ガヴリールドロップストーリーMINI (31)

他シリーズより短めになる予定なのでMINI



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1511625101

Chapter.1(Ver.ドロップストーリー)


ガヴリール宅


ガヴリール「タプリス起きて下さい。朝ですよー」ゆさゆさ

タプリス「ふわぁ、おはようございます。天真先輩」ねむねむ

ガヴリール「はい、おはようございます」ニコ

ガヴリール「朝食はご飯かパンどちらが良いですか?」

タプリス「えっと今日は、うーん、悩みますがパンでお願いします」

ガヴリール「わかりました。確かタプリスはトーストにジャムとバターをたっぷり塗って焼くのが好きでしたよね?」

タプリス「はいっ!!大好きです!!」

ガヴリール「ではそうしますね。今日のジャムはこの前ヴィーネと一緒に買ってきた採れたてイチゴを使った甘いジャムですよ」

タプリス「わーい!美味しそうです」バンザーイ

ガヴリール「それでは私が朝食の準備をしている間にタプリス顔を洗って歯磨きしてきて下さい」

タプリス「はーい」とてとて

ガヴリール(ふふふ、タプリスは可愛い後輩ですね)

タプリス(やっぱり先輩は優しい人です。先輩の後輩になれて良かったです!)


Chapter.1(Ver.ドロップアウト)


ガヴリール宅


ガヴリール「ふわぁもう朝か……」目こすり

タプリス「zzzz」すやすや

ガヴリール「おーい!タプリス起きろー、朝だぞー」

タプリス「zzzzzz」すやすや

ガヴリール「なかなか起きないな、昨日ぽちぽちゲーの周回徹夜をさせ過ぎたか?」

ガヴリール「とはいえ私の部屋は狭い、床で寝られたら邪魔で仕方ない
だから強行手段に移させて貰うぞ、許せタプリス」

タプリス「zzz zzz」すやすや

ガヴリール「タプリス起きろー」タプリスをくすぐる

タプリス「!?」

ガヴリール「おーきーろー」こちょこちょ

タプリス「あはは、お、起きました!起きました!!天真先輩!!!くすぐったいです!あひゃひゃ」やーめーてー

~~~~

タプリス「ふぅ、危うく死んでしまうかと思いましたよ先輩」ぷんぷん

ガヴリール「悪い悪い、お前がなかなか起きないからつい」

タプリス「もう仕方ないですね」

ぐー

タプリス「お腹が空きました」ぺこり

ガヴリール「だな」

タプリス「朝食は何にしますか?」

ガヴリール「そうだな、カップ麺はこの休日で食い尽くしたし、コンビニにでも買いに行くか」

タプリス「やった!久しぶりにお湯をかけて3分じゃないご飯が食べれます!!」わーい

ガヴリール「コンビニで飯を買う程度でそこまで喜ぶって…私そこまでお前にインスタントばっか食わしてたっけ?」

タプリス「はい、後2日この生活が続いていたら、天真先輩の事を裏でインスタント先輩と呼ぶところでしたよ」

ガヴリール「そこまで?」

タプリス「そこまでです」


コンビニ


タプリス「うぬぬ……これは悩みます」

タプリス「ツナサンドとツナマヨのおむすび……今朝の私はどちらのツナを食べるべきなのでしょうか」

ガヴリール「どうしたんだタプリス、早く何買うか決めろよ」

タプリス「天真先輩聞いて下さい、ツナサンドとツナマヨのおむすび、私はどちらを選べばいいでしょうか?悩みます」

ガヴリール「はぁ、そんな事か…なら両方とも買えばいいだろ」

タプリス「駄目ですよ、そんな贅沢。今週の天真千咲財団はピンチなんですから」

ガヴリール「ぐぬ、まさかお前に金の心配をされる日が来ようとは……」

タプリス「ぷりぷりカード、あれは先輩のお財布を空にする悪魔のカードです」

ガヴリール「プリペイドカードな」

タプリス「先輩がちゃんとしてくれたら 名前なんてどっちでもいいですよ!」もー

ガヴリール「はいはい、悪い悪いって」

ガヴリール「じゃあこうしよう、私もお前の悩んでる二つの内一つを朝食にするから、後でそれを半分に分け合えばどっちも食えるだろ?」

タプリス「確かに!でもいいんですか先輩?他に食べたいものがあったんじゃ……」

ガヴリール「別に私は朝食くらいなんでもいいよ
それに たまには後輩に優しくしてやらないとだしな」

タプリス「先輩……」

ガヴリール「それじゃ、早く買って食うか」

タプリス「はい」

ガヴリール「あ、ついでにおでんも買って帰ろうぜ、私大根食いたい」

タプリス「先輩、今週は贅沢は出来ないって言ったばかりじゃないですか」

ガヴリール「へーきへーき、これも分けて食えば一人分の食費が数十円豪華になるくらいだからさ
それにつゆだくにして元は取るつもりだ」

タプリス「もー、先輩は仕方のない人ですねー」

タプリス「……私は玉子が食べたいです」

ガヴリール「了解、会計してくるからちょっと待ってろ」

タプリス「はいっ!」

Chapter.2(Ver.ドロップアウト)


サターニャ宅


サターニャ「………………」

ラフィエル「」ニコニコ

………………………


サターニャ「だからなんでアンタが私の隣で寝てるのよ!!」

ラフィエル「サターニャさんは朝から元気がいいですねー、なにかいい事でもありましたか?」

サターニャ「ないわよっ!むしろ今悪い事が起きてる真っ最中よ!」

ラフィエル「そうでしたか、それなら私はもう少し寝てますので朝ご飯の時間になったら起こして下さい」

サターニャ「了解、任せてちょうだい」

サターニャ「ってちょっと待ちなさい!この不幸の元凶!!」

ラフィエル「もー、なんですかサターニャさん、朝からそんな大声を出していたらご近所に迷惑ですよ?」

サターニャ「今まさに私が迷惑被ってるんだけど!?
さっさと出て行きなさいよ!私は天使と戯れる気はないの」布団引き剥がし

ラフィエル「あ~ん、そんな強引に~」

ラフィエル「あ、ではではこんなのはどうでしょう?」

サターニャ「今回はなにを言ってもダメだっての!!」

ラフィエル「私をしばらくおいてくださったらガヴちゃんの弱点を教えてあげましょう」

サターニャ「!」ピクッ

サターニャ「……ガヴリールの弱点?」

ラフィエル「はい」

ラフィエル「いつも知りたがっていましたよね?ガヴちゃんの弱点」

サターニャ「」ピクッ

ラフィエル「この弱点を知る事が出来ればガヴちゃんを見返す事が出来るかも知れませんよ?」

サターニャ「」ピクピクッ

ラフィエル「大悪魔胡桃沢・サタニキア・マクドウェルさんの華麗なる軌跡の第一歩になるかも」

サターニャ「」ズキューン!!!

サターニャ「……し、仕方ないわね。朝食くらいなら一緒に食べてもいいわよ」

ラフィエル「わー、ありがとうございます」



ガヴリール宅

ピンポーン

サターニャ「ガヴリール」

ピンポーンピンポーン

サターニャ「ガヴリール!!」

ピンポーン!ピンポーン!!ピンポーン!!!

ガヴリール「なんだよ、うるさいなぁ」ガチャ

サターニャ「ふふん、今日こそアンタをギャフンと言わせてやるわよガヴリール」

ガヴリール「そういうのもういいから 、用件がそれだけだったら早く帰って」

サターニャ「ぐ、そんな事言ってられるのも今のうちよ!
ふふふ、果たしてこれを見てもアンタは同じ事を言えるかしら?」

ゴゴゴ ゴゴゴ

ガヴリール「そ、それは!?」

回想

サターニャ「で、ガヴリールの弱点ってなんなのよ?」

ラフィエル「それはですねー」

サターニャ「それは?」

ラフィエル「うーん、どうしましょうか?やはり弱点を教えるのはガヴちゃんに悪いですしやめましょうかねー」

サターニャ「はあ?なんでよ!話が違うじゃない!!教えなさいよガヴリールの弱点」

ラフィエル「えー、そこまで教えて欲しいのでしたら、それ相応の対応と言うものがあるのではないのでしょうか?」

サターニャ「それ相応の対応?」

ラフィエル「はい」

サターニャ「なんなのよ それは」

ラフィエル「具体的には、サターニャさんがそこにひれ伏して『ラフィエル様、どうかこのわたくしめにガヴリールの弱点を教えて下さい』と言って貰えれば」

サターニャ「嫌よ!どうして私がそんな事しなきゃいけないのよ」

ラフィエル「だってサターニャさんは天使であるガヴちゃんを見返したいんですよね?
それならその程度の事を軽くこなす位の覚悟を見せて貰わないと」

サターニャ「…確かに言われてみればその通りかも……」

ラフィエル「ですよね、なら今のサターニャさんがどうするべきかわかりますね?」

サターニャ「わかったわ!見ておきなさい」

ラフィエル「はい!」

サターニャ「ラフィエル様、どうかこのわたくしめにガヴリールの弱点を教えて下さい」ひれ伏し

ラフィエル「(笑いを堪える)」ぷるぷる

ラフィエル「わかりました。サターニャさんがそこまで言うのであれば教えて差し上げましょう。
ガヴちゃんの弱点はですね……」

回想終了

ガヴリール「チョコレート?しかもこんなダンボールいっぱいにどうしたんだよそれ?」

サターニャ「ラフィエルから聞いたわよガヴリール」

サターニャ「あんた甘いものには弱いんですってね」

ガヴリール「あぁ、まあそれなりには……」

サターニャ「ククク、そうでしょうそうでしょう」

サターニャ「と言うわけで、ガヴリール!この大量チョコレートを受け取りなさい!!」

ガヴリール「え、マジ!?このチョコレート私にくれるの?」

サターニャ「ええ勿論よ、このチョコレートの中で今までの私への行いを悔やみなさい」

「…………」

ガヴリール「おぉー!ありがとうサターニャお前の事を見返したぞ」

サターニャ「あれ?」

ガヴリール「おーい、タプリス!サターニャがチョコレートをこんなに沢山くれたぞー」

タプリス「わぁ 凄いですっ!胡桃沢先輩ありがとうございます」

サターニャ「あれれ?」

ガヴリール「タプリスは甘いものに弱いからなー、顔がにやけてるぞー」にまぁ

タプリス「そういう先輩だって甘いものには弱いじゃないですかぁー」にまぁ

タプリス「でも胡桃沢先輩がこんなにいい人だったなんて今まで勘違いしてました。見直しましたよ」

ガヴリール「このチョコレートはタプリスと大切に食べさせて貰うよ、サターニャありがとな」

ガヴリール「それじゃ」ガチャ

サターニャ「………………」

サターニャ「んんんん????」

サターニャ「確かに見返されたし、ガヴリールの弱点を突いたけど……」

サターニャ「なんか思ったのと全然違う!!!」

ラフィエル「(笑いを堪える)」ぷるぷる

ラフィエル(今回も最高でした!やはりサターニャさんは面白いですねー)

Chapter.2(Ver.ドロップストーリー)


サターニャ宅


ラフィエル「サターニャさん起きてください!もうお昼ですよ」

サターニャ「うー、嫌だ。私はこの休日を目は覚めてるけど布団の中でぬくぬくしながら、
そろそろ起きようかな?やっぱもうちょっと寝ようかな?っと思いながら結局無駄に時間を潰す事に浪費すると決意したの!!」

ラフィエル「なんですか、その駄目な人の末期みたいな時間の使い方は」呆れ

サターニャ「ふふ、そうよ私は駄目悪魔……この世に居ようが居なかろうが特に何も変わらないゴミのような存在………」

サターニャ「それが理解ったなら、あんたも毎日私を起こしに来て朝食振る舞うだなんて無駄な行動はもうやめなさい」

ラフィエル「そうは言われましてもねえ……」

サターニャ「ふん、どうせ私なんて放って置いたら数日で餓死するような脆い悪魔なんだから……」

ラフィエル「だから貴方からは目が離せないんですよ、放って置いたら本当に無気力なまま何もしないじゃないですか」

サターニャ「私の勝手でしょ、このまま大人になったって私みたいな平凡な悪魔はどうせ下の上、よくて中の下くらいの下っ端悪魔になって、低賃金で長時間労働させられる惨めな人生を送るのよ」

サターニャ「目に浮かぶわ、何の生産性もなくズルズルと生き続けた末にたった一人で消え去る惨めな私の将来が……」

サターニャ「それを思うと全てがどうでも良くなるの……食べる事も息をする事もね」死んだ魚の目

ラフィエル「ダメです、サターニャさんのマイナスオーラに場が支配されています」

ラフィエル「このままではより悪い方向へ向かうばかり…仕方ありません
この場はサターニャさんの真逆、プラスオーラの塊ような存在であるガヴちゃんを呼んで空気を変えましょう!!」

サターニャ「それだけはやめなさい!!!」バッ!

ラフィエル「あ、やっと起きました」

サターニャ「ラフィエル、あんたなんて恐ろしい事を言い出すのよ」

サターニャ「休日の昼にガヴリールを呼び出すですって?そんな悪魔のような発想よく浮かぶわね」

ラフィエル「まあ悪魔はサターニャさんなんですけどね」

ラフィエル「そんなにガヴちゃんが来るのが嫌なんですか?」

サターニャ「当たり前でしょ」

サターニャ「考えても見なさいよ、休日にアイツをこの家に呼ぼうものなら
私を外へ連れ出し ちょっとお洒落なお店で昼食を食べたり、洋服屋や小物屋なんかをまわって意味なく試着したりしてキャキャうふふと充実した女子高生っぽい事をさせられるに決まっているわ!!」

ラフィエル「いいじゃないですか、むしろそうするべきだと私は思いますよ?」

サターニャ「私のような日陰者はね、アンタ達が日頃から行なっているリアルが充実みたいなキラキラした生活の光を欠片でも浴びると、それに耐えきれず蒸発して消え去ってしまうのよ」

ラフィエル「さっき生きる事とかどうでもいい、みたいな事を言っていた割に蒸発して消え去るのは嫌なんですね」

サターニャ「う、うるさいわね!アレはアレ、それはそれよ」

ラフィエル「へー、そうなんですか」にやにや

サターニャ「ニヤニヤするな!あー、もう鬱陶しい」わしゃわしゃ

ラフィエル(ガヴちゃんの話をした途端に元気になりましたね
こういう可愛い所があるからサターニャさんは放って置く事が出来ないんですよねー)

ラフィエル「それではそろそろ遅めの朝食にしますか、サターニャさん」

サターニャ「はぁ、仕方ないわね」

Chapter.3(Ver.ドロップストーリー)


学校


サターニャ「遂に成し遂げたわよ」

ヴィーネ「いきなりどうしたのサターニャ」

サターニャ「聞いて頂戴ヴィネット、私は遂に思いついてしまったのよ」

サターニャ「働かずに済む方法を!!!」

ヴィーネ「へー」

サターニャ「ちょ、なんなのよ!そのビミョーな反応は」

ヴィーネ「だって聞く前から駄目そうな雰囲気しかしてないし……」やれやれ

サターニャ「なんですって」プンスカ

ガヴリール「サターニャさんとヴィーネ、二人仲良く何のお話ですか?私も入れて下さい」

サターニャ「あっちに行ってなさいガヴリール、アンタは混ぜてあげないから」しっし

ガヴリール「そんなぁ、お願いしますよサターニャさん」

ヴィーネ「そうよサターニャ、ガヴだけ仲間外れにするなんて可哀想でしょ」

サターニャ「ぐぬぬ、ヴィネット…アンタって本当にガヴリール大好きね」

ヴィーネ「///な、なに言ってるのよ!サターニャ!!
私とガヴはあくまでも友達同士で…べ、別に好きとかそういうのじゃ……」

ガヴリール「その通りですサターニャさん 私とヴィーネは大親友!!
お互い好き同士なんです。もちろんサターニャさんやラフィともですよ?」

サターニャ「勝手に私をアンタの仲間にしないでくれる。迷惑なんだけど」

ガヴリール「いいじゃないですか、私とサターニャさんの仲なんですから」

ヴィーネ「あ、好きってそういう……」(小声)

ガヴリール「ん?ヴィーネ何か言いましたか?」きょとん

ヴィーネ「い、いいえなんでも」

ガヴリール「?、そうですか」

サターニャ「はぁ、仕方ないわね。このままどうこうしてても私の話も進まないままだし、今回だけ『特別に』あんたも仲間に入れてあげるわ」

ガヴリール「わーい さすがサターニャさんです。心が広いですね」

サターニャ「ふん、感謝なさい」

ラフィエル「良かったですね、ガヴちゃん」

ガヴリール「はい、ラフィ」

サターニャ「なんか一人増えてる!?」

ラフィエル「何を言っているんですかサターニャさん、私は初めからいましたよ?」

サターニャ「どこに」

ラフィエル「今日の朝からずっとサターニャさんの後ろに居ましたよ?」

サターニャ「怖いわ!!」

ヴィーネ「それでサターニャの考えた働かずに済む方法ってなんなのよ?」

サターニャ「それはズバリ発明よ!!」ビシッ

ラフィエル「発明ですか?それがどう働かない事につながるのでしょうか?」

サターニャ「誰も考えた事もない凄い発明品を作って、その技術の使用料でガッポリ丸儲けって寸法よ」ドヤ

ヴィーネ「ふーん、確かにそれなら一生働かずに済むくらい儲かるかもね」

ヴィーネ「でもそんな凄い発明品をそもそもサターニャが作れるの?」

ラフィエル「恐らく無理でしょうねー」呆れ

サターニャ「もう作ってきてるわよ」

ヴィーネ「早い!?」

サターニャ「ふふふ、ヴィネット、アンタは少し私を舐めすぎているわ」

サターニャ「そんな発明品の一つや二つも考えつかない癖に こんな事言う馬鹿いる訳ないじゃない」

ヴィーネ「そ、そうねー(棒読み)」

サターニャ「という訳で今日は私の発明品を見て頂戴!!
これが売れれば少しくらいは分け前を恵んであげてもいいわよ」

ガヴリール「サターニャさんがどんな物を作って来たのか楽しみです」

ラフィエル「ちゃんとした物なら良いんですが……」

サターニャ「クオリティの方面での心配は要らないわ、私だって伊達に魔界通販の視聴者をやっている訳じゃないもの」

ヴィーネ「あぁ、どんどん不安になってきた」

サターニャ「最初の発明はこれよ、昨日家で電球を取り替えている時に思いついたの」ジャーン

ラフィエル「ただの電球に見えますが……」

サターニャ「ふふふ、甘いわねラフィエル もちろんただの電球じゃないわよ」

サターニャ「なんとこの電球は、特殊な半導体「発光ダイオード」が電気を流す事によって発光する特別な電球なの!!」

「!!??」

サターニャ「従来のフィラメントの通電によって発光する白熱電球に比べてこの電球は、寿命、耐久性、消費電力、光源の強さ、紫外線の少なさ、等その他諸々でこれまでの電球を上回るスペックを持っているのよ」

サターニャ「電球以外にも様々な場面で応用の利くこの技術を世界的に売り出せば儲かる事間違いなし!!!」

サターニャ「ふふん、どう?凄いでしょ」

「………………………」

ヴィーネ「あ、あのサターニャ?」

サターニャ「どうしたのよヴィネット、私の発明に驚いて感動でもしてしまったの?」

ヴィーネ「言いづらいんだけどね」

サターニャ「なによ、はやく言いなさい」

ヴィーネ「……実はその発見もうあるの」

サターニャ「な、なんですって!?」驚愕

サターニャ「う、嘘よ!私の発明が既に作られている訳ないわ」

ヴィーネ「残念ながら本当にあるの、LEDと言う名前でもう全世界に普及しているわ」

サターニャ「LED…何故その名前を!?あんた一体どこで私の大発明の名前を……まだ誰にも言ってないはずなのに!!」

ヴィーネ「だからもうあるよ、ちなみこの教室の照明もLEDになっているわ」

サターニャ「そんな訳…こんな凄い発明並大抵の人間じゃ思いつくはずが……」ガクガク

ラフィエル「むしろネタじゃなかったんですか(戦慄)」

サターニャ「なに言ってんのよ!このLEDは昨日電球を取り替えている時に『もっと長持ちして便利な電球があったらな~』と思いたって
5分で発想を思い付き、30分でそれを図にして、その後一時間で形にした
制作時間 1時間35分の私の超大作だったのよ!!」

サターニャ「それをネタだなんてラフィエル 言っていい事と悪い事があるってもんよ」

ラフィエル「そんなプラモデル感覚で現代史上トップクラスと言っても過言ではない発明を独自で完成させないで下さい!」

サターニャ「だから遊び感覚じゃないって言ってるでしょ、学生ニートの一時間半を舐めないで頂戴!!」

ラフィエル「サターニャさんこそ何百年にも渡る電球の歴史を一体なんだと思っているですか!!」

サターニャ「うぅ、私の発明が……」しくしく

ラフィエル「本気で悔しがってますよ!!この人」

ヴィーネ「既にあるとはいえ 自分でLEDを完成させるだなんてサターニャ恐ろしい子……」

サターニャ「気を取り直していくわよ!LEDがダメになったからってまだまだ他にも私の発明はあるんだから」

ラフィエル「最初から斜め上の予想をロケットスタートで突破していったサターニャさんですが、次は一体どんな発明を…」

ヴィーネ「まだ一つ目なのに、もはや恐怖すら感じるわ」

ガヴリール「…………」

ガヴリール「す、凄いです!!まだロウソクから白熱電球の時代に変わったばかりだと言うのにそれを上回る発明をしてしまうだなんて」

ガヴリール「やはりサターニャさんは逸材だったんですね!さすが未来の大悪魔です」

ラフィエル「こちらにも斜め上の反応をする人が居ました!!」

ヴィーネ「ロウソクから白熱電球の時代なんてとっくの昔に終わってるわよ!?
何?もしかして天界ってそんなに遅れてるの!?」

ラフィエル「いえ天界の科学も現代と同等クラスに調整されているはずですが……
これは極端にガヴちゃんが機械に疎いだけでは……」

ヴィーネ「そ、そうよね」

ヴィーネ「て言うかガヴ、あんたの家の照明もLEDだからね?」

ガヴリール「そうなんですか?」

ヴィーネ「ええ」

ガヴリール「サターニャさんの発明が既に私の家にまで普及していただなんて……感動です!!」

ヴィーネ「確かに世界中に普及してるけどサターニャの技術じゃないんだって」

ラフィエル「あー、今回はいつも以上にややこしくなる予感が……」遠い目

サターニャ「次の私の革新的新技術はこれよっ!!」

ドドーン

ガヴリール「これはなんでしょうか?ちょっと大きめの円錐形のコーンのようですが使い方が全くわかりません」つんつん

ラフィエル「私もこれが何かはわかりませんが、もう既に謎の既視感を感じています」

ヴィーネ「私もどこかで見た事がある気がするんだけど…これは一体なんなのかしら」

ラフィエル「とりあえずサターニャさん説明してくれませんか?」

サターニャ「了解よ、くくく、あんた達せいぜいこのテクノロジーの余りの凄さに腰を抜かさない事ね」

サターニャ「これは粉体分離器と言う名前で気体の中に混じった粉末状の個体を分離する為の分級装置を私が応用して進化させた発展型よ」

「…………………」

サターニャ「どうすごいでしょ?」えっへん

ラフィエル「どうと言われましても……」

ヴィーネ「名前や機械の説明をされてもあれが一体何に使う道具なのかがわからない」

ヴィーネ「サターニャ、もっとわかりやすく説明してくれない。その機械は具体的に何に使う道具なの?」

サターニャ「はあ 仕方ないわね。なら初めから説明する事にするわね」

サターニャ「そもそもこの粉体分離器は昨日私がLEDを完成させた後
部屋を片付けると言う名目の元、魔界通販で買った新しい掃除機で遊んでいる時に思いついた技術だったの」

ガヴリール「粉体分離器……難しい名前ですね。英語で呼ぶとサイクロンと言ったところでしょうか」

ラフィーネ「「!?」」

サターニャ「掃除機は便利だけど使い続けると吸引力が落ちる。
この欠点を克服した吸引力の変わらないただ一つの掃除機を作る事が出来ればお金持ちになれるんじゃないかと思ったの」

サターニャ「そして小一時間 試行錯誤した結果生まれたのがこの粉体分離器でこれを搭載した掃除機がこのDC01-第一号機よ!!」

ババーン

ラフィーネ「これダイソンの掃除機だぁ!!!」

サターニャ「は?ダイソン?何それ?聞いた事のない名前ね。ガヴリール知っている?」

ガヴリール「ダイソン……私も知りませんね。人の名前か何かでしょうか?」

ラフィエル「ダメです。普段から魔界通販しか視聴しないサターニャさんと流行りに疎いガヴちゃんでは
これが世間ではCMでお馴染みの有名企業の商品の二番煎じだと言う事実に全く気付く事が出来ません」

ラフィエル「と言うか掃除機の名前がDC01-第一号機って…どう考えてもDCはダイソンクリーナーの略称でDCじゃないですか!?」

サターニャ「何言ってんのよラフィエル。DCと言えばデビルズクリーナーの略に決まってるでしょ」

ラフィエル「この人は毎度これを本気で言ってるんですから、ツッコミが追いつかないんですよ!」涙目

ヴィーネ「ラフィ、そもそもツッコミを入れるのはそっちじゃないわ」

ヴィーネ「自作でLEDの技術を完成させた後にまた軽いノリでダイソンの掃除機を完成させちゃったサターニャが今一番の異常なんだから」

ラフィエル「確かにそうでした。そう言えばこの人さっきサイクロン技術を小一時間で完成させたとかアホな事を平然と言い張ってました」

サターニャ「あんた達何言ってるの?私はこの掃除機と粉体分離器の技術を作ったとは言ったけどまだ完成はさせてないわよ?」

ラフィーネ「「!?」」

サターニャ「確かにこの掃除機DC01?第一号機は、吸引力こそ変わらなかったものの、そもそも吸引力の出力が従来の物より低くかったりフィルター交換が頻繁に必要だったりと欠点が多かったの」

サターニャ「そこで私はこの粉体分離器の技術、否!サイクロンテクノロジーをより進化させる事にしたのよ」

ラフィエル「もう自分でサイクロンって言っちゃってますよこの人、どう収拾つければいいんですか!?」

サターニャ「その結果がこれ!ルートサイクロンテクノロジーよ!!!」

ババーン

ガヴリール「さっきは一つだけだったコーンが束になりました!!これはすごいですよ!」

ヴィーネ「え、なにそれ凄いの?ただ数が増えただけじゃなくて?」

ガヴリール「いえ違いますよヴィーネ。これはコーンの数が増えた事により多くのゴミやホコリを大量の空気から分離して集塵効率を高めるとともにフィルターまで辿り着くゴミの量を圧倒的に減らしつつ
フィルターの保守に掛かる手間を大幅に低減させる事が出来るようになったんですよ」

ヴィーネ「…………………」ぽかーん

ガヴリール「ですよね?サターニャさん」

サターニャ「ええその通りよ。やるわねガヴリール」

ヴィーネ「ガヴまで小難しい事を言い出すようになっちゃったんだけど!?」

ラフィエル「どうやらガヴちゃんは現代の最新技術を独自で生み出したサターニャさんの発言や技術力を徐々に吸収して理解していっているようです
流石ガヴちゃん、天使学校主席の理解力侮れません」

ヴィーネ「全然嬉しくない成長!!」

サターニャ「しかーし、サイクロンテクノロジーの進化はまだまだ終わらない」

ヴィーネ「まだ終わらないの!?」

サターニャ「このルートサイクロンテクノロジーを更に発展させた進化系がこれよ!!
ラジアルルートサイクロンテクノロジー!!!」

ガヴリール「わあ今度はより小さなコーンを放射状に並べる事によって、更に集塵効率を高めると同時に今までサイクロン部分の外側に設置していたフィルターをその中心部分に搭載することで、集塵効率のアップと掃除機自体のコンパクト化に成功させたんですね」

ガヴリール「もはやこの技術を搭載した掃除機に死角はありませんね」

サターニャ「ち、ち、ち、サイクロンテクノロジーの進化はこの程度じゃ止まらないわよ」

ガヴリール「と言うと更にこれより上が?」

サターニャ「そのとおーり!!!
ラジアルルートサイクロンテクノロジーを更に発展させた最強のサイクロンがこの
ティアーラジアルサイクロンテクノロジーよ!!!」

ガヴリール「な、なんと」

ガヴリール「今度のサイクロンテクノロジーは放射状のコーンを2層に重ねて形成することで、ただでさえ集塵効率が高かった従来のラジアルサイクロンテクノロジーより、さらに集塵効率を向上させたんですか!?」

ガヴリール「すごいですよサターニャさん!これは革命です!!」

ガヴリール「こんなにすごい掃除機があればきっと世界中で飛ぶように売れる事間違いなしですよ!!」

ヴィーネ「だからもう世界中で売れまくりなのよ!!!」

ラフィエル「あぁ…ドラゴンボールの変身のインフレみたいに掃除機の技術がどんどん発達していっています」

ヴィーネ「ここ何十年のダイソンの歴史がこんな一瞬で……いつのまにかコードレスになったり大きさも凄くコンパクトになってるし、消費電力の省エネ化も進んでいるわ!!!」

ラフィエル「早く止めないとそろそろ本家ダイソンの歴史を超えて未来のダイソン掃除機を先取りしかねません」

ヴィーネ「もっとややこしい事になる前にサターニャを止めましょう!!」

ラフィエル「ですね、早く止めましょう」

~~~~~~~

サターニャ「えー、私のサイクロンまでもう既にある技術だったの!?」

ガヴリール「まさかサイクロンテクノロジーやLEDがもう世の中に広まっていただなんて
下界は私が思っている以上にハイカラ化が進んでいるようですね、未来です」

サターニャ「はぁテンション下がるわね……」がっくり

ガヴリール「落ち込まないで下さい。サターニャさん」

ガヴリール「既にあったものとはいえ一人でこれだけのモノを作れたんですから、きっとサターニャさんには凄い才能が……」

サターニャ「ふん、そんな訳ないでしょガヴリール
今回の結果を見てわかったわ。どうせ私なんて何をしても他人の後手にでる無能なのよ。発明?アホくさ もう一生学生ニートでいいわよ」

ガヴリール「あぁサターニャさんがいじけちゃいました。どうしましょうヴィーネ」

ヴィーネ「でも今回の事で変な自信を付けられても困りそうだし、今回は少しヘコむくらいで丁度いいのかも」

ラフィエル「ですね」

ラフィエル「サターニャさんにあんな才能があったのは意外でしたが
あのまま放置しておいていたらそのうち怖い大人の人達に法的に訴えられかねない危うさもありましたし」

ヴィーネ「うん、サターニャの事だし寝て起きたらきっと忘れているわ」

ガヴリール「そうですか…」

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