真姫（凛の家に泊まりに来てから早三日）

真姫（一度として眠ることはできず）

真姫（こうしてただベッドに横たわって時間が経つのを待つ）

真姫（そんな夜にももう慣れたと言えば慣れた）

真姫（眠れない理由はたった一つ）

真姫（凛と花陽が私の腕を抱き締めて寝ているからだ）

真姫（凛は腕ごと私の体を抱え込み）

真姫（その温もりをパジャマ越しに伝えてくる）

真姫（花陽は豊満な胸で私の腕を包み込み）

真姫（その柔らかさを部屋着越しに感じさせる）

真姫（秋も深まって、より寒さを感じるようになった一方で）

真姫（私の体は温かいを通り越して熱いぐらいだけど）

真姫（不思議と寝苦しさは感じない）

真姫（どうしてか……なんて、考えるまでもないわね）ﾌﾌ

真姫（……それでも眠れないことに変わりはないけど）

真姫（目を閉じると色々な音がよく聞こえてくる）

真姫（二人の可愛らしい寝息とか）

真姫（妙にカチカチ響く時計の音とか）

真姫（……バクバクうるさい私の心臓の音とか）


真姫（やっぱり今日も眠れそうにないわね……）

真姫（そういえば……他の皆ってどうなのかしら）

真姫（例えば、穂乃果、ことり、海未の三人はきっと素直に寄り添い合って眠れるのよね）

真姫（それは幼馴染が持ち得る強い絆とか、それによる安心感とか……多分そういうもので）

真姫（彼女達が共に積み重ねてきたであろう時間がそれを如実に物語っている）

真姫（いつも三人一緒に居ることが普通だったという彼女達の確かな絆は）

真姫（これからも決して途切れることはないだろう、と）

真姫（絵里、希、にこちゃんの三人も何だかんだで付き合いは長いみたいよね）

真姫（希を中心に、それぞれ一年生の頃から関わりがあったみたいだし）

真姫（それは穂乃果達とはまた違った三人の関係の形で）

真姫（今ようやく三人が繋がって……これからもきっと一緒に歩いて行くのね）


真姫（……寄り添い合って眠れるかどうかはまた別の話だけど）

真姫（そもそもにこちゃんが反対しそうだし）

真姫（……いや、もしかすると、意外と素直にくっついて寝るのかしら？）

真姫（それはそれで面白いわね）ﾌﾌ

真姫（…………）


真姫（いつも三人一緒、か……）

真姫（いつか私も……私たちも、そう思える日が来るのかしら）