【デレマスSS】椿「ペロの写真ヘタクソ選手権ですか?」 (14)

江上椿さんのSSです。
3300文字ぐらいの短いお話です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510831637

モバP「うん、なんかアイドルの間で流行ってるんだよ」

椿「みなさんも写真が好きなんですね」

モバP「どうなんだろ、そうなのかな……ともかくペロの写真を上手く取るのは難しいらしい」

椿「ペロちゃんって、雪美ちゃんの飼い猫ですよね?」

モバP「そうそう、なんでもシャッターをおろした瞬間居なくなったりするらしい」

椿「写真好きとしては、燃えますね」

モバP「えっ、そうなの?」

椿「是非ともペロちゃんの写真を上手に撮りたいです!」

モバP(いつにもなく張り切ってるなぁ)

椿「そうと決まれたペロちゃんの元へいきましょう」

モバP「えっ?今から?」

椿「思い立ったが吉日、です」

モバP「なるほど」

――――――――――

椿「いましたよ、ペロちゃんです」

モバP「庭で日向ぼっこ中か、意外とすぐ見つかったな」

椿「パシャッと。ひなたぼっこしてるとこ、いただきです♪」パシャッ

モバP「………やったか!?」

椿「モバPさん、見てください」ズイッ

モバP「えっ、あっ、うん……うわなんだこれ、ブレブレじゃない」

椿「おかしいですね、周りの草はぶれていないのに……」

モバP「まるでペロがシャッターを切る瞬間に動いたみたいだ……」

椿「あっ、いつの間にかペロちゃんも居なくなってます」

モバP「ほんとだ、椿さんに見惚れてて気づかなかった」

椿「えっ?」

モバP「あっ!あそこでヘレンさんが飛鳥のエクステで寒風摩擦してる!」

椿「えぇっ!?」

モバP「あぁ、ごめん見間違えだ」

椿「モバPさん、少し疲れてるんじゃないですか?」

モバP「そうかもしれない」

椿「事務所に戻って、少し休みましょう」

モバP「うん」

――――――――――

椿「さ、この紅茶を飲んでゆっくり休んでください」

モバP「あ、ありがとうございます」

椿「少し、横になりますか?」

モバP「いや、大丈夫だよ」

椿「そうですか」

モバP「それよりペロの写真を撮る方法を考えなきゃ」

椿「モバPさんも一緒に考えてくださるんですか?」

モバP「俺も気になるしさ」

椿「ありがとうございます」

モバP「さっき思ったけれど、やっぱり雪美ちゃんに撮影の秘訣を聴くのが一番かもしれないね」

椿「モバPさん、ナイスアイデアです♪」

モバP「そうでもないよ。雪美ちゃんは予定ではもうちょっとしたら帰って来るけれど……」

雪美「…………?」

モバP「わっ、雪美ちゃんいつの間に」

雪美「いまきたとこ…………」

モバP「それ実は1時間ぐらい前から来てたパターンじゃん」

椿「雪美ちゃんは気づいかい上手ね♪」

モバP「そうそう丁度雪美ちゃんの話してたんだけどさ」

雪美「ペロ… みんなと...遊びたい……。だから……しゃしん」

モバP「話早すぎない?」

椿「それでも私、どうにかしてペロちゃんの写真を撮りたいです」

雪美「ペロ………下手な写真……好き………。だから……難しい……」

モバP「あれ好きてぶれさせてるの!?」

雪美「うん………みんな…デレスタグラム…載せる……。ペロ……人気者……、だから……楽しい…って……」

椿「あれはペロちゃんなりの写真の写り方だったんですね」

モバP「なるほどなぁ」

雪美「だから………たぶん………難しい………」

椿「撮るのが難しい写真ほど、撮りたくなってしまいますね」

モバP「そういうもんかなぁ」

雪美「フラッシュ……眩しいから……だめ……。だめ…だよ……」

椿「もちろんよ、ペロちゃんのおめめに配慮して撮影するわ♪」

雪美「ありがとう……………。またね………」

椿「手がかりはつかめませんでしたね」

モバP「ごめん、雪美ちゃんに聴けば何かわかると思ったんだけれど」

椿「モバPさんは悪くないですよ。むしろやる気が出ました。ありがとうございますっ」ニコッ

モバP(守りたいこの笑顔)

椿「それじゃぁ早速ペロちゃんを撮影してきますね」

モバP(椿さん、ロマツア組んでからなんか行動力が上がった気がするなぁ)

――――――数日後

モバP(あっ、椿さんだ。今日も事務所の庭で写真を撮ってるのか)

モバP(わわっ、高そうな服なのにあんな這いつくばって大丈夫なのか……?)

モバP(あああ!!だめだめ椿さん匍匐前進はだめだよ椿さんスカートがダメダメ)

モバP(………おぉ、なんとかギリギリ……って見てる場合じゃないな。注意しよう)

モバP「椿さん」

椿「ペロちゃん、今度こそ負けませんよ~」

モバP「椿さん」

椿「こっちだ!」

モバP「椿さん」

椿「えっ?あっ!モバPさん」

モバP「すいません邪魔しちゃって」

椿「こちらこそすみません、こんなはしたない所お見せしちゃって」

モバP(恥ずかしさ 白い椿を 紅く染め)

椿「ごめんなさい私ったら、カメラを撮ってるとついのめり込んじゃって」

モバP「いえいえ、むしろ椿さんの意外な一面が見られてよかったです」

椿「な、何か御用ですか?」

モバP「あ~その……スカートで寝そべったりすると……あの………」

椿「あっ………」

モバP「大丈夫ですよ!見えてなかったので!!セーフですセーフ!!」

椿「セーフ、ですか?」

モバP「はい!セーフです!次からは気をつけてください!」

椿「見たいですか?  なんて♪ 」

モバP「はい!見たいで…えっ?」

椿「この前見惚れていた分のお返しです。 ふふ♪ 」

モバP「聞こえてたんですね」

椿「はい、でもちょっと恥ずかしくて」

モバP「いやぁ僕のほうが恥ずかしいです」

椿「私も今とっても恥ずかしかったので、おあいこですね♪」

モバP「そういえば何を撮っていたんですか?」

椿「ペロちゃんです」

モバP「あぁ、そういえばこの前言ってましたね。どうですか?」

椿「かなりいいところまで来ましたよ」

モバP「良いところまで……?」

椿「気づいたんです。ペロちゃんが動くなら自分も動けばいいんじゃないかって」

モバP「なるほど」

椿「だからペロちゃんの動きに併せてわざと手ブレを起こすんです」

モバP「よくわからなくなってきた」

椿「もう少し、後もう少しで綺麗に撮れる気がするんです」

モバP「そうなんですね」

椿「あっ……!モバPさんが応援してくれたら、良い写真が撮れるかも…」

モバP「お、応援ですか?」

椿「写真を撮るときに私の手を握ってください」

モバP「てっ、てをにぎる!?!?」

椿「いつもペロちゃんを撮ろうとするとブレすぎてしまうんです」

椿「だからモバPさんの手があれば良い具合に手ぶれ補正になってペロちゃんが綺麗に撮れると思うんです」

モバP「いやいやそれ別に僕じゃなくても……」

椿「こんなこと頼めるの、モバPさんしか居ません。お願いします」

モバP「そこまで言うなら、やりましょう」

椿「ありがとうございます。あっ、ちょうどあそこにペロちゃんが居ますね。もう少し近寄りましょうっ」

椿「…………ここで撮ります。モバPさん、後ろから私の手を包み込むように握ってください」

モバP「………こ、これでいいですか」

椿「はい、今度こそ良い写真が撮れる気がします」

モバP(椿さんの髪の毛、いい匂いだなぁ)

椿「撮ります…………」

モバP「はい……!」

ペロ「行くぞッ!」

椿「………!」パシャッ

モバP「…ッ!」ギュッ

ペロ「……!!??」

モバP「……………………やったか!?」

椿「…………やりました、綺麗なペロちゃんの写真です!」

モバP「すげぇ…。ペロはくっきり映ってるのに周りがボケててすげぇ躍動感があるな……ペロの写真お上手選手権ぶっちぎりの優勝だよ……」

椿「やりました」

モバP「おめでとうございます」

椿「あっ……なんだか今私抱きしめられてるみたいですね」

モバP「うわっ、すみません!」

椿「いえいえ、私がお願いしたんですから謝らないでください」

モバP「あっ、えっとあの、それじゃぁこれで」

椿「は、はい。ありがとうございました」

―――――数日後

椿「モバPさん聞いてください。ペロちゃんの写真、SNSにアップしたらすごく反響がよかったんですっ」

モバP「見ましたよ。なかなかバズってますね」

椿「これもモバPさんのおかげです、ありがとうございます」

モバP「いやいや僕は何も、椿さんの腕があってこそですよ」

椿「モバPさん」

モバP「なんですか?」

椿「次はプロデューサーさんに椿の写真お上手選手権に参加してほしいな~、なんて♪」

モバP「か、考えておきます」

おしまい

以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

前作です。
フェアリーフィーストと運不運
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