化け猫「まずは、お名前からお願いしニャす」(17)

狂骨「狂骨よ!
享年16歳、妖怪歴2年!」エヘン

化け猫「ニャんだ新米か。
やけに取材しろ取材しろ、しつこいと……」サラサラ

狂骨「べ、別にいいじゃない!
あたしだって歴としたヨーカイよっ?」

化け猫「経験上、生まれたての赤ん坊を取材しても面白い記事にはニャらないのん」

狂骨「わかんにゃいでしょっ?」

化け猫「オマケに元人間。はっきり言って
ありふれていて詰まりませんニャ」

狂骨「えっ? 元人間って希少価値じゃないの?」

猫で記者だから鬼灯のあれかと

狂骨「いやほらっ! あたし死んだの最近だし、
近代の話とかー……」

化け猫「妖怪にとって人間の社会に紛れ込むのは造作もニャい事」

化け猫「たかが人間の子供が知ってる事で、我々の知らニャい事があるとは思えませんニャ」

狂骨「むむむ」

化け猫「ニャにがむむむだ!
……で、何か知らない情報でも話せるかニャ?」


狂骨「……ぐう」

化け猫「根拠のない自信過剰、自己の特別視。
典型的なティーン……と」サラサラサラ

>>2
すでに先人がいたか
先に調べておくべきだった

狂骨「ぐぐぐ。分析はいいから質問してよっ。
せっかくのインタビューなんだから」

化け猫「えーっと、じゃあ……
好きな食べ物は何ですニャ?」

狂骨「バカにしてんの!?」

化け猫「純粋な好奇心ですニャ。
そのぐらいなら我々も知らない事かと」

狂骨「………………」

化け猫「………………」




狂骨「……フライドチキン、の骨」

化け猫「意外と素直、と」サラサラ

狂骨「やっぱバカにしてるでしょ!?」

化け猫「しかし狂骨というのは白髪に骸骨姿の妖怪と聞いた。
にも関わらず目の前の自称狂骨は大変、肉付きもよく……」サラサラサラ

狂骨「骸骨と比べれば、そりゃそうでしょうね」

化け猫「しかし女の妖怪で肉が付いてるのに、その胸は平ら。
まるで乳房もないかのような……」サラサラサラ

狂骨「うるさいっ!
うるさいうるさいうるさい!」

化け猫「白髪くらいしか狂骨らしいところがない……うーん。
インパクトに欠けるので、ちょっと皮膚剥いてくれません?」

狂骨「嫌よ!」

化け猫「しかし狂『骨』なのに骸骨じゃニャいなら、
もう皮膚まで脱ぐしかインパクトは……」

狂骨「が、骸骨なら出せるわよ。
ほら」ズギュン

骸骨「ドウモ」

化け猫「スタンドみたいですね」サラサラ

狂骨「そ、そう言われれば……」

骸骨「チガウヨ」

化け猫「本当は妖怪ではなく、
スタンド使いなのでは?」パシャ

狂骨「そ、そうなのかも……」

骸骨「チガウッテンダロ
モッペンコロスゾ」

化け猫「ひょっとして死因は矢に射られて?」

狂骨「うん……いや違うわよ。
確か、古びた井戸を見つけて……それで、ちょっと覗いてみたら後ろから……」

骸骨「モウワスレタホウガイイ
ツラカッタネ」ポン

狂骨「そ、そうね。ありがとう」


化け猫「…………………………」

化け猫「現代に甦った狂骨の正体は、
哀れ悪霊に見入られた犠牲者の子供……」サラサラサラ

狂骨「ちょっと! どういう意味よっ?
言って良い事と悪い事があるわ!」

骸骨「ソウダソウダ」カタカタ

化け猫「お気にニャさらず。
そんな事より他に何か面白い話はありません?」サラサラ

狂骨「えっ? 急に言われても……
えっと……えっと……」

骸骨「ウラッ」バゴォ

狂骨「あっ、アレアレ!
コンクリート砕ける!」

化け猫「珍しくもニャいですね」

狂骨「くっ!?
あ、アスファルトも……」

化け猫「大して変わりませんニャ」

狂骨「ぐぐぐぐ……」

骸骨「…………」オロオロ

狂骨「寝なくても疲れないし、飲まず食わずでも死にません!」

化け猫「もう死んでるんだから当たり前ですね」

狂骨「体をばらばらに解いて、また元通りになります!」ジャーン

化け猫「一発芸レベルですね」サラサラ

狂骨「服が肌の一部になってて脱げません!」グイグイ

化け猫「きしょっ。引くわ」

狂骨「!?」

化け猫「もう面白い話もなさそうなので、
これで取材を終わります」パタン

狂骨「えっ、ちょっ……」

化け猫「最後に何か一言」

狂骨「えっと、あの、そのー……」





狂骨「うらめしやぁー!」

化け猫「はい、ありがとうございニャしたー」スタスタスタ

狂骨「待って待って!
やり直しやり直し!」

狂骨のイメージは小柄ツインテ


これだけでは勿体ないので、
よければ好きな妖怪でもインタビューさせてって
狂骨以外で(独占欲)

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