アンチョビ「お、おう.....」
まほ「どうした?ほらすでに哺乳瓶は人肌にぬるめてある。あとはこれを飲ませるだけでいい」
アンチョビ「に、西住。一応確認しておきたいんだがな?そのミルクは誰に飲ませればいいんだ?」
まほ「ははは、安斎は面白いことを言うなぁ」
まほ「わたしに決まっているだろう」
アンチョビ「お前の今の格好の方がよっぽど面白いよ!」
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まほ「?」
アンチョビ「お前鏡を見ろよ!なんだその格好は!!」
まほ「なにって....赤ちゃん、だろうか?」
アンチョビ「そうだな、おしゃぶりにガラガラ、それとえーっとなんだその」
まほ「コレか?これはボコのパジャマだ」
アンチョビ「そう!ボコだ!あの大洗の西住が好きなクマのアレだろ?とりあえず西住が赤ちゃんの格好してミルクをねだってる!」
まほ「そうだな」
アンチョビ「おかしいだろ!なにがあったらそうなるんだ!!」
まほ「ふふふ、安斎は流行に疎いんだな。これは『バブみ』と言って今流行りの癒し効果が」
アンチョビ「ないよ!根本から間違ってるよ!」
まほ「そうなのか?」
アンチョビ「誰に聞いたんだそんなこと...いや、やっぱりいいや。誰から聞いたとしても闇しか出てこなさそうで怖い」
アンチョビ「だいたい、そんな奇行に走るほど疲れてるなら言ってくれ。その、水くさいじゃないか」
まほ「安斎....」
アンチョビ「その、気づいてやれなくてごめんな」
まほ「いや、わたしこそまず安斎に相談すべきだった....すまない」
まほ「それで、ミルクを飲ませてほしいんだが」
アンチョビ「どお"してそう"な"る"ん"だよ"!!!」
まほ「いやか?」
アンチョビ「嫌だよ!なにが悲しくてお前にミルクを飲ませてやらなきゃいけないんだよ!」
まほ「そうか、安斎ならいいママになれると思ったんだが....」
アンチョビ「なにを思ってそういう考えになったんだよ.....」
まほ「料理は上手いし、家事もソツなくこなすし、気立てが良くて慕われているからな」
アンチョビ「そ、そうか?」
まほ「しかし『バブみ』が足りなかったか....」
アンチョビ「まずバブみがなんなのか分かってないだろお前」
まほ「みほが言うにはな
アンチョビ「あ"ー、待った。聞きたくない。なんだよ、姉妹揃っておかしな方向に行くのやめろよ!」
まほ「これはやはり沙織さんと言うみほの同級生に聞いてみるべきなのか」
アンチョビ「なんだよ!大洗に何が起きてるんだよ!アレだろ。それⅣ号の通信手の子だろ?いいよ、通信手に変態はカルパッチョだけでお腹いっぱいなんだよ!」
まほ「そうか。安斎は食事をすませてきたのか」
アンチョビ「まだだよ!晩御飯のメニューの話じゃなくて身内の話だよ!あと今日はアヒージョにしようと思ってるんだ」
まほ「なるほど。しかし安斎このミルクはどうすれば.....」
アンチョビ「諦めろよ!もしくは自分で勝手に飲んでくれ!」
まほ「うん、美味いなアヒージョ」
アンチョビ「カロリー高めだから時々にしないとな。我ながらいい出来だった」
まほ「それでな、安斎」
アンチョビ「ん?」
まほ「げっぷを出させてくれ」
アンチョビ「はぁ?」
まほ「えぇっと、なんだったか....ちょっと待ってくれ.....あった。あー」
まほ「『お前がママに
アンチョビ「ならないからな!」
アンチョビ「誰だ?誰からだ?誰からそんな余計な知識を教わった?」
まほ「今のはな、ほら、M3リーに乗っていた一年生がいただろう?あの車長の子から教わった」
アンチョビ「何が起きているんだ!?大洗に!」
まほ「いやよくそのセリフとともに襲われているらしい」
アンチョビ「大丈夫だよな?同級生同士の軽い悪戯だよな?」
まほ「『はいはい、ママですよー』と言いながら頭を撫でると落ち着くそうだ」
アンチョビ「よかったよ。今日一番安心したよ」
まほ「みほが」
アンチョビ「安心させてからの急降下爆撃やめてくれよ!ルーデルかお前は!!」
まほ「やはり一般的なスキンシップではないのか....」
アンチョビ「当たり前だろ!大丈夫かお前の妹の心」
まほ「最近は穏やかだそうだ」
アンチョビ「それ絶対大丈夫じゃないやつだからな」
アンチョビ「なぁ、お前の妹、辛いことがあったんじゃないか?普通はドン引きの奇行を繰り返してるぞ」
まほ「うむ、それについてなんだがな、みほはただ単に甘えたいだけなのだと思う」
アンチョビ「誰かに甘えたいほど辛い思いをしてるんじゃないのか?」
まほ「どうだろう。大洗の生徒たちは皆良い人だと思う。後輩も先輩も同級生も優しくて穏やかだ。.....黒森峰と違って、な」
アンチョビ「.....西住は西住なりに頑張ってるよ」
まほ「そうかな。そうだと嬉しい」
まほ「ようやくみほが安心して暮らせる場所を見つけて少し気が緩んでいるんだろう。だから誰かに甘えたいんだ。多分、お母様にそうして欲しかったことをしてもらおうとしているんだと思う」
アンチョビ「いや、それでもやりすぎだろう。誰かが止めてやれよ」
まほ「ふふ、その通りだな。だけどな安斎、もうすぐみほは熊本に帰ってお母様と会うそうなんだ」
アンチョビ「え?そうなのか?」
まほ「あぁ。だから練習しているのかもしれないな。お母様に甘える練習を」
アンチョビ「甘える練習が必要な親子関係か」
まほ「お母様は厳しいからな。みほが甘えにきたらどんな顔をするだろうか?」
まほ「ところで安斎、膝枕」
アンチョビ「ん、良いぞ。ほら、ついでに耳かきしてやる」
まほ「わたしも意外と甘えたがりみたいだ安斎。こうしていると落ち着くよ」
アンチョビ「だったら西住も母親に頼んでみたらどうだ?」
まほ「わたしは西住流だからな。それにこうするなら安斎の方がいい。丁度いいんだ」
アンチョビ「全く、大きな子供だよ」
まほ「そうだな。わたしはまだまだ子供だよ」
アンチョビ「......お疲れ」
まほ「.....ありがとう。安斎も」
まほ「少し眠たくなってきたな」
アンチョビ「寝るなら布団に行けよ。ほら、風邪引くぞ」
まほ「そうだな。寝る前に何か....そうだ安斎」
まほ「寝る前にミルクが飲みたい」
END
終わりです。HTML出してきます。
すごく久しぶりにSSを書きました。とても短い。あとトリップ間違えてた.....
SS書きたいなぁと思いつつ忙しくてなかなか手をつけられず。アズレンとかモバマスとかやることが多くてですね
もうすぐ最終章ですね。とても楽しみです
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