喜多村「（一見、壁に寄り掛かって携帯の画面を見ているだけだけど）」

喜多村「（周囲の人が引くような気持ち悪いにやけ顔）」

喜多村「（あの気持ち悪さは100年の恋も冷めるんじゃね?）」

花澤「唯ちゅわぁ～ん……グヘヘッへッグヘヘ……」

喜多村「（もう知っているけど、本当に酷いな）」

喜多村「（金田朋子さんでも引いちゃっているし）」

喜多村「（最近では周囲関係なく末期状態になっているし、近いうちにマジで逮捕されるな）」

喜多村「これは何か対処しないと流石にまずいなぁ……」

花澤「唯ちゅわぁ～ん」

花澤「グヘッ……グヘヘへへ」

喜多村「（本当に気持ち悪いな……）」

数時間後

喜多村「というわけで、やってきましたよ、花澤香菜宅に」

後藤沙緒里「ねぇねぇ、英梨ちゃん英梨ちゃん。どうして香菜ちゃんの家に来ているの?」

喜多村「ん?　さっきデニーズで言ったでしょー」

喜多村「この後、花澤香菜の家に行って、生体調査するって」

後藤（弱）「ごめん、聞いてなかった」

喜多村「もぉ～、後藤さんたら私の話聞かずにステーキとラーメンに夢中なんだから!」

喜多村「あと、太ももさわさわしてくるし」

後藤（弱）「だって、鬼お腹すいていたんだもん」

喜多村「もういいですよ、太もも触るのもバカみたいに食うのも知ってます」

後藤（弱）「で、何しに来たんだっけ?」

喜多村「沙緒里は小倉唯ちゃんって知ってる?」

後藤（弱）「うん。知っている」

喜多村「花澤香菜の変態度は?」

後藤（弱）「だいたい知ってるかな?　具体的にはわかんないけど」

後藤（弱）「でも業界で有名だもんね、香菜ちゃんの変態って」

喜多村「そうですよ。花澤香菜が小倉唯に対する愛着。ここ最近は本当に……酷い!」

喜多村「一言目に唯ちゃん。二言目に唯ちゃん」

喜多村「もう一日中、唯ちゃん唯ちゃんって言っていても過言じゃない」

喜多村「そして小倉唯ちゃんに関することでのにやけは変態を通り越しての気持ち悪さ」

喜多村「今日なんて誰も香菜のにやけのせいで近づく人はいなかったんだから」

後藤（弱）「それはもう酷いね。気持ち悪い変態だね」

喜多村「そうですよ。後藤さんも変態ですけど、流石にそこまではしないですよ」

後藤（弱）「へ、変態じゃないもん」

喜多村「だって、現場で可愛い女の子の太ももまさぐったりいろんなところ触れたりしているじゃないか!」

後藤（弱）「だって、そこに可愛い女の子がいるんだよー!」

喜多村「ちなみに小倉唯と花澤香菜は?」

後藤（弱）「阿知賀編の時触ったよ」

喜多村「香菜と同類じゃん!　気持ち悪いにやけは見たことないけど!」

喜多村「話を戻すけど、花澤宅に何しに来たというとね

喜多村「香菜の変態度が更に悪化する前に善処しなければいけない」

喜多村「そのためには花澤香菜のことをもっとよく知らないといけない」

喜多村「そういうことで、花澤宅に侵入して生体調査をすることでやってきました」

後藤（弱）「なるほどー」

喜多村「あんまり立ち話しすぎると近所に迷惑だから、さっそく侵入するわよ」

後藤（弱）「おー」

喜多村「奥義!」

喜多村「奇跡も魔法もあるんだよ!」

喜多村「開いたぞ、後藤」

後藤（弱）「わーすごーい」

喜多村「後藤さん、なんで私が鍵を持って開けたってことと、私の台詞につっこむ気はないの?」

後藤（弱）「割とどうでもいいからねー」

喜多村「酷いな!」

後藤（弱）「おじゃましまーす」

喜多村「花澤香菜の母に交渉して鍵を貰ったエピソードも聞く気ないですね」

喜多村「でもいっか!　私もおっじゃましまーす!」

喜多村「鍵を閉めてっと……沙緒里はもう直行で私室かな?」

喜多村「沙緒里、何か見つかった?」

後藤（弱）「見つかったよー」

喜多村「何をー?」

後藤（弱）「唯ちゃんのポスターとか写真集がね、あらゆるところに貼ってある」

喜多村「ちなみにけいおんの唯ちゃんじゃないよね?」

後藤（弱）「声優の方」

喜多村「予想通りね。プライベートも小倉唯か」

喜多村「お風呂場やトイレは普通か」

喜多村「沙緒里、他になにか見つかったー?」

後藤（弱）「見つかったよー」

喜多村「それってなにー?」

後藤（弱）「あやねる」

喜多村「…………」

喜多村「……え?」

後藤（弱）「佐倉綾音ちゃん」

喜多村「……写真?」

後藤（弱）「実物」

喜多村「本人かよ!」

花澤香菜私室

後藤（弱）「ベッドの下を探していたら、綾音ちゃんがいたんだよ」

喜多村「なんで佐倉綾音が花澤香菜の部屋いる?」

佐倉綾音「そ、そういう後藤さんと喜多村さんはなんでここにいるんですか?」

喜多村「私らは花澤母から許可を貰って、家に入ったの」

佐倉「わ、わたしだって許可貰ってはいりましたよ」

後藤（弱）「本当?」

佐倉「……ピッキングで入りました」

喜多村「佐倉さん引くわー」

佐倉「ちょ、喜多村さん!　言われることわかっていましたけど、言わないでくださいよ!」

佐倉「これはそう!　愛のための結果なんですから!」

後藤（弱）「ほんと、マジ引くわー」

佐倉「ご、後藤さん!　マジでリアルに引かないでくださいよー!」

後藤（弱）「あ、やだ、近づかないで」

佐倉「後藤さあああああああああああん!!」

喜多村「つか、あやねるは何しに来たの?　犯罪?」

佐倉「いくらなんでもそこまではしませんよ!」

喜多村「不法侵入の時点で犯罪だけどな」

佐倉「そこは見逃してくださいよ」

喜多村「話によっては通報するぞ」

佐倉「わたしが花澤香菜さんの部屋に侵入したのはですね」

佐倉「パンツを……クンカクンカ、フフッ……」

後藤（弱）「…………」

喜多村「おいコラ、あやねる!　沙緒里がドン引きしたじゃねぇか!」

佐倉「ご、後藤さん!　冗談ですジョークです!　ですからわたしのこと嫌いにならないでください!」

佐倉「ないと思いますが……ご、後藤さんはパンツをクンカクンカしたことないですか?」

後藤（弱）「ねぇよ!」

佐倉「ですよねー!」

喜多村「ていうか、あやねるのことなんかどうでもいいんだよ」

喜多村「我々の目的は花澤香菜の生体調査なんだから、調査再会するよ」

後藤（弱）「ほぉーい」

喜多村「壁の周りはほとんど小倉唯だね」

喜多村「他はどうなんだろう……」

佐倉「あ、そういえば、戸棚の一番下の右側に唯ちゃんの写真ありますよ」

後藤（弱）「あ、ほんとだ」

佐倉「どうですか、わたしお手柄ですよ」

喜多村「佐倉さん引くわー」

佐倉「ちょっと!　情報与えたのに何故引くんですか!?」

佐倉「そりゃ、花澤さんのこと愛しいですから。これくらいは把握済みですよ」

後藤（弱）「唯ちゃんだけの写真と香菜ちゃんと一緒に写っている写真しかなかったよ」

喜多村「うわ、本当だ。あいつどんだけ小倉唯のこと好きなんだよ!」

佐倉「スルー!?　せめて引いてください!」

後藤（弱）「綾音、うるさい」

佐倉「後藤さん、マジ引きは流石に辛いので勘弁してください」

喜多村「次はクローゼットの中でも探ろうかな」ガチャ

竹達彩奈「あ」

喜多村「あ」

佐倉「あ」

後藤（弱）「わぁ」

喜多村「…………」

竹達「…………」

喜多村「……あやち、こんなところでなにしてるの?」

竹達「か、かくれんぼです」

佐倉「花澤さんの部屋ですか?」

竹達「そ、そうなん、です、にゃん」

喜多村・佐倉「…………」

竹達「…………」

後藤（弱）「とりあえず出て来たらどうかな?」

竹達「あ、はい。わかりました……」

喜多村「――えっと、あやねる同様に侵入に成功」

佐倉「でも、すぐにわたしがやってきて、慌ててクローゼットの中へ隠れたということですか」

竹達「うん……」

竹達「あ、後藤さん」

喜多村「ちょっと沙緒里!　すぐそうやって股をまさぐるな!」

後藤（弱）「だって、隣にいるから」

喜多村「あんた、隣が可愛い女の子だったらすぐ太ももを触るんだから!」

喜多村「つか、あやちも沙緒里にベタベタしないの!」

竹達「だって後藤さん良い匂いするし、触ってくるんだもん」

喜多村「そりゃそうだよ!　後藤沙緒里だぞ!」

後藤（弱）「ど、どういうこと?」

喜多村「後藤沙緒里と言ったら良い匂いなんだよ!　良い匂いしないわけがない!」

佐倉「あぁ……確かにそうですね」

喜多村「というわけだから、私にも嗅がせろよ!」

佐倉「わたしも嗅ぎたいです!」

後藤（弱）「じゃあ……みんな、おいで」

喜多村・佐倉・竹達「「「はい!」」」

喜多村「って、今は置いといていいんだよ!　後でいっぱい嗅がせてもらうんだから」

喜多村「あやちは何故、花澤宅に侵入したんだよ」

竹達「…………」

竹達「みなさんは、最近の香菜ちゃんをご存じですか?」

喜多村「小倉唯」

後藤（弱）「小倉唯ちゃん」

佐倉「花澤さんは小倉唯しか頭にない」

竹達「そう!」

竹達「そうなんです!」

竹達「ここ最近の花澤香菜ちゃんは小倉唯ちゃんしか頭にないの!」

竹達「前まではあやち可愛い、あやちぺろぺろって私の前でも平気でセクハラ発言をしていた!」

竹達「ネットでも有名になって、私と香菜ちゃんのSSもあるし、なによりも代表の百合声優カップルになった!」

喜多村「SSとかあったの?」

佐倉「ありましたね」

竹達「ストッキング履いていたら、(´・ω・`)してたのに!」

後藤（弱）「それどんな顔?」

佐倉「ショボーンですね」

喜多村「つか、どんな状況だよ」

後藤（弱）「太もも触った時だね」

喜多村「流石後藤さん」

後藤（弱）「まあね」

竹達「今日の収録なんて、香菜ちゃんと一緒で生足をさらけ出したのに」

竹達「一度も触ってくれなかったんですよ!」

喜多村「そういえば一緒だったね」

竹達「いつから私は影薄いキャラとなったんですか!?」

喜多村「今日だけだって。花澤香菜の存在が大きすぎたんだよ」

喜多村「ラジオ一緒で可愛いとか言っているんじゃないの?」

竹達「ラジオ終わったらすぐに唯ちゃんに切り替えちゃうんです!」

竹達「香菜ちゃんはわたしのことあやちあやちって変態ながらもわたしを愛してくれたのに」

竹達「今じゃ、わたしのことなんて……グスッ、全く相手にして、くれなくなるなんて……」

竹達「あんまりだよ、香菜ちゃん!」

竹達「うああああああああん!!」

後藤（弱）「よしよし」ナデナデ

竹達「後藤……さんっ」

後藤（弱）「大丈夫だよ」ナデナデ

竹達「うあああああああああん!!」ガシッ

佐倉「（泣いている竹達さんを後藤さんが優しく頭を撫でている）」

佐倉「（そして竹達さんが泣きながら後藤さんに抱きついてる）」

喜多村「（なんか……ずるいな）」

喜多村「これが小倉病の被害者か」

佐倉「まぁ、本格的に小倉病にかかっているのは花澤さんぐらいですしね」

佐倉「他はどうかわかりませんね」

喜多村「香菜が変態だっていうのもあるけどな」

後藤（弱）「ところで何しに来たんだっけ?」

喜多村「私達の目的もう忘れちゃったの?」

喜多村「花澤香菜が自重しない変態度を悪化する前に善処をしよう」

喜多村「そのために花澤宅で生体調査しに来たんだよ」

竹達「香菜ちゃんは演技、仕事以外は小倉唯しかないよ」

佐倉「360度、ゆいおぐらに囲まれた花澤さんの部屋が物語ってますね」

竹達「前まではわたしが360度だったのに!」

喜多村「（あいつ、あやちからゆいちゃんに変える時、ためらいとかなかったのかな?）」

後藤（弱）「要するに香菜ちゃんの変態を直そうということでいい?」

喜多村「もうそれでいいんじゃない?」

佐倉「わりとアバウトですね」

喜多村「流石に私達でなにかしないと、あいつ本当に後戻りできなくなるからな」

喜多村「何かしら善処すればなんでもいいんだよ」

喜多村「考えてみろ」

喜多村「急に花澤香菜が変態行動で捕まったらどうする?」

喜多村「人気声優が若手声優に手を出したら、声優界に大きな影響が出るだろ」

喜多村「最悪の場合、私達も仕事が来なくなる場合もあるかもしれないんだぞ!」

喜多村「あやねるも香菜が捕まったら、もう百合を語ることもセクハラ発言もできなくなるかもしれないんだぞ」

喜多村「そして共演できなくなるぞ!」

佐倉「それは嫌です! 絶対嫌です!」

喜多村「だから、対処しなければいけないんだよ!」

竹達「善処……」

竹達「そう……ですね……」

喜多村「あやち?」

竹達「善処しなければいけませんよね、香菜ちゃんには……」

竹達「フフッ、フフフフフ……」

佐倉「た、竹達さんの様子がおかしいです!」

喜多村「見ればわかるよ!　なんか禍々しい邪気のオーラが見える気もしなくないし!」

竹達「このままじゃ、香菜ちゃんは浮気者の変態として取り返しがつかなくなる」

竹達「そうなる前に……」

竹達「香菜ちゃんを殺して、私の永遠の物にする!」

佐倉「ぎょええええええええ!?」

佐倉「喜多村さん!　あやちが、あやちが謎のヤンデレ化しました!」

喜多村「んなのわかっていよ!　超展開だよ!　いったいどうなったらそうなるんだよ!」

竹達「なに驚いているんですか?　わたし、間違っていませんよ?」

佐倉「大いに間違っています!　つか、花澤さんを殺すなんて」

佐倉「そんなこと、絶対にさせませんよ!　共演できなくなりますからね!」