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右京(僕はどうやら拘束されているようですねぇ…見知らぬ内に病院に搬送された線を疑いましたが、このような設備を見たことが未だかつてありません)
???「心肺機能は正常です。四肢の麻痺も認められません。ハイ、目は開いてます。」
右京(どなたでしょうか、間違いなく知り合いにはいない声が聞こえます…首を回そうにも中々上手くいきませんねぇ…)
???「私の言葉が理解できますか?」
右京「ええ、問題はありませんよ?」
右京(!…この声質、僕のものでない…それに些細な事ですが、僕が普段かけている眼鏡もかけていない…)
右京「お電話中にすみません、もし良ければ、ここが何処なのかを訪ねたいのですが」
???「言葉は話せます。意識は戻ったようです」
右京(おや、まるで僕が長期の昏睡から目覚めた後のような口ぶりですねぇ…)
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右京「すみません、お忙しいようですがなるべく今の状況をご説明願えますか?健康状態に緊急的な異常もなく、また本人の合意もなく医療従事者が患者を拘束する訳がないでしょう」
???「えーと、記憶状態は悪くはなさそうです」
???「はい、これが誰かわかりますか?」
右京(こちらの話を聞く気はなし、意思に関係なく僕を拘束する事が優先事項ですか…そしてこれは恐らく自己認識のテスト…と言いたいところですが、写っているこの純日本の少年の顔は間違いなく僕のものではない)
右京「…僕、ですかね」
???「自己認識もあります。問題なさそうです」
右京(しかしこの口の動きは間違いなく僕の感覚と一致している…僕とした事が、やはり変な夢でも見ているのかもしれません)
右京(なるほど、僕達はずっとリニアレールのようなものでこの建物内部を移動していた…そして今広い場所に出たようですが、やはり場所に関しては全く検討がつかない…)
右京(僕としては夢ならば醒めて欲しいものですが中々醒めないものですね、今は疑いをかけられないよう余計な事は言わず情報を集める事に専念しましょう)
???「よっと。検体、BM-03、拘引しました」
???「了解。拘束を解いて」
右京(おや、急に拘束が解かれた…感覚が少年そのもとは驚いた、まるで生まれ変わったような心地です)
右京(一見するにここは、何らかの基地もしくは艦船の操縦を司る部屋、といったところでしょうか…つまりあれらの椅子に座っている人間は、言うなればオペレーター達ですね)
右京(何故か彼らは僕を注視しているようですが、目つきが憎き敵を見ているようだ…僕も多くの罪を犯した人間を捕まえたきた以上怨恨を買う事は承知の上ですがね)
右京(それを差し置いても…ここにいるほぼ全員が僕に怨恨を抱いているとは流石に信じ難いと言いたいものです)
右京「失礼ですが、あなたが今この場にいるトップの人間だとお見受けします、僕としては色々と説明を頂きたいのですが」
???「碇シンジ君…で、いいのよね?」
???「そうね。物理的情報では、コード第3の少年と完全に一致。生後の歯の治療跡など身体組織は、ニアサー時を100%再現しているわ」
???「なお、深層シンクロテストの結果は分析中」
右京(どうやら僕は本来、碇シンジと呼ばれるべき存在であり、しかしこの意識は間違いなく僕、杉下右京のもの…非科学的ですが、夢でないならばどこか人格が入れ替わったとしか思えませんねぇ)
???「頸部へのDSSチョーカーは?」
???「すでに装着済よ。葛城艦長」
右京「葛城艦長、ですか…ここは軍艦の類の操作室、そして貴方はこの艦のトップ、ならば僕の置かれている状況について詳しくお聞きしたいのですが」
???「作動正常。パスコ―ドは艦長専用に」
???「了解」
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