【安価】P「おお、よくぞきてくれた勇者幸子よ」 (103)
幸子「……あれ…ここは…?」
P「…?何を言っているんだね?」
幸子「Pさん…?あれ…ボク…確か自室で寝ていたはずでは…って何ですかこの格好は!?まるでRPGの主人公みたいな格好じゃないですか!」
P「何を寝ぼけているんだ…!そんなことより大事な話があるのだ幸子よ」
幸子「い、いやそんなことよりって…全く今の状況が分からないんですけど…」
P「もうすぐ世界が滅亡する」
幸子「は、はいぃ!?」
P「実はな……先日魔王からこんな手紙が届いたのだ…」
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P『この世をもう一度暗黒の世界へと変えてやる。覚悟しておくことだ…。我を止められるものなら止めてみろ…』
幸子「は、は、はぁ…」
P「一刻の猶予もない…。頼む勇者幸子よ…この世界を救ってくれ!」
幸子「つまり、この世界を滅ぼそうとしている魔王と戦って倒してきてほしいと…そういうことですか…」
P「そういうことだ」
幸子「……わけがわからないんですけど…」
P「何を言っているんだ!?」
幸子「こっちのセリフですよ!?」
P「幸子…お前には最強の特殊能力があるじゃないか!」
幸子「特殊能力…?」
P「そうだっ!一般人にはない…特殊能力!!それがあるから幸子に頼んでいるんだっ!!」
幸子「ボクが持つ…最強の特殊能力って…?」
安価
幸子が持つ特殊能力とは…?
↓1
P「とにかくカワイイことだっっ!!」ドン
幸子「ええええぇ!?ま、まあ確かにカワイイですよ!?で、でもその!魔王を倒すとかそういうのにはむかない気が…」
P「いいや!とにかくカワイイのは無敵の能力と言える…。とにかくカワイイ生き物に攻撃などできようか!?否!出来ない!この国の王の私でさえ…幸子のカワイさの前ではひれ伏すしかないのだ…」
幸子「は、はぁ…なるほど…。相手に攻撃されることがないということですか…。確かにそれは最強とも言える能力ですね…」
P「だがしかし勘違いせぬことだ。あくまでカワイイと思わせる能力。相手が自分の言うことに従ってくれるとは限らない」
幸子「と言うと?」
P「カワイイ幸子から何か命令されたら従いたくなるものだ…。しかしそれも限度というものがある…。だから、魔王相手に世界を滅ぼすのはやめてくれ…と言ったような交渉は出来ないものと考えた方がいい」
幸子「なるほど…。そうなると…絶対に敵に攻撃されることはない…という考え方もしない方がいいですね…」
P「いやそれは無い。カワイイ幸子には攻撃は出来ない」
幸子「その細かいところ適当ですね?」
P「だがしかし幸子よ。お前は運が悪い。めちゃくちゃなっ!!だから、道中気をつけて進むのだぞ」
幸子「運が悪い?」
P「そうだ。道端の石で転んだり、突然飛んできたボールが当たったり、犬のうんこ踏んだり…とにかく運が悪い。だから気をつけるんだぞ」
幸子「な、なるほどぉ……。そういうところでダメージをくらう可能性があるわけですね…」
P「話が長くなってしまったな…。さて、それでは、魔王を倒す旅へ…」
幸子「ちょ、ちょっと待ってください!倒せと言われても…まず何から手をつけていいやら…」
P「安心しろ。そういうと思って、これを用意しておいた」
▼導きの石をもらった!
P「これは、今からどうすれば良いのか分からなくなった時に使うと良い。きっとお前を良い方向へ導いてくれるはずだ」
幸子「なるほど……。ありがとうございます。これがあれば…なんとか魔王の元へたどり着けそうな気がします」
P「うむ…!頼んだぞっ勇者幸子よ!!!」
幸子「と、言ってみたものの…。本当に魔王なんか倒せるんでしょうか…。まあ、悩んでてもしょうがないですね…。とりあえず導きの石を使ってどうすれば良いか教えてもらいましょう」
▼幸子は導きの石を使った!
幸子「こ、これはっっ…映像が…直接脳内にっっ…」
幸子(これは…村…?どこなんでしょう……えっ…薄暗い…地下…牢獄…金髪の女の子が閉じ込められて…ってこの子…こ、小梅さんっ!?)
幸子「…はっ!?今の…もし本当なら…は、早く助けないと…小梅さんが…閉じ込められてるっ…」
幸子「こ、この村はどこなんですか、教えてくださいっ!」
幸子「…………。う、動かない…なんで肝心なところは教えてくれないんですかね…。なんとかしてこの村の情報を得ないと…」
安価
小梅らしき人物がどこかの村で地下に閉じ込められているようだ。
この村の情報を得るためにはどうすれば良いだろうか?
↓1
幸子「村の人に……聞いてもたぶん分からないですよね…。もっと裏の世界を知っている人間に聞かないと…」
幸子「まずは情報屋さんを探さないといけませんね…」
幸子「………そうなったら…この、ボクが住んでいる設定の街を探索して情報屋さんを探しましょう…」
▼幸子は街を歩き回って情報を集めた!
幸子「……歩き疲れました…。やたら広い街ですね…。しかしなんとか情報屋さんの噂を得ることができました…。話によるとこのバーにいることが多いとか…」
幸子「バーなんて入ったことないですし…緊張しますね……」
幸子「あ、あの…すみません…」
店主「んん?どうしたんだいカワイイお嬢ちゃん。ここは子供の来るところじゃあないよ?」
幸子「え、あ、はい…。その、ちょっと聞きたいことがあって…」
店主「聞きたいこと?」
幸子「はい、その……ここには…裏社会に通じてる情報屋さんがいると聞いて…来たんです…」
店主「ほぅ……」
幸子「(あ、あれ…急に目が怖く…)そ、それでその…その人に会いたくて…」
店主「……その歳で裏の世界に興味があるのかい…?悪いことは言わない…やめておきなさい…」
幸子「……友達を救うためなんですっ!」
店主「…」
幸子「友達を救うために…どうしても情報屋さんに会わないといけないんですっ!」
店主「なるほどねぇ……。よし分かった…会わせてあげよう…。着いておいで…」
幸子「…!ありがとうございますっ!」
幸子「店の奥に……情報屋さんが?」
店主「ああ…そうさ…。この店の奥…ここをいつも使っているのさ…」
幸子「…?」
店主「さて、で、一体お嬢ちゃんはなんの情報が欲しいんだい?」
幸子「えっ………ま、まさか…情報屋さんって…」
店主「そう、私のことさ」
幸子「そ、そうだったんですね…!?情報屋さんっていうから…もっと人目を気にしてこそこそ隠れてると思ってました…」
店主「ははは、逆にこうして堂々としている方がバレないものなのさ」
幸子「あっ…それで…知りたいことって言うのは…」
▼幸子は自分が見た映像の事を伝えた
店主「ほぅ…そりゃあ……。魔女狩りだな」
幸子「魔女……狩り…?」
店主「ああ…つい最近の話だ。東の村で、金髪の女の子が捕まったという話を聞いた」
幸子「!!」
店主「その東の村というのはな、まあ表向きには…特にこれといった特徴もなく…争いごとのない…平和な村なんだが……。裏は違う。この村には昔からとある噂があるんだ。山の奥にぽつんと建っている廃屋に魔女が住んでいるという噂だ…」
幸子「魔女…」
店主「実はその魔女に村が襲われるのが怖くて…村人から一人…毎年生贄として魔女に捧げているらしいんだ。本当に魔女がいるかどうかも分からないのにな」
幸子「いけ…にえ…!?」
店主「ああ…。まあそんな裏の顔がある村なんだが…。つい最近、その廃屋に杖を持った金髪の女の子が入っていくのを村人が見かけたんだ。本当に魔女はいたんだ…と村で言って回った。村人達は、もっと恐ろしいバケモノのようなものを想像していたが…それが小さな子供だと分かったらどうなるか…」
幸子「…自分達でも倒せるんじゃないか…と…」
店主「そうだ。もともとがあやふやな昔からの噂、言い伝えだ…。もし、その女の子を捕まえて…殺してしまえば、生贄を捧げる必要もなくなる…。村人達はそう考え…」
幸子「なるほど……。それで…その女の子は捕まってしまったんですね…」
幸子「早く…早く助けに行かないと…」
店主「しかしなんでお嬢ちゃんはそんなにその女の子のことが気になるんだい?さっき、友達を助けるためといっていたけど…」
幸子「…その魔女が…友達かもしれないんです…」
店主「ほぉぅ…。なるほど…そのお嬢ちゃんが見た映像とやらにうつっていた子が…友達によく似ていると…そういうことかい」
幸子「はい……」
店主「しかし、もしかしたら全くの別人かもしれないよ?」
幸子「だとしても助けないといけませんっ!そんな…魔女狩りだなんてっ!放っておくわけにはいきませんっ!」
店主「そうかい…。まあ、お嬢ちゃんがどうしようとそれはお嬢ちゃんの勝手だからね…私がどうこう言うことではない…。しかし急いだ方がいい…。魔女の処刑が近々行われると聞いた…」
幸子「処刑!?」
店主「ああ、村人達は魔女の噂に長年苦しめられてきた…。その恨み辛みを晴らすために最も残酷な処刑を行うだろう…。助けたいのなら急ぐことだ」
幸子「ありがとうございます!では早速行ってきますっ」
店主「そのまえに」
幸子「はい?」
店主「情報代」
幸子「あっ…。そ、そうでした…忘れてました…。いくらくらいでしょう?(Pさんからいくらかもらいましたが…足りますかね?)」
店主「そうだな…この話はかなりタイムリーで、知っている人間も少ない…そうなると…情報代も高くなる…」
幸子「え…」
店主「でもカワイイお嬢ちゃんからそんなに高額とるのはかわいそうだ。まけてあげよう」
幸子「ほっ…」
店主「50万ゴールドだ」
幸子「は…?」
幸子(今1万ゴールドしか持ってませんけど…)
店主「払ってもらおう」
幸子「………ちょっと待ってもらっても」
店主「今すぐ」
幸子「………無理です」
店主「…分かった。では時間をあげよう」
幸子「ありがとうございますっっ!」
店主「なんとかして50万ゴールド稼ぐか、新しいネタを持ってくるか…どちらか選ぶんだ。制限時間は日が落ちるまでだ。いいね?」
幸子「は、はぃ……。新しいネタっていうのは…?」
店主「つまり、新しい情報さ。客が欲しがるような新しい情報を私にくれればいいのさ」
幸子「わ、分かりました…今日中に…なんとかします…」
安価
情報代を払わなければならない…。
50万ゴールド稼ぐか、それとも新しい情報を持っていくか…どちらにしよう?
↓1
幸子(やっぱり稼ぐ方が楽そうでいいですね…)
幸子(でも稼ぐといっても…50万ゴールドなんて大金どう稼げば…)
安価
手持ち1万ゴールドの幸子。どうやって今日中に50万ゴールド稼ごう?
(いかがわしいことはダメですよっ)
↓1
幸子(うーーん…どうすれば…)
幸子「……そうだっ!!ボクにはカワイさがある!歌があるじゃないですかっっ!ライブをしたら50万ゴールドなんてちょちょいのちょいですよっ」
幸子「というわけで早速……。Pさん」
P「何しに戻ってきたん」
幸子「いろいろあるんですっっ!!ちょっと今からライブするので手伝ってください」
P「のんきか」
幸子「のんきじゃないですよっっ!」
P「世界が滅びそうだって言っておるだろうッ!!ライブなんて世界を救ったあとさせてやるっ!」
幸子「いやだからですねぇ……あーもう!導きの石がライブしろと言っているんです!」
P「ええええぇ!?なら仕方ない」
幸子(だいぶ省きましたけど間違ってはいませんよね…)
P「よし、では早速盛大にライブをできるように場所を用意してやろう」
幸子「ありがとうございます!!」
(すみません…今日はここまでです…寝ます…。コメントしていただいてありがとうございました…。また更新しますのでよろしければ最後までお付き合いください…)
P「どうだ?この広場なら大勢の人にライブを見てもらえるだろう?」
幸子「はいっ!ここなら充分…充分稼げそうです」
P「金とるのか!?」
幸子「とりますっ!さあ、Pさんっ!早速ライブの告知とチケットを売って回りますよ!!」
P「えええええ!!私も行かないとダメか!?」
幸子「当たり前ですよ!ボクのPさんなんですから!さあさあ!時間はないですよ!急いで急いで!」
P「な、なんで私がこんな目に…」
▼幸子とPは街中を走り回り、ライブの告知とチケットを売りまくった!
幸子「ふっ…さすがボク…チケットは完売ですねっ」
P「疲れた…私はもう帰るぞ…」
幸子「お疲れ様です!で、いくら稼げました?」
P「うむ…。予定していたとおり、50万ゴールド稼げたぞ」
幸子「やった!!(これで情報代として渡せますね!)」
P「でだ、この50万ゴールドを折半して、25万ゴールドが幸子の取り分だ」
幸子「は、はぃ…?」
P「ん?」
幸子「折半…ですか?」
P「うむ。これは私と幸子、2人で稼いだものだ。折半するのが妥当だと思うのだが」
幸子「うっ……(確かに…)」
幸子「うぅ……。手元には26万ゴールド…。稼げましたが…全然足りませんね…」
幸子「どうすれば……」
P「どうした?そんなにも金に困っているのか?」
幸子「は、はい…」
P「そうなのか…。よし、分かった」
幸子「えっ…まさか…」
P「金は渡さん」
幸子「……」
P「が、稼げるようにしてやろう」
幸子「それは…どういう…」
P「ライブでグッズを売れば良いではないか」
幸子「!!!なるほどその手がっ!」
幸子「でも…グッズって言っても……。もうあと数時間でライブが始まっちゃいますし…」
P「確かに…手の込んだものは出来ないが…。生写真なんてどうだ?」
幸子「生写真…」
P「ぱぱぱっといろんな衣装に着替えて、写真を撮るのだ。その写真にサインを入れたりしたら…グッズとして販売出来るのではないか?」
幸子「………なるほどっ!!じゃあ早速やりましょうっ!衣装を用意してください!あとカメラマンさんもっ」
P「よし、任せておけ!」
P「よし、衣装を持ってきたぞ!」
幸子「ありがとうございます!着替えますっ」
P「カメラの用意はバッチリだ!」
幸子「ありがとうございます!って…あれ…カメラマンさんは?」
P「私だ」
幸子「えぇ……大丈夫なんですか…?」
P「任せておけ!!!」
幸子「(どこからそんな自信が…)じゃ、じゃあ…任せますよ…」
P「うむっ!」
幸子「では、まず一つ目!学生服幸子♪」
P「カワイイ!」パシャッ
幸子「二つ目!メイド服幸子♪」
P「カワイイ!!」
幸子「三つ目!スク水さち……ってなんで水着なんてあるんですか!」
P「カワイイ!!!売れる!こういうの絶対売れるから!」パシャッ
幸子「まったく……」
▼幸子はいろんな衣装の写真を撮った!
幸子「いよいよライブですね…」
P「大丈夫なのか……?」
幸子「任せてくださいっ!準備万端ですっ!もともとボクは勇者じゃなくてアイドルなので!!」
P「は、はぁ?よく分からんが…。……なんだか裏で見ている私の方が緊張してしまっているな…」
幸子「まったく…しっかりしてくださいよっ…」
P「う、うむ…」
幸子「じゃあ、行ってきますっ!」
P「が、頑張れっ!」
幸子「はいはーい!皆さんこんにちはっ!世界一カワイイアイドル、輿水幸子ですよ~!!」カワイイポーズ
▼幸子のライブは大成功に終わった!
幸子「ライブ大成功でしたね!」
P「あぁ!いやぁよかったぞ。幸子にこんな特技があったとはなぁ」
幸子「いや、ですから…まあいいです。そんなことより、写真はどうですか?売れましたか!?」
P「うむ、見事完売だ」
幸子「ホントですか!?まあ、このボクの写真ですもんね…完売して当然ですよね!」
P「う、うむ……。でだ、これが幸子の取り分だ」
幸子「おお…1、2、3.……30万ゴールド!」
P「金に困っているようだから、少し取り分を増やしてやったぞ」
幸子「ありがとうございますっっ!!」
P「で、幸子よ…これだけの大金を手に入れて、これからどうするつもりだ?」
幸子「これから………。東の村に向かいます。そこで、どうしてもやらなくてはならない事があるので…」
P「そうか……。東の村か…。詳しいことはわからんが…気をつけるのだぞ」
幸子「はい……!ありがとうございます!!」
▼幸子は情報代を支払った!
幸子「では、ボクは今から東の村へ向かいます」
店主「そうかい……。まあ、村までの道中は心配事はないだろうが……気をつけるんだよ。魔女狩りの件に首を突っ込むということは…それ相応の危険は伴う」
幸子「はい…覚悟の上です…」
店主「…分かった。また、戻ってきたら話を聞かせてくれよ」
幸子「はい…!!色々とありがとうございました!」
▼情報屋へ別れを告げ、幸子は東の村へ旅立った!
~東の村~
幸子「やっとつきました…」
村人A「ようこそ東の村へ!」
幸子「あっ…ど、どうも」
村人A「どこか泊まるところをお探しですか?」
幸子「えっと……(確かに…とりあえずどこかで休みたいですね…)」
幸子「はい…どこか泊まれるところはありますか?」
村人A「はいっ!ございますよ!ご案内します!」
幸子「ありがとうございます!」
幸子(…見た感じ…普通の村ですね…。旅人を相手に商売しているであろう道具屋さんやお土産屋さん…そして宿屋さん…。とても魔女狩りの噂なんて信じられませんね…)
幸子「さて…とりあえず落ち着ける場所に来たわけですが…これからどうしましょうか…」
幸子「なんとか…せめて小梅さんが閉じ込められている場所でも分かればいいんですけど…」
安価
小梅を助けるために東の村に来た幸子。これからどうしよう?
↓1
幸子「…とりあえず酒場に行ってみますか…。やっぱり情報集めと言ったら酒場ですよね!」
~酒場~
幸子(で、来てみたはいいものの……。やっぱり浮きますよね…14歳で酒場は…)
酒場店主「やあやあ。どうしたんだいお嬢さん。パパでも探しに来たのかい?」
幸子「あっいえ……そうではなくて…その、普通にお客さんとしてきたんですけど…やっぱり…未成年じゃダメですか…?」
酒場店主「いやいや、大丈夫だよ。普通に食事をとってもらうのは大歓迎さ。ただ、ウチの酒場はね…自分の子供放ったらかしにして1日中酒飲んでるダメ親父が多いからねぇ…」
ダメ村人「おいオヤジぃ!!なんだそれは俺のことを言ってるのかァ!?」
酒場店主「そうだよっ!あんたのことを言ってるのさ!」
ダメ村人「ガハハハハ!!」
幸子(えっ…笑うところなんですか…)
酒場店主「気をつけるだよお嬢さん。あーいうのには近づいちゃダメだよ…」
幸子「は、はい……」
幸子(でも……お酒で酔っ払ってるって言うのは…逆にありがたいかも知れませんね…。情報を聞き出しやすそうです…)
幸子(とりあえず、酔っぱらいのおじさん方が何か情報を漏らさないか…近くの席に座って聞き耳を立てましょう…)
酒場店主「で、お嬢さんは何が食べたいんだい?」
幸子「そうですね……。オムライスをください」
酒場店主「はいよ!」
幸子(何か良い話を聞けるといいのですが…)
ダメ村人1「そーいえばよぉ…この間…」
幸子(おおっ…早速…!?)
ダメ村人1「近くの畑ですんげぇでかいニンジンがとれたらしいぜ!!」
ダメ村人2「そうなのかよぉ!羨ましいなぁおい!うちの畑でも出来てほしいもんだぜ…」
幸子(…まあそんな簡単にはいかないですよね…)
ダメ村人1「いや、だがよぉ…だいたいバカみたいにでけぇ食いもんてのはよぉ…不味いもんなんだよ」
ダメ村人2「そうなのか?」
ダメ村人1「そうだそうだ!普通じゃねぇ大きさに成長した野菜なんてよぉ…どこかおかしいんだよ」
ダメ村人2「なるほどなぁ…」
ダメ村人1「…魔女の仕業かもなぁ…」
幸子(……!?)
ダメ村人1「でけぇニンジンができたからって喜んで食ったら……実はそれは魔女の罠で…死んじまうかもなぁ…」
幸子(………)
酒場店主「変な話はよしてくれよあんたら!」
幸子「っ!?」ビクッ
酒場店主「でけぇ声で変な話するから、お嬢さんが怖がってるじゃないか!」
ダメ村人1「ガハハハハ!!すまねぇなあ!!酒飲みオヤジの軽い冗談だぜお嬢さんよぉ!!」
幸子「あっいえその…」
ダメ村人2「カワイイ反応しやがるぜコイツゥ」
ダメ村人1&2「ガハハハハ!!」
酒場店主「はぁ……まったく…すまないね…」
幸子「い、いぇ……(もう少しで情報が得られたかもしれないのに…)」
酒場店主「お嬢さん、もっとあっちの席で食事した方がいいんじゃないかい?」
幸子「あっえっ…いえ、ここで大丈夫ですよっ!あ、あっちの隅っこで1人で食事するのは…ちょっと寂しいですし…」
酒場店主「…そうかい…お嬢さんがいいなら…それでいいんだがね…」
幸子(もしかして……なにか警戒されてますかね…。考えすぎでしょうか…)
幸子(……)
ダメ村人1「最近あんまり酒が飲めなくなってきてよぉ…」
幸子(……)
ダメ村人2「いいなぁおい…俺も美人の奥さんが欲しいぜ…」
幸子(……)
ダメ村人1「やっぱりデカくてウマイのは女の胸と尻だけだな!!」
幸子(……………)
ダメ村人1&2「ガハハハハ!!」
幸子(ダメだッッ……あれ以来まったく魔女の話をしてくれませんね……なんとか策を考えないと…)
酒場店主「はい、おまちっ」
幸子「あっ…ありがとうございます!」
酒場店主「お嬢さんのために特別カワイイオムライスにしておいたよ」
幸子「ありがとうございますっ!ケチャップでハートを書いてくれたんですね!」
酒場店主「そうさっ…更に…コレっ!」
幸子「これはっっ!」
酒場店主「旗も刺してあげるよ!」
幸子「おぉー!!……ってボクそんなに子供じゃないですよ!」
酒場店主「ははははっ!」
幸子「もー……」
幸子(さて…このまま話しを聞いていてもダメそうですし…。こちらから行動してみましょう…)
幸子(なんとか…怪しまれないように魔女の話を聞きだす方法は…)
安価
どうにかして上手く魔女の話を聞き出したい…。どうすれば良いだろうか?
↓1
幸子(……そうだ…何も知らないフリをして魔女について聞いちゃいましょう!)
幸子(店主さんに……聞いてもたぶんはぐらかされそうですね…。ここは酔っぱらいのおじさん方に聞いてみますか…)
幸子「あ、あのぉ…」
ダメ村人1「んん~?」
幸子「えっと……さ、さっき言ってた魔女って言うのは……」
ダメ村人1「あぁ……なんだお嬢さん気にしてたのかぁ」
ダメ村人2「あんなもん冗談だよ冗談!!」
幸子「あ、あはは…なんだ冗談ですかー…」
ダメ村人1「……」チラッ
幸子「……?」
ダメ村人1「へへ…いいぜ…教えてやるよ」
幸子「えっ……?」
ダメ村人2「おいおい……」
ダメ村人1「へへ…イイじゃねえか…子供が純粋に疑問をもって聞いてきてるんだ…答えてやらないと可哀想だろう?」
ダメ村人2「子供放ったらかして酒飲みに来てるお前が言うかよぉ」
ダメ村人1「ははっ…。で、お嬢さん。魔女の事が気になってるんだろぉ?」
幸子「は、はいっ……」
ダメ村人1「……この村の山奥に魔女が住んでるんだよ…」
幸子「…!!」
ダメ村人1「いや…正確には…住んでいたんだ…。数日前、捕まったのさ…魔女がな…。今まで、住んでるっていう噂しか聞いたことがなかったんだが…本当にいたんだよ…」
幸子「そ、そうなんですね…本当に…魔女が…」
ダメ村人1「ああ…。だから村のやつはみーーんな…魔女の話ばかりしてるのさ…何かにつけて魔女魔女ってな…」
幸子「な、なるほど…。捕まった魔女は…どうなったんですか……?」
ダメ村人1「どうなってるかねぇ……それは俺にも分からねぇなぁ…」
ダメ村人2「丁重に…扱われてるかもなぁ…ガハハハハ!!」
幸子「……」
ダメ村人1「ただ、まだ生きてることは確かだ…」
幸子「!!」
ダメ村人1「数日後に、処刑される予定なのさ」
幸子「処刑…ですか…」
ダメ村人2「散々村に迷惑かけてきたんだ…処刑されて当然だぜっ!」
幸子「ち、ちなみにその魔女はどこに捕まってるんです?」
ダメ村人1「何でそんなことが気になるんだぁ?」
幸子「えっいやぁ……どんな顔してるのかなぁとか…気になりまして…見れるなら処刑される前にひと目見ておきたいなーって…」
ダメ村人1「…会えないと思うぜ?」
幸子「えっ…」
ダメ村人1「魔女には…村の人間しか会うことは出来ねぇんだ」
幸子「そう…なんですね…」
ダメ村人2「ホントはよぉ…この魔女の話自体…村の人間じゃないヤツにはしちゃいけねぇんだよ…」
ダメ村人1「そういう事だ…。諦めるんだな…」
幸子「………」
ダメ村人1「…まあ、捕まってる場所くらいなら教えてやってもいいけどよぉ」
幸子「…!!」
ダメ村人1「別に変に隠してるわけじゃねぇしな」
幸子「そ、そうなんですね…。どこに…捕まってるんですか…?」
ダメ村人1「あーー!!酒、飲み足りねぇなぁ!」
ダメ村人2「ああ…。まだ食い足りねぇなぁ!」
幸子「…えっえっ!?」
ダメ村人1「もう少し酒入れねぇと…うまく喋れねぇなぁ…」
ダメ村人2「ああ。腹が減って喋る元気もねぇやなぁ…」
幸子「……」
ダメ村人1「でも俺たちよぉ…金がなくてなぁ」
ダメ村人2「ああ…今月は使いすぎたぜ…」
幸子「あーーーもう!分かりましたよ!!」
▼幸子は情報代を支払った!
幸子「高いオムライス代でしたよ…」
幸子(ですがまあ…小梅さんが捕まっているところも分かりましたし…酒場に行って正解でしたね…)
幸子「とりあえず…今日はもう夜ですし宿で一泊しましょう…」
~次の日~
幸子「さて…。行きますか…小梅さんを救いにっっ!!」
▼幸子は小梅が捕まっている場所へ向かった!
幸子「ここが……」
幸子「って普通に刑務所じゃないですか…!こんな情報のために1万ゴールドもとられるとは……」ムスッ…
幸子(でも……普通に捕まってる訳じゃなさそうですよね。導きの石で見た映像は…確か地下でした…。)
幸子「さて…今からどうしますかね…」
安価
小梅が捕まっているところまでつきとめた幸子。とりあえず小梅に会いたいところだが…。どうしよう?
↓1
幸子「……急がば回れというやつですね…!"魔女"を助けるとなれば争いごとになるのは必至…まずは必要な装備を整えないと…」
幸子「よく考えればボク…勇者なのに武器を何一つ持ってませんね…木の棒くらいは装備しないと…」
幸子「とりあえず道具屋さんと武器屋さんに行かないと…」
▼幸子はまず道具屋に向かった!
幸子「さて、道具屋さんに来ましたが…」
道具屋店主「なにかお探しかな?」
幸子「そうですね……」
幸子(とりあえず薬草と…あ、状態異常を治す薬もいりますね…それと松明も買っておきますか…他には…敵から逃げるための煙玉も買っておきましょう。……非常食も一応買っておきますか!)
▼幸子は必要な装備を揃えて次に武器屋に向かった!
幸子「次は武器屋ですね…」
武器屋店主「どの武器が好みかな?」
幸子「うーーん…剣とかいいですけど…これ…重たいっ!!!」
武器屋店主「はははは。男でもある程度鍛えてないと剣は振れんよ。女性向けなら…ナイフとか弓だなぁ」
幸子「うーーん…弓は扱いが難しそうですし…ナイフにします…。あ、あと木の棒をください」
武器屋店主「よし分かった。その二つだな。防具は大丈夫か?」
幸子「……じゃあお鍋の蓋を一つ」
武器屋店主「ありがとよ!!」
▼幸子は装備を揃えたっ!
幸子「さて、必要な装備は揃いましたねっ!!これで争いごとになっても大丈夫ですっ!」
幸子「再び刑務所の前に戻ってきましたが……どうしますかね…」
幸子(とりあえず魔女に会えないか交渉にでますかね…それとも力づくでいきますかね……悩むところですが…)
安価
必要な装備を整えた幸子。
ここからどうしよう?
↓1
幸子「……ボクのカワイさなら顔パスで行けるのでは…?」
幸子(案外さらっと小梅さんを連れてこの村を後にできるかもしれませんね……?)
幸子「とりあえずこの作戦でいってみますか…」
▼幸子は刑務所の中に入った!
幸子「あ、あのぉ…」
刑務官「…はい…?旅の方ですか…?どうしてこんな所へ?」
幸子「…ある人と会いたくて…」
刑務官「…面会ですか…。ご家族の方ですか?」
幸子「家族…ではないんです…」
刑務官「そうですか…そうなりますと…面会は」
幸子「…魔女に会わせてください」
刑務官「……………」
刑務官「魔女……?」
幸子「はい…!」
刑務官「……そういう名前の方はこの刑務所にはいませんが…」
幸子「いや名前ではなくて…」
刑務官「…変な噂を聞いてこちらまで来られたようですが…ここには魔女なんていませんよ」
幸子「むぅ…(あの酔っぱらい村人さんに嘘をつかれたんでしょうか…)」
刑務官「諦めていただけないようでしたら…」
幸子「…?」
刑務官「力ずくで追い出すしかないですね…」スッ…
幸子「…つまりボクと戦うと…?」
刑務官「ええ…女子供相手でも容赦はしませんよ…。僕は…強いですよ?」
幸子「…そうですか…でも相手が悪かったですね…」
刑務官「なに…?」
幸子「ボクは…世界一カワイイですよッッ!!」バァァン!
刑務官「な、なにィィィ!?カワイイイイィィィ!!」ズキュゥゥゥン!
幸子「…魔女に会わせてください」
刑務官「ハイっっ!かしこまりましたっ!」
刑務官「こちらですっっ!」
幸子「かなり奥の方なんですね…」
刑務官「はい…そしてさらに…地下への隠し通路があるんですよ」
幸子「なんと……」
刑務官「ここの壁…スイッチを押すと……開くようになっているんです」
幸子「おおぉ…これは凄いですね…」
刑務官「そうでしょう?ここから先には…昔使われていた牢獄があるんです」
幸子「……なるほど…そこに魔女を閉じ込めているんですね…」
刑務官「そうです…何をしでかすか分かりませんからね…。縛って地下へ閉じ込めるのは当たり前ですよ」
幸子「……」
刑務官「ここから先はかなり暗くなっています。このロウソクの火を頼りに進みましょう」
幸子「うわっ…本当に真っ暗ですね……それに凄い臭いが…」
刑務官「全く掃除されていませんからね…」
幸子「ちなみに……魔女にご飯や飲み物は…?」
刑務官「与えていませんよ。どうせ数日後処刑されますからね」
幸子(ひどい……こんなところに閉じ込められて…早く助け出さなきゃ…)
刑務官「…着きました…。こいつが魔女です」
幸子「………」
幸子(目と口が…布で縛られているので…ハッキリは分かりませんが………小梅さんにかなり似ていますね…。しかし…ひどい…手と足も縛られて…全く動けないじゃないですか…)
幸子「あ、あの……」
魔女「………」
幸子「…生きてますよね…?」
魔女「………」
刑務官「多分ですが……」
幸子「……?」
刑務官「寝てます」
幸子「……」
幸子「ね、寝てるんですか……」
刑務官「ええ…。この魔女、普通ならこの暗闇に放置されるだけでも怯えるものですが…この環境にかなり慣れているようで…いつもこの調子ですよ」
幸子(まあ確かに…小梅さんなら暗闇の方が逆にテンション上がりそうですもんね…)
幸子「ちなみに…この魔女の処刑はいつ行われるんでしょうか?」
刑務官「2日後を予定しています」
幸子「2日後……(急がないとまずいですね…)」
幸子「ちょっとこの魔女と…二人きりで話をしたいのですが…」
刑務官「二人きりというわけには…」
幸子「ダメですか…?数分でいいので…」
刑務官「………分かりました…。では私は…5分後…またここへ戻ってきます」
幸子「…ありがとうございます!!」
幸子「………小梅さんっ…小梅さんっ…!」
魔女「………」
幸子「小梅さん聞こえますかっ…!」
魔女「………!」ピクッ
幸子「助けに来ましたよっ!」
魔女「……」ヨロヨロ
幸子「と、とにかくこっち側来てください…目と口を塞いでる布を切りますから…」
魔女「………」ヨロ
幸子「よし……じっとしててくださいね…」
▼幸子は持っていたナイフで布を切った!
幸子「………大丈夫ですか…?」
魔女「……………うん。ありがとう…幸子ちゃん…」
▼魔女の正体はやはり小梅だった!
幸子「やっぱり…小梅さんだ……。本当に大丈夫ですか?何もされてませんか…?」
小梅「うん………捕まって…ここに閉じ込められてただけ…だから…。ただ…ちょっとお腹すいた…かな…」
幸子「お腹が……それでしたら、ここに非常食があるのでとりあえずこれをどうぞ…!」
小梅「ありがとう……。なんで…こんなことになったのか……わけがわからなくて…幸子ちゃんは……何か知ってる…?」
幸子「ま、まあボクもあまり良くわかっていないのですが…。その話は後です…。とにかく今はここから逃げ出さないと…」
幸子(あと2、3分もしないうちに刑務官さんが戻ってきちゃいますね……。どうしますかね……)
安価
小梅の安否は確認することが出来た幸子。なんとか小梅を助け出したいが…刑務官が戻ってきてしまう…。どうすればいいだろうか?
↓1
幸子(そうだっ……何か小梅さんにも特殊能力があるのではっ!?ボクにも特殊能力がありますし…)
幸子「小梅さんっ…何か特殊能力…持ってませんか!?」
小梅「と、特殊能力……?そ、そんな…急に…言われても…」
幸子「きっと何かありますよっ…!」
小梅「な、何か……。幸子ちゃんは…何か…あるの?」
幸子「はいっ!ボクは……とにかくカワイイという能力を持っています!」
小梅「………」
幸子「その『あ、いつもの幸子ちゃんだ…』みたいな目やめてくださいっ!」
小梅「私の……能力……」
安価
小梅が持つ特殊能力とは…!?
↓1
小梅「私は…………そうだ…。死霊の力を…借りることができるよ……」
幸子「………」
小梅「幸子ちゃんも…『あ、いつもの小梅さんだ…』みたいな目…してる…」
幸子「そ、そんなことは……。そ、それで、その…霊の力を借りて、なんとかこの檻を壊したりできませんか!?」
小梅「それが………ここには…たくさん霊がいるんだけど…そこまで力を持ってる霊が…いないみたいで…壊したりとかは…無理みたい……」
幸子「なるほど……そうなったら…カギをどこからか持ってこないと…」
小梅「それなら……霊の力を借りて…カギを探して持ってきてもらえばいいね…」
幸子「ですねっっ!」
刑務官「お話は終わりましたか~?」
幸子「っっ!ヤバイです…刑務官さんが来てしまいました…っ!」
小梅「…な、なんとか時間稼ぎなら……霊たちが…してくれるけど…。そんなに強くないから……長くはもたないと思う…」
幸子「そ、そうなんですね……。なんとか…カギを持ってきてくれるまでもつといいんですけど…」
小梅「……今のうちに……手と足の縄……切って欲しい…」
幸子「あっ…すみません…忘れてました……」
刑務官「う、うわっ!なんだっっこいつらはっ!まとわりつくなー!!」アタフタ
幸子「おぉ!いい感じですね!」
小梅「い、いや……」
幸子「え…?」
小梅「もう……霊の…スタミナが切れて…バテてる…」
幸子「え、えぇー……スタミナとかあるんですか…」
刑務官「ま、まったく…なんだったんだ…まさか幽霊というやつか……?」
幸子「ぐぬぬ…ここは…ボクが何とかして時間を稼がないと………」
安価
霊たちが鍵を見つけて持ってくるまでなんとか時間を稼ぎたい…。どうやって時間を稼ごう…?
↓1
幸子「………脱ぎましょう…」
小梅「幸子ちゃん!?」
幸子「ち、違いますよ!そういうのじゃないですよ!!」
小梅「ど、どういうこと……?」
幸子「靴下を脱いで………これを幽霊さんにどこかに適当に隠してもらって……よし…!」
幸子「刑務官さーーん!」
刑務官「ど、どうされました?」
幸子「さ、さっき…幽霊みたいなものに襲われて…靴下を盗られてしまったんです!!」
刑務官「な、なんと…!」
幸子「一緒に探してもらえませんか…!?大事な靴下なんです…」ウルウル
刑務官「も、もちろんですっっ!!!探させてください!!!」
幸子(よし…これでなんとか時間が稼げそうですね…)
(何かを期待してた人すみません…!)
幸子「うう…暗くて…靴下がどこにあるのか…分かりませんね…」
刑務官「はい……で、でも絶対見つけ出しますからね!!幽霊め…見つけたらとっちめてやる!」
幸子「お願いしますぅ……」
小梅(…………)
死霊(………)フヨフヨフヨ~
小梅(…!……どうしたの…?)
死霊(………)フヨフヨ
小梅(……!!…カギ…見つけたんだ…ありがとう……)
小梅(これで…なんとか脱出できるね……)
幸子(そろそろ…カギを持ってきてくれましたかね…?)
幸子「あ、あの…刑務官さん…」
刑務官「はい…?」
幸子「幽霊…確かあっちの檻の方へ靴下を持っていった気がします…。あっちの方を調べてみてもらえませんか…?」
刑務官「あっちですか……分かりました!」
幸子「ボクは……怖いのでここで待ってますね…?」
刑務官「分かりましたっっ!確かに…また幽霊に襲われる可能性もありますからね…ここでまっていてください!!」ダダッ
幸子(よし…これでしばらくは戻ってきませんね…)
幸子「…小梅さんっ!どうですか?カギはありましたか?」
小梅「う、うん……。見つけて…持ってきてくれた…」
幸子「おおっ…!これで脱出できますね…!今開けますね…」
▼幸子はカギを開けた!
小梅「ありがとう……!」
幸子「いえいえ…とにかくここを離れましょう…。そしてどこか落ち着いて話せる場所へ…」
小梅「う、うん……でも…」
幸子「…?」
小梅「その前に……お風呂に…入りたい…。それと…着替えがほしい…かな…」
幸子「あー……」
幸子「とりあえず………。刑務所を飛び出したはいいものの……」
幸子(お風呂と着替え…どうしますかね…)
小梅(久しぶりの外……だけど…やっぱり暗いところの方が……)
幸子(宿屋ならお風呂ありますけど……小梅さんの顔を見られるのマズイですよね…。村の人は魔女の顔を知ってる可能性がありますし……)
幸子(とりあえず、まずは人目につかない所でなんとか小梅さんをお風呂に入れてあげたいですね…)
安価
顔を村人に見られずにお風呂に入るにはどうしたら良いだろうか?
↓1
幸子(そうだ……。森の奥にある魔女の家ならお風呂があるのでは……?もしかしたら着替えの服もそこにあるかも…)
幸子「小梅さん。魔女の家って…お風呂ありました?」
小梅「う、うーん…。それが…私も…よく知らないんだ…。中に入って…調べていたら…村の人に急に襲われて…」
幸子「なるほど……。災難でしたね…ほんとに…。その、今の状況だと…体を洗える場所は魔女の家しかないんですよね…」
小梅「………」
幸子「あんまり気は乗らないと思うんですけど…。村のお風呂屋さんに行くわけにも行かないですし…」
小梅「……そうだよね…。うん……行こっか…」
幸子「はい……。道とかってわかりますか…?」
小梅「うーん……。詳しい道は…わからないけど、あの、見えてる山の奥にある…ってことは…分かるよ…」
幸子「な、なるほど……(結構…遠いですね…)」
幸子「ゼェゼェ……ハァハァ…」
小梅「フゥ……」
幸子「山道って……結構……辛いん…ですねぇ…」ハァハァ
小梅「そう…だね……」ハァハァ
幸子(村の人に遭遇しないように…人が通らないところを選んできましたからね…。特に辛いです…)
小梅「さ、幸子ちゃん……。大丈夫……?」
幸子「は、はい……大丈夫…ですよ…体力はある方ですから!!」
小梅「そ、そうじゃなくて……足…」
幸子「足………ってフギャア!!ち、血が出てる……」
小梅「草で…切ったのかな……」
幸子「ううぅ…。魔女の家に着いたら薬草で治します…」
小梅「そ、そうだね……」
小梅(幸子ちゃんが…動物の糞を……何回か踏んでることは…言わないでおいてあげよう……)
小梅「着いた………」
幸子「や、やっとですかぁ………。ここが…噂の……。確かに雰囲気ありますね……」
幸子(畑に井戸に不思議なきのこに……。なるほど魔女が住んでいると噂になってもおかしくないですね…)
小梅「………」
幸子「…どうしました…?」
小梅「どこかに……村の人が…潜んでたりしないかなって…」
幸子「あぁ……。(小梅さんにとっては魔女よりも村の人が怖いんですね…)」
幸子「確かに可能性は…ありますよね…(正直、この家も村人さんに焼き払われていてもおかしくないと思っていたのですが…)」
小梅「……大丈夫みたい…」
幸子「えっ……?」
小梅「ここにいる霊が……教えてくれたの…。ここには私と幸子ちゃんしか…人はいないって…」
幸子「…あ、あぁ……(霊に助けられることに慣れてきてしまっているボクがいます…)」
小梅「おじゃまします……」
幸子「お、おじゃま…し、しまーす……」
幸子(中は………案外普通…ですね…。机と本棚と…台所……。昔々…人がここに住んでいたんですね…。と、なると…どこかにお風呂も…)
小梅「……幸子ちゃん…この…クローゼットの中…見て…」
幸子「どうしました…?………これは……ローブ……。そ、それに…木の杖…。えっ…まさか…本当に魔女が…」
小梅「…それだけじゃ…ないよ……。こっちには…子供用の…ローブがたくさん…」
幸子「…何でこんなものが……」
小梅「……」
幸子(き、気味が悪いですね…。こんなものが沢山あるなんて…。そ、それと…なんというか…さっきから…この場所…何かひっかかるものがあるんですよね…)
幸子「…その、気になってたんですけど……。あ、いや…気にしすぎなのかもしれませんけど……。外の畑…妙にキレイですよね…」
小梅「キレイ……?」
幸子「…ここ、ずーっと昔からある家なんですよね…?そして…村の人も近寄らない…なのに…なんであの畑には…草が生えてないんですかね…耕されてるってわけではないですけど…確実に…誰かに手入れされているような雰囲気が…」
小梅「………」
幸子「井戸もそうですよ……。もっと言ってしまえばこの家も…こんな森の中に放ったらかしにされてるんですから…ツタがはりまくっていてもおかしくない…なのに…」
小梅「……聞こえる…」
幸子「えっっ……」
小梅「霊の声が……聞こえる…助けて欲しいって…どこかで叫んでる…」
幸子「えっ…ええっ…」
小梅「本棚…!本棚の奥から…!!」
幸子「奥…!?」
幸子「奥って言ったって…そんな……。あ、あれ…この本棚…動く…」
小梅「……!!」
幸子「こ、これは……本棚の奥に…書斎…が…!!」
小梅「……あなたは…?」
幸子「えっ…小梅さん…一体誰と話を……ってふぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ガイコツ!!!ガイコツー!!!」
小梅「………」
幸子「あ、あわ…あわわ…」
小梅「そういう……ことだったんだね……」
幸子「え、えっと…え、え、えっと………」
小梅「見えるように…してあげるね………」
幸子「な、な、なにを…ですか…?」ガタガタガタガタ
???「………ありがとう…。本当にありがとう…小梅ちゃんと…幸子ちゃん…だったかな…?」
幸子「あ、あ、あ、あ、あなたは一体……?」
???「……落ち着いたかな…?」
幸子「は、はい………。すみません…。落ち着きました…。えっと…話を整理させてください…」
幸子「この書斎で亡くなっていたあなたは…作家さんで……この魔女の噂というものは…全てあなたが作った話だった…と…」
作家の霊「そういうことさ」
幸子「その……うーーんと……」
作家の霊「納得いかないかい?」
幸子「すごーーっく納得いかないです!!その、あの、あまりにもこの魔女騒動の真相があっさりしてませんか!?そしてなんで今ボク達は作家の霊さんにもてなされているんですか!?なんでこんなに美味しい紅茶とクッキーをご馳走になっているんですか!?」
小梅「おかわり…お願いします…」
作家の霊「はーい♪」
幸子「疑問を持っているのはボクだけですかー!!!」
作家の霊「…僕は紅茶を入れることに関してはとても自信を持っているんだ」
幸子「は、はあ…確かに美味しいですよ…この紅茶…」
作家の霊「そしてお菓子作りに関しても…。僕は人よりも2倍3倍上手く作れると自負しているよ」
小梅「そうなんだね…。確かに…このクッキー…すごく美味しい…」
作家の霊「ありがとうありがとう…。しかしながら…残念なことに僕には物語を作る才能は無かったんだ…」
幸子「……」
作家の霊「僕は考えた…。どうすれば面白い物語を作ることが出来るのか…と…。そして悩んだ末…山奥に家を建てて、そこにこもって物語を作ることを思いついた…。こう、騒がしい村や町で生活していたら、自由でのびのびした発想が出来ないんじゃあないかと思ってね…」
幸子「は、はぁ……」
作家の霊「だが…残念ながら結局山奥で物語を作ったところで面白い話はかけなかった…。それによく考えたら電気も食べ物もない!不便で不便でねぇ…。物語を作るどころじゃなかったよ…」
幸子(この人……あまり頭が…)
作家の霊「畑を作ってみたものの…よく考えたら収穫できるまでかなり時間がかかる!とにかく何か今すぐ食べられるものを探しに行こうと思い…森をやたらめったら歩いていたら…なんと村を発見したんだよ」
幸子「その村が……東の村だったと…」
作家の霊「そういうわけだ。そして、いつか使うことになるかもしれないと思ってお金を持っていた賢い僕は、その村で食料を買ったのさ」
幸子(ちゃっかりしてますねぇ…)
作家の霊「そう、そして…食料を確保して家に戻る時のことだった…。村のイタズラっ子が悪さをしていてね…。女の子を泣かせていたのさ。僕はそういうのは見過ごせないたちでね。そのいたずらっ子を懲らしめてやろうと思い…。悪さばかりしていると魔女に連れていかれるぞ…と、その場の勢いで考えた話をイタズラっ子に話してやったのさ…」
幸子「あぁー…まさかその話が…」
作家の霊「そう…これがどんどん広まっていってしまったのさ…。少年がどう伝えていったのかは分からないがね…」
幸子「そんなことがあったんですね……。そうなると…気になることがあるんですけど…。クローゼットの中にあったあのローブは一体…?」
作家の霊「うむ…。実はまだ話にはちょっとした続きがあるのさ…」
作家の霊「勢いで作ったその魔女の話がなかなかウケが良くてねぇ!」
幸子「う、ウケ…?」
作家の霊「いじめられていた女の子がやたらとその魔女の話を聞きたがってね…。勢いで作ったものだし、特にオチも考えていなかった僕は、また今度話すと言ったのさ。そうしたら、楽しみにしている。友達も連れてくると言ってきてね…。僕は急いで家に帰り話の続きを考えたよ」
幸子「なるほど………。え、まさか…たくさんのローブって…」
作家の霊「察しがいいねぇ!そう、あれは全部僕が作ったのさ!言い忘れていたが僕は服を作ることに関しても自信があるんだ!魔女の話の続きを女の子やその友達に聞かせる時に、雰囲気を出すためにローブを着せてあげようと思ってね!」
幸子「あーははは…なるほど…全てが納得いきました…」
作家の霊「ま、そういうことさ。これが魔女の噂の真相だよ。ちなみに僕は、その魔女の物語を完結させる前にこの書斎で病気か何かで死んでしまったんだ…。だから、その女の子や友達には…続きを聞かせてあげることは出来なかった…それが心残りだよ…」
幸子「そうだったんですね……。もしかしてそれが理由で幽霊になってここに残っているんですか…?」
作家の霊「……おそらく…ね…」
作家の霊「長々と話してしまって悪かったね…」
幸子「いえ…。真相を知れてよかったです…。あ、よかった…って言うのはちょっと…失礼ですかね…」
作家の霊「いや、気にしないでくれ…。なんだか僕のせいで大変なことになっているみたいで少し申し訳なく思うよ…。それより君たち…お風呂を探してるんじゃないかい…?」
幸子「えっっ…なんで分かったんですか…!?」
作家の霊「はははは。君のズボンを見ればわかることさ」
幸子「えっ……?」
小梅「……幸子ちゃん……紅茶…こぼしたの…?」
幸子「あ、あれ……ボク…いつの間に…」
作家の霊「いやぁ、それは紅茶じゃなくて…確か君…僕の骨を見て驚いた時にチョロっと」
幸子「!!!!!!!!」
作家の霊「オシッ」
幸子「紅茶をこぼしたんです!!!!!そうなんです!だからお風呂入りたいなーーって思ってたんですよー!!!」
作家の霊「えっ」
幸子「で、ど、どこにあるんですかお風呂!!」
作家の霊「い、家の裏にあるよ……薪で沸かすやつなんだけど…それでも良ければ…」
幸子「ありがとうございます!!!!」
~お風呂~
幸子「………」
小梅「………」
幸子「………」
小梅「………おしっ」
幸子「紅茶です!!!」
小梅「………」
幸子「………」
小梅「………」
幸子「紅茶です!!!」
小梅「…何も…言ってない…」
幸子「その目が語っていました…」
幸子「しかし……まさか真相が…作家さんの作ったものだったとは…」
小梅「驚き……だね…」
幸子「ですね……。お風呂と服を求めて来た魔女の家で全てを知ることになるとは…思いもよらなかったです…」
小梅「……なんとかして…救ってあげたい…」
幸子「…救う……?」
小梅「……あの作家さんは…本当に…心が清らかな人…だから…。たぶん…自分が作ったお話で…悲しんでいる人がいることに…すごく…ショックを受けていると思う…」
小梅「だから………もう何も心配せずに…お話の続きを書いて…あっちの世界に行けるように…してあげたい……」
幸子「なるほど……」
小梅「なんとか……できないかな…。この真相を……村の人に知ってもらうことは…出来ないかな…?」
幸子「……なんとかしましょう…。任せてください…!!ボクが…何とかしてみせますよ!!!」
小梅「……幸子ちゃん…!!」
幸子(とは言ったもののー!!どうすればいいですかねこれ…)
安価
魔女の噂は昔に森の奥に住んでいた作家が作った話であった。
この真相を村の人々に伝えたいが…どうしたら信じてもらえるだろうか?
↓1
幸子「この真相を劇として演じる…というのはどうでしょうか?」
小梅「劇…?」
幸子「魔女の噂は森に住む作家が作ったものだった…という真相を物語にして劇にするんです。それを村の人々に見せれば、もしかしたら誤解が溶けるかもしれませんよ?」
小梅「なるほど……」
幸子「せっかくローブもたくさんありますし…」
小梅「上手くやれば…」
幸子「はい…!そのためには劇に参加してくれる人もいりますが…」
小梅「それなら……私に任せて…」
幸子「何かいい案が?」
小梅「うん…」
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