えたら死ぬんだからネ」
真宮寺「でも逆に言えば命をかけたシロの共犯者が存在した場合……夢野さんがクロである可能性が出てくる」
発展!!
夢野「命を賭けてまでウチの犯行に協力する者なぞおらんじゃろ!!」
真宮寺「そうかナ?」
真宮寺「夢野さんのことを大事に思っている茶柱さんなら、協力してもおかしくないと思うけどネ」
真宮寺「茶柱さんは夜長さんの死体を『僕らよりも先に見ていた』けど、それをみんなには黙っていた」
真宮寺「そうすれば夢野さんがクロでも、僕が死体を見たときにアナウンスが鳴る」
真宮寺「くくっ、命を賭けた献身。何とも素晴らしいネ!!」
『ログイン・ログアウト履歴』 → 『僕らよりも先に見ていた』
夢野「その言葉ウチの魔法で一刀両断じゃ!!」 バサッ!!
夢野「いや、転子が先に死体を見ることは出来ん」
夢野「ゲーム世界のログイン・ログアウト履歴から分かることじゃ」
夢野「これによると転子は昨日の昼から、今朝アナウンスが鳴った後までずっとログインしていたことが分かる」
夢野「アンジーの死亡推定時刻の0時から6時まで転子はログアウトしていないということは、転子がうちらより先に死体を見ることが出来なかったということじゃ!!」
真宮寺「……でも、アンジーさんが0時に生きていたっていう証言は夢野さんと茶柱さんの証言だったよネ? 二人が共犯者だったとしたらそれは嘘なんじゃないかナ?」
天海「そうだとしても、俺と王馬君が昨夜食堂でアンジーさんを見ているっす。茶柱さんは昼頃からずっとログインしていたってことっすから、どうしたってアンジーさんの死体を見ることは出来ないっす」
真宮寺「……なるほど、どうやらこれは分が悪いようだネ。間違いを認めるヨ」
夢野「ようやく分かってくれたか」
夢野「つまりウチはシロということじゃ」
夢野「大体転子が共犯って……いくら転子でも、ウチのために命までは賭けんじゃろう」
茶柱「そんなことありませんよ!! 転子は夢野さんのために死ねるなら本望です!!」
夢野「………………」
王馬「重い愛だね」
茶柱「べ、別にいいじゃないですか!? ほら、夢野さんだって感動のあまり声が出な――」
夢野「愛が重い……」
茶柱「な、何で引いてるんですかっ、夢野さん!?」
百田「でも、だったらクロスボウの仕掛けはどういう意図で設置されてたんだ?」
百田「教会の扉を開けたやつをクロにするためじゃなかったのか?」
王馬「実際クロスボウから矢は発射されてアンジーちゃんに命中している。しかも命を奪ってもおかしくはないという位置にね」
王馬「なのに夢野ちゃんがクロじゃないってなると……考えられる可能性は一つ」
王馬「アンジーちゃんは夢野ちゃんが扉を開けたときには殺されていたってことだよ」
王馬「死体に矢が刺さってもクロにはならないからね」
天海「本当のクロが扉を開けた人物に疑いを向けさせるため仕掛けた罠って考えるのが自然っすね」
夢野「じゃがウチがアナウンスの件からシロだと分かっていたから不発ということじゃな」
夢野「アナウンスの条件の三人に入っていて良かったわい」
キーボ「そういえば……クロスボウって扉を開けたら発射されるんですよね」
キーボ「なら仕掛けをした人が教会の外に出ようとしたら、自分で発射してしまうんじゃないですか?」
キーボ「となると夢野さんが教会に入った時にクロはまだ中にいたということに……」
天海「いえ。あの仕掛け、糸の長さには余裕があったっす」
天海「教会の扉を少しだけ開けて、仕掛けた人が外に出ることは可能だったはずっす」
夢野「じゃがウチは知らずに思いっきり扉を開けてしまったから仕掛けを起動させてしまったということか」
キーボ「なるほどそうでしたか」
夢野「ふう……クロ容疑が晴れたのは良かったが……これで振り出しか」
夢野(誰がクロなのか……また一から話し合わないとな)
今日はここまで。続きは明後日の日曜日の予定です。
投下ー。
王馬「さて、クロスボウの件も解決したし、次は何を議論していこうか?」
夢野「そうじゃな……」
夢野(モノクマボールの件からも、クロスボウの件からもクロを絞ることが出来なかった)
夢野(議論がこうも進んでいるのに、クロの手がかりを得られんな……)
百田「なら、あの教会が爆発したことはどうだ?」
百田「よく分からねえが、あれはどう考えてもクロの仕業だろ?」
夢野「そうじゃな……どういう意図で行われたのか考えてみるか」
天海「教会の片隅に仕掛けられたトラップ」
天海「その爆発の規模は教会全部を吹き飛ばすほどだったっすね」
星「爆発ってことだし、やっぱり誰かを殺すためのものじゃないのか?」
王馬「うーん……そう考えてもおかしくないけど……」
王馬「トラップだとしたら一つ足りない物があると思うよ」
夢野(トラップのために足りないもの……? それは――)
『選択肢を選べ!!』
1爆発では人を殺せない。
2爆発に引っかけるための物が無い。
3やっぱり爆発では人を殺せない。
『2爆発に引っかけるための物が無い。』
夢野「これじゃ!!」
夢野「あの爆発のトラップは教会の片隅に用意されていた物じゃった」
夢野「あまり人が来る場所では無かったから、普通にしていても引っかかるとは思えない」
夢野「なのに踏ませようとするための仕掛けが見当たらない。それはおかしいのではないか?」
王馬「例として言えば前回の裁判の時、東条ちゃんが仕掛けたトラップだね」
王馬「あれは何も無い部屋仕掛けられていたトラップだったけど、それに引っかけるために最原ちゃんを呼びだしていた」
王馬「その呼び出しに値する物が今回のトラップには無いんだよ」
天海「偶然を期待するなら、教会の片隅じゃなくて、もっと人が通りそうな場所に仕掛けるのが自然っす」
天海「クロスボウの仕掛けがそうっすね。教会に入る人が必ず使う入り口の扉と連動していたっすから」
天海「でもそうでは無いってことは……あのトラップは人を殺すために仕掛けられたものでは無いんじゃないっすかね?」
茶柱「でしたらどのような意図であれは仕掛けられていたんですか?」
キーボ「そうですね……アンジーさんのアバターがあった教会を丸ごと吹き飛ばしたということは」
キーボ「クロが証拠を隠滅するために仕掛けたんじゃないですか?」
夢野「証拠の隠滅……」
夢野「そうじゃな、実際教会は破壊されてさらに捜査することは困難になった」
夢野「気になるところは全部見たつもりじゃが……それでももし見逃した証拠があったとしたら、その意図は叶ったことになる」
真宮寺「でも、それならトラップにしないで、さっさと爆発させておけばいいことだよネ?」
百田「そうだな。証拠隠滅のためなら、捜査前に爆破すればいいだろ?」
夢野「そ、それは……そうじゃ、すぐに爆発させてはクロスボウの仕掛けでクロの疑いを逸らすことが出来なくなるからでは無いか!?」
天海「うーん……誰かに疑いを逸らすよりかは、そもそも情報を与えない方が裁判を勝ち残る上ではいいと思うっすね」
真宮寺「仮にそうだとしても、結局どうやって踏ませるかの問題が解決していないヨ」
茶柱「難しいですね……」
夢野「どうやって踏ませる……か。キーボが偶然発見しなければ見向きもしなかったわけじゃしな」
王馬「うーん……釈然としないけどこうかな」
夢野「王馬、何か分かったのか?」
王馬「あくまでオレの考えなんだけど――」
王馬「この爆発は今回の事件と関係無いんじゃない?」
夢野「んあっ!?」
王馬「人を殺すためでも無いし、証拠を隠滅するためでもない」
王馬「クロが仕掛けるメリットが無いし……今回の事件とは別の思惑で仕掛けられたんだよ」
王馬「捜査時に爆発したってことは、事件にも関わっていないわけだしね」
夢野「じゃが死体発見現場にあった怪しいものじゃぞ!! 事件に関わらないわけないではないか!?」
王馬「それは……まあ偶然とか?」
夢野「それに別の思惑って……あんな物騒な物を仕掛ける理由がそうあるのか!?」
王馬「それも分からないけど……」
夢野「……歯切れが悪いな。何か隠しているのか?」
王馬「別にはぐらかしているわけじゃないよ」
王馬「夢野ちゃんがオレのこと高く買ってることはありがたいけど……オレだって何でも知っているわけじゃないからね」
王馬「今回の爆発は本当にどういう意図か分からなくて……」
王馬「でも、クロが仕掛けたと思えないからさっきの発言をしただけ」
王馬「いろいろ聞かれても、正直こっちが聞き返したい状況だよ」
夢野「………………」
夢野(王馬の言葉には勢いがない)
夢野(嘘吐きの王馬じゃが……それでもこの言葉は本音のように思えた)
夢野「そうか……悪かったな、いろいろ問いただすようなマネをして」
王馬「いや、いいよ。慣れてるしね」
夢野(返す言葉も本音のように思えた)
天海「そうっすね……爆発の意図は気になるっすけど」
天海「王馬君の言う通り、仕掛けたと思える理由が見当たらないっす」
天海「議論の時間も有限なので、ここはまた別の証拠から議論を進めないっすか?」
百田「そうだな、分からないことに固執して時間切れなんて回避しねーとな」
星「それなら言いそびれていたが、夜長の致命傷が分かった件から行くか?」
茶柱「致命傷ですか?」
夢野「今回は死体の検分が不完全で分からんかったが……そうか、先ほどの話し合いから確定したな」
夢野(アンジーのアバターにあった傷は二つ。致命傷となったのは……)
『選択肢を選べ!!』
1頭を打った痕
2矢が刺さったこと。
『1頭を打った痕』
夢野「これじゃ!!」
夢野「ウチがシロであることから、矢はアンジーが死んでおるところに刺さったことが分かった」
夢野「アンジーのアバターにあった傷は二つのみ」
夢野「ならば致命傷となったのはもう一つの頭の打った痕しかない」
百田「頭の打った痕か……ハンマーで殴ったのか? あの教会にはたくさんの武器があったしな」
星「いや。捜査の時に調べたが、教会にあった武器の中に血が付いたと思われる物は無かった」
真宮寺「ならどこかに捨てたとかかナ?」
キーボ「血痕が残っているものが怪しいですよね?」
夢野(血痕といえば……一つ思い当たるところがあるな)
『証拠を提示せよ!!』
『岩の血痕』
夢野「これじゃ!!」
夢野「教会の近くにあった広場」
夢野「そこの岩に血痕が残っておったが……これがアンジーを殺した凶器ということか?」
百田「岩か。それってどれくらいの大きさなんだ?」
茶柱「結構大きな岩で地面に埋まっていて、持ち上げることも適わなかったですね」
王馬「ならアンジーちゃんをそこに突き飛ばして、当たりどころが悪くて死んじゃったとかかな?」
真宮寺「証拠を隠滅できなかったのも、持ち上げることも出来なかったからと予想出来るネ」
夢野「………………」
夢野(教会近くの広場……か)
夢野(そこに残っていた証拠と関する証言)
夢野(それを合わせると……一人のクロが浮かび上がる)
夢野(ウチはその人物を指摘して――――)
夢野「………………っ!」
夢野(思いとどまった)
夢野(そんなはずがない)
夢野(ウチが先ほどまで思い浮かべていた人物――)
夢野(ハルマキがクロなわけが無い)
夢野(あやつとは一周目からの仲間なのじゃ)
夢野(今は何やら様子がおかしいが……それでもコロシアイを憎む気持ちはウチと同じじゃ)
夢野(だから……コロシアイを起こすわけがない)
夢野(何かの勘違いじゃ)
夢野(クロは他の人物のはず。ウチは改めてそれが誰なのかを考えて――)
『怪しい人物を指摘せよ!!』
王馬「ねえ、春川ちゃん。君がクロじゃないの?」
春川「…………」
夢野「んあっ!?」
夢野(王馬がハルマキを名指しでクロと疑う)
夢野(ウチは思わず食ってかかった)
夢野「な、何を言ってるんじゃ王馬!! ハルマキがクロなわけ無いじゃろう!?」
王馬「……夢野ちゃんが何故そこまで春川ちゃんを信じているかは分からないけど」
王馬「まあ嘘は良くないよ」
王馬「本当は……夢野ちゃんだって、春川ちゃんがクロだと思っているんじゃないの?」
夢野「そ、それは……」
夢野(一瞬思ってしまったのも、王馬にはお見通しか……)
夢野(ウチが図星を突かれて言葉に詰まっていると、もう一人ハルマキのシロを主張する者が現れた)
百田「ハルマキがクロなわけねーだろ!!」
王馬「……まあ、だろうね。百田ちゃんならそう言うと思ったよ」
百田「ああ、そうだ!! 予想通りだろうと俺は言うぞ!!」
百田「ハルマキはクロじゃねえっ!!」
百田「大体、どうしてハルマキがクロだって話になったんだ!!」
百田「その岩の血痕とやらが今回の事件に関わったとは限らないじゃねえか!!」
『証拠を提示せよ!!』
『モノクマレーダー』
王馬「これだよ!!」
王馬「教会近くの広場にね、落ちていた物があるんだ」
王馬「それがアンジーちゃんが持っていたと思われるモノクマレーダーだよ」
王馬「こんな大事な物を落とすとは思えないし……ここでクロに襲撃されたときに落としてしまったって考えるのが普通じゃない?」
百田「っ……だとしてもだ!!」
百田「アンジーがそこで襲撃されたとして、ハルマキがクロってことにはならないだろ!!」
『証拠を提示せよ!!』
『茶柱の証言』
王馬「これだよ!!」
王馬「それについては証人がいるんだ」
王馬「ね、茶柱ちゃん」
茶柱「て、転子ですか!?」
王馬「そうだよ。昨夜春川ちゃんの姿をその近辺で見たんだよね?」
茶柱「そ、それは……そうですが……」
王馬「そのときの様子についても聞いていい?」
茶柱「え、えっと……何やら呆然と立ち尽くしている様子で珍しいと思いましたね……」
茶柱「気にはなりましたがアンジーさんの行方を探るのが優先だったのと」
茶柱「望みを叶えるゲームの最中でしたから、春川さんがこちらの姿を見つければ、ボールを持っていると思い襲ってくるかもしれないと危惧してすぐにその場を離れました」
茶柱「なので……アンジーさんもそこにいたのかは分かりません」
王馬「なるほど……まあでもアンジーちゃんが襲われたと思われる場所にいたって時点でやっぱり怪しいよね」
百田「……どうしてもハルマキをクロだと言いたいみたいだな?」
王馬「そりゃあね。オレだってこんなところで死にたくないし」
王馬「クロの指摘をミスれば死ぬんだよ? 怪しいと思う者を疑うのは当然じゃん」
百田「……それはおまえの話だろ」
王馬「へえ……何? なら、百田ちゃんは仲間を疑わずに死んだって良いって言うわけ?」
百田「ああ、その通りだ!!」
王馬「っ……!」
百田「自分が信じたいと思った者を信じて生きられないなら」
百田「死んだ方がマシに決まっている!!」
王馬「……中々感心する信念だとは思うけど」
王馬「場所が悪かったね。このコロシアイ学園生活には合わないよ」
百田「場所やルールに俺の生き方を曲げさせてたまるか!」
百田「何度だって言ってやるぞ!! ハルマキはクロじゃねえって!!」
王馬「………………」
王馬「……あっそう」
王馬「でも、百田ちゃん一人頑張ったって意味ないんだよ」
王馬「学級裁判は多数決。百田ちゃんが認めなかったところで、クロ指名は覆らない」
百田「おまえこそ分かってねえなっ! それくらいで俺が信念を曲げると思っているのか!?」
王馬「分かってるよ……だからイライラしてるんじゃん」
夢野「………………」
夢野(王馬がらしくもなくイラついておる)
夢野(珍しいが……そのことに構っている暇はない)
夢野(そうじゃウチだってハルマキがクロだとは思えない)
夢野(一刻も早く百田に加勢して、この雰囲気を覆さなければ……!!)
夢野(そうしてウチが口を開こうとした――そのとき)
春川「もう止めて!!」
王馬「……やっと口を開いたね」
百田「ハルマキ……やっと反論してくれるんだな?」
春川「………………」
百田「え? ……な、何黙ってんだっ!?」
百田「早くこの分からず屋に真実を――」
春川「ごめん、百田」
百田「謝るんじゃねえ!!」
百田「俺が聞きたい言葉はそうじゃなくて……!!」
春川「信じてくれてありがとう」
春川「でも私は百田に信じてもらえる価値なんて無いんだよ」
春川「夜長を殺したのは……今回の事件のクロは私だから」
夢野「んあっ!?」
王馬「やっぱり……」
百田「っ……どうして……」
春川「ずっと黙っていようと思った」
春川「でも……駄目だよ」
春川「私は……百田、あんたが一人責められているのを見て黙っていられない」
百田「そ、そんなことあるわけが……!」
王馬「何言ってるの?」
王馬「ねえ、百田ちゃん。君はさっき仲間が信じられないなら、死んでも構わないって言ったよね?」
王馬「なのに……どうしてその仲間が自分がクロだって言ったことを信じないの?」
百田「っ……そ、それは……!!」
王馬「結局百田ちゃんは仲間を信じているんじゃなくて」
王馬「自分が信じたいことを信じているだけ」
王馬「仲間思いに見えて……ただの自己中」
王馬「それを嘘を吐いて綺麗に見せて……そんな嘘、反吐が出るよ」
百田「ち、違う……」
百田「俺は…………そうじゃなくて……」
春川「王馬ももう止めて」
春川「悪いのは百田じゃなくて、私なんだから」
王馬「……まあいいよ。もう言いたいことは言えたし」
王馬「今は裁判に集中しないとね」
王馬「それで春川ちゃんがアンジーちゃんを殺したってことで間違いないんだよね?」
春川「そうだよ」
王馬「その目的はやっぱりモノクマボールなの?」
春川「……そうだよ」
春川「私にはどうしても叶えたい望みがあって」
春川「あのとき、アンジーを偶然見つけて……だからモノクマボールを奪おうと思って争いになって」
春川「殺すつもりは無かった……でも」
春川「抵抗するアンジーを突き飛ばしたら……そこには岩があって、頭を打ち付けて……」
春川「茫然として……気づいたらアンジーの身体は動かなくなっていた」
春川「私は望みに目が眩んで……取り返しの付かないことをしてしまった」
春川「夜長の死体を見ることが出来なかったのも……そのせいだよ」
王馬「……さて、自白も引き出せたし決定だね」
王馬「事件の振り返りは……話してくれたし必要ないか」
王馬「モノクマ、早く投票に行ってよ」
夢野「ま、待つんじゃ!!」
夢野「ハルマキがクロってことは……おしおきされるということか!?」
夢野(動揺して分かり切っていることを聞いてしまう)
夢野(言った瞬間に気づいて、ウチも焦っていたことを自覚するが――)
天海「ルールに沿えばそうっすけど……」
天海「でも今回に限っては違うっすよ」
夢野「………………え?」
夢野「ど、どういうことじゃ?」
夢野(自分でも否定されるとは思っていなくて、聞き返してしまう)
天海「鍵は望みを叶える権利っす」
天海「春川さんはアンジーさんを殺して、持っていたモノクマボールとレーダーを奪ったっす」
天海「モノクマボールを奪われたと言ってたっすがそれは嘘。暗殺者という最強の戦闘力を持つ春川さんか、レーダーを手に入れた時点で鬼に金棒」
天海「七つ集められない訳がないっす」
天海「そうやって望みを叶える権利をゲットして……でも気になるのはアンジーさんを殺してしまったこと」
天海「望みを叶えても、これが裁判でバレてはおしおきされてしまう」
天海「だとしたら保険をかけるに決まってるじゃないっすか」
天海「望みを叶える権利を保持し続けて裁判で勝ったならば、そのときに改めて権利を使い自分の望みを叶える」
天海「負けたなら、そのときはコロシアイの終了を望むことで生き延びる」
天海「その際は自分の望みを叶えられないっすが……まあ命より大事な物は無いっすよ」
天海「死を間際にして、春川さんが落ち着いているのもそれが理由っす」
夢野「………………」
夢野(天海の言葉はなるほどと思ったが……)
夢野(前提が違う)
夢野(ハルマキの望みは百田の病気を治すこと)
夢野(つまり……今の百田の様子を見るに)
夢野(既に望みを叶える権利を使った可能性が高い)
夢野(そうじゃ、ハルマキは自分の命を犠牲にしてでも百田を救うことを望んでいた)
夢野(今落ち着いているのも、死を受け入れているだけだから)
夢野(だとしたらやはり……ハルマキのおしおきは避けられないことに……!!)
天海「ということで……春川さん、今このタイミングでコロシアイの終了を望むっすよね?」
夢野「ハ、ハルマキ……!!」
二人が各々の想定を持って、春川の方を見る。
対して、視線を向けられた春川は口を開き言葉を紡ぐ。
――二人の想定とは違った言葉を。
春川「……え? 何のこと?」
春川「私はモノクマボールを集めてない」
春川「望みを叶える権利なんて……手に入れてないよ」
天海「………………え?」
夢野「………………んあ?」
春川「確かに嘘は吐いてた」
春川「私はモノクマボールを奪われたんじゃない」
春川「夜長を殺してしまった瞬間……モノクマボールが恐ろしい物に見えてきて」
春川「これがあるから私は惑わされてコロシアイをしてしまった」
春川「そう思うと……持っているのも駄目で、その場に投げ出して逃げ去ったんだよ」
春川「だからその後モノクマボールがどうなったのかは……知らない」
夢野「ど、どういうことじゃ……!?」
天海「春川さんがモノクマボールを集めてない……!?」
夢野(その言葉に色んな前提が崩れる)
夢野(百田が春川の望みのおかげで病気が治ったという前提)
夢野(クロがモノクマボールを集めきったという前提)
夢野(そしてさらに恐ろしいことに気が付く)
夢野(モノクマの言葉から、モノクマボールを七つ集めた者がいることは確定しておる)
夢野(だとしたら……ハルマキがモノクマボールを集めていないならば――)
夢野(一体誰がモノクマボールを集めたんじゃ?)
王馬「……ふうん、春川ちゃんも強かだね」
王馬「この局面で……最後の一発逆転を狙って嘘を吐くなんて」
夢野「う、嘘じゃと!?」
王馬「冷静に考えてアンジーちゃんを殺した春川ちゃんがモノクマボールを集めきってないわけ無いじゃん」
王馬「つまり、嘘ってこと」
王馬「目的はオレたちの推理を混乱させるためだろうね」
王馬「本当は望みを叶える権利を持っていて……クロとして卒業して自分の望みを叶えるつもりってことなんだよ!!」
夢野「なっ……!?」
夢野(王馬の言葉は……すぐに間違いじゃと気づいた)
夢野(ハルマキの望みは百田の病気を治すこと。卒業してはシロの百田も死んでしまう)
夢野(そんなこと狙うわけがない)
===================
百田「……っ、さっきは悪かったな!!」
百田「俺はもう迷わねえ!!」
百田「ハルマキ、おまえの言葉を信じる!!」
百田「おまえはモノクマボールを集めていない!! そうなんだな!!」
天海「だとしたら……一体誰がモノクマボールを手にいれたんすか……!?」
キーボ「やっぱり王馬君の言う通り、春川さんの嘘なんですよ!!」
茶柱「も、もう転子には何が嘘で何が本当なのか分かりません!!」
星「クールじゃねえが……気持ちは分かる」
真宮寺「くくっ、阿鼻叫喚の地獄絵図だネ」
夢野(何が嘘で何が本当なのか)
夢野(みんなが混乱する中……ウチは一人だけ分かっていた)
夢野(ハルマキの言葉は本当だと)
夢野(だとしたら……この事件の水面下にはまだ何がが潜んでおる)
夢野(分かっているのに……)
夢野(怖じ気付いてしまう)
夢野(何を言えばいいのか分からない)
夢野(あと一歩の勇気が出ない)
夢野(そうして何も言えないまま――――)
モノクマ「終了ーーっ!!」
夢野「んあっ!?」
百田「はあっ!? 何言ってるんだ!!」
モノクマ「え? だってさっき王馬クンがさっさと投票に行って、って言ったでしょ?」
夢野「そうじゃが……そこからまた状況は変わって……!!」
モノクマ「はいはい、ていうかもうあれ以上議論しても泥沼でしょ?」
モノクマ「だったら思い切りよくスパッと決めるのも必要だと思うよ」
モノクマ「というわけで改めて……それじゃ行きましょう、投票ターイム!!」
モノクマ「みなさんお手元のパネルから、クロと思われる人物に投票してください!!」
夢野「………………」
夢野(誰がクロなのか……ウチは……)
夢野(………………)
モノクマ「おっと投票も終わったみたいだけど…………」
モノクマ「……あれ?」
王馬1票 春川7票
モノクマ「えっとちょっと待ってね」
モノクマ「投票先は……百田クンが王馬クンに投票、その他7人春川さん自身も含めて春川さんに投票」
モノクマ「そして夢野さんは無投票?」
モノクマ「もう駄目だよ? そうやって選挙に参加しないから、近頃の政治は若者を軽視するんだよ?」
夢野「じゃが……ウチは誰がクロなのか分からなくて……」
モノクマ「ふうん……まあいいや。どうせ夢野さんが誰に入れても結果は変わらないしね」
モノクマ「というわけで進めます!!」
モノクマ「では選ばれた人物がクロなのか、シロなのか……」
モノクマ「ワックワク、ドッキドキの結果発表――っ!!」
ルーレットが回り始める。
みんなが息を呑んで見守る中。
それは次第にスピードを落として――――――
???????? のところで止まったのだった。
夢野「なっ…………!?」
王馬「…………え?」
春川「ど、どういうこと……?」
真宮寺「へえ……」
モノクマ「というわけで不正解ーー!!」
モノクマ「超高校級の暗殺者、春川魔姫さんはクロではありませんでしたーー!!」
モノクマ「みんなの連勝記録もここまでだね!!」
モノクマ「見事みんなを欺いたクロが卒業決定!! シロのみんなはおしおきだよっ!!」
夢野「え…………?」
夢野(ハルマキがクロでは無い?)
夢野(自分で犯行を認めているのに?)
夢野(なら、一体誰がクロなんじゃ?)
夢野(というより……シロがおしおき?)
夢野(ウチらは死ぬのか?)
夢野「い、嫌じゃ!! ウチは死にたくないっ!!」
モノクマ「もう、夢野さんはワガママだなぁ」
モノクマ「でも、指名を間違った以上おしおきは避けられないんだよ?」
夢野「も、もう一回チャンスをくれんか!?」
夢野「次こそ当ててみせる!!」
夢野「そうじゃ、おかしいとは思ってたんじゃ!! ハルマキは嘘を吐いていないのじゃから!!」
モノクマ(?)「……なら、その言葉忘れないんだよ」
夢野「……え?」
モノク?「まだ…………終わっていない………」
モノ??「これは…………ウチの………………想像……」
モ???「最悪の…………可能性……」
????「おぬしは………………こうならないように…………」
夢野(?)「勇気を……出すんじゃぞ」
夢野「……え? ウチ?」
===================
夢野「――――――――――――はっ!?」
夢野「ウ、ウチは……」
夢野(い、今のは一体何じゃ……?)
夢野(混乱するウチが一つだけ分かったことは、目の前の状況に既視感があるということじゃった)
百田「……っ、さっきは悪かったな!!」
百田「俺はもう迷わねえ!!」
百田「ハルマキ、おまえの言葉を信じる!!」
百田「おまえはモノクマボールを集めていない!! そうなんだな!!」
天海「だとしたら……一体誰がモノクマボールを手にいれたんすか……!?」
キーボ「やっぱり王馬君の言う通り、春川さんの嘘なんですよ!!」
茶柱「も、もう転子には何が嘘で何が本当なのか分かりません!!」
星「クールじゃねえが……気持ちは分かる」
真宮寺「くくっ、阿鼻叫喚の地獄絵図だネ」
夢野(これは先ほどの議論が打ち切られる直前の状況?)
夢野(そうじゃ間違いない)
夢野(どういうわけか分からんが……このまま黙っていては先ほどのビジョンと同じになるのじゃろう)
夢野(それだけは……絶対に嫌じゃ)
夢野(怖じ気付いてしまう? そんなこと無い!)
夢野(何を言っていいのか分からない? そんなの知るかっ!!)
夢野(あと一歩の勇気が出ない? そんなの言っている場合かっ!!!)
夢野(ウチはチラつく最悪の可能性を頭から振るい払って――声を上げる!!!!)
夢野「それは違うぞ!!」
夢野「ハルマキはクロではないっ!!」
偽証!!
夢野の言葉に混乱していた裁判場のざわめきがピタッと止んだ。
王馬「……ねえ、夢野ちゃん?」
王馬「今、何て言ったの?」
夢野「何度でも言うぞっ!! ハルマキはクロではないっ!!」
春川「夢野……何言って……?」
百田「おうっ、ガツンとかましてやれっ!!」
キーボ「ど、どうなっているんですか……?」
星「さあな。俺にもどういうことだか……」
茶柱「何が何だか分かりませんが……転子は夢野さんのことを信じています!!」
天海「いや……だとしても……だったら……一体……」
真宮寺「くくっ……興味深いネ」
それぞれの反応があって最後に。
王馬「それは嘘だね」
夢野「………………」
夢野(流石は王馬じゃな)
夢野(その通り。ハルマキがクロではないという根拠は他人に言っても気が狂ったのではないかと思えるビジョンしかない)
夢野(それでも……嘘を吐いてでも動かないと行けなかった)
夢野(気を抜くと襲ってくる、シロ全員おしおきのビジョン)
夢野(あの光景を嘘にするために)
夢野(ウチはこの嘘を真実にしてみせる……!!)
今日はここまで。続きは明後日予定。
乙なのです。
>春川「確かに嘘は吐いてた」
>春川「私はモノクマボールを奪われたんじゃない」
>春川「夜長を殺してしまった瞬間……モノクマボールが恐ろしい物に見えてきて」
>春川「これがあるから私は惑わされてコロシアイをしてしまった」
>春川「そう思うと……持っているのも駄目で、その場に投げ出して逃げ去ったんだよ」
>春川「だからその後モノクマボールがどうなったのかは……知らない」
これが真実ならモノクマボールを手に入れた人物がいるのと、さらにアンジーを磔にした人物がいるってこと……?
となると本当にハルマキがクロじゃなくて実は生きていたアンジーにトドメを刺して磔にしたクロがいる、とかありそう
自分の親しい友達も半分死んでしまった。 放送でみんなを止めようとしていた津川麻保(女子9番)をはじめ、明るい女子バスケ部キャプテンの西智美(女子14番)、優しかった原田千秋(女子16番)、関西弁でいつもみんなを笑わせていた緑沢風美(女子18番)。 残っているのは、大人しくて風美と1番親しかった土井雫(女子10番)、そしてなつみが1番親しくしていた徳永礼子(女子11番)
ああ、どうして――
水色と朱色のグラデーションの空。
薄汚れた校舎の壁。
愛用していた錆びた非常階段。
一部が切り取られたように欠けた手摺。
そこから差し伸べられた手。
それらが遠ざかっていくのが、妙にゆっくりと感じられた。
大きな音。
後頭部に、背中に、走る衝撃。
全身を走る激痛。
悲鳴。
駆け寄る足音。
騒ぐ、いくつもの声。
ああ、落ちたのか。
そう自覚した時には、意識は朦朧としていた。
それでも、確実に、聞こえた。
声の主が誰かまでは、朦朧とした意識の中で判別することができなかったけれど。
「 」
どうして。
どうしてこんなことになってしまったのか。
わからない。
わからない。
ただ、これだけはわかる。
自分の考えは、間違っていたこと。
そして――
守護星は、偽りであったこと。
女子1番・相原香枝(あいはら・かえ)
陸上部。元文化委員長。
お人よしのために他人に押されている感じがある。
実月裕太(男子18番)とは幼馴染。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
ペア:
実月裕太(男子18番)
支給武器:
釣り糸&軍手
kill:
実月裕太(男子18番)
killed:
都竹航(男子11番)
死亡話数:
44話
凶器:
シグ・ザウエルSP2340
E=07エリアに裕太と潜伏していたが、裕太の冷たい態度に激怒。自分が殺されると考え、裕太を絞殺。スタンガン入手。
これ以上誰も殺さずに生き残る事を決意。
C=05エリアに潜伏していたが、隣の家から銃声が聞こえ、逃げ出した。それが原因で航に見つかり、頭部に被弾し死亡した。
この子もうちょっと引っ張るべきだったかも・・・
お人よしだったか?とかいうツッコミはご遠慮願います(をい
実はこの子も女子委員長だったんですけど、優ちんに譲りました(苦笑
(by あいすくろー様)
☆皆さんから送っていただいた生徒32名+管理人の考えた生徒8人が出ています。
送っていただいた生徒たちは、話の流れの都合・管理人のイメージ(?)で
設定が変わっている人がいますがご了承願います。
ドラマ&映画『人狼ゲーム ロストエデン/インフェルノ』
@jinrogame_movie
「人狼ゲーム」新シリーズ!
★TVドラマ:ロストエデン放送中
★劇場版:インフェルノ4月7日公開
出演:武田玲奈、小倉優香、上野優華、勧修寺保都、松本享恭、吉原拓弥、久田莉子、時人、米本来輝、平松賢人、山地まり、大和孔太、都丸紗也華、貴志晃平、吉原雅斗、山田智史、海田朱音、玉城裕規、小松彩夏、水野勝、足立理、加藤虎ノ介
jinro-game.net
みかど(春日野P)
@wishstar1208
神奈川県横浜市在住。WEBではオリバト評論家(主に、バトルロワイアルという小説の二次創作/続編もの)をしております。ニコマスでは動画を連載中。秋月律子、梅木音葉、西園寺プロダクション、伊集院北斗のPです。twitterは2011/10/28から開始したはず。多分。
geocities.co.jp/SiliconValley-…
みかど(春日野P)
みかど(春日野P)
@wishstar1208
|ェ`;)桜坂高校1-Aの生徒たちは他クラスに(連絡をとる)友達はいないのか?というツッコミは止めてさしあげて
ロボットチェスって知ってるかい?
そう。私たちの大陸で十年に一度催される、
大陸の覇権を賭けたデスゲームさ。
盤上で天使たちは優雅に笑い、
悪魔たちはほくそ笑み、
人間たちはただただ翻弄される。
私、ロージュ・ウルグヴァントは、
偉大なる人間王の軍師として、
今回の戦いに挑むことになったんだ。
もとより険しい戦いは
覚悟の上で臨んだロボットチェス。
しかし盤上で私を待っていたのは、
想像していたよりもはるかに
巨大で過酷な“運命”であった。
遥か彼方、クロラロラ大陸で催される機動チェス。
はたして勝つのは天使か悪魔か人間か……。
とある世界で行われている“ゲーム”を描いたファンタジーノベルゲームです。
本作はその体験版ですが、物語が一区切りするところまで進みます。
この
××××××は生きるために必死だった。
発表されたモノクマの追加動機。
一つだけ何でも望みを叶える。
生き残っている生徒は十人。
対して叶えられる望みは一つ。
つまり残りの九人は望みを諦めなければならない。
××××××はどうしても望みを叶えなければならなかった。
だが、ここまで生き残ってきたのは個の強い生徒たち。
それぞれが胸の内に野望を秘めている。
事情を話したところで引いてくれるとは思えない。
だから××××××は。
他の生徒を押し退けてでも望みを叶えるために――――――
………を………み、…………を…………だ。
フリーゲーム夢現(無料ゲーム紹介)
@freegame_mugen
フリーゲーム夢現の公式Twitterです。
主にサイトに投稿された無料ゲームを画像付での紹介と、フリーゲームへのレビューコメントを掲載しています。
サイトに関するお知らせやフリーゲーム関連NEWSをRTしたりもします。サイト運営に意見や提案くれる方大好き。
#フリーゲーム #無料ゲーム
18禁版は @elogtokyo
日本freegame-mugen.jp
明美譚
由芽子
呪われた廃墟屋敷「最上邸」に女子中学生二人が閉じ込められる
屋敷からの脱出を試みるか、それとも真相を探るか
心霊系ホラー
■あらすじ
主人公、継見ヒロキが住む禎尾(さだび)市には『禎尾森放送局跡』という有名な心霊スポットがあった。
廃墟となったこのラジオ局には様々な『噂』がある。
この『噂』に異常な興味を抱き、そしてある日突然行方不明となってしまった親友、茅野凛太郎を探すために、ヒロキはインターネット上で情報収集を始めるのだが……
?『話してはいけない噂』を回避しつつ情報を集めて真相にたどり着け?
電子の海を漂う、忘れ去られたマスコットキャラクター『だびぽん』が、あなたの前にも現れる。
公式サイト
http://dbpn.top/
※ 出演キャスト・制作スタッフの詳細は、上記公式サイトより御覧ください。
(Mac版等もそちらからDLお願い致します)
■掲載・受賞情報など
2017/04/27 第12回ふりーむ!ゲームコンテスト、アドベンチャー部門金賞を受賞しました。
2016/12/1発売「週刊ファミ通」様の「とっておきインディー」コーナーにてご紹介頂きました。
その夜、オレは兄ちゃんを襲ったのか?!
短編BLアドベンチャーノベル
<ストーリー>
朝、それは突然のことだった。横を見ると裸の兄。
更に兄は昨晩、真人に襲われたと言うのだ。
しかし、真人には昨晩の記憶がない。
そこで真人は兄の部屋で無実の"証拠"を探すことにした。
<説明>
短編ボーイズラブADVです。
同性愛、近親相姦、下ネタ 等の表現が含まれます。
苦手な方はプレイをお控えください。
プレイの際は自己責任でお願いします。
ゲーム中の探索パートでの行動、選択肢により物語が進行します。
EDは4つ。スチルは3つ。
◆タイトル
Project OJSM 1st scene 夕陽の面影─追憶と約束─ 完成版
◆ジャンル
オジサマ好きの女性向け恋愛ゲーム
◆制作ツール
ティラノビルダー
ティラノスクリプト
◆プレイ時間
1周約1時間~2時間程(およその目安です)
◆ゲーム紹介文
高校生である主人公あまね(名前変更可)は三年生になってからというもの受験勉強で大忙し。
とある日、相楽春美と名乗る中年男性が現れてからというもの、あまねの日常に次々と変化が訪れる……。
時折、悪夢にうなされ、謎の発作が起きる様になったあまね。
気になりつつも、進路について頭を抱えていたあまねは、意を決して人生の先輩である、身近なおじさまを頼る事にしたのだった。
※以前公開した、体験版を完成させたものです。
スチルの追加など大幅なボリュームアップをしています。是非お楽しみ下さい!
◆END数
3つ
◆スチル数
合計15枚
◆公式サイト
https://project-ojsm.jimdo.com/
◆公式Twitter
@Project_OJSM
◆最新バージョン
ver 1.01(2017/10/30更新) 誤字・脱字修正のため。
ver 1.0 (2017/10/27公開)
**********************************************************************
※誹謗中傷や作品の世界観を壊すものはお控えください。
当ゲームはフリーウェアでの提供ですが、著作権は放棄しておりません。
二次加工、ゲーム内容の改変、無断配布、無断転載は禁止しております。
ご理解の程、よろしくお願い致します。
※この作品には『BL要素』が含まれます。
学校からの帰り道、突然走り出した友人を追いかけ、
主人公が辿り着いたのは無人のはずの洋館だったが……
■主人公を操作し、洋館内を探索するゲームです。
謎解き要素は無く、アクションや戦闘も有りません。
ただ少し風変わりな洋館内を探索し、物語を進めるだけのゲームです。
■ゲームタイトルは“ぎんもくせいのよる”と読みます。
ボクはモノえもん。
未来ヶ丘学園の学園長なのだ!
我が校は映像コンテンツのクリエイターを幅広く育成するための専門校。
生徒たちには課題として「アダルト動画」を制作してもらいます。
でもオトコの子たちが「射精」せずに「放尿」なんかしていると、「学級試写会」で失格して......オマエラにはワックワクのドッキドキのおしおきタイムが待ってますよ!
特殊な実を食べることで無性から性別が分かれる人種"クリオネ"をクズな主人公がペットにして陵辱!
――ストーリー――
ある日、暇を持て余していた主人公。
暇つぶしに向かった闇オークションの会場で、美しい3人の"クリオネ"を目にする。
主人公は彼らをペットとして購入し、その中の1人を蹂躙していく。
※本作はノブル編のため、他2人のルートはありません。
※18歳未満の方はプレイをすることができません。
※製品版にあるバッドエンドには女体化エンド、残酷表現があるエンドがありますので、苦手な方はご注意ください。
――製品版はこちら!――
・DLsite (432円)
http://www.dlsite.com/girls/work/=/product_id/RJ217864.html
・BOOTH (300円)
https://nanaka7.booth.pm/items/741054
・デジケット(432円)
http://www.digiket.com/work/show/_data/ID=ITM0166996/
・DMM (432円)
https://www.dmm.co.jp/dc/doujin/-/detail/=/cid=d_124440/
実家ぐらし独身25歳
今年33歳の兄が結婚し、兄嫁が「私達が義実家で同居してあげますので義妹さんは成人したら出ていってください」と発言し
私の両親に突っぱねられ、両親が兄を叱り飛ばしたのが5年前
「義両親に孫の顔を見せに来ましたよ」と兄嫁が赤ちゃんと二人で家に押しかけてきたのが二週間前
赤子がいるので私が何を言っても両親も追い出せず、兄はデスマーチで迎えにこれず
「義実家車2台あるんですね!義妹さん若いのに好きに車使えてズルい!」と言い出したのが先週
車は自腹で買った通勤用のN-BOX
今日、本当は休みだったんだけど、職場で一人インフルにかかり、急遽職場に来てほしいと電話がかかってきたのが今朝の8時半
昨日深夜0時ごろまで働いてたので寝ぼけてた私は急いで準備して鍵を持って駐車場に行ったのが9時
そこにあるはずの車がなかった
警察に通報して仕事に行ってる両親にも電話して判明したことは、兄嫁がスペアキーを使い、私の車で勝手に出かけていたこと
現在タクシーで急いで職場に向かってるが、会社にも迷惑をかけて、兄嫁は怒られるとわかった途端バックレて音信不通
警察には110して通報済だし、絶対に許さない
恋
最近バイト始めたんだけど、うわぁ……てなるキラキラネームのバイトの男の子がいた。
『海優都』で『ミュウト』って読むんだって。
まぁ頑張れば読めなくもないが、よくこんな名前付けたなこの子の親御さん……
名前はちょっと変えたけど、発音はまんまこれのキラキラネーム。
キラキラネームって幼い子に多いものだと思ってたけど、高校生や大学生にもいるんだね。びっくりした。
原作:僕のヒーローアカデミア
タグ:オリ主 オリ主 オリジナル展開 ギャグ
轟の中学生時代にオリジナル要素ぶっ混んで馬鹿やらかす話です。
なんか高校生活を楽しみにしてくれてる人がいるっぽいので同時進行していきます。
優しい人から連載にした方が良いという意見を貰ったので連載になりました!連載になっても一話事の文字数は変えるつもりはありません!ごめんね!
優しい人ver.2から最新話が読みにくいので閉話を上にした方が良いとの意見を貰いましたので閉話を上にしました!
ツルショタどういうつもりなんだろう?
暗殺者の自白じゃお騒がせ宗教娘が磔になっていた事の説明が付かないのに、それをスルーして投票タイム?
ツルショタがクロなんじゃないか?
お騒がせ宗教娘は本当は生きていたけど、そのタイミングで麻酔を打たれて死んだように眠っていた
暗殺者は睡眠不足の上パニックを起こしてそれに気付かなかった、でどうだ?
その時間にログアウトしてる☆が犯人じゃないか
About this plan - この企画について
この企画は、水金翔が管理するStar☆Dustとユウキナオが管理するN.enu.の、2人でひとつの作品を作り上げていくコラボレーション企画です。
2010年3月でStar☆Dustが10周年、N.enu.が6周年を迎えることとなり、読者様への感謝の気持ちを込めてこの企画を立ち上げました。
ここまでサイトを応援してくださった皆様、これからの読者様、すべての方に楽しんでいただけたら幸いです。
本編等を読んで頂く前に、何点か注意事項がございます。
【注意事項】
水金とユウキ、2人のリレー形式で本編が進んで行きます。
本編、番外編共にブログに掲載していきます。
生徒数6人の少人数プログラムです。
本編と番外編を平行して進めていく予定です。
それでは、ごゆっくりお楽しみください。
[参加サイト]
Star☆Dust@水金翔
N.enu.@ユウキナオ
この、復讐相手がシャッフルされた館で。
作者:DAi
YouTube/ニコニコ動画で、動画版を連載しております。
https://youtu.be/A6a75BErduo
http://www.nicovideo.jp/watch/sm32502710
<あらすじ>
他人の魂持ち、魂から記憶が感じられる館。
その魂を介せば、他人と仲間になるのも敵となるのも一瞬だ。
ここでは、頭脳戦ゲームが繰り広げられる。
引き籠りの飛鳥は、主体的に動けない。
そこで、目的を与えてくれた衣鈴と出会い、ゲームの首謀者を突き止めようとする。
だが飛鳥は、次第に復讐の渦に飲み込まれていき、殺人を誓うことになった。
キリカ
@yare70813375
【閲覧用】戦隊(やられ等)/筋肉/アンダーアーマー&ピチユニ等//ホモ/学生/裏の裏アカ/女性厳禁/画像は拾いです。
自分が興味ある画像&動画ツイートの方をフォローしますので、無言フォロー、フォロー外しやフォロバ無しでよろしくお願いします
Kuromi
@sentai_lover
(???) ??All the world of hero spandex bulges can't escape my sight
Asia
第一章 魂の奪い合い(1)
第一章 魂の奪い合い
【一】
「お、俺を殺しに来た!?」
鍵はしたはずだ。だから、インターフォンに応えなければ、何事もなくこの場を終えられるはず。窓がないビジネスホテルのような個室で、天崎飛鳥あまさき あすかは一歩二歩後ずさりをした後、数回深呼吸をした。
ただインターフォンが鳴っただけだ。それなのに、扉と枠の僅かな隙間や鍵穴から、飛鳥を襲わんとする意思が漏れ出て向かってくるように感じて、さらに後ろに下がった。
だがそれも仕方ない。部屋に置かれたジェラルミンケースの中に、殺害予告にも似た招待状が入っていたのだから。
“あなた様は、殺し合いの館へ招待されました。どうか大金を手にするため、殺しを行って下さい。
あなた方は一つずつ、他人の魂を持っております。魂からは他人の記憶を感じられる。仲間にも、敵にも容易になり得るでしょう。
魂を制した者が、このゲームを制します”
窓もなく、照明もどこか薄暗い。暗さは簡単に不安に変換される。その上、自分の意志でこんな所に来た記憶はなかった。自室のPCの前で寝落ちしていたはずなのだが、なぜこんな所にいるのか分からないし、かといって部屋から出て散策しようとも思えない。
あまつさえ、伸び切っていたはずの髪がモデルよろしく整えられ、ジャージだったはずの服装が、いつの間にか白いワイシャツに黒のパンツに着替えさせられているのだ。
「何!?」
カチャリと音がする。
鍵はした。それだけは、PCゲームに溺れる引き籠りたる飛鳥は習慣的にしていた。だから間違いない。それなのに、鍵を壊したような音もなく、インターフォンを鳴らしたであろう何者かに扉を開かれてしまったのだ。
天海
キーボ
茶柱
星
男子1番 雨宮 祐斗
「九条[ピーーー]ぇ! これが俺の恨みだ!」
死亡話 3話
支給武器 ルガーP08
死亡時刻 5/14 02:17
死亡場所 寺院(F-4)
被害者 なし
加害者 九条恭子(女子5番)
死因 胸部被弾
使用武器 ベレッタM92F
死亡状況
寺院に侵入してきた九条恭子を、
私怨もあり殺害しようとしたが、
返り討ちにあって死亡。
プログラム初の銃撃戦。
作者より・・・
原作同様に出席番号一番は
序盤で死にました。
九条さんにコクって
ボコボコにされた可哀想な奴です。
まぁ彼も好きな人に殺されて
本望でしょう(?)
女子1番 飯森 美奈
「私たち仲がいいじゃん!」
死亡話 第7話
支給武器 アイスピック
死亡時刻 5/14 05:35
死亡場所 三笠港(C-5)
被害者 なし
加害者 九十九洋子(女子13番)
死因 全身被弾
使用武器 ウージー9ミリSMG
女子1番 飯森 美奈
「私たち仲がいいじゃん!」
死亡話 第7話
支給武器 アイスピック
死亡時刻 5/14 05:35
死亡場所 三笠港(C-5)
被害者 なし
加害者 九十九洋子(女子13番)
死因 全身被弾
使用武器 ウージー9ミリSMG
死亡状況
九十九を見つけて仲間にしようとしたが、
普段から嫌われていたので相手にされず、
返ってきた返事は銃弾だった。
作者より・・・
う~ん。まさにギャルの象徴(?)ですね。
殺されるのは当然のキャラだったのかな?
相当クラスで浮いていたようですね。
あとがき
-陽気人より
パソコンのトラブル、そして長い休止期間、そしてスランプ。
色々ありましたが、それらを乗り越えてようやく完結と相成りました。
第一弾は一年で完結しましたが、第二弾は4年ほどかかってしまいました。
書き始めた頃に日韓ワールドカップをやっていたような気がします。
というわけでドイツワールドカップが始まるこの日に完結できたのもある意味運命かもしれませんね。
今回は如月澪のための作品になったかもしれません。
そもそも武器に名前をつけるお茶目なジェノを作りたい…それからスタートしました。
作り主の私達もまさかここまで一人歩きをするようなキャラになるとは思っていませんでした。
前回人気のあった和久井征一を凌ぐ勢いで、なんか戸惑うばかりです。
ですが如月に人気が出たということはそれだけ皆様に愛される生徒を書くことができた、と作者冥利に尽きます。
既にスタートしている第三弾はもう少し早いペースで頑張っていこうと思います。
第二弾「鮮血で刻まれた真実の痕」を読んで頂きありがとうございました。
-蒼魔より
休止期間になった時、これは完結できないのではないかと不安になりました。
それが再開できて完結の日を迎えたのはひとえに読者の皆様の暖かいご声援のおかげです。
スローなペースですが第三弾も書き始めたからにはなんとしても完結させる覚悟を決めて書き進めたいと思います。
2006.06.09 完稿 陽気人&蒼魔
「超高校級のチアリーダー、永尾知栄さんを殺害したのは君しかいない」
「そんな……」
「嘘、だよね?」
「やれやれ。どうしてこんな結果になっちまったのかねぇ」
「何故……何故お前なんだ……」
「鎧塚君」
「知栄と一番仲が良かったお前がどうして……ッ!」
「……」
「空が、見たかったんだぁ」
『ぷくぷぷ! 刮目せよ! レッツ、オシオキタ~イム!』
――私立希望ヶ峰学園。
そこはありとあらゆる分野で活躍する超一流の高校生を集め、育て上げる事を目的とした政府公認の学園。
この学園を卒業すれば、人生において成功は約束されるとも云われていて、多くの者達が夢や憧れを抱いている。
そんな学園への入学資格は、現役の高校生である事と、各分野において一流である事の二つ。
入学試験等は無く、学園側にスカウトされた人間しか入学出来ない。
そんなとんでもない学園に私、尽戸シアは10期生として明日から通うことになったのだが、いまでも夢ではないかと頬をつねっては痛みに悶える時を過ごしている。
まるで漫画やゲームの話のようだけれど、これが事実なのだから現実とはかくも恐ろしいものである。
「こういうのなんて云うんだっけ。えっと……事実は漫画より面白い、だったかな?」
パンフレットやら制服やら、明日の入学式の準備をしながら部屋で一人考えていると、余計なことを考えるなと云わんばかりにスマートフォンのバイブレーションがベッドの上で振動する。
友人からのLAINかSNSの通知か。作業の手を止め確認してみると、液晶にはメールが一通届いているだけだった。
「フリーメールかな。うどん屋さんのクーポンとかだと良いんだけど」
指先で液晶に触れメールを開くと、『 新設 希望ヶ峰学園・第10期生徒名簿 』というタイトルと共に、16人の生徒の名前が記載されていた。
『 新設 希望ヶ峰学園・第10期生徒名簿 』
芦井夜叉 超高校級の声優
足利家馬麻呂 超高校級の乗馬部
石守洸大 超高校級の鉱物学者
殴田清純 超高校級の殴られ屋
樹亜久里 超高校級の塗装工
狩生範人 超高校級のハンター
秦木菟 超高校級のデバッカー
鎧塚玄 超高校級のアメフト選手
天鳥つくね 超高校級のパイロット
筧刃心 超高校級の忍
久留米兎月 超高校級のグルメライター
島流和歌子 超高校級の演歌歌手
尽戸シア 超高校級の
永尾知栄 超高校級のチアリーダー
喰卯田響 超高校級の幸運
聖極愛 超高校級の生徒会長
「これって私のクラスメイトになる人達って事だよね。パイロットとかハンターとか、なんかすごい才能の人ばかりだな。でもどうして私の才能の部分だけ空白なんだろ? なにかのミスかな?」
ミスと云えば一個人のスマートフォンにこんな重要なメールが届くということ自体とんでもないミスなのではないだろうか……等という常識的な言葉が脳裏に浮かんだものの、もう見てしまったのだから仕方がない。
「うん。これは不可抗力。見たくて見たわけじゃないもんね。となればさっそく自分のクラスメイトがどんな人達なのか一足先に調べちゃおっかな!」
明日の準備も中途半端なままベッドに飛び込むと、パジャマが捲れて背中が出たのも気にせず枕の横に転がっていた飴玉を口に含んでネットの海を泳ぎ始めた。
こんなだらしない姿はとても異性には見せられないが、気になってしまったものは調べないと気が済まない性質なのだ。これも私の才能故の悪癖なのだろうが、そのおかげで希望ヶ峰学園にスカウトされたのだから結果オーライに違いない。
「と、云い訳はこの辺にして……お、見つけた! 超高校級の声優、芦井夜叉くん! へー、夜叉と書いて(やまた)って読むのか。面白い名前だな。あ、元々劇団員だったのか。最近の声優さんには多いっていうよね。おお、結構かっこいいかも」
画面をスクロールしながら未だ見ぬ人物の情報を仕入れて脳に刺激を与えていると、まだ夜はこれからだというのにまるで三日三晩徹夜したかのような眠気に襲われた。こんなに強い眠気は中学受験の時以来ではないだろうか。
「ん~、ダメだ。目が……しょぼしょぼして……瞼も……重くて……」
眠気は徐々に強くなり、数秒もしないうちに体が布団に沈んでいくような感覚を覚えた。
「スマホ……充電……」
もう充電器を刺すだけの気力もない。これは完全にお手上げだ。大人しく睡魔に降伏しよう。寝坊してもきっと、お母さんが起こしてくれる。お母さん……お母さん……。
投下ー。
夢野(ウチはハルマキがクロではないと偽証した)
夢野(根拠となるのはシロがおしおきされるという白昼夢のような幻想のみ)
夢野(頼れるのは自分だけ。ウチはこの嘘を真実にしてみせる……!!)
王馬「ふーん……嘘か本当かはともかく、どうやら夢野ちゃんは本気みたいだね」
王馬「だったらその言い分に付き合ってあげるよ」
王馬「えっとそれで……春川ちゃんがクロではない、だったっけ?」
王馬「春川ちゃん自身が自白しているのに、どうしてクロじゃないのかな?」
夢野「ハルマキがアンジーを殺したと思った瞬間に、実は別の人が殺していたからじゃ!!」
夢野「それでハルマキは勘違いしてしまったんじゃ!!」
夢野(ハルマキが嘘を吐いていないという前提からすれば、それしか考えられない)
夢野(じゃからウチはそう主張するが……それには一つ問題があった)
夢野(当然王馬もそこを指摘する)
王馬「じゃあどうやってアンジーちゃんは殺されたの?」
王馬「アンジーちゃんのアバターに残っていたのは二つの傷だけ」
王馬「矢は夢野ちゃんが作動させてしまったクロスボウの仕掛けで、頭の傷の方は春川ちゃんが突き飛ばしたときに付いた」
王馬「なら、その夢野ちゃんが主張する別の人はどうやって殺したっていうの?」
夢野「そ、それは……」
王馬「傷が二つしかないから、遠くから銃で狙撃されたとかも無いし」
王馬「ゲーム世界だからって魔法や超能力で殺したっていうのも無しだよ」
王馬「最初にモノクマが言っているからね、現実世界の物理法則を超越する物は存在しないって」
夢野「っ……」
夢野(全部王馬の言う通りじゃ)
夢野(納得してしまいそうになる、ハルマキ以外のクロがいるわけないという言い分に)
夢野(分が悪い…………ウチ以外は、ハルマキ自身でさえも、ハルマキ以外に殺せたわけがないと思っているじゃろう)
夢野(もし本当にハルマキがクロであるとしたら……あのビジョンの方が嘘なのか……?)
夢野(……いや、そうだとは思えない)
夢野(そうじゃ、決めたではないか)
夢野(例えこの世界が嘘に塗れていたとしても、自分のこの気持ちだけは本物だと)
夢野(考え方を変えてみるべきじゃ)
夢野(ウチ以外がハルマキをクロだと思うのは)
夢野(ウチだけがそうではないと思う根拠を持っているからではないか?)
夢野(それはあのビジョンだけでなく――)
証拠を提示せよ!!
『夢野の違和感』
夢野(捜査の時から覚えていた、一周目から来るこの事件に対する違和感)
夢野(今こそ……その正体を突き止めるべきじゃな)
<ひらめきアナグラム開始!!>
夢野(一周目、四回目の事件はモノクマの動機カードキーから始まった)
夢野(それを王馬が奪い、王馬はモノクマと取り引きして世界の秘密をプログラム世界に隠した)
夢野(そのころ入間は王馬を殺害する計画を思いつく)
夢野(じゃが、それを王馬は見通していてゴン太を仲間に引き入れ逆に殺させる算段を付ける)
夢野(結果入間は返り討ちに合って、ウチらは動かなくなったアバターを見つける)
夢野(そして慌ててログアウトすると……入間が手を首に当てもがくような姿の死体で発見されて――――)
『フィードバック』
夢野「そうか、分かったぞ!!」
夢野「王馬、残念じゃがウチの勝ちじゃ」
王馬「……勝ち?」
王馬「何、ハルマキちゃん以外がクロだって思える証拠でも見つけたの?」
夢野「ああ、そうじゃ」
夢野「それはゲーム世界におけるフィードバックじゃ」
茶柱「フィードバック……ですか?」
夢野「モノクマ、お主はこう言っていたよな?」
<回想>
モノクマ『でもアバターが怪我だったり、死んだりするような大ダメージを受けると遮断しきれなくて現実世界の身体にも影響が出る……って思ってくれればいいよ』
モノクマ「そうだよ、よく覚えていたね」
キーボ「ですが、それの何が関係して……」
夢野「ハルマキがゲーム世界でアンジーを殺したのなら」
夢野「現実世界のアンジーの死体が、あのように自然と座ったままなのはおかしいということじゃ!!」
<回想>
夢野『アンジー……』
夢野(その姿は……まるで生きているかのようだった)
夢野(表情は穏やかで)
夢野(右手に包帯を巻いている以外には傷は無く)
夢野(自然な状態でイスに座っている姿は……まるで今にも立ち上がりそうじゃった)
夢野「頭を打って死ぬくらいのダメージをゲーム世界で受けていたなら、現実世界のアンジーの死体も手で頭をおさえていたり、表情も歪んでなければおかしい」
夢野「なのに普通に座ったままということは、アンジーはこの傷で死んだのではないということじゃ!!」
夢野(これが違和感の正体じゃった)
夢野(一周目の入間はプログラム世界で絞殺されたから、死体も手を首にあててもがくような姿になっていたのじゃからな)
茶柱「ですけど……実際アンジーさんのアバターには頭を打った痕がありますよ? どうしてフィードバックが適用されていないんですか?」
夢野「それはその傷が付く前に、アンジーが死んだからということじゃろう。死んでは身体を動かすことが出来んからな」
モノクマ「うぷぷっ、そうだよ。死後はフィードバックが適用されないね」
夢野「つまりハルマキが付けた傷でアンジーは死んだわけではない」
春川「夢野……」
夢野「クロはハルマキ以外であるということに――」
反
王馬「それは嘘だね!!」
論 !!
夢野「んあっ!?」
王馬「なるほど、フィードバックか。それは見落としていたよ」
王馬「夢野ちゃんがどうして気づいたのかは気になるけど……」
王馬「それより春川ちゃんが殺したわけじゃないってことになると、また問題が一つ出てくるよね?」
夢野(これは……王馬の本気の反論じゃな)
夢野(いいじゃろう。打ち勝ってみせる……!!)
<反論ショーダウン・開幕!!>
王馬「アンジーちゃんの死体は自然に座っていたことから、フィードバックは起きていない」
王馬「つまりゲーム世界で死ぬようなダメージを受けていない」
王馬「それは分かるけど……だったらアンジーちゃんはどうやって殺されたっていうの?」
発展!!
夢野「ゲーム世界で殺されていないならば、必然的に現実世界で殺されたに決まっておるじゃろう!!」
王馬「現実世界……ね」
王馬「ログイン中、現実世界の身体は無防備だからね。危険だとは思ってたけど……」
王馬「でもアンジーちゃんの死体には『傷一つ残っていなかった』」
王馬「なのにどうやって殺したっていうの?」
王馬「現実世界で夢野ちゃんが魔法が使えたとして、夢野ちゃんはアナウンスの件からシロのはずだよね?」
『モノクマファイル4』 → 『傷一つ残っていなかった』
夢野「その言葉ウチの魔法で一刀両断じゃ!!」 バサッ!!
夢野「いや、アンジーの死体に傷は残っておった」
夢野「それはきちんとモノクマファイルにも書かれておる」
夢野(ウチはモノクマファイルを起動して、その記述をもう一度読み直す)
『モノクマファイル4』
『被害者は超高校級の美術部、夜長アンジー』
『死体発見場所はコンピュータールーム』
『右手に小さな傷がある』
王馬「それって……もしかして右手に小さな傷がある、ってところ?」
王馬「もう、夢野ちゃん忘れたの? それはアンジーちゃんが料理に失敗して、天海ちゃんが止血した傷だって」
夢野「それは……ウチら全員が早とちりしただけじゃ」
王馬「…………え?」
夢野「天海自身も言っておったではないか」
夢野「料理に失敗して出来た傷は小さくないと」
<回想>
百田『右手の小さな傷ってなんだ? 包帯を巻いてるけどそれか?』
天海『昨夜の料理のときに失敗して出来た傷っすね。そんなに小さくは無いっすけど』
夢野「なのにモノクマファイルにはきちんと小さな傷があると書かれておる」
夢野「おかしいじゃろう」
夢野「この齟齬が何を意味するか……」
夢野「――モノクマ、一つ頼みがあるんじゃが!」
モノクマ「はいはい、分かってますよっと」
モノクマ「裁判も盛り上がってきたし、大サービス!!」
モノクマ「というわけで皆さんモニターにご注目ください!!」
裁判場のモニターに映し出されたのはコンピュータールームにあるアンジーの死体。
モノタロウ「えっと……この包帯を外せばいいんだよね?」
現れたモノタロウが、アンジーの死体の右手から包帯を外していく。
そして晒されたアンジーの右手の肌には。
包丁で付けたと思われる一筋の傷と――その他に。
とても小さな丸い傷……注射痕が残っていたのだった。
夢野「そもそも今回のモノクマファイルは情報が少なかった」
夢野「二回目の事件のゴン太の時に、三回目の最原も少なかったから慣れてしまったが」
夢野「その二人が情報が少なかったのは、死体がバラバラになっていたからじゃ」
夢野「今回のアンジーの死体は損壊していないのに……どうして情報が少なかったのか?」
夢野「それは……本当の死因が分かっては、クロがすぐに特定されるから」
夢野「つまり、今回のアンジーの死因は……」
『中毒死』
夢野「これじゃ!!」
夢野「事件を振り返ってみるぞ!!」
夢野「今回の事件ではゲーム世界と、現実世界同時に事態が進行した」
夢野「ゲーム世界、教会近くの広場にて出会うアンジーとハルマキに」
夢野「現実世界ではクロがログイン中で無防備なアンジーの身体に近づく」
夢野「ハルマキはアンジーからモノクマボールを奪うために襲撃した。このときモノクマレーダーをアンジーは落としてしまったのじゃろう」
夢野「争いはエスカレートし、春川がアンジーを突き飛ばし、その身体が岩に叩き付けられる……」
夢野「その直前。偶然にもそのタイミングで、クロがアンジーの右手、包帯の下に注射器を刺して毒を流し込んだ」
夢野「それによってアンジーは死亡したから、ゲーム世界で頭を打って深い傷を負ってもフィードバックは起きなかったんじゃ」
夢野「そうとは知らないハルマキは自分がアンジーを殺したのだと勘違いする。落ち着いていれば、自分が殺したのではないと気づけたかもしれんが、二日ぶっ続けでログインしていて判断能力が低下していたかもしれんな」
夢野「というわけでモノクマボールを投げ出して逃走」
夢野「その後、クロがログインしてアンジーの死体のところまでやってきてモノクマボールを回収」
夢野「死体を教会に磔にして、クロスボウの仕掛けもしてその場を去った」
夢野「これが事件の全貌じゃ!!」
夢野「どうじゃ、王馬!! 反論はあるか!?」
王馬「…………認めるしかないみたいだね」
王馬「完敗だよ。どうして夢野ちゃんはこの真実に気づけたの?」
夢野「簡単な話じゃ」
夢野「自分で言っておったじゃろう、王馬。お主だって何でも知っているわけじゃないと」
夢野「ウチが知っていて、お主が知らなかっただけじゃ」
夢野(王馬はおそらく本当にハルマキがクロじゃと思っていたのじゃろう)
夢野(ウチと王馬を分けたのは、一周目の記憶があったのかどうかでしかない)
王馬「……なるほどね」
百田「よくやった夢野!!」
茶柱「転子も信じていましたよ!!」
夢野「そうか……うむ、ありがとな」
夢野(ウチを讃える言葉に鷹揚に頷いて――)
百田「それで何だが、ハルマキがクロじゃないなら本当のクロは誰なんだ?」
夢野「んあっ!?」
茶柱「そうですね、実際現実世界でアンジーさんを殺した人がいるんですよね?」
茶柱「一体誰なんですか?」
夢野「そ、それは……現実世界にいたというわけじゃし……」
『怪しい人物を指名せよ!!』
夢野「えっと……し、真宮寺か?」
真宮寺「あのネ、夢野さん。僕を疑いたい気持ちは分かるけど、僕はアナウンスの件から完全にシロなんだヨ?」
『怪しい人物を指名せよ!!』
夢野「なら百田か?」
百田「なら、って何だ。ならって。俺はゲーム世界に入ったのは捜査時間になってからだから、教会にアンジーを磔に出来ないだろ?」
『怪しい人物を指名せよ!!』
夢野「だ、だったらキーボじゃ!!」
キーボ「ボクは夢野さんが死体を発見した後にログインしているんです! 大体、アンジーさんを殺すわけないじゃないですか!!」
夢野「え、えっと……」
王馬「……はあ、ちょっとは見直してたのに」
王馬「最後の最後でドジするのが夢野ちゃんらしいね」
夢野「な、何じゃ王馬!? お主はクロが分かるのか!?」
王馬「そりゃあね。ここまで情報が出揃えば簡単だよ」
王馬「今回のクロは現実世界でアンジーちゃんを殺し、ゲーム世界で偽装工作を行っている」
王馬「アンジーちゃんの死亡推定時刻は今朝の0時から6時」
王馬「この時間に現実世界とゲーム世界を行き来しているのは一人しかいない」
王馬「ここまで言えば分かるよね?」
夢野「そうじゃな……」
夢野(王馬が整頓した条件に当てはまる一人)
夢野(ウチは改めてそのクロを指摘した)
『怪しい人物を指摘せよ!!』
夢野「今回の事件のクロは……星、お主じゃな!!」
星「……やれやれ、気づいちまったか」
王馬「午前3時ごろに休憩と称してログアウト後、またログインしている星ちゃん」
王馬「実際はそのときにアンジーちゃんを殺したんだろうけど……」
夢野「やけに素直に認めるんじゃな?」
星「ここまで証拠が出揃ってるんだ。反論しても覆らないだろう?」
星「負けると分かっていてあがくのはクールじゃないからな」
百田「本当に……星がクロなのか」
キーボ「………………」
天海「そういえば……本当に今さらっすけど」
天海「星君は捜査の時も、裁判の時も現実世界のアンジーさんの死体に話題が及びそうになる度に、話題を逸らしていたっす」
天海「現実世界のアンジーさんの死体に注意が向くと、犯行がバレると分かっていたからなんすね」
夢野「そんなことが……」
天海「そして……アンジーさんのモノクマレーダーは教会近くの広場に落ちたままだったっす」
天海「アンジーさんが襲われて落として、その後誰も使用していないなら、星君が隠したというモノクマボールを奪うことは誰も出来なかったということっす」
天海「つまり必然的にボールを集めたのは星君ということになるっすけど……」
夢野「どうなんじゃ、星?」
星「本当はアンジーを殺すつもりはなかった……何て言っても言い訳にしかならねえな」
星「ああ、その通りだ」
星「全く……こんな物のために愚かなことをした」
夢野(星は自分の電子生徒手帳を起動してみんなに見せる。そこには――)
『望みを叶える権利を使用しますか?』
はい いいえ
夢野(モノクマボールを集めた証が表示されていた)
モノクマ「うぷぷっ、議論も終わったみたいだね!!」
モノクマ「それじゃ行きましょう、投票ターイム!!」
モノクマ「みなさんお手元のパネルから、クロと思われる人物に投票してください!!」
………………。
モノクマ「おっと投票も終わったみたいだね。では選ばれた人物がクロなのか、シロなのか……」
モノクマ「ワックワク、ドッキドキの結果発表――っ!!」
ルーレットが回り始める。
みんなが息を呑んで見守る中。
それは次第にスピードを落として……。
全員が選んだ、星のところで止まったのだった。
<裁判閉廷!!>
今日はここまで。続きはまた明後日予定です。
あんだけ熱心にアンチ活動してたガラプー婆までいなくなっててワロタ
契約期間終わったんだろうか
由芽子
「爆破コード」を1番本数が多く切断してしまったプレイヤー1人が「解除失敗扱い」となり失格し、背中のベストが爆竹のように破裂する。
「本戦ゲーム」では、鎌倉国宝館の建物内に色分けされた5本のコードが組み込んであって腕に装着対応のベルトが付いている解除装置が5台ずつあるうちの解除装置を1人につき1台の解除装置を探して発見して腕に装着して色分けされた5本のコードを切って解除する。
時間切れになる前に、指定された本数のコードを切断すれば「解除成功」。1本だけ混じっている「爆破コード」を切ると「解除失敗」となり失格し、背中のベストが爆竹のように破裂する。
果たして…今回は、いつ時機を見計らってプレイヤーが自分自身に決断を下すのか!?解除成功者は大人数現れる事が出来るのか!?
《出演者》
東幹久、川西賢志郎(和牛)、クリス・ハート、丸山桂里奈、水田信二(和牛)、和田アキ子。
ノヴァ@まずは人体の構成を知る所から
@excalibue3603
短髪・ツンツン髪の男の子を何よりも愛している腐男子。ピッチリスーツ・ウェアを着ていたら完璧。アルジェヴォルンのトキムネが最愛の人ぼちぼち絵の勉強中。FF14槍鯖とバハ鯖で二足のわらじ中。さらにアストルティアにもいます…!
轟出日和
@TodoizuDays
緑谷「僕と轟くんを中心としたみんなの日常をツイートする二次創作アカウントだよ!」轟「俺と緑谷が付き合ってるのはクラス公認だ」麗日「キャラ崩壊とキャラ贔屓が激しいからなんでも許せる人向け!」爆豪「自己満アカウントだから文句は受け付けねぇ」緑谷「詳しくはプロフィールを読んでね!」
twpf.jp/TodoizuDays
上鳴??(無浮上)
@kaminari_energy
これなら俺は…クソ強ぇ!
上鳴電気/雄英高校ヒーロー科1―A/帯電/なりきり
うぇーい!!俺上鳴!!暇だったら構ってくんね?色んな奴と仲良くなりてぇし!
その前に仕様書の確認しといてくれよな!宜しく頼むわ!!
【区別名→なり】
icon→ジローから!!
お前の隣twitter.com/pBqfdTSUodGcqm…
緒方恵美@25thAnniversary
@Megumi_Ogata
声を使う仕事を各種。宣伝アカウント&リプライ気まぐれご了承を。オガタ入門は映像も音楽も常に「最新作」。気に入って貰えたら遡って下さい。「アニメグ。25th」発売中。洋楽カバーライブ「M's BAR」2/10東京・2/18大阪開催! ブログ⇒
5/27DVD発売『血液型くん』公式
@ketsuekigatakun
『血液型くん!4』絶賛放送中? #血液型くん A型くん:福山潤、B型くん:中村悠一、O型くん:石田彰、AB型くん:柿原徹也、A型ちゃん:悠木碧、B型ちゃん:堀江由衣、O型ちゃん:小林ゆう、AB型ちゃん:中原麻衣の、キャラクターと同じ血液型を持つ豪華キャストが夢の共演?ちなみに公式の中の人はO型です。
ketsuekigatakun.com
鳥海浩輔
@toriumi_kohsuke
声優・鳥海浩輔の期間限定Twitterアカウントです。 2016年5月16日発売 鳥海浩輔初の書籍『てきとう』(宝島社・刊)発売に向け、本人および書籍の制作スタッフがつぶやきます。 ※リプライへの個別の返答はできかねますのでご了承ください ※書店、ネット書店、アニメ専門店にて発売中
amazon.co.jp/dp/4800249554
大本眞基子
@Makiko_Ohmoto
声の仕事ほか色々◆出演作「星のカービィ」「コレクター・ユイ」「ゾイド」フィーネ「レッツゴーMAX」ネロ「ダンガンロンパ」舞園さやか「戦国無双」稲姫 等。ルーミー朗読CD「ただひとつの息吹」アマゾン発売中☆著作絵本「ぼくの旅」朗読・お仕事依頼はプロフィール「メール送信」から→http://tinowa.cocolog
地球tinowa.cocolog-nifty.com/mugendai/
日笠陽子
@hikasayoko
日笠 陽子です。1985年7月16日生まれです。宜しくお願いします^▽^
東京
くじら@2月15日(木)から「楽屋」
@kujityan
声優してます。なんとかやってます。
東京都文京区
宮田幸季です
@MiyataK_staff
文化放送 超!A&G+で放送中の「宮田幸季です」の公式ツイッターです。 このアカウントでは番組の最新情報、5/24発売の宮田幸季2ndアルバム「色彩なきパエザッジョ」の情報などをお届けしてまいります
columbia.jp/miyatakouki/
みあ松
@osomatu_numa
櫻井孝宏が「俺の嫁」って言っちゃって既婚かもって話聞いてラジオ聞いたけど既婚とかそんな事より櫻井孝宏のキャラじゃなくて素声で「俺の嫁」って単語聞けただけでこの世界最高だし何より既婚で濃厚なBLCDやってたのかって思うと櫻井孝宏にノーベル平和賞あげたいいつもお世話になってます。
午後11:11 ? 2018年2月4日
沢城みゆき
@miyuki0602_S
どうも。はじめまして沢城みゆきです。
皆さんとたくさんお話したいと思ってますので気軽に話しかけてください。本家様声真似CAS/nr/本人、事務所無/
透@オリバト垢
@OBR_toru
オリバトサイト「anotherworld」の管理人による、オリバト専用アカウントです。オリバトが好きな方、作者さん、読者さんが、何か繋がれるキッカケになればいいと思い作りました。私のことは知らなくても、オリバトが好きな方は気軽にフォローしてください。(リフォローはしないので、あしからず)
オリバト界の片隅1995anotherworld.web.fc2.com
みかど(春日野P)
@wishstar1208
神奈川県横浜市在住。WEBではオリバト評論家(主に、バトルロワイアルという小説の二次創作/続編もの)をしております。ニコマスでは動画を連載中。秋月律子、梅木音葉、西園寺プロダクション、伊集院北斗のPです。twitterは2011/10/28から開始したはず。多分。
geocities.co.jp/SiliconValley-…
小金井はらから
@inazumanext
鍵なし本垢。呟き気まぐれ。創作好きで夢厨でクロスオーバーCP病で声ヲタでオリキャラ量産機で眼鏡っ娘萌えで坂本真綾さんファンな小金井はらからをよろしくお願いします!
twpf.jp/inazumanext
ドラマ&映画『人狼ゲーム ロストエデン/インフェルノ』
@jinrogame_movie
「人狼ゲーム」新シリーズ!
★TVドラマ:ロストエデン放送中
★劇場版:インフェルノ4月7日公開
出演:武田玲奈、小倉優香、上野優華、勧修寺保都、松本享恭、吉原拓弥、久田莉子、時人、米本来輝、平松賢人、山地まり、大和孔太、都丸紗也華、貴志晃平、吉原雅斗、山田智史、海田朱音、玉城裕規、小松彩夏、水野勝、足立理、加藤虎ノ介
jinro-game.net
山口勝平
@ENma_Dororon
声や舞台で芝居する事を生業にしつつ、立川志ら乃師匠の弟子として落語を勉強中。高座名は命名「のゝ乃家ぺゝぺぇ」頂きました! ヨーダみたいなお爺ちゃんになるのが夢のちんころこ~まいおいちゃんでござる。東京は大崎西口商店会のご当地キャラ「大崎一番太郎」を溺愛。滋賀県長浜市、声の観光大使として「ひでよしくん」と共にcvを担当♪
地獄別荘のコタツの中
安元洋貴
@__yasumoto__
とても人に恵まれています。感謝。
きっと人生前借り中。
日本
杉田智和
@sugitaLOV
Everyday、渦中者
甘々とサンダーボルト宙域arcsystemworks.jp/getsueigakuen/
江口拓也(えぐちたくや)
@egutakuya
声優やってます。よろしくお願いします!
木村良平
@Ryouhey_Drunk
役者です。 芝居と食事(酒)が人生。つぶやくことは食(酒)ばっかりかも!みんなの返信を読むのが日々の楽しみです。伝えたいことや感銘を受けたことは、お気に入りに。インスタも、たまにこちらに反映させてます
instagram.com/ryouhey_drunk/
だいすけの方の岸尾
@daisacusacu
自由音声表現者です。 「コトノハ」の力で、どこまでも!!
あったけぇとこblogs.yahoo.co.jp/daisacusacusacu
朴?美
@romiansaran
朴?美(RomiPark)。演劇集団・円を経て新たなLAL(ラル)という場所をつくりました。色んなカタチのモノヅクリしていきたいと思います。LALでの私の最初の公演は12/12~25桟敷童子「標」です!studioCambriaもよろしく!
福山潤official
@f_junjun_music
福山潤ソロプロジェクトofficialアカウントです。スタッフが最新の情報をお届けします。2018年2月21日「福山潤・ひとりのBocchi Show」BD&DVDリリース決定! ※個別のリプライにはお答えできません。ご了承ください。
fukuyamajun-music.com
中原 麻衣
@mai__nakahara
小林ゆう_公式
@holy_kobayashi
小林ゆう公式アカウントになります。
ブログ更新情報や出演情報をお知らせさせて頂きます。
◎印は、小林ゆうのコメントです。
ameblo.jp/yu-no-jiyu-cho/
小島祥太朗
@mabatake
マンガとかイラストを描いてます。 お絵描きしたものはモーメントに置いてありますぜ。
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一十/二日目東3ホールA-67b
@ittorasii
ゲイです。成人向けのイラストや発言を投下しますので、18歳未満の方のフォローはご遠慮ください。18歳未満の方や18歳以上かわからない方からフォローしていただいた場合はブロックする事があります。予めご了承ください。
I can speak Japanese only.
ゲーム呟き用→「@pad_ittorasii」
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諏訪部順一 Junichi Suwabe
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声で表現するお仕事を中心に、書いたり描いたり録ったり撮ったり考えたりと、いつの間にやらエンタメ系なんでも屋。
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山下大輝
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新人声優です!! 今よりもっと!を胸に毎日楽しく全力で駆け抜けていきます!!!肉が好きです。
月島弥生([ピザ])@プレゼン作ってる!相互100??♀?
@tukituki0841
私の視界には推ししか見えていません。 隣にはあかが居ます。 腐と夢をたして2でかけた感じの人。
TOKYO MXで日曜日10時半みてね(威圧)
松風雅也LINEスタンプ発売中
@matsukazest
松風雅也です(^-^)/ヴァンガードGZ ハクメイとミコチ 博多豚骨ラーメンズ 機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズガエリオ・ボードウィン役 「下天の華」愛蔵版発売中 シェンムー3
日本
どさんこ
@DosankoSentai
ヒーローのやられ、イケメン、競パン、レザー、ブーツインなどが大好きです。たまにチャットなどの対戦もしています。
好きな人:亀梨和也・浜尾京介・福士蒼汰・永井大などなど
好きなヒーロー:タイムレッド・ゴセイブラック・レッドバスター・ウルトラマンメビウス・イバライガーなどなど
北海道
オリジバトルロワイアル
とりあえず変な地図を見ておこう。
1年2組学級目標
伸び盛りを、とめるな。俺達は、誰にも止められない。
放棄されてるなら、己を貫け。それができないなら、[ピーーー]。
舞台は大東亜共和国。準鎖国政策を行っているこの国では最悪の法律があった。
戦闘実験第68番プログラム。要するに、戦闘シュミレーション。
このゲームは年に中学3年生の50クラスがプログラムの犠牲となっている。
その延長として今度は範囲を広げ巡りに巡ったのは中学1年生。
10年に一度、たった一クラスだけ。特別にデータを取るために開始されている。
そのことは国家の重役内でも秘密にされており、情報が外にでたことはめったになかったので
誰もがそのようなものあるとは知らなかった。
という特別なプログラムをテーマとして我が地下5階。はストーリーをなしているのですが
何で中1なのかというのは
・中3以外のをとりたかった。(革命ってヤツですか?
・2年じゃ半端すぎたから。(何もなくただすごしてる時間ですよね。2年って。
・高校生はヤダから。(まず文才がありません。大人はかけません。
・泉咲が原作主義者だから。(あまり関係なし。
「“無個性”というだけで、いままでしなくてもいい苦労をしてきたんだろう?」
“個性”がないってだけで馬鹿にされてきた。
「『“無個性”のくせに』『どうせ“無個性”だから』そんな言葉で皆が君を自然と見下してきたんだね」
“個性”がないってだけで努力を笑われた。
どんな頑張っても、どんな結果を出しても、“無個性”ってだけで否定された。
「“個性”がない、それだけで今の社会は生きていきにくい……“無個性”なのは君が悪いわけでもないのに」
“個性”さえあれば……
そう、何度思ったことだろう。
「もう大丈夫。僕が君に“個性”を上げようじゃないか」
僕は“個性”が欲しかった……
奈良敬子
アニメ「ポプテピピック」公式
@hoshiiro_anime
アニメ「ポプテピピック」公式アカウント!2018年1月、神風動画にてクソアニメ化!竹書房の4コマウェブコミック配信サイト「まんがライフWIN」にて、2014年11月から配信している大川ぶくぶ氏の作品。 #ポプテピピック #PPTP #竹書房 #クソアニメ
?すていぬxちゃんこダイニングヒロ
@suteinu
ラジオ大好き/BlackBerry Bold9000→9780(twitter専用
)→SH-07D→XperiaZ3compact→Z5C/禁酒中/ひだまりスケッチ/他
現場instagram.com/suteinu_101/
ネタバレ
1日目処刑・立花みずき
1日目人狼の犠牲者・八重樫仁
2日目処刑・坂井龍樹
2日目人狼の犠牲者・無し
3日目処刑・宇田川素直
3日目人狼の犠牲者・東克彦
4日目処刑・松葉千帆
ゲームの決着によって死亡・都築涼
生存者
野々山紘美
浅見ルナ
向亜利沙
4ヶ月ぶりの投下ですが、多くの反応がもらえて励みになります。
期待に応えられるように頑張りたいです。
それでは投下ー。
都
宮本徹
@miyamototooru
衆議院議員(東村山、清瀬、東久留米、東大和、武蔵村山)。日本共産党。人生に影響をあたえたのはブルーハーツ、灰谷健次郎、本多勝一、宮沢賢治。
東京 miyamototooru.info
担当教官・坂ノ下愛鈴(さかのした・あいりん)
29歳 159cm/48kg
まったりというか今時というか…語尾が伸びる口調。
声は結構高い感じ。
細かいところは話の中で出てくるので書きません。
軍人・野田浩毅(のだ・ひろき)
34歳 176cm/68kg
見ての通り、話の中の通り、無愛想で冷徹。
低い声でボソボソ喋るので、結構聞き取りにくいかも。
ワリと筋肉質。 元・野球少年。
好きな食べ物は実は甘いもの。
表には出さないが、可愛いものも好き(出してますね、少し/汗)
軍人・木下亨(きのした・とおる)
28歳 172cm/63kg
真面目に責務をこなす人。
仕事中は声を作っているが、普段はやんわりとした声。
いつも冷静で、常に周りを見ることができる。
趣味の読書が祟って(?)、やや近眼、コンタクトは目に合わないのでできない。
こう見えても軍人、運動能力は高い。
軍人・渡部響也(わたなべ・きょうや)
27歳 180cm/73kg
大阪生まれの大阪育ち、高校を卒業して関東に出てきた。
明朗活発で、精神年齢は恐らく中学生と大差ない。
あまり低くない声だが、いつもテンションが高いので高く聞こえる。
野田は大の苦手、木下は良い友人。
最も体格がいい、元ラグビー部。
男子12番・中森正樹(なかもり・まさき)
バレー部。男子主流派グループ。
容姿は良いが、性格は悪く、言い訳がましい。
その性格からグループ内で孤立しがち。
身長/174cm
愛称/正樹
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★☆☆☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
ベレッタM84
kill:
なし
killed:
なし
死亡話数:
第54話
凶器:
首輪
相模晶(女子6番)に片想い?
G=05エリアで晶を発見。逃げようとする晶に発砲し、足止めに成功。言い訳し、開き直る言動が、晶の逆鱗に触れる。左の鎖骨部に被弾し、後頭部を殴打され昏倒。<50話>
↓
意識が回復したものの、時間は禁止エリア指定1分前だった。必死にエリアから抜け出そうとし、エリア外にいた手塚直樹(男子10番)に助けを求めたが、残り2mの時点で首輪が爆発、死亡。<54話>
言い訳っぽさよりも性格の悪さが出たかなぁと思います。
色々と運が無かったんでしょうね。禁止エリアになるところにいなければ、晶と会わなければ、あと数秒動き始めるのが早ければ、こんなことにはならなかったのに。
女子1番・東ちとせ(あずま・ちとせ)
部活は無所属。女子不良組。
いつもぼーっとしていて何事にもやる気が感じられない。
普段はまったり口調だが、キレると口調が一気に変わる。
身長/159cm
愛称/ちとせ、ちとせちゃん
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★☆☆☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★★☆
★★☆☆☆
★☆☆☆☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
フライパン
kill:
なし
killed:
上総真央(女子4番)
死亡話数:
33話
凶器:
S&W M36 チーフススペシャル
G=03エリアでやる気なくぼーっとしていたところに荒れている真央が現れる。普段見たことのないような真央の様子に興味を持ち、真央の神経を逆撫でた。結果、全身に被弾し死亡。
しかし人の不幸に興味を持つとはいけない子ですね、この子は。
改稿前よりも早い退場になってしまいましたが、ちとせ好きですよ。
暴れさせられなかったのがちょっと残念ですが・・・
女子2番・上田昌美(うえだ・まさみ)
家庭科部。ゲーム組。
内気な性格で、人と関わる事が苦手。
クラス1小柄で目立たない。
身長/146cm
愛称/昌美
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★☆
★☆☆☆☆
★★★★☆
★★☆☆☆
★★☆☆☆
★★★★☆
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
アイスピック
kill:
中田智江子(女子12番)
天道千夏(女子10番)
killed:
近原公孝(男子9番)
死亡話数:
52話
凶器:
Vz61 “スコーピオン”
因幡彰人(男子2番)に恋心を抱いている。
G=04エリアで智江子と遭遇。智江子の小刀で刺殺。小刀入手。<12話>
↓
D=06エリアに潜伏していたところに、彰人・大塚豊(男子3番)に発見される。自分のことを何とも思っていない彰人に怒り攻撃するが、彰人の態度に殺害を断念。別れた後、自分のやり方に疑問をもつ。<35・36話>
↓
I=05エリアで恐怖に駆られ背後から千夏を襲撃、殺害する。相模晶(女子6番)にそのことを詰問された。<44・45話>
↓
自分の今までのことを悩んでいたが、「自分は悪くない」という決断を下す。そこを近原公孝(男子9番)・谷口まどか(女子8番)に発見され、襲い掛かるが、公孝に諭され、生き続けることを決意。しかし、突然上総真央(女子4番)に襲われる。逃げる途中で真央に撃たれそうになったが、まどかを盾にして凌いだ。しかし、それが公孝の怒りに触れ、全身を撃たれて死亡。<51・52話>
改稿前に比べて考えをつなげた・・・つもりです。悩みがうまく表現できていればいいなぁ。
最後は、人を庇うシーンはよく見るので、逆に人を盾にして死を逃れようとするという行動を書いてみました、いかがでしょう。
いつだって、俺には何もなかった。
俺の周りにいるやつは俺に興味があるわけじゃない。いつもその後にある名声、財力、安定した生活を求めて奴らは近づいてくる。
「お前はどうなんだ〇〇…」
------------------------------------
目を覚ますと目の前には何も無い空間が広がっている。いつもの風景だ。そしてまるで見張られているかのようにタイミングよく部屋のドアからノックがなる。俺はそれに答えてノックの主を部屋に入れる。
「おはようございます日向様。昨晩はとてもよい睡眠を取られておいででしたね。」
「あぁ、最近はよく眠れるんだ。お前が作ってくれる紅茶のおかげだな。ありがとう狛枝」
そう言われて心做しか表情が和らいでいるこいつの名前は狛枝凪斗。俺が高校卒業と同時にこの家に執事として俺の側役になった。よく表情は変わるがどこかそれが作り物のようないまいち掴めないやつだ。
「日向様今日のスケジュールをお伝えいたします。10時より大学で講義をお受けになったあと、昼食はご自宅で。座学を夕刻まで学ばれたあとは夜より晩餐へご出席でございます。」
…晩餐か。嫌な響きだ。あそこに集まる連中は俺のことを一切として見てはくれない。それどころか自分たちすらも隠して見せるのは自分の家柄だけ。まるで仮面でも付けてるみたいで生きている心地がしない。
「なぁ狛枝。」
着替える手を休めることなく話しかけると狛枝は短く「はい。」と答えた。
「俺には何があると思う?」
狛枝は少しばかり驚いたような顔をしたがすぐに表情を戻した。
「日向様には何でも備わっているかと」
なんでも…か。
「それは、家柄か?それとも名声?俺自身にはなにかあると思うか?」
「…。」
「そう。答えが出ないのが正解なんだよ。俺はなにももってない。」
皮肉を交えて愚痴をこぼすと、狛枝はもうしけなさそうにこちらに頭をたれて誤った。
(八つ当たりで申し訳ないことをしたな…。)
【公式】おじさん爆弾 2/21新作OA
@ojibaku
声優ユニットとして活躍中のUncle Bomb(浪川大輔、吉野裕行)がお届けするバラエティ番組「おじさん爆弾」公式アカウントです。CSテレ朝チャンネル1で毎月放送中。次回#7は1月24日(水)よる11時~深夜1時。ハッシュタグは #おじ爆
東京 港区tv-asahi.co.jp/ch/contents/va…
投下ー。
モノクマ「大・正・解ーー!!」
モノクマ「超高校級の美術部・夜長アンジーさんを殺したクロは、超高校級のテニス部・星竜馬クンでしたーー!!」
モノクマ「いやぁ、すごいね! シロのみんなは四連勝だよ!!」
夢野「ふう……」
夢野(ウチは安堵の息を吐く)
夢野(星がクロで間違いないとは思っていたが……それでもあのビジョンのように、不正解と言われるのではないかとヒヤヒヤしていた)
夢野(実際に正解で良かったわい)
キーボ「どうして……どうしてアンジーさんを殺したんですか!?」
キーボ「答えてください!!」
夢野(キーボが珍しく感情を前面に押し出して問いつめる)
夢野(そうか、キーボはあんなにもアンジーの死を悲しんでおったしな。裁判中は我慢していたのか)
星「非難されるのは当然だな」
星「本当にすまなかった」
茶柱「星さん……」
百田「なあ……ところで気になってたんだが、アンジーを殺すつもりじゃなかったってどういうことだ?」
夢野「そういえばそうじゃな」
天海「教えてくれないっすか?」
星「そうだな……まずあの一歩間違えればみんな死んでた教会の爆弾については俺が仕掛けたものではない」
星「王馬が言っていた通り、今回の事件とは別の思惑が絡んでいるんだろう」
夢野「そういえばそれがあったか……。でもクロで無いなら一体誰が……?」
星「気になっているところ悪いが、逆に一つ質問だ」
星「夢野、あんたは事件の振り返りの時にクロが夜長に毒を流し込んだって言ったな?」
星「その毒ってのが具体的に何だか分からないか?」
夢野「毒の種類……?」
夢野(え、えっと……最原の部屋にあった拷問致死薬……は今周回部屋が解放されていないから無いのか)
夢野(なら毒に類する物は……そうか、ウチも使ったあれしかない)
夢野「天海の部屋にあった猛獣用の麻酔……人間相手にも睡眠薬として使えるやつじゃな」
星「その通りだ」
星「夜長が一番モノクマボールを集めているのは分かっていた」
星「だから俺はやつを眠らせてモノクマボールを奪うつもりだった」
星「現実世界の身体とゲーム世界のアバターはリンクしている」
星「なら現実世界で眠らせれば、ゲーム世界のアバターも寝て無防備になるってことだからな」
星「だから昨夜、俺は夜長の居場所を確認してからログアウトした」
星「そして睡眠薬を説明書通り人間相手を眠らせる分量で準備して打った……つもりだったんだが」
星「アレルギーで過剰に反応したか、もしくは体質か……まあ何か問題があったんだろう。結果的に夜長を殺してしまうことになった」
夢野「そうか……」
茶柱「それは……不幸なことでしたね」
星「いいや、不幸なんかじゃない」
星「俺がそもそもモノクマボールを奪おうなんて思わなければそうならなかったわけだからな」
星「望みに目が眩んだ……俺が愚かだったんだ」
王馬「……ねえ、さっきから気になってたんだけどさ」
王馬「そこまでして星ちゃんが叶えたかった望みって何なの?」
茶柱「星さんの……望みですか?」
夢野「それは……モノクマも煽っていた通り『過去に戻って自分の過ちをやり直す』ではないのか?」
夢野(自分のせいで恋人を失った……と聞いたことがある)
夢野(そんな壮絶な過去があって、何でも望みを叶えられるならやり直したいに決まって――――)
星「そんなわけないだろ」
夢野「んあっ!?」
星「確かに俺は今だって後悔している」
星「『過去に戻って自分の過ちをやり直す』……か」
星「正直本当の望みとずっと迷うくらいには魅かれている」
星「だが……過去があってこその今がある」
星「過去を否定したら今の……この最高の仲間たちと一緒にいられる時間も否定することになるだろ」
星「だから俺の望みは『今を生きたい』だ」
夢野「星……」
夢野(そうか、一周目の後悔ばかりの星であったなら『過去に戻って自分の過ちをやり直す』望みを抱いておったじゃろうが)
夢野(この二周目の星は動機ビデオ発表会で赤松によって生きる活力を取り戻している)
夢野(じゃから『今を生きたい』という望みになって――)
夢野「……ん? じゃが『今を生きたい』なんてモノクマボールで望まなくても手に入る望みではないのか?」
星「いや……違う」
星「何故なら――――」
ゴホッ、ゴホッ!!
そのとき、星が咳き込み――――吐血する。
星「俺は……こんな身体だからな」
夢野「んあっ!!?」
春川「え……?」
夢野(二周目のウチとハルマキが思わず反応する)
夢野(その症状には見覚えがあった)
夢野(それは……一周目で百田がかかっておった病気ではないか!?)
夢野(どうして星が……!? この二周目ではどうして変わっておるんじゃ……!?)
モノクマ「うぷぷっ……」
夢野(……よく分からないが、まさかこれも首謀者や生存者のように、この二周目では変えられていたということか?)
夢野(いや……そうだとしてもおかしい)
夢野(実際に百田は苦しそうにしておったではないか)
夢野(星が病気になっていたなら、どうして……)
王馬「そういえば気になってたけど……」
王馬「星ちゃんは百田ちゃんとテニスをして、苦戦したんだよね?」
王馬「ブランクがあるからって言ってたけど……実際は体調が悪くて本気を出せなかったってことなの?」
百田「マ、マジかよ!? 星、そんなに辛いならどうしてテニスを……!?」
星「それでもテニスをしたかった……そういうことだ」
夢野(百田と星のテニス……一周目には無かった出来事)
夢野(そういえば……もしかして……)
<回想>
百田『朝から晩までテニスをして……部屋に帰ったら疲労でシャワーを浴びたまま寝たくらいだ』
星『俺も同じようなものだ。……って、まあさすがにちゃんとベッドで寝たが』
夢野(百田はシャワーを浴びたまま寝たことで……この二周目では風邪を引いたということか?)
夢野(病気のことをみんな夏風邪を引いたと誤解していると思っていたが……本当に風邪で、ウチらの方が誤解していたということか?)
夢野(そうじゃ、風邪なら安静にしてれば自然に治る。ハルマキが望みを叶えていなくても、百田が元気になっていておかしくない)
星「モノクマボールを集めたが、夜長を殺してしまったことで俺には二重に死がかかった」
星「この病気とクロ容疑だ」
星「叶えられる望みは一つだけ。生きるためにはどちらかを自力で外さないといけない」
星「だが、病気の方は望みでどうにかするしかない。だから生きるため……クロ容疑をどうにかしないといけなかった」
星「夜長の死体を発見しない方法を提案したのもそれが理由だ」
夢野「そうか、アンジーの死体を発見せずに裁判を開かせない……あれは星の提案じゃったな」
星「ああ、もしその方法が上手く行きそうなら、俺はクロであることを自白して、どんな罰でも受けるつもりだった」
星「だが、王馬に否定されて裁判は避けられないことが分かり……そうなってはみんなを殺してでも裁判で勝ち残り、そのときに病気を治すしか生きる方法は無かったってことだ」
星「結果はこうだったがな。まあ、それでも良かった」
星「おまえたちを殺してまで生き残ったら……俺はまた後悔しながら生きることになっただろう」
夢野(何でも望みを叶えられる……それなのに望んだことが本当に当たり前なこと)
夢野(『今を生きたい』)
夢野(なのに……このコロシアイ学園生活は、それさえも許してくれない)
星「というわけで望みを叶える権利はまだ待機状態だ」
星「だからここで……コロシアイを終わらせることを望もうと思う」
夢野「え……?」
星「それが俺に出来る唯一の罪滅ぼしだ」
星「おまえたちはもうコロシアイをしないで済む。おまえたちは生き残ることが出来る」
百田「な、何を言ってんだ!! 星、おまえも一緒だぞ!!」
百田「病気なんて外の世界の病院に行けばすぐに治るに……」
モノクマ「うぷぷっ、さてこの才囚学園の外はどうなっているだろうね? 少なくとも近くに病院は無いと思うよ。あっても破壊するけど」
百田「うっせぇっ!! 黙りやがれ、モノクマ!!」
夢野(モノクマの意地の悪さが出る)
夢野(実際コロシアイを終わらせたとしたら、星の病気を治させないようにするじゃろう)
夢野(それくらいは予想できる)
百田「な、なら星の病気を治すように望め!! 大丈夫だ、これから俺たちはコロシアイをしないからな!!」
星「そうしたらコロシアイは続行。俺はクロでおしおきだ。それこそ無駄死にだろう」
百田「っ……だったら単純に生きたいって望めばいいじゃねえか!!」
モノクマ「ぶっぶー!! それには病気を治療とおしおきの回避が含まれます。叶えられる望みは一つだけです」
百田「はぁっ!? 何でそれすら叶えてくれねえんだよ!!」
星「……ありがとな、百田。その気持ちだけで俺は報われる」
百田「違うっ!! そんなことで満足するんじゃねえ!! おまえはもっと俺たちと生きて、友達になって、たくさんの思い出を作って、幸せな生活を送るんだ!!」
百田「それがあの動機ビデオの結末じゃねえか!!」
星「なら、もう叶ってるだろ。こんな学園生活だったが……十分に幸せだった」
百田「っ……それは……」
夢野(百田が言葉に詰まる)
夢野(星はその間に電子生徒手帳を起動。そして望みを叶える権利を使用して――)
茶柱「本当にそれでいいんですか?」
星「……どうした、茶柱?」
夢野「転子……?」
茶柱「気になっていたんです、裁判中の春川さんも、そして今の星さんも」
茶柱「どうして自分の死が目前に迫っていて、平然としているんですか!?」
茶柱「少なくとも転子だったら、生きていたいと思ってあがくでしょう」
茶柱「それでも死がひっくり返らないとしたら……いっぱい未練が残ると思います」
茶柱「死ぬくらいなら、あれをしたかった……これをしたかった……って」
茶柱「星さんも何かあるんじゃないですか!? そして星さんは実際に何でも一つ望みを叶えられるんですよ!!」
茶柱「それなのに……そんな死ぬときまでみんなのことを思って……」
茶柱「もっと自分に正直になっていいと転子は思います!!」
夢野「……そうじゃな」
夢野「お主の一番の望み『今を生きたい』が無理なら」
夢野「二番目の望みは何じゃ?」
夢野「少なくとも『コロシアイを終わらせる』では無いじゃろう?」
百田「……ああ、そうだ!!」
百田「俺たちはもうコロシアイをしねえ!!」
百田「あんなクマ野郎はぶっ倒して、みんなで生きて帰る!!」
百田「だから……星、おまえの今の望みを叶えるんだ」
星「茶柱……それに、夢野に百田まで……」
星「ったく……おまえらは……」
星「本当にいいのか?」
夢野「もちろんじゃ!!」
茶柱「何の問題も無いですよ!!」
百田「みんなもそれでいいよな!!」
天海「ははっ、こんなの見せられて文句を言えるわけ無いっす」
真宮寺「僕も大歓迎だヨ」
王馬「真宮寺ちゃんのは別の意味に聞こえるんだよね……あ、オレも大丈夫だよ」
春川「私は……口を挟める立場じゃないし」
キーボ「……みなさんが決めたことなら従います」
モノクマ「……あー、お涙頂戴のところ悪いんだけど」
モノクマ「クロも決まったんだし、そろそろおしおきに行きたいんだけど」
モノクマ「望みを叶える権利を使うならさっさとしてくれる?」
夢野「うるさいぞっ!!」
茶柱「そうですよ、口を挟まないでください!!」
星「ったく……本当俺なんかには出来すぎた仲間だ」
星「ありがとな」
星は電子生徒手帳の表示された画面を見る。
『望みを叶える権利を使用しますか?』
はい いいえ
そして『はい』をタッチして――望みを口にした。
星「俺の望みは……最期にみんなでテニスをすることだ」
モノクマ「うぷぷっ、分かりました!!」
モノクマ「それでは参りましょう!! おしおきターイム!!」
ホシくんがクロに決まりました。
おしおきを始めます。
<超高校級のテニス選手のおしおき>
『テニス』
<星の研究教室>
夢野(モノクマがおしおきを宣言したときはビビったが……その後、ウチらが連れてこられたのはテニスコートもある星の研究教室じゃった)
モノクマ「というわけで星クンの望み通りみんなには今からテニスをしてもらいます」
モノクマ「審判はボクがするからね」
モノクマ「安心してよ、ジャッジは正確だからさ」
モノタロウ「ラインはオイラたちが見るよ」
モノダム「頑張ル……」
モノファニー「じゃあアタイはチアガールをするわ! フレー! フレー!」
モノキッド「おそろしいほどそそらない応援だな」
モノスケ「まあ好きにさせときや」
星「ということだ、とりあえず俺はコートに入るとして……最初は誰から来る?」
王馬「疲れてない星ちゃんとか無理ゲーでしょ。誰かよろしくー」
真宮寺「くくっ、なら僕から行っておこうかナ」
夢野(真宮寺がラケットを持ってコートに入る)
星「サーブは俺から行くが、いいか?」
真宮寺「いいヨ」
星「ところで真宮寺はテニス経験はあるのか?」
真宮寺「残念ながら無いネ。ああでもルールは分かっているヨ」
真宮寺「それより……そっちこそ大丈夫なのかナ? 吐血するほど病状が悪いなら、素人の僕でも――――」
スパンッ!!!
真宮寺「………………え?」
夢野「なっ……!?」
茶柱「早すぎませんか……?」
夢野(星がボールをトスしたと思った次の瞬間、真宮寺の後ろにボールは転がっていた)
夢野(ま、まるで目が追いつかなかったぞ……?)
星「15ー0(フィフティーンラブ)だ」
星「死ぬ気でかかってこい。こっちを心配している余裕なんて無いぞ」
夢野(その後も一方的じゃった)
夢野(真宮寺は頑張ってボールを追うがまるで捉えることが出来ない)
真宮寺「これほどとはネ……男だから姉さんの友達には出来ないけど、素晴らしいと思うヨ」
星「……それさえなければあんたもいいやつなんだけどな」
夢野(結果、初戦は星の圧勝に終わる)
星「よし、次だ。誰がコートに……ゴホッ、ゴホッ!!」
夢野「だ、大丈夫か!?」
夢野(真宮寺に勝利した星じゃが、咳き込んで吐血する)
星「心配するな、これは俺が望んだことだ……次、入ってくれ」
天海「……なら俺が行くっすね」
天海「もし勝っても恨まないでくださいっすよ」
星「ああ、勝てるならな」
<十分後>
星「まだまだだな」
天海「っ、ここまでの差があるっすか……!?」
夢野(不適な発言をした天海じゃが、星に瞬殺される)
夢野(時おり咳き込む星を心配しながらも、本人の望みということでウチらはどんどん星に挑む)
キーボ「テニス用のプログラムがあればこんなことには……っ!!」
星「あったらどうなるんだ、楽しみだな」
春川「殺す……っ!!」
星「運動神経は抜群だが、武器ばかり握ってきた弊害だな。対面するとどこに殺意を向けているか分かりやすい」
王馬「へっへーん、ここで叩き込めば得点……!!」
星「といいながらドロップか。嘘が上手いな」
王馬「え、バレた!?」
星「夢野か……ハンデだ。茶柱と二人一緒でいいぞ」
夢野「なっ……ウチを馬鹿にしておるな!? 見返してやるぞ、転子!!」
茶柱「はいっ、転子たちのコンビネーション見せましょう!!」
<十分後>
夢野「今のは転子が取るべきじゃろう!?」
茶柱「そこは夢野さんの守備範囲ですよ!!」
星「コンビネーション最悪だな」
夢野「うー……流石、星じゃな」
夢野(ここまでウチらの全敗)
夢野(試合を重ねるごとに咳き込む回数も増えたが、それでもウチらを寄せ付けない強さを星は見せる)
夢野(星と戦っていないのは……残り一人)
星「最後は百田か……意外だな、早く試合をしたがると思っていたが」
百田「この前負けて、リベンジマッチだからな。形振り構わず勝ちに行かせてもらう」
星「だから最後か。俺の体力が削れるまで待ったのか」
百田「そういうことだ、卑怯だとは言うなよ」
星「そこまでしてちょうどいいくらいだと思うがな」
夢野(星は強がったが……やはり目に見えて体力は落ちていた)
夢野(プレイ中に咳き込むこともあり、百田も着実に点を重ねる)
夢野(じゃが星も意地のプレイで点を奪う)
夢野(試合は両者互角に進み、タイブレイクのさらに6ー6まで進む)
春川「えっと、これってどうなるんだっけ?」
夢野「ここからは先に二点差付けた方が勝ちじゃな」
茶柱「もしですけど、仮にお互いが点を取り続けたら一生続くんですよね」
キーボ「一生ですか!?」
真宮寺「まあでもどちらも体力が限界だからネ。一気に取りに行きたいところだと思うけど……」
星「さすがにおまえさんも疲れただろ。さっさと終わらせたいんじゃないか、俺としてはずっと続いてもいいが」
百田「はっ、それはこっちのセリフだ! 来いっ!!」
夢野(先に星のサーブか。未だに球威が落ちないサーブに身構える百田に)
星「なら、これはどうだ?」
百田「っ……!?」
夢野「アンダーサーブじゃと……!?」
夢野(星はボールを下から打つアンダーサーブ……緩い球を放る)
夢野(初めて見せる攻撃に百田はタイミングを崩されて……)
百田「くっ……!!」
星「甘い……!!」
夢野(何とか打ち上げるもスマッシュで叩き込まれる)
王馬「マッチポイント……ここを決めれば星ちゃんの勝ちだね」
キーボ「でも、サーブ権は百田君に移ります。百田君も有利だと思いますが……」
真宮寺「結局どこかでブレイクしないと勝てないように出来ているからネ」
天海「ここで決めないと星君は泥沼化するっすね。百田君としてはそうしないと勝てないっすけど……」
夢野「っ、百田がトスを上げたぞ……!!」
百田「おらぁっ!!」
夢野(百田の渾身のサーブ。ここに来て一番の球威、コースで入るが)
星「予想通りだ!!」
夢野(コースを読み切った星は難なく返球……そしてネット際までダッシュする……!!)
王馬「リターンダッシュ……!!」
天海「一気に決めるつもりっすか!?」
真宮寺「ストローク主体だった星君が見せる初めての戦略だネ……!!」
キーボ「これは百田君も反応できずに……!!」
春川「いや、百田は……!!」
百田「へっ、こっちこそ予想通りだ!!」
星「っ……!?」
夢野「なっ……!!」
茶柱「ここでロブですかっ……!?」
夢野(前に出てきた星に対して、百田はロブで応酬。見事に裏をかかれた星は、ボールを追って戻るが)
星「くっ……!!」 バタンッ!!
夢野(急な方向転換に身体が付いていかずに倒れる。結果、ボールの行方を見守るしか出来ずに……)
モノタロウ「アウトッ!!」
夢野「え?」
モノクマ「ということで百田クンの打球はアウト!! 星クンにポイントが入り……ゲームセット!!」
モノクマ「見事星クンの勝利だよ!!」
夢野(百田の打球は……ボール一個分ラインの外に落ちた)
百田「……はあっ!?」
百田「アウトだとっ!? 嘘じゃねえのか!?」
モノタロウ「嘘じゃないもん!!」
王馬「百田ちゃん、諦めなって。実際コートの外から見ていた俺たちでも、ギリギリでアウトって分かったよ」
茶柱「そうです。男死ならいさぎよく負けを認めることも必要ですよ」
百田「くっ……そうか。負けか」
百田「いいところまで行ったと思うんだけどな」
夢野「それより星じゃ! プレイ中に倒れ込んで……大丈夫なのか!?」
夢野(ウチらは星のところまで駆けつける)
星「ゴホッ……ガハッ……!!」
夢野(大量に吐血する星。これは……もう……)
星「こんな……結末とはな」
星「締まらねえが…………勝ちは勝ちだ。残念だったな……百田」
夢野(病気じゃというのに全力で運動した星は……全てを使い果たしたのか、もう虫の息じゃった)
百田「くそっ……勝ち逃げする気か……!?」
星「悪いな…………だが……良い線は行ってたと、思うぞ……?」
星「テニス……選手になったら、どうだ?」
百田「……悪いが俺には宇宙飛行士になるって夢があるんでな」
星「………………そうか」
百田「だから俺は宇宙飛行士兼テニス選手になってやる……!!」
星「それ、は……」
百田「もう決めたからな。だから……星」
百田「見守っててくれよ」
星「…………中々、型破り……じゃねえか」
星「その内……無重力ショットとか……打つんだろ……?」
百田「ああ。俺の必殺技だ。着弾した後飛んでいくことで相手に打たせねーんだ」
星「はっ…………俺のところまで…………ボールが、来たら……打ち返して……やる」
百田「コンビ技か。いいじゃねえか」
星「みんなも…………こんな、俺の……ワガママに、ゴホッゴホッ………」
星「付き合って…………っ、……くれて……ありがと、な」
茶柱「これくらいならいつでも付き合いますよ……!」
真宮寺「テニスは初めてだったけど楽しかったヨ」
王馬「楽しくなかったよ。あ、嘘だよ」
天海「不甲斐ない結果だったっすが……次こそは必ず!!」
春川「スポーツは勝手が掴めないね……」
キーボ「ボクもテニス用のプログラムを組んでいればこんなことには……!」
夢野「みんなこうして再戦を望んでいるのに……ズルいぞ、星」
星「……そうか。…………俺も………………最期まで……楽しかったぞ……」
星「本当に……いい、仲間を…………持った」
星「俺は…………幸せ……だった」
星「あり…………がと………………………………」
星「…………な………………」
星「……………………」
星「……………………」
星「…………」
星「……」
夢野(そうして星はみんなに見守られて息を引き取った)
夢野(とても満ち足りた表情じゃった)
夢野(それを見た途端、残された者の心の内で張りつめていたものが切れて)
夢野「っ……ぐすっ………」
夢野(咽び泣く者、啜り泣く者、涙を我慢する者)
夢野(星の前では見せんようにしていた悲しみを表に出し始めるのじゃった)
今日はここまで。続きはまた明後日。
次でチャプター4最終話となります。
ノヴァ@まずは人体の構成を知る所から
@excalibue3603
短髪・ツンツン髪の男の子を何よりも愛している腐男子。ピッチリスーツ・ウェアを着ていたら完璧。アルジェヴォルンのトキムネが最愛の人ぼちぼち絵の勉強中。FF14槍鯖とバハ鯖で二足のわらじ中。さらにアストルティアにもいます…!
淡雪ミヤビは幼い頃に原因不明の火事により家族をすべて失った。
そして引き取られた先は親戚である犬吠埼家だった。
幼馴染である犬吠埼珠とは仲が良かった。
その代わり珠以外の全てから見放された。
しかし、ミヤビはそんなことはどうでも良かった。
なぜなら、珠さえいればそれで良かったのだから。
だが、そんなミヤビや珠の人生をソーシャルゲームの【魔法少女育成計画】により大きく狂わされる……
仮面ライダー・・・それは、人々の自由と平和のために戦い続ける戦士。それは、みんなの笑顔を守るもの。それは、人の未来を守るもの。様々な世界の様々な戦士が、今も戦い続ける
そして、新種のウイルスがはびこる世界で突如として始まった生き残りをかけた戦い。そこにいるのは、少女。傷つくもの、戦いを求めるもの、護るもの。動き始めた物語は、誰にも止められない。
その二つの物語が交差した時、新たな物語が始まる。己の力で、全ての運命を変えろ!
「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」
※都合により色々なところが修正、改変される場合があります。ご了承ください
ログアウト不能のデスゲーム『ソードアートオンライン』に巻き込まれたある少年の物語。
野球が好きな普通の中学三年生である安田優樹は幼なじみの矢作雪美に連れられソードアートオンラインの世界に入る。しかしそこは一人の科学者によって歪められた世界だった。ゲームの中での死はすなわち現実での死……極限状態の中、二人はゲーム攻略を目指すのだった。
後ノ抹リ?
@BRN_ft
成人腐|雑多|PDL右荒MHA右爆|新荒・切爆・セロ上が特別好き|女体化描くよ|急な妄想・性癖発言注意|無断転載・使用厳禁!do not use my works without my permission|お題箱??(
柚木
マスク
@masuku_0708
かっちゃんが好き/腐も描くしNLも描くし色んなかっちゃん描くので注意です/カプ名記載/右勝が多い/雑食/リプ通知お亡くなりになってます/気付けない/
ダンガンロンパでハッピー寄りのビターエンドで終われた死者って珍しいな・・・
多分星君が生きる希望を持ち始めたから、そんな星君に投薬して結局生きられないってなった方がより絶望的だと踏んだんだろう。
一方で、本当に望みは「コロシアイを終わらせる」で良いのか?って異を唱えた茶柱に反吐が出そうになったんだが・・・
大印手虎
萬田麗子
アジのコンティニューみたいな現象が気になる
☆くんはこっちでは生きる希望を見つけられたからその点だけは良かったと思う…
これ内なる声を聞いてるのが鉄屑じゃないってのも有り得そうだよね
ここまでシャッフルされてると
男死レズ怪しいなぁ…アジと息が合わない上にアジを責めるとか、絶対しない気がする(自分の方が悪かったって言いそう)…
乙です
まさか☆が病気だったとは…全然気付かなかった
でも男死レズがきっかけで最期テニスしようって思ったんだよな。やっぱり男死レズが黒幕で誘導したのかなぁ…
☆が吐血した時鳥肌たったぞ
全然分からなかった。恐れ入ったわ
乙
あかん ☆くん好きだから泣いてしまうやんけ・・・
切ねぇ…でも☆くんにとって満ちた最期でよかったよ…
ダンガンロンパでハッピー寄りのビターエンドで終われた死者って珍しいな・・・
多分☆君が生きる希望を持ち始めたから、そんな☆君に投薬して結局生きられないってなった方がより絶望的だと踏んだんだろう。
一方で、本当に望みは「コロシアイを終わらせる」で良いのか?って異を唱えた男死レズに背筋が凍ったんだが・・・ミスリードであって欲しいが・・・
ここまであからさまに怪しいってことは逆に男死レズ黒幕じゃない気がする
お騒がせ宗教娘に睡眠薬を使ってゲーム内でも眠らせるつもりが毒とすり替えられてたんかな
乙!
アジ可愛すぎ
ととら
@totora_purr
松野家次男とハッピー夢豚ライフ壁打マン/PPTP ?
男死レズ「本当にそれでいいんですか?」
☆「……どうした、男死レズ?」
アジ「男死レズ……?」
じゃあ俺は根拠は無いけど鉄屑犯人説を出すぜ!
バカだから全然わかんねぇ。アジにとって最悪なら男死レズがクロとか?
ツルショタの様子が変ってのも気になるなぁ。ひょうひょうとしてないのも演技かと思ったけど本当っぽいしもうわけわからん
しかし、今さらだけどこの中に首謀者もいるんだよな…続き楽しみだわ
男子20番 / 総合41番 壬生優人 みぶ・ゆうと
支給武器 S&W M686
被害者数17(18)(青井鈴美・明石珠緒・瀬名馨・椿さおり・氏家菜子・藤堂杏奈・永谷多樹・近藤達也・沖田良・笹川比奈子・東儀奈緒子・福森唯・木村秀成・九条利人・比留川洋一・仙堂修平・御門涼介(・北条隼人))
加害者神宮寺麗央那
現在状況劇場(E-6)で神宮寺麗央那に射殺される
裕福な家系の生まれという噂を聞くが、本人にその事を尋ねても苦笑して流されてしまう。常に礼儀正しく誰にでも敬語で話す。どこか品のある振る舞い。
先天的な同性愛者で、それを両親に軽蔑されており、両親の不仲は自分のせいだと思い悩んでいる。
過去にその事で迫害され、クラスメイトにもこの事は極秘。心を閉ざしている。
日頃から親しい神宮寺麗央那に、友達以上の思いを寄せていて、基本的には誰にでも優しいが彼に対しては特に甘い。
麗央那に大して傍若無人な態度を取る御門涼介とは普段から馬が合わず、口論することもある。
斎賀七瀬だけはクラスで唯一、事実を打ち明けている。
部活動吹奏楽部
身長173cm
誕生日7月5日
星言葉アダラ(恋にのめり込むロマンチスト)
友人早乙女辰巳・中屋敷仁・花園ライアン・加藤彩希・藤島詩歩
男子1番 青柳信秀 あおやぎ・のぶひで
支給武器・防弾チョッキ
被害者数 なし
加害者 土方大和
現在状況
草むら(F-5)で土方大和に眉間を打ち抜かれ死亡
基本的には一匹狼。しかし性格的には誰からも好かれる適度に真面目でノリの良い好青年。
生徒会副会長を務める。
少し精神的に弱く、考えすぎてしまう事がある。一度立ち直れば強いが、立ち直るまでに時間がかかる。
5人兄妹の4番目で、3人の兄と1人の妹がいる。
・齋田瑠那とは小学校以来の付き合い。メールなどをよくする。
・不良集団は苦手だが、有村誠とは付き合いがあった。
・主流派メンバーとも親しく、よく遊んでいる。
友人 北村大輝・八重樫隼人・齋田瑠那
所属部活動・サッカー部
身長・体重 175?・60?
血液型・B型
女子1番 赤城晴奈 あかぎ・はるな
支給武器・シグ・ザウエルP226
被害者数 なし
加害者 齋田瑠那
現在状況
農家(F-3)にて齋田瑠那に鎌で首を刺し殺される
他人にわざとらしく世話を焼いたりして図々しく、挙動はガサツ。そして大雑把。
無神経で執着心が強い。女子の中でも騒がしい部類。
単純で優しくされると誰でも信じてしまう。
・青柳信秀に惚れていて、彼と親しい齋田瑠那を嫌っている。
友人小野寺眞美・葛城桃・鹿山妙子・末松蘭華
所属部活動美術部
身長・体重150?・50?
血液型O型
女子2番 井上泰子 いのうえ・たいこ
支給武器・ククリナイフ
被害者数1(市村賢吾)
加害者・齋田瑠那
現在状況
草むら(F-5)で齋田瑠那に銃殺される。
事なかれ主義で、自分の意見は何一つ言わない女子にありがちな優等生的性格。どことなく八方美人の気がある。
妙な所で融通が利かず、頑固な所がある。その為、気持ちが折れた時の反動は大きい。
真面目で、部活動は受験生にもかかわらず毎日出席してコツコツと練習している。
・以前に市村賢吾に告白されてつき合うが、受験を理由に数ヶ月前に別れる。今でも賢吾のことは好き。
・吹奏楽部の部長でフルートを演奏する。腕前としては齋田瑠那と1,2を争う。自分が演奏会のソリストでないことを不満に思っていた。
友人 深町亜紀・中尾愛海
所属部活動 吹奏楽部・部長
身長・体重 166?・51?
血液型 A型
男子2番 有村誠 ありむら・まこと
支給武器 スリングショット
被害者数 なし
加害者 宇野樹里
現在状況
商店街居酒屋前(C-9)にて深井都と別れ宇野樹里と健闘するも、頸動脈を切り裂かれ死亡
不良グループで活発でお調子者だが、やるときはそこそこやって周りにちゃんと気配りが出来るので不良グループ内ではクラスメイトにも受けが良い。
裏表が無く、友達も多い。
・中2の頃、深井都に、一目惚れした
・青柳信秀とはサッカー部繋がりでまぁまぁ仲がよかった
友人 青柳信秀・市村賢吾・合志彰紀・古賀竜哉
所属部活動 サッカー部・部長
身長・体重 156?・49?
血液型 A型
男子3番 市村賢吾 いちむら・けんご
支給武器・バスケットボール
被害者数 なし
加害者 井上泰子
現在状況
集落(E-8)で井上泰子を逆上させ、喉をナイフで刺され死亡。
インテリなエリート少年だが、悪知恵が働き、不良グループの参謀。頭だけでなく、要領も良い。しかし決してガリ勉なんかではない。
不良グループの成績が全体的にいいのは、賢吾が勉強を教えていたから。
・古賀竜哉とは親友。
・数ヶ月前まで井上泰子とつき合っていたが、本人は遊びのつもりだった。
友人 古賀竜哉・有村誠・合志彰紀
所属部活動 バスケットボール部・部長
身長・体重 170?・54?
血液型 AB型
女子3番 宇野樹里 うの・じゅり
支給武器・彫刻刀一式
被害者数1(有村誠)
加害者・齋田瑠那
現在状況
森(B-6)にて齋田瑠那に腹を銃で撃たれ死亡
大総統の秘書になるのを夢見る、旧華族の生まれで家族きっての国粋主義者。
日頃から物腰穏やかで丁寧。常に礼儀正しく行動する。
愛国者故に他人には掴みにくい部分もある。
国の為なら友人を捨てることもある。
・土方大和にお熱。彼女の齋田瑠那を妬む。
・はしたない深井都や小峰桜も嫌い。
・和田吉乃とはお互いの家とも親しい
友人 和田吉乃
所属部活動 茶道部・部長
身長・体重 157?・49?
血液型・A型
女子4番 江藤天音 えとう・あまね
支給武器装飾短剣
被害者数なし
加害者日向春人
現在状況
神社(B-2)にて日向春人に腹部を刺され死亡。
ティーン雑誌でモデルをやっている。小悪魔で、可愛い外見をしっかり武器に使える。態度が尊大な為、女子の中で浮きがち。男子に媚びを売っていて、「猫っかぶり」と女子の間では評判は悪い。取り巻きもいるのだが…。
裏表があり、ギャップが激しい。気に入らないとすぐに癇癪を起こす。自分の容姿にはかなりの自信がある。
・日向春人が好きで、とりまきの男はあまり眼中にない。自分が一番春人のことを大好きだと思っている。
・日向光利を嫌っている。ウジウジした態度と、春人に気に入られてることが気に入らない。
友人 高橋和也・丹羽俊之
所属部活動・バレーボール部
身長・体重168?・50?
血液型・B型
男子5番 神田伶 かんだ・れい
支給武器・日本刀
被害者数 なし
加害者・土方大和
現在状況
病院前(E-7)にて土方大和に射殺される。
無口な上に口調がきつく、クールな印象を受ける。いつも仏頂面で、誰ともつるまない。世間体を気にする両親やプライドの高い兄、過去の出来事が関係して多少人間不信気味。
黙々と事務作業をこなすが、剣道部での有数の実力者。
短気で、他人に見下されるのが嫌い。普段はクールだが、実は優しく熱い面もある。
・土方大和の家のライバル道場の息子だが、互いに興味がないのがあり、土方と事務連絡以外の関わりを持ったことは皆無。
友人 なし
所属部活動 剣道部(副部長)
身長・体重 170?・54?
血液型・A型
女子5番 桜花静輝 おうか・しずき
支給武器・ヌンチャク
被害者数 2(関根純・北村大輝)
加害者・六波羅総悟
現在状況
林(D-5)にて六波羅総悟に銃殺される。
大人しくて真面目で、誰かを守ろうという意志が強い。
正義漢が人一倍強く、曲がったことが大嫌い。何事にも物怖じしない物言いをする。そして一途。
他人は他人、自分は自分、と割り切っているところがある。やや短気な所もあり。少し天邪鬼。
一度やると決めた事は最後までやり通す気の強さを持っている。ただ、それが他人には頑固に映る事も多い。
仲のいい人間以外にはかなり冷たい一面がある。
・鳳千絵香をとても大事に思っていて、いつも彼女と一緒に居る。彼女を傷つける輩は誰であろうと許さない。
千絵香のわがままには弱い面がある。
・北村大輝とは端から見ていても両思いなのだが、天の邪鬼な性格が邪魔をして未だにつき合っていない。過去に虐められていたのを彼に助けられたのをキッカケに想いを寄せる事に。
・わがままな武川梨香とは折り合いが悪い。
友人 鳳千絵香
所属部活動 演劇部・部長
身長・体重 160?・40?
血液型・A型
女子6番 鳳千絵香 おおとり・ちえか
支給武器 ガダルカナル探知機
被害者数・なし
加害者・土方大和
現在状況
公民館近くの林(D-4)にて土方大和に射殺される。
大人しくてお淑やか。少々天然が入っているお人好し。
誰に対しても優しく、平等に接する。他人に上手に気が使える。が、仲のいい人間にはちょっとわがままも言ったりする。
苦手な人間にはなるべく近寄らないようにする傾向がある。
穏やかに見えるが意外に芯があり意志が強い一面もある。悪く言えばちょっと頑固。
・桜花静輝とは幼なじみで、常に一緒に居る。少しお節介と思う事もあるが、基本的には彼女に感謝している。静輝をバカにする人間は許さず、冷たく接することもある。
・転校してしまった中村和馬という生徒に思いを寄せている。
友人 桜花静輝
所属部活動 演劇部・副部長
身長・体重 157?・49?
血液型・A型
男子8番古賀竜哉 こが・りゅうや
支給武器なし
被害者数なし
加害者風雅 円舞曲
現在状況
担当教官に逆らい、学校(D-6)にて、風雅円舞曲に射殺される。その後見せしめに首輪を爆破された。
お調子者で向こう見ず、周りなんて考えやしない。
見た目からしてヤンキーで、女子なら誰彼構わず告白する。ついたあだ名は「告り魔」しかし女子からは人気がないので、いつもフラレれたり一、二ヶ月で別れたり。
不良グループのリーダーだが、頭はそこそこキレる。
中1の頃は万引き癖があったが、中3になり大分落ち着いてきた。
・担任のカツローを父親のように思っている。
・市村賢吾とは親友
友人市村賢吾・有村誠・合志彰紀
所属部活動バスケットボール部・副部長
身長・体重172?・57?
血液型B型
女子10番 小峰桜 こみね・さくら
支給武器ワルサーP38
被害者数なし
加害者六波羅総悟
現在状況E-7にて六波羅総悟に立ち向かうが、敵わず刺殺される。
優等生だが、女の子らしいわがままで素直な面も兼ね備えている。
大きな目をからかわれて『デメキン』というあだ名をつけられていた過去があり、目がコンプレックス。
女子のクラス委員・委員長を務めている。
落ち込んでいる友達を放っておけない性格で、 少し思いこみが激しい一面もある。
・由比丞を、小学生の頃から一途に思っている。彼の過去を知る数少ない人物。
・深井都とは生涯のライバル。誰よりも都を信頼していて、大切に思っている。
友人深井都・向日悠二・日向光利・日向春人・三村司閣
所属部活動女子テニス部・副部長
身長・体重155?・47?
血液型O型
女子12番 末松蘭華 すえまつ・らんか
支給武器折りたたみナイフ
被害者数なし
加害者由比丞
現在状況
草むら(E-6)にて由比丞に口論の末、殺される。
マイペースでサバけている頼れる姉御。
3Bのお姉さん的存在で、後輩からの人気も高い。
口内の噂などに敏感で、情報を誰よりも早く手に入れる。情報網の広さと情報の多さ、正確さでは誰にも負けない。
クラスメイトをとても大切に思っている。
友達のためなら自分の命を投げ出すのもいとわない、強い心の持ち主。
・鹿山妙子とは入学以来の友達
・子供っぽい夏目みらいのお守り役
友人鹿山妙子・小野寺眞美・葛城桃・夏目みらい・八重樫隼人
所属部活動女子バスケットボール部・部長
身長・体重172?・55?
血液型O型
男子13番 土方大和 ひじかた・やまと
支給武器ハリセン
被害者数8(丹羽俊之・高橋和也・青柳信秀・合志彰紀・神田伶・万屋京平・鳳千絵香・由比丞)
加害者齋田瑠那
現在状況
公民館近(D-4)で齋田瑠那と戦闘。望んで止めを刺され、彼女の腕の中で死亡。
勉強、スポーツ共に学年トップ。無口で無愛想。
クラス1(学校1?)の美男子だが、喧嘩が強いなどまともな噂を聞かないため、周囲には距離を置かれている。
部活道では部員に怒号を飛ばすなどの勢いもあり、「鬼の副長」の異名を受ける 完璧な男。
規模も広くて由緒ある剣道場の一人息子で、小さい頃から英才教育を受けていたという噂がある。
・齋田瑠那は恋人同士。あまり口には出さないが大事に思っている。2人でいる時は普通に笑うこともある。
・神田伶の家の道場とはライバル同士だが、両者共に互いには興味がない。
友人 なし
所属部活動剣道部・副部長
身長・体重177?・62?
血液型AB型
男子16番 三村司閣 みむら・しかく
支給武器双眼鏡
被害者数3(長瀬浩・小野寺眞美・六波羅総悟)
加害者なし
現在状況
公民館近くの林にて(D-4)六波羅総悟と戦闘、苦戦の末倒し、優勝
冷静でキレ者だが、非常に面倒くさがり。
頭の回転が速く、臨機応変に物事に対応出来る才能を持つ。運動神経もそれなりに良い。
ぶっきらぼうで口が悪く、無愛想。誤解されやすいが、実は硬派で女の子の涙に弱い。押しにも弱い、いわゆるへたれ。
常に気だるそうだが、意外と勝負事が好きで負けず嫌い。
口では冷たいことを言っているが、どうにもそれを行動に移せないこともしばしば。
実は熱い一面もあり、譲れない点に関しては殴り合いの喧嘩をする事もしばしば。勝負事も大好き。
・深井都とは幼なじみで、何でも言い合える仲。
・向日悠二とは親友兼悪友。
・齋田瑠那に惚れている。
・担任の畑山克郎を尊敬している。
・大人な鹿山妙子を少なからず頼りにしている。
友人深井都・日向春人・向日悠二・日向光利・小峰桜
所属部活動将棋部・部長
身長・体重174?・59?
血液型AB型
女子17番 深井都 ふかい・みやこ
支給武器眼鏡拭き
被害者数なし
加害者六波羅総悟
現在状況
E-7の端にて六波羅総悟と健闘するも、敗れ刺殺される。
わがままの虚勢家でミーハー。しかし要領が良くて物事に効率よく立ち回るのが得意。何事にも臨機応変に対応できる。賢いというよりかはずる賢い。
気が強くて目立ちたがり屋、少し意地悪。クラスメイトが大好き。居るだけでその場を明るくする才能がある。
責任感が強い。
・三村司閣とは幼なじみで姉弟同然の仲。
・由比丞に惚れている。
・ 小峰桜のライバルとしての存在を自認する桜の親友。
・美人なため、それなりにモテる。有村誠の気持ちには気付いていた。
・ハイテンションな夏目みらいの相手もお手の物。
友人 三村司閣・小峰桜・向日悠二・日向光利・日向春人・夏目みらい
所属部活動女子テニス部・部長
身長・体重156?・46?
血液型B型
男子1番 / 今井榛名(いまい・はるな)
支給武器ククリナイフ
被害者数Nothing
加害者高杉清一
現在状況森(H-2)で高杉清一と戦闘、腹部を切り裂かれる。松城凛々子に見取られ、息を引き取る。
若葉色のマフラーを巻いていて、ココア色の肩ほどの髪をざっとまとめている。
親しみやすく、物怖じせず誰とでもわけ隔てなく接するため、すぐに友達になり、友人は多い。容姿は人並みだが、人柄の良さから特に後輩の女子からも人気がある。
へらへらとしているが学年首席で頭脳明晰、スポーツ万能の銀時計組候補。将来の大総統候補、または側近とまで言われている。
人の気持ちの変化に非常に敏感。穏やかで、人の心を開かせる才能がある。
幼い頃に反政府の過激派組織の騒ぎに巻き込まれ、軍人であった両親を失い、心と体に大きな傷を負う。体にも惨い傷痕が残っており、 人前で着替える事を嫌がる。
そのため、反政府組織への恨みは深く、重い。この事を知っているのは、クラスでは幼馴染の我孫子聖良、高杉清一と、恋人の松城凛々子のみ。凛々子をとても大切に思っている。
釈比呂斗、宇佐美広海とは寮のルームメイトで、3年い組いたずらトリオ。「ヒロ」も「ラビ」も榛名のつけたあだ名。
部活動合気道同好会(会長)
身長/血液型166cm/O型
伯父の職業レストランオーナー
好きなタイプ何でも一生懸命な子
友人関係宇佐美広海/釈比呂斗/松本政宗/松城凛々子/五百蔵ひかる/石井琴美/竹内真理
(主流派グループ)
高杉清一/我孫子聖良/久坂沙夜子/大庭拓海/来島達郎/吉田太一
女子2番 /我孫子聖良(あびこ・せいら)
支給武器鎌
被害者数3人(相田莉梛/真田美人/早川笑華)
加害者Nothing(優勝)
現在状況プログラム執行本部(F-4)で保護される
由緒ある旅館の一人娘、母の後を継ぐ次期女将。
成績優秀、容姿端麗、才色兼備。その裏の顔は男を手玉に取る小悪魔。彼女のためなら何でもするという男がごまんといる。そのため女子受けは悪いが、本人は親友の久坂沙夜子が居るため気にしていない。
気まぐれで棘はあるが、根は素直で甘え上手。親衛隊が出来るほど男受けがいいが、真田美人とつき合っており、学校でも評判の大型カップル。真田の事は大切に思っているし愛しているが、他にも年上の彼氏が何人も居る。
今井榛名、高杉清一とは幼馴染で2人をとても大切に思っている。
基本的にあまりクラスに執着はないが、友人の斎藤一喜の事となると少し過保護になる。友人たちは喫煙者だが、自身は煙草は香りを嗅ぐのも嫌なほど嫌い。
部活動新体操部
身長/血液型154cm/B型
父親の職業旅館経営者
好きなタイプ責任感のある人
友人関係高杉清一/斎藤一喜/久坂沙夜子
(不良グループ)
今井榛名/釈比呂斗/松本政宗/九頭夕介/真田美人/一橋翔太郎
男子2番 /宇佐美広海(うさみ・ひろみ)
支給武器アイスピック
被害者数Nothing
加害者真田美人
現在状況森(E-2)で真田美人と戦闘、全身被弾で死亡
金に近い茶髪に黒ぶち眼鏡。エナメルのワークブーツを履いているお洒落さん。
おっとりとしたマイペース。
喋り方も動きも人よりのんびりとしていて、温厚な性格。今時らしくオシャレで優しい草食系男子だが、意外と言いたい事はハッキリと言うし、嫌だと思う事はそれなりに口に出す。
剣道好きの父の影響で幼い頃から剣道を習っていて、四ツ谷付属高校でも一、二を争う実力者。二年生の前半まで部活に所属していたが、大会で事故を起こして以来責任を感じて退部。
竹刀を握っている時に人が変わったようになる事があり、非常に好戦的で挑発的な態度を取る。
今井榛名、釈比呂斗とは寮のルームメイトで、3年い組いたずらトリオ。上記の事情も彼らは知っており、それでも仲良く接してくれる大切な親友と思っている。榛名につけられたあだ名は「ラビ」
我孫子聖良のことが気になっていて、お喋りしたいが親衛隊に入るのはプライドが邪魔をする。
部活動無所属(元剣道部)
身長/血液型172cm/AB型
父親の職業会社員(外資系)
好きなタイプ気の強い子
友人関係今井榛名/釈比呂斗/松本政宗/五百蔵ひかる/石井琴美/竹内真理/松城凛々子
(主流派グループ)
藤岡君。
男子15番・藤岡照昌(ふじおか・てるまさ)
陸上部短距離専門。優しい少年。
男子運動部グループの一員。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
2連発デリンジャー
kill:
緑沢風美(女子18番)
killed:
富田宗(男子11番)
死亡話数:
33話
凶器:
小さい弓矢
B=01エリアで突然川上理映子(女子3番)に襲われ、女子は危険だから殺さないといけないという思考が働く。
D=04エリアで風美を発見。追い掛け回した末殺害。それを宗に目撃されてしまい、襲いかかるが、宗の放った矢が額に刺さり死亡。
なつ@論破
@sum_147
特に好き:九頭龍冬彦が一番/星竜馬 CP:クズペコ/百春中心にNL
マイペースにイラストや漫画呟きます。ダンガンロンパ好きの方はお友達になって頂けますと嬉しいです!いつか薄い本出したい。20↑
※ネタバレ有
アカウント稼働:2018.01.14
国内指定暴力団九頭龍組twpf.jp/sum_147
mxxx*
@mxxx12050915
呼び名:みー/成人済/MHA腐/爆豪家/幼馴染 /無言フォロー常習 ??Reprint is prohibited?? 感想&お題はこちら
?恭?12日ハイコン!!
@krbk_0211
耳郎響香本命の雌豚。25↑轟と爆豪もひっそり集めてます。お取り引き垢&日常ツイートもしばしばしば。一方的にフォローするしファボります。仲良くしてくれるとすぐに懐きます。詳しくはこちら(読まなくても平気)→
アジ「弱くてニューゲーム……ってウチなのか?」ch.4『ダンガンロンパV3』
最原「強くてニューゲーム……ってボクなの?」ch.4『ダンガンロンパV3』
青柳
>>6の
>………を………み、…………を…………だ。
は、なんて言ってるんだろ?もう事件も終わったし関係ないが誰か教えておくれ
青柳
水溜り
VRミッション25
ねむい
@itsunemo
いつもねむい
ライアンのシェイカーの中pixiv.me/itsunemo
みかど(春日野P)
@wishstar1208
神奈川県横浜市在住。WEBではオリバト評論家(主に、バトルロワイアルという小説の二次創作/続編もの)をしております。ニコマスでは動画を連載中。秋月律子、梅木音葉、西園寺プロダクション、伊集院北斗のPです。twitterは2011/10/28から開始したはず。多分。
geocities.co.jp/SiliconValley-…
キズナアイ
星子
りかぽぅ@新妻ぷりん(期間限定)
@Rikapo_1226
MMDで動画や静画を作ってたりする人です。雪歩ちゃんが大好きです(*´ω`*)小早川瑞樹ちゃんとレッドショルダーと魔王エンジェルも好き。あとなにげに中子ちゃんと右子ちゃんも好き。ツイ廃なので無駄にTLを埋めるのでフォローの際はご注意ください。ポストがなくなったらたぶん死んでます(*´ω`*)
静岡県nicovideo.jp/mylist/34688293
【やよクエ】P
@tsurugi0812
【必読】ニコマス1001Pでありニコ生主です!アイマス・ニコ生主・ニコ動関係を中心にフォロー・リフォローさせて頂いてます。基本的にリツイートのみ、独り言のみなどフォロワーとの会話のやり取りのないアカウントはリフォローしないでブロック&解除しますのでよろしくお願いします。
神奈川県横須賀市com.nicovideo.jp/community/co52…
ポプみを感じる
霧子
鳳千絵香
峠
阿久津
由芽子
――――――――――――――――
春元はスオウに阿久野との関係について話すかどうか迷ったが、結局は話さないことに決めた。ゲーム終了まで残り一時間を切っているので、今さら話す必要はないと思ったのだ。これ以上、話を複雑にしたくないという思いもあった。スオウは話を聞きたがっているみたいだったが、わざと気付かない振りをしてごまかすことにした。
まさか、あの阿久野が絡んでいたとは思いもしなかったけどな──。
電動バスのハンドルを握りながらも、内心では阿久野のことを思い返していた。今はゲームに集中しないといけないことぐらい分かっているのに、どうしてもあの男の顔が脳裏に浮かんできてしまうのだ。
一見すると、出来る刑事の顔に見えたが、今改めて阿久野のことを思い返してみると、何か裏のある顔に見えなくもない。あのときは《自分が巻き込まれた事件》のことで頭が混乱していて、そこまで注意深く観察する余裕がなかったのだ。
相手は刑事である。疑うという気すら起きなかった。いや、むしろこちらから積極的に頼ってしまった。
それが間違いだったのかもしれないな……。もっと慎重に行動をしていれば……。
今さらながらにそう思った。
後悔先に立たず。
その言葉が重く胸に圧し掛かる。
春元が阿久野と関わることになるきっかけとなったのが、春元の妹の存在にあった。妹は幼い頃から《アイドル》になりたいという夢を持っていた。
すべてはそこから始まったのだった──。
赤松砲丸が中途半端に当たって重症で死ななかったらどうしてただろう
もう一度殴って[ピーーー]と傷跡からバレるし
今にも死にそうな天海を前に「どうせここじゃ医療設備もなく助からないしひと思いに殺って外に出て助けを呼ぼう」って話になるのかな
鈴垢
2012年5月31日(1日目)、02:44p.m.――
「助けて…お願い…ッ!!」
涙ながらに訴えてくる鷹城雪美(女子九番)を前に、上野原咲良(女子二番)はどうするべきなのかわからなくなった。
まず、雪美とはそこまで親しい間柄ではない。
雪美はクラスの中でも大人しい女子のグループに属し、クラスの中心で盛り上がる城ヶ崎麗(男子十番)といつも行動を共にしている咲良には滅多に近付いてこない。
学校行事での様子から見て、雪美は目立って騒ぐことがあまり好きではないのだろうな、という印象を持っていた。
用事があれば普通に会話をするが、取り立てて用事のない時には関わることが滅多にない、それが雪美と咲良の距離だった。
そんな咲良に、どうして雪美は助けを求めるのか。
2012年5月31日(1日目)、02:44p.m.――
「助けて…お願い…ッ!!」
涙ながらに訴えてくる鷹城雪美(女子九番)を前に、上野原咲良(女子二番)はどうするべきなのかわからなくなった。
まず、雪美とはそこまで親しい間柄ではない。
雪美はクラスの中でも大人しい女子のグループに属し、クラスの中心で盛り上がる城ヶ崎麗(男子十番)といつも行動を共にしている咲良には滅多に近付いてこない。
学校行事での様子から見て、雪美は目立って騒ぐことがあまり好きではないのだろうな、という印象を持っていた。
用事があれば普通に会話をするが、取り立てて用事のない時には関わることが滅多にない、それが雪美と咲良の距離だった。
そんな咲良に、どうして雪美は助けを求めるのか。
そして、雪美は先程自分たちに襲い掛かってきた松栄錬(男子九番)と湯浅季莉(女子二十番)と同じ班だったはずだ。
それに、忘れもしないプログラム開始直後の銃声――雪美たちの班と麗たちの班以外がまだ教室にいたことから、あの銃声に雪美たちが関わっている可能性は非常に高く、それは雪美たちが麗たちを襲った可能性も高いことを示している。
麗はプログラムに乗らないことを宣言していたし、同じ班の木戸健太(男子六番)・朝比奈紗羅(女子一番)・鳴神もみじ(女子十二番)が麗の意思に背くこともクラスメイトを自ら傷付けようとすることもとても考えられない。
戦う意思のない麗たちをおそらく襲っておきながら、今どうして泣いて助けを請うているのか。
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 男子八番・宍貝雄大 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十一番・田中顕昌 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 男子十八番・横山圭 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 男子八番・宍貝雄大 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 男子十八番・横山圭 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 男子八番・宍貝雄大 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班 男子十二番・内藤恒祐 男子二十番・林崎洋海 女子四番・如月梨杏 女子十六番・星崎かれん
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班 男子三番・雨宮悠希 男子五番・川原龍輝 女子七番・佐伯華那 女子十九番・山本真子
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班
4班 男子四番・池ノ坊奨 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 女子三番・荻野千世 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班
4班 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班 男子一番・相葉優人 女子五番・小石川葉瑠
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班
4班 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班
4班 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳 女子十五番・広瀬邑子
チーム編成
1班
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班
4班 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十四番・春川英隆 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳
チーム編成
1班
2班 男子二番・芥川雅哉 男子十五番・日比野迅 女子十一番・奈良橋智子 女子十七番・水田早稀
3班
4班 男子十六番・真壁瑠衣斗 女子二番・上野原咲良 女子十番・高須撫子
5班 男子六番・木戸健太 男子十番・城ヶ崎麗 女子一番・朝比奈紗羅 女子十二番・鳴神もみじ
6班 男子七番・榊原賢吾 男子九番・松栄錬 女子九番・鷹城雪美 女子二十番・湯浅季莉
7班 男子十九番・芳野利央 女子八番・阪本遼子 女子十三番・蓮井未久
8班
9班 男子十三番・原裕一郎 女子十四番・平野南海 女子十八番・室町古都美
10班 男子十七番・望月卓也 女子六番・財前永佳
戦闘記録
1 ○ アキヒロ(軍人) v.s. 田中顕昌(男子11番) ×
(5/31 2:29a.m. 田中顕昌 退場)
2 ○ 榊原賢吾(男子7番)
湯浅季莉(女子20番) v.s. 木戸健太(男子6番) ×
城ヶ崎麗(男子10番)
朝比奈紗羅(女子1番)
鳴神もみじ(女子12番)
(木戸健太・城ヶ崎麗・朝比奈紗羅・鳴神もみじ 撤退)
3 ○ 室町古都美(女子18番) v.s. 横山圭(男子18番) ×
(5/31 3:45a.m. 横山圭 退場)
4 ○ 財前永佳(女子6番) v.s. 相葉優人(男子1番) ×
宍貝雄大(男子8番)
荻野千世(女子3番)
小石川葉瑠(女子5番)
(5/31 4:21a.m. 宍貝雄大 退場)
(相葉優人・荻野千世・小石川葉瑠 撤退)
5 ○ 池ノ坊奨(男子4番)
真壁瑠衣斗(男子16番)
上野原咲良(女子2番)
高須撫子(女子10番) v.s. 内藤恒祐(男子12番) ×
林崎洋海(男子20番)
如月梨杏(女子4番)
星崎かれん(女子16番)
(5/31 5:27a.m. 如月梨杏 退場)
(5/31 5:28a.m. 内藤恒祐 退場)
(5/31 5:28a.m. 林崎洋海 退場)
(5/31 5:28a.m. 星崎かれん 退場)
かよちん
あくみん
風波
「どぐぶずべ……(どくむすめ……)。ぼうが、ぎびがだのどぐぶずべがっだのが……(そうか、きみがあのどくむすめだったのか……)」
包帯男の瞳が細まった。櫻子の自己紹介に興味を引くものがあったようだ。
「どうやら、あなたと行動を共にした方が良さそうね」
櫻子の口元にうっすらと笑みが浮かんだ。菩薩が浮かべるあるかなしかの笑みのようにも見えるし、悪魔が浮かべる薄ら寒い笑みのようにも見える。
この瞬間、常人にはとうてい窺い知る由もない二人の狂人の意思が初めて通ったのである。
そして、それは同時に『狂人同盟』が結成された瞬間でもあった。
ゲーム終了まで一時間を切って、まだまだひと波乱もふた波乱も起きそうな情勢になった。
原作:僕のヒーローアカデミア
タグ:R-15 オリ主 残酷な描写 不定期更新 青山B組 ヒロイン耳郎
”個性”と呼ばれる超常現象が当たり前となった社会。
その社会では今まで夢物語とされてきた『ヒーロー』が職業となり、脚光を浴びていた。
そして、一人の少年もまた『ヒーロー』を目指していた。
誰かを守るために───────
朝井
登代子
undefined
代々木
萬田麗子
意識朦朧としてるな中書いたので変な内容になってる可能性があるので後から大幅に変えるかも知れません。なら出すなよって思いますがそれすら判断できなかったみたいで今日直します。すいませんでしたm(_ _)m
投下ー。
<裁判場>
夢野(星とのテニスの後、しばらく悲しみの感情に浸っていたウチら)
夢野(モノクマも気を使ったのか、しばらくしてからウチらは裁判場に戻される)
夢野(星の望みを『コロシアイを終わらせる』にしてもらえば、今ごろこんな生活とはおさらばじゃっただろう)
夢野(それでも……後悔は全くなかった)
夢野(いや、それどころか……コロシアイを終わらせていたら、逆に後悔していただろうと思うほどじゃ)
夢野「……よしっ!! 泣くのはここまでじゃ!!」
夢野「今度こそじゃ!! 絶対に二度とコロシアイは起こさせん!!」
百田「ああっ、その通りだ!!」
夢野(一層と団結を深めるウチらに)
真宮寺「くくっ、でも殺人未遂を犯した者を放っておいていいのかナ?」
夢野「……未遂どころか、お主は実際東条を殺しているではないか?」
真宮寺「まあ僕はみんなの輪の中に入ることは諦めているからいいヨ」
真宮寺「でも、しれっと仲間面しているのはいいのかナ」
夢野(真宮寺の言葉に、ウチらの視線は一点……ハルマキの方を向く)
春川「そうだね……」
春川「結果的に星が先に殺していたとはいえ……私が夜長を殺しかけていたのは事実だよ」
春川「それだけじゃなく……捜査もサボって、みんなを殺しかけた」
春川「私がちゃんと死体を見ていれば、死因もすぐに分かったはずだった」
春川「ごめんなさい」
夢野(ハルマキの謝罪に……罵声が飛ぶ)
百田「許せねーよな、みんな」
王馬「それくらいじゃ許せな……って、え? 百田ちゃんがそれを言うの?」
夢野(王馬が同じことを言い掛けて、疑問の声を上げる)
百田「俺だって間違っていることはちゃんと間違っているって言うぞ」
王馬「ふーん……まあとにかく、春川ちゃんのせいでオレたちは死にかけたんだよ!! そんな謝罪くらいで許せるわけ無いじゃん!!」
春川「それは……そうだね」
百田「ああ、だから殺人未遂までしたハルマキにはおしおきを与えねーとな」
王馬「だからここは何かおしおきを……って、また百田ちゃん!?」
夢野(王馬がビックリした声を上げる)
夢野(確かに百田が王馬が言いそうなことを先回りして言っている)
夢野(どういうつもりじゃ……?)
百田「おしおきの内容は……これまで以上にコロシアイを防ぐように尽力することだ」
百田「拒否権は無い。絶対にやってもらうぞ、ハルマキ」
春川「百田……」
百田「みんなもそれでいいな!?」
夢野「ウチは異論無いぞ」
茶柱「転子も問題ありません!!」
天海「まあ、元々コロシアイを防ぐために頑張っている姿は見ているっす」
キーボ「アンジーさんを殺そうとしたと考えると複雑ですが……反省しているみたいですし、分かりました」
王馬「あーあー……そんな風に持って行くのね」
王馬「つまんないの」
真宮寺「同感だヨ」
夢野(一部不服の声を上げる者もいるが賛成多数)
モノクマ「うぷっ!」
夢野(実際百田の病気も杞憂じゃったことが分かった)
モノクマ「うぷぷっ!」
夢野(ハルマキもこれからは心を入れ替えてコロシアイを防ぐために努力するじゃろう)
モノクマ「うぷぷぷっ!」
夢野(人数は減ってきたが、いい雰囲気になってきたと――)
モノクマ「うぷぷぷぷっ!」
夢野「何じゃ!! さっきからうるさいぞ、モノクマ!!」
モノクマ「いや、みんながなんか良い雰囲気みたいだからね」
モノクマ「ちょっと胸糞悪くてさ」
夢野「何じゃ、じゃから裁判終わった直後なのに動機でも出してウチらをまたバラバラにするとでも言うのか?」
モノクマ「いやいや、まだ次の動機は考え中だけど」
モノクマ「そんなことしなくてもオマエラを絶望に叩き落とすことなんて簡単なんだよ!!」
夢野「絶望に……?」
モノクマ「生徒のワガママを受けて、ボクも追加動機を考えたんだからさ」
モノクマ「ボクだってワガママ言ってもいいよね!?」
モノクマ「ていうか、言います!! 今回の事件の裏に隠されてた悪意をバラします!!」
夢野「追加動機が……ウチらの中から? それに……悪意じゃと!?」
夢野(それはウチのことか? 望みを叶えろって言ったから追加動機が発表されたわけで………………)
夢野(いや、そういえばあのときモノクマは……)
<回想>
モノクマ『だからどうにか打開策を考えているっていうのに……わがままを言う生徒『たち』……』
モノクマ『全く、今のボクにそんな生徒『たち』の望みを叶えている余裕は――――』
モノクマ『これで……『どっちの要望も』満たせるはず。いやあ、ボクって生徒想い!』
夢野(生徒たち……どっちの要望も……そんな風に言っておった)
夢野(なら、ウチ以外に何かモノクマに要望を言った者がおったのか?)
夢野(それに今回の事件の裏に隠されていた悪意とは一体……………………)
真宮寺「くくっ」
夢野「真宮寺……?」
真宮寺「しょうがないネ、僕も予想以上の結果を得られたわけだし」
真宮寺「そのワガママに答えて上げるヨ、モノクマ」
モノクマ「そう? いやあ、先生思いの生徒を持てて、ボクは幸せだなぁ」
真宮寺「僕も生徒思いの先生がいてありがたいヨ」
夢野「何の……話じゃ……?」
夢野(あやつらは一体何を言っているんじゃ?)
真宮寺「ということでここからの説明は僕がするヨ」
真宮寺「モノクマも言ったとおり、今回の追加動機は僕が望んだことだったんだ」
真宮寺「具体的な内容は任せたけど、監視の目を逸らすためにとにかくみんなの注目を集める何か……って条件だったヨ」
茶柱「ですが、それはおかしいですよ!!」
茶柱「転子たちが二十四時間態勢で監視していたんです!! モノクマに相談できたはずがありません!!」
真宮寺「いやいや、それが隙があったんだヨ」
王馬「なるほど……やっぱり真宮寺ちゃんの監視は部屋の中でやるべきだったね」
王馬「モノクマはどこにでも現れることが出来る。部屋の前で監視しているオレたちの目を盗むなんて訳ないことだよ」
百田「で、でも部屋の前で見張ってたんだ!! 話し声でもあったら気づいて……」
真宮寺「そうだネ。だから助かったヨ、キーボ君。君が持ってきたスピーカーは話し声をかき消す役割を果たしてくれた」
キーボ「まさか……ずっと縛られて退屈していたという愚痴はそのために……!!」
真宮寺「そういうこと。それ以外にも縛られている手がカユいって言ったら緩めたりもしてくれたよネ。その隙で拘束を抜け出すための準備も仕込めたヨ」
夢野「っ……そうか、アナウンスが鳴ったときに拘束を解いて、ウチを殺そうとしたしな」
真宮寺「そして追加動機、望みを叶えるゲームが始まって……監視は病人の百田君だけになった」
真宮寺「百田君は頑張ってたけど、一日目の深夜、ついに限界が来て寝てしまった」
百田「くっ……俺がちゃんとしていれば……!!」
真宮寺「まあでも無理もないヨ。一人で二十四時間見張るなんて無茶なんだからサ」
真宮寺「こうして僕はやっと自由に動ける時間を手に入れることが出来た」
真宮寺「すぐにでも三人とも姉さんの友達にしてあげたかったけど……それは追加校則で封じられている」
真宮寺「誰かを誘導してコロシアイを起こさせることも、警戒されている状況では難しい」
真宮寺「だから何をしたかというと」
真宮寺「ありとあらゆるコロシアイの種をばらまいたってわけ」
夢野「コロシアイの種を……?」
王馬「じゃあやっぱり夢野ちゃんが階段で転んだのも、真宮寺ちゃんの仕業ってわけか」
真宮寺「ああ、そんなのも仕掛けてたネ。夢野さんが引っかかったんだ」
夢野「階段で転ぶ……あれが、真宮寺の仕業ってどういうことじゃ!!?」
王馬「気づいてなかったんだね。夢野ちゃんが転んだ部分だけ、不自然に滑りやすくなってたんだよ」
夢野「んあっ!? どうして……何のために?」
真宮寺「念のためにだヨ」
真宮寺「まあ、何がコロシアイに繋がるか分からないからサ」
真宮寺「怪我をするのも良し、仕掛けに気づいて不信感を持つも良し」
真宮寺「打ち所が悪くて死んだとしたら……みんな裁判的には自殺って思って投票して、でも実際僕の仕掛けなわけだしクロの卒業で全員殺せたかもネ」
真宮寺「他にも色々仕掛けてたんだヨ」
真宮寺「体育館の脚立は段が外れるようにしたり」
真宮寺「キッチンではガスコンロのボンベが爆発するようにしたり、包丁をボロい道具に変えたり」
真宮寺「倉庫の棚を倒れやすくしたり」
真宮寺「春川さんの研究教室の武器を意味ありげに持ち出したり」
真宮寺「何も無い部屋の床板が踏み抜けるようにしたり」
真宮寺「今言った夢野さんが引っかかったように階段を滑りやすくしたりネ」
真宮寺「正直色々やったから全部は覚えてないくらいだヨ。まあ引っかかったのは一部みたいだけどネ」
夢野「………………」
夢野(真宮寺の細工……どれも直接コロシアイになるのは難しくも、種になる様な仕掛けが次々と明らかになる)
夢野(その中にウチも覚えがある物があった)
夢野「キッチンの包丁の細工……アンジーの怪我もお主の仕業じゃったのか」
夢野(それなのにウチはアンジーの料理が下手じゃと思いこんで……)
天海「正直理解はしたくないっすが」
天海「真宮寺君のやったことは分かったっす」
天海「でも、今回の事件の裏に潜んでいた悪意……ってどういうことっすかね?」
茶柱「そういえばそんな話だったですね」
キーボ「今回の事件に真宮寺君が関わったところがあるってことですか?」
百田「でも、やつは完全にシロだったぞ? ゲーム世界も最初と捜査時間でしかログインしてないし」
春川「今言った仕掛けにも、事件に直接関わったと思えるのも無いし……」
夢野「包丁の仕掛けでアンジーが傷が付いたから、傷を誤認させるトリックが成り立ったわけじゃが……悪意とまで呼ぶのか?」
真宮寺「くくっ、それだとちょっと弱いネ」
真宮寺「答えを明かすヨ。言ったように仕掛けも他に色々あって……」
真宮寺「その中で特大の当たりを引いたものがあるんだヨ」
真宮寺「天海君と……夢野さんならその意味も分かるんじゃないかナ?」
夢野(真宮寺は意味ありげに笑うと、天海とウチに何かの紙を放る)
天海「俺と夢野さんっすか?」
夢野「どういうことじゃ……?」
夢野(疑問に思いながらも言われるままにその紙を読むと)
夢野(それは天海の研究教室にあった麻酔薬の説明書じゃった)
夢野(使い方や、注意事項が書かれていて)
夢野(ウチも参考にした人間相手へ睡眠薬として使用するときの分量も書かれている)
夢野(それによると……分量は100mgということで…………………………)
夢野「………………え?」
夢野「ま、まさか…………!?」
夢野(ウチがハルマキ相手に使ったときは1mgじゃ)
夢野(なのにこの説明書は100mgに書き換わっておる)
夢野(だとしたら――)
<回想>
星『そして睡眠薬を説明書通り人間相手を眠らせる分量で準備して打った……つもりだったんだが』
星『アレルギーで過剰に反応したか、もしくは体質か……まあ何か問題があったんだろう。結果的に夜長を殺してしまうことになった』
夢野(星が見たのがこの説明書だったとしたら……アンジーが死んだ理由はアレルギーなどではない)
夢野(ハルマキがあれだけすぐに寝るくらい効果の強い睡眠薬じゃ)
夢野(その百倍も一気にぶち込まれては……死ぬに決まっておる……!!)
真宮寺「気づいたみたいだネ」
真宮寺「そういうこと。星君がアンジーさんを殺してしまったのは、睡眠薬の分量を間違えたから」
真宮寺「そして間違えたのは……僕の仕業ってわけ」
真宮寺「現実なら僕にも幾分か罪が付くんだろうけど」
真宮寺「このコロシアイ学園生活では殺しの引き金を引いた人だけがクロ。つまり、実際に睡眠薬を投与した星君が全責任を負ったってことだネ」
夢野「~~~~っ!!」
夢野「真宮寺!! お主のせいで星は……っ!!」
天海「完全にシロでも誰かをクロにした可能性が残っている」
天海「俺が言ったことっすけど……実際にそうだったということっすね」
真宮寺「結果的にターゲットのアンジーさんが死んだのは望外の幸運だけど……」
真宮寺「別に死ぬのは誰でも良かったんだ」
真宮寺「死体さえあれば、それを使っておしおき逃れの殺しを出来るわけだしネ」
茶柱「は、吐き気がします……」
キーボ「ボ、ボクも気持ち悪くなってきました……ロボなのに……」
春川「暗殺者でもここまで思想が偏っている人はいないって」
百田「おまえは金輪際で敵だ。絶対に許さねえからな」
真宮寺「くくっ、まあ気にしないけどネ」
夢野(何もかもが計算づくの真宮寺の行動)
夢野(全てがウチらを殺すために出来ておる)
真宮寺「残りは――あと二人」
真宮寺「ここからは小細工無しで行けるヨ!!」
夢野(校則で殺人は二人までと制限されておるが)
夢野(真宮寺のターゲットは残りウチと転子のみ)
夢野(おしおき覚悟ならば、何も考えずに殺すことが出来る)
真宮寺「モノクマ、殺人行為禁止宣言は裁判が終わるまでって話だったけどサ?」
真宮寺「それってもう解禁されたってことなのかナ?」
モノクマ「……そうだよ、って言ったら今すぐにでも殺しそうな勢いだね」
モノクマ「だめだめ、この裁判場は神聖な場所なんだからね!! 血なんて見たくないよ!!」
モノクマ「だから宣言は明日の朝まで効力を発揮することにします!! どうせオマエラ食堂で朝食会ってのするんでしょ?」
モノクマ「その場でまた話はするよ」
真宮寺「そう、残念だヨ」
モノクマ「というわけで今日の裁判は終わり!」
モノクマ「今日一日は安心して寝て、明日からまたコロシアイに恐怖してね!」
モノクマ「というわけで……ばいなら!」
夢野(モノクマは裁判場から姿を消す)
モノクマーズ「「「「「ばーいくまー!!」」」」」
夢野(モノクマーズも姿を消す)
真宮寺「僕も明日のために、今日は休もうかナ」
真宮寺「じゃあネ、みんな。また明日」
夢野(真宮寺も一番にエレベーターに向かうと裁判場から退場した)
夢野(残されたウチらはというと……)
「「「………………」」」
夢野(黙り込んでいた)
夢野(真宮寺という比類無き悪意に触れて憔悴したのじゃろう)
夢野(コロシアイ学園生活に慣れている二周目のウチでさえもキツい)
夢野(それでも……真宮寺を止めるためにはこの七人で団結するべきじゃろう)
夢野(だからウチは口を開こうとして……)
王馬「いや、ほんとね」
王馬「オレもこんなこと言いたくないんだけどさ……」
王馬「真宮寺ちゃん以外にももう一つ懸念が残っているんだ」
夢野「王馬……?」
王馬「ゲーム世界の教会に仕掛けられてた爆弾だよ」
王馬「真宮寺ちゃんはコロシアイの種をあちこちにバラまいたって話だったけど」
王馬「それでもゲーム世界にログイン履歴が無かった以上、真宮寺ちゃんにあの爆弾は仕込めないんだよ」
王馬「捜査時間にログインしたときも監視していたから動けなかったはずだし」
王馬「被害者のアンジーちゃんが仕掛けたとしたら、モノクマがバラしていると思う」
王馬「そのモノクマ自身もコロシアイへの介入はアンフェアでしないと思うし……」
王馬「だから……残る可能性はこういうこと」
王馬「この中の誰かがあの爆弾を仕掛けたってわけ」
夢野「っ……!?」
春川「っ……!?」
百田「っ……!?」
天海「っ……!?」
キーボ「っ……!?」
茶柱「っ……!?」
夢野「王馬……その話は今せんでも……!!」
王馬「いや、オレだって迷ったけど……後からバレる方が問題でしょ?」
夢野「っ、それも……そうじゃが……」
夢野(真宮寺対策をどうにかしていきたい中、この七人で団結できないのは辛い)
夢野(ウチらがバラバラで対峙できるような悪意では無いというのに)
王馬「だから……そこらへんも含めて、明日の朝また話し合おっか」
王馬「今日はもう疲れているだろうしみんな休んだ方が良いよ。テニスもしたわけだしね」
夢野「テニス……か」
夢野(ほんの一時間ほど前の出来事なのに……すごい過去のように思える)
夢野(星を相手にあんなに団結したのに……どうしてこんなことになったんじゃろうな?)
そして夢野たちは裁判場を後にする。
朝から始まった事件も気づけば夜。
望みを叶えるゲームから続いて、寝不足な生徒も多い。
それぞれの自室に戻って、そのままベッドに倒れ込む者がほとんどだった。
前日とは打って変わって静寂な夜。
この夜が明けたときに――始まるのだ。
ダンガンロンパV4、最後のコロシアイが。
C H A P T E R 4
生 か せ 望 み の み か 神 の み ぞ の 世 界
E N D
生存者 残り8名
To Be Continued
ということでチャプター4も完結と相成りました。
過去最大のボリュームということで、ここまでお読みいただきありがとうございます。
今回はかなり展開を読まれましたね。悔しさ半分、読みこんでくれた嬉しさ半分です。
続きのチャプター5についてですが、例によってまた一から構想を立てるので執筆に時間がかかります。
早く戻ってこれるように頑張りたいですが……どうなるかは神のみぞ知るということで。
進捗報告は下記のTwitterで行っています。
http://twitter.com/raida_hokohira
では、また。
※約ネバ本誌ネタバレ
久しぶりにジャンプ買ったらノーマンくんがやっと公式で生きてるって出してくれたしちゃんと美味しいご飯食べてた………それにしてもピーター・ラートリーさん×ノーマンくんありやな……ありやと思いません…?ありや………
蘭子
あらすじ(人狼ゲーム) 編集
高校2年生の愛梨は、アルバイトの帰りに何者かに拉致される。同じ場所には男女10人の高校生が集められ、部屋のモニターから何者かに「この場で起きていることは撮影され、中継されています」と告げられ、「人狼ゲーム」を強制的に開始させられる。ゲームを進めると、そのルールに従って決めた処刑対象者が実際に殺されていく。
仁科愛梨:桜庭ななみ
多田友宏
下林勇平
平埜生成
野花
DAiさんが破局?
そんなどうでもいい事より、「未来日記」「ライアーゲーム」「ハンター×ハンター」「リアル脱出ゲーム」のタグロックを外して、消して欲しい。
それで代わりに「ハウスシリーズ」でも何でも良いから、全シリーズ通してのタグを作って、それをロックして欲しい。
ネタハウス系にもそのタグを付ければ見つけやすくなるし。
加納江砂
島光琳
渡辺貴子
本願五月
モモモ
藤本葵
榛名
・平昌オリンピックが始まり 日本に知られたもの
・モルゲッソヨ像
・人面鳥
まだ開会式当日なのに ボス級クリーチャー2種も出るとかとか あの国の美的感覚はどうなってんだ
LIFE GAME
LIFE GAME
uta
ナデ・タクセ
何気ない日常を過ごしていた高校生の成哉に突然届いた一通の黒い封筒。入っていたのは、あるゲームへの招待状…。ただのいたずらと気にも留めない成哉だったが、狐面をかぶった何者かに拉致されてしまう! 目を覚ますと、そこには見知らぬ9人の男女が…。 誰が、何のために…!? 成哉たちの不安をあざ笑うかのように、理不尽な殺戮ショーの幕が上がる!!
乙です!塩が原作よりもやべー奴になってて真宮寺生える
乙です!
4章とてもつまらなかったです!!続き楽しみにしてます!
咲ちー。
女子1番・麻生咲(あそう・さき)
バドミントン部。外見は派手だが髪は天然色。
温厚で心優しい少女。
皆川玉樹(男子16番)と付き合っている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
果物ナイフ
kill:
なし
killed:
美祢達也(男子17番)
死亡話数:
55話
凶器:
ベレッタM92FS
出発直後玉樹に会う。それからはずっと共に行動する。
F=05エリアで堤良樹(男子10番)が倒れているのを見つけ、F=04エリアで介抱する。良樹が目覚めたので、あたりを警戒していると、仲山行人(男子12番)に襲われる。良樹に逃げるよう促され、玉樹と共に逃げる。
死を予感し部活の友達への手紙を書いたあと、井上稔(男子2番)・美祢達哉(男子17番)を探しに行くが、D=07エリアで狂っている達哉に出会う。殺されそうになるが、玉樹に庇われる。玉樹が殺害された事に逆上。達哉の武器を取ろうとしたりするが、玉樹の銃を取られてしまう。そこに稔が現れ、助けを求めるが、達哉に背中を撃たれ死亡。
おつおつ、結局怪しい事はほとんど真宮寺だったか
階段で滑る直前>>236でログアウト中のはずの天海がログインしてるふり?してるから怪しいと思ったんだが、単なるミスか何なのか
転子が滑ってないのは黒幕説で納得してしまいそうになるけど、まあ偶然か…?
和田君。
男子20番・和田純直(わだ・すみなお)
バレーボール部。ポジションはセッター。
男子運動部グループの一員、ほのぼのしていて優しい。
原田千秋(女子16番)と付き合っている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器:
「火炎瓶の作り方」の紙
kill:
なし
killed:
なし(自殺)
死亡話数:
7話
凶器:
なし(溺死)
公園入り口で純直と出会う。F=01エリアで、千秋に生きるように言われたが拒否する。2人で入水自殺。
おつおつ、結局怪しい事はほとんど塩だったか
階段で滑る直前>>236でログアウト中のはずのなん図書がログインしてるふり?してるから怪しいと思ったんだが、単なるミスか何なのか
男死レズが滑ってないのは黒幕説で納得してしまいそうになるけど、まあ偶然か…?
チャプター2 あらすじ
才囚学園の新たなフロアの開放。
それに伴い、メンヘラ暗殺者の超高校級の暗殺者の研究教室も開放される。前周回では自分の才能を隠していた春川だが今回はそれを皆に打ち明け、受け入れられる。
そんな中モノクマに提示された新たな動機。『動機ビデオ』
アジとメンヘラ暗殺者はどうにか対処しようと画策するが、今周回では生き残った牛松がバラバラに配られたビデオをみんなで見ようと提案する。
そして始まった動機ビデオ鑑賞会。
総理大臣(笑)と☆の動機ビデオで問題が起きるも、みんなで解決。このまま無事に終わるかと思った矢先に、前周回では不発だった塩の動機ビデオ『姉の友達を作るために女性を殺している』という内容が暴露される。
しかし塩が思い出しライトで今思い出したという嘘を付いたのと、牛松が許したことでどうにかその場は収まった。
その後アジがお騒がせ宗教娘の信者にならなかったため、代わりに鉄屑のロボットショーが開かれる。
ショーの最中に超高校級の昆虫学者、昆虫で和もう博士の死体が発見。
捜査・裁判を経て、超高校級の発明家、豚便器が夜時間にプールの水に触れてはいけないという校則を用いて殺されたことが判明。言いがかりをつけるもおしおきされる。
アジはその言いがかりの中の不可解な言葉から、豚便器に今回の殺害計画を渡した『提案者』がいることを突き止める。
提案者の存在、陰キャ原の蘇りを夢想してしまう牛松。
コロシアイ学園生活はさらに混迷を極めていく。
FATED CHILDREN Ⅰ
~はじまりの唄~
コンテンツ
地図 会場の地図。禁止エリアのチェックはここで。
席順 出席番号順に座ったときの座席表。
神奈川県立相模野原中央公園とその周辺地図
オリバト1よりマシになったと思う・・・
禁止エリア
1日目
AM4:40 I=07
AM7:00 A=01
AM9:00 C=10
AM11:00 D=05
PM1:00 I=02
PM3:00 F=01
PM5:00 D=03
PM7:00 D=08
PM9:00 G=06
PM11:00 B=09
2日目
AM1:00 F=07
AM3:00 B=04
AM5:00 G=05
AM7:00 I=08
AM8:00 H=09
AM9:00 G=10
AM10:00 H=04
AM11:00 G=02
PM0:00 I=04
ドラマ&映画『人狼ゲーム ロストエデン/インフェルノ』
@jinrogame_movie
「人狼ゲーム」新シリーズ!
★TVドラマ:ロストエデン放送中
★劇場版:インフェルノ4月7日公開
出演:武田玲奈、小倉優香、上野優華、勧修寺保都、松本享恭、吉原拓弥、久田莉子、時人、米本来輝、平松賢人、山地まり、大和孔太、都丸紗也華、貴志晃平、吉原雅斗、山田智史、海田朱音、玉城裕規、小松彩夏、水野勝、足立理、加藤虎ノ介
jinro-game.net
越智一二三
「それでは 、戦死者の報告から。PM 9:10、男子21番・向日星司くん……は皆さん知っていんすよね。 次、PM 10:56、男子23番・矢吹正義くん。PM 11:30、女子25番・渡辺綾乃さん。以上でありんすが……おやおや、皆さん元気がないでありんすよ? もっと、積極的に殺し合ってくんなましな」
女子6番・日下部縫 死亡
男子16番・長門穹 死亡
女子14番・七瀬仁子 死亡
男子17番・羽原巌 死亡
女子21番・三好木乃 死亡
りと
女子十二番 虎姫智鳥(とらひめ・ちどり)
身長 161cm
体重 48kg
誕生日 5月11日(牡牛座)
血液型 AB
部活動 無所属
友人 草津珠緒
土山小百合
三輪茜
(虎姫グループ)
愛称 智鳥
出身小 椿小学校
家族 叔父
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★☆☆☆☆
★★☆☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆
クールな性格で、笑顔を見せることは少なく、口数も少ない。
実の両親から育児放棄されて叔父の元で暮らすという複雑な家庭環境で育った。
育ちの影響か自己肯定感が薄い。また、投げやりになることも多い。
高月柳の双子の兄である樹と付き合っている。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器: No Data
kill: No Data
killed: No Data
死亡話数: No Data
凶器: No Data
男子十一番 敦賀広斗(つるが・ひろと)
身長 164cm
体重 48kg
誕生日 11月17日(蠍座)
血液型 A
部活動 美術部
友人 森ノ宮岬希
野洲謙介
(男子消極派グループ)
愛称 広斗、ツル、ツルっち
出身小 水仙小学校
家族 母・弟
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★☆☆
★☆☆☆☆
★★☆☆☆
★★☆☆☆
★☆☆☆☆
★★☆☆☆
人の目を離すことが苦手。クラスの中心にいるタイプと郡山組が苦手で嫌い。
小学生の頃からいじめを受け胃痛持ちだったが、最近はいじめは収まり胃痛も改善した。
手の指をもじもじと合わせるのは、離す時の癖。
野洲謙介はアイドル育成ゲーム「マスターアイドル」仲間で、推しは正統派アイドル蒼姫みるく。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器: No Data
kill: No Data
killed: No Data
死亡話数: No Data
凶器: No Data
女子十一番 土山小百合(つちやま・さゆり)
身長 156cm
体重 58kg
誕生日 7月26日(獅子座)
血液型 B
部活動 バレーボール部
友人 草津珠緒
虎姫智鳥
三輪茜
(虎姫グループ)
愛称 小百合
出身小 水仙小学校
家族 父・母・姉
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★☆☆☆☆
★★★☆☆
★☆☆☆☆
★★☆☆☆
★★★★☆
★★☆☆☆
自分の価値観と合わないことが嫌い。
人を馬鹿にすることが多いが、小百合自身にはそれが悪いという自覚がない。
いじめに加担することも多く、虎姫智鳥からはくだらないと止められたこともあるがやめない。
虎姫グループで唯一彼氏がいないことが嫌で、彼氏持ちの女子は気に食わない。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器: No Data
kill: No Data
killed: No Data
死亡話数: No Data
凶器: No Data
石井里美
知世
にせこ
女子二番 芦原蓉子(あしはら・ようこ)
身長 159cm
体重 60kg
誕生日 5月10日(牡牛座)
血液型 A
部活動 家庭科部
友人 魚住美咲
高月柳
(女子文化系グループ)
愛称 蓉子、あっしー
出身小 山吹小学校
家族 父・母・弟・弟
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★☆☆
★★☆☆☆
★★★★☆
★☆☆☆☆
★★☆☆☆
★★★★☆
基本的には大人しいが、仲間内では明るい文化系グループのリーダー格。
口には出さないが上昇志向が強く、クラスの中で目立たない今のポジションに不満がある。
ふくよかな自分の体型を気にしているが、食べることは大好き。
直接的に何かをされたわけではないが、派手な虎姫グループのことは嫌い。
風紀委員。
以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。
支給武器: No Data
kill: No Data
killed: No Data
死亡話数: No Data
凶器: No Data
あのね
モノクマ「そう? いやあ、先生思いの生徒を持てて、ボクは幸せだなぁ」
真宮寺「僕も生徒思いの先生がいてありがたいヨ」
かつてここまでモノクマと利害一致し、モノクマを喜ばせる生徒が居ただろうか・・・(白目)
率先してコロシアイに貢献する真宮寺怖い・・・!狛枝、原作の王馬以上のヤバさじゃないか!?
きりお
乙
しかし四章これで終わりとなると塩が死ぬタイミングがいよいよ無くなってきたぞ
メタ的に言えば5章で死ぬかもしれない物語のキーマンが渋滞してる
V35章でやられたツルショタ宇宙男生き残りのメンヘラ暗殺者視聴者代表鉄屑と塩が入る余地がない
ルールの穴突いてお仕置き覚悟で姉の友達作ろうとしたり黒幕のする事とも思えない
ただ武装した塩が学園破壊する可能性はあるか
TARAKO「そう? いやあ、先生思いの生徒を持てて、ボクは幸せだなぁ」
塩「僕も生徒思いの先生がいてありがたいヨ」
かつてここまでTARAKOと利害一致し、TARAKOを喜ばせる生徒が居ただろうか・・・(白目)
率先してコロシアイに貢献する塩怖い・・・!希望厨、原作のツルショタ以上のヤバさじゃないか!?
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BATTLE ROYALE -DEAD END-
高知県森下町立陽生中学校3年C組クラス名簿
男子
名列番号
女子
井之上 稔(いのうえ みのる) 1 阿部 奈津美(あべ なつみ)
宇野 淳也(うの じゅんや) 2 飯塚 薫 (いいづか かおる)
江頭 健史(えがしら たけし) 3 宇佐見 知佳(うさみ ともか)
久保 孝光(くぼ たかみつ) 4 乙部 美由紀 (おとべ みゆき)
倉本 圭介(くらもと けいすけ) 5 木下 玲 (きのした れい)
河野 靖(こうの やすし) 6 久保田 塔子 (くぼた とうこ)
佐久間 一樹(さくま かずき) 7 榊原 綾子 (さかきばら りょうこ)
澤村 智治(さわむら ともはる) 8 篠原 佳純 (しのはら かすみ)
杉村 将樹(すぎむら まさき) 9 杉浦 由美子 (すぎうら ゆみこ)
田原 利光(たむら としみつ) 11 堤 智美 (つつみ ひとみ)
辻村 守(つじむら まもる) 12 仲澤 綾子 (なかざわ りょうこ)
土屋 健一(つちや けんいち) 13 野田 まなみ (のだ まなみ)
新村 崇(にいむら たかし) 14 長谷川 秋紀 (はせがわ あき)
古田 信一郎(ふるた しんいちろう) 15 萩原 愛海 (はぎわら まなみ)
前川 茂人(まえかわ しげと) 16 平野 茉紀 (ひらの まき)
松永 良幸(まつなが よしゆき) 17 蒔田 千鶴 (まきた ちづる)
村田 勝二(むらた かつじ) 18 三浦 朋子 (みうら ともこ)
山下 千尋(やました ちひろ) 19 宮田 瑞穂 (みやた みずほ)
吉尾 末次(よしお すえつぐ) 20 山口 萌美 (やまぐち もえみ)
渡辺 陽彦(わたなべ はるひこ) 21
BATTLE ROYALE -DEAD END-
高知県森下町立陽生中学校3年C組クラス名簿
男子
名列番号
女子
井之上 稔(いのうえ みのる) 1 阿部 奈津美(あべ なつみ)
宇野 淳也(うの じゅんや) 2 飯塚 薫 (いいづか かおる)
江頭 健史(えがしら たけし) 3 宇佐見 知佳(うさみ ともか)
久保 孝光(くぼ たかみつ) 4 乙部 美由紀 (おとべ みゆき)
倉本 圭介(くらもと けいすけ) 5 木下 玲 (きのした れい)
河野 靖(こうの やすし) 6 久保田 塔子 (くぼた とうこ)
佐久間 一樹(さくま かずき) 7 榊原 綾子 (さかきばら りょうこ)
澤村 智治(さわむら ともはる) 8 篠原 佳純 (しのはら かすみ)
杉村 将樹(すぎむら まさき) 9 杉浦 由美子 (すぎうら ゆみこ)
田原 利光(たむら としみつ) 11 堤 智美 (つつみ ひとみ)
辻村 守(つじむら まもる) 12 仲澤 綾子 (なかざわ りょうこ)
土屋 健一(つちや けんいち) 13 野田 まなみ (のだ まなみ)
新村 崇(にいむら たかし) 14 長谷川 秋紀 (はせがわ あき)
古田 信一郎(ふるた しんいちろう) 15 萩原 愛海 (はぎわら まなみ)
前川 茂人(まえかわ しげと) 16 平野 茉紀 (ひらの まき)
松永 良幸(まつなが よしゆき) 17 蒔田 千鶴 (まきた ちづる)
村田 勝二(むらた かつじ) 18 三浦 朋子 (みうら ともこ)
山下 千尋(やました ちひろ) 19 宮田 瑞穂 (みやた みずほ)
吉尾 末次(よしお すえつぐ) 20 山口 萌美 (やまぐち もえみ)
渡辺 陽彦(わたなべ はるひこ) 21
浅川楓
歌子
BATTLE ROYALE -DEAD END-
高知県森下町立陽生中学校3年C組クラス名簿
男子
名列番号
女子
井之上 稔(いのうえ みのる) 1 阿部 奈津美(あべ なつみ)
宇野 淳也(うの じゅんや) 2 飯塚 薫 (いいづか かおる)
江頭 健史(えがしら たけし) 3 宇佐見 知佳(うさみ ともか)
久保 孝光(くぼ たかみつ) 4 乙部 美由紀 (おとべ みゆき)
倉本 圭介(くらもと けいすけ) 5 木下 玲 (きのした れい)
河野 靖(こうの やすし) 6 久保田 塔子 (くぼた とうこ)
佐久間 一樹(さくま かずき) 7 榊原 綾子 (さかきばら りょうこ)
澤村 智治(さわむら ともはる) 8 篠原 佳純 (しのはら かすみ)
杉村 将樹(すぎむら まさき) 9 杉浦 由美子 (すぎうら ゆみこ)
田原 利光(たむら としみつ) 11 堤 智美 (つつみ ひとみ)
辻村 守(つじむら まもる) 12 仲澤 綾子 (なかざわ りょうこ)
土屋 健一(つちや けんいち) 13 野田 まなみ (のだ まなみ)
新村 崇(にいむら たかし) 14 長谷川 秋紀 (はせがわ あき)
古田 信一郎(ふるた しんいちろう) 15 萩原 愛海 (はぎわら まなみ)
前川 茂人(まえかわ しげと) 16 平野 茉紀 (ひらの まき)
松永 良幸(まつなが よしゆき) 17 蒔田 千鶴 (まきた ちづる)
村田 勝二(むらた かつじ) 18 三浦 朋子 (みうら ともこ)
山下 千尋(やました ちひろ) 19 宮田 瑞穂 (みやた みずほ)
吉尾 末次(よしお すえつぐ) 20 山口 萌美 (やまぐち もえみ)
渡辺 陽彦(わたなべ はるひこ) 21 米倉 佳奈実 (よねくら かなみ)
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男子1番 天川 尚人(あまかわ なおと)
グループ 所属なし
身長体重 173cm/61kg
部活動 奇術部
趣味類 F1レース観戦
データ
クラスでも静かに異彩を放つ生徒。アイドル顔に似合わぬ敬語を使用。特定の誰と親しいという事はないが、誰とでも分け隔てなく接する。今回のプログラムでもそのスタンスは全く予想できないとされる。あだ名の”先生”が示す通り、知性は高いが運動神経は並以下である。マイペースでプログラム会場を行脚(?)する彼の先に待つものとは?
二つだけ補足。
>>773 >>6はの伏せ文章は、>>126の夢野の注射器を使う描写と一致していることから、注射器で殺したんだという伏線……のつもりでした。
文字を伏せ過ぎたせいで分かるわけねーよという伏線になったためここでバラしておきます。
>>881 天海がログインしているのはミスでした。後からログイン履歴足したのでちゃんと把握できていなかったですという言い訳を残しておきます。
この物語の舞台は東洋に浮かぶ島国、大東亜共和国。
この国は、狭い国土で準鎖国をひいた外交的に厳しい一面もあるが、基本的には恵まれた環境であった。だが、この国にある幾つかの法律の中には、大東亜に隠された理不尽かつ歪んだ一面を伺わせるものもあった。
その中の一つが、【戦闘実験シミュレーション・プログラム】だ。
今まで大東亜共和国では国の決めた様々な法律で治安維持されてきたが、
犯罪の低年齢化、経済状態の悪化による国民の不満、家庭崩壊により
法律は徐々にその権威を失っていった。
未来に失望する子供達の少年犯罪が増加し、失業率は過去最高を記録。
子供を恐れ、焦った大人達は子供達をより束縛するため、この法律を制定した。
プログラムとは年に一度、国防上必要な戦闘シミュレーションと称して中学校最後の三年生のクラスを全国からランダムで五十校選び(公立私立、男子校女子高関係無しに)、各学級の生徒達で殺し合いをさせるというもの(これをプログラムと言う)。
食料と武器を支給され、三日間の間で最後の一人になるまで生き残りをかけて戦う。相手が親友や恋人であってもその戦場では何の意味も成さない。そこから生還する為にはクラスメイト全員を[ピーーー]しかないのだ。
シミュレーションと銘打っているものの、行うのは本物の殺戮ゲーム。当然、必要の是非が毎年問題視されてはいるが、様々な事情(賭けの対象とする事でお偉いさんのガス抜きにもなっているという噂もあるが、その真偽は定かではない)により、今まで一度も中止される事はなく今に至る。
簡単かつ、残酷なこの決まりが国民に知れ渡り、中学三年生の息子や娘を持つ家庭では常にプログラムの影に怯えるというまでにはいかないものの、常に漠然とした不安に襲われる日々が続いていた。
そして一九九八年、初のプログラムからの逃亡者を出した「九十七年の奇跡」の翌年。
今年もまたこの忌まわしき法律の的になった中学生達がいた。
この物語は島根県の某私立高校から始まる。
鳳未風
>>773 >>6はの伏せ文章は、>>126のアジの注射器を使う描写と一致していることから、注射器で殺したんだという伏線……のつもりでした。
文字を伏せ過ぎたせいで分かるわけねーよという伏線になったためここでバラしておきます。
>>881 なん図書がログインしているのはミスでした。後からログイン履歴足したのでちゃんと把握できていなかったですという言い訳を残しておきます。
奈良敬子
小島祥太朗
@mabatake
マンガとかイラストを描いてます。 お絵描きしたものはモーメントに置いてありますぜ。
pixiv.me/mabataki
理不尽子
29747 緑谷 29 ミドリヤ ミドリタニ☆
2194 轟 1671 トドロキ トドロ
2194 轟 1671 トドロキ トドロ
55038 砂糖 8 サトウ
露子
14553 尾白 100 オジロ オハク☆ オシロ☆
最初に吊られた人
無印・川崎文隆
ビーストサイド・柳川祐樹
クレイジーフォックス・菅原広大
プリズンブレイク・角海斗
ラヴァーズ・河合陸
マッドランド・根岸すず
ロストエデン・立花みずき
蘭子
詩緒里
中途半端に欠けた月が浮かんでいた。
チューバッカ@2児の母
チューバッカ@2児の母
@chocota_e
娘の出生届を出しに行った時にもらった、自治体の冊子の表紙なんですけどね…お気づきだろうか…抱っこ紐なしで幼児を抱っこする母…少女と手を繋ぐ母…大きなバッグを肩からかける母…全部母…後ろの男性は誰なんですかね…
奈良敬子
ああ、どうして――
水色と朱色のグラデーションの空。
薄汚れた校舎の壁。
愛用していた錆びた非常階段。
一部が切り取られたように欠けた手摺。
そこから差し伸べられた手。
それらが遠ざかっていくのが、妙にゆっくりと感じられた。
大きな音。
後頭部に、背中に、走る衝撃。
全身を走る激痛。
悲鳴。
駆け寄る足音。
騒ぐ、いくつもの声。
ああ、落ちたのか。
そう自覚した時には、意識は朦朧としていた。
それでも、確実に、聞こえた。
声の主が誰かまでは、朦朧とした意識の中で判別することができなかったけれど。
「 」
どうして。
どうしてこんなことになってしまったのか。
わからない。
わからない。
ただ、これだけはわかる。
自分の考えは、間違っていたこと。
そして――
守護星は、偽りであったこと。
森崎昇
今宮一郎
浅川楓
早倉紅春
青樹香菜
笹木美紀
樫沢秀明
高円寺唯柚
柏木つむじ
皇木薫
西野吉勇
柏木はるか
偽りの守護星、連載中。
取り急ぎ、「準備中」をなくすために変更しました。
描いた時が12月だったので、出席番号十二番を。
それだけなので、メインを必ず張るわけではありませんのであしからず。
2種類ランダム表示中。
と言うかハジくん×ナナちゃんがストライクすぎて!
三上霞
坂橋圭介
郷田真弓
切替
奈良敬子
ドラマ&映画『人狼ゲーム ロストエデン/インフェルノ』
@jinrogame_movie
「人狼ゲーム」新シリーズ!
★TVドラマ:ロストエデン放送中
★劇場版:インフェルノ4月7日公開
出演:武田玲奈、小倉優香、上野優華、勧修寺保都、松本享恭、吉原拓弥、久田莉子、時人、米本来輝、平松賢人、山地まり、大和孔太、都丸紗也華、貴志晃平、吉原雅斗、山田智史、海田朱音、玉城裕規、小松彩夏、水野勝、足立理、加藤虎ノ介
jinro-game.net
女子一番/総合三番 磯田匡子(いそだ・きょうこ)
身長 159cm
体重 44kg
誕生日 6月1日
血液型 B
部活動 陸上部
友人 三枝妃・相模夕姫
(妃グループ)
愛称 匡子・キョーちゃん
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★☆☆
★★★★★
★★★★★
★★★★☆
★★☆☆☆
★★☆☆☆
弱い者イジメが嫌いで、そういう人には厳しく接する。陸上部で長距離選手をしているからか、精神的にタフ。
一方で、物の考え方はネガティブ。過去にイジメを受けていた経験があり、やや人間不信。
池埜多丞とは一応付き合っている。
以下ネタバレです。白黒反転すると読めます。
支給武器:
制汗スプレー
kill:
なし
killed:
政井威光(男子十六番)
死亡話数:
第73話
凶器:
USSR マカロフ
池埜多丞(男子二番)と合流。疎遠になっていたが、和解。<22話>
↓
木下亘(特別参加者)・相模夕姫(女子七番)に遭遇。一触即発の雰囲気になるが、和解。夕姫に別れを告げた。<57話>
↓
多丞との出会いは1年生の頃、イジメから助けてくれた。
休憩していたところに、政井威光(男子十六番)が現れる。威光の表情から異常を察知、発砲。それが威光の逆鱗に触れ暴力を奮われるが、多丞に救われる。多丞を「弱い」と言う威光に対し反論、多丞を抱きしめたところを威光に撃たれ、頭部に被弾し死亡した。<72・73話>
キャラを掴み切れなかった匡子ちゃんでした、ごめんよぅ。
人間不信なところは少し表わせたかな、ということにしておきます。
でも、多丞のことはなんだかんだで信じ続けてたんです、だって匡子のヒーローだから。
森山咲
女子十二/総合二十四番 中垣芽衣子(なかがき・めいこ)
身長 153cm
体重 47kg
誕生日 10月24日
血液型 B
部活動 無所属
友人 浦原舞・柳田裕華
(ギャルグループ)
愛称 芽衣子・メイ
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★☆☆☆☆
★★★☆☆
★★☆☆☆
★★★☆☆
★★☆☆☆
★★☆☆☆
見た目は派手だが無口で大人しく、慎重な性格。
人間不信で、自虐的。何事もすぐに諦めてしまう。
虐待を受けてきたことが影響しているのか、よく家出をしたりリストカットをしたりと、問題行動が多い。
以下ネタバレです。白黒反転すると読めます。
支給武器:
カッターナイフ
kill:
なし
killed:
二階堂哉多(男子十三番)
死亡話数:
第25話
凶器:
鎌
A=06エリアの民家に隠れてプログラム進行の様子を見ようとしていたが、二階堂哉多(男子十三番)・二階堂悠(女子十三番)に見つかる。逃げようとするが哉多に動きを封じられ、頭部損傷により死亡。<25話>
何か・・・多分大学の卒論関係で読んだ本にあったとある事例の人を元にしたもの。
死にたいから切ってるわけじゃないんだよ、という人の話でした。
メイちゃんに関しては、もう、運がなかったとしか・・・ごめんねメイちゃん(>_<)
野島芽衣子
女子五番/総合九番 久瀬ゆかり(くぜ・ゆかり)
身長 161cm
体重 51kg
誕生日 4月21日
血液型 A
部活動 テニス部
友人 宗和歩・辻莉津子
寺内紅緒・時岡千波
藤原奈央・堀内尚子
前川染香・水無瀬繭子
山崎雛子
(女子主流派グループ)
愛称 ゆかり
能力値
知力:
体力:
精神力:
敏捷性:
攻撃性:
決断力:
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★★☆
★☆☆☆☆
★★☆☆☆
女子保健委員。
穏やかで優しい性格の持ち主。いつも穏やかな笑顔で友だちを見守っている、グループの母親的存在。
大人しく、クラス内やグループ内ではあまり目立たない。物事がはっきり言えない優柔不断な面もある。
以下ネタバレです。白黒反転すると読めます。
支給武器:
なし
kill:
なし
killed:
芝崎務(担任)
死亡話数:
第11話
凶器:
銃
芝崎務(担任)が東海林至(男子十番)に発砲したことにより、植本邦幸(男子三番)が錯乱。芝崎が、逃げ出そうとした邦幸に向けて発砲したが、その弾が頭部を直撃。死亡した。<11話>
というわけで、一度もセリフのないままに退場してしまったゆかりさん。
芝崎の酷さを出そうとした結果の犠牲になってしまいました。ごめんね、ゆかりさん。
長門
田村光貴(男子十二番)はメリケンサックをはめた右手を閉じたり開いたりを繰り返しながら、大袈裟に溜め息を吐いた。
人は、自分の命が懸かった状況に追い込まれた時、どうするだろうか。
自分の命が何より大事と、他の全てを犠牲にしても生き残る者がいるだろう。
どうにか状況を打開しようと足掻く者がいるだろう。
ここまでか、と諦める者がいるだろう。
楪静眞(男子十九番)は、3つ目の部類に入る。
静眞はG=07エリアの診療所にいた。
飛鳥
八坂
ピティ
北条かりん
姫萩咲実
阿刀田初音
猪瀬尚子
上野まり子
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