【モバマス】こんな人 (14)

初めてなのでご容赦を。

以下、山無し谷無しの妄想。
地の文、モブ(オリジナル)注意。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1508685479

友人1「ねえ、凛の話にちょくちょく出てくるプロデューサーさんってどんな人なの?」

 最近、クラスの友達によく聞かれる質問だ。
 私はそんなにプロデューサーの話をしているつもりはないのだけれど、どうしても仕事の話をするときには出てきてしまうから気になるのだろう。

凛「そうだなぁ。捉えどころのない人だけど、あえて言うなら一生懸命な人ってとこかな。あと、いつも笑ってるかな。」

 そう、何事にも全力。それでいていつも明るい人。
 あの人が一生懸命頑張ってくれたから私はシンデレラガールにもなれたし、今もお仕事を楽しんでできている。

友人2「そうじゃなくってさ。もっと見た目とかそういうところを聞きたいのよ。」

 彼女たちのニヤついた表情からすると漫画やアニメみたいな素敵な敏腕プロデューサーを期待しているのだろう。
 そのイメージを壊して申し訳ないけど、私は本当のことを言う。

凛「見た目って言われても難しいな。不細工ではないけれど、特段にかっこいいわけじゃないかな。あくまでもプロデューサーであって俳優とかアイドルとかじゃないし。でも、身長はまあまあ高いかな。たぶん180cm近くあるんじゃないかな。太ってもいないけど、がりがりってわけじゃないし。普通の人ってとこかな。」

 何の脚色もなしに言うとそんな感じだ。

友1「聞いといて申し訳ないんだけど全然想像ができないや。写真とかないの?」
凛「一応あることはあるけど。」

 鞄にいれているスマートフォンを取り出し、目当ての写真を探す。確か、前のNGのライブ打ち上げの時に撮った写真があったはずだ。

凛「あぁ、これこれ。この写真の左端に写ってる男の人が私のプロデューサー。」

 他にもプロデューサーが写ってる集合写真はいくつかあるのだけれど、事務所での小さな打ち上げだったこれが一番大きく写っていてわかりやすいだろう。

友2「あー、確かに凛が普通の人って言うのわかるわ。悪くはないんだけど、なんとも説明しづらい容姿だもん。悪く言えばありふれた感じ。」

 覗き込みながら感想を述べる。

友1「それにしてもこの写真豪華だね。NG、TP、LOVE LAIKAそれに蘭子ちゃんまでいるじゃん。」
凛「そりゃそうだよ。うちの事務所でした打ち上げなんだから、みんな写っててもおかしくないじゃん。」
友1「そうだけどさ、こういう写真見ると凛って本当にアイドルなんだなって実感するよ。」
凛「なにそれ。まるで普段の私はアイドルらしくないみたいな言い方じゃん。」

 そうは言いながらも私はアイドルとして扱われないことに嬉しさを感じていた。

友1「そんなつもりで言ってないよ。ただ、凛がトップアイドルだなんて未だにどこか現実味がなくてさ。まあ、テレビとか雑誌で見るとすごいなって思うけど、こうやって話してると私の知ってる凛だって感じるし。」

 こうして私をアイドルではなく、元のままクラスの友達として扱ってくれる友達がいることは私の支えにもなっている。

友2「それもこれも凛の素質を見抜いた、その普通の人みたいなプロデューサーのおかげということか。」
凛「そうだね。正直、最初は『何この人、大丈夫なの?』とか思ってたけどさ、私のこと信じてくれて、真剣に私のこと考えてくれてさ、いつの間にか信頼が置けるようになって今では良きパートナーって感じかな。」
友2「そして、いづれは良き夫婦に。」

 彼女はどうしてもそういう方向に持って行きたいのだろうか。

凛 「それは漫画の読み過ぎだって。良い大人だなとは思うけど、なんというかお互いに仕事ばかりだからそういう目では見れないよ、年齢も割と離れてるし。」
友1「割と若そうな人だけどプロデューサーはいくつくらいなの?」
凛 「ちゃんと年齢聞いたことはないけど、大卒で四年目とか言ってたから二十六くらいじゃないかな。」
友2「全然いけるじゃん。今度、その紹介してよ。彼女とかいるのかな?」
凛  「いや、落ち着きなって。十歳も年上の人だよ。まず私たちの年齢だと子供過ぎて相手にされないって。」
友1「あっ、そっちなんだ。」

凛 「まあ、年上に憧れる気持ちはわからなくもないし。」
友2「何やっぱり凛もプロデューサー狙いなわけ。それとも現場で出会った年上の男性アイドルにお熱とか。」
凛 「恋するじゃなくて、憧れるって言ったよね私。それと現場で会った人とあまり連絡先交換しないから。したとしても同世代の女の子だけ。」
友2「憧れは恋への入り口ですぞ。」
凛 「それはあんたみたいな特殊な人間だけでしょ。年上ばかりと付き合ってる物好きなくせに。」
友2「凛だって年上がタイプなはずでしょ。」
凛 「どっちかと言えばそうだけどさ、そこまで年上にこだわるわけでもないよ。」

 確かに年上が恋愛対象かと聞かれれば答えはイエスだ。年下よりも断然
 でも、仕事で接している大人にそういう感情を抱くかどうかは別の問題だと思う。

 楓さんや美優さん、奈々さんのような年齢であればまた別なのかもしれないが、普段関わるようなテレビ局のスタッフやプロデューサーを含めた事務所の人たちは、まだまだ私たちを子ども扱いするし、保護者的な立場で話をしてくる。
 相手がそういう態度なのにこちらが恋愛感情を抱くというのはどうしても難しい。
 実際、事務所でもスタッフやプロデューサーと隠れて付き合っているという話を聞くアイドルはいるが、それは総じて成人以上のアイドルである。それは普段それ相応に女性としての扱いを受けているからお互い恋愛感情を持つことができるのだ。

「でもさ、ぶっちゃけ、シンデレラガールになったんだからモテるでしょ。」
「あまり関係ないと思うけどね。事務所からは『今は特にスキャンダルになるようなことは避けてほしい。』なんて言われたから恋愛なんて考えないようにしてたし、声をかけられてもプロデューサーに対応してもらったりして何も起こらないようにしてたから。」
 今のご時世、いつどこで誰が見ているかなんてわからない上に情報の拡散も早い。私みたいに売り出し中で、ある種一つの目標に達したアイドルなんて雑誌の格好の標的である。何もしてなくても勝手なことを書かれるというのに、男性と一緒に行動するなんてことはリスクが高すぎる。
 だから、移動の時もプロデューサー以外に女性スタッフにもついてもらったり(私に関する仕事量が増えたからでもあるが)、共演者との打ち上げも夜のものに関しては未成年を理由に事務所NGにしてもらう(これは前からでもある)など徹底的に対策してきたのだ。

友1「でもさ、ぶっちゃけ、シンデレラガールになったんだからモテるでしょ。」
凛 「あまり関係ないと思うけどね。事務所からは『今は特にスキャンダルになるようなことは避けてほしい。』なんて言われたから恋愛なんて考えないようにしてたし、声をかけられてもプロデューサーに対応してもらったりして何も起こらないようにしてたから。」

 今のご時世、いつどこで誰が見ているかなんてわからない上に情報の拡散も早い。私みたいに売り出し中で、ある種一つの目標に達したアイドルなんて雑誌の格好の標的である。何もしてなくても勝手なことを書かれるというのに、男性と一緒に行動するなんてことはリスクが高すぎる。

 だから、移動の時もプロデューサー以外に女性スタッフにもついてもらったり(私に関する仕事量が増えたからでもあるが)、共演者との打ち上げも夜のものに関しては未成年を理由に事務所NGにしてもらう(これは前からでもある)など徹底的に対策してきたのだ。

書き込みが二重になってますが、途中で送信した分の訂正です。

友1「まあ、稼ぎ頭の一人がスキャンダルともなれば事務所的にも被害が大きいか。」
友2「いやいや、だからこそのプロデューサーですよ。」
凛 「どういうこと?」
友2「プロデューサーとなら一緒に行動していても怪しまれないですし、何より一番身近な男性としてお互い話をしやすい。凛、やっぱりプロデューサー狙うべきだよ。」
凛 「馬鹿じゃないの?どうしたそういう話になるのさ。さっきも言った通り、私とプロデューサーはそんな仲になるつもりないって。」
友2「凛はそう思っていてもプロデューサーの方はどうかわからないよ。今を時めくJKアイドルが自分を信頼してくれて、常にそばにいるんだから。そんなの男として耐えられるわけが。」
凛 「発想がものすごくおっさんくさいんだけど。」

 でも、確かにそういう可能性は考えたことがなかった。

 プロデューサーの好みのタイプなんて知らないし、今現在恋人がいるのかどうかすら知らない。
 もし、いないのだとしたらその理由は仕事が恋人だからなのか、アイドルに熱中しているからなのか。そんなことはどうでもいい。

友1「でもさ、凛のプロデューサーが年下趣味とは限らないんじゃないの。会社も女子高生好きな人に女子高生アイドルを担当させようとは思わないでしょ。」
友2「さすがに事務所がプロデューサーの性癖まで把握してないでしょ。」
凛 「性癖って…。」
友2「でも、女子高生を売り出すんだったらどうすればいいかを把握してるってのは女子高生に魅力を感じているからでしょ。」

 その言葉にドキッとする。
 確かにプロデューサーは私をスカウトしたその日から、時折私をじっと見つめることはあった。でも、それは他の男性から注がれる視線とは異なるもの。

友1「魅力ねぇ。確かに凛も仕事するようになってから少し変わったよね。それもプロデューサーに魅力を磨かれたからかな。女としての魅力を。」
凛 「馬鹿言わないで。何度でも言うけどそんな関係じゃないって。第一、プロデューサーは私以外にも卯月や未央も担当してるんだから私だけそんなことあるわけないじゃない。」
友2「そこで巻き起こる女の争い。」
凛 「馬鹿。」

 彼女たちの妄想には付き合いきれない。

友1「凛は前からそういう話しないよね。」
凛 「そうかな?まあ、二人といるとそういう話をされることが多いからあれだけど、普段はあまりないかな。」
友1「事務所で他のアイドルの子たちとそういう話しないの?」
凛 「あまりしないかな。大人組はたまにそういう話してるけど、中高校生のアイドルは話題にするの避けっちゃてるところあるかも。別に恋愛禁止とか言われてるわけじゃないけど、どこかタブーな話みたいに感じちゃってるし。」

 そういうことに興味津々なお年頃のはずだが、アイドルであることがそういう話をすることをためらわせる。自称経験豊富な美嘉ですら話を振られない限りはそういうことを言い出さない。
 あと、大人組がする話は結婚とかもっと重たい話だ。

友1「そうなんだ。意外。」
友2「でも、なんだかんだ言って他のアイドルも自分のプロデューサーを狙ってたりするのかな。」
凛 「『も』って何さ。私がプロデューサー狙いみたいになってるじゃん。」
友2「中学生とかだったら近くにいる大人の男の人に恋するなんてよくありそうだしね。」
凛 「なにそれ経験談?」
友2「凛も言うねぇ。反撃?」

 言い方がなんだかムカつく。

友2「それで、凛はプロデューサーのどこがいいの?恋愛とか抜きにして一緒にいて良いなって思うところとかあるでしょ。」

凛 「そうだなぁ。真面目なところとか話を聞いてくれるところかな。あと、意外と良い匂いする。」

友1「良い匂い?」

凛 「職業柄身だしなみには気を付けているのか、近づいたりすると良い匂いするんだよね。なんか自然な匂いだけど落ち着くというか。」

友1「それって香水の匂い?」

凛 「いや、もっと自然な匂いだって。シャンプーとかボディーソープで付けたみたいな感じかな。」

友2「それって体臭じゃないの?ほら、フェロモン的なやつ。好きな人の匂いが良い匂いに感じるのは本能的なものだっていうじゃない。」

凛 「そうは言うけど、私のはそうじゃない。なんかあるじゃん、ほら。」

友1「やっぱりプロデューサー狙いなんじゃん。頑張れ。応援してるよ。」

凛 「だから違うって。」

 否定するこちらがだんだんムキになってくる。何とも馬鹿馬鹿しいと思いながらも、きっと私は顔を真っ赤にしているのだろう。

友2「そんなに照れなくても良いじゃん。いつも近くにいてくれて頼れる年上なんて惚れるに決まってるんだから。」

凛 「本当に違うんだから!」

 捨て台詞のようにそう言って私は鞄を持って教室を去る。少し怒ったふりをしているだけだ。
 いいや、このまま事務所にでも向かってしまえ。今日はレッスンも仕事もないけど行ったら誰かいるだろう。

 もし、プロデューサーがいたらこの話を愚痴ってやる。
 どう反応するかが楽しみになって来た。


(終?)

寝起きたら忘れてました。
読みづらいと言われたので最後だけ読みやすくてしてみたつもりです。

読むのと書くのは違いますね。
気が向いたらまた挑戦してみます。

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