P「お、ケイト。Hallo~。」
ケイト「あ、Pさん。おはよゴザイマス。ちょうど良かったデス。これ、なんて読みマスカ?」
P「あ~、これは○○って読むんだよ。」
ケイト「ありがとうございます。日本語、字がイッパイで難しいデスネ。」
P「あぁ、漢字は日本人でも苦労するからな。仕方ないよ。」
ケイト「それだけじゃないデス。ひらがな、カタカナ、どっちを使うかも、難しいデス。」
P「大丈夫、ケイトが難しいって言ってるのは日本人でも難しいから。」
ケイト「他にも難しいもの、いっぱいありマスネ。」
P「ほうほう、例えば?」
ケイト「えーと・・・ギオンゴ?ギタイゴ?」
P「あぁ、苦労するっていうね。」
ケイト「雪が降るのに、えーと、『しんしん』トカ?音しないのに、不思議ネ。」
ケイト「おなじ雪でも、『サラサラ』とか『ボタボタ』とか、色々ありマスネ。」
ケイト「どれが正しいのか、わからなくなりマス。」
P「それなぁ。実は『これが正しい』っていうのがないんだよ。」
ケイト「Oh!そうなのデスカ?」
P「様子を現す言葉だから、自分が感じたように表現していいんだ。」
P「だから、優れた作家なんかは、オリジナルの擬音語、擬態語を使っていたりするよ。」
ケイト「あ~。この前、文香さんに借りた本も、難しかったデスヨ。」
P「何を借りたんだ?」
ケイト「ケンジ・ミヤザワの本です。」
P「文香めぇ~~~~。」
ケイト「キッズ向けと言われて読んだんですが、良くわからない言葉、いっぱいありマシタ。」
P「宮沢賢治はオリジナルな言葉を使うから、正直、蘭子や飛鳥と会話するより難しいぞ。」
P「色々な学者が研究しているけれど、何を意味しているかわかっていない言葉も結構あるし。」
P「そういう言葉を、文章のイメージから勝手に想像して読むのが、彼の作品の面白さのひとつさ。」
ケイト「文香さんも、そう言ってマシタ。」
ケイト「オリザ、Pさんは何を想像しマスカ?」
P「オリザ、かぁ。俺は・・・稲かなぁ。沼畑とかあるし。」
ケイト「なるほど~。私はやっぱり小麦を想像しマシタネ。」
P「そこはやっぱり食文化の違いだろうな。米が主食の日本と麦が主食のイギリスと。」
ケイト「イギリスの主食、小麦じゃナイネ。寒くて小麦、育たナイデスヨ。だからライ麦パン。」
ケイト「主食は・・・ジャガイモ、カナ?」
ケイト「だから、小麦たくさん揺れている景色とか、憧れマスネ。」
P「なるほどなぁ。だから小麦かぁ。ちなみに、何を借りて読んだんだ?」
ケイト「『グスコーブドリの伝記』デス。こんなに感動する本、初めて読みマシタ。」ウルウル
ケイト「あぁ、思い出しただけでも涙が・・・」
P「また、難易度の高い本を・・・。」
ケイト「色々と説明がついていたから、読めマシタ。あれ、劇でやってみたいデスネ。」
P「文香監督にお願いしてみたらどうだ?喜ぶと思うぞ。」
ケイト「Oh! それ、素晴らしい考えデス!」
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ケイト「他にも、『風の又三郎』とか『夜鷹の星』『銀河鉄道の夜』『貝の火』・・・いっぱい読みマシタ。」
ケイト「『どんぐりと山猫』はミクさんが思い浮かびマシタ。」クスクス
P「どれも名作だなぁ。『ここをどこだと思ってるニャア!いい加減、静かにするニャア!!』って?(笑)」
ケイト「ケンジ・ミヤザワの世界はすごくロマンティックデスネ。」
ケイト「だけど、どれも凄く孤独で悲しいデスネ。そして時々、凄く厳しいデス。」
P「そうだなぁ。俺も大好きな作家だけど、何度読んでも、読むたびに色々感じるものがあるな。」
P「それこそが名作の条件だろうな。シェークスピアや「宝島」だって、何度読んでも面白いしな。」
ケイト「Pさんも、本好きデスカ?」
P「文香には負けるけどな。俺はスローリーディング派だから、量も少ないし。」
ケイト「スローリーディング?」
P「言葉の一つ一つ、そのバックグラウンドにあるものまで、調べながら読んでいく読み方だよ。」
P「読みながら、その作品のステージとなっている所を実際に歩いてみたり、主人公と同じことをやってみたり。」
P「だから短い本でも1冊読むのに凄く時間がかかるんだ。」
ケイト「面白そうな読み方デスネ。」
P「あぁ。そうすると2度目3度目に読んだ時には、その世界に入ったかのように感じるぞ。」
ケイト「そんなPさんのオススメの本、何デスカ?」
P「そうだなぁ・・・『銀の匙』はあまりに言葉が独特だし、時代のこともあるし・・・」
P「ラフカディオ・ハーンかな?日本名、小泉八雲。」
P「日本的な雰囲気がたくさん味わえるし、日本の昔のこともわかるし。」
P「英語との対訳本持ってるから、今度持ってくるよ。」
ケイト「Woww!ありがとうございマス。」
P「あとは、柳田国男の『遠野物語』も面白いかな。色んな妖怪の話もあるし。」
ケイト「ヨーカイ?あぁ、日本のフェアリーのことデスネ?猫娘、座敷童、カワイイデス。」
P「そうそう。宮沢賢治も、柳田国男の影響を受けているって言われているんだ。」
P「まぁ、彼の場合、農業や信仰の影響の方が圧倒的に多いけど。」
P「まぁ、遠野自体が凄く特殊な地域だから、行ってみるのもいいかもな。」
ケイト「日本は地域ごとに色々な文化があって面白いデスネ。北と南ではまるで別の国デス。」
P「そうだなぁ。沖縄は一年中半袖でいられる位だけど、北海道の冬なんて、0度でも暖かいだからなぁ。」
ケイト「他にも、山と海でも全然違いマスネ。」
P「・・・ケイト、日本のローカル文化に興味あるか?」
ケイト「ありマス!私、日本に来て、『日本的』というのが凄く一部の日本の文化だと知りマシタ。」
ケイト「日本、季節もですが、人も文化もとても豊かデス。もっとたくさん、日本のこと知りたいデス。」
P「そっか。うん。面白い企画が作れそうだ。まぁ、期待しないで待っててくれ。」
ケイト「はい!期待してマス(笑)Pさんがそう言うときは、いつも面白いお仕事作ってくれますカラ。」
P「はははは。じゃあ、俺は仕事に戻るよ。」
ケイト「オツカレサマデス。」
~後日~
ケイト「Pさん、ラフカディオ・ハーン、読みマシタ。」ガタガタ
P「おう。どうだった?」
ケイト「怖かったデス・・・ホーイチ、ですか?本当に怖かったデス・・・」
P「あぁ・・・『芳一、どこへ行った!芳一!・・・おかしい・・・耳はあるが、姿は見えぬ・・・』って?」
ケイト「やめてクダサイ!本当に怖かったンデスカラ!」
ケイト「デモ、平家物語?ちょっと興味ありマス。読んでみたいデス。」
P「あれは、長いし、歴史も関係してくるから、難しいぞ。」
ケイト「まだまだ勉強するコト、いっぱいありマスネ。」
ケイト「あ、でも『雪女』は怖いケド、切なかったデス。」
ケイト「囲炉裏のある生活、してみたいデス!」
P「あはははは・・・まぁ、少しずつ、な。」
ケイト「楽しみデス~♪」
以上です。ありがとうございました。
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