クリスマス (2)

白い息が空に昇っていく。

世間はクリスマスムード一色で誰もが慌ただしく動いていた。

皆さんそんなに慌てて、どこへ向かおうと言うのかね?

そんなことを思うほど私の心は平穏であった。

今年は一緒に居る人がいる。

まあ、去年までの私ならば、クリスマス反対を掲げて

ジャパンは神道or仏教徒です!

クリスマスは西洋のお祭りです!

ジャパンに関係ありません!

さあ!皆さん!一緒にクリスマス撲滅を掲げましょう!

と叫びながらモテない女性様、男性様を率いて夜の歓楽街を行進していただろう。

この行進はクリスマスのちょっとした珍事件となりニュースに取り上げられた。

そして…なぜか私がモテない人の代表としてテレビに大きく写っていた。

全く、不本意だ。

私は決してモテないわけではない。

ただ、私はクリスチャンではなく神道家なのである。

決してモテないわけではないのだ。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511883843

たまたま予定が空いていたので狂信的な神道家の私は古来の日本を取り戻すため、クリスマスを撲滅せんと宗教戦争を行なったのだ。

もう一度言おう、私は決してモテないわけではない、たまたま予定が空いてたのだ。

今年も私を支持する信者たちと共にクリスマスと戦うつもりであった。

だが、残念ながら今年はたまたま予定が埋まってしまったのだ。

ああ、残念…非常に悲しい。

まあ…予定が入ってしまったのだから仕方がない。

戦力ダウンが懸念されるが、今年はわたし抜きで戦ってもらうしかない。

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